JPH11132110A - Egrバルブの制御装置 - Google Patents

Egrバルブの制御装置

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JPH11132110A
JPH11132110A JP9295659A JP29565997A JPH11132110A JP H11132110 A JPH11132110 A JP H11132110A JP 9295659 A JP9295659 A JP 9295659A JP 29565997 A JP29565997 A JP 29565997A JP H11132110 A JPH11132110 A JP H11132110A
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JP
Japan
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motor
valve
egr valve
torque
origin
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JP9295659A
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English (en)
Inventor
Toshiro Ichikawa
敏朗 市川
Osamu Fujita
治 藤田
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Combustion Of Fluid Fuel (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 EGRバルブの開度を高い分解能をもって高
精度に制御可能とし、かつバルブの完全な閉成を補償し
た上、EGRバルブの閉成位置とバルブ駆動用モータの
動作原点とを確実に対応づけて、常に正確な開閉制御が
できるEGRバルブの制御装置を提供すること。 【解決手段】 付勢手段によるリターントルクと直流モ
ータのモータトルクとのバランスによりバルブを開閉さ
せるトルクバランス駆動方式を採用した上、直流モータ
とバルブとの間の動力伝達系中に所定の遊びを形成し、
さらにバルブの開き始めの時点における直流モータの動
作位置を求めて対処する原点の整合処理部67を備え
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気ガスの再循環
系中に備わるEGR(Exhaust GasReci
rculation)バルブの制御装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のEGRバルブの制御装置
としては、例えば、特開平7−332168号公報に記
載のものが知られている。
【0003】かかる制御装置は、PM型などのステッピ
ングモータによってEGRバルブを開閉制御するように
なっており、そのステッピングモータをステップ角単位
で制御することにより、EGRバルブの開度が調整され
る。また、ステッピングモータの回転力をバルブ開閉力
としてEGRバルブに伝達するための動力伝達機構は、
その伝達系中に遊びがない構成となっている。そのた
め、EGRバルブの閉成位置とステッピングモータのロ
ータ原点とを一致させるために、EGRバルブのバルブ
ボディとステッピングモータのモータケースとの結合部
分に種々の厚さのスペーサを介在させて、EGRバルブ
のボディとステッピングモータのボディとの結合間隔を
いわゆるシム調整するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
ステッピングモータを用いた従来の制御装置は、ステッ
ピングモータのステップ角単位でしかEGRバルブの開
度を制御することができないため、EGRバルブの調整
開度の分解能に限界があった。さらに、ステッピングモ
ータのオープン制御においては、脱調現象が生じること
があるため応答性にも限界があり、また一度脱調した場
合には、制御量に誤差が発生したままとなるため信頼性
が悪化するという問題があった。
【0005】また、EGRバルブの閉成位置とステッピ
ングモータのロータ原点とを一致させるべく、EGRバ
ルブのボディとステッピングモータのボディとの結合間
隔をシム調整する作業はきわめて面倒である。しかも、
EGRバルブのバルブとシートなどの磨耗によってEG
Rバルブの閉成位置が経時的に変化した場合に、EGR
バルブの開成位置とステッピングモータのロータ原点と
がずれてしまい、バルブが完全に閉成できず、EGRバ
ルブの正確な開閉制御ができなくなるという問題があっ
た。
【0006】本発明の目的は、EGRバルブの開度を高
い分解能をもって高精度に制御可能とし、かつバルブの
完全な閉成を補償した上、EGRバルブの閉成位置とバ
ルブ駆動用モータの動作原点とを確実に対応づけて、常
に正確な開閉制御ができるEGRバルブの制御装置を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、付勢手段によってEGRバルブの閉方向に所定のリ
ターントルクが付与され、かつ直流モータによってEG
Rバルブの開方向に可変のモータトルクが付与され、そ
れらのトルクバランスにより開閉されるEGRバルブの
制御装置であって、前記直流モータのモータトルクを前
記EGRバルブに伝達し、かつ前記EGRバルブの閉成
時に所定量の遊びを形成する動力伝達系と、前記直流モ
ータの動作位置を検出する検出手段と、前記EGRバル
ブの閉成時から前記直流モータのモータトルクを漸次増
大させる初期動作制御手段と、前記初期動作制御手段に
よって漸次増大される前記直流モータのモータトルクの
変化と、前記検出手段によって検出される前記直流モー
タの動作位置の変化との関係から、前記EGRバルブの
開き始めの時点における前記直流モータの動作位置を求
める演算手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1におい
