JPH11145539A - 光ファイバ増幅器 - Google Patents

光ファイバ増幅器

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JPH11145539A
JPH11145539A JP9305614A JP30561497A JPH11145539A JP H11145539 A JPH11145539 A JP H11145539A JP 9305614 A JP9305614 A JP 9305614A JP 30561497 A JP30561497 A JP 30561497A JP H11145539 A JPH11145539 A JP H11145539A
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optical fiber
erbium
edf
signal light
gain
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Mototaka Kadoi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短尺化されると共に実用性に優れたエルビウ
ム添加光ファイバ(EDF)を備えて、所望の平坦化し
た利得を得ることができる光ファイバ増幅器(EDF
A)を提供する。 【解決手段】 エルビウム添加光ファイバ飽和手段8
a,9aによって、EDF1を強く飽和させ、信号光の
波長略1570〜略1600nmの範囲において、利得
を平坦化した光増幅を行うと共に、このとき、コア領域
及びクラッド領域の双方にエルビウムを添加しているこ
とで、信号光とエルビウム添加部分との重なり合い部分
を大きくして、単位長さ当たりの利得を増やすように
し、EDF1の長さを長くして利得の増加を図るという
必要をなくして、EDF1の短尺化を図ると共に、ED
F1の長さの短尺化を図るべくホストガラスに例えばフ
ッ化物ガラスを用いるという必要をなくして、EDF1
を実用性に優れたものする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長多重方式の光
伝送システムにおいて、異なる波長を有する複数の信号
光(多波長の信号光)を一括増幅する光ファイバ増幅器
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光通信の大容量高速化に伴い、波長多重
(WDM:Wavelength division Multiplexing)伝送方
式に関する研究・開発がなされている。このWDM伝送
方式において、最も重要な光素子の一つが、多波長の信
号光を一括増幅する光増幅器である。この光増幅器は、
高利得・低雑音であって、信号光波長帯域において、利
得スペクトルが平坦であることが要求されるため、従来
より、希土類元素としてのEr(エルビウム)元素を添
加したエルビウム添加光ファイバ(EDF:Er-Doped F
iber)を採用した光ファイバ増幅器(EDFA:Er-Dop
ed Fiber Amplifier)が用いられている。
【0003】上記EDFは、図6に示すように、コア領
域21aと、当該コア領域21aの外周に設けられたク
ラッド領域21bと、励起光強度の高いコア領域21a
の中心部分にのみにErが添加されたEr層22と、か
らなるものである。このEDFにおける信号光強度分布
及び添加Er濃度分布を示したのが図7であり、この図
において、横軸はEDFの縦断面における半径方向位置
を表し、縦軸は信号光光強度と添加Er濃度をともに表
している。図7より明らかなように、コア領域21aの
中心部分にErが一様な濃度で添加されている。
【0004】ここで、上記EDFを用いたEDFAに関
しては、例えば、「M.Fukusima etal."Flat gain Erbiu
m-doped fiber amplifier in 1570nm-1600nm region fo
r dense WDM transmission systems",OFC'97,Postdeadl
ine papers 3.1997(古河電工)」(以後、従来例1と呼
ぶ)、「小野 他 ”1.58μm帯Er添加光ファイバ増
幅器”97年春季電子情報通信学会総合大会C-3-86(N
TT)」(以後、従来例2と呼ぶ)等に記載がなされて
いる。
