JPH11157132A - デジタル階調画像の印刷方法および階調画像が表現された印刷物 - Google Patents

デジタル階調画像の印刷方法および階調画像が表現された印刷物

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JPH11157132A
JPH11157132A JP9342297A JP34229797A JPH11157132A JP H11157132 A JPH11157132 A JP H11157132A JP 9342297 A JP9342297 A JP 9342297A JP 34229797 A JP34229797 A JP 34229797A JP H11157132 A JPH11157132 A JP H11157132A
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JP9342297A
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Kazunari Iyoda
一成 伊豫田
Hiroaki Takita
宏明 滝田
Seiki Goto
清記 後藤
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 網点で表現した印刷物を作製する際に、印刷
品質を高める。 【解決手段】 それぞれ所定の階調値をもった画素の集
合からなる全体画像Z0を画像データとして用意する。
この全体画像Z0に対して、AMスクリーニングを行
い、階調値を網点の大きさで表現した第1の網点画像Z
1を作成するとともに、FMスクリーニングを行い、階
調値を網点の密度で表現した第2の網点画像Z2を作成
する。全体画像Z0を構成する各画素について、階調値
もしくはその空間周波数を参照し、AMスクリーニング
に適した領域とFMスクリーニングに適した領域とを定
義し、マスクM1,M2を作成する。マスクM1を用い
て、AMスクリーニングに適した領域のみを抽出した網
点画像Z1を作成し、マスクM2を用いて、FMスク
リーニングに適した領域のみを抽出した網点画像Z2
を作成し、両者を合成して、全体網点画像Z3を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル階調画像
の印刷方法および階調画像が表現された印刷物に関し、
特に、AMスクリーニングの手法とFMスクリーニング
の手法を融合した手法により、デジタル階調画像を印刷
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な商業印刷の分野では、カラー画
像を表現する場合、デジタル階調画像を二値画像で表現
するデジタルハーフトーンの手法が用いられている。通
常は、CMYKの4色で表現されるデジタル階調画像
を、各色成分の版ごとに、それぞれ所定の階調値をもっ
た画素の集合からなる画像データとして用意し、各画像
データに基づいて、それぞれ網点を配置するスクリーニ
ングを行い、各色成分の版ごとに網点画像を作製するこ
とになる。こうして作製された網点画像は、網点の部分
と背景の部分とから構成される二値画像になるが、網点
の大きさもしくは配置密度を、原画像の画素の階調値に
応じて変調することにより、疑似的に階調表現が可能に
なる。
【0003】網点の大きさを変調することにより階調表
現を行う手法は、商業印刷の分野において古くから利用
されており、従来からの一般的な網点印刷は、この手法
によるものがほとんどである。通常、等ピッチの格子線
を縦横に定義し、その交点位置に網点の中心位置がくる
ように個々の網点が配置される。個々の網点の大きさ
は、原画像の個々の画素の階調値に基づいてそれぞれ異
なるが、個々の網点の配置ピッチは一定になる。一般的
な商業印刷では、格子線の間隔(すなわち、網点のピッ
チ)は、0.145mm(1/175インチ)程度に設
定される。カラー画像の場合、CMYKの各版ごとにそ
れぞれスクリーニングを行い、CMYKの各版ごとにそ
れぞれ製版フィルムを作製し、この製版フィルムに基づ
いて各版ごとに刷版を作製し、この4色の刷版を用いて
印刷を行うことになる。ただ、各版のスクリーン角度
(網点配置の基準になる格子線の配置角度)が等しい
と、印刷物上に形成された各版の網点の光学的な相互作
用により、部分的に干渉縞(いわゆるモアレやロゼッタ
パターン)が観測されるので、通常は、CMYKの各版
ごとにスクリーン角度をずらす手法が採られている。
【0004】一方、網点の配置密度を変調することによ
り階調表現を行う手法は、1983年にドイツで理論発
表が行われて以来、徐々に発展が遂げられて現在に至っ
ており、一部の商業印刷の分野で利用されている。この
手法は、一般に、FM(Frequency Modulation)スクリ
ーニングと呼ばれており、これに対比させて、前述した
網点の大きさを変調することにより階調表現を行う従来
の手法は、AM(Amplitude Modulation)スクリーニン
グと呼ばれている。FMスクリーニングでは、通常、同
一の大きさの網点を、原画像の個々の画素の階調値に基
づいた密度でランダムに配置することにより、階調表現
がなされる。カラー画像の場合は、やはり、CMYKの
各版ごとにそれぞれスクリーニングを行い、CMYKの
各版ごとにそれぞれ製版フィルムを作製し、この製版フ
ィルムに基づいて各版ごとに刷版を作製し、この4色の
刷版を用いて印刷を行うことになる。個々の網点のピッ
チはランダムになるため、AMスクリーニングの場合に
見られるような干渉縞の発生はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したAMスクリー
ニングの手法およびFMスクリーニングの手法には、そ
れぞれ解決すべき問題点がある。まず、AMスクリーニ
ングの手法の問題点は、上述したように、モアレやロゼ
ッタパターンなどの干渉縞の発生である。AMスクリー
ニングでは、各網点が所定ピッチで配置されるため、C
MYKの各版ごとに、それぞれ規則的なパターンが形成
される。これらの規則的パターンを重ね合わせた結果、
干渉縞が現れることになる。そこで、各色の版ごとに、
それぞれ網点のピッチを変えることにより、干渉縞の発
生を抑える手法も知られているが、画像データに対して
行う演算の負担が大きくなるため、効率良い対処方法と
は言えない。もちろん、4版のスクリーン角度を互いに
ずらすことにより、干渉縞の発生を抑制することは可能
であるが、干渉縞を完全に抑えることはできない。した
がって、Y版などの比較的薄い色についてのみ干渉縞が
発生するようにスクリーン角度の設定を行い、全体的に
干渉縞を目立たせないような工夫によって妥協している
のが現状である。このため、たとえば縞模様の絵柄部分
などには、モアレが観察されやすい。また、FMスクリ
ーニングの手法に比べると、解像度が低くなるという問
題もある。
【0006】一方、FMスクリーニングの手法によれ
ば、干渉縞の問題は一切生じることがない。もともと各
網点配置がランダムであり、規則性を有しないため、原
理的に干渉縞が発生することはない。また、網点の配置
位置の自由度がAMスクリーニングに比べて高いため、
より高い解像度を得ることができるというメリットもあ
る。しかしながら、人間の目で観察した場合、いわゆる
「もやもや感」あるいは「ざらつき感」といった印象を
与え、自然な風合いを損ねるというデメリットがある。
この「もやもや感」なる印象を与える原因は、各網点の
配置がランダムであるため、部分的に粗密の差が現れ、
ノイズ成分として認識されるためと考えられる。たとえ
ば、全面を均一の濃度で同一色にベタ塗りしたような画
像を、FMスクリーニングの手法によって印刷した場
合、網点密度は全面にわたって必ずしも均一にはなら
ず、細かな部分では、ランダム配置に基づく濃淡差が生
じてしまい、「もやもや感」が現れることになる。一
方、「ざらつき感」なる印象を与える原因は、網点の大
きさが同じであるため、特に、中間調からハイライト部
分にかけて、個々の網点が粒々として認識され、粒状感
を与えるためと考えられる。
【0007】そこで本発明は、デジタル階調画像を網点
で表現した印刷物を作製する際に、より印刷品質を高め
るための方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】(1) 本発明の第1の態
様は、デジタル階調画像を所定の媒体上に印刷するデジ
タル階調画像の印刷方法において、所定の階調値をもっ
た画素の集合からなる画像データを用意する画像データ
準備段階と、用意した画像データによって示される画像
を第1のグループに所属する領域と第2のグループに所
属する領域とに分割する領域分割段階と、第1のグルー
プに所属する領域についての画像データに対してはAM
