JPH11129073A - チタンクラッド鋼板の突合せ接合方法 - Google Patents
チタンクラッド鋼板の突合せ接合方法Info
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- JPH11129073A JPH11129073A JP31287997A JP31287997A JPH11129073A JP H11129073 A JPH11129073 A JP H11129073A JP 31287997 A JP31287997 A JP 31287997A JP 31287997 A JP31287997 A JP 31287997A JP H11129073 A JPH11129073 A JP H11129073A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】突合せ溶接部のチタンクラッド鋼の母材である
鋼の部分に海水等が侵入することを防止して耐食性を向
上させる。 【解決手段】チタン合せ材２と母材１の一部を切り欠い
てＶ溝開先加工をしたチタンクラッド鋼３ａ，３ｂを位
置決めして固定し、チタンクラッド鋼３ａ，３ｂの接合
部に突合せ継手部４を形成する。突合せ継手部４の母材
１間を溶接する。溶接金属５の上部の開先面に純チタン
を溶射して溶射被膜７を形成する。溶射被膜７に銀を主
成分としたろう材９を充填してろう接合して溶射被膜上
部の凹みをろう材で埋める。ろう材９とチタン合せ材３
ａ，３ｂの上部にチタンのカバープレート１０を載せ、
カバープレート１０をチタン合せ材３ａ，３ｂにチタン
ワイヤを用いたＴＩＧ溶接で重ね隅肉溶接する。端縁部
の連結部をチタンワイヤを用いたＴＩＧ溶接でシーリン
グ溶接する。
鋼の部分に海水等が侵入することを防止して耐食性を向
上させる。 【解決手段】チタン合せ材２と母材１の一部を切り欠い
てＶ溝開先加工をしたチタンクラッド鋼３ａ，３ｂを位
置決めして固定し、チタンクラッド鋼３ａ，３ｂの接合
部に突合せ継手部４を形成する。突合せ継手部４の母材
１間を溶接する。溶接金属５の上部の開先面に純チタン
を溶射して溶射被膜７を形成する。溶射被膜７に銀を主
成分としたろう材９を充填してろう接合して溶射被膜上
部の凹みをろう材で埋める。ろう材９とチタン合せ材３
ａ，３ｂの上部にチタンのカバープレート１０を載せ、
カバープレート１０をチタン合せ材３ａ，３ｂにチタン
ワイヤを用いたＴＩＧ溶接で重ね隅肉溶接する。端縁部
の連結部をチタンワイヤを用いたＴＩＧ溶接でシーリン
グ溶接する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば海洋構造
物等の大型の鋼構造物等の外周に被覆するチタンクラッ
ド鋼板の突合せ接合方法に関するものである。
物等の大型の鋼構造物等の外周に被覆するチタンクラッ
ド鋼板の突合せ接合方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】チタンはチタン類似の金属と接合できる
が、チタンクラッド鋼の接合においては異材接合を含む
ことになり、チタンと母材である炭素鋼あるいは低合金
鋼とをアルゴン，ヘリウム等の不活性ガスを用いてアー
ク溶接すると、溶接金属中に鉄が多量に溶け込みＦｅ−
Ｔｉの金属間化合物やＴｉＣあるいはＴｉＮ等の化合物
が多量に形成され、これらの化合物が溶接金属を脆化さ
せるために接合不可能といってもよい。このため、従来
はチタンと鋼材あるいはチタンクラッド鋼どうしを接合
するいわゆる異材接合の場合には真空炉内でろう付によ
り接合するか、拡散接合のように金属間化合物を形成し
ないインサート材を挿入して接合している。このため接
合するときに大きな制約があり、現場での接合ができな
かった。
が、チタンクラッド鋼の接合においては異材接合を含む
ことになり、チタンと母材である炭素鋼あるいは低合金
鋼とをアルゴン，ヘリウム等の不活性ガスを用いてアー
ク溶接すると、溶接金属中に鉄が多量に溶け込みＦｅ−
Ｔｉの金属間化合物やＴｉＣあるいはＴｉＮ等の化合物
が多量に形成され、これらの化合物が溶接金属を脆化さ
せるために接合不可能といってもよい。このため、従来
