JPH11151956A - 車両運動制御装置 - Google Patents
車両運動制御装置Info
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- JPH11151956A JPH11151956A JP9318524A JP31852497A JPH11151956A JP H11151956 A JPH11151956 A JP H11151956A JP 9318524 A JP9318524 A JP 9318524A JP 31852497 A JP31852497 A JP 31852497A JP H11151956 A JPH11151956 A JP H11151956A
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- energy
- yawing
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- Hydraulic Control Valves For Brake Systems (AREA)
- Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
- Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
- Regulating Braking Force (AREA)
- Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
Abstract
ことを速やか、かつ、的確に判断し、この不安定な挙動
を適切に抑止して車両挙動を安定させる。 【解決手段】制御装置30には車輪速、ハンドル角、実
ヨーレート、横加速度が入力され、車速算出部31で車
速、すべり角推定部32ですべり角、路面摩擦係数推定
部33で路面摩擦係数を求める。ヨーイングエネルギ算
出部34で実ヨーレート、すべり角、路面摩擦係数に基
づき車両の回転方向の力学的エネルギをヨーイングエネ
ルギとして算出する。判定値演算部35で予め設定した
基準値を車速、路面摩擦係数に応じて補正し判定値を演
算する。そして判定部36でヨーイングエネルギが判定
値を超える際に車両が不安定状態と判定する。駆動制御
部37は車両が不安定状態となると、ヨーイングエネル
ギ、判定値を基に目標ヨーモーメントを演算し、ブレー
キ駆動部を動作させ旋回外側前輪を制動させる。
Description
応じて将来の挙動を推定し、安定した車両運動が行える
ように制御する車両運動制御装置に関する。
めに様々な車両の運動制御装置が開発・実用化されてい
る。
は、車体すべり角と車体すべり角速度に基づき車両状態
を定め、この走行状態量、環境状態量から安定/不安定
領域を定め、車両状態の不安定領域への侵入度合いに応
じて車両の挙動を制御する車両の挙動制御装置が示され
ている。
行技術での車体すべり角と車体すべり角速度による状態
平面上での車両安定性の評価では、将来の危険な挙動の
察知が不十分であり、安定性向上に限界がある。
角が許容値よりも小さいか、あるいは、許容値以下であ
っても車体すべり角の増加速度が許容値よりも小さいか
どうか判定しているだけであり、車体すべり角が増加し
つつある状態でないと車両の挙動の判定が行えない。
不安定領域の設定では、限界走行においてドライバがカ
ウンタステアにより車両のヨーイングを抑えた直後で車
両が安定であると判定されてしまい、ヨーイングの急速
な揺り返しによる車両スピン等への対応が遅れてしまう
という問題がある。
で、簡単な演算で車両の将来の不安定な挙動になること
を速やか、かつ、的確に判断し、この不安定な挙動を適
切に抑止して車両挙動を安定させることができる車両運
動制御装置を提供することを目的としている。
請求項1記載の本発明による車両運動制御装置は、車両
の運動状態を検出する状態検出手段と、車両の運動状態
と車両諸元に基づき車両の回転方向の力学的エネルギを
ヨーイングエネルギとして算出するヨーイングエネルギ
算出手段と、上記ヨーイングエネルギと予め設定する判
定値とを比較して上記ヨーイングエネルギが上記判定値
を超える際に車両が不安定状態と判定する判定手段と、
上記判定手段で車両が不安定状態と判定した際にヨーイ
ングエネルギが減少する方向に所定に駆動装置を作動さ
せる駆動制御手段とを備えたものである。
状態検出手段で車両の運動状態を検出し、ヨーイングエ
ネルギ算出手段で車両の運動状態と車両諸元に基づき車
両の回転方向の力学的エネルギをヨーイングエネルギと
して算出する。そして、判定手段で上記ヨーイングエネ
ルギと予め設定する判定値とを比較して上記ヨーイング
エネルギが上記判定値を超える際に車両が不安定状態と
判定する。駆動制御手段では上記判定手段で車両が不安
定状態と判定した際にヨーイングエネルギが減少する方
向に所定に駆動装置を作動させる。
動制御装置は、請求項1記載の車両運動制御装置におい
て、上記判定手段での上記判定値は、路面摩擦係数と車
速の少なくとも一方に応じて補正した値を予め設定する
もので、路面状況や車速に応じて車両安定性を正確に制
御する。
運動制御装置は、請求項1又は請求項2記載の車両運動
制御装置は、上記駆動制御手段で作動させる駆動装置
は、前輪を操舵する前輪操舵装置と後輪を操舵する後輪
操舵装置と各選択した車輪に独立に制動力を付加する制
動装置と各選択した車輪の駆動力を増加させる駆動力増
加装置の少なくとも一つである。
施の形態を説明する。図1〜図14は本発明の実施の形
態を示し、図1は車両運動制御装置の機能ブロック図、
