JPH11148566A - 合成樹脂製ボール弁 - Google Patents
合成樹脂製ボール弁Info
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- JPH11148566A JPH11148566A JP12423298A JP12423298A JPH11148566A JP H11148566 A JPH11148566 A JP H11148566A JP 12423298 A JP12423298 A JP 12423298A JP 12423298 A JP12423298 A JP 12423298A JP H11148566 A JPH11148566 A JP H11148566A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】開弁時にシートリングのクリープ劣化を防止す
ると共に、流体中の異物によってシール性が損なわれる
のを防止し、長期に亘って良好なシール性を得る合成樹
脂製ボール弁を提供する。 【解決手段】貫通孔を有し球状外面を有する球状弁体
と、球状弁体の両側に互いに対向して配置したシートリ
ングと、シートリングと球状弁体を内部に収容した熱可
塑性樹脂製の弁箱と、球状弁体の上部に係合する弁棒と
からなり、球状弁体を回転して弁箱内の流路を開閉する
ボール弁において、弁の閉止時は、球状外面が両側のシ
ートリングを押付けてシールする球状弁体とシートリン
グの関係に設け、球状弁体の貫通孔側両端部の球状外面
に環状凹溝を設け、弁の全開時にこの環状凹溝はシート
リングのシール部を収容する。
ると共に、流体中の異物によってシール性が損なわれる
のを防止し、長期に亘って良好なシール性を得る合成樹
脂製ボール弁を提供する。 【解決手段】貫通孔を有し球状外面を有する球状弁体
と、球状弁体の両側に互いに対向して配置したシートリ
ングと、シートリングと球状弁体を内部に収容した熱可
塑性樹脂製の弁箱と、球状弁体の上部に係合する弁棒と
からなり、球状弁体を回転して弁箱内の流路を開閉する
ボール弁において、弁の閉止時は、球状外面が両側のシ
ートリングを押付けてシールする球状弁体とシートリン
グの関係に設け、球状弁体の貫通孔側両端部の球状外面
に環状凹溝を設け、弁の全開時にこの環状凹溝はシート
リングのシール部を収容する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスや水等の流体
を輸送する主として埋設配管に使用される合成樹脂製ボ
ール弁に関するもので、詳しくは閉弁時にシールに必要
なシートリングの押付け力を確保し且つ開弁時にシート
リングのクリープ現象を防止すると共に、流体中の異物
によって弁閉止時のシール性が損なわれるのを防止し
た、長期に亘って良好なシール性を有する合成樹脂製ボ
ール弁に関するものである。
を輸送する主として埋設配管に使用される合成樹脂製ボ
ール弁に関するもので、詳しくは閉弁時にシールに必要
なシートリングの押付け力を確保し且つ開弁時にシート
リングのクリープ現象を防止すると共に、流体中の異物
によって弁閉止時のシール性が損なわれるのを防止し
た、長期に亘って良好なシール性を有する合成樹脂製ボ
ール弁に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、本出願人の発明による特開平９ー
２１０２２５号で開示された図６で示す合成樹脂製ボー
ル弁がある。このものは弁箱１の下部と上部で回転自在
に軸支してボール弁体２を装着し、ボール弁体２の貫通
孔軸方向の面間寸法を弁体２の両側に装着したシート
５、５間の面間寸法より小さく設け、弁の全開時にはボ
ール弁体２がシート５、５と当接しないようにして、シ
ート５、５が常に圧縮変形を受けてクリープ劣化するの
を防止し、シール性とボール弁体の回動操作性を向上し
たものである。また実開昭６１ー１１０６４号で開示さ
れたガス用ボール弁がある。このものは図７に示すごと
く、弁の開放時にボール弁体３のシート４と接触する球
状外面の一部を他の部分よりも急なカーブの球面となる
ように削って弁の閉弁時よりシート４との接触面積が小
さくなるように流路８ａ側に逃がし面７を設け、また図
８に示すごとく、ボール弁体３の流路８ａ側のシート４
と接触する部分の一端部を切り欠いて、シート４との接