はチタンと鋼材あるいはチタンクラッド鋼どうしを接合
するいわゆる異材接合の場合には真空炉内でろう付によ
り接合するか、拡散接合のように金属間化合物を形成し
ないインサート材を挿入して接合している。このため接
合するときに大きな制約があり、現場での接合ができな
かった。
【０００３】このチタンクラッド鋼を現場で接合できな
いことを解消するするために、例えば特開昭52−92839
号公報や特開昭52−126643号公報，特開平２−52176号
公報、特公平６−71669号公報，特公平７−236号公報等
に真空炉等を使用しないでチタンクラッド鋼を突合せ溶
接する方法が開示されている。
いことを解消するするために、例えば特開昭52−92839
号公報や特開昭52−126643号公報，特開平２−52176号
公報、特公平６−71669号公報，特公平７−236号公報等
に真空炉等を使用しないでチタンクラッド鋼を突合せ溶
接する方法が開示されている。
【０００４】特開昭52−92839号公報に示された突合せ
溶接方法は、母材の炭素鋼を溶接してからチタン合せ材
の開先に溝形の凹みを有するチタン当板を挿入して母材
と溶接金属を覆い、チタン合せ材とチタン当板を溶接し
ている。また、特開昭52−126643号公報に示された溶接
方法は、母材を溶接してから薄いチタン合せ材の上にチ
タン当板を置き、チタン当板をチタン合せ材にシリーズ
シーム抵抗溶接で接合している。特開平２−52176号公
報に示された溶接方法は、突合せ継手のチタン合せ材の
部分に切欠き部を設け、母材の端部を裏面から溶接して
から切欠き部にチタンスペーサを置き、チタンスペーサ
とチタン合せ材を銀ろうでろう付けしてからチタンスペ
ーサとチタン合せ材の上に当て板を載せてチタン合せ材
に当て板を隅肉溶接したり、母材のチタン合せ材側に切
欠き部を設け、チタン合せ材の溶接部が母材と接触しな
いようにして、母材の端部を裏面から溶接し、チタン合
せ材の端部を表面から溶接している。
溶接方法は、母材の炭素鋼を溶接してからチタン合せ材
の開先に溝形の凹みを有するチタン当板を挿入して母材
と溶接金属を覆い、チタン合せ材とチタン当板を溶接し
ている。また、特開昭52−126643号公報に示された溶接
方法は、母材を溶接してから薄いチタン合せ材の上にチ
タン当板を置き、チタン当板をチタン合せ材にシリーズ
シーム抵抗溶接で接合している。特開平２−52176号公
報に示された溶接方法は、突合せ継手のチタン合せ材の
部分に切欠き部を設け、母材の端部を裏面から溶接して
から切欠き部にチタンスペーサを置き、チタンスペーサ
とチタン合せ材を銀ろうでろう付けしてからチタンスペ
ーサとチタン合せ材の上に当て板を載せてチタン合せ材
に当て板を隅肉溶接したり、母材のチタン合せ材側に切
欠き部を設け、チタン合せ材の溶接部が母材と接触しな
いようにして、母材の端部を裏面から溶接し、チタン合
せ材の端部を表面から溶接している。
【０００５】特公平６−71669号公報に示された溶接方
法は、突合せ継手のチタン合せ材の部分に切欠き部を設
け、母材の端部を溶接してから、母材端面とチタン合せ
材の接合コーナ部分に溶着ＣｏビードをＴＩＧ溶接若し
くはろう接で形成せしめ、あるいは耐熱性、断熱耐火性
セラミックスを塗布し、切欠き部に被覆材を挿入してチ
タン合せ材と被覆材を溶接している。また、特公平７−
236号公報に示された溶接方法は、突合せ継手のチタン
合せ材の部分に切欠き部を設け、母材の端部を溶接して
から、切欠き部にスペーサを挿入し、銀を71.0〜73.0％
有する溶材を用いてＴＩＧアーク溶接でチタン合せ材と
スペーサとを接合している。
法は、突合せ継手のチタン合せ材の部分に切欠き部を設
け、母材の端部を溶接してから、母材端面とチタン合せ
材の接合コーナ部分に溶着ＣｏビードをＴＩＧ溶接若し
くはろう接で形成せしめ、あるいは耐熱性、断熱耐火性
セラミックスを塗布し、切欠き部に被覆材を挿入してチ
タン合せ材と被覆材を溶接している。また、特公平７−
236号公報に示された溶接方法は、突合せ継手のチタン
合せ材の部分に切欠き部を設け、母材の端部を溶接して
から、切欠き部にスペーサを挿入し、銀を71.0〜73.0％
有する溶材を用いてＴＩＧアーク溶接でチタン合せ材と