て、前記初期動作制御手段は、前記直流モータを最大動
作範囲において往復動させるように該直流モータのモー
タトルクを漸次増大させてから漸次減少させ、前記演算
手段は、前記直流モータのモータトルクの変化と、前記
検出手段によって検出される前記直流モータの動作位置
の変化との関係から、前記EGRバルブの作動特性を求
めることを特徴とする。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2において、前記初期動作制御手段は、前記直流モータ
をPWM制御することによってモータトルクを制御する
ことを特徴とする。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項1から3
のいずれかにおいて、前記動力伝達系は、前記EGRバ
ルブに連結され、一方向に押されることによって前記E
GRバルブを開くバルブシャフトと、前記直流モータの
動作量に応じて直線移動され、かつ前記EGRバルブの
閉成時に前記バルブシャフトと所定の遊び隙間をおいて
対向し、前記直流モータのモータトルクの増大に伴い、
前記バルブシャフトに当接してから該バルブシャフトを
一方向に押すモータシャフトとを有することを特徴とす
る。
【0011】請求項5に記載の発明は、請求項1から4
のいずれかにおいて、前記直流モータは、一方向および
他方向の通電によって前記EGRバルブに開方向および
閉方向のモータトルクを付与可能であることを特徴とす
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0013】(第1の実施形態) A.「EGRバルブの構成」 図1から図7は、本発明の第1の実施形態を説明するた
めの図である。まず、EGRバルブの構成を図1により
説明する。
【0014】図1において1は、排気ガスの再循環系中
に介在する排ガス通路が内部に形成されたバルブボディ
であり、バルブ11が図のように上動してシート12に
接することによって排気ガス通路が閉じられ、バルブ1
1が下動してシート12から離れることによって排気ガ
ス通路が開かれる。2は直流モータ20を内蔵するモー
タケースである。モータ20において、21はコイル2
2が巻回されたロータ、23はマグネット24を備えた
ヨークであり、ロータ21の中央には、上下のシャフト
部25A、25Bを結合したロータシャフト25が構成
されている。上側のシャフト部25Aは、ベアリング2
6によってモータケース2に回転自在に支持され、下側
のシャフト部25Bは、ベアリング27によってバルブ
ボディ1に回転自在に支持されている。ロータ21の上
端にはコミュテータ28が取り付けられ、このコミュテ
ータ28に対して、モータケース2側に備えられたモー
タブラシ29がブラシスプリング30によって押し付け
られている。
【0015】40は、ロータ21の回動位置を検出する
ためのポジションセンサであり、本例の場合は、ロータ
21の回動位置に応じて抵抗値が変化する形式となって
いる。すなわち、モータケース2側に取り付けられた抵
抗体41と、ロータシャフト25に取り付けられかつブ
ラシ42を備えたブラシプレート43とを有し、ロータ
21の回動位置に応じて、ブラシ42が抵抗体41上を
摺接するようになっている。このポジションセンサ40
とモータブラシ29は、コネクター端子3によって後述
する制御装置に接続される。
【0016】ロータシャフト25の内部にはモータシャ
フト31が螺合されており、そのモータシャフト31
は、ボディ1側のガイドブッシュ13によって回り止め
されている。したがって、ロータ21の回動量に応じて
モータシャフト31が上下動することになる。また、ロ
ータシャフト25にはストッパープレート31が取り付
けられており、そのストッパープレート31の外周部
と、モータケース2の内周面に形成されたストッパー部
2Aとの当接によって、ロータ21の回動範囲が規制さ
れるようになっている。32は渦巻きばねであり、その
内側端部32Aはストッパープレート31に取り付けら
れ、その外側端部32Bはモータケース2の内側に取り
付けられている。この渦巻きばね32はロータ21を一
方向に付勢し、モータ20が駆動されていないときは、
ストッパープレート31とストッパー部2Aとによって
規制される一方向の回動限位置にロータ21を保持す
る。ロータ21が一方向の回動限位置にあるときは、モ
ータシャフト31が図1のような上方限位置まで移動す
る。ロータ21が他方向に回転駆動されたときは、モー
タシャフト31が下方に移動することになる。
【0017】モータシャフト31の下端は、下端にバル
ブ11が取り付けられたバルブシャフト14の上端と対
向する。そのバルブシャフト14の中間部は、ガイドシ
ール15とガイドプレート16によってバルブボディ1
に上下動自在にガイドされている。17はガイドシール
カバーである。モータシャフト14の上端に取り付けら
れたスプリングシート18とバルブボディ1との間に
は、シャフト14を上方つまりバルブ11の閉動方向に
付勢するためのコイルスプリング19が介在されてい
る。
【0018】B.「駆動方式」 このように構成されたEGRバルブは、いわゆるトルク
バランス方式により駆動される。
【0019】すなわち、EGRバルブに対し、付勢手段
としてのコイルスプリング19によってバルブ11の閉
動方向に所定のリターントルクを付与し、かつ直流モー
タ20の一方向の通電によってバルブ11の開動方向に
可変のモータトルクを付与し、それらのトルクバランス
によりバルブ11が開閉制御される。モータトルクは、
ロータ21の回転量に応じて上下動するモータシャフト
31がバルブシャフト14を下方に押すことによって、
バルブ11に伝達される。このようにモータトルクをバ
ルブ11に伝達する動力伝達系においては、図1のよう
なバルブ11の閉成時に、バルブシャフト14とモータ
シャフト31との間に所定の間隔の遊びSが形成され
る。すなわち、図1のように、コイルスプリング19に
よってバルブ11が閉成位置に保持され、かつ渦巻きば
ね32によって、ロータ21が一方の回動限位置にまで
