JPH11142630A - プリズム式反射板 - Google Patents

プリズム式反射板

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JPH11142630A
JPH11142630A JP9322360A JP32236097A JPH11142630A JP H11142630 A JPH11142630 A JP H11142630A JP 9322360 A JP9322360 A JP 9322360A JP 32236097 A JP32236097 A JP 32236097A JP H11142630 A JPH11142630 A JP H11142630A
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reflection
light
prismatic
layer
value width
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JP9322360A
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English (en)
Inventor
Kazutaka Hara
和孝 原
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 視角変化による明暗差が小さく、反射光量が
多くて光の利用効率に優れ、視野角や輝度等の視認特性
に優れる反射型LCDを形成できる量産容易なプリズム
式反射板の開発。 【解決手段】 プリズム状凹凸の繰返し構造を有する基
材(1)の前記プリズム状凹凸面上に光散乱層(2)を
有し、その上に前記のプリズム状凹凸の斜面形状と光散
乱層の表面構造が反映した反射層(3)を有してなり、
反射光の拡散半値幅λが式:λ=2θ(ただし、θはプ
リズム状凹凸の平均傾斜角である。)を満足するプリズ
ム式反射板。 【効果】 反射層の各斜面に対応した方向に輝度に優れ
る複数のガウス状反射ピークが形成され、その各ガウス
状反射ピークが前記拡散半値幅(λ=2θ)を満足する
裾野の広がりで隣接のピークと半値幅以下の部分で交わ
り、光量が合成されて台形状の合成反射特性を形成す
る。かかる台形状の光量分布は、視角変化による明暗差
を抑制する点で特に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、反射型液晶表示装置の視
野角や輝度の向上等に有用なプリズム式反射板に関す
る。
【0002】
【発明の背景】従来、反射型LCD(液晶表示装置)用
の反射板としては、表面をマット処理等により粗面化し
たフィルム面に金属蒸着層を付設したものが知られてい
た。しかしながら、反射光が図3の曲線Bの如く正反射
方向に著しいピークを示し、反射型LCDとした場合に
視角の変化で輝度が急激に低下して明暗差が大きく、良
視認の視角範囲が狭い問題点があった。
【0003】前記に鑑み粗面化の程度を制御して反射光
の拡散角を拡大させ、反射ピークを緩和して図3の曲線
CやDの如きブロードな反射特性を示す反射板とした場
合、視角変化による明暗差は低下するものの拡散角の拡
大で反射型LCDとしたときに臨界角現象が発生し、例
えば40度以上等の出射角の大きい反射光が全反射され
て有効利用できる光量が低下し輝度が大きく低下する問
題点のあることが判明した。ちなみに前記曲線Dの如き
反射特性を示す反射板の場合、輝度のピークが1/2以
下、通例1/3以下に低下する。
【0004】一方、図12の如く蝿の目状のレンズアレ
イ14を形成することで輝度と視野角を両立させうるこ
とが知られているが、その形成には浅くて緩やかなカー
ブを有する微細なレンズを均一に最密充填条件でアレイ
する必要があり、それを量産性よく製造することが困難
な問題点があった。
【発明の技術的課題】
【0005】従って本発明は、視角変化による明暗差が