【0005】上記従来例1では、波長=1570nm〜
1600nmの範囲に存在する信号光を増幅する場合に
は、波長1564nmの大パワーのダミー信号光を入射
させ、これにより、EDFを強く飽和させて当該EDF
内の長手方向に平均化した反転分布を40%程度まで低
下させ、上記波長の範囲で利得を平坦化した光増幅を行
えることが述べられている。このとき、上記EDFを強
く飽和させることにより、単位長当たりの利得が低下す
るため、所望の利得を得るべく、EDF長を長く設定す
る必要がある。
【0006】また、上記従来例2では、EDFを長尺化
することにより、励起光が届かない励起光の弱い領域、
すなわち飽和の強い領域を形成し(EDFを強く飽和さ
せ)、これにより、上記とほぼ同様な波長帯において、
利得を平坦化した光増幅を行えることが述べられてい
る。このとき、EDFの単位長当たりの利得は低いた
め、上記EDFを構成するホストガラスを石英系ガラス
としたもの(石英系EDF)では、所望の利得を得るた
めに必要なEDFの長さは、200m程度であり、上記
ホストガラスをフッ化物ガラスとしたもの(フッ化物E
DF)では、石英系EDFの1/5の長さである40m
程度であることが述べられている。なお、上記石英系E
DFでは、利得平坦化の目的で、さらに所定量のAl
(アルミニウム)が添加されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来例
1、2では、所望の利得を得るには、最も多用される石
英系EDFのままではEDFを長くしなければならず、
短尺化を図れないといった問題があった。
【0008】また、従来例2のように、ホストガラスを
フッ化物ガラスとすれば、EDFの短尺化を図れるが、
当該フッ化物ガラスは、信頼性に劣るとともに製造コス
トが高く、実用性に劣るといった問題があった。
【0009】本発明は、上記問題点を解消するためにな
されたものであり、短尺化されると共に実用性に優れた
エルビウム添加光ファイバを備えて、所望の平坦化した
利得を得ることができる光ファイバ増幅器を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光ファイバ
増幅器は、所定の基準軸に沿って伸びたコア領域、当該
コア領域の外周に設けられたクラッド領域、コア領域及
びクラッド領域の双方にエルビウムを添加することによ
り構成したエルビウム添加部を有するエルビウム添加光
ファイバと、このエルビウム添加光ファイバの入力側及
び出力側の少なくとも一方側に接続されたWDMカプラ
と、このWDMカプラに接続された励起用光源と、エル
ビウム添加光ファイバを飽和させ、信号光の波長略15
70nm〜略1600nmの範囲において、光ファイバ
増幅器の利得を平坦化するエルビウム添加光ファイバ飽
和手段と、を具備した。
【0011】この光ファイバ増幅器によれば、エルビウ
ム添加光ファイバ飽和手段により、エルビウム添加光フ
ァイバを強く飽和させる(エルビウム添加光ファイバの
長手方向に平均化した反転分布を低下させる)ため、信
号光の波長略1570nm〜略1600nmの範囲にお
いて、平坦化された増幅器利得が得られるようになる。
ここで、従来技術では、EDFを強く飽和させることに
より単位長当たりの利得が低下するため、所望の利得を
得るべく、EDF長を長く設定する必要があったが、一
方、本発明では、エルビウム添加範囲がクラッド領域に
まで広げられるため、信号光とエルビウム添加部分との
重なり合う部分が大きくなり、単位長さ当たりの利得が
増やされるようになる。従って、エルビウム添加光ファ
イバの長さを長くして利得の増加を図るという必要がな
くなり、短尺化が図られるようになると共に、エルビウ
ム添加光ファイバの長さの短尺化を図るべくホストガラ
スに例えばフッ化物ガラスを用いるという必要がなくな
り、信頼性の確保及び製造コストの上昇防止が図られる
ようになる。また、エルビウム添加範囲を広げることに
より単位長さ当たりの利得を増やすようにすれば、短尺
化が図られると共に、この短尺化により背景損失の影響
が低減されるようになる。従って、従来技術のようにエ
ルビウム添加光ファイバの長さを長くすることにより利
得を増やす場合に比して、短尺化により背景損失の影響
が抑えられる分、さらに有利となる。
【0012】このとき、エルビウムのファイバ断面の半
径方向の分布が、入射される信号光のモードフィールド
径より外に及んでいると、上述した信号光とエルビウム