スペーサとを接合している。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭52−92839
号公報に示されたように、チタン当板をチタン合せ材を
シーム抵抗溶接により接合していると、シーム抵抗溶接
装置が大型となり、現場での溶接施工には適さなかっ
た。また、特開昭52−92839号公報や特開昭52−126643
号公報，特開平２−52176号公報に示された接合方法
は、溶接部のチタン合せ材間に入れたスペーサと母材と
の間に空隙ができ、この空隙が接合強度を低下させてし
まう。さらに、この空隙の部分から海水等が侵入してし
まうと、侵入した海水により母材の腐食が促進されるた
め、海洋構造物など海水に触れる構造物には使用できな
かった。
号公報に示されたように、チタン当板をチタン合せ材を
シーム抵抗溶接により接合していると、シーム抵抗溶接
装置が大型となり、現場での溶接施工には適さなかっ
た。また、特開昭52−92839号公報や特開昭52−126643
号公報，特開平２−52176号公報に示された接合方法
は、溶接部のチタン合せ材間に入れたスペーサと母材と
の間に空隙ができ、この空隙が接合強度を低下させてし
まう。さらに、この空隙の部分から海水等が侵入してし
まうと、侵入した海水により母材の腐食が促進されるた
め、海洋構造物など海水に触れる構造物には使用できな
かった。
【０００７】また、特公平６−71669号公報に示された
ように、クロムや断熱耐火性セラミックス等を使用して
いると施工性が非常に悪く、作業能率が低下してしま
う。また、特公平７−236号公報に示されたように、銀
を71.0〜73.0％有する溶材を使用した場合は、溶材のコ
ストが非常の高くなり、大型構造物に対して適用するこ
とは価格的に困難であった。
ように、クロムや断熱耐火性セラミックス等を使用して
いると施工性が非常に悪く、作業能率が低下してしま
う。また、特公平７−236号公報に示されたように、銀
を71.0〜73.0％有する溶材を使用した場合は、溶材のコ
ストが非常の高くなり、大型構造物に対して適用するこ
とは価格的に困難であった。
【０００８】さらに、特公平６−71669号公報や特公平
７−236号公報に示されたように、溶接材料としてコバ
ルトや銀ろうを用いてＴＩＧ溶接やろう付けする方法で
は、溶接電流が高くなり過ぎると、スペーサの下の母材
を大きく溶融させる可能性がある。溶融した母材の鋼材
の成分が溶融池に入り込む。溶接材料としてコバルトや
銀ろうを用いてもＦｅ−Ｔｉ系の金属間化合物が生成し
易くなり、溶接金属を脆化させてしまう。このため溶接
電流を低く押さえる必要があり、作業性が悪かった。さ
らに溶接材料としてコバルトや銀ろうを用いると、コス
トが高くなってしまう。また、立向きや上向きなどの姿
勢でろう付けする場合には、高度の技術が必要であっ
た。また、ろう材を使用する方法では、ろう材の海水耐
食性がチタンの海水耐食性より下回ってしまうという欠
点がある。さらに、ろう材とチタンのガルバニック腐食
を促進する場合も考えられる。
７−236号公報に示されたように、溶接材料としてコバ
ルトや銀ろうを用いてＴＩＧ溶接やろう付けする方法で
は、溶接電流が高くなり過ぎると、スペーサの下の母材
を大きく溶融させる可能性がある。溶融した母材の鋼材
の成分が溶融池に入り込む。溶接材料としてコバルトや
銀ろうを用いてもＦｅ−Ｔｉ系の金属間化合物が生成し
易くなり、溶接金属を脆化させてしまう。このため溶接
電流を低く押さえる必要があり、作業性が悪かった。さ
らに溶接材料としてコバルトや銀ろうを用いると、コス
トが高くなってしまう。また、立向きや上向きなどの姿
勢でろう付けする場合には、高度の技術が必要であっ
た。また、ろう材を使用する方法では、ろう材の海水耐
食性がチタンの海水耐食性より下回ってしまうという欠
点がある。さらに、ろう材とチタンのガルバニック腐食
を促進する場合も考えられる。
【０００９】この発明はかかる短所を改善し、突合せ溶
接部のチタンクラッド鋼の母材である鋼の部分に海水等
が侵入することを防止して耐食性を向上させるとともに
現場で容易に作業をすることができるチタンクラッド鋼
板の突合せ接合方法を提供することを目的とするもので
ある。
