JPH11135444A - 堆積膜形成方法および装置 - Google Patents

堆積膜形成方法および装置

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JPH11135444A
JPH11135444A JP21858598A JP21858598A JPH11135444A JP H11135444 A JPH11135444 A JP H11135444A JP 21858598 A JP21858598 A JP 21858598A JP 21858598 A JP21858598 A JP 21858598A JP H11135444 A JPH11135444 A JP H11135444A
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JP
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gas
electrode
deposited film
frequency power
insulator
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Tatsuji Okamura
竜次 岡村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 堆積膜の異常成長を抑制し、球状突起の発生
を低減せしめることで画像品質に優れた電子写真用光受
容部材の製造を可能にする堆積膜形成方法および装置を
提供する。 【構成】 真空気密可能な反応容器内に成膜用の基体を
配置し、前記反応容器内に、原料ガスを導入しかつ高周
波電力導入手段を介して高周波電力を導入して、グロー
放電を前記反応容器内に生起させて前記基体上に堆積膜
を形成する方法において、前記高周波電力導入手段は、
少なくとも前記高周波電力を導入するための電極(10
1)と、該電極の表面を前記グロー放電領域より分離す
るために該電極を覆う絶縁体(102)とを有し、該電
極には、前記絶縁体の内面にガスを吹きつけるための複
数のガス放出孔(101′)が形成されており、該放出
孔からガスを吹き出しながら前記堆積膜の形成を行うこ
とを特徴とする堆積膜形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は堆積膜、とりわけ機能性
堆積膜、特に半導体デバイス、電子写真用光受容部材、
画像入力用ラインセンサー、撮像デバイス、光起電力デ
バイスなどに好適に用いる、半導体膜を形成するための
堆積膜形成方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】像形成分野において、光受容部材におけ
る光受容層を形成する光導電材料としては、高感度で、
SN比[光電流(Ip)/暗電流(Id)]が高く、照
射する電磁波のスペクトル特性に適合した吸収スペクト
ルを有すること、光応答性が早く、所望の暗抵抗値を有
すること、使用時において人体に対して無害であるこ
と、などの特性が要求される。特に、事務機としてオフ
ィスで使用される電子写真装置内に組み込まれる電子写
真用光受容部材の場合には、上述した使用時における無
公害性は重要な点である。
【0003】こうした要求を満足し得る材料として非単
結晶のシリコン、中でも、アモルファスシリコン(a−
Si)を用いた電子写真用光受容部材(以下、これをa
−Si電子写真用光受容部材と呼ぶ場合がある)が挙げ
られる。例えば特開昭54−86341号公報には、a
−Siを光導電層に用いた、耐湿性、耐久性、電気特性
に優れた電子写真用光受容部材に関する技術が記載され
ている。また、特開昭62−168161号公報には、
表面層として、シリコン原子と炭素原子と41〜70a
tomic%の水素原子を構成要素として含む非晶質材
料を用いる技術が記載されている。こうした技術により
電気的、光学的、光導電的特性および、使用環境特性、
耐久性が向上し、さらに、画像品位の向上の可能な、a
−Siで構成された電子写真用光受容部材が実用化され
るところとなった。
【0004】ところで、電子写真用光受容部材の製造に
は高度な技術が必要とされる。特に、a−Si電子写真
用光受容部材の場合、他のデバイスに比較して、大面積
でかつ、厚い膜厚が必要とされるため、どのように均一
性を確保するか、また、a−Si膜堆積中に異物を核と
して発生する、膜の異常成長をどのように防止するかが
重要な事項である。
【0005】こうしたことから、いかに工業的に安定し
て高品質なa−Si電子写真用光受容部材を製造するか
の点についてもさまざまな提案がなされてきた。とく
に、電子写真用光受容部材については、コピー画像上に
細かい白い点が発生するいわゆる「白ポチ」とよばれる
画像欠陥の原因となる球状突起の発生が問題とされる。
こうした球状突起の発生原因のほとんどは堆積膜形成中
に、堆積膜形成装置内部で発生した膜剥れによる破片が
基体の表面に付着して、膜の異常成長を起こすことと考
えられる。
【0006】例えば、特開平4−183871号公報に
は、堆積膜形成装置において、マイクロ波導入手段を異
なる2つの領域から構成する技術が開示されている。該
公報によれば、マイクロ波導入手段のプラズマに接する
面を使用するマイクロ波の周波数における誘電率(ε)
と誘電性接(tanδ)の積が2×10-2以下とするこ
とで、放電の安定化と堆積膜の膜剥れの防止ができると
し、その結果、堆積膜の均一性の向上と画像欠陥の発生
の抑制ができるとしている。また、その最適な方法とし
てマイクロ波導入手段をアルミナセラミックスをプラズ
マ溶射法でコーティングする技術を挙げている。こうし
た技術によって、球状突起の少ない良質な堆積膜の形成
が可能になった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
電子写真装置は従来にもまして、高画質化、高速化、高
耐久化が求められている。さらに、サービスコストの低
減のため、各部品の信頼性向上によりメンテナンス回数
の低減が必要とされる。このような状況のもとで、電子
写真用光受容部材はさまざまな環境下でサービスマンの
メンテナンスを受けないまま、以前にもまして長時間繰
り返し使用を続けられるようになった。このような状況
下では、従来の電子写真用光受容部材については改善さ
れるべき余地が残されている。
【0008】例えば、従来の高周波導入手段を有する成
膜装置を使用して製造される電子写真用光受容部材につ
いては、画像形成条件によっては微小な「白ポチ」が発
生する場合があった。
【0009】また、工業的には、生産性を考慮した場
合、堆積膜形成の高速化が重要な技術課題となってい
る。堆積膜形成の高速化には、原料ガスと導入電力を大
きくすることが一般的であるが、従来の高周波導入手段
を有する成膜装置では、電極と同時に電極を覆う絶縁体
が、導入電力の増加と共に高温となり、絶縁体に堆積す
る膜の剥れ、熱勾配による絶縁体の破損など、装置上の
問題が発生してしまい、所期の目的を充分に達成できな
い場合がある。
【0010】
【発明の目的】本発明の目的は、堆積膜の異常成長を抑
制し、球状突起の発生を低減せしめることで画像品質に
優れた電子写真用光受容部材の製造を可能にする堆積膜
形成方法および装置を提供することにある。
【0011】また本発明の別の目的は、高速で堆積膜形
成を行っても所望の電子写真用光受容部材を効率的に製
造できる堆積膜形成方法および装置を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来技術にお