スクリーニングを行い、第2のグループに所属する領域
についての画像データに対してはFMスクリーニングを
行い、各画素の階調値に基づいて網点を配置した網点画
像を作成する網点画像作成段階と、この網点画像に基づ
いて印刷を行う印刷段階と、を行うようにしたものであ
る。
【0009】(2) 本発明の第2の態様は、デジタル階
調画像を所定の媒体上に印刷するデジタル階調画像の印
刷方法において、所定の階調値をもった画素の集合から
なる画像データを用意する画像データ準備段階と、用意
した画像データによって示される全体画像を第1のグル
ープに所属する領域と第2のグループに所属する領域と
に分割する領域分割段階と、第1のグループに所属する
個々の領域について、各領域内の画像データに基づい
て、画素の階調値に応じた大きさをもつ網点を所定ピッ
チで配置した第1の網点画像を作成する第1の網点画像
作成段階と、第2のグループに所属する個々の領域につ
いて、各領域内の画像データに基づいて、所定の大きさ
をもつ網点を画素の階調値に応じた密度で配置した第2
の網点画像を作成する第2の網点画像作成段階と、第1
の網点画像と第2の網点画像とを合成して、全体画像に
対応する全体網点画像を作成する全体網点画像作成段階
と、この全体網点画像に基づいて印刷を行う印刷段階
と、を行うようにしたものである。
【0010】(3) 本発明の第3の態様は、上述の第2
の態様に係るデジタル階調画像の印刷方法において、全
体画像を構成する全領域について、第1の網点画像作成
段階と第2の網点画像作成段階とを重複して行い、全体
網点画像作成段階では、第1の網点画像のうちの第1の
グループに所属する領域と、第2の網点画像のうちの第
2のグループに所属する領域とを合成することにより、
全体網点画像を作成するようにしたものである。
【0011】(4) 本発明の第4の態様は、上述の第1
〜第3の態様に係るデジタル階調画像の印刷方法におい
て、領域分割段階で、第1のグループに所属する領域と
第2のグループに所属する領域とを定義した後、所定の
基準面積に満たない領域を非考慮領域と認定し、この非
考慮領域については、これを内包する別な領域の一部と
して取り扱うことにより消滅させる処理を行うようにし
たものである。
【0012】(5) 本発明の第5の態様は、上述の第1
〜第4の態様に係るデジタル階調画像の印刷方法におい
て、画像データ準備段階で、それぞれ所定の階調値をも
った画素の集合からなる画像データを、各色成分の版ご
とに用意し、合計n版からなる画像データを用意するよ
うにし、領域分割段階で、このn版の画像データについ
て共通の領域分割を行うようにしたものである。
【0013】(6) 本発明の第6の態様は、上述の第5
の態様に係るデジタル階調画像の印刷方法において、n
版の画像データを合成することによりグレースケール画
像を作成し、このグレースケール画像に基づいて、共通
の領域分割を行うようにしたものである。
【0014】(7) 本発明の第7の態様は、上述の第1
〜第4の態様に係るデジタル階調画像の印刷方法におい
て、画像データ準備段階で、それぞれ所定の階調値をも
った画素の集合からなる画像データを、各色成分の版ご
とに用意し、合計n版からなる画像データを用意するよ
うにし、領域分割段階で、このn版の画像データのそれ
ぞれについて別個の領域分割を行うようにしたものであ
る。
【0015】(8) 本発明の第8の態様は、上述の第1
〜第7の態様に係るデジタル階調画像の印刷方法におい
て、領域分割段階で、画素のもつ階調値に応じて所属す
るグループを決定するようにしたものである。
【0016】(9) 本発明の第9の態様は、上述の第8
の態様に係るデジタル階調画像の印刷方法において、画
素のもつ階調値に所定のしきい値を定め、しきい値以上
の階調値をもつ画素を第2のグループに所属させ、しき
い値未満の階調値をもつ画素を第1のグループに所属さ
せるようにしたものである。
【0017】(10) 本発明の第10の態様は、上述の第
9の態様に係るデジタル階調画像の印刷方法において、
階調値を大きさで表現するために用意された種々の大き
さの網点のうち、階調値を密度で表現するために用意さ
れた網点の大きさとほぼ同じ大きさの網点に対応づけら
れる階調値をしきい値として設定するようにしたもので
ある。
【0018】(11) 本発明の第11の態様は、上述の第
1〜第7の態様に係るデジタル階調画像の印刷方法にお
いて、領域分割段階で、画素のもつ階調値の空間周波数
に応じて所属するグループを決定するようにしたもので
ある。
【0019】(12) 本発明の第12の態様は、上述の第
11の態様に係るデジタル階調画像の印刷方法におい
て、画素のもつ階調値の空間周波数に所定のしきい値を
定め、しきい値以上の空間周波数をもつ画素を第2のグ
ループに所属させ、しきい値未満の空間周波数をもつ画
素を第1のグループに所属させるようにしたものであ
る。
【0020】(13) 本発明の第13の態様は、上述の第
11または第12の態様に係るデジタル階調画像の印刷
方法において、画像データ準備段階で用意された画像デ
ータに対して空間フィルタを作用させる演算を行い、個
々の画素について、それぞれ隣接する画素との階調値の
相違を示すパラメータ値を求め、このパラメータ値を画
素値としてもつ参照画像を作成し、この参照画像に基づ
いて領域分割を定義するようにしたものである。
【0021】(14) 本発明の第14の態様は、上述の第
1〜第7の態様に係るデジタル階調画像の印刷方法にお
いて、領域分割段階で、画素のもつ階調値と、この階調
値の空間周波数との双方に応じて所属するグループを決
定するようにしたものである。
【0022】(15) 本発明の第15の態様は、上述の第
14の態様に係るデジタル階調画像の印刷方法におい
て、画素のもつ階調値に第1のしきい値を定め、画素の
もつ階調値の空間周波数に第2のしきい値を定め、第1
のしきい値未満の階調値をもち、かつ、第2のしきい値
未満の空間周波数をもつ画素を第1のグループに所属さ
せ、それ以外の画素を第2のグループに所属させるよう
にしたものである。
【0023】(16) 本発明の第16の態様は、上述の第
1〜第15の態様に係るデジタル階調画像の印刷方法に
おいて、第1のグループに所属する領域と、第2のグル
ープに所属する領域とに対して、それぞれ異なるドット
ゲイン補正を行った後、網点形成を行うようにしたもの
である。
【0024】(17) 本発明の第17の態様は、上述の第
1〜第16の態様に係るデジタル階調画像の印刷方法に
よって、階調画像が表現された印刷物を作製するように
したものである。
【0025】(18) 本発明の第18の態様は、多数の網
点によって階調画像が表現された印刷物において、一部
の領域については、網点の大きさによって階調が表現さ
れており、別な一部の領域については、網点の密度によ
って階調が表現されているようにしたものである。
【0026】(19) 本発明の第19の態様は、上述の第
18の態様に係る階調画像が表現された印刷物におい
て、明度が所定のしきい値以上であるハイライト部につ
いては、網点の大きさによって階調が表現されており、
明度がこのしきい値未満であるシャドウ部については、
網点の密度によって階調が表現されているようにしたも
のである。
【0027】(20) 本発明の第20の態様は、上述の第
18の態様に係る階調画像が表現された印刷物におい
て、空間周波数が所定のしきい値以上である部分につい
ては、網点の密度によって階調が表現されており、空間
周波数がこのしきい値未満である部分については、網点
の大きさによって階調が表現されているようにしたもの
である。
【0028】(21) 本発明の第21の態様は、上述の第
18の態様に係る階調画像が表現された印刷物におい
て、明度が所定のしきい値以上であり、かつ、空間周波
数が所定のしきい値未満である部分については、網点の
大きさによって階調が表現されており、それ以外の部分
については、網点の密度によって階調が表現されている
ようにしたものである。
【0029】(22) 本発明の第22の態様は、上述の第
17〜第21の態様に係る階調画像が表現された印刷物
において、n色のインキを用いたn版から構成されてお
り、各版ごとにそれぞれ、網点の大きさによって階調が
表現されている部分と、網点の密度によって階調が表現
されている部分とが存在するようにしたものである。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施形態
に基づいて説明する。
【0031】§1. 従来のスクリーニング手法 ここでは、説明の便宜上、従来から一般的に利用されて
いるAMスクリーニングと、近年、普及し始めたFMス
クリーニングとについて、その基本的手法を簡単に述べ
る。一般的なデジタルカラー階調画像では、たとえば、