触面積が小さくなるように流路８ａ側に逃がし面７を設
け、シート４に加わる接触面積を小さくしたものであ
る。
２１０２２５号で開示された図６で示す合成樹脂製ボー
ル弁がある。このものは弁箱１の下部と上部で回転自在
に軸支してボール弁体２を装着し、ボール弁体２の貫通
孔軸方向の面間寸法を弁体２の両側に装着したシート
５、５間の面間寸法より小さく設け、弁の全開時にはボ
ール弁体２がシート５、５と当接しないようにして、シ
ート５、５が常に圧縮変形を受けてクリープ劣化するの
を防止し、シール性とボール弁体の回動操作性を向上し
たものである。また実開昭６１ー１１０６４号で開示さ
れたガス用ボール弁がある。このものは図７に示すごと
く、弁の開放時にボール弁体３のシート４と接触する球
状外面の一部を他の部分よりも急なカーブの球面となる
ように削って弁の閉弁時よりシート４との接触面積が小
さくなるように流路８ａ側に逃がし面７を設け、また図
８に示すごとく、ボール弁体３の流路８ａ側のシート４
と接触する部分の一端部を切り欠いて、シート４との接
触面積が小さくなるように流路８ａ側に逃がし面７を設
け、シート４に加わる接触面積を小さくしたものであ
る。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水、ガ
ス等配管内の流体中には砂や鋼屑、繊維等種々の異物が
混入している場合があり、図６の従来例では開弁時に流
体が弁内を通過中にこれらの異物が弁体２とシート５と
の隙間に引っ掛って堆積する場合がある。また図７、図
８の従来例では開弁時も閉弁時と同じ力で弁体がシート
リングを押付けており、通常開弁状態で用いる場合にも
シートリングがクリープ劣化する場合がある。一方クリ
ープ劣化を防止するために弁体がシートリングを押付け
る力を弱くすれば、閉弁時のシール性能に影響が出てく
る。また流路８ａ側の逃がし面７に流体中の異物が引っ
掛って堆積する場合がある。
ス等配管内の流体中には砂や鋼屑、繊維等種々の異物が
混入している場合があり、図６の従来例では開弁時に流
体が弁内を通過中にこれらの異物が弁体２とシート５と
の隙間に引っ掛って堆積する場合がある。また図７、図
８の従来例では開弁時も閉弁時と同じ力で弁体がシート
リングを押付けており、通常開弁状態で用いる場合にも
シートリングがクリープ劣化する場合がある。一方クリ
ープ劣化を防止するために弁体がシートリングを押付け
る力を弱くすれば、閉弁時のシール性能に影響が出てく
る。また流路８ａ側の逃がし面７に流体中の異物が引っ
掛って堆積する場合がある。
【０００４】この異物が引っ掛った状態で弁体２、３の
回転が行なわれると、流体中の異物が弁体２、３とシー
ト４、５との間に巻き込んでシールが行なわれなかった
り、またシート４、５のシール面を損傷させたり、また
樹脂製ボール弁体２、３の球状外面に傷を付けたりする
場合があり、弁閉止時のシール性が損なわれる問題があ
った。本発明は上記の課題を解消して、閉弁時にシール
に必要なシートリングへの押付け力を確保し、且つ開弁
時にシートリングのクリープ劣化を防止すると共に、流
体中の異物によって弁体とシートリング間に流体中の異
物が巻き込んでシール性が損なわれるのを防止し、長期
に亘って良好なシール性を得る合成樹脂製ボール弁を提
供する。
回転が行なわれると、流体中の異物が弁体２、３とシー
ト４、５との間に巻き込んでシールが行なわれなかった
り、またシート４、５のシール面を損傷させたり、また
樹脂製ボール弁体２、３の球状外面に傷を付けたりする
場合があり、弁閉止時のシール性が損なわれる問題があ
った。本発明は上記の課題を解消して、閉弁時にシール
に必要なシートリングへの押付け力を確保し、且つ開弁
時にシートリングのクリープ劣化を防止すると共に、流
体中の異物によって弁体とシートリング間に流体中の異
物が巻き込んでシール性が損なわれるのを防止し、長期
に亘って良好なシール性を得る合成樹脂製ボール弁を提
供する。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、貫通孔
を有し球状外面を有する球状弁体と、この球状弁体の両
側に互いに対向して配置したシートリングと、このシー
トリングと球状弁体を内部に収容した熱可塑性樹脂製の
弁箱と、前記球状弁体の上部に係合して弁箱上部に突出