ける上述した問題を解決し、上記目的を達成するもので
ある。
【0013】本発明は、下述する構成の堆積膜形成方法
および装置を提供する。
【0014】本発明の堆積膜形成方法は、下記の2つの
態様を包含する。
【0015】本発明の堆積膜形成方法の1つの態様は、
真空気密可能な反応容器内に成膜用の基体を配置し、前
記反応容器内に、原料ガスを導入しかつ高周波電力導入
手段を介して高周波電力を導入して、グロー放電を前記
反応容器内に生起させて前記基体上に堆積膜を形成する
方法において、前記高周波電力導入手段は、少なくとも
前記高周波電力を導入するための電極と、該電極の表面
を前記グロー放電領域より分離するために該電極を覆う
絶縁体とを有し、該電極には、前記絶縁体の内面にガス
を吹きつけるための複数のガス放出孔が形成されてお
り、該放出孔からガスを吹き出しながら前記堆積膜の形
成を行うことを特徴とする堆積膜形成方法である。
【0016】本発明の堆積膜形成方法の他の態様は、真
空気密な反応容器内に成膜用の基体を配すること、該反
応容器内に原料ガスを導入すること、該反応容器内に配
された高周波導入手段に高周波を印加して該導入された
原料ガスのグロー放電を生起させて、該基体上に堆積膜
を形成すること、該高周波導入手段は、周囲にガス放出
のためのガス放出孔を有する管状のガス導入管として働
く電極と該ガス導入管に間隙をあけて配され、該グロー
放電と該電極との間を離間するための絶縁体とを有し、
該堆積膜の形成は該ガス放出孔から該絶縁体に向けて該
絶縁体を冷却するためのガスを放出しながら行われる堆
積膜形成方法である。
【0017】本発明の堆積膜形成装置は下記の2つの態
様を包含する。
【0018】本発明の堆積膜形成装置の1つの態様は、
真空気密可能な反応容器と、該反応容器内に成膜用基体
を配置する基体保持手段と、前記反応容器内に原料ガス
を導入するための原料ガス導入手段と、前記反応容器内
に高周波電力を導入するための高周波電力導入手段とを
有する堆積膜形成装置において、前記高周波電力導入手
段は、少なくとも前記高周波電力を導入するための電極
と、該電極の表面を前記グロー放電領域より分離するた
めに該電極を覆う絶縁体とを有し、該電極には、前記絶
縁体の内面にガスを吹きつけるための複数のガス放出孔
が形成されたことを特徴とする堆積膜形成装置である。
【0019】本発明の堆積膜形成装置の他の態様は、真
空気密可能な反応容器と、該反応容器内に成膜用基体を
配置するための基体保持手段と、該反応容器内に原料ガ
スを導入するための原料ガス導入手段と、該反応容器内
に高周波電力を導入するための高周波電力導入手段とを
有し、該高周波電力導入手段は中空部を有し、該中空部
に連通して配されたガス放出孔を有する電極と、該電極
の周囲に設けられ、該電極を該反応容器内から隔離する
とともに該ガス放出孔に対向して配された絶縁体とを有
することを特徴とする堆積膜形成装置である。
【0020】本発明は、本発明者が上述した問題を解決
すべく実験を介して検討を行い、その結果下述するよう
な知見を得、該知見に基づいて完成に至らしめたもので
ある。
【0021】すなわち、前述したように、電子写真用光
受容部材においてその収率を左右する要因の一つに球状
突起の発生が挙げられる。この球状突起発生の防止手段
については、前述のような成膜に使用する高周波電力導
入手段の高周波電極などにプラズマ溶射法などによって
アルミナセラミックスなどをコーティングすることが挙
げられる。当該セラミックスは金属に比べて表面エネル
ギーが大きいため堆積膜との付着力が大きくなるので、
膜剥れの防止手段としては有効である。こうした経緯か
ら、本発明者は前記電極の表面にセラミックス材料で形
成したカバーを設ける方法を検討した。しかしながらこ
のようなカバーを用いた場合、ある一定条件下において
は有効な効果が得られるが、前記したような堆積膜の高
速形成のために、導入電力を大きくしていく場合、カバ
ー表面からの微小な膜剥れが発生してしまい、球状など
突起発生の要因となってしまうことがあることがわかっ
た。さらには、導入電力が過剰な場合、カバー自体が堆
積膜形成中に破損してしまうことがあることがわかっ
た。
【0022】本発明者の知見によれば、このような問題
は、高周波電力の導入の増加に伴い、電極および電極カ
バーが高温となり、電極カバー表面が、ある一定温度以
上に達してしまうと、電極カバー表面上に堆積した膜に
著しい変化が起こり、微小な膜剥れが発生することによ
ると推測される。
【0023】こうした状況下で、高周波電力導入手段の
電極を中空構造にし、冷却機構を設ける検討を行った。
その結果、それなりの効果は得られたものの、充分なも
のではなかった。また、冷却効果を向上させるために、
電極と、電極カバーとを密着構造とすることが考えられ
るが、電極とカバーの隙間を皆無にすることは現実的に
は困難である。例えば電極に熱膨張が起こる場合には、
セラミックス材と電極の熱膨張率の違いからある程度の
隙間を設ける必要がある。また、機械的な嵌め合いにつ
いても、セラミックス材は金属に比べて靭性強度が低い
ためある程度の隙間を設けないと破損に繋がる場合が多
い。したがって電極とセラミックス材のカバーの間に
は、適当な隙間を設定するのが設計上の原則とされる。
【0024】さらに、本発明者は、本発明に至る実験の
過程において、導入電力の増加に伴い、電極に温度ムラ
が発生しやすくなることがわかった。この現象のメカニ
ズムについては、今のところ明らかではないが、電磁波
の伝送と深い関係があると推察される。特に、電極の先
端部分が他の部分に比べ温度上昇しやすく、均一に電極
を冷却しても、温度勾配が発生してしまうことがわかっ
た。
【0025】上述のような理由により、電極上にセラミ
ックス材料を有する高周波電力導入手段の機構では、
「白ポチ」の抑制と工業的に生産性に富んだ高速成膜と
を、高いレベルで両立することは困難であることがわか
った。
【0026】本発明は、上述した知見に基づき完成した
ものである。すなわち、本発明に用いる高周波電力導入
手段は、電極の表面をグロー放電領域より分離するため
の電極を覆う絶縁体(電極カバー)の内面に、内部の電
極からガスを吹きつけ、効果的に電極カバーを冷却する
構成を有する。したがって、電極カバーの表面温度を制
御可能とし、導入電力の増加による、上述の問題点を解
決できる。
【0027】さらには、内部電極から放出されるガスの
吹き出し方を変化させ、特に部分的に温度上昇が著しい
と思われる部分に多くガスを吹きつけるようにガス放出
孔を配置することにより、電極カバー表面上の温度勾配
を減少させ、より一層の効果が得られる。
【0028】本発明の高周波電力導入手段は、具体的に
は、内部電極としては、効率よく高周波を反応容器内に
伝送できるものならいずれでもよいが、強度、温度、プ
ラズマなど、使用環境に耐え得るものが好ましい。例え
ば、Al,Ti,Cr,Fe,Ni,Coなどの金属、
あるいはステンレスなどのこれらの金属の合金が挙げら
れる。また、高周波を効率よく反応容器内に伝送できな
ければならず、かつ、ガスを内部から放出する手段(即
ち、ガス放出孔)を有するため、中空な形状、所謂パイ
プ状の形状であることが望ましい。
【0029】当該ガス放出孔については、その形状、大
きさ、表面積に対する放出孔の割合(開口率)などにつ
いて配慮が必要である。実質的に本発明の効果を充分に
果たすには、当該ガス放出孔の形状に関しては、円状ま
たはスリット状であることができるが、放出孔の1個あ