図1に示すように、CMYKの4版のそれぞれについて
画素配列が定義され、各画素ごとに所定の画素値が定義
される。1つの画素についての階調値を8ビットで表現
した場合、個々の画素は、0〜255の範囲内のいずれ
かの階調値を有することになる。
【0032】AMスクリーニングの手法では、個々の画
素はその階調値に応じた大きさの網点によって表現され
る。たとえば、図1に示すC版上の画素P(1,1),
P(1,2),P(1,3),…,P(2,1),…
は、それぞれ図2に示すような網点Q(1,1),Q
(1,2),Q(1,3),…,Q(2,1),…によ
って表現されることになる。たとえば、階調値=255
が与えられた画素は、最も大きな網点によって表現さ
れ、階調値=128が与えられた画素は、その半分程度
の大きさの網点によって表現される。なお、ここでは、
1画素を1つの網点で表現する例を示すが、複数の画素
を1つの網点で表現したり(この場合は、たとえば、各
画素の階調値の平均に基づいて網点の大きさを決定すれ
ばよい)、あるいは1つの画素を複数の網点で表現して
もかまわない。このAMスクリーニングでは、各網点
は、図2に一点鎖線で示すように、縦横に配された格子
線の交点に中心位置がくるように配置される。通常、こ
の格子線の横方向のピッチdxおよび縦方向のピッチd
yは一定であり、dx=dy=0.145mm(1/1
75インチ)程度に設定される。結局、大きさの異なる
網点が、縦横同一のピッチで多数配列されることにな
る。
【0033】なお、1つの網点は、必ずしも1つのまと
まりをもった連続領域として形成されるとは限らず、よ
り小さなドットの集合として、1つの網点が形成される
場合もある。たとえば、図3(a) に示すような大きさの
網点を用いる代わりに、図3(b) に示すような小さなド
ットの集合から構成される網点を、AMスクリーニング
における網点として用いることも可能である。図示の例
では、10×10のマトリックスの中心部の24ますに
小さなドットが形成されており、最大の網点の大きさを
100%としたときに、24%の大きさに相当する網点
が示されている。
【0034】一方、FMスクリーニングの手法では、個
々の画素はその階調値に応じた密度の網点によって表現
される。たとえば、図3に示すような24%の大きさの
網点で表現される画素を、FMスクリーニングの手法で
表現すると、図4に示すようになる。図3(b) の例も図
4の例も、いずれも10×10のマトリックスの中の2
4ますに小さなドットが配置されている点は同じであ
り、いずれも24%の階調値をもった画素を表現してい
る。ただ、図3(b) に示すAMスクリーニングにおける
網点は、小さなドットが中央部分に集まっており、この
小さなドットの集合によって1つの網点が形成されてい
るのに対し、図4に示すFMスクリーニングにおける網
点は、小さなドットがそれぞれ独立した網点を形成し、
網点配置はランダムになっている。
【0035】以上、AMスクリーニングおよびFMスク
リーニングの手法を、図示する例について述べたが、要
するに、AMスクリーニングでは、各画素の階調値が網
点の大きさ(面積)によって表現されるのに対し、FM
スクリーニングでは、各画素の階調値が網点の密度によ
って表現されることになる。このため、各スクリーニン
グの手法には、既に述べたように、それぞれ固有の問題
点が生じることになる。
【0036】AMスクリーニングにおける重大な問題
は、干渉縞の発生である。図2に示すように、個々の網
点の配置ピッチは一定になり、しかも、デジタル画像デ
ータを用意する演算の負担を軽減するために、通常は、
CMYKの各版についての網点配置ピッチも等しく設定
される。そのため、CMYKの各版ごとに、それぞれ同
一周期の規則的なパターンが形成されることになり、こ
れらを重ね合わせた結果、干渉縞が現れることになる。
もっとも、各版を重ね合わせる際のスクリーン角度の設
定を工夫することにより、モアレなどの干渉縞の発生を
抑えることは可能である。本願出願人が行った実験によ
れば、2つの版をスクリーン角度を15°ずらして重ね
た場合にはモアレが発生するが、スクリーン角度を30
°ずらして重ねるとモアレは発生しなかった。
【0037】したがって、3版を重ねる場合であれば、
各版のスクリーン角度を、たとえば、0°,30°,6
0°に設定すれば、各版相互のスクリーン角度のずれ量
を30°にすることができるので、モアレの発生を抑制
することが可能である。ところが、一般的なカラー印刷
では、CMYKの4版を必要とするため、各版相互のス
クリーン角度のずれ量を30°にすることはできない。
そこで、通常は、たとえば図5の上段に示すように、Y
版のスクリーン角度を0°、M版のスクリーン角度を1
5°、K版のスクリーン角度を45°、C版のスクリー
ン角度を75°とする設定が行われている。このような
設定では、図5の下段に示すように、Y版とM版との間
のスクリーン角度のずれ量が15°となり両者間でモア
レが発生し、同様に、Y版とC版との間のスクリーン角
度のずれ量が15°となり両者間でモアレが発生する。
ただ、Y版は、比較的薄い色であるため、モアレは比較
的目立ちにくくなり、このような設定は、従来の技術に
おいてはより好ましい選択と言える。しかしながら、目
立ちにくいと言っても、モアレが発生していることは事
実であり、最良の解決策を与えるものではない。
【0038】これに対し、FMスクリーニングの手法を
採れば、図4に示したように、各網点はランダムに配置
されるため、モアレなどの干渉縞が発生することはな
い。しかしながら、人間の目で観察した場合、部分的な
粗密の差によるノイズ成分が「もやもや感」として観察
され、また、中間調からハイライト部分にかけた網点の
粒状性が「ざらつき感」として観察され、自然な風合い
を損ねるというデメリットがあることは既に述べたとお
りである。
【0039】§2. 本発明に係るスクリーニング手法 本発明の基本思想は、1枚の画像の一部分に対してはA
Mスクリーニングを行い、画素の階調値に応じた大きさ
をもつ網点を所定ピッチで配置するようにし、残りの一
部分に対してはFMスクリーニングを行い、所定の大き
さをもつ網点を画素の階調値に応じた密度で配置するよ
うにする点にある。ごく一般的な画像には、明度の高い
ハイライト部や明度の低いシャドウ部が含まれており、
また、階調変化が緩やかなために滑らかな印象を与える
部分や階調変化が激しいために複雑な印象を与える部分
なども含まれている。このため、一般的な画像には、A
Mスクリーニングを施した方が好ましい部分とFMスク
リーニングを施した方が好ましい部分とが含まれている
ことになる。本発明の基本思想は、1枚の画像の各部分
部分について、それぞれ相応しいスクリーニング手法を
適用することにより、印刷品質の向上を図る点にある。
【0040】ここでは、図6に示すようなデジタル階調
画像に基づいて印刷を行う場合の手順を述べることにす
る。なお、図示の画像は電子出願の制約上、二値画像と
して示されているが、実際には階調をもった画像が用意
されることになる。たとえば、1画素の階調値を8ビッ
トの情報で表現した場合、各画素は0〜255までの合
計256段階の階調値を有する。また、ここでは説明の
便宜上、1色のインキのみを用いた印刷に本発明を適用
した例を述べるが、実際には、後述する§3で述べるよ
うに、本発明はカラー印刷へも適用することが可能であ
り、実用上は、むしろカラー印刷を行う場合での利用価
値の方が高い。
【0041】まず、図6に示すようなデジタル階調画像
を、画像データとしてコンピュータ内に用意する。具体
的には、縦横に多数の画素を並べた画素配列を定義し、
各画素にそれぞれ8ビットの階調値を定義する。そし
て、この画像を、第1のグループに所属する領域(AM
スクリーニングの対象となる領域)と、第2のグループ
に所属する領域(FMスクリーニングの対象となる領
域)と、に分割する作業を行う。ここでは、たとえば、
図6に示す画像に対して、図7に示すような領域分割が
行われたものとしよう。図7に示す例では、白い領域は
第1のグループに所属する領域であり、ハッチングを施
した領域は第2のグループに所属する領域である。
【0042】このような領域分割は、オペレータの判断
により手作業で行うことが可能である。たとえば、図6
に示す画像をディスプレイ上に表示し、マウスなどのポ
インティングデバイスを用いて、個々の領域の範囲を指
定し、各領域ごとに、いずれのグループに所属するかを
指定する入力を行えばよい。ある程度熟練したオペレー
タであれば、どの部分がAMスクリーニングに適し、ど
の部分がFMスクリーニングに適するかを認識すること
が可能である。ただ、本願発明者は、AMスクリーニン
グの対象にすべき部分と、FMスクリーニングの対象に
すべき部分とを判別するための客観的な基準を定める具