添加部分との重なり合う部分が非常に大きくなるため、
エルビウム添加光ファイバの必要長が非常に短くなり、
ホストガラスを例えばフッ化物ガラスとした場合と同程
度まで短くされるようになる。
【0013】また、このとき、エルビウム添加光ファイ
バを構成するホストガラスが、石英系ガラスであると、
ホストガラスを例えばフッ化物ガラスとした場合に比し
て、信頼性が向上されると共に製造コストが低減される
ようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明にお
いて、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明
を省略する。
【0015】図1は、本発明に係る光ファイバ増幅器
(EDFA)を表した構成図である。このEDFAは、
半導体レーザ(図示せず)から出射され、光ファイバ伝
送路2を伝送されてきた多波長の信号光を入力して一括
増幅し、光ファイバ伝送路7に出力するものであり、活
性元素としてエルビウムを添加したエルビウム添加光フ
ァイバ(EDF)1の入力には、融着部10を介して、
WDMカプラ4の出力が接続されている。このWDMカ
プラ4の一方の入力には、上記EDF1に励起光を供給
するための励起用レーザ光源8が接続されていると共
に、他方の入力には、アイソレータ3の出力が接続され
ている。
【0016】一方、上記EDF1の出力には、融着部1
0を介して、WDMカプラ5の一端子が接続されてお
り、このWDMカプラ5の他方の入力には、上記EDF
1に励起光を供給するための励起用レーザ光源9が接続
されていると共に、カプラ5の出力には、アイソレータ
6の入力が接続されている。
【0017】上記アイソレータ3,6は、光を一方向に
のみ透過させるものであって、アイソレータ3は、光フ
ァイバ伝送路2側からEDF1側への方向には光を通過
させるが、その逆方向には光を通過させないものであ
り、アイソレータ6は、EDF1側から光ファイバ伝送
路7側への方向には光を通過させるが、その逆方向には
光を通過させないものである。
【0018】また、上記WDMカプラ4は、励起用レー
ザ光源8からの励起光をEDF1側へ出力すると共に、
アイソレータ3を透過した信号光を入力してEDF1側
へ通過させる。また、上記WDMカプラ5は、励起用レ
ーザ光源9からの励起光をEDF1に出力すると共に、
EDF1で増幅された信号光を入力してアイソレータ6
へ通過させる。
【0019】上記EDF1は、上記励起用レーザ光源
8,9からの励起光(波長1.48μm帯)により双方
向励起され、これにより反転分布が形成される。そし
て、この反転分布が形成されている時に、多波長信号光
(波長1.58μm帯:各信号光の中心波長が略157
0nm〜略1600nmの範囲内にある複数の信号光)
が入力すると、その信号光を一括増幅して出力する。
【0020】このEDF1は、ホストガラスを石英系ガ
ラスとしたものであり、この石英系ガラスは、信頼性が
高く且つ製造コストが安いという特性を有している。
【0021】当該EDF1は、図2に示すように、所定
の基準軸1cに沿って伸び(紙面に垂直な方向に伸
び)、屈折率n1を有するコア領域1aと、当該コア領
域1aの外周に設けられ、屈折率n2(<n1)を有する
クラッド領域1bと、後述の所定領域(所定位置)にE
rが添加されたEr(エルビウム)層12と、から構成
されており、利得平坦化の目的で、上記Er層12と同
じ領域にさらにAl(アルミニウム)が所定量添加され
ている。
【0022】上記Er層12は、図2に示すように、そ
の軸心がコア領域1aの軸心1cと同軸の断面円形状と
なっている。
【0023】特に、本実施形態においては、上記Er層
12は、短尺化を図るべく、コア領域1a及びクラッド
領域1b、すなわちコア領域1aの外側部分まで拡大さ
れている。
【0024】このEDF1における信号光強度分布及び
添加Er濃度分布を示したのが図3であり、この図にお
いて、横軸はEDF1の縦断面における半径方向位置を
表し、縦軸は信号光光強度と添加Er濃度をともに表し
ている。図3より明らかなように、コア領域1aの外側
部分までErが添加されている。
【0025】なお、Er層12は、本実施形態において
は、より好ましいとして、その軸心がコア領域1aの軸
心1cと同軸の断面円形状となっているが、必ずしも断
面円形状でなくても良く、またコア領域1aの軸心1c