たりの面積は、高周波の伝送効率を低下させない範囲で
あることが好ましい。また、放出孔の開口率も同様に、
高周波の伝送効率を低下させない範囲であることが好ま
しい。
【0030】電極より放出されるガス流量および電極の
ガス放出孔の形状、分布などは、堆積膜形成条件によっ
て適宜決められる。この他、本発明においては、堆積膜
形成中における電極カバーの表面温度が200℃〜50
0℃の範囲であるのが好ましい。
【0031】電極の大きさについては特に制限はない。
ただし、複数の導電性基体(例えば円筒形状を有する)
を同一円周上に配置し、電極を該円筒状導電性基体の配
置円内に設置する場合には、電極の大きさ(すなわち円
筒形状または円柱形状の高周波電力導入手段全体の直
径)は、これらの基体が配置される円の直径に対して、
4〜25%程度の直径となる大きさが好ましい。
【0032】本発明において、電極から放出するガスと
しては、成膜空間に入っても堆積膜に悪影響を与えず、
なおかつ、プラズマを乱さないという見地から、不活性
ガスが好ましい。具体的には、He,Ar,Ne,Xe
などのガスおよびこれらの混合ガスが挙げられる。さら
には、H2ガスも本発明には有効である。ただし、H2
スの場合は、原料ガスの反応に寄与するため、こうした
点を考慮に入れ成膜空間内に導入される場合には原料ガ
スの処方(濃度や流量など)を鑑みた上で導入量を調整
する必要がある。
【0033】本発明における、電極カバーの母材となる
絶縁体材料としてはアルミナセラミックス、窒化アルミ
ニウム、窒化ほう素、ジルコン、コージェライト、ジル
コンコージェライト、酸化ケイ素、酸化ベリリウム、マ
イカ系セラミックス、石英ガラス、パイレックスガラス
などが使用できる。電極カバーの形状は、加工性や電極
の形成の容易性などの点から円筒形状(または円柱形
状)が望ましい。
【0034】さらに、この電極カバーの少なくとも放電
空間に接する側の表面に、主として堆積膜の膜剥れを防
止する目的で凹凸を設けることができる。この場合、凹
凸の大きさとしては、2.5mmを基準長さとする十点
平均粗さ(Rz)で5μm以上200μm以下の範囲が
好ましい。表面に凹凸を設ける手段としては、特に制限
はないが、たとえば研磨材などの投射体を吹きつけるプ
ラスト加工などが好ましい。
【0035】また、電極カバーの大きさには特に制限は
ない。ただし、複数の導電性基体(特に円筒状導電性基
体)を同一円周上に配置し、電極を導電性基体の配置円
内に設置する場合には、円筒形状の絶縁体の大きさ(す
なわち円筒形状または円柱形状の高周波電力導入手段全
体の直径)は、これらの基体が配置される円周の直径に
対して、4〜25%程度の大きさが好ましい。また円筒
形状の電極カバーの厚さにも特に制限はないが、加工上
また機械的強度の点から、0.5〜20mm程度が好ま
しい。
【0036】内部の電極と電極カバーの距離(隙間)
は、小さすぎると内部電極と、電極カバー(例:セラミ
ックス材)との熱膨張率の違いによって破損の要因とな
り、大きすぎても、充分な冷却効果および高周波の伝送
にも影響してしまう。電極および電極カバーの材質によ
り、設計も異なるが、該距離は0.5乃至5mmの範囲
が望ましい。
【0037】本発明においては、高周波電力導入手段に
高周波電力を印加することによって、原料ガスを分解す
る。本発明に使用できる高周波電力の周波数は特に制限
はないが、本発明者の実験によれば、周波数が50MH
z未満の場合は、条件によっては放電が不安定となる場
合があり、、堆積膜の形成条件に制限が生じる場合があ
った。また450MHzより大きいと、高周波電力の伝
送特性が悪化する傾向にあり、場合によってグロー放電
を発生させること自体が困難になることもあった。した
がって50MHz〜450MHzの周波数範囲が最適で
ある。使用する高周波の波形については、いずれのもの
でも差し支えないが、サイン波、矩形波などが好まし
い。
【0038】以下図面を用いて本発明の堆積膜形成装置
をより詳細に説明する。
【0039】図1に本発明の高周波電力導入手段の一例
の母線方向(伸線方向)の断面の模式図を示す。図1に
おいて、101は高周波電力導入電極、102は絶縁体
で形成された電極カバーである。電極カバー102の外
側はグロー放電領域となり、内側にグロー放電領域より
分離された領域を形成している。高周波電力導入電極1
01は、図1に示すようにパイプ形状であって、複数の
ガス放出孔101′が配置され、ガス供給手段(不図
示)より、高周波電力導入電極101内にガスが導入さ
れ、放出孔101′より電極カバー102内面にガスが
放出される。該ガス供給手段と高周波電力導入電極10
1の接続部(不図示)は、高周波の伝送が反応容器内の
みに伝送されるように絶縁物で形成されている。高周波
電力は、高周波電源103より、マッチングボックス1
04で調整され、高周波伝送回路および高周波導入端子
(不図示)を介し高周波電力導入電極101に印加され
る。
【0040】次に、図面を用いて本発明の堆積膜形成方
法により光受容部材を作製する場合について説明する。
【0041】図2(A)は図1に示す複数のガス放出孔
(101´)を備えた構成の電極(高周波電力導入電
極)を有する本発明の堆積膜形成装置の一例の縦断面を
模式的に示した図である。図2(B)は図2(A)に示
すような堆積膜形成装置の横断面を模式的に示した図で
ある。
【0042】なお、当該堆積膜形成装置における高周波
電力導入手段は、図1に示す構成のものであり、図2
(A)及び図2(B)に示すように、複数のガス放出孔
( 101´、図1参照)を均一に分布した状態で備え
た電極201が電極カバー202で覆われた構成のもの
である。該電極201には、電極用のガス供給系からの
ガス供給管が連通していて、ガス(不活性ガスまたは水
素ガス)が該電極内に導入できるようになっている。
【0043】当該堆積膜形成装置を使用して光受容部材
を作製する場合の成膜は、例えば、以下のようにして行
われる。
【0044】まず、反応容器200内に、あらかじめ脱
脂洗浄した複数の円筒状基体205のそれぞれを基体加
熱用ヒーター208を内部に備えた円筒状の基体ホルダ
ー212上に設置し、不図示の排気装置(例えば真空ポ
ンプ)により反応容器200内を排気する。続いて、ヒ
ーター208によりそれぞれの円筒状基体205の温度
を所定の温度に制御する。
【0045】円筒状基体205が所望の温度になったと
ころで、原料ガス供給系より成膜用の原料ガスをガス導
入管206を介して円筒状基体205で囲まれた反応容
器200の成膜空間内に供給する。このときガスの突出
など、極端な圧力変動が起きないよう注意する。次に原
料ガスの流量が所定の流量になったところで、真空計
(不図示)をみながら排気バルブ(不図示)を調整し、
所望の内圧を得る。次に、もう一方のガス供給系(電極
201中へのガス供給系)より、ガス(不活性ガスまた
は水素ガス)が電極201内に導入され、該電極の複数
のガス放出孔を介して電極カバー202内面に該ガス
(不活性ガスまたは水素ガス)を放出する。
【0046】反応容器200の内圧が安定したところ
で、高周波電源203を所望の電力に設定する。高周波
電力は、マッチングボックス204を通じて電極201
に印加させる。この際、放電エネルギーによって反応容
器200内の円筒状基体205で囲まれた成膜空間に導
入された原料ガスが分解され、それぞれの円筒状基体2
05上に所定の堆積膜が形成されるところとなる。ま
た、堆積膜形成中は、円筒状基体205は、回転機構を
構成する伝達機構210を用いてモーター211よりの