体的な方法を見出だした。この客観的な基準を利用すれ
ば、領域分割をコンピュータによる演算処理として実行
することができ、熟練したオペレータの手を煩わせるこ
となく、自動的な処理が可能になる。ここでは説明の便
宜上、この領域分割の具体的な方法については、§4に
おいて詳述する。
【0043】図7に示すような領域分割が完了したら、
図8に示すように、第1のグループに所属する領域に対
してはAMスクリーニングを行い、第2のグループに所
属する領域に対してはFMスクリーニングを行う。別言
すれば、第1のグループに所属する領域内の個々の画素
については、その階調値に応じた大きさの網点を所定ピ
ッチで配置し、第2のグループに所属する領域内の個々
の画素については、所定の大きさの網点をその階調値に
応じた密度で配置する処理を行う。個々の領域に着目す
れば、第1のグループに所属する領域については、図9
(a) に示すように第1の網点画像が作成され、第2のグ
ループに所属する領域については、図9(b) に示すよう
に第2の網点画像が作成されることになる。ここで第1
の網点画像は、AMスクリーニングによって得られた画
像であり、階調値が網点の大きさによって表現された画
像になる。また、第2の網点画像は、FMスクリーニン
グによって得られた画像であり、階調値が網点の密度に
よって表現された画像になる。
【0044】この第1の網点画像と第2の網点画像とを
合成することにより得られる全体網点画像に基づいて製
版フィルムを作製し、この製版フィルムに基づいて刷版
を作製して印刷を行えば、本発明に係る印刷工程は完了
である。印刷物上には、図6に示すような原画像が階調
画像として表現されることになるが、その階調表現の方
法は各領域ごとに異なっている。すなわち、一部の領域
(第1のグループに所属する領域)については、網点の
大きさによって階調が表現されているのに対し、別な一
部の領域(第2のグループに所属する領域)について
は、網点の密度によって階調が表現されていることにな
る。
【0045】なお、実用上は、図6に示す原画像の全領
域に対して、AMスクリーニングとFMスクリーニング
とを重複して行い、必要な部分のみを抽出して合成する
ようにするのが好ましい。この手順を図10に示す。ま
ず、原画像全体を全体画像Z0として用意し、この全体
画像Z0の全領域に対してAMスクリーニングを行い、
第1の網点画像Z1を作成する。同様に、全体画像Z0
の全領域に対してFMスクリーニングを行い、第2の網
点画像Z2を作成する。続いて、全体画像Z0に対して
領域分割を行い、第1のグループに所属する領域のみを
抽出するためのマスクM1と、第2のグループに所属す
る領域のみを抽出するためのマスクM2とを定義する
(図示の例では、各マスクM1,M2の白い部分に相当
する領域が抽出される)。そして、第1の網点画像Z1
の中の必要な部分のみをマスクM1を用いて抽出して第
1の網点画像Z1とし、第2の網点画像Z2の中の必
要な部分のみをマスクM2を用いて抽出して第2の網点
画像Z2とし、各網点画像Z1およびZ2を合成
して、全体網点画像Z3を得る。こうして得られた全体
網点画像Z3に基づいて製版フィルムを作製し、この製
版フィルムを用いて刷版を作製し、印刷を行えばよい。
【0046】§3. より実用的な実施形態 ここでは、本発明を実施する上で、より実用的な形態を
いくつか述べることにする。
【0047】<3.1> ドットゲイン補正 一般に、刷版工程や印刷工程を経て得られる網点印刷物
には、網点により表現された階調が本来の階調値とは異
なってしまう現象が知られている。ドットゲイン補正
は、このような現象を修正するために行われる補正であ
る。たとえば、図11(a) に示すように、直径Dの網点
を印刷物上に形成しようとして、直径Dの網点に相当す
るパターンを刷版上に形成して印刷を行ったとする。と
ころが、用いるインキと紙の特性により、印刷時にイン
キのにじみが生じ、実際には、図11(b) に示すよう
に、本来形成すべき直径Dの網点よりも、半径がΔrだ
け大きな網点が形成されてしまうことが予想されたとす
る。このように、インキのにじみにより、Δrだけ大き
な網点が形成されてしまうことが予想される場合には、
このインキのにじみを考慮して、原画像の画素の有する
階調値を予め小さめに補正しておけばよい。
【0048】このような現象は、印刷時のインキのにじ
みという要因の他、刷版をエッチングなどで形成する際
の腐食条件などによっても生じる。そこで通常は、刷版
工程や印刷工程における固有の条件を考慮して、原画像
の画素の有する階調値に対する補正が行われる。これ
が、一般にドットゲイン補正と呼ばれている補正であ
る。たとえば、図12に示すように、本来の階調値を横
軸にとり、実際に印刷物上に得られる網点面積を縦軸に
とった場合、本来であればグラフAのような線形関係が
得られなくてはならないのに、実際には、グラフBのよ
うな関係が得られたとする。このような場合、グラフB
に基づいて原画像を構成する画像データに対してドット
ゲイン補正を行うことになる。
【0049】従来の印刷方法では、このドットゲイン補
正は、全画像に対して共通して行うのが一般的である。
これは、紙に対するインキのにじみの程度は、画像のど
の部分についてもほとんど変わりはないからである。と
ころが、本発明では、画像の一部の領域はAMスクリー
ニングで処理され、残りの一部の領域はFMスクリーニ
ングで処理されるため、事情は異なってくる。なぜな
ら、AMスクリーニングを行う場合と、FMスクリーニ
ングを行う場合とでは、異なるドットゲイン補正を行う
必要があるからである。たとえば、AMスクリーニング
の場合、図13(a) に示すような大きな直径D1を有す
る網点に対して生じたインキのにじみ幅Δrと、図13
(b) に示すような小さな直径D2を有する網点に対して
生じたインキのにじみ幅Δrとでは、同じにじみ幅Δr
であっても、もとの網点の大きさに対する変動量として
の割合は大きく異なる。これに対して、FMスクリーニ
ングの場合は、網点の大きさはすべて同じであるため、
各網点ごとの変動量の割合に差は生じない。
【0050】このような事情から、図12のグラフBに
相当する関数特性は、AMスクリーニングを行う場合と
FMスクリーニングを行う場合とでは大きく異なってく
る。したがって、本発明でドットゲイン補正を行う場合
には、AMスクリーニングの対象となる領域の画像デー
タと、FMスクリーニングの対象となる領域の画像デー
タとに対して、それぞれ異なる関数特性に基づくドット
ゲイン補正を行う必要がある。たとえば、図10に示す
手順の場合、全体画像Z0に基づいて、第1の網点画像
Z1を得る際に行うドットゲイン補正と、第2の網点画
像Z2を得る際に行うドットゲイン補正とでは、それぞ
れ異なる関数を用いて別個に行うようにすればよい。
【0051】<3.2> 微小領域の削除 本発明では、原画像を構成する個々の領域が、第1のグ
ループに所属する領域と、第2のグループに所属する領
域とに分割される。この領域分割の作業は、オペレータ
の手作業による指示に基づいて行うことも可能である
が、実用上は、何らかの客観的な基準に基づいて、コン
ピュータを利用した自動演算処理として実行するのが好
ましい。この客観的な領域分割法の具体例については、
§4において述べることにする。ここでは、そのような
自動的な領域分割を行った際に生じる微小領域について
の取り扱いについて述べることにする。
【0052】たとえば、図6に示すような原画像に対し
て、§4で述べるような自動領域分割の演算処理を施し
た結果、図14に示すような分割結果が得られたものと
しよう。この例では、図の白い領域が第1のグループに
所属する領域であり、ハッチングを施した領域が第2の
グループに所属する領域である。ただ、この図14の分
割態様を図7の分割態様と比べてみると、前者には、微
小領域g1〜g4が含まれていることがわかる。何らか
の客観的な基準に基づいて、コンピュータを利用した自
動分割処理を実行すると、場合によっては、このような
微小な領域が定義されることになる。ところが、一般的
には、このような微小領域を形成する細かな分割を行っ
て、スクリーニングの手法を切り替えるようにしても、
印刷物上での画質を向上させるという本発明のメリット
はあまり顕著には現れない。逆に、切り替えにより生じ
る雑音成分により、品質劣化を生じることになる。
【0053】そこで、実用上は、自動領域分割を行った
場合、所定の基準面積に満たない領域を非考慮領域とし
て認定し、これを削除する処理を行うのが好ましい。非
考慮領域を削除するには、この非考慮領域を、これを内
包する別な領域の一部として取り扱うことにより消滅さ
せる処理を行えばよい。たとえば、図14に示す例にお
いて、微小領域g1〜g4についての面積が基準面積に
満たないため、これらを非考慮領域と認定する場合を考
