JPH11144614A - 電子管用含浸型陰極の製造方法 - Google Patents

電子管用含浸型陰極の製造方法

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JPH11144614A
JPH11144614A JP31200997A JP31200997A JPH11144614A JP H11144614 A JPH11144614 A JP H11144614A JP 31200997 A JP31200997 A JP 31200997A JP 31200997 A JP31200997 A JP 31200997A JP H11144614 A JPH11144614 A JP H11144614A
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JP
Japan
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cathode
electron tube
impregnated
impregnated cathode
film
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Application number
JP31200997A
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English (en)
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Takeshi Kodama
健 児玉
Michio Hara
通雄 原
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子管用含浸型陰極の量産性を高めることが
できる製造方法を提供すること。 【解決手段】 多孔質高融点金属基体である多孔質タン
グステンディスク10に、電子放射物質11(例えばB
a)が例えば1650℃で含浸され、その後、洗浄工程
30で洗浄される。次に、多孔質タングステンディスク
10の表面にIr膜が形成される。得られた陰極はその
後、真空加熱処理工程40で、例えば1650℃のもと
で5分間真空加熱処理が施され、陰極が活性化される。
続いて、キャップ50およびスリーブ60がろう付けさ
れ、完成した内スリーブ80が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子管用含浸型陰
極の製造方法に関するものであり、詳しくは量産性に優
れ、かつ効率的に被覆膜、例えばIr膜の十分な膜厚を
得ることができ、しかも被覆膜の膜厚の増大による陰極
のエミッション特性の劣化も防止することのできる電子
管用含浸型陰極の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電子管用含浸型陰極は、陰極から
電子放射物質、例えばBaが蒸発し、これがGUNパー
ツに付着して第一グリッド(G1)孔径や板厚のディメ
ンジョンを変化させている。このため、カットオフ電圧
が変動してしまい、CRTにてライフ中にホワイトバラ
ンスが崩れ、またグリッドエミッションを引き起こし画
像に乱れを生じさせるという問題点があった。
【0003】この問題点を解決するためには、陰極から
蒸発するBa量を抑制することが有効であり、例えば従
来では陰極の表面に被覆膜、例えばIr(イリジウム)
膜を被覆する手法が採用されている。図2は、このよう
なIr膜を設けた従来の陰極の概略図である。多孔質高
融点金属基体、例えば多孔質タングステンディスク10
には、電子放射物質11(例えばBa)が含浸されてい
る。多孔質タングステンディスク10の上部表面には、
Ir膜12が設けられている。Ir膜12の存在によ
り、陰極から蒸発するBa量が抑制され、第一グリッド
20の孔径や板厚のディメンジョンの変化も抑制され
る。このようなIr膜12を厚くすればするほど、陰極
から蒸発するBa量も減少することが知られている。し
かし、Ir膜厚12が厚くなり過ぎる(300nm以
上)と、陰極のエミッション特性が劣化し、CRTへの
使用が不可能となる。
【0004】従来の電子管用含浸型陰極の製造方法の一
例を、フローチャートとして図3に示す。多孔質高融点
金属基体、例えば多孔質タングステンディスク10は、
電子放射物質11(例えばBa)が、例えば1650℃
で含浸され、洗浄工程30で洗浄される。得られた陰極
はその後、真空加熱処理工程40で、例えば1650℃
で5分間真空加熱処理が施され、陰極が活性化される。
続いて、キャップ50およびスリーブ60がろう付けさ
れ、組立済内スリーブ70となり、次に電子放射物質1
1の表面は例えばIr膜の成膜処理(Ir膜付)が施さ
れ、内スリーブ80が完成する。このように従来の電子
管用含浸型陰極の製造は、電子放射物質を含浸させた多
孔質高融点金属基体を真空加熱処理に施し、組立済内ス
リーブとした後Ir膜を成膜していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、Ir膜の
成膜を行う際には組立済内スリーブともどもIr膜の成
膜処理に施す必要があり、十分な量産性が得られないと
いう欠点があった。さらに前記のように、陰極のエミッ
ション特性の劣化は、Ir膜厚が300nm以上で見ら
れるが、最大限の300nmまでIr膜厚を厚くして
も、今だ十分に陰極から蒸発するBa量を抑制すること
ができなかった。本発明は上記のような従来の課題を解
決し、量産性に優れ、かつ効率的に被覆膜、例えばIr
膜の十分な膜厚を得ることができ、しかも被覆膜の膜厚
の増大による陰極のエミッション特性の劣化も防止する
ことのできる電子管用含浸型陰極の製造方法の提供を目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、上記のような従来の課題を解決することを
得た。すなわち本発明は、電子放射物質を含浸させた多
孔質高融点金属基体を有する電子管用含浸型陰極の製造
方法において、前記電子管用含浸型陰極の表面に被覆膜
を成膜した後、電子管に組み込む前に前記多孔質高融点
金属基体を真空中または非酸化性雰囲気中で加熱するよ
うにしたことを特徴とする。
【0007】本発明では、電子放射物質を含浸させた多