と同軸でなくても良い。
【0026】斯くの如く構成されたEDFAは、以下の
ように作用する。すなわち、図1を参照すれば、励起用
レーザ光源8から出力された励起光がWDMカプラ4を
介してEDF1に供給され、また励起用レーザ光源9か
ら出力された励起光がWDMカプラ5を介して上記ED
F1に供給されている時に、半導体レーザから光ファイ
バ伝送路2を伝送されてきた多波長信号光がEDFAに
入力すると、その多波長信号光はアイソレータ3を通過
し、EDF1に入力して一括増幅される。続いて、この
EDF1から出力された多波長信号光は、WDMカプラ
5、アイソレータ6を順次通過し、光ファイバ伝送路7
に出力される。
【0027】このとき、本実施形態においては、エルビ
ウム添加光ファイバ飽和手段として、励起用レーザ光源
8,9からの励起光を弱めてEDF1を強く飽和させる
励起光調整手段を用いている。この励起光調整手段は、
例えば、励起用レーザ光源8,9にコントローラ8a,
9aを設けて当該コントローラ8a,9aにより電流を
調整して励起光を最適化するというものであり、これに
より、上記EDF1が強く飽和し(EDF1の長手方向
に平均化した反転分布が低下し)、1.58μm帯の波
長の範囲において、利得を平坦化した光増幅を行うこと
ができる。ここで、本実施形態においては、EDF1の
長手方向に平均化した反転分布が40%程度に最適化し
ている。なお、反転分布の定義式は以下の式(1)で表
される。
【0028】 反転分布=N2/(N1+N2) …(1) 但し、N1は基底準位のEr密度をEDFの長手方向に
平均化したもの N2は励起準位のEr密度をEDFの長手方向に平均化
したもの また、EDF1を強く飽和させる他の方法としては、例
えば、従来例1で説明したダミー信号光を入射させる等
の方法がある。
【0029】次に、上記EDFAの利得Gについて説明
する。上記EDFAの利得Gは以下の式(2)で表され
る。
【0030】 G=ζ・(σe・N2−σa・N1)・L−α・L …(2) 但し、ζは信号光とEr添加部分との重なりを表す閉じ
込め係数 σeは誘導放出断面積 σaは吸収断面積 N1は基底準位のEr密度をEDFの長手方向に平均化
したもの N2は励起準位のEr密度をEDFの長手方向に平均化
したもの LはEDFの長さ αは単位長さ当たりの背景損失である。
【0031】ここで、従来技術では、上記利得Gを増や
すために、上記EDFの長さLを大きくするようにして
いたが、本実施形態では、EDFの長さLを大きくする
ことなくEr添加部分の直径(以下Er添加径と記す)
を広げ、これにより、上記信号光及び励起光とEr添加
部分との重なりを表す閉じ込め係数ζを大きくして、上
記利得Gを増やすようにしている。
【0032】本発明者は、上記作用・効果を確認すべ
く、以下の条件で、図1に示したEDFAを動作させ
た。すなわち、励起光の波長を1.48μm帯として、
双方向からEDF1に対して200mWづつの励起光パ
ワーで供給する一方で、信号光の波長を1568、15
70、1572、1574nmの2nm刻みの4波WD
M信号とすると共に、信号光入力を−10dBm/ch
×4波、すなわちトータル信号光入力を−4dBmと
し、さらに上記WDMカプラ4,5として、1.48/
1.55μmWDMカプラを用いた。
【0033】また、上記EDF1としては、以下の表1
に示す諸元のEDFを用いた。
【0034】
【表1】
【0035】なお、表1に示す信号光のモードフィール
ド径(MFD)は、波長1570nmにおけるものであ
る。また、一般にMFDは、波長にほぼ正比例するの
で、励起光のMFDは、信号光の波長を1570nmと
すると、信号光のMFDの1.48/1.57倍で与え
られ、この値は、信号光のMFDよりも小さい。
【0036】図4及び図5は、Er添加径を最大8μm
まで変化させた時の最大信号光出力と、EDF長との関
係を表したものであり、図4にEr添加径と最大信号光
出力との関係を、図5にEr添加径とEDF長との関係
を、それぞれ示す。上記最大信号光出力とは、あるEr
添加径のEDFに対して一定の信号光入力と励起光入力
とを与えて、EDFの長さを変化させた時の光出力の最
大値のことであり、上記EDF長とは、上記最大信号光
出力を得るのに必要なEDFの長さのことである。
【0037】ここで、通常のAl添加石英系EDF(従
来例2に記載のもの)では、Er添加径が1.0〜1.