する弁棒とからなり、前記弁棒を介して球状弁体を回転
して弁箱内の流路を開閉するボール弁において、弁の閉
止時は、前記球状弁体の球状外面が前記両側のシートリ
ングを押付けてシールする関係に球状弁体とシートリン
グを設け、前記球状弁体の貫通孔側両端部の球状外面に
環状凹溝を設け、弁の全開時において、この環状凹溝は
シートリングのシール部を収容することを特徴とする合
成樹脂製ボール弁である。
を有し球状外面を有する球状弁体と、この球状弁体の両
側に互いに対向して配置したシートリングと、このシー
トリングと球状弁体を内部に収容した熱可塑性樹脂製の
弁箱と、前記球状弁体の上部に係合して弁箱上部に突出
する弁棒とからなり、前記弁棒を介して球状弁体を回転
して弁箱内の流路を開閉するボール弁において、弁の閉
止時は、前記球状弁体の球状外面が前記両側のシートリ
ングを押付けてシールする関係に球状弁体とシートリン
グを設け、前記球状弁体の貫通孔側両端部の球状外面に
環状凹溝を設け、弁の全開時において、この環状凹溝は
シートリングのシール部を収容することを特徴とする合
成樹脂製ボール弁である。
【０００６】この場合弁の全開時において、前記球状外
面の両端部が前記シートリングの内周側に張出してお
り、この球状外面上にシートリングのシール部を収容す
る環状凹溝を設けることができる。また弁の全開時にお
いて、前記環状凹溝はシートリングのシール部を収容し
前記弁閉止時のシートリングの押付け力をこの環状凹溝
内で開放して減少させることができる。また弁の全開時
において、前記環状凹溝はシートリングのシール部と僅
かの隙間を形成して収容することができる。
面の両端部が前記シートリングの内周側に張出してお
り、この球状外面上にシートリングのシール部を収容す
る環状凹溝を設けることができる。また弁の全開時にお
いて、前記環状凹溝はシートリングのシール部を収容し
前記弁閉止時のシートリングの押付け力をこの環状凹溝
内で開放して減少させることができる。また弁の全開時
において、前記環状凹溝はシートリングのシール部と僅
かの隙間を形成して収容することができる。
【０００７】
【作用】本発明は上記の構成であって、弁体の全開回転
時において弁箱内に装着されたシートリングは弁体の貫
通孔側球状外面に設けた環状凹溝内に収容される。従っ
て環状凹溝がシートリングのシール部を収容するためシ
ートリングの内周側を覆い、従来のように流体流路中に
異物が引っ掛るような隙間や逃がし面がなくなる。また
閉弁時のシートリングの押付け力が環状凹溝内で開放さ
れ減少する。このため閉弁時にシールに必要なシートリ
ングの押付け力が確保され且つシートリングのクリープ
がなくなるので弁閉止時のシール性が向上する。従って
球状弁体とシートリング間に流体中の異物が堆積せず、
長期に亘って良好なシール面圧と、弁体およびシートリ
ングのシール面精度が維持され、良好なシール性が得ら
れる。
時において弁箱内に装着されたシートリングは弁体の貫
通孔側球状外面に設けた環状凹溝内に収容される。従っ
て環状凹溝がシートリングのシール部を収容するためシ
ートリングの内周側を覆い、従来のように流体流路中に
異物が引っ掛るような隙間や逃がし面がなくなる。また
閉弁時のシートリングの押付け力が環状凹溝内で開放さ
れ減少する。このため閉弁時にシールに必要なシートリ
ングの押付け力が確保され且つシートリングのクリープ
がなくなるので弁閉止時のシール性が向上する。従って
球状弁体とシートリング間に流体中の異物が堆積せず、
長期に亘って良好なシール面圧と、弁体およびシートリ
ングのシール面精度が維持され、良好なシール性が得ら
れる。
【０００８】また大口径の合成樹脂製ボール弁では、弁
箱本体を射出成形する成形上の問題から、流路軸方向に
分割した複数の弁箱部材を設け、この弁箱部材を軸方向
にバット融着して一体の弁箱を形成する製造方法がとら
れる。この弁箱をバット融着して形成する場合、本発明
品では弁箱内に装着する球状弁体を全開状態で装着して
弁箱部材同志をバット融着することにより、両側のシー
トリングと弁体の貫通流路を軸芯として、シートリング
に与える圧縮変形が少ない状態か圧縮しない状態で融着
作業が行なわれる。このため従来のごとく、閉弁時と同
じ力でシートリングに圧縮応力が加わった状態でバット
融着されるものに比べて、シートリングの圧縮応力によ