接部のチタンクラッド鋼の母材である鋼の部分に海水等
が侵入することを防止して耐食性を向上させるとともに
現場で容易に作業をすることができるチタンクラッド鋼
板の突合せ接合方法を提供することを目的とするもので
ある。
【００１０】
【課題を解決するための手段】この発明に係るチタンク
ラッド鋼板の突合せ接合方法は、母材の表面にチタン合
せ材を結合したチタンクラッド鋼板の突合せ継手を作成
するに際して、チタン合せ材と結合している母材を突き
合わせて溶接し、溶接金属の上部と母材及びチタン合せ
材で形成する開先面をチタン粒子の溶射被膜で被覆し、
溶射被膜に銀を主成分としたろう材を充填してろう接合
し、ろう接合したろう材とチタン合せ材の上部にチタン
のカバープレートを載せ、チタン合せ材とカバープレー
トを溶接してから、端縁部のろう材とチタン合せ材とカ
バープレートとをシーリング溶接することを特徴とす
る。
ラッド鋼板の突合せ接合方法は、母材の表面にチタン合
せ材を結合したチタンクラッド鋼板の突合せ継手を作成
するに際して、チタン合せ材と結合している母材を突き
合わせて溶接し、溶接金属の上部と母材及びチタン合せ
材で形成する開先面をチタン粒子の溶射被膜で被覆し、
溶射被膜に銀を主成分としたろう材を充填してろう接合
し、ろう接合したろう材とチタン合せ材の上部にチタン
のカバープレートを載せ、チタン合せ材とカバープレー
トを溶接してから、端縁部のろう材とチタン合せ材とカ
バープレートとをシーリング溶接することを特徴とす
る。
【００１１】この発明に係るチタンクラッド鋼板の他の
突合せ接合方法は、母材の表面にチタン合せ材を結合し
たチタンクラッド鋼板の突合せ継手を作成するに際し
て、チタン合せ材と結合している母材を突き合わせて溶
接し、溶接金属の上部と母材及びチタン合せ材で形成す
る開先面をチタン粒子の溶射被膜で被覆し、溶射被膜に
銀を主成分としたろう材でチタン合せ材と同質のスペー
サをろう接して充填し、スペーサとチタン合せ材の上部
にチタンのカバープレートを載せ、チタン合せ材とカバ
ープレートを溶接してから、端縁部のスペーサとチタン
合せ材とカバープレートとをシーリング溶接することを
特徴とする。
突合せ接合方法は、母材の表面にチタン合せ材を結合し
たチタンクラッド鋼板の突合せ継手を作成するに際し
て、チタン合せ材と結合している母材を突き合わせて溶
接し、溶接金属の上部と母材及びチタン合せ材で形成す
る開先面をチタン粒子の溶射被膜で被覆し、溶射被膜に
銀を主成分としたろう材でチタン合せ材と同質のスペー
サをろう接して充填し、スペーサとチタン合せ材の上部
にチタンのカバープレートを載せ、チタン合せ材とカバ
ープレートを溶接してから、端縁部のスペーサとチタン
合せ材とカバープレートとをシーリング溶接することを
特徴とする。
【００１２】
【発明の実施の形態】この発明の炭素鋼からなる母材の
表面にチタン合せ材を結合したチタンクラッド鋼板の突
合せ溶接方法は、チタン合せ材と母材の一部を切り欠い
てＶ溝開先加工をしたチタンクラッド鋼を位置決めして
固定し、チタンクラッド鋼の接合部に突合せ継手部を形
成する。このチタンクラッド鋼の突合せ継手部の母材間
を溶接して接合する。この溶接金属の上部と母材及びチ
タン合せ材で形成する開先面に純チタンを溶射して溶射
被膜を形成する。この溶射被膜に銀を主成分としたろう
材を充填してろう接合して溶射被膜上部の凹みをろう材
で埋める。このろう材とチタン合せ材の上部にチタンの
カバープレートを載せ、カバープレートをチタン合せ材
にチタンワイヤを用いたＴＩＧ溶接で重ね隅肉溶接す
る。その後、ろう材とチタン合せ材とカバープレートの
端縁部の連結部をチタンワイヤを用いたＴＩＧ溶接でシ
ーリング溶接して、チタンクラッド鋼の突合せ溶接を終
了する。
表面にチタン合せ材を結合したチタンクラッド鋼板の突
合せ溶接方法は、チタン合せ材と母材の一部を切り欠い
てＶ溝開先加工をしたチタンクラッド鋼を位置決めして
固定し、チタンクラッド鋼の接合部に突合せ継手部を形
成する。このチタンクラッド鋼の突合せ継手部の母材間
を溶接して接合する。この溶接金属の上部と母材及びチ
タン合せ材で形成する開先面に純チタンを溶射して溶射
被膜を形成する。この溶射被膜に銀を主成分としたろう
材を充填してろう接合して溶射被膜上部の凹みをろう材