回動されてモータシャフト31が上方限位置にて保持さ
れているときに、それらのシャフト11、31の対向面
間に遊びSが形成される。
【0020】このようなトルクバランスの駆動方式の場
合は、直流モータ20の発生トルクを連続的に制御し
て、バルブ11の調整開度の分解能を理論上無限に小さ
くすることができる。また直流モータ20は、ステッピ
ングモータのような脱調現象による制御誤差が発生せ
ず、その分、ステッピングモータを用いた場合に比して
応答性を上げることができて、信頼性も向上する。さら
に、動力伝達系中のバルブシャフト14とモータシャフ
ト31との間に、所定の間隔の遊びSを形成したとこと
により、バルブ11およびシート12などに磨耗が生じ
たとしてもバルブ11の完全な閉成が補償されることに
なる。遊びSの間隔は、それらの磨耗を考慮して例えば
0.2mm程度に設定する。
【0021】このような構成のEGRバルブの作動特性
は、図4のようのヒステリシスをもつことになる。図4
中の横軸は直流モータ20の駆動デューティー、縦軸
は、ロータ21の回動位置に対応するポジションセンサ
40のセンサ出力値(電圧)である。またS1は、ロー
タ21が一方の回動限位置にあるときのセンサ出力値で
あり、以下、この時点におけるモータシャフト31の位
置を「ロータ原点」という。またS2は、モータシャフ
ト31をロータ原点S1から遊びS分だけ下動させたと
き、つまりバルブ11が開き始めるときのセンサ出力値
であり、以下、この時点におけるモータシャフト31の
位置を「バルブ原点」という。
【0022】また、図4中のラインA、A′、B、
B′、C、C′、D、D′、E、E′上の制御エリアに
おけるEGRバルブの動作は次のとおりである。
【0023】(ラインA上の制御エリア)渦巻きばね3
2のセットトルクのため、ロータ21は動かない。この
とき、ロータ21は、渦巻きばね32のセットトルクに
よって一方の回動限位置に止められており、モータシャ
フト31とバルブシャフト14との間には所定の遊びS
が形成されている。
【0024】(ラインB上の制御エリア)P1時点から
モータトルクが渦巻きばね32のセットトルクを上回
り、ロータ21が回動し、それに伴ってモータシャフト
31が下動する。
【0025】(ラインC上の制御エリア)P2時点から
モータシャフト31がバルブシャフト14に突き当たる
ものの、コイルスプリング19のリターントルクのため
にロータ21の回動が止められる。
【0026】(ラインD上の制御エリア)P3時点から
モータトルクがコイルスプリング19のリターントルク
を上回り、ロータ21が回動し、それに伴ってモータシ
ャフト31が下動する。このラインD上にて、バルブ1
1が開動制御されることになる。
【0027】(ラインE上の制御エリア)P4時点から
ロータ21の他方向の回動がストッパー(ストッパープ
レート31、ストッパー部2A)により規制され、モー
タトルクが増大してもロータ21は回動しない。
【0028】(ラインE′上の制御エリア)ロータ軸受
部(ベアリング26、27の部分など)、ブラシ29、
ポジションセンサ40などの接触部にフリクションがあ
るため、モータトルクを減少させてもロータ21は戻ら
ない。
【0029】(ラインD′、C′、B′、A′上の制御
エリア)ラインD、C、B、Aをフリクション分スライ
ドさせたかたちとして現れる。ラインD′上にて、バル
ブ11が閉動制御されることになる。
【0030】バルブ11の開閉動作時のラインD、D′
は、コイルスプリング19のばね定数により傾きKが変
化し、そのセットトルクの大きさにより図4中の左右に
シフトする。バルブ原点S2は、バルブ11やシート1
2などの磨耗によって変化することになり、バルブ11
の開度を高精度に制御するためには、このバルブ原点S
2を正確に把握することが重要となる。
【0031】例えば、遊びSの間隔を0.2mmの一定
値に予測した場合には、ロータ原点S1のときのセンサ
出力Siを基準として、バルブ原点S2のときのセンサ
出力Soを次のように推定することができる。
【0032】
【数1】So=Si+(△S×0.2) △Sは、ポジションセンサ40のロータ21の単位回動
量に対するセンサ出力の感度である。
【0033】このようにバルブ原点S2を一律に推定し
た場合には、バルブ11とシート12などの磨耗、およ
びEGRバルブの構成部品のばらつきなどによって生じ
る遊びSの間隔の変化に対応することができず、実際の
バルブ原点との間に差が生じて、バルブ11の開度を高
精度に制御することが難しくなる。
【0034】本実施形態は、このような事情を考慮し、
直流モータを用いたトルクバランスの駆動方式の利点を
生かした上、後述する初期設定動作によりバルブ原点S
2を正確に把握して、バルブ11の開度を高精度に制御
しようとするものである。
【0035】C.「制御装置」 図2は、制御装置全体の概略構成図であり、マイクロコ
ンピュータ形態の制御部50によってモータ20をチョ
ッパ制御する。すなわち、モータ20に加える電圧を一
定周期でオン、オフさせ、その1周期当たりのオン時間
とオフ時間の比(駆動デューティ)に応じたPWM信号
によりFET(電解効果トランジスタ)51をスイッチ
動作させて、モータ20に加える平均駆動電圧を制御す
るようになっている。
【0036】52はバッテリー、53はツェナーダイオ
ード、54はダイオードであり、モータ20に流れる電
流は一方向にのみとされている。55は制御部50とF
ET51との間のインターフェース、56は制御部50
の駆動電圧(5V)を確保するためのレギュレータであ
る。
【0037】制御部50には、クランク角センサ等の運
転状態量センサ57からの検出信号と、ポジションセン
サ40からの検出信号が入力される。58、59はイン
ターフェースである。本例のポジションセンサ40は、
定電圧(5V)が印加される抵抗体41上にて移動する
可動接点部としてのブラシ42を備えており、そのブラ
シ42がロータ21の回動に伴って移動することによ
り、そのブラシ42から、ロータ21の回動位置に応じ