る影響を受けずに弁箱部材同志をバット融着でき、融着
工程時に圧縮に対する反発力で弁箱軸芯が変形したり弁
箱部材間の寸法が伸びたりして融着するような従来の不
具合が生じなく、弁箱部材同志の軸芯及び面間寸法共に
合致して正確なバット融着が行なえる。
箱本体を射出成形する成形上の問題から、流路軸方向に
分割した複数の弁箱部材を設け、この弁箱部材を軸方向
にバット融着して一体の弁箱を形成する製造方法がとら
れる。この弁箱をバット融着して形成する場合、本発明
品では弁箱内に装着する球状弁体を全開状態で装着して
弁箱部材同志をバット融着することにより、両側のシー
トリングと弁体の貫通流路を軸芯として、シートリング
に与える圧縮変形が少ない状態か圧縮しない状態で融着
作業が行なわれる。このため従来のごとく、閉弁時と同
じ力でシートリングに圧縮応力が加わった状態でバット
融着されるものに比べて、シートリングの圧縮応力によ
る影響を受けずに弁箱部材同志をバット融着でき、融着
工程時に圧縮に対する反発力で弁箱軸芯が変形したり弁
箱部材間の寸法が伸びたりして融着するような従来の不
具合が生じなく、弁箱部材同志の軸芯及び面間寸法共に
合致して正確なバット融着が行なえる。
【０００９】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。図１は本発明の第一実施例を示すボー
ル弁の縦断面図である。この実施例で弁箱１０は熱可塑
性樹脂を射出成形して形成した弁箱で、弁箱中央部材１
１に球状弁体２０および弁棒３０を装着し、左右の弁箱
接続部材１２、１３にシートリング４０、４０を装着し
て、球状弁体２０の貫通孔２１を弁箱接続部材１２、１
３の流路１４、１５と合致した全開状態で、弁箱中央部
材１１と弁箱接続部材１２、１３とを軸方向にバット融
着して一体の弁箱１０に形成してある。なおこの弁箱１
０は軸方向に２分割した弁箱部材をバット融着して設け
てもよく、また上部に弁体挿入用の開口部を設けた一体
品の弁箱で設け、上部の開口部にフタ部材を融着して設
けてもよい。
づいて説明する。図１は本発明の第一実施例を示すボー
ル弁の縦断面図である。この実施例で弁箱１０は熱可塑
性樹脂を射出成形して形成した弁箱で、弁箱中央部材１
１に球状弁体２０および弁棒３０を装着し、左右の弁箱
接続部材１２、１３にシートリング４０、４０を装着し
て、球状弁体２０の貫通孔２１を弁箱接続部材１２、１
３の流路１４、１５と合致した全開状態で、弁箱中央部
材１１と弁箱接続部材１２、１３とを軸方向にバット融
着して一体の弁箱１０に形成してある。なおこの弁箱１
０は軸方向に２分割した弁箱部材をバット融着して設け
てもよく、また上部に弁体挿入用の開口部を設けた一体
品の弁箱で設け、上部の開口部にフタ部材を融着して設
けてもよい。
【００１０】球状弁体２０は、中央部に貫通孔２１を有
し球状外面２２の上部側係合孔２３に弁棒３０の下端を
係合させ、弁棒３０上部に取付けたハンドル３１を回転
することにより、弁体２０を９０度回転して弁箱両側の
流路１４、１５を開閉する。この弁体の球状外面２２の
両端はシートリング４０、４０の内周側に張出してお
り、この球状外面２２上に環状凹溝２４を両側に設けて
ある。弁箱１０内のシート装着溝１６に装着したシート
リング４０は、内部に補強リング４１を鋳ぐるんだニト
リルゴム等の弾性体で作られており、弁体２０の球状外
面２２と当接するシール部４３を断面円弧状に設けてあ
る。
し球状外面２２の上部側係合孔２３に弁棒３０の下端を
係合させ、弁棒３０上部に取付けたハンドル３１を回転
することにより、弁体２０を９０度回転して弁箱両側の
流路１４、１５を開閉する。この弁体の球状外面２２の
両端はシートリング４０、４０の内周側に張出してお
り、この球状外面２２上に環状凹溝２４を両側に設けて
ある。弁箱１０内のシート装着溝１６に装着したシート
リング４０は、内部に補強リング４１を鋳ぐるんだニト
リルゴム等の弾性体で作られており、弁体２０の球状外
面２２と当接するシール部４３を断面円弧状に設けてあ
る。
【００１１】図２で示すように球状弁体２０が閉止時に
おいて、シートリング４０のシール部４３は、弁体の球
状外面２２と潰し代４４をもって押付けられた状態で当
接し、弁体の球状外面２２と弁箱１０内面との間をシー
ルしている。図１で示すように球状弁体２０が上記図２
の弁閉止状態から９０度回転して貫通孔２１が弁箱の流