小さく、反射光量が多くて光の利用効率に優れ、視野角
や輝度等の視認特性に優れる反射型LCDを形成できる
量産容易なプリズム式反射板を得ることを目的とする。
【0006】
【課題の解決手段】本発明は、プリズム状凹凸の繰返し
構造を有する基材の前記プリズム状凹凸面上に光散乱層
を有し、その上に前記のプリズム状凹凸の斜面形状と光
散乱層の表面構造が反映した反射層を有してなり、反射
光の拡散半値幅λが式:λ=2θ(ただし、θはプリズ
ム状凹凸の平均傾斜角である。)を満足することを特徴
とするプリズム式反射板を提供するものである。
【0007】
【発明の効果】本発明によれば、プリズム状凹凸の傾斜
角が異なる斜面形状と光散乱層の表面構造が反映した反
射層に基づいて例えば図2の如く、各斜面に対応した方
向に輝度に優れる複数のガウス状反射ピークa1,a2
3が形成され、その各ガウス状反射ピークが前記拡散
半値幅(λ=2θ)を満足する裾野の広がりで隣接のピ
ークと半値幅以下の部分で交わり、光量が合成されて曲
線Aの如き台形状の合成反射特性を形成する。かかる台
形状の光量分布は、視角変化による明暗差を抑制する点
で特に優れている。
【0008】また前記合成反射光の合成反射ピーク半値
幅Λが式:Λ≦2×arcSin(1/n)(ただし、nはL
CDの表面基材の屈折率である。)を満足する場合に
は、反射板を介した反射光がLCDに入射する際の臨界
角による全反射を抑制でき、有効利用できる反射光量が
多くて輝度に優れるものとすることができる。ちなみに
nを1.5としたとき、臨界角は約40度で、合成反射
ピーク半値幅Λが80度以上となると有効利用できる反
射光量は著しく低下する。
【0009】さらに前記合成反射光の合成反射ピーク半
値幅Λが式:arcSin{nSin(Λ/2)}≧2arcTan
(S/2L)(ただし、nはLCDの表面基材の屈折
率、SはLCD画面の対角長、LはLCD画面の平均視
認距離である。)を満足する場合には、光源像(反射板
の表面形状のゴースト像)がLCD表面に映り込むこと
を防止でき、画面内部を明るさの均一性に優れるものと
することができる。
【0010】前記の結果、視角変化による明暗差が小さ
くて反射光量に優れ、ゴースト像による視認阻害が実質
的になくて良視認の視野角の広さや輝度等に優れ、視認
特性に優れる反射式LCDを形成しうる量産容易なプリ
ズム式反射板を得ることができる。
【0011】
【発明の実施形態】本発明のプリズム式反射板は、プリ
ズム状凹凸の繰返し構造を有する基材の前記プリズム状
凹凸面上に光散乱層を有し、その上に前記のプリズム状
凹凸の斜面形状と光散乱層の表面構造が反映した反射層
を有してなり、反射光の拡散半値幅λが式:λ=2θ
(ただし、θはプリズム状凹凸の平均傾斜角である。)
を満足するものからなる。その例を図1に示した。1が
基材、2が光散乱層、3が反射層である。
【0012】基材は、ガラスやポリマー等の適宜な物質
で形成でき、その形成材については特に限定はない。一
般には例えばポリオレフィンや各種の合成ゴム、ポリカ
ーボネートやポリスチレン、ポリイミドやポリアミド、
セルロース系ポリマーやポリビニルアルコール、ポリア
クリル酸エステルやポリメタクリル酸エステル、ポリウ
レタンやポリウレタンアクリレート、ポリ塩化ビニルや
ポリエステル、エポキシ樹脂やエポキシアクリレートな
どのポリマーが用いられる。
【0013】基材におけるプリズム状凹凸は、多数の凹
凸の繰返し構造として設けられるが、そのプリズム状凹
凸の形態については特に限定はなく、例えば三角形や台
形や円形等の断面形態、あるいは三角柱や三角錐からな
る形態、階段状ないしステップ部を有する多段形態など
の適宜な形態とすることができる。反射特性などの点よ
り好ましい形態は、図1や図5や図7に例示の如き断面
台形の柱状物や台形状の台などである。従ってプリズム
状凹凸は、連続面として形成されていてもよいし、不連
続面として形成されていてもよい。
【0014】さらにプリズム状凹凸の繰返し構造は、同
じ形態の凹凸で形成されていてもよいし、異なる形態の