える。この場合、非考慮領域g1,g2は、第2のグル
ープに所属する領域であるが、これらを内包する別な領
域(すなわち、第1のグループに所属する領域)の一部
として取り扱うことにより消滅し、逆に、非考慮領域g
3,g4は、第1のグループに所属する領域であるが、
これらを内包する別な領域(すなわち、第2のグループ
に所属する領域)の一部として取り扱うことにより消滅
する。その結果、図14に示す領域分割は、図7に示す
領域分割に修正され、単純化されることになる。
【0054】<3.3> カラー画像への適用 これまで、説明の便宜上、1色のインキを用いて印刷す
る階調画像に本発明を適用した例を述べてきたが、実用
上、本発明はカラー画像への適用に向いている。本発明
をカラー画像に適用する場合、画像データを準備する段
階において、それぞれ所定の階調値をもった画素の集合
からなる画像データを、各色成分の版ごとに用意し、合
計n版からなる画像データを用意し、各版ごとに、AM
スクリーニングとFMスクリーニングとを個々の領域ご
とに施すようにすればよい。
【0055】たとえば、図15に示す例は、一般的な印
刷で利用されているCMYKの4版について、それぞれ
別個独立した領域分割を定義した実施形態を示すもので
ある。後述する§4の領域分割の手法を、CMYKの各
版の画像データごとに別個独立して実施し、CMYK版
のそれぞれについて固有の領域分割を行い、§2で述べ
た基本手法にしたがって、各版ごとに全体網点画像を作
成し、各版ごとの製版フィルムを作製すればよい。たと
えば、C版の画像データについては、C版の領域分割に
基づいて、一部の領域に対してAMスクリーニングを行
い、別な一部の領域に対してFMスクリーニングを行う
ことになる。このように、各版ごとに別個独立した領域
分割を定義するようにすれば、各版ごとに最適なスクリ
ーニングの切り替えが可能になる。したがって、最終的
に得られる印刷物上の画像は、4色のインキを用いた4
版から構成され、各版ごとにそれぞれ網点の大きさによ
って階調が表現されている領域と、網点の密度によって
階調が表現されている領域とが存在し、しかも各版ごと
に、その領域構成が異なることになる。
【0056】ただ、一般的なカラー画像の場合、各領域
ごとの特性は個々の版ごとに大きな差は現れない。たと
えば、カラー画像としてのハイライト部は、各版のいず
れについてもハイライト部であり、カラー画像としての
シャドウ部は、各版のいずれについてもシャドウ部であ
ることが多い。また、滑らかな部分や複雑な部分といっ
た特徴的な部分についても、各版で共通することが多
い。このため、実用上は、領域分割段階において、複数
n版の画像データについて共通の領域分割を行ってもか
まわない。このように、共通の領域分割を行うと、演算
負担が軽減されるというメリットが得られる。この場
合、複数n版の画像データを合成することによりグレー
スケール画像を作成し、このグレースケール画像に基づ
いて定義した領域分割を、共通の領域分割として利用す
ればよい。
【0057】たとえば、CMYKの4版についての共通
の領域分割を求める手法の一例を図16に示す。まず、
CMYKの4版に基づいて、グレースケール画像が生成
される。これは、たとえば、4版の各画素のもつ階調値
に各色ごとにそれぞれ所定の係数を乗じ、その結果得ら
れる積の平均値を画素値とする画素の集合によりグレー
スケール画像を生成し、このグレースケール画像に対し
て、§4で述べるような手法を適用して、共通の領域分
割を得るようにすればよい。いずれの版についても、こ
の共通の領域分割に基づいて、AMスクリーニングもし
くはFMスクリーニングが施されることになる。したが
って、最終的に得られる印刷物上の画像は、4色のイン
キを用いた4版から構成され、各版ごとにそれぞれ網点
の大きさによって階調が表現されている領域と、網点の
密度によって階調が表現されている領域とが存在し、し
かも各版ごとに、その領域構成が同一になる。
【0058】§4. 自動領域分割処理の手法 既に述べたように、本発明を実施する上では、原画像に
対する領域分割が必要になる。この領域分割は、熟練し
たオペレータによる指示に基づいて行うことも可能であ
るが、実用上は、何らかの客観的な基準を定め、この客
観的な基準を利用した自動領域分割を行うのが好まし
い。ここでは、この自動領域分割を3態様について説明
する。
【0059】<4.1> 階調値に基づく領域分割 領域分割を行う上での客観的基準として、最も単純な基
準は、各画素のもつ階調値に関する基準である。たとえ
ば、階調値Dを8ビットで表現した場合、図17(a) に
示すように、最小階調値D(L)=0、最大階調値D
(H)=255となり、各画素は、0〜255までの2
56段階のいずれかの階調値をもつことになる。§1で
述べたように、AMスクリーニングを行う場合は、図1
7(b) に示すように、各階調値に応じた大きさの網点
(図では中心点と輪郭のみが示されている)を所定ピッ
チで配置することにより個々の画素が表現され、FMス
クリーニングを行う場合は、図17(c) に示すような一
定の大きさの網点を、各階調値に応じた密度で配置する
ことにより個々の画素が表現されることになる。本願発
明者が行った実験によると、図17(d) に示すように、
この階調値に所定のしきい値D(th)を設定し、しきい
値未満の階調値をもつ画素からなる領域を第1のグルー
プに分類し、しきい値以上の階調値をもつ画素からなる
領域を第2のグループに分類し、第1のグループに所属
する領域についてはAMスクリーニングを行い、第2の
グループに所属する領域についてはFMスクリーニング
を行うと、印刷物上に得られる画像の品質を向上させる
という本発明の効果が得られることが確認できた。
【0060】図示の例では、しきい値D(th)は、階調
値64あたりに設定されており、結局、原画像は、階調
値が64未満の画素からなる領域と、階調値が64以上
の画素からなる領域とに分割され、前者の領域に対して
は網点の大きさを変えることにより階調表現がなされ、
後者の領域に対しては網点の密度を変えることにより階
調表現がなされることになる。
【0061】図18は、上述のような手法で印刷が行わ
れた印刷物上の画像の特性を示す図である。図18(a)
には、原画像を構成する各画素のもつ階調値D(L)〜
D(H)とともに、これに対応する印刷物上での明度B
(H)〜B(L)がスケールとして示されている。印刷
物の場合、階調値と明度とは逆の関係をもち、階調値が
大きいほどインキ量が多くなるために明度は低くなり、
階調値が小さいほどインキ量が少なくなるために明度は
高くなる。したがって、図18(a) に示すスケールにお
いて、階調値の最小値D(L)は明度の最大値B(H)
に対応し、階調値の最大値D(H)は明度の最小値B
(L)に対応している。いま、階調値のしきい値D(t
h)に対応する明度のしきい値をB(th)とし、印刷物
上において、明度がしきい値B(th)以上の明るい部分
をハイライト部と呼び、明度がしきい値B(th)未満の
暗い部分をシャドウ部と呼ぶことにすると、上述の手法
で印刷が行われた印刷物上の画像は、ハイライト部につ
いては網点の大きさによって階調が表現されており、シ
ャドウ部については網点の密度によって階調が表現され
ていることになる。
【0062】§1で述べたように、FMスクリーニング
は、モアレなどの干渉縞が発生しないという利点はある
ものの、「もやもや感」や「ざらつき感」といった印象
により、画質を低下させる欠点がある。特に、この「も
やもや感」や「ざらつき感」は、ハイライト部において
顕著であるという性質がある。そこで、図18に示すよ
うに、しきい値B(th)を境界として、画像をハイライ
ト部とシャドウ部とに大別し、ハイライト部については
AMスクリーニングを行い、FMスクリーニングに特有
な「もやもや感」や「ざらつき感」を抑え、シャドウ部
についてはFMスクリーニングを行い、AMスクリーニ
ングに特有な干渉縞を抑えるようにすることにより、全
体的な画質向上を図ることが可能になる。
【0063】なお、階調値のしきい値D(th)あるいは
明度のしきい値B(th)の設定は、個々の画像ごとに適
宜設定することが可能であるが、本願発明者は、階調値
を大きさで表現(AMスクリーニングにより表現)する
ために用意された種々の大きさの網点のうち(たとえ
ば、図17(b) に示す種々の大きさの網点のうち)、階
調値を密度で表現(FMスクリーニングにより表現)す
るために用意された網点(たとえば、図17(c) に示す
一定の大きさの網点)の大きさとほぼ同じ大きさの網点
に対応づけられる階調値をしきい値として設定すると、
AMスクリーニングが施された領域と、FMスクリーニ
ングが施された領域との境界部分における違和感を低減
させることができ、高品質の画像が得られることを見出