た電圧が検出信号として出力される。60は、抵抗体4
1に定電圧を印加するための電圧供給部である。
【0038】図3は、制御部50によって構成される制
御系を説明するための概略のブロック図である。
【0039】図3において61は、運転状態量センサ5
7の検出信号に基づいてEGRバルブの最適な開閉位置
を求めるための目標位置演算部である。67は原点の整
合処理部であり、後述する初期設定動作によって、目標
位置演算部61にて求められた開閉位置とバルブ原点S
2との整合性をとり、その整合性をとった上、目標位置
に対応する電圧(以下、「目標値」という)を出力す
る。62は、ポジションセンサ40の検出信号をA/D
変換する変換部であり、EGRバルブの現在の開閉位置
に対応する電圧(以下、「現在値」という)を出力す
る。これらの目標値と現在値の偏差に基づいて、PID
制御量演算部63が比例成分(P成分)、積分成分(I
成分)、微分成分(D成分)を合わせたPID制御量
(電圧)を演算して出力する。そのPID制御量は、駆
動デューティー演算部64によって直流モータ20の駆
動デューティー(PID制御用駆動デューティー)に変
換される。その演算部64は、前述した図4のリターン
トルクによる作動特性の傾きKを考慮して{(PID制
御量)/K}の補正を加え、リターントルクによる作動
特性の影響を小さくする。
【0040】このようにして、目標値と現在値との偏差
に基づいて直流モータ20をPID制御するフィードバ
ック制御系が構成されている。そのPID制御系からの
駆動デューティーは、後述するフィードフォワード制御
系からの駆動デューティーを補うように加算されて直流
モータ20の駆動デューティーとなる。
【0041】65はフィードフォワード制御部であり、
前述した図4中のラインD、D′のようなセンサ出力値
(目標値)と駆動デューティーとの関係から、目標値に
対応する直流モータ20の駆動デューティーを演算して
出力する。本例の制御部65は、直流モータ20の回動
方向つまりバルブ11の開閉方向を検知する開動方向検
知部66の検知方向に応じて、異なる駆動デューティー
を演算して出力する。すなわち、バルブ11が開動する
ときは、前述した図4中のラインDの関係から目標値に
対応する駆動デューティーを算出し、一方、バルブ11
が閉動するときは、図4中のラインD′の関係から目標
値に対応する駆動デューティーを算出する。検知部66
は、現在値と、それよりも一時刻前の現在値とを比較
し、それらの差がプラスであるかマイナスであるかによ
って、直流モータ20の回動方向を検知する。このよう
にして、現在値に応じて直流モータ20を制御するフィ
ードフォワード制御系が構成されている。
【0042】フィードバック制御系とフィードフォワー
ド制御系のそれぞれからの駆動デューティーは加算され
て、モータ駆動デューティーとして出力される。したが
って、フィードフォワード制御系によって、リターント
ルク分のモータトルク発生用の駆動電圧がバルブ11の
開閉方向に応じて常に加えられ、それによる現在値と目
標値との偏差分(フィードフォワード制御の過不足分)
を補うように、フィードバック制御系がPID制御する
ことになる。この結果、バルブ11の開閉方向の如何に
拘わらずフィードバック制御量を比較的小さくして、振
動の発生を抑制できることになる。
【0043】D.「制御装置の初期設定動作」 原点の整合処理部67は、初期動作制御手段およびバル
ブ原点S2の演算手段として機能し、バルブ11の高精
度の開度制御を可能とすべく、エンジン始動時にバルブ
原点S2を正確に把握した上、目標位置演算部61にて
求められた開閉位置とバルブ原点S2との整合性をと
る。
【0044】図5は、バルブ原点S2の読み込みのため
のメインルーチンであり、まず、モータ20の駆動デュ
ーティーを“0”にセットしてから(ステップS1)、
図6の割り込み処理ルーチンのタイマ割り込みをセット
して(ステップS2)、図6の割り込み処理ルーチンの
割り込みを許可する(ステップS3)。そのタイマ割り
込みのインターバルは例えば20msecであり、その
インターバルで図6の割り込み処理ルーチンが繰り返し
実行される。そして、フラグチェックなどの手法によっ
て、図6の割り込み処理ルーチンによる原点読み込み処
理終了の報知を待ち(ステップS4)、その終了後にタ
イマ割り込みを解除する(ステップS5)。
【0045】図6の割り込み処理では、まず、現在設定
されている駆動デューティーD(t)によってモータ2
0を駆動して(ステップS11)、そのときのポジショ
ンセンサ40のセンサ出力値S(t)を読み込む(ステ
ップS12)。初回の割り込み処理において、図4のス
テップS1にて駆動デューティーが“0”にセットされ
ているとき、つまり駆動デューティーD(t)が“0”
であるときは、そのときのセンサ出力値S(t)をロー
タ原点S1として保存してから(ステップS13、S1
4)、駆動デューティーD(t)を1段アップする(ス
テップS15)。駆動デューティーは、例えば、100
%を8ビットで表した場合には、(100/255)%
を1段分として設定することができる。
【0046】次回の割り込み処理では、ステップS13
からステップS16に進むことになり、前回と今回にお
けるセンサ出力値S(t−1)、S(t)の差△Sを求
める。その差△Sが基準値(15mV)以下であるとき
は、図4中のAライン上にてロータ21が動かないと判
断して、カウンタCの値を“0”にリセットしてから
(ステップS17、S18)、駆動デューティーD
(t)を1段アップする(ステップS15)。一方、差
△Sが基準値(15mV)を越えたときは、図4中のB
ライン上にてロータ21が回動したと判断して、カウン
タCの値をインクリメントする(ステップS17、S1
9)。そして、そのカウンタCの値が8以下のときは、
その値のまま駆動デューティーD(t)を1段アップす
る(ステップS15)。
【0047】カウンタCの値が8を越えたときは、図4
中のラインC上に入ったと判断し、10回前から13回
前までのセンサ出力値S(t−10)、S(t−1
1)、S(t−12)、S(t−13)の平均、つまり