凹凸で形成されていてもよい。また繰返し構造は、プリ
ズム状凹凸が規則的に配列したものであってもよいし、
不規則に配列したものであってもよい。出射方向を面全
体で統一する点よりは、ほぼ同じ形態のプリズム状凹凸
を規則的に配列した繰返し構造が好ましい。
【0015】前記の規則的な配列状態としては、例えば
縦列や横列、斜列や同心円列、縦横列や縦斜列、横斜列
や縦横斜列等の縦列と横列と斜列又は/及び同心円列と
の組合せからなる配列などがあげられる。従ってストラ
イプ状の配列、三角状や格子状等の多角状の配列なども
含まれる。よってプリズム状凹凸は、一方向に一次元的
に配列したものであってもよいし、縦横等の多方向に凹
部が形成されていて不連続な凸部が所定の配列状態で二
次元的に配列したものであってもよい。LCD等におけ
る上下や左右方向の視野角特性の改善には、三角状や台
形状の凹凸のストライプ状又は格子状等の一定ピッチに
よる規則的な配列が有利である。
【0016】プリズム式反射板における反射光の拡散半
値幅λ(図2)=2θ(ただし、θは図1に示した如く
プリズム状凹凸の平均傾斜角である。)の達成は、上記
したプリズム状凹凸の傾斜角等の形態やその繰返し構造
等の制御で行うことができる。すなわち反射光の出射角
度は、プリズム状凹凸の傾斜角等の形態やその繰返し形
態にて調節することができる。ちなみに図1や図5の如
き断面台形のプリズム状凹凸をストライプ状に設けるこ
とにより図2に例示の如き異なる出射角の3ヵ所に反射
光のピークを示す反射板を得ることができる。またその
断面台形を形成する凹凸の傾斜角θを調節することによ
り、ピークを示す反射光の間の距離を調節することがで
きる。
【0017】プリズム状凹凸の繰返し構造を有する基材
の製造は、例えば所定の形状(プリズム状凹凸の繰返し
構造)が転写形成される型の上に熱や放射線等で重合処
理できる液状の基材形成材を流延して重合処理する方
法、所定の形状が形成される金型等に熱可塑性樹脂を押
付けてその金型等の面形状を転写する方法又はその所定
の金型等に熱可塑性樹脂を充填して成形する方法、溶剤
溶液や溶融液等としたポリマーを所定形状の成形開口を
有するノズルから台上に押出して固化させる方法、基材
上に別途形成のプリズム状凹凸の繰返し構造を付設する
方法、ポリマー層にマスクを介し紫外線等を照射するマ
スク露光方法などの適宜な方法で形成することができ
る。またプリズム状凹凸の繰返し構造は、基材に別途形
成のプリズム状凹凸を付設する方法にても形成しうる。
【0018】プリズム状凹凸を形成する斜面の傾斜角
は、目的とする反射光の出射方向や光の利用効率、斜め
入射光のカット角などに応じて適宜に決定される。一般
には、基材における水平面を基準に70度以下、就中1
〜50度、特に5〜30度の傾斜面を有する構造とされ
る。図1の如くプリズム状凹凸が断面台形の場合、傾斜
角θを大きくするほどピークを示す反射光の間隔を拡げ
ることができ、反対に傾斜角θを小さくするほどピーク
を示す反射光の間隔を狭くすることができる。
【0019】またプリズム状凹凸の幅(ピッチ)は、使
用目的などに応じて適宜に決定でき、一般には5mm以
下、就中1μm〜1mm以下、特に5〜500μmとされ
る。LCDに用いる場合には、液晶セルの画素ピッチよ
りも小さいピッチ、就中1/2以下、特に1/3以下の
ピッチでプリズム状凹凸の繰返し構造を形成したもの
が、モアレの防止や視野角の拡大などの点より特に好ま
しい。
【0020】プリズム状凹凸を設けた基材の厚さは、使
用目的等に応じて適宜に決定できるが、一般には薄いほ
ど好ましく、通例3mm以下、就中10μm〜1mm、特に
30〜500μmとされる。またプリズム状凹凸の高さ
ないし深さも使用目的等に応じて適宜に決定でき、一般
には3mm以下、就中0.1μm〜1mm、特に1〜500
μmとされる。
【0021】光散乱層は、微粒子含有の樹脂層の如く基
材のプリズム状凹凸の表面に微細凹凸構造を付与しうる