だした。たとえば、図17に示す例の場合、階調値64
に対応するAMスクリーニングの網点の大きさが、FM
スクリーニングの網点の大きさ(これは一定)とほぼ同
じ大きさになっているので、この階調値64の近傍にし
きい値D(th)を設定するようにすればよい。このよう
な設定にしておけば、階調値が0から徐々に増加する
と、網点の大きさも徐々に増加し(AMスクリーニン
グ)、階調値が64に達した段階で、網点の大きさは飽
和する代わりに、今度は階調値の増加とともに網点の配
置密度が増加する(FMスクリーニング)ようになり、
AMスクリーニングからFMスクリーニングへの切り替
えが行われる階調値64の付近における不連続な印象を
与えることがなくなる。
【0064】<4.2> 階調値の空間周波数に基づく
領域分割 領域分割を行う上での客観的基準として、ここでは階調
値それ自身ではなく、その空間周波数を基準とする方法
を述べる。たとえば、図19(a) ,(b) に示すように、
横軸に一次元の画素位置をとり、縦軸に各画素の階調値
をとったグラフを考える。画素のもつ階調値は、空間的
に変化をするが、図19(a) のグラフに示すように、画
素のもつ階調値の空間周波数が低い領域は、空間的な階
調変化がなだらかな部分であり、「滑らかな部分」とし
ての印象を与えることになる。これに対して、図19
(b) のグラフに示すように、画素のもつ階調値の空間周
波数が高い領域は、空間的な階調変化が急激な部分であ
り、「複雑な部分」としての印象を与えることになる。
たとえば、人物写真を含む画像の場合、頬の部分などは
一般的に空間周波数の低い滑らかな部分となり、髪の部
分などは一般的に空間周波数の高い複雑な部分となる。
【0065】そこで、図20(a) に示すように、最低空
間周波数f(L)から最高空間周波数f(H)までのス
ケール上で、図20(b) に示すように、所定のしきい値
f(th)を設定しておき、しきい値f(th)未満の空間
周波数をもつ画素からなる領域を第1のグループに分類
し、しきい値f(th)以上の階調値をもつ画素からなる
領域を第2のグループに分類し、第1のグループに所属
する領域についてはAMスクリーニングを行い、第2の
グループに所属する領域についてはFMスクリーニング
を行うと、印刷物上に得られる画像の品質を向上させる
という本発明の効果が得られることが確認できた。結
局、印刷物上では、空間周波数がしきい値f(th)以上
である「複雑な部分」については、網点の密度によって
階調が表現されており、空間周波数がしきい値f(th)
未満である「滑らかな部分」については、網点の大きさ
によって階調が表現されていることになる。
【0066】このように、各画素のもつ階調値の空間周
波数に基づいて、スクリーニングの手法を切り替える
と、「もやもや感」や「ざらつき感」が目立ちやすい
「滑らかな部分」についてはAMスクリーニングが行わ
れるようになり、干渉縞が目立ちやすい「複雑な部分」
についてはFMスクリーニングが行われるようになるの
で、全体的に画質を向上させるメリットが得られる。ま
た、AMスクリーニングに比べて、FMスクリーニング
は高い解像度が得られるので、「複雑な部分」について
FMスクリーニングを適用することは、解像度を高める
上でも効果がある。
【0067】ところで、各画素のもつ階調値の空間周波
数を求める方法としては、たとえば、FFT(Fast Fou
rie Transfomer)などの演算手法が知られており、原画
像を構成する画像データに対して、FFT演算を施すこ
とにより、個々の画素ごとの空間周波数値を求めること
ができる。ただ、FFT演算は演算負荷が重いため、実
用上は、画像データに対して空間フィルタを作用させる
演算を行い、個々の画素について、それぞれ隣接する画
素との階調値の相違を示すパラメータ値を求め、このパ
ラメータ値を空間周波数を示す値として利用すれば十分
である。
【0068】図21は、この空間フィルタを作用させる
演算の原理を示す図である。たとえば、図21(a) に示
されている原画像(原画像のうちの9画素分を占める一
部分)の中央に位置する画素Pについての空間周波数を
求める場合を考える。ここでは、この中央の画素Pにつ
いての空間周波数を、その周囲に隣接する8個の画素P
1〜P8を参照して求めることにする。いま、中央の画
素Pの階調値をP、周囲の画素P1〜P8の階調値をそ
れぞれP1〜P8と同じ記号で表わすことにし、中央の
画素Pについてのパラメータ値PPを、図21(c) に示
す式で定義する。この図21(c) の式の分子は、中央の
画素Pのもつ階調値Pと、これに隣接する画素P1〜P
8のもつ階調値P1〜P8との差の合計を示すものであ
り、分母のkは規格化のための定数である。要するにパ
ラメータ値PPは、画素Pと、これに隣接する画素との
階調値の相違を示しており、この値が大きいほど隣接画
素との間に大きな階調差が生じていることになる。
【0069】図21(a) の中央に示されている画素Pに
対して、図21(c) に示す演算を行うことによりパラメ
ータ値PPが得られたら、図21(b) に示すように、こ
のパラメータ値PPを画素値としてもつ参照画像を定義
する。図21(b) では、中央の画素についてのパラメー
タ値PPしか定義されていないが、他の各画素について
も同様の手法により、それぞれパラメータ値を定義する
ことができる(厳密には、Y行X列の画素配列からなる
原画像に対して、(Y−2)行(X−2)列の画素配列
からなる参照画像が定義できる)。このようにして定義
した参照画像は、原画像を構成する各画素のもつ階調値
の空間周波数を示すパラメータ値を画素値として有する
画像ということができる。そこで、空間周波数のしきい
値f(th)として、このパラメータ値についての所定の
しきい値を設定するようにすれば、この参照画像に基づ
いて領域分割を行うことが可能になる。すなわち、参照
画像を構成する各画素のうち、しきい値未満の画素値を
有する画素からなる領域を第1のグループとし、しきい
値以上の画素値を有する画素からなる領域を第2のグル
ープとする分類ができる。
【0070】たとえば、図10に示す手順に、この手法
を適用するのであれば、全体画像Z0に対して上述した
空間フィルタを作用させ、参照画像Zrを定義する。そ
して、この参照画像Zrを構成する画素のうち、しきい
値未満の画素値を有する画素からなる領域に基づいてマ
スクM1(の白い部分)を作成し、しきい値以上の画素
値を有する画素からなる領域に基づいてマスクM2(の
白い部分)を作成すればよい。
【0071】なお、上述した例では、図21(a) に示す
ように、着目画素Pの周囲に隣接する8個の画素P1〜
P8との階調値の差を演算する空間フィルタを作用させ
たが、着目画素Pの周囲に隣接する4個の画素P2,P
4,P5,P7との階調値の差を演算する空間フィルタ
を作用させるようにしてもよい。あるいは、8個より多
くの隣接画素との階調値の差を演算する空間フィルタを
作用させるようにしてもかまわない。いずれにしても、
空間フィルタを作用させる演算は、FFTの演算に比べ
て負担が軽いため、空間周波数を求める手法としては非
常に実用的な演算になる。
【0072】<4.3> 階調値とその空間周波数との
双方に基づく領域分割 最後に、画素のもつ階調値と、この階調値の空間周波数
との双方に応じて、領域分割を行う手法を述べておく。
たとえば、図22に示すように、横方向に空間周波数の
軸を定義する。この例では、図の左端が最低空間周波数
f(L)を示しており、図の右端が最高空間周波数f
(H)を示している。別言すれば、図の左側ほど空間周
波数が低く、「滑らかな状態」を示し、図の右側ほど空
間周波数が高く、「複雑な状態」を示している。一方、
縦方向には階調値の軸を定義する。この例では、図の上
端が最小階調値D(L)を示しており、図の下端が最大
階調値D(H)を示している。なお、前述したように、
画像データ上の階調値と印刷物上の明度とは表裏一体の
ものであり、図の縦方向には、明度の軸を定義すること
もできる。この例では、図の上端が最高明度B(H)を
示しており、図の下端が最低明度B(L)を示してい
る。別言すれば、図の上側ほど印刷物上の画像は明る
く、図の下側ほど暗い。
【0073】ここで、空間周波数軸上にしきい値f(t
h)を設定し、階調値軸上もしくは明度軸上にしきい値
D(th)もしくはB(th)を設定し、空間周波数と階調
値(もしくは明度)とをパラメータとする二次元領域
を、図示のとおり、属性A〜Dの4領域に分割する。た
とえば、属性Aの領域は、空間周波数がしきい値f(t
h)未満、かつ、階調値がしきい値D(th)未満(もし
くは明度がしきい値B(th)以上)の領域ということに
なる。本願発明者は、このような4つの属性を定義し、
属性Aに所属する画素からなる領域を第1のグループに
分類してAMスクリーニングの対象とし、属性B,C,