回転力を回転軸209を介して、基体ホルダー212を
自転させることにより、それぞれの円筒状基体205の
表面上に均一に堆積膜形成が行われる。所望の膜厚の形
成が行われた後、高周波電力の供給を止め、反応容器2
00中へのガスの流入を止め、光受容層(光導電層)と
しての堆積膜の形成を終える。
【0047】目的とする堆積膜の特性のため、円筒状基
体上に複数の層からなる堆積膜を形成する場合には、上
記の操作を繰り返すことによって、所望の層構成の光受
容層を形成することができる。これにより複数の光受容
部材を得ることができる。そうした光受容部材として
は、例えば、図3に示すような構成のものを挙げること
ができる。
【0048】図3において、300は光受容部材、30
1は基体、302は電荷注入阻止層、303は光導電
層、304は表面層、305は光受容層、をそれぞれ示
す。
【0049】以下、本発明により光受容部材を作製する
場合の1例として、図3に示す構成の光受容部材を作成
する場合について説明する。
【0050】光受容層305(特に、光導電層303)
形成用の原料ガスとしては、例えばアモルファスシリコ
ン膜を形成する場合には、SiH4,Si26,Si3
8,Si410などのガス状態の、またはガス化し得る水
素化珪素(シラン類)が、Si供給用ガスとして有効に
使用される。また、水素化珪素のほかにも、フッ素原子
を含む珪素化合物、いわゆるフッ素原子で置換されたシ
ラン誘導体、具体的には、例えばSiF4,Si26
どのフッ化珪素や、SiH3F,SiH22,SiHF3
などのフッ素置換水素化珪素など、ガス状の、またはガ
ス化し得る物質も本発明のSi供給用ガスとして有効で
ある。また、これらのSi供給用の原料ガスを必要に応
じてH2,He,Ar,Neなどのガスにより希釈して
使用しても何ら差し支えない。
【0051】上記のガスに加えて、必要に応じて周期律
表IIIb族に属する原子供給用ガス、または周期律表
Vb族に属する原子供給用ガスを、いわゆるドーパント
源として用いることもできる。例えばホウ素原子(B)
を用いる場合には、B26,B410などの水素化硼
素、BF3,BCl3などのハロゲン化硼素などが挙げら
れる。またリン原子を用いる場合には、PH3,P24
などの水素化燐、PH4I,PF3,PCl3,PBr3
PI3などのハロゲン化燐が使用できる。
【0052】さらに、層中に炭素原子、酸素原子、窒素
原子の中から選ばれる少なくとも一種を含有させること
ができる。この場合の炭素原子(C)供給用ガスとなり
得る物質としては、CH4,C26,C38,C410
どのガス状態の、またはガス化し得る炭化水素が挙げら
れる。
【0053】これらの炭化水素の中、層作製時の取り扱
い易さ、C供給効率の良さなどの点でCH4およびC2
6が特に好ましい。また、これらのC供給用の原料ガス
を必要に応じてH2,He,Ar,Neなどのガスによ
り希釈して使用してもよい。
【0054】酸素原子(O)供給用ガスとなり得る物質
としては、酸素(O2),オゾン(O3),二酸化炭素
(CO2)などが挙げられる。また窒素原子(N)供給
用ガスとなり得る物質としては、Nを構成原子とする
か、あるいはNとHを構成原子とする、窒素ガス
(N2),アンモニア(NH3),ヒドラジン(H2NN
2),アジ化水素(HN3),アジ化アンモニウム(N
43)などのガス状またはガス化し得る窒素、窒化物
およびアジ化物などの窒素化合物を挙げることができ
る。
【0055】また、酸素原子(O)と窒素原子(N)を
同時に供給できる原料ガスとなり得るものとして、一酸
化窒素(NO),二酸化窒素(NO2),一酸化二窒素
(N2O),三酸化二窒素(N23),四酸化二窒素
(N24),五酸化二窒素(N25),三酸化窒素(N
3)などが挙げられる。
【0056】上記原料ガスは、必要に応じてH2および
/またはHeにより希釈して使用してもよい。
【0057】光受容部材300が電子写真用のものであ
る場合、光受容層305(特に、光導電層303)の層
厚は所望の電子写真特性が得ることおよび経済的効果な
どの点から適宜所望にしたがって決定され、好ましくは
15〜50μm、より好ましくは20〜45μm、最適
には25〜40μmとされるのが望ましい。
【0058】所望の特性を有する光受容層(光導電層)
を形成するには、Si供給用のガスと希釈ガスとの混合
比、反応容器内のガス圧、放電電力ならびに基体温度を
適宜設定することが必要である。
【0059】希釈ガスとして使用するH2ガスの流量
は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、
Si供給用ガスの流量に対しH2ガスを、通常の場合1
〜20倍、好ましくは2〜15倍、最適には3〜10倍
の範囲で変化させる制御をすることが望ましい。
【0060】成膜時の反応容器内のガス圧(内圧)につ
いては、所望の堆積膜を得るについて、100mTor
r又はそれ以下とするのが望ましい。好ましい範囲は、
3〜100mTorrであり、より好ましい範囲は10
〜80mTorrである。
【0061】放電電力もまた同様に層設計や、堆積装置
の形態に依存して適宜最適範囲が選択されるが、充分な
堆積速度と膜特性を得るためには、Si供給用ガスの流
量に対する放電電力を、通常の場合1〜20倍、好まし
くは2〜10倍、最適には3〜5倍の範囲に設定するこ
とが望ましい。
【0062】成膜時の基体301の温度については、層
設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の
場合、好ましくは200〜350℃、より好ましくは2
30〜330℃、最適には250〜310℃とするのが
望ましい。
【0063】本発明においては、所望の光受容層(光導
電層)を形成するための成膜条件として上述したものが
挙げられるが、これらの条件は通常は独立的に別々に決
められるものではなく、所望の特性を有する光受容部材
を形成すべく相互的かつ有機的関連性に基づいて最適値
を決めるのが望ましい。
【0064】使用される基体301としては、導電性で
も電気絶縁性であってもよい。そうした基体としては、
Al,Cr,Mo,Au,In,Nb,Te,V,T
i,Pt,Pd,Feなどの金属、およびこれらの合
金、例えばステンレスなどが挙げられる。また、ポリエ
ステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロース
アセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリス
チレン、ポリアミドなどの合成樹脂のフィルムまたはシ
ート、ガラス、セラミックスなどの電気絶縁性基体の少
なくとも光受容層を形成する側の表面を導電処理した基
体も用いることができる。
【0065】基体301の形状は平滑表面あるいは凹凸
表面の円筒状または板状無端ベルト状であることができ
る。その厚さは、図3に示すような電子写真用光受容部
材300を作製し得るように適宜決定する。例えば、電
子写真用光受容部材300としての可撓性が要求される
場合には、基体301としての機能が充分発揮できる範
囲内で可能な限り薄くすることができる。しかしなが
ら、いずれの場合にあっても、基体は製造上および取り
扱い上、機械的強度などの点から通常は10μm以上と
される。
【0066】特にレーザー光などの可干渉性光を用いて
像記録を行う場合には、可視画像において現れる、いわ
ゆる干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消する