図2は車両運動制御装置を搭載した車両の概略構成を示
す説明図、図3は判定値に対する補正係数の説明図、図
4は車両運動制御のフローチャート、図5はヨーイング
エネルギを減少させる制動制御ルーチンのフローチャー
ト、図6は前輪舵角制御でヨーイングエネルギを減少さ
せる車両の説明図、図7はヨーイングエネルギを減少さ
せる前輪舵角制御ルーチンのフローチャート、図8は後
輪舵角制御でヨーイングエネルギを減少させる車両の説
明図、図9はヨーイングエネルギを減少させる後輪舵角
制御ルーチンのフローチャート、図10は左右差動制限
制御でヨーイングエネルギを減少させる車両の説明図、
図11はヨーイングエネルギを減少させる左右差動制限
制御ルーチンのフローチャート、図12は左右動力配分
制御でヨーイングエネルギを減少させる車両の説明図、
図13はヨーイングエネルギを減少させる左右動力配分
制御ルーチンのフローチャート、図14は前輪舵角制御
と制動制御でヨーイングエネルギを減少させる車両にお
けるヨーイングエネルギを減少させる前輪舵角制御・制
動制御ルーチンのフローチャートである。
レンシャル装置および自動変速装置を有する4輪駆動車
を一例とする車両を示し、車両前部に配置されたエンジ
ン2による駆動力は、このエンジン2後方の自動変速装
置(トルクコンバータ等も含んで図示)3からセンター
ディファレンシャル装置4に伝達され、このセンターデ
ィファレンシャル装置4から、リヤドライブ軸5、プロ
ペラシャフト6、ドライブピニオン7を介して後輪終減
速装置8に入力される一方、上記センターディファレン
シャル装置4から、フロントドライブ軸9を介して前輪
終減速装置10に入力されるように構成されている。こ
こで、上記自動変速装置3、センターディファレンシャ
ル装置4および前輪終減速装置10等は、一体に図示し
ないケース内に設けられている。
は、後輪左ドライブ軸11rlを経て左後輪12rlに、後
輪右ドライブ軸11rrを経て右後輪12rrに伝達される
一方、上記前輪終減速装置10に入力された駆動力は、
前輪左ドライブ軸11flを経て左前輪12flに、前輪右
ドライブ軸11frを経て右前輪12frに伝達されるよう
になっている。
ングホイール13は、パワーステアリング機構を有する
前輪操舵部14に接続され、上記ステアリングホイール
13の操作により上記左前輪12fl,右前輪12frが所
定に転舵されるようになっている。
示し、このブレーキ駆動部15には、ドライバにより操
作されるブレーキペダル16と接続されたマスターシリ
ンダ17が接続されており、ドライバが上記ブレーキペ
ダル16を操作すると上記マスターシリンダ17によ
り、上記ブレーキ駆動部15を通じて、4輪12fl,1
2fr,12rl,12rrの各ホイールシリンダ(左前輪ホ
イールシリンダ18fl,右前輪ホイールシリンダ18f
r,左後輪ホイールシリンダ18rl,右後輪ホイールシ
リンダ18rr)にブレーキ圧が導入され、これにより4
輪にブレーキがかかって制動されるように構成されてい
る。
弁、増圧弁等を備えたハイドロリックユニットで、入力
信号に応じて、上記各ホイールシリンダ18fl,18f
r,18rl,18rrに対して、それぞれ独立にブレーキ
圧を導入自在に形成されている。
rrは、それぞれの車輪速度が車輪速センサ21(左前輪
速度センサ21fl,右前輪速度センサ21fr,左後輪速
度センサ21rl,右後輪速度センサ21rr)により検出
されるようになっており、これら車輪速度の信号は、後
述する制御装置30に入力されるようになっている。
2、ヨーレートセンサ23、横加速度センサ24が設け
られており、これら各センサからのハンドル角θf、実
際のヨーレートγ、横加速度Gyの信号は上記制御装置
30に入力されるようになっている。
タとその周辺回路で形成された制御装置で、上述の如
く、上記車輪速センサ21、ハンドル角センサ22、ヨ
ーレートセンサ23および上記横加速度センサ24から
の各信号が入力され、上記ブレーキ駆動部15に対して
駆動信号を出力する。
車速算出部31,すべり角推定部32,路面摩擦係数推
定部33,ヨーイングエネルギ算出部34,判定値演算
部35,判定部36および駆動制御部37から主要に構
成されている。
21から各車輪速度の信号が入力され、これらの信号を
予め設定しておいた数式で演算して(例えば、各車輪速
度の平均を算出して)車速Vを求め、上記すべり角推定
部32,路面摩擦係数推定部33,判定値演算部35に
出力するように形成されている。
トセンサ23,横加速度センサ24と上記車速算出部3
1からの信号(実ヨーレートγ,横加速度Gy,車速
V)を基に以下の(1)式によりすべり角βを推定する
ようになっている。
T{f(t)}dtで表わすと、 β=INT{Gy/V−γ}dt …(1) 尚、すべり角βは、上記(1)式を基に算出するものに
限ることなく、例えば直接横すべり角βを検出可能なす
べり角センサ等を用いて検出するようにしてもよい。
り角βは上記ヨーイングエネルギ算出部34に入力され
るようになっている。
ドル角センサ22、ヨーレートセンサ23と上記車速算
出部31からの信号(ハンドル角θf,実ヨーレート
γ,車速V)が入力され、路面摩擦係数μを推定して、
上記ヨーイングエネルギ算出部34と判定値演算部35
に出力するようになっている。
願人が、特開平8−2274号公報で提案した路面摩擦
係数μの推定方法で演算する。この路面摩擦係数推定方
法は、ハンドル角θf、車速V、実ヨーレートγにより
車両の横運動の運動方程式に基づき前後輪のコーナリン
グパワを非線形域に拡張して推定し、高μ路(μ=1.