Dに所属する画素からなる領域を第2のグループに分類
してFMスクリーニングの対象とすることにより、品質
の高い印刷物を得ることができることを確認した。別言
すれば、この印刷物上では、明度がしきい値B(th)以
上であり、かつ、空間周波数がしきい値f(th)未満で
ある部分については、網点の大きさによって階調が表現
されており、それ以外の部分については、網点の密度に
よって階調が表現されていることになる。
【0074】このような分類手法は、前述した§4.1
あるいは§4.2で述べた分類手法を若干修正したもの
になっている。すなわち、§4.1で述べた手法によれ
ば、属性Bに所属する画素はしきい値D(th)未満の画
素であるため、本来ならば、第1のグループに分類して
AMスクリーニングの対象とすべきであるが、空間周波
数が高いため、第2のグループに分類してFMスクリー
ニングの対象としている。これにより、モアレなどの干
渉縞の発生を抑えるとともに、解像度を高めるメリット
が得られる。一方、§4.2で述べた手法によれば、属
性Cに所属する画素はしきい値f(th)未満の画素であ
るため、本来ならば、第1のグループに分類してAMス
クリーニングの対象とすべきであるが、階調値が高いた
め、第2のグループに分類してFMスクリーニングの対
象としている。これにより、モアレなどの干渉縞の発生
を抑えることができる。また、階調値が高いため、FM
スクリーニング特有の粒状感は目立つことがない。
【0075】このように、階調値とその空間周波数との
双方に基づいて領域分割を行うようにすれば、よりきめ
の細かな分類を行うことが可能になる。
【0076】以上、本発明を図示する実施形態に基づい
て説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定される
ものではなく、この他にも種々の形態で実施可能であ
る。特に、本発明は、1色のインキのみを用いて階調画
像を印刷する場合にも、複数色のインキを用いてカラー
階調画像を印刷する場合にも適用可能である。要する
に、本発明の基本思想は、1枚の画像の一部分に対して
AMスクリーニングによる階調表現を行い、残りの一部
分に対してFMスクリーニングによる階調表現を行う点
にあり、この基本思想から逸脱しない限り、どのような
態様で実施してもかまわない。また、上述の実施形態で
は、製版フィルムに基づいて刷版を作製し、印刷を行っ
ているが、本発明は製版フィルムを用いずに刷版を行う
ことが可能なダイレクト刷版システムや無版印刷システ
ムにも適用可能である。
【0077】
【発明の効果】以上のとおり本発明に係るデジタル階調
画像の印刷方法によれば、1枚の画像の部分ごとにAM
スクリーニングかFMスクリーニングかを選択して網点
印刷物を作製するようにしたため、印刷品質を高めるこ
とが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】CMYKの4版のそれぞれについて定義された
画素配列を示す図である。
【図2】図1に示す画素配列を有する画像データに対し
てAMスクリーニングを行うことによって得られた網点
の一例を示す平面図である。
【図3】AMスクリーニングにおける網点構成例を示す
平面図である。
【図4】FMスクリーニングにおける網点構成例を示す
平面図である。
【図5】従来のAMスクリーニングにおけるCMYKの
4版に対するスクリーン角度設定の例を示す平面図であ
る。
【図6】本発明に係る印刷方法の適用対象となる原画像
の一例を示す図である。
【図7】図6に示す原画像に基づいて定義された領域分
割の一例を示す図である。
【図8】図7に示す領域分割に基づいて、各領域にAM
スクリーニングもしくはFMスクリーニングを施す作業
を示す図である。
【図9】図8に示すAMスクリーニングによって得られ
た第1の網点画像とFMスクリーニングによって得られ
た第2の網点画像とを示す図である。
【図10】原画像に対してAMスクリーニングとFMス
クリーニングとを混在させるより具体的な手法の手順を
示す図である。
【図11】印刷工程におけるインキのにじみを示す平面
図である。
【図12】一般的なドットゲイン補正の概念を示すグラ
フである。
【図13】網点の大きさに対するインキのにじみ幅の割
合を示す平面図である。
【図14】領域分割の際に微小領域を削除する処理を示
す図である。
【図15】カラー画像を構成する各版のそれぞれについ
て領域分割を定義する手法を示す図である。
【図16】カラー画像を構成する各版に共通した領域分
割を定義する手法を示す図である。
【図17】各階調値に応じて配置される網点の一例を示
すとともに階調値のしきい値D(th)に基づいて領域分
割を行う概念を示す概念図である。
【図18】明度のしきい値B(th)に基づいて領域分割
を行う概念図である。
【図19】画素のもつ階調値の空間周波数を示すグラフ
である。
【図20】空間周波数のしきい値f(th)に基づいて領
域分割を行う概念図である。
【図21】階調値の空間周波数を求める空間フィルタを
作用させるための演算の原理を示す図である。
【図22】画素のもつ階調値と、その空間周波数との双
方に基づいて領域分割を行う概念図である。
【符号の説明】
dx,dy…網点配置ピッチ D,D1,D2…網点の直径 g1〜g4…非考慮領域 M1,M2…マスク P…画素/画素値 P1〜P8…画素/画素値 PP…パラメータ値 Q…網点 Z0…全体画像 Z1…第1の網点画像(AMスクリーニング) Z2…第2の網点画像(FMスクリーニング) Z1…必要部分のみを抽出した第1の網点画像 Z2…必要部分のみを抽出した第2の網点画像 Z3…全体網点画像 Δr…インキのにじみ幅

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デジタル階調画像を所定の媒体上に印刷
    する方法であって、 所定の階調値をもった画素の集合からなる画像データを
    用意する画像データ準備段階と、 前記画像データによって示される画像を第1のグループ
    に所属する領域と第2のグループに所属する領域とに分
    割する領域分割段階と、 前記第1のグループに所属する領域についての画像デー
    タに対してはAMスクリーニングを行い、前記第2のグ
    ループに所属する領域についての画像データに対しては
    FMスクリーニングを行い、各画素の階調値に基づいて
    網点を配置した網点画像を作成する網点画像作成段階
    と、 前記網点画像に基づいて印刷を行う印刷段階と、 を有することを特徴とするデジタル階調画像の印刷方
    法。
  2. 【請求項2】 デジタル階調画像を所定の媒体上に印刷
    する方法であって、 所定の階調値をもった画素の集合からなる画像データを
    用意する画像データ準備段階と、 前記画像データによって示される全体画像を第1のグル
    ープに所属する領域と第2のグループに所属する領域と
    に分割する領域分割段階と、 前記第1のグループに所属する個々の領域について、各
    領域内の画像データに基づいて、画素の階調値に応じた
    大きさをもつ網点を所定ピッチで配置した第1の網点画
    像を作成する第1の網点画像作成段階と、 前記第2のグループに所属する個々の領域について、各
    領域内の画像データに基づいて、所定の大きさをもつ網
    点を画素の階調値に応じた密度で配置した第2の網点画
    像を作成する第2の網点画像作成段階と、 前記第1の網点画像と前記第2の網点画像とを合成し
    て、前記全体画像に対応する全体網点画像を作成する全
    体網点画像作成段階と、 前記全体網点画像に基づいて印刷を行う印刷段階と、 を有することを特徴とするデジタル階調画像の印刷方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のデジタル階調画像の印
    刷方法において、 全体画像を構成する全領域について、第1の網点画像作
    成段階と第2の網点画像作成段階とを重複して行い、 全体網点画像作成段階では、第1の網点画像のうちの第
    1のグループに所属する領域と、第2の網点画像のうち
    の第2のグループに所属する領域とを合成することによ
    り、全体網点画像を作成することを特徴とするデジタル
    階調画像の印刷方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のデジタ
    ル階調画像の印刷方法において、 領域分割段階で、第1のグループに所属する領域と第2
    のグループに所属する領域とを定義した後、所定の基準
    面積に満たない領域を非考慮領域と認定し、この非考慮
    領域については、これを内包する別な領域の一部として
    取り扱うことにより消滅させる処理を行うことを特徴と