適宜な方式で形成することができる。これによりその上
に形成する反射層に微細凹凸を反映させて拡散反射面と
することができる。好ましい光散乱層は、微粒子含有、
特にシリカ微粒子含有の樹脂層からなるものである。
【0022】前記の樹脂層は、例えば樹脂溶液にシリカ
等の無機系粒子や架橋又は未架橋のポリマー粒子等の有
機系微粒子などの適宜な粒子の1種又は2種以上を配合
して基材のプリズム状凹凸面上に塗布する方式などによ
り形成することができる。樹脂としては、上記の基材で
例示したポリマーなどの適宜なものを用いうる。なお微
粒子としては、シリカ微粒子、就中アンチグレア層の形
成等に用いる不定形のものが好ましく、また平均粒径が
50μm以下、就中20μm以下、特に1〜10μmのも
のが好ましい。
【0023】前記シリカ微粒子含有の樹脂層は、基材の
プリズム状凹凸表面の微細な傷をカバーし、気泡等の大
きな欠陥に対してもその内部に侵入して散乱層を形成し
輝点や暗点等の発生を防止できる利点がある。また樹脂
層の形成に際してプリズム状凹凸構造を損傷させにく
く、均質な拡散性を付与することができる。
【0024】従ってシリカ微粒子含有の樹脂層による方
式によれば、サンドブラスト処理やケミカルマット処理
等の粗面化方式、予め粗面化処理を施した転写金型によ
る精密転写方式などのプリズム状凹凸面を直接粗面化す
る方式で発生しやすい不均一な粗面による拡散性の不均
一化やプリズム状凹凸の脱落問題、特にプリズム状凹凸
を転写方式や印刷方式で基材上に別途形成したものの脱
落問題、転写金型よりの成形物の剥離が困難な問題、輝
点や暗点等の多発生などの問題を回避でき、高品質の反
射板を歩留まりよく、また製造効率よく得ることができ
る。またシリカ微粒子は、他の微粒子系よりも生産性や
信頼性や性能の安定性に優れる利点なども有している。
【0025】なおプリズム状凹凸面上へのシリカ微粒子
含有の樹脂層の付設に際しては、プリズム状凹凸の繰返
し構造の形状が可及的に残るように、特にプリズム状凹
凸の凹部が樹脂層で埋まらないように、プリズム状凹凸
面上に可及的に均一厚の層として形成することが好まし
い。
【0026】光散乱層上への反射層の付設は、メッキ方
式や反射塗料の付設方式などの適宜な方式にて行いうる
が、プリズム状凹凸の斜面形状や光散乱層の表面微細凹
凸構造の反映性、反射率などの点よりは、金属蒸着によ
る方式が好ましい。その蒸着処理は、真空蒸着方式やス
パッタリング方式などの適宜な方式で行ってよく、蒸着
用の金属には例えばアルミニウムや銀などの適宜なもの
を用いうる。
【0027】金属蒸着層からなる反射層は、単層又は2
層以上の金属蒸着層にて形成でき、金属蒸着層の多層積
層構造として直線偏光等の偏光特性を示す反射光を提供
するものとすることもできる。反射層を形成する金属蒸
着層の厚さは、光反射性などの点より80nm以上、就中
100nm以上、特に200nm以上であることが好まし
い。
【0028】反射型LCDは、液晶セルの視認背面側に
プリズム式反射板を配置することにより得られるが、そ
の場合に輝度の向上の点よりは、図2の曲線Aとして例
示した合成反射光の合成反射ピーク半値幅Λが式:Λ≦
2×arcSin(1/n)(ただし、nはLCDの表面基材
の屈折率である。)を満足することが好ましい。
【0029】また反射板表面のゴースト像のLCD表面
への映り込み防止などの点よりは、前記の合成反射ピー
ク半値幅Λが式:arcSin{nSin(Λ/2)}≧2arcTa
n(S/2L)を満足することが好ましい。なお式中、
nは前記と同じでLCDの表面基材の屈折率である。ま
た図4に例示の如くSは、LCD画面4の対角長、L
は、LCD画面4と視点5との間の平均視認距離であ
る。
【0030】ちなみに一般的なPDAの場合、画面対角
6インチ、平均視認距離50cm程度であるので、nをガ
ラス板による1.5として、合成反射ピークのLCD外
側での半値幅は34度以上、反射板単体での半値幅は2
4度以上であることが好ましい。また臨界角による全反