ために、基体の表面に凹凸を設けてもよい。
【0067】また、レーザー光などの可干渉光を用いた
場合の干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消す
る別の方法として、基体の表面に複数の球状痕跡窪みに
よる凹凸形状を設けてもよい。すなわち、基体の表面が
電子写真用光受容部材に要求される解像力よりも微少な
凹凸を有し、しかも該凹凸は、複数の球状痕跡窪みによ
るものである。基体の表面に設けられる複数の球状痕跡
窪みによる凹凸は、特開昭61−231561号公報に
記載された公知の方法により作製できる。
【0068】本発明により作製される電子写真用光受容
部材においては、図3に示すように、基体301と光導
電層303との間に、基体側からの電荷の注入を阻止す
る働きのある電荷注入阻止層302を設けるのが一層効
果的である。すなわち、電荷注入阻止層302は光受容
層305が一定極性の帯電処理をその自由表面に受けた
際、基体301側より光導電層303側に電荷が注入さ
れるのを阻止する機能を有し、逆の極性の帯電処理を受
けた際にはそのような機能は発揮されない、いわゆる極
性依存性を有している。そのような機能を付与するため
に、電荷注入阻止層302には伝導性を制御する原子を
光導電層303に比べ比較的多く含有させる。電荷注入
阻止層302に含有される伝導性を制御する原子は、該
層中に万遍なく均一に分布されても良いし、あるいは層
厚方向には万遍なく含有されてはいるが、不均一に分布
する状態で含有している部分があってもよい。分布濃度
が不均一な場合には、基体側に多く分布するように含有
させるのが好適である。しかしながら、いずれの場合に
も基体の表面と平行面内方向においては、均一な分布で
万遍なく含有されることが面内方向における特性の均一
化をはかる点からも必要である。
【0069】電荷注入阻止層302に含有される伝導性
を制御する原子としては、半導体分野における、いわゆ
る不純物を挙げることができ、p型伝導特性を与える周
期律表第IIIb族に属する原子(以後「第IIIb族
原子」と略記する)またはn型伝導特性を与える周期律
表第Vb族に属する原子(以後「第Vb族原子」と略記
する)を用いることができる。
【0070】第IIIb族原子としては、具体的には、
B(ほう素),Al(アルミニウム),Ga(ガリウ
ム),In(インジウム),Ta(タリウム)などがあ
り、特にB,Al,Gaが好適である。第Vb族原子と
しては、具体的にはP(リン),As(砒素),Sb
(アンチモン),Bi(ビスマス)などがあり、特に
P,Asが好適である。
【0071】電荷注入阻止層302中に含有される伝導
性を制御する原子の含有量としては、本発明の目的が効
果的に達成できるように所望にしたがって適宜決定され
るが、好ましくは10〜1×104原子ppm、より好
適には50〜5×103原子ppm、最適には1×102
〜1×103原子ppmとされるのが望ましい。
【0072】さらに、電荷注入阻止層302には、炭素
原子、窒素原子および酸素原子の中の少なくとも一種を
含有させることによって、該電荷注入阻止層に直接接触
して設けられる他の層との間の密着性の向上をより一層
図ることができる。この場合、炭素原子、窒素原子およ
び酸素原子の中の少なくとも一種は該層中に万遍なく均
一に分布されてもよいし、あるいは層厚方向には万遍な
く含有されてはいるが、不均一に分布する状態で含有し
ている部分があってもよい。しかしながら、いずれの場
合にも基体の表面と平行面内方向においては、均一な分
布で万遍なく含有されることが面内方向における特性の
均一化を図る点からも必要である。
【0073】また、本発明における電荷注入阻止層30
2に含有される水素原子は層内に存在する未結合手を補
償し膜質の向上に効果を奏する。
【0074】電荷注入阻止層302の層厚は所望の電子
写真特性が得られること、および経済的効果などの点か
ら好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.3〜
4μm、最適には0.5〜3μmとされるのが望まし
い。
【0075】電荷注入阻止層302は、光導電層303
の形成手法と同様にして形成することができる。
【0076】すなわち、所望の特性を有する電荷注入阻
止層302を形成するには、光導電層303を形成する
場合と同様に、Si供給用のガスと希釈ガスとの混合
比、反応容器内のガス圧、放電電力ならびに基体の温度
を適宜設定することが必要である。
【0077】希釈ガスであるH2および/またはHeの
流量は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択される
が、Si供給用ガスに対しH2および/またはHeを、
通常の場合1〜20倍、好ましくは3〜15倍、最適に
は5〜10倍の範囲に制御することが望ましい。
【0078】成膜時の反応容器内のガス圧(内圧)につ
いては、所望の堆積膜を得るについて、100mTor
rであり、又はそれ以下とするのが望ましい。好ましい
範囲は、3〜100mTorrであり、より好ましい範
囲は10〜80mTorrである。
【0079】放電電力もまた同様に層設計や、堆積装置
形態に依存して適宜最適範囲が選択されるが、Si供給
用のガスの流量に対する放電電力を、通常の場合1〜2
0倍、好ましくは2〜10倍、最適には3〜5倍の範囲
に設定することが望ましい。
【0080】さらに、基体の温度は、層設計にしたがっ
て適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好ましく
は200〜350℃、より好ましくは230〜330
℃、最適には250〜310℃とするのが望ましい。
【0081】電荷注入阻止層302を形成するための成
膜条件として上述したものが挙げられるが、これらの条
件は通常は独立的に別々に決められるものではなく、所
望の特性を有する表面層を形成すべく相互的かつ有機的
関連性に基づいて各層の形成ファクターの最適値を決め
るのが望ましい。
【0082】電子写真用光受容部材300においては、
基体301と光導電層303あるいは電荷注入阻止層3
02との間の密着性の一層の向上を図る目的で、例え
ば、Si34,SiO2,SiO,あるいはシリコン原
子を母体とし、水素原子および/またはハロゲン原子
と、炭素原子および/または酸素原子および/または窒
素原子とを含む非晶質材料などで構成された密着層を設
けてもよい。さらに、基体からの反射光による干渉縞模
様の発生を防止するための光吸収層を設けてもよい。
【0083】電子写真用光受容部材300においては、
光導電層303の上に、アモルファスシリコン系の材料
からなる表面層304を設けることが好ましい。
【0084】表面層304の構成材料は、アモルファス
シリコン系の材料であればいずれのものであってもよ
い。たとえば、水素原子(H)および/またはハロゲン
原子(X)を含有し、さらに炭素原子を含有するアモル
ファスシリコン(以下「a−SiC:H,X」と表記す
る)、水素原子(H)および/またはハロゲン原子
(X)を含有し、さらに酸素原子を含有するアモルファ
スシリコン(以下「a−SiO:H,X」と表記す
る)、水素原子(H)および/またはハロゲン原子
(X)を含有し、さらに窒素原子を含有するアモルファ
スシリコン(以下「a−SiN:H,X」と表記す
る)、水素原子(H)および/またはハロゲン原子
(X)を含有し、さらに炭素原子、酸素原子、窒素原子
の少なくとも一つを含有するアモルファスシリコン(以
下「a−SiCON:H,X」と表記する)などの材料