4μm程度である。従って、上記動作条件では、図5に
示すように、45mを越えるEDF長が必要となる。特
に、Er添加径を1.0μmとした場合には、図5に示
すように、100mを越えるEDF長が必要となる。こ
のとき、7.5dB/km程度の背景損失の影響が現れ
るため、EDFAとしての最大信号光出力は、図4に示
すように、低い値となっている。
【0038】一方、図5に示すように、Er添加径を広
げれば、EDF長を低減できるというのが判る。特に、
Er添加径を信号光のMFDと同程度まで広げると、図
5に示すように、EDF長は9m程度となり、通常のA
l添加石英系EDF長の1/5以下となる。これは、従
来例2で説明した、通常のAl添加石英系EDFに対し
てホストガラスをフッ化物ガラスとした場合と比較して
も、同比率の改善となっている。
【0039】すなわち、Er添加径を信号光のMFDと
同程度まで広げれば、信頼性に劣ると共に製造コストの
高いフッ化物EDFを用いることなく、通常の実用性に
優れた石英系EDFであっても、EDF長をフッ化物E
DFと同程度に短くすることができることになる。さら
にEr添加径を広げれば、図5に示すように、未だ若干
EDFを短縮することが可能である。
【0040】そして、このように、Er添加径を広げる
ことにより上記係数ζを大きくし、上記利得Gを大きく
すれば、EDFを短尺化できるため、上記背景損失の影
響α・Lを低減できる(上記式(2)参照)。従って、
従来技術のようにEDFの長さLを大きくすることによ
り上記利得Gを増やすのに比して、背景損失の影響α・
Lを抑えることができる分、さらに有利である。
【0041】因みに、Er添加濃度は、現状の製造プロ
セスでは、上記表1に示した値がほぼ限界に当たる濃度
である。また、このEr添加濃度としては、製造上の実
績を考慮すると、1000ppm前後が望ましい。
【0042】以上、本発明者によってなされた発明を実
施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施
形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない
範囲で種々変更可能であるというのはいうまでもなく、
例えば、上記実施形態においては、EDFAを、EDF
1の入力側及び出力側の両方から励起光を供給する双方
向励起型としているが、例えば励起用レーザ光源9及び
WDMカプラ5の無い前方励起や励起用レーザ光源8及
びWDMカプラ4の無い後方励起に対しても同様に適用
できる。
【0043】また、光通信システムでは、シングルモー
ド光ファイバが主流なため、本発明のEDFAを、シン
グルモード光ファイバの光通信システムに適用するのが
好適であるが、マルチモード光ファイバの光通信システ
ムに対しても適用できる。
【0044】なお、特開平4−20938号公報には、
活性元素イオンが主として光ファイバのクラッドにドー
プされているものの開示があり、また特開平3−289
633号公報には、活性元素が主として光ファイバのコ
アとクラッドの境界近傍にドープされているものの開示
があり、また特開平4ー199031号公報には、光フ
ァイバのクラッドに希土類元素をドープした時でも、一
定程度の光増幅ができるという開示があるが、これら
は、コア領域及びクラッド領域の双方にエルビウムを添
加すると共にエルビウム添加光ファイバを飽和させるこ
とによって、エルビウム添加光ファイバを短尺化すると
共に実用性に優れたものとしつつ、信号光の波長略15
70nm〜略1600nmの範囲において、所望の平坦
化した増幅器利得を得ることができるという本発明と
は、全く異なるものである。
【0045】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り本発明の光フ
ァイバ増幅器は、エルビウム添加光ファイバ飽和手段に
よって、エルビウム添加光ファイバを強く飽和させるた
め、信号光の波長略1570nm〜略1600nmの範