路１４、１５と連通した全開状態において、球状外面２
２に設けた環状凹溝２４内にシートリングのシール部４
３を収容し、閉弁時のシートリングの押付け力が環状凹
溝２４内で開放されて減少し自由状態に近い形状に戻
る。この全開状態において環状凹溝２４は、図３で示す
ようにシートリング４０のシール部４３の内面と当接
し、閉弁時の押付け力が全部ないし５０％程度開放され
る環状凹溝２４の形状に設けてもよい。また図４で示す
ようにシール部４３全体と僅かな隙間を形成して、閉弁
時の押付け力の全部が開放される環状凹溝２４の形状に
設けてもよい。更に図５で示すように、シール部４３の
内周流路側のみ当接し弁体外周側に隙間を設けて、流路
軸側方向の押付け力のみ開放する環状凹溝２４の形状に
設けてもよい。
おいて、シートリング４０のシール部４３は、弁体の球
状外面２２と潰し代４４をもって押付けられた状態で当
接し、弁体の球状外面２２と弁箱１０内面との間をシー
ルしている。図１で示すように球状弁体２０が上記図２
の弁閉止状態から９０度回転して貫通孔２１が弁箱の流
路１４、１５と連通した全開状態において、球状外面２
２に設けた環状凹溝２４内にシートリングのシール部４
３を収容し、閉弁時のシートリングの押付け力が環状凹
溝２４内で開放されて減少し自由状態に近い形状に戻
る。この全開状態において環状凹溝２４は、図３で示す
ようにシートリング４０のシール部４３の内面と当接
し、閉弁時の押付け力が全部ないし５０％程度開放され
る環状凹溝２４の形状に設けてもよい。また図４で示す
ようにシール部４３全体と僅かな隙間を形成して、閉弁
時の押付け力の全部が開放される環状凹溝２４の形状に
設けてもよい。更に図５で示すように、シール部４３の
内周流路側のみ当接し弁体外周側に隙間を設けて、流路
軸側方向の押付け力のみ開放する環状凹溝２４の形状に
設けてもよい。
【００１２】上記のように、開弁時において弁箱内に装
着されたシートリング４０は、弁体の球状外面２２に設
けた環状凹溝２４によって閉弁時の押付け力によるシー
ル部４３が減少して開放され、またシール部４３が環状
凹溝２４内に収容され弁体２０の貫通孔２１側端面がシ
ートリング４０の内周側に張出してシートリングのシー
ル部４３の内周面を覆う。このため従来のように弁箱内
流路中に異物が引っ掛るような隙間や逃がし面が除かれ
る。また閉弁時のシールに必要なシートリングの押付け
力を確保して開弁時にシール部４３の押付け力が環状凹
溝２４内で開放されるので、流体中の異物噛み込みによ
るシール性の問題がなくなり、また弁閉止時のシートリ
ングのクリープが解消され、長期に亘って良好なシール
が得られる。
着されたシートリング４０は、弁体の球状外面２２に設
けた環状凹溝２４によって閉弁時の押付け力によるシー
ル部４３が減少して開放され、またシール部４３が環状
凹溝２４内に収容され弁体２０の貫通孔２１側端面がシ
ートリング４０の内周側に張出してシートリングのシー
ル部４３の内周面を覆う。このため従来のように弁箱内
流路中に異物が引っ掛るような隙間や逃がし面が除かれ
る。また閉弁時のシールに必要なシートリングの押付け
力を確保して開弁時にシール部４３の押付け力が環状凹
溝２４内で開放されるので、流体中の異物噛み込みによ
るシール性の問題がなくなり、また弁閉止時のシートリ
ングのクリープが解消され、長期に亘って良好なシール
が得られる。
【００１３】また本実施例では、流路軸方向に分割した
弁箱中央部材１１と左右の弁箱接続部材１２、１３を軸
方向にバット融着して一体の弁箱１０を形成している
が、弁箱１０内に装着する球状弁体２０と両側のシート
リング４０、４０は、全開状態でシートリング４０を強
い力で圧縮せずに装着してあるため、この全開状態で弁
箱部材１１、１２、１３互いにバット融着することによ
り、シートリング４０には大きな圧縮変形が加わらず、
非常に少ない状態で融着作業が行なわれる。このため、
従来のシートリングに閉弁時と同じ大きな圧縮応力が加
わった状態でバット融着するものに比べて、シートリン
グ４０の押付け力による影響を受けずに弁箱部材同志を
バット融着でき、シートリング４０の圧縮応力による反
発力で融着作業中に弁箱部材間の軸芯が変形したり弁箱
部材間の寸法が伸びたりするような不具合が生じなく、
正確なバット融着が行なえる。
弁箱中央部材１１と左右の弁箱接続部材１２、１３を軸