で埋める。このろう材とチタン合せ材の上部にチタンの
カバープレートを載せ、カバープレートをチタン合せ材
にチタンワイヤを用いたＴＩＧ溶接で重ね隅肉溶接す
る。その後、ろう材とチタン合せ材とカバープレートの
端縁部の連結部をチタンワイヤを用いたＴＩＧ溶接でシ
ーリング溶接して、チタンクラッド鋼の突合せ溶接を終
了する。
【００１３】純チタンの溶射被膜を形成する方法として
は、種々の溶射法があるが、現場施工の容易さや溶射被
膜の緻密性，施工の経済性などから、高速フレーム溶射
（ＨＶＯＦ溶射）により溶射すると良い。
は、種々の溶射法があるが、現場施工の容易さや溶射被
膜の緻密性，施工の経済性などから、高速フレーム溶射
（ＨＶＯＦ溶射）により溶射すると良い。
【００１４】
【実施例】図１はこの発明の一実施例の溶接方法を示す
工程図である。この実施例の溶接方法は、炭素鋼からな
る母材１の表面にチタン合せ材２を結合したチタンクラ
ッド鋼板３を突合せて接合する方法でる。チタンクラッ
ド鋼板３を突合せ溶接するときは、まず、Ｖ溝開先加工
又は図１（ａ）に示すように、チタン合せ材２と母材１
の一部を切り欠いてＶ溝開先加工をしたチタンクラッド
鋼３ａ，３ｂを位置決めして固定し、チタンクラッド鋼
３ａ，３ｂの接合部に突合せ継手部４を形成する。この
チタンクラッド鋼３ａ，３ｂの突合せ継手部４のチタン
合せ材２を除いた母材１間をＴＩＧ溶接やＭＡＧ溶接又
は被覆アーク溶接で接合する。
工程図である。この実施例の溶接方法は、炭素鋼からな
る母材１の表面にチタン合せ材２を結合したチタンクラ
ッド鋼板３を突合せて接合する方法でる。チタンクラッ
ド鋼板３を突合せ溶接するときは、まず、Ｖ溝開先加工
又は図１（ａ）に示すように、チタン合せ材２と母材１
の一部を切り欠いてＶ溝開先加工をしたチタンクラッド
鋼３ａ，３ｂを位置決めして固定し、チタンクラッド鋼
３ａ，３ｂの接合部に突合せ継手部４を形成する。この
チタンクラッド鋼３ａ，３ｂの突合せ継手部４のチタン
合せ材２を除いた母材１間をＴＩＧ溶接やＭＡＧ溶接又
は被覆アーク溶接で接合する。
【００１５】次に、溶接金属５の上部と母材１及びチタ
ン合せ材２で形成する開先面６に純チタンを溶射して、
図１（ｂ）に示すように、溶射被膜７を形成する。この
純チタンを溶射して溶射被膜７を形成する方法は、スプ
レーンガンの燃焼室で酸素混合燃料を燃焼させてチタン
粒子を高速で溶射する高速フレーム溶射（ＨＶＯＦ溶
射）により溶射被膜７を形成する。この溶射により酸素
含有量が少なく、緻密な溶射被膜７を積層することがで
きる。次に、溶射被膜７に銀を主成分としたろう材、例
えばＪＩＳ規格で定められたＣｄ含有のＢＡｇ１を充填
してろう接合して溶射被膜７上部の凹み８を、図１
（ｃ）に示すように、ろう材９で埋める。このろう材９
とチタンクラッド鋼３ａ，３ｂのチタン合せ材２の上部
に、図１（ｄ）で示すように、チタンのカバープレート
１０を載せ、カバープレート１０をチタン合せ材２にチ
タンワイヤを用いたＴＩＧ溶接で重ね隅肉溶接する。こ
のようにＴＩＧ溶接でカバープレート１０とチタン合せ
材２を接合することにより、チタンが高温で多くの元素
や化合物と活発に反応してもろくなることを防ぐ。その
後、ろう材９とチタン合せ材２とカバープレート１０の
端縁部の連結部をチタンワイヤを用いたＴＩＧ溶接でシ
ーリング溶接して、チタンクラッド鋼３ａ，３ｂの突合
せ溶接を終了する。
ン合せ材２で形成する開先面６に純チタンを溶射して、
図１（ｂ）に示すように、溶射被膜７を形成する。この
純チタンを溶射して溶射被膜７を形成する方法は、スプ
レーンガンの燃焼室で酸素混合燃料を燃焼させてチタン
粒子を高速で溶射する高速フレーム溶射（ＨＶＯＦ溶
射）により溶射被膜７を形成する。この溶射により酸素
含有量が少なく、緻密な溶射被膜７を積層することがで
きる。次に、溶射被膜７に銀を主成分としたろう材、例
えばＪＩＳ規格で定められたＣｄ含有のＢＡｇ１を充填
してろう接合して溶射被膜７上部の凹み８を、図１
（ｃ）に示すように、ろう材９で埋める。このろう材９
とチタンクラッド鋼３ａ，３ｂのチタン合せ材２の上部
に、図１（ｄ）で示すように、チタンのカバープレート
１０を載せ、カバープレート１０をチタン合せ材２にチ