囲において、利得を平坦化した光増幅を行なうことがで
きる。このとき、コア領域及びクラッド領域の双方にエ
ルビウムを添加しているため、信号光とエルビウム添加
部分との重なり合う部分が大きくなる。このため、単位
長さ当たりの利得が増え、エルビウム添加光ファイバの
長さを長くして利得の増加を図るという必要がない。そ
の結果、エルビウム添加光ファイバの短尺化を図り得る
と共に、エルビウム添加光ファイバの長さの短尺化を図
るべくホストガラスに例えばフッ化物ガラスを用いると
いう必要がなく、エルビウム添加光ファイバを実用性に
優れたものとし得るようになっている。すなわち、短尺
化されると共に実用性に優れたエルビウム添加光ファイ
バを備えて、所望の平坦化した利得を得ることができる
光ファイバ増幅器を提供することができる。
【0046】また、エルビウム添加範囲を広げることに
より単位長さ当たりの利得を増やすようにすれば、短尺
化が図られると共に、この短尺化により背景損失の影響
が低減されるようになる。このため、従来技術のように
エルビウム添加光ファイバの長さを長くすることにより
利得を増やす場合に比して、短尺化により背景損失の影
響が抑えられる分、本発明の光ファイバ増幅器は、さら
に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ファイバ増幅器を表した構成図
である。
【図2】図1中のエルビウム添加光ファイバを表した断
面図である。
【図3】エルビウム添加光ファイバにおける信号光強度
及び添加エルビウム濃度を表した分布図である。
【図4】エルビウム添加径と最大信号光出力との関係を
表した特性図である。
【図5】エルビウム添加径と最大信号光出力を得るのに
必要なエルビウム添加光ファイバ長との関係を表した特
性図である。
【図6】従来技術におけるエルビウム添加光ファイバを
表した断面図である。
【図7】従来技術のエルビウム添加光ファイバにおける
信号光強度及び添加エルビウム濃度を表した分布図であ
る。
【符号の説明】
1…エルビウム添加光ファイバ、1a…コア領域、1b
…クラッド領域、1c…基準軸、4,5…WDMカプ
ラ、8,9…励起用光源、8a,9a…エルビウム添加
光ファイバ飽和手段、12…エルビウム添加部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の基準軸に沿って伸びたコア領域、
    当該コア領域の外周に設けられたクラッド領域、前記コ
    ア領域及び前記クラッド領域の双方にエルビウムを添加
    することにより構成したエルビウム添加部を有するエル
    ビウム添加光ファイバと、 このエルビウム添加光ファイバの入力側及び出力側の少
    なくとも一方側に接続されたWDMカプラと、 このWDMカプラに接続された励起用光源と、 前記エルビウム添加光ファイバを飽和させ、信号光の波
    長略1570nm〜略1600nmの範囲において、光
    ファイバ増幅器の利得を平坦化するエルビウム添加光フ
    ァイバ飽和手段と、 を具備したことを特徴とする光ファイバ増幅器。
  2. 【請求項2】 前記エルビウムのファイバ断面の半径方
    向の分布は、入射される信号光のモードフィールド径よ
    り外に及んでいることを特徴とする請求項1記載の光フ
    ァイバ増幅器。
  3. 【請求項3】 前記エルビウム添加光ファイバを構成す
    るホストガラスは、石英系ガラスであることを特徴とす
    る請求項1記載の光ファイバ増幅器。
  4. 【請求項4】 前記エルビウム添加光ファイバ飽和手段
    は、前記エルビウム添加光ファイバを飽和させ、当該エ
    ルビウム添加光ファイバの長手方向に平均化した反転分
    布を略40%とすることを特徴とする請求項1記載の光
    ファイバ増幅器。
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