方向にバット融着して一体の弁箱１０を形成している
が、弁箱１０内に装着する球状弁体２０と両側のシート
リング４０、４０は、全開状態でシートリング４０を強
い力で圧縮せずに装着してあるため、この全開状態で弁
箱部材１１、１２、１３互いにバット融着することによ
り、シートリング４０には大きな圧縮変形が加わらず、
非常に少ない状態で融着作業が行なわれる。このため、
従来のシートリングに閉弁時と同じ大きな圧縮応力が加
わった状態でバット融着するものに比べて、シートリン
グ４０の押付け力による影響を受けずに弁箱部材同志を
バット融着でき、シートリング４０の圧縮応力による反
発力で融着作業中に弁箱部材間の軸芯が変形したり弁箱
部材間の寸法が伸びたりするような不具合が生じなく、
正確なバット融着が行なえる。
【００１４】
【発明の効果】以上の通り、本発明の合成樹脂製ボール
弁は、弁全開時においてシートリングのクリープ現象を
防止すると共に、弁体とシートリングとのシール面に流
体中の異物が巻き込んだりして弁閉止時のシール性が損
なわれるのを防止し、長期に亘って良好なシール性を得
ることができる。また弁箱本体を成形時、流路方向に複
数に分割した弁箱部材を互いにバット融着して一体の弁
箱を成形する大口径品のものにおいても、シートリング
に大きな圧縮変形が加わらない状態で融着作業が行なえ
るため、シートリングの圧縮応力による反発力で融着作
業中に弁箱部材間の軸芯が変形したり弁箱部材間の寸法
が伸びたりするような従来の不具合が生じなく、正確な
融着成形が行なえるものである。
弁は、弁全開時においてシートリングのクリープ現象を
防止すると共に、弁体とシートリングとのシール面に流
体中の異物が巻き込んだりして弁閉止時のシール性が損
なわれるのを防止し、長期に亘って良好なシール性を得
ることができる。また弁箱本体を成形時、流路方向に複
数に分割した弁箱部材を互いにバット融着して一体の弁
箱を成形する大口径品のものにおいても、シートリング
に大きな圧縮変形が加わらない状態で融着作業が行なえ
るため、シートリングの圧縮応力による反発力で融着作
業中に弁箱部材間の軸芯が変形したり弁箱部材間の寸法
が伸びたりするような従来の不具合が生じなく、正確な
融着成形が行なえるものである。
【図１】本発明の一実施例のボール弁を示す弁全開時の
縦断面図である。
縦断面図である。
【図２】図１のボール弁の弁体閉止時を示す縦断面図で
ある。
ある。
【図３】図１の弁全開時における弁体とシートリングと
の関係を示す部分断面図である。
の関係を示す部分断面図である。
【図４】図１の弁全開時における弁体とシートリングと
の関係を示す部分断面図である。
の関係を示す部分断面図である。
【図５】図１の弁全開時における弁体とシートリングと
の関係を示す部分断面図である。
の関係を示す部分断面図である。
【図６】従来技術を示すボール弁の要部断面図である。
【図７】別の従来技術の主要部を示す断面図である。
【図８】別の従来技術の主要部を示す断面図である。
１０ 弁箱 １１ 弁箱中央部材 １２、１３ 弁箱接
続部材 １４、１５ 流路 １６ シート装着溝 ２０ 球状弁体 ２１ 貫通孔 ２２ 球状外面 ２３ 弁棒との係合
孔 ２４ 環状凹溝 ３０ 弁棒 ３１ ハンドル ４０ シートリング ４１ 補強リング ４３ シール部 ４４ シートリングの潰し代
続部材 １４、１５ 流路 １６ シート装着溝 ２０ 球状弁体 ２１ 貫通孔 ２２ 球状外面 ２３ 弁棒との係合
孔 ２４ 環状凹溝 ３０ 弁棒 ３１ ハンドル ４０ シートリング ４１ 補強リング ４３ シール部 ４４ シートリングの潰し代
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 靖 三重県三重郡朝日町小向200番地 日立バ ルブ株式会社内 (72)発明者 田中 孝裕 大阪府大阪市中央区平野町四丁目１番２号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 山田 昌弘 大阪府大阪市中央区平野町四丁目１番２号 大阪瓦斯株式会社内
Claims (4)
- 【請求項１】貫通孔を有し球状外面を有する球状弁体
と、この球状弁体の両側に互いに対向して配置したシー
トリングと、このシートリングと球状弁体を内部に収容