タンワイヤを用いたＴＩＧ溶接で重ね隅肉溶接する。こ
のようにＴＩＧ溶接でカバープレート１０とチタン合せ
材２を接合することにより、チタンが高温で多くの元素
や化合物と活発に反応してもろくなることを防ぐ。その
後、ろう材９とチタン合せ材２とカバープレート１０の
端縁部の連結部をチタンワイヤを用いたＴＩＧ溶接でシ
ーリング溶接して、チタンクラッド鋼３ａ，３ｂの突合
せ溶接を終了する。
【００１６】上記実施例は溶射被膜７上部の凹み８を銀
を主成分としたろう材９で埋めた場合について説明した
が、チタン合せ材２と同質のチタンスペーサを溶射被膜
７にろう付けしても良い。
を主成分としたろう材９で埋めた場合について説明した
が、チタン合せ材２と同質のチタンスペーサを溶射被膜
７にろう付けしても良い。
【００１７】［具体例］例えば厚さ１ｍｍのチタン合せ
材２と厚さ３ｍｍの母材１からなるチタンクラッド鋼３
ａ，３ｂの母材１をＭＡＧ溶接してから、高速フレーム
溶射によって、１パスで厚さが30μｍの溶射被膜を形成
することを10パス繰り返して厚さが300μｍの溶射被膜
７を溶接金属５の上部と母材１及びチタン合せ材２で形
成する開先面６に形成し、溶射被膜７上部の凹み８を銀
を主成分としたろう材９で埋めてからカバープレート１
０の溶接と、端縁部のシーリング溶接を行い、この突合
せ溶接継手を調べた結果、十分な強度と耐久性を得るこ
とができた。
材２と厚さ３ｍｍの母材１からなるチタンクラッド鋼３
ａ，３ｂの母材１をＭＡＧ溶接してから、高速フレーム
溶射によって、１パスで厚さが30μｍの溶射被膜を形成
することを10パス繰り返して厚さが300μｍの溶射被膜
７を溶接金属５の上部と母材１及びチタン合せ材２で形
成する開先面６に形成し、溶射被膜７上部の凹み８を銀
を主成分としたろう材９で埋めてからカバープレート１
０の溶接と、端縁部のシーリング溶接を行い、この突合
せ溶接継手を調べた結果、十分な強度と耐久性を得るこ
とができた。
【００１８】
【発明の効果】この発明は以上説明したように、チタン
クラッド鋼の突合せ継手部の母材間を溶接して接合した
溶接金属の上部と母材及びチタン合せ材で形成する開先
面に純チタン又はチタン合金を溶射して溶射被膜を形成
するから、母材と母材を溶接した溶接金属をチタン合せ
材とほぼ同質の材料で確実に覆うことができ、海水等に
対する耐久性を高めることができる。
クラッド鋼の突合せ継手部の母材間を溶接して接合した
溶接金属の上部と母材及びチタン合せ材で形成する開先
面に純チタン又はチタン合金を溶射して溶射被膜を形成
するから、母材と母材を溶接した溶接金属をチタン合せ
材とほぼ同質の材料で確実に覆うことができ、海水等に
対する耐久性を高めることができる。
【００１９】また、母材間を溶接して接合した溶接金属
の上部と母材及びチタン合せ材で形成する開先面に純チ
タン又はチタン合金を溶射して溶射被膜を形成するか
ら、チタン合せ材と母材の鋼と反応することを防ぐこと
ができ、安定した強度の溶接継手を得ることができると
ともに現場で容易に作業をすることができる。
の上部と母材及びチタン合せ材で形成する開先面に純チ
タン又はチタン合金を溶射して溶射被膜を形成するか
ら、チタン合せ材と母材の鋼と反応することを防ぐこと
ができ、安定した強度の溶接継手を得ることができると
ともに現場で容易に作業をすることができる。
【００２０】さらに、ろう材とチタン合せ材とカバープ
レートの端縁部の連結部をチタンワイヤを用いたＴＩＧ
溶接でシーリング溶接することにより、端部の連結部を
完全に密封することができ、耐久性を高めることができ
る。
レートの端縁部の連結部をチタンワイヤを用いたＴＩＧ
溶接でシーリング溶接することにより、端部の連結部を
完全に密封することができ、耐久性を高めることができ
る。
【図１】この発明の実施例の溶接方法を示す工程図であ
る。
る。
１ 母材 ２ チタン合せ材 ３ チタンクラッド鋼 ４ 突合せ継手部 ５ 溶接金属 ７ 溶射被膜 ９ ろう材 １０ カバープレート
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 ＦＩ Ｅ０２Ｂ 17/00 Ｅ０２Ｂ 17/00 Ｚ
Claims (2)