が好適に用いられる。
【0085】これらの他、アモルファス炭素系材料も使
用することができ、具体例として、水素原子(H)およ
び/またはハロゲン原子(X)を含有するアモルファス
炭素「a−C:H,X」を挙げることができる。
【0086】表面層304は真空堆積膜形成方法によっ
て、所望特性が得られるように適宜成膜パラメーターの
数値条件が設定されて形成されるが、光受容部材の生産
性の点で光導電層と同等の堆積法によることが好まし
い。
【0087】表面層304の形成において使用されるシ
リコン(Si)供給用ガスとなり得る物質としては、S
iH4,Si26,Si38,Si410などのガス状態
の、またはガス化し得る水素化珪素(シラン類)が好適
なものとして挙げられる。これらの中、層作成時の取り
扱い易さ、Si供給効率の良さなどの点でSiH4およ
びSi26が特に好ましい。これらのSi供給用の原料
ガスは必要に応じてH2,He,Ar,Neなどのガス
により希釈して使用してもよい。
【0088】炭素供給用ガスとなり得る物質としては、
CH4,C26,C38,C410などのガス状態の、ま
たはガス化し得る炭化水素が好適なものとして挙げられ
る。これらの中、層作成時の取り扱い易さ、C供給効率
の良さなどの点でCH4およびC26が特に好ましい。
これらのC供給用の原料ガスは必要に応じてH2,H
e,Ar,Neなどのガスにより希釈して使用してもよ
い。
【0089】表面層304の層厚としては、好ましくは
0.01〜3μm、より好ましくは0.05〜2μm、
最適には0.1〜1μmとされるのが望ましい。層厚が
0.01μmよりも薄いと光受容部材を使用中に摩耗な
どの理由により表面層が失われてしまい、3μmを越え
ると残留電位の増加などの電子写真特性の低下がみられ
る。
【0090】以下に本発明の効果を以下の実験例を介し
て説明するが、本発明はこれらによって何ら限定される
ものではない。
【0091】
【実験例1】図2に示す堆積膜形成装置を用い、ガス導
入管206を介してArガスのみを成膜空間に導入し、
表1に示す条件下でプラズマを生成させ、60分後のプ
ラズマ生成中の電極カバー202の表面温度を赤外放射
温度計で測定した。この時、電極201には、Heガス
を導入し、電極カバー202内面に吹き出させた。な
お、本実験例において、電極としてはSUS306のパ
イプ状(外径18mm、内径10mm)材料を使用し
た。また、ガス放出孔は、直径1.5mmの円形孔を電
極の母線方向に10個を4等配列とし、合計40個配設
した。電極カバーには、セラミック材料(外径26m
m、内径20mm)のパイプ形状のものを使用した。測
定結果は図5に示す。
【0092】
【比較実験例1】本比較実験例においては、図4(図4
(A)及び図4(B))に示す堆積膜形成装置を用い
た。当該堆積膜形成装置は、図2に示す装置における電
極(複数のガス放出孔を備えた構成を有する)をガス放
出孔を全く有さない電極(高周波電力導入電極)に替え
そしてガス供給系を除いた以外は、図2に示す装置と同
一の構成である。なお、図4に示す堆積膜形成装置にお
ける高周波電力導入手段は、ガス放出孔を全く有さない
むくの電極401が電極カバー402で覆われた構成の
ものである。
【0093】実験例1と同様に、原料ガス導入管406
を介してArガスのみを成膜空間に導入し、表1に示す
条件下でプラズマを生成させ、60分後のプラズマ生成
中の電極カバー402の表面温度を赤外放射温度計で測
定した。なお、本比較実験例において、電極401とし
てはSUS306(外径18mm)のむく材料を使用し
た。電極カバー402には、実験例1と同様のセラミッ
ク材料(外径26mm、内径20mm)のパイプ形状の
ものを使用した。測定結果を図5に示す。
【0094】図5に示す結果から明らかなように、本発
明の装置によれば、プラズマ生成中の電極カバーの表面
温度は、従来装置に比べ低温に維持可能であることがわ
かった。
【0095】
【実験例2】比較実験例1の表面温度測定結果に示され
るように、電極カバーの下部(導入方向に対して先端
部)は温度上昇が大きかった。本実験例では、図2に示
す装置の電極のガス放出孔の分布状態を、図6に示すよ
うに、電極601のガス放出孔の分布を先端方向に多く
し、実験例1と同様の条件にてプラズマ生成および電極
からのガス放出を行い、同様に電極カバー表面の温度測
定を行った。ガス放出孔は、直径1.5mmの円形孔を
電極の母線方向に先端側1/3に10個、導入部側2/
3に5個をそれぞれ4等配列とし、合計60個配設し
た。
【0096】測定結果を図7に示す。図7に示したよう
に、本実験例のように、温度上昇の大きい部分(ここで
は電極先端)にガス放出孔を多く分布させることによ
り、電極カバー表面温度がより均一となることがわかっ
た。
【0097】
【実験例3】図2に示す装置において図6に示す高周波
電力導入電極を用い、表2に示す条件にて堆積膜の形成
を行った。このとき、原料ガスとしてSiH4を用い、
実験例2と同様にして、電極からHeガスを電極カバー
内面に吹きつけながら一定時間堆積膜形成を行い、電極
カバー表面に付着した堆積膜の状態を調べた。
【0098】
【比較実験例2】図4に示す堆積膜形成装置を用い、実
験例3と同様に表2に示す条件にて堆積膜の形成を行っ
た。実験例3と同様の時間堆積膜形成を行った後、同様
に電極カバー表面に付着した堆積膜の状態を調べた。
【0099】実験例3および比較実験例2の結果を図8
にグラフ化して示す。
【0100】図8に示すように、本発明の実験例3にお
いては、電極カバーからの堆積膜の剥がれ具合が向上し
ていることがわかった。
【0101】以下の実施例により本発明をさらに詳細に
説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるも
のではない。
【0102】
【実施例1】外径108mm、長さ358mm、肉厚5
mmのアルミニウムシリンダーを鏡面加工を施し、脱脂
洗浄した6個の円筒状基体を図2に示す装置の反応容器
200内に図2に示すように配置した。ついで、上述し
た図2の装置を使用しての成膜手法により、高周波電力
の周波数を105MHzにし、表3に示した条件で図3
に示した層構成の阻止型の電子写真用光受容部材(以後
ドラムと表現)を形成した。
【0103】本実施例において、電極201としてはS
US306のパイプ状(外径18mm、内径10mm)
材料を使用した。ガス放出孔は、直径1.5mmの円形
孔を電極の母線方向に10個4等配列とし、合計40個
配設した。電極カバー202には、アルミナセラミック
(Al23)材料を外径26mm、内径20mmもパイ
プ形状に加工したものを使用した。電極カバー表面(プ
ラズマ領域側)は、2.5mmを基準長さとする十点平
均粗さ(Rz)で30μm以上100μm以下の範囲に
なるようブラスト加工を施し、電極から放出されるガス
には、Heガスを1000sccm導入し電極カバー内
面に放出した。
【0104】なお表3中の「層厚」は電子写真用光受容
部材設計上のおおよその目安である。
【0105】
【評価】こうして作製したドラムを電子写真装置(キヤ
ノン社製NP6060を本テスト用に改造したもの)に
セットして、電子写真特性(画像欠陥の生起状況)の評
価を以下の方法で行った。
【0106】作製した電子写真感光体を電子写真装置
(キヤノン株式会社製NP6060を本テスト用に改造
したもの)にセットし、キヤノン製中間調チャート(部
品番号:FY9−9042)を原稿台に置き、コピーし
たときに得られたコピー画像の同一面積内にある直径