孔質高融点金属基体の表面に被覆膜を成膜し、その後真
空加熱処理を行うので、多孔質高融点金属基体を単体で
加熱することができ、電子管用陰極の量産性に優れる。
また、被覆膜成膜後に真空加熱処理し陰極の活性を行う
ことにより、従来技術と同じ被覆膜厚なら活性時間が短
くなり、逆に同じ活性時間なら被覆膜厚を増加でき、製
造効率に優れる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の電子管用含浸型陰極の製
造方法の一実施態様を、フローチャートとして図1に示
す。多孔質高融点金属基体、例えば多孔質タングステン
ディスク10は、電子放射物質11(例えばBa)が、
例えば1650℃で含浸され、洗浄工程30で洗浄され
る。次に、多孔質タングステンディスク10の表面にI
r膜が形成される。この工程の順が本発明の特徴であ
り、図1において、Ir膜の成膜工程をIr膜付1とし
て示した。得られた陰極はその後、真空加熱処理工程4
0で、例えば1650℃のもとで5分間真空加熱処理が
施され、陰極が活性化される。続いて、キャップ50お
よびスリーブ60がろう付けされ、完成した内スリーブ
80が得られ、陰極が電子管に組み込まれる。
【0009】前記の真空加熱処理工程40は、一実施態
様として1650℃、5分を例示したが、この条件以外
にも、加熱温度として1400〜1800℃の範囲が採
用でき、また加熱時間も0.1分〜60分の範囲で適宜
選択することができる。なお、電子放射物質の蒸発量を
一層抑制するためには加熱温度を1650℃以下、かつ
加熱時間を5分以下にするのがよい。また真空加熱処理
40は、真空中または非酸化性雰囲気中、例えば窒素等
の不活性雰囲気中で行うのがよい。また、前述では被覆
膜の材質としてIrを例示したが、この他にもOsやR
u等の白金族の金属を好適に使用することができる。
【0010】本発明においては、電子放射物質を含浸さ
せた多孔質高融点金属基体の表面に被覆膜を成膜し、そ
の後真空加熱処理を行っているために、多孔質高融点金
属基体を単体で加熱することができ、組立済内スリーブ
ともどもIr膜の成膜処理に施す必要がないので、電子
管用陰極の量産性に優れるという利点がある。また、被
覆膜成膜後に真空加熱処理し陰極の活性を行うことによ
り、従来技術と同じ被覆膜厚、例えばIr膜厚なら活性
時間が短くなり、逆に同じ活性時間ならIr膜厚を増加
することができる。この点においても優れた製造効率が
認められる。さらに本発明において好ましい真空加熱処
理条件である、1650℃以下、かつ5分以下の加熱を
行っても十分に活性することが確認できた。
【0011】また、理由は明らかにされなかったが、被
覆膜成膜後に真空加熱処理し陰極の活性を行うことによ
り、被覆膜厚を厚くした場合、例えば、Ir膜厚を30
0nm以上に設定した場合でも陰極のエミッション特性
の劣化を防止することができた。本発明によれば、被覆
膜の厚さは10nm〜1000nmの範囲で適宜選択す
ることができ、被覆膜厚を厚くしても陰極のエミッショ
ン特性の劣化を防止することができる。
【0012】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明は、
電子放射物質を含浸させた多孔質高融点金属基体を有す
る電子管用含浸型陰極の製造方法において、前記電子管
用含浸型陰極の表面に被覆膜を成膜した後、電子管に組
み込む前に前記多孔質高融点金属基体を真空中または非
酸化性雰囲気中で加熱するようにした。そのため、量産
性に優れ、かつ効率的に被覆膜、例えばIr膜の十分な
膜厚を得ることができ、しかも被覆膜の膜厚の増大によ
る陰極のエミッション特性の劣化も防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子管用含浸型陰極の製造方法の一実
施態様を説明するためのフローチャートである。
【図2】Ir膜を設けた従来の陰極の概略図である。
【図3】従来の電子管用含浸型陰極の製造方法の一例を
説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1,100……Ir膜付、10……多孔質タングステン
ディスク、11……電子放射物質、12……Ir膜、2
0……第一グリッド、30……洗浄工程、40……真空
加熱処理、50……キャップ、60……スリーブ、70
……組立済内スリーブ、80……内スリーブ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子放射物質を含浸させた多孔質高融点
    金属基体を有する電子管用含浸型陰極の製造方法におい
    て、 前記電子管用含浸型陰極の表面に被覆膜を成膜した後、
    電子管に組み込む前に、前記多孔質高融点金属基体を真
    空中または非酸化性雰囲気中で加熱するようにした、 ことを特徴とする電子管用含浸型陰極の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記多孔質高融点金属基体を真空中また
    は非酸化性雰囲気中で加熱する際の加熱温度が、140
    0〜1800℃の範囲であり、かつ、加熱時間が0.1
    分〜60分の範囲であることを特徴とする請求項1記載
    の電子管用含浸型陰極の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記加熱する工程では多孔質高融点金属
    基体を単体で加熱することを特徴とする請求項1記載の
    電子管用含浸型陰極の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記被覆膜がIr、OsまたはRuの白
    金族の金属であることを特徴とする請求項1記載の電子
    管用含浸型陰極の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記被覆膜の厚さが10nm〜1000
    nmの範囲であることを特徴とする請求項1記載の電子
    管用含浸型陰極の製造方法。
JP31200997A 1997-11-13 1997-11-13 電子管用含浸型陰極の製造方法 Pending JPH11144614A (ja)

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