JPH11155766A

JPH11155766A - 組立式段ボール便器

Info

Publication number: JPH11155766A
Application number: JP34431197A
Authority: JP
Inventors: Hiroyasu Osada; 宏泰長田
Original assignee: ISHIZAKI SANGYO KK
Current assignee: ISHIZAKI SANGYO KK
Priority date: 1997-11-28
Filing date: 1997-11-28
Publication date: 1999-06-15

Abstract

(57)【要約】【課題】構造が簡単であり、組立て素材の点数も少な
く、また、丈夫である組立式段ボール便器を提供する。【解決手段】フラップ態様において前面壁に連続する
便座、後面壁に連続する便蓋、左右両側壁に連続する便
座受けとがそれぞれ設けられた折り畳み可能な箱形の便
器本体と、便器本体の中に納めて便座受けを支える補強
中枠とからなる。【効果】構造が簡単であって、普通の生活においても
馴染みの段ボール箱の形態であり、しかも、素材の点数
も少ないので、組立てが非常に容易であり、また、コン
パクトに折り畳むことができるために、運搬、保管、携
帯に非常に有利である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、緊急・臨時用や仮設
用等として使用する組立式段ボール便器に関する。

【０００２】

【従来の技術】震災の際の断水に伴う水洗トイレの使用
不能時や、アウトドアの際の臨時として、また、トイレ
の便器が使用できない高齢者や子供用、或いは入院患者
向け用として、また、水洗トイレが完備していない建設
現場向けとして、さらには、渋滞している高速道路の車
中における緊急用として、従来、段ボールや厚紙等で組
み立てられる簡易便器の提案があり、それには、実用新
案登録第３０３５２６７号公報に記載されたものを挙げ
ることができる。

【０００３】上記公報に記載された簡易便器は、便器本
体と、便座と、便蓋と、汚物袋とからなるもので、便器
本体および便座が、それぞれ柔軟な一枚の紙またはプラ
スチックのプレート状素材からなる型により組み立てら
れ、便器本体の上に便座を被せ、便座に有する抜孔から
中へ汚物袋を垂れ下げて使用される。

【０００４】便器本体は、底壁を中心としてそれから前
後面壁および左右側壁を連設する一方、前後面壁の左右
両側に補強壁を連設し、左右側壁の内側には、それぞれ
前後一対ずつ補強壁が角筒形に折り込まれるようになっ
ている。

【０００５】また、便座は、便器本体の組立て状態を保
持し得るように、それに被さるほゞ逆箱形に組み立てら
れるもので、便蓋がそれに取り付けられるように、便座
に一対の差込スリットを設け、便蓋にはそのスリットに
差し込む舌片状の接続片が突設され、接続片の突設箇所
をヒンジとして便蓋が開閉される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の簡
易便器によれば、組立て構造、殊に便器本体の構造が非
常に複雑であり、組立て素材の点数も多いことから、組
立てに時間が掛かるだけでなく、戸惑うことになるとい
う問題があった。

【０００７】また、素材が紙段ボールであるときには、
防水、防湿性に乏しいことから、汚水により強度を喪失
しやすく、また、不潔で汚れが取りにくいという問題が
あった。

【０００８】この発明は、上記のような実情に鑑みて、
構造が簡単であり、組立て素材の点数も少なく、また、
丈夫である組立式段ボール便器を提供することを目的と
した。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明は、フラップ態様において前面壁に連続
する便座、後面壁に連続する便蓋、左右両側壁に連続す
る便座受けとがそれぞれ設けられた折り畳み可能な箱形
の便器本体と、便器本体の中に納めて便座受けを支える
補強中枠とからなることを特徴とする組立式段ボール便
器を提供するものである。

【００１０】上記の構成によれば、便器本体は構造が簡
単であるだけでなく、日常生活で馴染みのＡ式の段ボー
ル箱に近い形態であるために、折り畳まれた状態で提供
されると、ユーザーにおいては何ら戸惑うことなく組み
立てられ、また、運搬、保管、携帯に都合良くコンパク
トに折り畳むことができる。また、補強中枠により便座
受けが支持されるので、便座の上に安定して腰掛けるこ
とができる。しかも、便座および便蓋が、便器本体と素
材が一体であるので、素材点数を少なくすることができ
る。

【００１１】上記の構成に加え、補強中枠が便座の抜孔
に沿った筒形であって、その補強中枠の左右側面に二つ
折りの重ねで突出するリブ兼用のセパレータを突設する
と、さらに安定性が向上する。