射損の発生防止の点より合成反射ピークの反射板単体で
の半値幅は80度以内であることが好ましい。
【0031】なお反射型LCDの形成に際しては、アン
チグレア層や反射防止膜、偏光板や位相差板などの適宜
な光学層を付加することができる。その場合、反射光が
上記した偏光特性を示す場合には、その偏光状態を解消
する光学層を反射板と液晶セルの間に配置することは好
ましくない。偏光状態維持性の光学層は、例えば位相差
が100nm以下、就中50nm以下の複屈折による位相差
が小さいものである。
【0032】
【実施例】実施例1 屈折率1.60のポリカーボネートシートの片面に図5
の如く傾斜角θが10度で、d1,d2,d3が10μmの
断面台形の凸部11をストライプ状に30μmピッチで
隣接形成してなるプリズムシートのプリズム形成面に、
粒径が2〜10μmの破砕シリカ微粒子を配合したシリ
コーン系ハードコート塗工液をワイヤバー(#9)にて
塗布し120℃で2分間乾燥後UV照射機を介し80W
/cm一灯×10m/分の条件で硬化処理して光散乱層を
形成し、その上にアルミニウムを真空蒸着して台形状の
プリズム構造と光散乱層の表面微細凹凸構造が反映した
反射層を付設してプリズム式反射板を得た。蒸着量は、
平面に対する場合に150nm厚となる量である。
【0033】前記の反射板は、図6に示した如く垂直入
射光に対しプリズムの稜線に直交する方向に台形状の反
射特性を示し、プリズムの稜線と平行な方向には銀反射
板に匹敵する半値幅を有する特性を示すものであった。
かかる反射板は、入射光の拡散方向に重み付けしたもの
であり、これにより視認に重要な方向の視角変化に対し
ては明暗差の変化が小さく、視認に重要でない方向の視
角変化に対しては実用上問題ない程度の拡散性を示す特
性を付与したものである。従って全方位に同等の拡散性
を示すタイプと比べてピーク強度が高く、輝度に優れる
反射光が得られるタイプの反射板である。
【0034】実施例2 屈折率1.60のポリカーボネートシートの片面に図7
の如く斜面の傾斜角が10度の台形状の台12を縦横に
40μmピッチで形成してなるプリズムシートを用いた
ほかは実施例1に準じてプリズム式反射板を得た。なお
ハードコート塗工液はワイヤバー(#6)にて塗布し
た。この反射板は、図8に示した如く垂直入射光に対し
ほぼ全方位に対して台形状の反射特性を示し、LCDに
適用する際に配置方向の制約が少なく、全方位で明るい
視認を得ることができる。
【0035】実施例3 破砕シリカ微粒子に代えて、粒径が2〜10μmの微細
ガラス粒子を用いたほかは実施例1に準じてプリズム式
反射板を得た。しかしシリカ微粒子に比べてガラス粒子
の密度が高く、樹脂溶液中でガラス粒子が分離しやすく
て安定生産上、シリカ微粒子が優れていた。
【0036】実施例4 破砕シリカ微粒子に代えて、粒径が10μmのポリメチ
ルメタクリレート粒子を用いたほかは実施例1に準じて
プリズム式反射板を得た。しかし粒子中に含浸した微量
の溶媒が真空槽内で揮発して蒸着処理を阻害し反射層に
欠陥の生じる場合があり、また無溶媒樹脂溶液では粘度
が高くて均一な薄膜形成が困難になり、シリカ微粒子に
比べて塗工後の乾燥処理時間に長時間を有するなど安定
生産上、シリカ微粒子が優れていた。
【0037】比較例1 図9の如き市販のレンチキュラーレンズ13(凹凸13
μm、ピッチ400μm)上にアルミニウムを真空蒸着し
て反射層を形成し反射板を得た。この反射板は、図10
に示した如く垂直入射光に対しプリズムの稜線に直交す
る方向に台形状の反射特性を示したが、プリズムの稜線
と平行な方向には拡散性を示さず実用不能のものであっ
た。またLCDに適用した際にレンズピッチよりモアレ
の発生が懸念され、臨界角との関係より半値幅がより狭
い特性が求められることより、それらを考慮したピッチ
とすると凹凸が1μm程度のレンズとなり、これは作製
が困難で実用的でないことがわかる。
【0038】比較例2 表面に微細凹凸構造を付与した3μmの凹凸を100μm
ピッチで形成できる精密金型を作製し、それを用いて成