    するデジタル階調画像の印刷方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のデジタ
    ル階調画像の印刷方法において、 画像データ準備段階で、それぞれ所定の階調値をもった
    画素の集合からなる画像データを、各色成分の版ごとに
    用意し、合計n版からなる画像データを用意するように
    し、 領域分割段階で、前記n版の画像データについて共通の
    領域分割を行うことを特徴とするデジタル階調画像の印
    刷方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のデジタル階調画像の印
    刷方法において、 n版の画像データを合成することによりグレースケール
    画像を作成し、このグレースケール画像に基づいて、共
    通の領域分割を行うことを特徴とするデジタル階調画像
    の印刷方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれかに記載のデジタ
    ル階調画像の印刷方法において、 画像データ準備段階で、それぞれ所定の階調値をもった
    画素の集合からなる画像データを、各色成分の版ごとに
    用意し、合計n版からなる画像データを用意するように
    し、 領域分割段階で、前記n版の画像データのそれぞれにつ
    いて別個の領域分割を行うことを特徴とするデジタル階
    調画像の印刷方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載のデジタ
    ル階調画像の印刷方法において、 領域分割段階で、画素のもつ階調値に応じて所属するグ
    ループを決定することを特徴とするデジタル階調画像の
    印刷方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のデジタル階調画像の印
    刷方法において、 画素のもつ階調値に所定のしきい値を定め、しきい値以
    上の階調値をもつ画素を第2のグループに所属させ、し
    きい値未満の階調値をもつ画素を第1のグループに所属
    させることを特徴とするデジタル階調画像の印刷方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のデジタル階調画像の
    印刷方法において、 階調値を大きさで表現するために用意された種々の大き
    さの網点のうち、階調値を密度で表現するために用意さ
    れた網点の大きさとほぼ同じ大きさの網点に対応づけら
    れる階調値をしきい値として設定することを特徴とする
    デジタル階調画像の印刷方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜7のいずれかに記載のデジ
    タル階調画像の印刷方法において、 領域分割段階で、画素のもつ階調値の空間周波数に応じ
    て所属するグループを決定することを特徴とするデジタ
    ル階調画像の印刷方法。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載のデジタル階調画像
    の印刷方法において、 画素のもつ階調値の空間周波数に所定のしきい値を定
    め、しきい値以上の空間周波数をもつ画素を第2のグル
    ープに所属させ、しきい値未満の空間周波数をもつ画素
    を第1のグループに所属させることを特徴とするデジタ
    ル階調画像の印刷方法。
  13. 【請求項13】 請求項11または12に記載のデジタ
    ル階調画像の印刷方法において、 画像データ準備段階で用意された画像データに対して空
    間フィルタを作用させる演算を行い、個々の画素につい
    て、それぞれ隣接する画素との階調値の相違を示すパラ
    メータ値を求め、このパラメータ値を画素値としてもつ
    参照画像を作成し、この参照画像に基づいて領域分割を
    定義することを特徴とするデジタル階調画像の印刷方
    法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜7のいずれかに記載のデジ
    タル階調画像の印刷方法において、 領域分割段階で、画素のもつ階調値と、この階調値の空
    間周波数との双方に応じて所属するグループを決定する
    ことを特徴とするデジタル階調画像の印刷方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載のデジタル階調画像
    の印刷方法において、 画素のもつ階調値に第1のしきい値を定め、画素のもつ
    階調値の空間周波数に第2のしきい値を定め、第1のし
    きい値未満の階調値をもち、かつ、第2のしきい値未満
    の空間周波数をもつ画素を第1のグループに所属させ、
    それ以外の画素を第2のグループに所属させることを特
    徴とするデジタル階調画像の印刷方法。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれかに記載のデ
    ジタル階調画像の印刷方法において、 第1のグループに所属する領域と、第2のグループに所
    属する領域とに対して、それぞれ異なるドットゲイン補
    正を行った後、網点形成を行うことを特徴とするデジタ
    ル階調画像の印刷方法。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16のいずれかに記載の印
    刷方法により作製された階調画像が表現された印刷物。
  18. 【請求項18】 多数の網点によって階調画像が表現さ
    れた印刷物であって、 一部の領域については、網点の大きさによって階調が表
    現されており、別な一部の領域については、網点の密度
    によって階調が表現されていることを特徴とする階調画
    像が表現された印刷物。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載の印刷物において、 明度が所定のしきい値以上であるハイライト部について
    は、網点の大きさによって階調が表現されており、明度
    が前記しきい値未満であるシャドウ部については、網点
    の密度によって階調が表現されていることを特徴とする
    階調画像が表現された印刷物。
  20. 【請求項20】 請求項18に記載の印刷物において、 空間周波数が所定のしきい値以上である部分について
    は、網点の密度によって階調が表現されており、空間周
    波数が前記しきい値未満である部分については、網点の
    大きさによって階調が表現されていることを特徴とする
    階調画像が表現された印刷物。
  21. 【請求項21】 請求項18に記載の印刷物において、 明度が所定のしきい値以上であり、かつ、空間周波数が
    所定のしきい値未満である部分については、網点の大き
    さによって階調が表現されており、それ以外の部分につ
    いては、網点の密度によって階調が表現されていること
    を特徴とする階調画像が表現された印刷物。
  22. 【請求項22】 請求項17〜21のいずれかに記載の
    印刷物において、 n色のインキを用いたn版から構成されており、各版ご
    とにそれぞれ、網点の大きさによって階調が表現されて
    いる部分と、網点の密度によって階調が表現されている
    部分とを有することを特徴とする階調画像が表現された
    印刷物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004085166A1 (ja) * 2003-03-25 2004-10-07 National Printing Bureau Incorporated Administrative Agency 真偽判別可能な印刷物とその作成方法
WO2006105721A1 (fr) * 2005-04-07 2006-10-12 Peking University Founder Group Co., Ltd Procede et appareil capable de production de points grilles de modulation de frequence a grande vitesse
JP2020014127A (ja) * 2018-07-18 2020-01-23 キヤノン株式会社 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム

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