【００１２】また、便器本体／または補強中枠の素材と
しての段ボールが、フィルムをラミネートしてあると、
丈夫となり汚れにくくなる。

【００１３】また、便器本体と、補強中枠と、汚物袋
と、その中に入れる凝固・消臭剤とをセットとして収納
する携帯ケース付きであると、携帯にさらに好都合とな
る。

【００１４】

【発明の実施の形態】この発明において、便器本体１
は、普通に見られる四角形の箱形に限られることなく、
例えば、六角形、八角形等の箱形において実施すること
も可能である。また、便器本体の高さについては、腰掛
ける程度であるが、ベットや椅子の上で使用したり、車
中で使用するものについては、２０ｃｍ前後の扁平な低
い高さとなる。このように、ベットや椅子の上では、低
い高さのものの方が、より優れた便利性が得られる。

【００１５】便器本体の底については、折り畳み可能で
あれば、その構造を特に問うものではなく、段ボール箱
のように単にフラップで開閉できるような構造であって
も良いし、後記実施例に示すように、折込み式の特殊構
造であっても良い。

【００１６】底の構造において、高い防水性が得られる
ならば（例えば、汚物受けシートを内蔵している）、汚
物袋３は必ずしも要しない。しかし、後記実施例に示す
ように、汚物袋３がカートリッジ状に取り替え可能であ
ると、都合良く継続使用に適する。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、この発明の組立式
段ボール便器によれば、構造が簡単であって、普通の生
活においても馴染みの段ボール箱の形態であり、しか
も、素材の点数も少ないので、組立てが非常に容易であ
り、また、コンパクトに折り畳むことができるために、
運搬、保管、携帯に非常に有利であるという優れた効果
がある。

【００１８】殊に、携帯ケース付きであると（請求項
４）、外出に便利である。また、構造が簡単でありなが
ら、丈夫であり、殊に補強中枠を筒形としたり（請求項
２）、フィルムがラミネートされていると（請求項
３）、さらに安定した強度が得られ、また、フィルムで
は防水されるために、汚れが染みなく拭き取りやすいた
め、清潔に使用できるという優れた効果がある。

【００１９】

【実施例】次に、この発明を一実施例により具体的に説
明する。

【００２０】図面は、その一実施例を示したもので、便
器本体１と、補強中枠２と、汚物袋３とからなり、凝固
・消臭剤４と共に携帯ケース６に入れて携帯できるよう
になっている（図８）。前記従来のものが四点数とすれ
ば、三点数であって、これで部品点数が一つ少なく組立
てが簡明となる。

【００２１】また、便器本体１と補強中枠２および携帯
ケース６には、素材としてそれぞれ一枚の段ボールＦ
（図１２）が使用されるが、簡単な構造であって、組立
てが容易である。また、段ボールＦは、両面にプラスチ
ックフィルム５，５がラミネートされている。

【００２２】便器本体１、補強中枠２、汚物袋３は、そ
れぞれ所定形状に折り畳まれて、幾つかの凝固・消臭剤
４を添えて携帯ケース６に収納されることによって、ユ
ーザーに提供される。そして、ユーザーにおいて使用の
ための組立て（組立て状態は図１ないし図４）がなされ
る。

【００２３】便器本体１は、基本的にＡ式の段ボール箱
形であって（図５）、前後両面壁７，８と、左右両側壁
９，１０とが横長に連設され、その一端に糊代としての
連結片１１が突設され、他には、フラップ様に他の壁が
設けられているに過ぎない簡単な構造である。つまり、
フラップ様の壁については、前面壁７、後面壁８、左側
壁９、右側壁１０の各上下に突設される。

【００２４】上端のフラップ態様については、前面壁７
に便座１１が、後面壁８に便蓋１３が、左右両側壁９，
１０には便座受け１５，１５がそれぞれ連設され、その
便座受け１５，１５が補強中枠２により支持され、その
上に便座１１が被せられる（図１，図３）。

【００２５】便座１１は、前端に後面壁８内側への差込
片１９が突設され、基端には便蓋１３を止める差込スリ
ット２１，２１が穿設される。また、中央に広く抜孔１
７を有する。便座受け１５は、先端縁２７が便座１１の
この抜孔１７に沿って欠除されている。

【００２６】便蓋１３は、便座１１に被さって抜孔１７
を封じるもので、先端に差込スリット２１，２１に差し
込む接続片２３，２３が突設され、その差込みにより便
蓋１３の閉止状態が保持される。また、便蓋１３は、二
つ折り可能に折線２５が設けられている。そして、二つ
折りにより背凭れ様に仕舞うことができる（図１）。