図4中のラインB上における複数のセンサ出力値の平均
を求め、それをバルブ原点S2として保存する(ステッ
プS21)。その後、駆動デューティーD(t)を
“0”に戻してモータ20を停止させてから(ステップ
S22)、原点読み込み処理の終了をフラグなどによっ
て報知する(ステップS23)。
【0048】本例では、バルブ11のフルストロークを
5mm、センサ出力値Sの最大変化幅を4V、駆動デュ
ーティーの1段を(100/255)%としているた
め、計算上、駆動デューティー1段当たりのセンサ出力
値Sの変化幅は15.6mVとなる。実際には、図4中
のラインD上における駆動デューティーの変化幅20%
程度となり、駆動デューティー1段当たりのセンサ出力
値Sは15.6mVの数倍の変化幅となる。したがっ
て、ステップS17における判断基準値を15mVに設
定することにより、ロータ21の動きの有無が確実に判
断できた。また、本例では、図4中のラインB上におい
て、駆動デューティーの最大6段階程度のアップが見込
まれる。したがって、ステップS20におけるカウンタ
Cの判断基準を8回とすることにより、図4中のライン
B上に入ったときと、ラインD上に入ったときとを判別
して、そのラインD上に入ったことが確実に判断でき
た。
【0049】原点の整合処理部67は、このように正確
に認識したバルブ原点S2と、目標位置演算部61にて
求められた目標開閉位置との整合性をとる。すなわち、
下式のように、目標位置演算部61にて求められた目標
値をSAとし、その値SAにバルブ原点S2の値を加算
することによって、整合性をとった目標値SBを求め
る。
【0050】
【数2】SB=SA+S2 原点の整合処置部67は、このようにバルブ原点S2を
“0”とした目標値SBを出力する。この結果、バルブ
11を高精度の開度制御できることになる。
【0051】また、ロータ原点S1とバルブ原点S2を
求めた直後には、図7の原点チェック処理を実行するよ
うにしてもよい。
【0052】すなわち、バルブ原点S2とロータ原点S
1のセンサ出力値の差が10mV以上であるか否かを判
定し(ステップS31)、それが肯定判定のときは、正
常であると判断して処理を終了する。一方、否定判定の
ときは、バルブシャフト14とモータシャフト31との
間の遊びSの間隔が小さくて、バルブ11が完全に閉成
できなくなる可能性がある判断し、EGRバルブの機能
異常として対処する。すなわち、モータ20の電源リレ
ーをOFFにしてモータ20の駆動を停止させ(ステッ
プS32)、EGRバルブが作動しないことをエンジン
コントローラに知らせると共に、ワーニングランプを点
灯してドライバーにも知らせる(ステップS33、S3
4)。
【0053】(第2の実施形態)図8から図13は、こ
の発明の第2の実施形態を説明するための図である。前
述した第1の実施形態と同様の部分には同一符号を付し
て説明を省略する。
【0054】本例の場合は、図8における原点の整合処
理部67と最大変位量の整合処理部68によって、図4
中のロータ原点S1、バルブ原点S2、最大変位点S
3、および駆動デューティーD3、D4、D5を求めて
EGRバルブのバルブ作動特性を認識した上、そのEG
Rバルブを制御するようになっている。
【0055】図9は、バルブ作動特性の読み込みのため
のメインルーチンであり、まず、モータ20の駆動デュ
ーティーを“0”にセットしてから(ステップS4
1)、フラグFをクリアする(ステップS42)。それ
から、図10および図11の一連の割り込み処理ルーチ
ンのタイマ割り込みをセットして(ステップS43)、
その割り込み処理ルーチンの割り込みを許可する(ステ
ップS44)。そのタイマ割り込みのインターバルは例
えば20msecであり、そのインターバルで図10お
よび図11の一連の割り込み処理ルーチンが繰り返し実
行される。そして、フラグチェックなどの手法によっ
て、その割り込み処理ルーチンによるバルブ作動特性の
読み込み処理終了の報知を待ち(ステップS45)、そ
の終了後にタイマ割り込みを解除する(ステップS4
6)。
【0056】図10および図11の一連の割り込み処理
において、その前段の図10の処理は、そのステップS
51からS61のそれぞれが前述した図6中のステップ
S11からS21と同様であり、その図6にステップS
54A、S56A、S62、S63を加えた処理となっ
ている。ステップS45Aは、ステップS54にてロー
タ原点S1が設定された後に、フラグFを「A」にセッ
トする。ステップS56Aは、ステップS56の後にフ
ラグFを判定し、そのフラグFが「A」であるときはス
テップS57に進み、それが「A」でないときは図11
のステップS64に進む。ステップS62は、ステップ
S61にてバルブ原点S2が設定された後に、9回前の
駆動デューティーD(t−9)を図4中のP3時点の駆
動デューティーD3として保存する。ステップS63
は、その後に、フラグFを「D」にセットする。この
「D」は、図4中のラインD上の制御状況にあることを
意味する。
【0057】図11の後段の割り込み処理においては、
まず、ステップS64にてフラグFを判定し、それが
「D」であるときは以下の処理をする。すなわち、前回
と今回におけるセンサ出力値S(t−1)、S(t)の
差△Sが基準値(15mV)以上であるときは、図4中
のDライン上にてロータ21が回動していると判断し
て、カウンタCの値を“0”にリセットしてから(ステ
ップS65、S66)、駆動デューティーD(t)を1
段アップする(ステップS55)。一方、差△Sが基準
値(15mV)よりも小さいときは図4中のEライン上
にてロータ21が動かなくなったと判断して、カウンタ
Cの値をインクリメントする(ステップS65、S6
7)。そして、そのカウンタCの値が10以下のとき
は、その値のまま駆動デューティーD(t)を1段アッ
プする(ステップS68、S55)。そのカウンタCの
値が10を越えたときは、今回から3回前までのセンサ
出力値S(t)、S(t−1)、S(t−2)、S(t
−3)の平均、つまり図4中のラインE上における複数
のセンサ出力値の平均を求め、それを図4中の最大変位