形したプリズムシートの上にアルミニウムを真空蒸着し
て反射層を形成し反射板を得た。この反射板は、図11
に示した如く垂直入射光に対し正反射方向に強いピーク
のある反射特性を示した。これは、撓みや熱変形、バイ
トの摩耗等が原因して金型に加工不良が生じ、平坦部分
が残存して正反射方向に鏡面反射する部分を含むためで
ある。このように精密金型方式では、光散乱構造に欠陥
が発生しやすく、実用サイズの大面積体を形成するため
の精密金型を欠陥なく作製することは極めて困難であ
る。
【0039】比較例3 直径30μmのポリメチルメタクリレート粒子の単層粒
子膜を形成し、その上にオーバーコート形成液を付与し
て図12の如き蝿の目状のレンズ14を形成し、その上
にアルミニウムを真空蒸着して反射層を形成し反射板を
得た。この反射板は、図13に示した如く垂直入射光に
対し正反射方向に強いピークのある反射特性を示した。
これは、粒子間を埋めるオーバーコート層が曲面化せず
に平坦状態を維持しその部分が正反射方向に鏡面反射す
るためである。このように蝿の目状のレンズが最密充填
したアレイを形成することは困難で平坦部分の混入は避
けえず、実用品を形成することは極めて困難である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の説明図
【図2】実施例による拡散反射ピーク(a1,a2
3)とその半値幅(λ)、及び合成反射ピーク(曲線
A)とその半値幅(Λ)の説明グラフ
【図3】従来の反射板の反射特性を示したグラフ
【図4】合成反射ピーク半値幅Λの算出説明図
【図5】実施例1で用いたプリズムシートの説明斜視図
【図6】実施例1による反射板の反射特性を示したグラ
【図7】実施例2で用いたプリズムシートの説明斜視図
【図8】実施例2による反射板の反射特性を示したグラ
【図9】比較例1で用いたレンチキュラーレンズの説明
斜視図
【図10】比較例1による反射板の反射特性を示したグ
ラフ
【図11】比較例2による反射板の反射特性を示したグ
ラフ
【図12】比較例3で用いた蝿の目状レンズの説明斜視
【図13】比較例3による反射板の反射特性を示したグ
ラフ
【符号の説明】
1:基材 2:光散乱層 3:反射層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリズム状凹凸の繰返し構造を有する基
    材の前記プリズム状凹凸面上に光散乱層を有し、その上
    に前記のプリズム状凹凸の斜面形状と光散乱層の表面構
    造が反映した反射層を有してなり、反射光の拡散半値幅
    λが式:λ=2θ(ただし、θはプリズム状凹凸の平均
    傾斜角である。)を満足することを特徴とするプリズム
    式反射板。
  2. 【請求項2】 請求項1において、基材のプリズム状凹
    凸が台形状の形態を有し、光散乱層がシリカ微粒子含有
    の樹脂層からなり、反射層が金属蒸着層からなるプリズ
    ム式反射板。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、合成反射ピー
    ク半値幅Λが式:Λ≦2×arcSin(1/n)(ただし、
    nはLCDの表面基材の屈折率である。)を満足するプ
    リズム式反射板。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3において、合成反射ピーク
    半値幅Λが式:arcSin{nSin(Λ/2)}≧2arcTan
    (S/2L)(ただし、nはLCDの表面基材の屈折
    率、SはLCD画面の対角長、LはLCD画面の平均視
    認距離である。)を満足するプリズム式反射板。
JP9322360A 1997-11-07 1997-11-07 プリズム式反射板 Pending JPH11142630A (ja)

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