0)での前後輪の等価コーナリングパワに対する上記推
定した前後輪のコーナリングパワの比から路面摩擦係数
μを推定するものである。
ンサ22,ヨーレートセンサ23,横加速度センサ24
および上記車速算出部31,すべり角推定部32,路面
摩擦係数推定部33は、車両の運動状態を検出する状態
検出手段としてのものである。
記ヨーレートセンサ23と上記すべり角推定部32,路
面摩擦係数推定部33からの各信号(実ヨーレートγ,
すべり角β,路面摩擦係数μ)が入力され、これら車両
の運動状態と車両諸元に基づき車両の回転方向の力学的
エネルギをヨーイングエネルギとして算出し、上記判定
部36と上記駆動制御部37に出力するヨーイングエネ
ルギ算出手段として形成されている。
る。一般に、車両の有する運動エネルギは、並進方向の
力学的エネルギと回転方向の力学的エネルギの和で表さ
れ、この和は一定であるとして考えることができる。こ
れは、車両が直進するのに消費されるエネルギと車両が
旋回又はスピン等により消費されるエネルギの和が一定
であることを示す。
ンジンから出力されるエネルギが全て並進方向に使われ
ることになり、この時のヨーイング方向の力学的エネル
ギは0である。しかし、並進方向と同じアクセルペダル
の踏み込み量でも、旋回運動の増大を伴う場合にはスピ
ードが落ちる。
が全て並進方向に使われずに、並進方向と回転方向に分
散されるためである。この回転方向の力学的エネルギを
ヨーイングエネルギとして算出する。
いて説明する。車両があるすべり角βをもって旋回する
場合には、タイヤと接地面の間に発生する摩擦力のうち
進行方向に直角に働く力としてコーナリングフォースが
発生する。尚、すべり角1度あたりのコーナリングフォ
ース(前輪側コーナリングフォースCFf,後輪側コーナ
リングフォースCFr)がコーナリングパワKとして求め
られるため、タイヤに働くコーナリングフォースCFf,
CFrは、 CFf=K・β CFr=K・β ただし、ハンドル角が直進固定(前輪と後輪のすべり角
βが等しくなる)とし、前後輪のコーナリングパワKが
等しいものとする。
る車両では、前軸偏重(重心から後軸までの長さLr>
重心から前軸までの長さLf)となるため、車両重心に
対して前輪側には回転を促す方向に、後輪側には回転を
抑えようとする方向に復元モーメントM0が発生する。
したときに、すべり角を戻そうと働くため、すべり角が
βから0に戻るときは、K・β・(Lr−Lf)の力を
出しながら車体を回す仕事をするものと考えられる。従
って、この復元モーメントM0は、タイヤがすべり角と
して蓄えているエネルギを表すものとして考えられる。
合には、車両重心を中心としたヨーレートが発生する。
このヨーレートと復元モーメントM0は、車両重心を中
心として働き、あるヨーレートが発生することですべり
角が発生し、すべり角に応じて復元モーメントM0が発
生するということになる。すなわち、ヨーレートが発生
した場合に、ヨーレートにより発生するすべり角に応じ
てタイヤにエネルギが蓄えられると考えることができ
る。
考えると、ねじりバネ系では力学的エネルギが、 (運動エネルギ)=(1/2)・Iz・γ・γ (Iz:ヨーイングモーメント,γ:ヨーレート) (位置エネルギ)=(1/2)・k・β・β =(1/2)・M・β (k:ばね定数,M:モーメント,β:変位角) として求められる。
数をコーナリングパワとすることで、ヨーイング方向の
車両の持つ運動エネルギ、位置エネルギはそれぞれ、 (運動エネルギ)=(1/2)・Iz・γ・γ (位置エネルギ)=(1/2)・K・(Lr−Lf)・
β・β として求めることができる。
は、 Ey=(1/2)・Iz・γ・γ +(1/2)・K・(Lr−Lf)・β・β …(3) で与えられる。
レートの発生により車両に蓄えられる回転方向へのエネ
ルギと考えることができる。本発明では、このエネルギ
の大きさにより車両状態(すなわち、車両が将来スピン
等を起こし得るエネルギを持っているか)を判断する。
31,路面摩擦係数推定部33からの各信号(車速V,
路面摩擦係数μ)が入力され、車両の安定状態と不安定
状態の判定(上記判定部36での処理)に用いる判定値
E0を車速Vと路面摩擦係数μで補正して演算し、上記
判定部36と上記駆動制御部37に出力するようになっ
ている。
(4)式で設定する。 E0=Eb・Eμ・Ev …(4) 上記Ebは、予め設定しておいた基準値で、例えば、す
べり角βが5度を振幅とする振動状態(すべり角が5度
でこの際のヨーレートγが0となる振動状態)を安定限
界として考え定めるとすると、すべり角βをラジアン単
位とすれば、Eb=(1/2)・K・(Lr−Lf)・
(5/57.3)2また、上記(4)式中、Eμは、路
面摩擦係数μに応じた補正係数で、図3(a)に示すよ
うに、路面が低μ路になるほど補正係数Eμは小さくな
るようになっており、路面が低μ路ほど判定値E0が小
さく補正される。このため、低μ路ほど車両が不安定状
態であると判定されやすく、速やかに走行安定性を向上
させる制御が行われる。
に応じた補正係数で、図3(b)に示すように、高速に
なるほど補正係数Evは小さくなるようになっており、
高速走行の場合ほど判定値E0が小さく補正される。こ
のため、高速走行の場合ほどわずかな車両挙動の変化で
あっても車両が不安定状態であると判定されやすく、高
速走行での走行安定性を向上させる制御が行われる。
E0を路面摩擦係数μ,車速Vの両方に応じて補正する
のではなく、どちらか一方で補正するようにしても良
く、また、演算の簡素化等のために判定値E0を補正す
ることなく設定するようにしても良い。
ギ算出部34から車両のヨーイングエネルギEyを、上
記判定値演算部35から判定値E0を読み込んで上記ヨ
ーイングエネルギEyと上記判定値E0とを比較し、上
記ヨーイングエネルギEyが上記判定値E0を超える際