点S3として保存する(ステップS68、S69)。そ
の後、11回前の駆動デューティーD(t−11)を図
4中のP4時点の駆動デューティーD4として保存して
から(ステップS70)、フラグFを「E」にセットす
る(ステップS71)。
【0058】先のステップS64での否定判定後のステ
ップS72において、フラグFが「E」であると判定さ
れたときは、以下の処理をする。すなわち、前回と今回
におけるセンサ出力値S(t−1)、S(t)の差△S
が基準値(−15mV)以上のときは、図4中のEライ
ン上にてロータ21が動かないと判断して、カウンタC
の値を“0”にリセットしてから(ステップS73、S
74)、駆動デューティーD(t)を1段ダウンさせる
(ステップS75)。一方、差△Sが基準値(−15m
V)よりも小さいときは図4中のD′ライン上にてロー
タ21が動いていると判断して、カウンタCの値をイン
クリメントする(ステップS73、S76)。そして、
そのカウンタCの値が8を越えたときは、9回前の駆動
デューティーD(t−9)を図4中のP5時点の駆動デ
ューティーD5として保存する(ステップS78)。そ
の後、駆動デューティーD(t)を“0”に戻してモー
タ20を停止させてから(ステップS79)、バルブ作
動特性の読み込みの終了をフラグなどによって報知する
(ステップS80)。
【0059】以上のようにして、ロータ原点S1、バル
ブ原点S2、最大変位点S3、および駆動デューティー
D3、D4、D5を求めることによって図4のEGRバ
ルブの作動特性が認識でき、その作動特性に基づいて、
そのEGRバルブを高精度に制御できることになる。ま
た、センサ40のリニアリティ誤差、およびセンサ40
やロータ21のストッパー(ストッパープレート31、
ストッパー部2A)の組み付け誤差などに起因する制御
上の不具合、例えば、バルブ11の全開時の目標値が最
大変位点S3よりも大きくずれたために、モータ20に
無用な電流が流れつづけてしまうというような不具合が
回避できる。
【0060】また、P3時点の駆動デューティーD3と
バルブ原点S2、P4時点の駆動デューティーD4と最
大変位点S3、およびP5時点の駆動デューティーD5
と最大変位点S3を用いて、次のようにして、図4中F
の制御用直線の方程式(1)を求めることができる。X
は横軸、Yは縦軸、Kは傾きである。
【0061】
【数3】
【0062】このようにして、直線Fを求めることによ
り、特に、EGRバルブにおける温度依存性に対応し
て、より高精度な制御が可能となる。すなわち、図1の
ような構成のEGRバルブにおいては、モータ20の界
磁マグネットとして利用されるフェライトなどのB−H
特性に温度依存性があり、また電機子コイルとして利用
される導線の抵抗値にも温度依存性がある。このことか
ら、モータ20はトルク特性に温度依存性をもつことに
なり、必然的に、このモータ20のモータトルクとリタ
ーントルクとのバランスによって駆動されるEGRバル
ブは作動特性に温度依存性をもつことになる。エンジン
始動時において、このようなEGRバルブの制御用直線
Fを求めることは、その温度依存性に対応した制御を可
能とする。
【0063】さらに、EGRバルブの組み付け異常によ
る過大なフリクションやコイル断線などによって生じる
モータ20の出力異常を含め、EGRバルブの異常診断
をすることもできる。図12は、そのような異常診断の
ための処理の例であり、EGRバルブの作動特性を求め
た直後に実行する。
【0064】まず、図4中のP3時点の駆動デューティ
ーD3が40%よりも大きいか否かを判定し(ステップ
S91)、それが肯定判定のときは、モータ21の断
線、整流子部の接触不良などによって駆動デューティー
D3が異常に大きくなったと判断して、エラー処理をす
る(ステップS94)。すなわち、モータ20の電源ラ
イン中の電源リレーをOFFにして、モータ20を駆動
不能とし、かつEGRバルブが作動しないことをエンジ
ンコントローラに知らせると共に、ワーニングランプを
点灯してドライバーにも知らせる。
【0065】次に、最大変位点S3が4.3Vよりも小
さいか否かを判定し(ステップS92)、それが肯定判
定のときは、センサ21や可動部の何らかの異常干渉に
よって、最大バルブ開度が異常に小さくなったと判断し
て、エラー処理をする(ステップS94)。この結果、
モータ20に大電流が流れつづけてしまうことが回避で
きることになる。
【0066】次に、駆動デューティーD4、D5の間、
つまり最大バルブ開度時におけるヒステリシス幅が15
%よりも大きいか否かを判定し(ステップS93)、そ
れが肯定判定のときは、可動部のフリクションが異常に
大きくなったと判断して、エラー処理をする(ステップ
S94)。この結果、ハンチングの発生などによる制御
性の悪化が回避できることになる。
【0067】また、図8中の最大変位量の整合処理部6
8は、最大変位点S3に基づいて、図13のような最大
変位量整合処理をする。
【0068】すなわち、制御の目標値が最大変位点S3
を越えたときに、その目標値を最大変位点S3に変更す
る(ステップS101、S102)。このように最大目
標値を最大変位点S3に抑えることにより、目標値が最
大変位点S3を越えた場合の不具合、つまりストッパー
プレート31とストッパー部2Aとによってモータ20
が回動限位置に規制されたまま、モータ20に駆動電流
が無用に流されつづけてしまうために発熱して温度障害
をまねくという不具合が回避できることになる。
【0069】(第3の実施形態)フィードフォワード制
御部65は、図4中の直線Fを想定して駆動デューティ
ーを求めるようにしてもよい。すなわち、直線Fは、ラ
インD、D′の立ち上がり時点P3、P6の駆動デュー
ティーD3、D6の中間DFから立ち上がる傾きKの仮
想の直線であり、その傾きKと中間の駆動デューティー
DFを考慮して、{(目標値に相当するセンサ出力値)
/K+DF}の補正を加え、リターントルクによる作動
特性の影響を小さくする。したがって、直線Fのような
目標値と直流モータ20の駆動デューティーとの関係か