【００２７】一方、下端におけるフラップ態様について
は、底の一対角線に沿う位置を一辺２９ａとする台形の
底組壁２９と、底の両対角線に沿う位置を両辺３１ａ，
３１ａとする三角形の底組壁３１とを交互に配列したも
ので、台形の底組壁３１の前記一辺２９ａには、隣接の
底組壁３１と差し合う連結片３３を突設してある。そこ
で、便器本体１が折り畳まれると、それに順応して底組
壁２９，３１がその中に折り込まれる。

【００２８】ユーザーに渡る前の状態、つまり、工場生
産においては、段ボール箱の生産におけると同様に、角
筒形に組立て、さらに、底では連結片３３を底組壁３１
に合わせて止めてあり、この場合、鋲止めしてあって、
その止孔３４を図５において〇で表した。図６および図
７においても同様に表した。

【００２９】補強中枠２は、便器の内部空間を形成する
角筒形であって（図４，図６）、両側には二つ折りによ
り外側へ突出するリブ兼用のセパレータ３５，３５が形
成され、その突出箇所でも曲がる形態であって、六角形
の角筒に組み立てられる。また、そのセパレータ３５，
３５の突設角で曲げて三つ折りに折り畳み得るようにな
っている。さらに、角筒の組立てについては、両端に差
し合わせ形状による接合部３７，３７が形成されてい
る。

【００２４】汚物袋３は、便座カバー３９に止めたもの
で（図１１）、便座カバー３９が紙で形成され、前端に
差込スリット２１，２１への接続片４１，４１を突設
し、後端には、便座１１の差込片１９に合わさる差込片
４３が突設され、それには、便蓋１３の接続片２３，２
３を差し込む差込スリット４５，４５が設けられてい
る。また、便座カバー３９には二つ折り可能に折線４７
が設けられている。そして、汚物袋３が便座カバー３９
の接続片４１，４１と差込片４３とに止めてあるので、
その二つ折りに順応して平たく折り畳まれる。

【００２４】次に、ユーザーにおける組立て手順につい
て説明する。

【００２４】まず、便器本体１については、折り畳まれ
ている状態から四角筒形に開くと、図９に示すように、
底組壁２９，３１が展開されて底を封じた状態となるの
で、次に、図１０に示す如く、補強中枠２を組み立てた
状態で、便器本体１の中に差し込む。それから、補強中
枠２の上に便座受け１５，１５を折り、その上に図１１
に示すように、便座１１を被せる。また、抜孔１７から
汚物袋３を入れて、汚物袋３に凝固・消臭剤４を入れた
状態で使用する。使用後は、便蓋１３を延ばして便座カ
バー３９の上に被せる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の組立式段ボール便器を組み立てた状
態で示す一部切欠した斜視図である。

【図２】同組立式段ボール便器の平面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ線矢視の拡大断面図である。

【図４】図３のＢ−Ｂ線矢視の断面図である。

【図５】便器本体の展開図である。

【図６】補強中枠の展開図である。

【図７】携帯ケースの展開図である。

【図８】携帯ケースの斜視図である。

【図９】組立式段ボール便器の最初の組立て手順を示す
斜視図である。

【図１０】次の手順を示す斜視図である。

【図１１】次の手順を示す斜視図である。

【図１２】素材としての段ボールの断面図である。

【符号の説明】

１便器本体２補強中枠３汚物袋４凝固・消臭剤５フィルム６携帯ケース７前面壁８後面壁９，１０側壁１１便座１３便蓋１５便座受け３５セパレータＦ段ボール

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】フラップ態様において前面壁に連続する
便座、後面壁に連続する便蓋、左右両側壁に連続する便
座受けとがそれぞれ設けられた折り畳み可能な箱形の便
器本体と、便器本体の中に納めて便座受けを支える補強
中枠とからなることを特徴とする組立式段ボール便器。
【請求項２】補強中枠が便座の抜孔に沿った筒形であ
って、その補強中枠の左右側面に二つ折りの重ねで突出
するリブ兼用のセパレータを突設したことを特徴とする
請求項１記載の組立式段ボール便器。
【請求項３】便器本体／または補強中枠の素材として
の段ボールが、フィルムをラミネートしてあることを特
徴とする請求項１または２記載の組立式段ボール便器。
【請求項４】便器本体と、補強中枠と、汚物袋と、そ
の中に入れる凝固・消臭剤とをセットとして収納する携
帯ケース付きであることを特徴とする請求項１，２また
は３記載の組立式段ボール便器。