に車両が不安定状態と判定して、上記駆動制御部37に
出力するものである。
判定値演算部35と上記判定部36で判定手段が形成さ
れている。
ネルギ算出部34から車両のヨーイングエネルギEy,
上記判定値演算部35から判定値E0,上記判定部36
から判定結果を読み込み、上記判定部36で車両が不安
定状態と判定した際に、ヨーイングエネルギEyが減少
する方向に所定に駆動装置(ここでは前記ブレーキ駆動
部15を一例とする)を作動させる駆動制御手段として
のものである。
定値E0を超えた分を余剰エネルギEsとし、この余剰
エネルギEsを目標ヨーモーメントMtに変換して制御
を行う。
エネルギEyが減少する方向、すなわちヨーレートγと
反対向きとする。
ヨーモーメントMtから以下の(7)式により目標制動
力FBを算出し、旋回方向に対して外側前輪に制動力を
付加する。 FB=Mt/(d/2) …(7) ここで、dは車両のトレッドである。
回方向に対して外側前輪に付加するものであるが旋回方
向に対して外側後輪に付加するものであっても良い。
び図5のフローチャートで説明する。図4は車両運動制
御のフローチャートで、まず、ステップ(以下「S」と
略称)101で、車輪速センサ21から各車輪の車輪速
度,ハンドル角センサ22からハンドル角θf,ヨーレ
ートセンサ23から実ヨーレートγ,横加速度センサ2
4から横加速度Gyの信号を読み込む。
で(例えば、各車輪速度の平均を算出して)車速Vを算
出し、S103に進んで、すべり角推定部32ですべり
角βを実ヨーレートγ,横加速度Gy,車速Vから前記
(1)式により推定し、S104に進み、路面摩擦係数
推定部33で路面摩擦係数μをハンドル角θf,実ヨー
レートγ,車速Vから前述の推定方法で推定する。
ギ算出部34でヨーイングエネルギEyを実ヨーレート
γ,すべり角β,路面摩擦係数μと車両諸元に基づき前
記(3)式で算出し、S106に進んで、判定値演算部
35で判定値E0を前記(4)式により基準値Ebを車
速Vと路面摩擦係数μで補正して演算する。
定か否か判定する。この判定は、判定部36で、上記ヨ
ーイングエネルギEyが上記判定値E0を超えているか
否かにより行われ、上記ヨーイングエネルギEyが上記
判定値E0内(Ey≦E0)の場合は車両挙動は安定状
態であると判定して再び上記S101へと戻り、上記ヨ
ーイングエネルギEyが上記判定値E0を超えている
(Ey>E0)場合は車両挙動は不安定状態であると判
定してS108に進み、上記ヨーイングエネルギEyを
減少方向に駆動制御して(ブレーキ駆動部15を後述の
ヨーイングエネルギ減少の制動制御ルーチンに従って動
作させて)プログラムを抜ける。
態であると判定された際に駆動制御部37で実行される
ヨーイングエネルギを減少させる制動制御ルーチンのフ
ローチャートで、まず、S201で上記ヨーイングエネ
ルギEyと上記判定値E0により、前記(5)式に従っ
て余剰エネルギEsを算出し、S202に進み、この余
剰エネルギEsから前記(6)式により目標ヨーモーメ
ントMtを算出する。
モーメントMtを基に前記(7)式で制動力FBを演算
し、S204に進み、実ヨーレートγが0より大きい
(左旋回方向の実ヨーレートγ)か、0以下(右旋回方
向の実ヨーレートγ)か判定する。
大きい(左旋回方向の実ヨーレートγ)場合はS205
に進み、右前輪を上記S203で演算した制動力FBで
制動させヨーイングエネルギを減少させる。
0以下(右旋回方向の実ヨーレートγ)の場合はS20
6に進み、左前輪を上記S203で演算した制動力FB
で制動させヨーイングエネルギを減少させる。
ば、車両のヨー慣性を考慮した簡単な演算式によって将
来の不安定な車両挙動を察知し、制動制御することで速
やか、かつ、的確に、この不安定な挙動を適切に抑止し
て車両挙動を安定させることができる。
判定した際に、ヨーイングエネルギEyが減少する方向
に動作する装置は上述の制動制御に限るものではない。
例えば、駆動制御部37は、図1中の破線で示すよう
に、上記判定部36で車両が不安定状態と判定した際
に、ヨーイングエネルギEyが減少する方向に前輪操舵
モータ駆動部40を作動させるものであっても良い。
もので、図6は前輪舵角制御でヨーイングエネルギを減
少させる車両の説明図、図7はヨーイングエネルギを減
少させる前輪舵角制御ルーチンのフローチャートであ
る。
4は、ステアリングホイール13で操作される機構に加
え、前記制御装置30の駆動制御部37により制御され
る前輪操舵モータ駆動部40で駆動される前輪操舵モー
タ41が設けられており、この前輪操舵モータ41によ
り前記左前輪12fl,右前輪12frを転舵可能になって
いる。
された際に駆動制御部37で実行されるヨーイングエネ
ルギを減少させる前輪舵角制御ルーチンのフローチャー
トで、まず、S301で前記ヨーイングエネルギEyと
前記判定値E0により、前記(5)式に従って余剰エネ
ルギEsを算出し、S302に進み、この余剰エネルギ
Esから前記(6)式により目標ヨーモーメントMtを
算出する。
が0より大きい(左旋回方向の実ヨーレートγ)か、0
以下(右旋回方向の実ヨーレートγ)か判定する。
きい(左旋回方向の実ヨーレートγ)場合はS304に
進み、上記S302で演算した目標ヨーモーメントM
t、現在のハンドル角θf、車速V等に基づき、予め設
定しておいた式、マップ等により右方向への前輪操舵量
を算出し、S305に進んで、右方向に上記操舵量で操
舵する。
以下(右旋回方向の実ヨーレートγ)の場合はS306
に進み、上記S302で演算した目標ヨーモーメントM
t、現在のハンドル角θf、車速V等に基づき、予め設
定しておいた式、マップ等により左方向への前輪操舵量
を算出し、S307に進んで、左方向に上記操舵量で操
舵する。
反対方向に操舵するように制御するのである。