0.5mm以下の白点について、その数を数えた。得ら
れた結果を以下の基準に基づいて表4に示す。
【0107】画像欠陥について、 ◎:0〜2個で、全く気にならない場合 ○:3〜5個で、気にならない場合 △:6〜10個で、多少気になる場合 ×:11個以上で、気になる場合
【0108】
【比較例1】図4に示す従来の堆積膜形成装置を用い、
実施例1と同様の条件にてドラムを作成した。本比較例
では、高周波電力導入手段の電極401として、SUS
306(外径18mm)のむく材料を使用した。電極カ
バー402には、実施例1と同様のセラミック材料を使
用した。
【0109】作成したドラムは、実施例1と同様の方法
で評価を行い、その結果を表4に示す。
【0110】表4に示した結果から明らかなように、本
発明の実施例のドラムは、画像欠陥において、比較例の
ドラムより優れたものであることが理解される。
【0111】
【実施例2】図6に示す高周波電力導入手段を用いた以
外は、実施例1と同様の条件でドラムを作製した。本実
施例において、電極601としてはSUS306のパイ
プ状(外径18mm、内径10mm)材料を使用し、ガ
ス放出孔は、直径1.5mmの円形孔を電極の母線方向
に先端側1/3に10個、導入部側2/3に5個をそれ
ぞれ4等配列とし、合計60個配設した。
【0112】電極カバー602には、実施例1と同様の
アルミナセラミック材料を使用した。
【0113】作成したドラム(電子写真感光体)を、電
子写真装置(キヤノン株式会社製NP6060を本テス
ト用に改造したもの)にセットして、電子写真特性(帯
電能ムラ)の評価を以下の方法で行った。
【0114】帯電能ムラの評価:作製した電子写真感光
体を電子写真装置(キヤノン社製NP6060を本テス
ト用に改造したもの)にセットし、電子写真感光体の長
手方向で帯電電位を測定した。得られた結果は、帯電電
位の平均電位からのばらつきが3%以内のものを◎、5
%以内のものを○、5%を越えるものを△とする基準で
表5に示す。また、実施例1と同様にして画像欠陥につ
いての評価を行った。得られた結果は表5に示す。
【0115】
【比較例2】比較例1で作成したドラムについても、実
施例2と同様の評価を行った。
【0116】その結果を表5に示す。
【0117】なお、実施例1で作成したドラムについて
も実施例2と同様の評価を行った。得られた結果を表5
に示す。
【0118】表5に示した結果から明らかなように、本
発明の実施例のドラムは、画像欠陥および帯電能ムラに
ついて、特に優れたものであることが理解される。
【0119】
【実施例3】実施例2と同様の条件で、高周波電力の周
波数を、50MHz,80MHz,105MHz,20
0MHz,450MHzに変化させ、図3に示した層構
成のドラムを作製し、実施例1および2と同様に、画像
欠陥、帯電能ムラの評価を行った。得られた評価結果を
表6に示す。
【0120】表6において各々の評価項目は、高周波電
力の周波数を105MHzとした場合を1とした相対評
価で示した。表6から明らかなように、いずれの周波数
においても、球状突起、ムラともに良好な特性のドラム
が得られた。
【0121】
【実施例4】本実施例では、電極から放出するガスにH
2を用いた以外は実施例2と同様の条件で、図3に示す
層構成のドラムを作成した。
【0122】作成したドラムを、実施例1および2と同
様に画像欠陥、帯電能ムラの評価を行った。得られた結
果を表7に示す。
【0123】さらに、本実施例では、ブランクメモリー
の評価を以下の方法で行った。
【0124】ブランクメモリーの評価:キヤノン社製中
間チャート(部品番号:FY9−9042)をキヤノン
株式会社製電子写真装置NP6060(テスト用に改造
したもの)を原稿台に置きコピーしたときに得られた画
像のブランク露光により母線方向にやや薄くなった部分
と通常の部分の反射濃度差を測定した。得られた結果を
以下の基準に基づいて表7に示す。
【0125】ブランクメモリーについて、 ◎:特に良好の場合 ○:良好の場合 △:実用上問題のない程度の場合 ×:実用上問題がある程度ある場合 なお、実施例2で作成したドラムについても、実施例4
と同様にブランクメモリーの評価を行った。得られた評
価結果を表7に示す。
【0126】表7に示すように、本実施例(実施例4)
においては全ての項目について良好な結果が得られた。
特に、実施例2との比較において、電極から放出するガ
スに水素を用いることにより、ブランクメモリーが向上
するという結果が得られた。
【0127】
【表1】
【0128】
【表2】
【0129】
【表3】
【0130】
【表4】
【0131】
【表5】
【0132】
【表6】
【0133】
【表7】
【0134】
【発明の効果】高周波電力導入手段の構成を、少なくと
も高周波電力を導入するための電極と、該電極の表面を
前記グロー放電領域より分離するために該電極を覆う絶
縁体とを有し、さらに、該電極には、前記絶縁体の内面
にガスを吹きつけるための複数のガス放出孔が形成さ
れ、該放出孔からガスを吹き出しながら堆積膜の形成を
行うことによって、前記絶縁体の堆積膜形成中における
表面温度上昇を押さえ、絶縁体表面からの膜剥がれを減
少させることにより、高速成膜条件においても画像欠陥
の少ない光受容部材を効率的に得ることができる。さら
に、内部電極のガス放出孔の分布を最適に配置すること
により、絶縁体表面の温度分布を押さえ、帯電能ムラを
同時に押さえた良好な光受容部材を得ることができる。
このことは、従来起っていたと推測される絶縁体の温度
分布(部分的な温度上昇)による、堆積膜への悪影響
(温度ムラ、不純物混入)が押さえられると推察され
る。
【0135】さらに、内部電極から放出されるガスに水
素ガスを用いることにより、ブランクメモリーが向上す
るという効果が得られる。なお、この現象についてのメ
カニズムは現在のところ不明ではあるが、高周波を印加
している導体内部に水素ガスを通過すること、あるい
は、ある温度以上に加熱されたパイプを通過すること
が、水素ガスを活性化し、それがプラズマ空間に導入
(漏れ入る)されることによって堆積膜形成に何らかの
寄与をするものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の堆積膜形成装置の高周波電力導入手段
の一例を示す模式図である。
【図2】本発明の堆積膜形成装置の一例を示す模式図で
ある。
【図3】電子写真用光受容部材の層構成を示す模式的断
面図である。
【図4】従来の堆積膜形成装置の一例を示す模式図であ
る。
【図5】実験例1および比較実験例1における電極カバ
ーの表面温度測定結果である。
【図6】本発明の堆積膜形成装置の高周波電力導入手段
の一例を示す模式図である。
【図7】実験例2における電極カバーの表面温度測定結
果である。
【図8】実験例3および比較実験例2における堆積膜形
成時間と電極カバー表面の膜剥がれの関係を示したグラ
フである。
【符号の説明】
101,201,401,601 電極 101´ガス放出孔 102,202,402,602 電極カバー(絶縁
体) 103,203,403,603 電源 104,204,404,604 マッチングボックス 200,400 反応容器 205,405 円筒状基体 206,406 ガス導入管 207,407 排気口 208,408 加熱ヒーター 209,409 回転軸 210,410 回転ギア 211,411 回転モーター 212,412 ホルダー 300 光受容部材 301 基体 302 電荷注入阻止層 303 感光層 304 表面層 305 光受容層