ら、目標値に対応するオフセット制御用駆動デューティ
ーを直流モータ20の回動方向の如何に拘わらず演算で
きることになる。
【0070】この結果、ラインD、F間およびライン
D′、F間のトルク差分だけ外乱の影響を受けにくくな
り、EGRバルブを安定的に制御しやすくなる。
【0071】(第4の実施形態)前述した図5のライン
D、D′、Fは学習によって取得することができる。
【0072】その取得手順は、まず、目標値と現在値が
所定の単位時間内にほぼ一致する毎に、その時々の目標
値と直流モータ20の駆動デューティーを保存して、1
つの目標値に対して所定数の駆動デューティーのデータ
を取得してから、1つの目標値毎における駆動デューテ
ィーの平均値を1つずつ求める。そして、それらの目標
値毎の平均値からラインD、D′、Fの傾きKと立ち上
がり時点の駆動デューティーD3、D6、DFを近似計
算する。このようにして求めたラインD、D′、Fに関
してのデータが古くなった場合には、それを求め直して
更新する。
【0073】(第5の実施形態)また、フィードバック
制御系によって、リターントルクと逆方向のモータトル
クを発生させるべく、直流モータ20を一方向にのみ通
電制御するだけではなく、リターントルクと同方向のモ
ータトルクを発生させるべく、直流モータ20を他方向
にも通電制御するようにしてもよい。その場合には、直
流モータ20を一方向に通電制御するときのPID制御
量をプラスとし、それがマイナスとなったときのPID
制御量に応じて直流モータ20を他方向に通電制御すれ
ばよい。このように、リターントルクと同方向のモータ
トルクを発生させることにより、バルブ11の閉動方向
の応答性が向上することになる。
【0074】図14は、このように直流モータ20を双
方向通電する場合における回路構成例の説明図である。
本例の場合は、4組のトランジスタ71、72、73、
74とダイオード75、76、77、78を組み合わせ
た構成とされ、前述した実施形態と同様に直流モータ2
0をチョッパ制御するようになっている。すなわち、直
流モータ20を一方向に通電制御するときには、トラン
ジスタ71をオンにして、トランジスタ72をPWM信
号によりスイッチ動作させ、また直流モータ20を他方
向に通電制御するときには、トランジスタ73をオンに
して、トランジスタ74をPWM信号によりスイッチ動
作させる。81、82、83、84は、トランジスタ7
1、72、73、74と制御部50との間のインターフ
ェースである。
【0075】(第6の実施形態)遊びSの間隔は、短期
間に変化するものではないため、バルブ原点S2の検出
動作をエンジンスタート時あるいはエンジンオフ(OF
F)時にのみに行ってもよい。このことは、EGRバル
ブが作動不能となる時期を短くすることになり、常時、
それを制御可能状態とする上において好ましい。
【0076】また、バルブ原点S2の検出時間を短縮す
るためには、駆動デューティーを“0”から1段ずつア
ップさせるよりも、図4中のP2時点近傍の駆動デュー
ティーから1段ずつアップさせることが好ましい。例え
ば、図4中のP1時点の駆動デューティーD1が24
%、P2時点の駆動デューティーD2が26%である場
合には、その駆動デューティーを24%から26%を含
む小範囲で変化させることによって、バルブ原点S2が
短時間で検出できることになる。図15は、このように
バルブ原点検出時における初期の駆動デューティーを大
きく設定した場合の検出動作を説明するためのフローチ
ャートであり、エンジンステート時に実行される。
【0077】まず、バルブ原点検出動作開始時点の駆動
デューティーDAを出力してモータ20を駆動する(ス
テップS111)。その駆動デューティーDAは、例え
ば、図4中のP1時点の駆動デューティーD1が24%
程度、P2時点の駆動デューティーD2が26%程度で
ある場合には、22%程度に設定する。それから、駆動
デューティーを1段アップさせる(ステップS11
2)。そのアップの程度は、例えば、1%当たりを30
0msecかけてアップさせる程度とする。そのアップ
の程度が大きすぎた場合には、モータシャフト31がバ
ルブシャフト14に勢いよく当たって、バルブ原点S2
の検出精度が悪化してしまい、その程度が小さすぎた場
合には検出時間が長くなってしまう。
【0078】その後、センサ出力値の変化幅が所定の基
準変化幅Swとなったか否かを判定する(ステップS1
13)。その比較基準の変化幅Swは、例えば、遊びS
(図1参照)の間隔が0.2mm程度である場合には、
バルブ11を0.1mm開動させるために要する程度の
センサ出力の変化幅に設定する。そして、センサ出力値
が変化幅Swを越えたときは、図4中のラインB上にて
ロータ21が回動したと判断し、ステップS114に
て、今回と前回のセンサ出力値S(t)とS(t−1)
の差が所定の基準差△Sc以下であるか否かを判定す
る。その基準差△Scを越えているときは、図4中のラ
インB上にてロータ21が回動していると判断し、カウ
ンタC1をクリアする(ステップS115)。センサ出
力値S(t)とS(t−1)の差が所定の基準差△Sc
以下のときは、図4中のラインC上にてロータ21が動
かないと判断し、カウンタC1をインクリメントする
(ステップS116)。その基準差△Scは、例えば、
バルブ11が18μm開動するときのセンサ出力値の変
化幅以下に設定する。
【0079】そして、カウンタC1の値が25以上とな
ったときに、その25回のカウント時期におけるライン
C上の計25点のセンサ出力の平均値を求め、それをバ
ルブ原点S2とする。例えば、図15の処理ルーチンの
制御周期が4msecの場合には、100msec(4
msec×25回)連続してバルブ11が静止したとき
に、バルブ原点S2が求められることになる。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明は、付勢手段によるリターントルクと直流モータの
モータトルクとのバランスによりバルブを開閉させるト
ルクバランス駆動方式を採用した上、直流モータとバル
ブとの間の動力伝達系中に所定の遊びを形成し、さらに