の他の破線で示すように、上記判定部36で車両が不安
定状態と判定した際に、ヨーイングエネルギEyが減少
する方向に後輪操舵モータ駆動部45を作動させるもの
であっても良い。
もので、図8は後輪舵角制御でヨーイングエネルギを減
少させる車両の説明図、図9はヨーイングエネルギを減
少させる後輪舵角制御ルーチンのフローチャートであ
る。
rl,12rrの舵角を可変自在な後輪操舵部44が設けら
れている。
装置30の駆動制御部37により制御される後輪操舵モ
ータ駆動部45で駆動される後輪操舵モータ46が設け
られており、この後輪操舵モータ46による動力が、ウ
ォーム・ウォームホィール、リンク機構を介して伝達さ
れ、上記左後輪12rl,右後輪12rrを転舵するように
なっている。
された際に駆動制御部37で実行されるヨーイングエネ
ルギを減少させる後輪舵角制御ルーチンのフローチャー
トで、まず、S401で前記ヨーイングエネルギEyと
前記判定値E0により、前記(5)式に従って余剰エネ
ルギEsを算出し、S402に進み、この余剰エネルギ
Esから前記(6)式により目標ヨーモーメントMtを
算出する。
が0より大きい(左旋回方向の実ヨーレートγ)か、0
以下(右旋回方向の実ヨーレートγ)か判定する。
きい(左旋回方向の実ヨーレートγ)場合はS404に
進み、上記S402で演算した目標ヨーモーメントM
t、現在のハンドル角θf、後輪舵角δr、車速V等に
基づき、予め設定しておいた式、マップ等により左方向
への後輪操舵量を算出し、S405に進んで、左方向に
上記操舵量で操舵する。
以下(右旋回方向の実ヨーレートγ)の場合はS406
に進み、上記S402で演算した目標ヨーモーメントM
t、現在のハンドル角θf、車速V等に基づき、予め設
定しておいた式、マップ等により右方向への後輪操舵量
を算出し、S407に進んで、右方向に上記操舵量で操
舵する。
同じ方向に操舵するように制御するのである。
中のさらに他の破線で示すように、上記判定部36で車
両が不安定状態と判定した際に、ヨーイングエネルギE
yが減少する方向に左右差動制限クラッチ作動部50を
作動させるものであっても良い。
例を示すもので、図10は左右差動制限制御でヨーイン
グエネルギを減少させる車両の説明図、図11はヨーイ
ングエネルギを減少させる左右差動制限制御ルーチンの
フローチャートである。
の部分のみ図示)では、後輪終減速装置8は、例えばリ
ングギヤの無い複合プラネタリギヤ式に構成されてお
り、回転自在に保持されたディファレンシャルケース5
1の外周にはクラウンギヤ52が設けられ、前記ドライ
ブピニオン7による駆動力は、このクラウンギヤ52を
介して上記ディファレンシャルケース51に伝達される
ようになっている。
は、左側部分がクラッチドラム53aとして円筒状に形
成されたキャリヤ54が回転自在に配設されており、こ
のキャリヤ54内に前記後輪右ドライブ軸11rrが挿通
されて上記キャリヤ54と結合されている。
内には、上記ディファレンシャルケース51に結合され
た大径の第1のサンギヤ55が設けられ、小径の第1の
ピニオン56と噛合して第1の歯車列が形成されてい
る。
1内には、前記後輪左ドライブ軸11rlが挿通され、こ
の後輪左ドライブ軸11rlの先端には小径の第2のサン
ギヤ57が形成されており、この第2のサンギヤ57が
大径の第2のピニオン58と噛合して第2の歯車列が形
成されている。
オン58はピニオン部材59に一体に形成されており、
複数(例えば3個)の上記ピニオン部材59が、キャリ
ア54に設けた固定軸に回転自在に軸支されている。
キャリヤ54のクラッチドラム53aに対向する位置に
はクラッチハブ53bが設けられ、これらクラッチドラ
ム53a、クラッチハブ53bにそれぞれドライブプレ
ート、ドリブンプレートが複数交互に設けられて油圧多
板クラッチ53が形成されている。
ピストン,押圧プレート等により、前記制御装置30の
駆動制御部37で制御される左右差動制限クラッチ作動
部50により油圧室の油圧が可変押圧され動作させられ
る。尚、この左右差動制限クラッチ作動部50は、モー
タ、オイルポンプ、複数の弁を有する油圧装置で構成さ
れる(油圧関連部分については説明を省略する)。
ドライブピニオン7からの駆動力を、クラウンギヤ5
2、ディファレンシャルケース51を介して第1のサン
ギヤ55に伝達し、上記第2のサンギヤ57から上記後
輪左ドライブ軸11rlへ出力する一方、上記キャリヤ5
4から上記後輪右ドライブ軸11rrへ出力する複合プラ
ネタリ式の差動制限制御装置で構成するとともに、一方
の出力側である後輪左ドライブ軸11rlと他方の出力側
であるキャリヤ54との間に摩擦力が可変制御される油
圧多板クラッチ53を介装させた構造となっている。
装置部分で発生される入力トルクに比例した差動制限ト
ルクに加え、必要に応じて油圧多板クラッチが差動制限
トルクを加えて最適な差動制限トルクが発生されるよう
になっている。
の部分は、上記第1,第2のサンギヤ55,57および
これらサンギヤ55,57の周囲に複数個配置される上
記第1,第2のピニオン56,58の歯数を適切に設定
することで差動機能を有する。
7と上記第1,第2のピニオン56,58との噛み合い
ピッチ円半径を適切に設定することで、基準トルク配分
が左右50:50の等トルク配分の機能を有する。
57と上記第1,第2のピニオン56,58とを例えば
はすば歯車にし、上記第1の歯車列と上記第2の歯車列
のねじれ角を異にしてスラスト荷重を相殺させることな
くスラスト荷重を残留させ上記ピニオン部材59の両端
で発生する摩擦トルクを、上記第1,第2のピニオン5
6,58と上記キャリア54に設けた固定軸の表面に噛
み合いによる分離、接線荷重の合成力が作用し、摩擦ト
ルクが生じるように設定して、入力トルクに比例した差
動制限トルクを得られるようにすることで、この差動制