- 【請求項１】 母材の表面にチタン合せ材を結合したチ
タンクラッド鋼板の突合せ継手を作成するに際して、チ
タン合せ材と結合している母材を突き合わせて溶接し、
溶接金属の上部と母材及びチタン合せ材で形成する開先
面をチタン粒子の溶射被膜で被覆し、溶射被膜に銀を主
成分としたろう材を充填してろう接合し、ろう接合した
ろう材とチタン合せ材の上部にチタンのカバープレート
を載せ、カバープレートをチタン合せ材に溶接してか
ら、端縁部のろう材とチタン合せ材とカバープレートと
をシーリング溶接することを特徴とするチタンクラッド
鋼板の突合せ接合方法。 - 【請求項２】 母材の表面にチタン合せ材を結合したチ
タンクラッド鋼板の突合せ継手を作成するに際して、チ
タン合せ材と結合している母材を突き合わせて溶接し、
溶接金属の上部と母材及びチタン合せ材で形成する開先
面をチタン粒子の溶射被膜で被覆し、溶射被膜に銀を主
成分としたろう材でチタン合せ材と同質のスペーサをろ
う接して充填し、スペーサとチタン合せ材の上部にチタ
ンのカバープレートを載せ、チタン合せ材とカバープレ
ートを溶接してから、端縁部のスペーサとチタン合せ材
とカバープレートとをシーリング溶接することを特徴と
するチタンクラッド鋼板の突合せ接合方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31287997A JPH11129073A (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | チタンクラッド鋼板の突合せ接合方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31287997A JPH11129073A (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | チタンクラッド鋼板の突合せ接合方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11129073A true JPH11129073A (ja) | 1999-05-18 |
Family
ID=18034548
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31287997A Pending JPH11129073A (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | チタンクラッド鋼板の突合せ接合方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11129073A (ja) |
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2004203040A (ja) * | 2002-12-20 | 2004-07-22 | Stork Fokker Aesp Bv | 突合せ溶接された金属層のラミネート |
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| WO2006130916A1 (en) * | 2005-06-07 | 2006-12-14 | Murrin Murrin Operations Pty Ltd | Protection of autoclave batten strips |
| KR100923841B1 (ko) | 2009-07-11 | 2009-10-27 | 주식회사 일성 | 관체 내부의 내부식성 부재 접합구조 및 방법 |
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| CN106112378A (zh) * | 2016-07-20 | 2016-11-16 | 湖南省湘衡盐化有限责任公司 | 一种修复列管式换热器钛管板的方法 |
-
1997
- 1997-10-30 JP JP31287997A patent/JPH11129073A/ja active Pending
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