した熱可塑性樹脂製の弁箱と、前記球状弁体の上部に係
合して弁箱上部に突出する弁棒とからなり、前記弁棒を
介して球状弁体を回転して弁箱内の流路を開閉するボー
ル弁において、 弁の閉止時は、前記球状弁体の球状外面が前記両側のシ
ートリングを押付けてシールする関係に球状弁体とシー
トリングを設け、 前記球状弁体の貫通孔側両端部の球状外面に環状凹溝を
設け、 弁の全開時において、この環状凹溝はシートリングのシ
ール部を収容することを特徴とする合成樹脂製ボール
弁。 - 【請求項２】弁の全開時において、前記球状外面の両端
部が前記シートリングの内周側に張出しており、この球
状外面上にシートリングのシール部を収容する環状凹溝
を設けたことを特徴とする請求項１記載の合成樹脂製ボ
ール弁。 - 【請求項３】弁の全開時において、前記環状凹溝はシー
トリングのシール部を収容し前記弁閉止時のシートリン
グの押付け力をこの環状凹溝内で開放して減少させるこ
とを特徴とする請求項１乃至２記載の合成樹脂製ボール
弁。 - 【請求項４】弁の全開時において、前記環状凹溝はシー
トリングのシール部と僅かの隙間を形成して収容するこ
とを特徴とする請求項１乃至３記載の合成樹脂製ボール
弁。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12423298A JP4038597B2 (ja) | 1997-09-11 | 1998-04-17 | 合成樹脂製ボール弁 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26503997 | 1997-09-11 | ||
| JP9-265039 | 1997-09-11 | ||
| JP12423298A JP4038597B2 (ja) | 1997-09-11 | 1998-04-17 | 合成樹脂製ボール弁 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11148566A true JPH11148566A (ja) | 1999-06-02 |
| JP4038597B2 JP4038597B2 (ja) | 2008-01-30 |
Family
ID=26460944
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12423298A Expired - Lifetime JP4038597B2 (ja) | 1997-09-11 | 1998-04-17 | 合成樹脂製ボール弁 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP4038597B2 (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103104715A (zh) * | 2013-02-04 | 2013-05-15 | 精工阀门有限公司 | 双板式球阀 |
| CN108708986A (zh) * | 2018-05-29 | 2018-10-26 | 广东联塑科技实业有限公司 | 一种带钢骨架的pe燃气球阀 |
| JP2019007559A (ja) * | 2017-06-26 | 2019-01-17 | 前澤工業株式会社 | 補修弁 |
-
1998
- 1998-04-17 JP JP12423298A patent/JP4038597B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103104715A (zh) * | 2013-02-04 | 2013-05-15 | 精工阀门有限公司 | 双板式球阀 |
| JP2019007559A (ja) * | 2017-06-26 | 2019-01-17 | 前澤工業株式会社 | 補修弁 |
| CN108708986A (zh) * | 2018-05-29 | 2018-10-26 | 广东联塑科技实业有限公司 | 一种带钢骨架的pe燃气球阀 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP4038597B2 (ja) | 2008-01-30 |
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