限装置自体によっても差動制限機能が得られるようにな
っている。
部50により上記油圧多板クラッチ53が開放された状
態では、基準トルク配分、すなわち左右50:50の等
トルク配分で滑らかに差動が行われる一方、上記油圧多
板クラッチ53が連結されると、左右輪間の差動が制限
され、スリップが防止されて安定した傾向の走行にな
る。
定された際に駆動制御部37で実行されるヨーイングエ
ネルギを減少させる左右差動制限制御ルーチンのフロー
チャートで、まず、S501で前記ヨーイングエネルギ
Eyと前記判定値E0により、前記(5)式に従って余
剰エネルギEsを算出し、S502に進み、この余剰エ
ネルギEsから前記(6)式により目標ヨーモーメント
Mtを算出する。
ーメントMt等を基に、予め実験等により設定しておい
たマップを参照して必要なクラッチトルクを求め、S5
04に進んで、上記クラッチトルクで上記油圧多板クラ
ッチ53を締結させる。
動は不安定状態であると判定された際に左右輪間の差動
を制限することで、旋回内側車輪の駆動力を増加させ、
安定方向にするのである。
に限るものではなく、前輪で、あるいは、前後輪で行う
ようにしても良い。
のまたさらに他の破線で示すように、上記判定部36で
車両が不安定状態と判定した際に、ヨーイングエネルギ
Eyが減少する方向に左右動力配分クラッチ作動部60
を作動させるものであっても良い。
例を示すもので、図12は左右動力配分制御でヨーイン
グエネルギを減少させる車両の説明図、図13はヨーイ
ングエネルギを減少させる左右動力配分制御ルーチンの
フローチャートである。
の部分のみ図示)では、後輪終減速装置8は、例えばリ
ングギヤの無い複合プラネタリギヤ式の差動制限機構部
61と、3列の歯車機構部62と、クラッチ機構部63
とで構成されている。
持されたディファレンシャルケース64の外周にはクラ
ウンギヤ65が設けられ、前記ドライブピニオン7によ
る駆動力は、このクラウンギヤ65を介して上記ディフ
ァレンシャルケース64に伝達されるようになってい
る。
は、右側部分が上記ディファレンシャルケース64の外
側で上記歯車機構部62の第1の歯車75と連結された
円筒状のキャリヤ66が回転自在に配設されており、こ
のキャリヤ66内に前記後輪左ドライブ軸11rlが挿通
されて上記キャリヤ66と結合されている。
内には、上記ディファレンシャルケース64に結合され
た大径の第1のサンギヤ67が設けられ、小径の第1の
ピニオン68と噛合して第1の歯車列が形成されてい
る。
4内には、前記後輪右ドライブ軸11rrが挿通され、こ
の後輪右ドライブ軸11rrの先端には小径の第2のサン
ギヤ69が形成されており、この第2のサンギヤ69が
大径の第2のピニオン70と噛合して第2の歯車列が形
成されている。
オン70はピニオン部材71に一体に形成されており、
複数(例えば3個)の上記ピニオン部材71が、キャリ
ア66に設けた固定軸に回転自在に軸支されている。
限機構部61は、上記ドライブピニオン7からの駆動力
を、クラウンギヤ65、ディファレンシャルケース64
を介して第1のサンギヤ67に伝達し、上記第2のサン
ギヤ69から上記後輪右ドライブ軸11rrへ出力する一
方、上記キャリヤ66から上記後輪左ドライブ軸11rl
へ出力する複合プラネタリ式の差動制限制御装置に構成
されている。
制御装置の部分は、上記第1,第2のサンギヤ67,6
9およびこれらサンギヤ67,69の周囲に複数個配置
される上記第1,第2のピニオン68,70の歯数を適
切に設定することで差動機能を有する。
9と上記第1,第2のピニオン68,70との噛み合い
ピッチ円半径を適切に設定することで、基準トルク配分
が左右50:50の等トルク配分の機能を有する。
69と上記第1,第2のピニオン68,70とを例えば
はすば歯車にし、上記第1の歯車列と上記第2の歯車列
のねじれ角を異にしてスラスト荷重を相殺させることな
くスラスト荷重を残留させ上記ピニオン部材71の両端
で発生する摩擦トルクを、上記第1,第2のピニオン6
8,70と上記キャリア66に設けた固定軸の表面に噛
み合いによる分離、接線荷重の合成力が作用し、摩擦ト
ルクが生じるように設定して、入力トルクに比例した差
動制限トルクを得られるようにすることで、この差動制
限装置自体によっても差動制限機能が得られるようにな
っている。
ア66と連結された第1の歯車75の外側(右後輪12
rr側)には、増速回転歯車として第2の歯車76が、ま
たこの第2の歯車76の外側には減速回転歯車として第
3の歯車77が併設され、これら第2,第3の歯車7
6,77は上記後輪右ドライブ軸11rrに固定されてい
る。
7は、それぞれ、上記第1,2,3の歯車75,76,
77の回転軸芯と平行な同一回転軸芯上に並設された第
4,5,6の歯車78,79,80と噛合されている。
すなわち、上記第4の歯車78の歯車軸78aの外側に
は上記第5の歯車79の歯車軸79aが、さらにこの第
5の歯車79の歯車軸79aの外側には上記第6の歯車
80の歯車軸80aが、それぞれ回転自在に設けられ、
これら各歯車軸78a,79a,80aの他端部は上記
クラッチ機構部63の後述する各部が形成されている。
1の歯車75と上記第4の歯車78による第1の歯車列
と、上記第2の歯車76と上記第5の歯車79による第
2の歯車列と、上記第3の歯車77と上記第6の歯車8
0による第3の歯車列の3つの歯車列から構成されてい
る。
は、上記第1,2,3,4,5,6の歯車75,76,
77,78,79,80の歯数をそれぞれz1,z2,
z3,z4,z5,z6として、第1の歯車列は、z4
/z1=0.9、第2の歯車列は、z5/z2=0.9
×0.9、第3の歯車列は、z6/z3=1に設定さ
れ、各ギヤ比を大きい順にならべると、1(第3の歯車
列のギヤ比),0.9(第1の歯車列のギヤ比),0.