バルブの開き始めの時点における直流モータの動作位置
を求めることにより、EGRバルブの開度を高い分解能
をもって高精度に制御可能とし、かつバルブの完全な閉
成を補償した上、EGRバルブの閉成位置とバルブ駆動
用モータの動作原点とを確実に対応づけて、常に正確な
開閉制御ができる。
【0081】請求項2に記載の発明は、直流モータを最
大動作範囲において往復動させて、その直流モータのモ
ータトルクと動作位置との関係からEGRバルブの作動
特性を求めることにより、EGRバルブの作動特性を正
確に把握して、より高精度の制御が可能となる。
【0082】請求項3に記載の発明は、直流モータをP
WM信号によるチョッパ制御することができる。
【0083】請求項4に記載の発明は、直流モータのモ
ータシャフトとバルブシャフトとの対向面間に遊びの隙
間を形成することにより、それらのシャフトによって、
バルブの完全な閉成を補償する動力伝達系を簡易に構成
することができる。
【0084】請求項5に記載の発明は、リターントルク
と同方向にもモータトルクを発生させるように直流モー
タを制御することにより、リターントルクの付与方向に
おけるEGRバルブの応答性を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態におけるEGRバル
ブの縦断面図である。
【図2】この発明の第1の実施形態における制御部の概
略説明図である。
【図3】図2における制御部のブロック構成図である。
【図4】図1のEGRバルブの作動特性の説明図であ
る。
【図5】図2における制御部の原点読み込み処理用メイ
ンルーチンを説明するためのフローチャートである。
【図6】図2における制御部の割り込み処理を説明する
ためのフローチャートである。
【図7】図2における制御部の原点チェック処理を説明
するためのフローチャートである。
【図8】この発明の第2の実施形態における制御部のブ
ロック構成図である。
【図9】図8における制御部のバルブ作動特性の読み込
み処理用メインルーチンを説明するためのフローチャー
トである。
【図10】図8における制御部の割り込み処理を説明す
るためのフローチャートである。
【図11】図8における制御部の割り込み処理を説明す
るためのフローチャートである。
【図12】図8における制御部の異常診断処理を説明す
るためのフローチャートである。
【図13】図8における制御部の最大変位量整合処理を
説明するためのフローチャートである。
【図14】この発明の第5の実施形態における直流モー
タの駆動回路の説明図である。
【図15】この発明の第6の実施形態におけるバルブ原
点の検出動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
11 バルブ 12 シート 19 スプリング(付勢手段) 20 直流モータ 40 ポジションセンサ 50 制御部 61 目標位置演算部 62 A/D変換部 63 PID制御量演算部 64 駆動デューティー演算部 65 フィードフォワード制御部 66 開動方向検知部 67 原点の整合処理部 68 最大変位量の整合処理部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 付勢手段によってEGRバルブの閉方向
    に所定のリターントルクが付与され、かつ直流モータに
    よってEGRバルブの開方向に可変のモータトルクが付
    与され、それらのトルクバランスにより開閉されるEG
    Rバルブの制御装置であって、 前記直流モータのモータトルクを前記EGRバルブに伝
    達し、かつ前記EGRバルブの閉成時に所定量の遊びを
    形成する動力伝達系と、 前記直流モータの動作位置を検出する検出手段と、 前記EGRバルブの閉成時から前記直流モータのモータ
    トルクを漸次増大させる初期動作制御手段と、 前記初期動作制御手段によって漸次増大される前記直流
    モータのモータトルクの変化と、前記検出手段によって
    検出される前記直流モータの動作位置の変化との関係か
    ら、前記EGRバルブの開き始めの時点における前記直
    流モータの動作位置を求める演算手段とを備えたことを
    特徴とするEGRバルブの制御装置。
  2. 【請求項2】 前記初期動作制御手段は、前記直流モー
    タを最大動作範囲において往復動させるように該直流モ
    ータのモータトルクを漸次増大させてから漸次減少さ
    せ、 前記演算手段は、前記直流モータのモータトルクの変化
    と、前記検出手段によって検出される前記直流モータの
    動作位置の変化との関係から、前記EGRバルブの作動
    特性を求めることを特徴とする請求項1に記載のEGR
    バルブの制御装置。
  3. 【請求項3】 前記初期動作制御手段は、前記直流モー
    タをPWM制御することによってモータトルクを制御す
    ることを特徴とする請求項1または2に記載のEGRバ
    ルブの制御装置。
  4. 【請求項4】 前記動力伝達系は、 前記EGRバルブに連結され、一方向に押されることに
    よって前記EGRバルブを開くバルブシャフトと、 前記直流モータの動作量に応じて直線移動され、かつ前
    記EGRバルブの閉成時に前記バルブシャフトと所定の
    遊び隙間をおいて対向し、前記直流モータのモータトル
    クの増大に伴い、前記バルブシャフトに当接してから該
    バルブシャフトを一方向に押すモータシャフトとを有す
    ることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の
    EGRバルブの制御装置。
  5. 【請求項5】 前記直流モータは、一方向および他方向
    の通電によって前記EGRバルブに開方向および閉方向
    のモータトルクを付与可能であることを特徴とする請求
    項1から4のいずれかに記載のEGRバルブの制御装
    置。
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