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空気密可能な反応容器内に成膜用の基
    体を配置し、前記反応容器内に、原料ガスを導入しかつ
    高周波電力導入手段を介して高周波電力を導入して、グ
    ロー放電を前記反応容器内に生起させて前記基体上に堆
    積膜を形成する方法において、前記高周波電力導入手段
    は、少なくとも前記高周波電力を導入するための電極
    と、該電極の表面を前記グロー放電領域より分離するた
    めに該電極を覆う絶縁体とを有し、該電極には、前記絶
    縁体の内面にガスを吹きつけるための複数のガス放出孔
    が形成されており、該放出孔からガスを吹き出しながら
    前記堆積膜の形成を行うことを特徴とする堆積膜形成方
    法。
  2. 【請求項2】 前記絶縁体は、母材がセラミックス材料
    である請求項1に記載の堆積膜形成方法。
  3. 【請求項3】 前記高周波電力の周波数が50MHz〜
    450MHzの範囲である請求項1または2に記載の堆
    積膜形成方法。
  4. 【請求項4】 前記複数の放出孔は前記電極に均一に分
    布している請求項1乃至3のいずれかに記載の堆積膜形
    成方法。
  5. 【請求項5】 前記複数の放出孔は前記電極の先端方向
    に多く分布している請求項1乃至3のいずれかに記載の
    堆積膜形成方法。
  6. 【請求項6】 前記複数の放出孔より放出されるガス
    は、不活性ガスである請求項1乃至5のいずれかに記載
    の堆積膜形成方法。
  7. 【請求項7】 前記複数の放出孔より放出されるガス
    は、水素ガスである請求項1乃至5のいずれかに記載の
    堆積膜形成方法。
  8. 【請求項8】 前記基体は複数個の基体からなり、該基
    体は前記高周波電力導入手段の周りに円状に配される請
    求項1乃至7のいずれかに記載の堆積膜形成方法。
  9. 【請求項9】 前記基体は円筒形状を有する請求項1乃
    至8のいずれかに記載の堆積膜形成方法。
  10. 【請求項10】 前記絶縁体と前記電極との間は0.5
    mm〜5mmの間隔を有する請求項1乃至9のいずれか
    に記載の堆積膜形成方法。
  11. 【請求項11】 前記絶縁体の表面は2.5mmを基準
    長さとする十点平均粗さRzが5μm〜200μmとさ
    れている請求項1乃至10のいずれかに記載の堆積膜形
    成方法。
  12. 【請求項12】 前記絶縁体の厚さは0.5mm〜20
    mmである請求項1乃至11のいずれかに記載の堆積膜
    形成方法。
  13. 【請求項13】 前記電極は中空形状を有する請求項1
    乃至12のいずれかに記載の堆積膜形成方法。
  14. 【請求項14】 前記高周波電力導入手段は前記基体が
    配されている円の直径に対して4%〜25%の直径を有
    する請求項8に記載の堆積膜形成方法。
  15. 【請求項15】 真空気密は反応容器の内に成膜用の基
    体を配すること、該反応容器内に原料ガスを導入するす
    ること、該反応容器内に配された高周波導入手段に高周
    波を印加して該導入された原料ガスのグロー放電を生起
    させて、該基体上に堆積膜を形成すること、該高周波導
    入手段は周囲にガス放出のためのガス放出孔を有する管
    状のガス導入管として働く電極と該ガス導入管に間隙を
    あけて配され、該グロー放電と該電極との間を隔離する
    ための絶縁体とを有し、該堆積膜の形成は該ガス放出孔
    から該絶縁体に向けて該絶縁体を冷却するためのガスを
    放出しながら行われる、堆積膜形成方法。
  16. 【請求項16】 真空気密可能な反応容器と、該反応容
    器内に成膜用基体を配置する基体保持手段と、前記反応
    容器内に原料ガスを導入するための原料ガス導入手段
    と、前記反応容器内に高周波電力を導入するための高周
    波電力導入手段とを有する堆積膜形成装置において、前
    記高周波電力導入手段は、少なくとも前記高周波電力を
    導入するための電極と、該電極の表面を前記グロー放電
    領域より分離するために該電極を覆う絶縁体とを有し、
    該電極には、前記絶縁体の内面にガスを吹きつけるため
    の複数のガス放出孔が形成されると共に、該ガスを供給
    する通路として働き、該ガス放出孔と連絡する中空部を
    有することを特徴とする堆積膜形成装置。
  17. 【請求項17】 前記絶縁体は、母材がセラミックス材
    料である請求項16に記載の堆積膜形成装置。
  18. 【請求項18】 前記高周波電力導入手段は、50MH
    z〜450MHzの範囲の周波数を発生可能である請求
    項16または17に記載の堆積膜形成装置。
  19. 【請求項19】 前記複数の放出孔は前記電極に均一に
    分布している請求項16乃至18のいずれかに記載の堆
    積膜形成装置。
  20. 【請求項20】 前記複数の放出孔は前記電極の先端方
    向に多く分布している請求項16乃至18のいずれかに
    記載の堆積膜形成装置。
  21. 【請求項21】 前記中空部に供給されるガスは不活性
    ガスである請求項16乃至20のいずれかに記載の堆積
    膜形成装置。
  22. 【請求項22】 前記中空部に供給されるガスは水素ガ
    スである請求項16乃至20のいずれかに記載の堆積膜
    形成装置。
  23. 【請求項23】 前記基体は複数個の基体からなり、該
    基体は前記高周波電力導入手段の周りに円状に配される
    請求項16乃至22のいずれかに記載の堆積膜形成装
    置。
  24. 【請求項24】 前記基体円筒形状を有する請求項16
    乃至23のいずれかに記載の堆積膜形成装置。
  25. 【請求項25】 前記絶縁体と前記電極との間は0.5
    mm〜5mmの間隙を有する請求項16乃至24のいず
    れかに記載の堆積膜形成装置。
  26. 【請求項26】 前記絶縁体の表面は2.5mmを基準
    長さとする十点平均粗さRzが5μm〜200μmとさ
    れている請求項16乃至25のいずれかに記載の堆積膜
    形成装置。
  27. 【請求項27】 前記絶縁体の厚さは0.5mm〜20
    mmである請求項16乃至26のいずれかに記載の堆積
    膜形成装置。
  28. 【請求項28】 前記電極は中空形状を有する請求項1
    6乃至27のいずれかに記載の堆積膜形成装置。
  29. 【請求項29】 前記高周波導入手段は前記基体が配さ
    れている円の直径に対して4%〜25%の直径を有する
    請求項23に記載の堆積膜形成装置。
  30. 【請求項30】 真空気密可能な反応容器と、該反応容
    器内に成膜用基体を配置するための基体保持手段と、該
    反応容器内に原料ガスを導入するための原料ガス導入手
    段と、該反応容器内に高周波電力を導入するための高周
    波電力導入手段とを有し、該高周波電力導入手段は中空
    部を有し、該中空部に連通して配されたガス放出孔を有
    する電極と、該電極の周囲に設けられ、該電極を該反応
    容器内から隔離するとともに該ガス放出孔に対向して配
    された絶縁体を有する堆積膜形成装置。
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