9×0.9(第2の歯車列のギヤ比)で、ステップ比が
0.9の一定になっている。尚、この値は他の値に設定
しても良い。
チ81,82を並設して構成するもので、上記第4の歯
車78の歯車軸78aの端部に設けたクラッチドラム7
8b内で上記第5の歯車79の歯車軸79aの端部に形
成したクラッチハブ79bとの間にそれぞれドライブプ
レート、ドリブンプレートを複数交互に設けて第1のク
ラッチ81を形成するとともに、上記クラッチドラム7
8b内の開口側で上記第6の歯車80の歯車軸80aの
端部に形成したクラッチハブ80bとの間にそれぞれド
ライブプレート、ドリブンプレートを複数交互に設けて
第2のクラッチ82を形成する。
ないピストン,押圧プレート等により、前記制御装置3
0の駆動制御部37で制御される左右動力配分クラッチ
作動部60により独立に油圧室の油圧が可変押圧され動
作させられる。尚、この左右動力配分クラッチ作動部6
0は、モータ、オイルポンプ、複数の弁を有する油圧装
置で構成される(油圧関連部分については説明を省略す
る)。
チ機構部63で行われる駆動力配分は、上記後輪右ドラ
イブ軸11rrに駆動力が多く配分されるようにして左旋
回性能を向上させるには、上記第2のクラッチ82に関
し、作動する油圧、摩擦面の動摩擦係数(摩擦面の相対
回転速度で決まる動摩擦係数)、摩擦面の枚数(多板ク
ラッチの枚数×2)、有効半径等により決定されるクラ
ッチのスリップトルクをTk2、上記キャリヤ66から
第1の歯車列に流出する駆動力をTldとすると、 Tld×(z4/z1)=Tk2 …(8) の関係が成り立つ。
2は、第3の歯車列を介して上記後輪右ドライブ軸11
rrに伝達されるため、上記第2のサンギヤ69の駆動力
をTr、上記キャリヤ66の駆動力をTlとして、 右輪側駆動力=Tr+(Tk2×(z3/z6)) …(9) 左輪側駆動力=Tl−Tld=Tl−(Tk2×(z1 /z4 ))…(10) で配分される。
ヤ比、z4/z1=0.9、z6/z3=1を代入する
と、次のようになる。 右輪側駆動力=Tr+Tk2 左輪側駆動力=Tl−(Tk2 /0.9) また、上記後輪左ドライブ軸11rlに駆動力が多く配分
されるようにして右旋回性能を向上させるには、第1の
クラッチ81に関し、作動する油圧、摩擦面の動摩擦係
数(摩擦面の相対回転速度で決まる動摩擦係数)、摩擦
面の枚数(多板クラッチの枚数×2)、有効半径等によ
り決定されるクラッチのスリップトルクをTk1、上記
第2のサンギヤ69から第2の歯車列に流出する駆動力
をTrdとすると、 Trd×(z5/z2)=Tk1 …(11) の関係が成り立つ。
1は、第1の歯車列を介すため、 左輪側駆動力=Tl+(Tk1×(z1/z4)) …(12) 右輪側駆動力=Tr−Trd=Tr−(Tk1×(z2/z5))…(13) で配分される。
車列のギヤ比、z4/z1=0.9、z5 /z2 =0.
9×0.9を代入すると、次のようになる。 左輪側駆動力=Tl+Tk1 右輪側駆動力=Tr−(Tk1 /0.9×0.9) 図13は車両挙動は不安定状態であると判定された際に
駆動制御部37で実行されるヨーイングエネルギを減少
させる左右動力配分制御ルーチンのフローチャートで、
まず、S601で前記ヨーイングエネルギEyと前記判
定値E0により、前記(5)式に従って余剰エネルギE
sを算出し、S602に進み、この余剰エネルギEsか
ら前記(6)式により目標ヨーモーメントMtを算出す
る。
が0より大きい(左旋回方向の実ヨーレートγ)か、0
以下(右旋回方向の実ヨーレートγ)か判定する。
きい(左旋回方向の実ヨーレートγ)場合はS604に
進み、上記S602で演算した目標ヨーモーメントMt
等を基に予め実験等により設定しておいたマップを参照
して左側車輪の動力配分を増加する(第2のクラッチ8
2を締結させる)クラッチトルクを算出する。
トルクで上記第2のクラッチ82を締結させる。
下(右旋回方向の実ヨーレートγ)の場合はS606に
進み、上記S602で演算した目標ヨーモーメントMt
等を基に予め実験等により設定しておいたマップを参照
して右側車輪の動力配分を増加する(第1のクラッチ8
1を締結させる)クラッチトルクを算出する。
トルクで上記第1のクラッチ81を締結させる。
動は不安定状態であると判定された際に、旋回内側車輪
の駆動力を増加させて安定方向にするのである。
に限るものではなく、前輪で、あるいは、前後輪で行う
ようにしても良い。
減少させる方法は、単独で実行させることに限らず互い
に組み合わせて実行させることも可能である。
合わせて行う場合の一例を示すもので、車両挙動は不安
定状態であると判定された際に駆動制御部37で実行さ
れるヨーイングエネルギを減少させる前輪舵角制御・制
動制御ルーチンのフローチャートである。
Eyと前記判定値E0により、前記(5)式に従って余
剰エネルギEsを算出し、S702に進み、この余剰エ
ネルギEsから前記(6)式により目標ヨーモーメント
Mtを算出する。
が0より大きい(左旋回方向の実ヨーレートγ)か、0
以下(右旋回方向の実ヨーレートγ)か判定する。
きい(左旋回方向の実ヨーレートγ)場合はS704に
進み、上記S702で演算した目標ヨーモーメントM
t、現在のハンドル角θf、車速V等に基づき、予め設
定しておいた式、マップ等により右方向への前輪操舵量
を算出し、S705に進む。
た前輪操舵量に基づく前輪舵角が設定値、例えばフル転
舵の80%の舵角内か否か判定する。
定した場合は、S706に進み、そのまま上記S704
で算出した前輪操舵量で右方向に操舵してルーチンを抜
ける。
と判定した場合は、S707に進んで、上記S702で
算出した目標ヨーモーメントMtを基に前記(7)式で
制動力FBを演算した後、S708に進み、右前輪を上
記制動力FBで制動させヨーイングエネルギを減少させ
る。
るため、操舵されている舵角によっては必要な操舵量を
得ることができない場合がある。従って前輪舵角と設定
値とを比較し(S705)、現在の前輪舵角が設定値内
ならば前輪舵角制御で十分ヨーイングエネルギEyを減
少させることが可能なため前輪舵角制御を実行してルー
チンを抜け(S706)、一方、現在の前輪舵角が設定
値を超える場合は、ドライバによる操舵のため既に前輪
舵角制御ではヨーイングエネルギEyを減少させること
が困難と判定し、ヨーイングエネルギEyを減少させる
のに必要な制動力を求めて制動制御を実行する(S70
7,S708)のである。
以下(右旋回方向の実ヨーレートγ)場合はS709に
進み、上記S702で演算した目標ヨーモーメントM
t、現在のハンドル角θf、車速V等に基づき、予め設
定しておいた式、マップ等により左方向への前輪操舵量
を算出し、S710に進む。
た前輪操舵量に基づく前輪舵角が設定値、例えばフル転
舵の80%の舵角内か否か判定する。
定した場合は、S711に進み、そのまま上記S709
で算出した前輪操舵量で左方向に操舵してルーチンを抜
ける。
と判定した場合は、S712に進んで、上記S702で
算出した目標ヨーモーメントMtを基に前記(7)式で
制動力FBを演算した後、S713に進み、左前輪を上
記制動力FBで制動させヨーイングエネルギを減少させ
る。
イングエネルギEyを減少することにより、互いの制御
の及ばない部分での制御が確実に行え、信頼性をより向
上させることが可能である。
る各方法では、ヨーモーメントMtを算出して、このヨ
ーモーメントMtを基本にそれぞれの制御量(制動力、
前輪操舵量、後輪操舵量、クラッチトルク)を定めるよ
うにしているが、これに限定することなくそれぞれの制
御に適した他の方法で各制御量を設定しても良い。
車両のヨー慣性を考慮した簡単な演算式によって将来の
不安定な車両挙動を察知し、駆動制御することで速や
か、かつ、的確に、この不安定な挙動を適切に抑止して
車両挙動を安定させることができる。
示す説明図
チンのフローチャート
る車両の説明図
ルーチンのフローチャート
る車両の説明図
ルーチンのフローチャート
少させる車両の説明図
限制御ルーチンのフローチャート
少させる車両の説明図
分制御ルーチンのフローチャート
ギを減少させる車両におけるヨーイングエネルギを減少
させる前輪舵角制御・制動制御ルーチンのフローチャー
ト
ギ算出手段) 35 判定値演算部(判定手段) 36 判定部(判定手段) 37 駆動制御部(駆動制御手段) 40 前輪操舵モータ駆動部(駆動装置) 45 後輪操舵モータ駆動部(駆動装置) 50 左右差動制限クラッチ作動部(駆動装置) 60 左右動力配分クラッチ作動部(駆動装置)
Claims (3)
- 【請求項1】 車両の運動状態を検出する状態検出手段
と、車両の運動状態と車両諸元に基づき車両の回転方向
の力学的エネルギをヨーイングエネルギとして算出する
ヨーイングエネルギ算出手段と、上記ヨーイングエネル
ギと予め設定する判定値とを比較して上記ヨーイングエ
ネルギが上記判定値を超える際に車両が不安定状態と判
定する判定手段と、上記判定手段で車両が不安定状態と
判定した際にヨーイングエネルギが減少する方向に所定
に駆動装置を作動させる駆動制御手段とを備えたことを
特徴とする車両運動制御装置。 - 【請求項2】 上記判定手段での上記判定値は、路面摩
擦係数と車速の少なくとも一方に応じて補正した値を予
め設定することを特徴とする請求項1記載の車両運動制
御装置。 - 【請求項3】 上記駆動制御手段で作動させる駆動装置
は、前輪を操舵する前輪操舵装置と後輪を操舵する後輪
操舵装置と各選択した車輪に独立に制動力を付加する制
動装置と各選択した車輪の駆動力を増加させる駆動力増
加装置の少なくとも一つであることを特徴とする請求項
1又は請求項2記載の車両運動制御装置。
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