JPH11125415A - 直接溶融炉 - Google Patents

直接溶融炉

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JPH11125415A
JPH11125415A JP30802697A JP30802697A JPH11125415A JP H11125415 A JPH11125415 A JP H11125415A JP 30802697 A JP30802697 A JP 30802697A JP 30802697 A JP30802697 A JP 30802697A JP H11125415 A JPH11125415 A JP H11125415A
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JP
Japan
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slag
vertical shaft
combustion
furnace
shaft furnace
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Application number
JP30802697A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Kaji
均 加治
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Publication date
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  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融固化物の排出量の増減によっても竪型シ
ャフト炉内における大幅な圧力および温度の変動を来す
ことがなく、よって連続して安定した廃棄物処理を行な
うことができる直接溶融炉を得る。 【解決手段】 上部または側胴部に廃棄物の投入口が設
けられ、底部に酸素含有気体の導入管17が接続される
ことにより、内部に投入口から下方に向けて、順次乾
燥、熱分解21および燃焼・溶融22の各帯域が形成さ
れ、炉底に燃焼・溶融帯域において生成した溶融固化物
を排出するスラグ排出口26が形成された竪型シャフト
炉20に、スラグ排出口26を外部と遮断して覆うスラ
グダクト30が設けられ、かつスラグダクト30に、ス
ラグ排出口26から排出される溶融固化物を加熱する加
熱手段31を配設し、かつこの加熱手段からの燃焼排ガ
スがスラグダクト30内から竪型シャフト炉20の燃焼
・溶融帯域22内へ流入可能な戻りライン32を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物をガス化溶
融技術を用いてスラグ化処理する際に用いられる直接溶
融炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、生ごみ等を含む都市ごみやスラッ
ジ等を含む一般廃棄物や産業廃棄物を処理するために、
各種のガス化溶融プロセスを用いた廃棄物処理設備が使
用されている。図2は、特公昭51−42434号に見
られる従来のこの種の処理設備の要部を示すもので、図
中符号1が竪型シャフト炉である。この竪型シャフト炉
1は、内壁が耐火物によって構成された有底円筒状のも
ので、その上部側壁に粉砕された廃棄物を投入するため
の投入口2が設けられている。また、この竪型シャフト
炉1の縮径された底部1aには、酸素富化空気を廃棄物
の熱分解によって得られたチャーに供給して内部を高温
に保持するための酸素富化空気の導入管3が接続され、
さらに炉底には、この竪型シャフト炉1において生成し
た溶融固化物を排出するための張出部4を有するスラグ
排出口5が形成されている。他方、この竪型シャフト炉
1の上部には、廃棄物の熱分解によって生成した還元雰
囲気にある熱分解ガスを完全燃焼させるための図示され
ないガス燃焼炉が配設されている。
【0003】また、上記竪型シャフト炉1の底部外周に
は、底部が液槽6によって閉塞されることにより、上記
スラグ排出口5を外部から遮断して覆う抽出室7が設け
られており、上記液槽6内には、スラグ排出口5の張出
部4から落下して冷却水中で固化した固化物を受取り容
器8に搬送するベルトコンベア9が設置されている。そ
して、上記抽出室7には、張出部4上の溶融固化物を加
熱して円滑な流出を促進するためのバーナ10および補
助酸素放出パイプ11が、上記スラグ排出口5側に向け
て噴出するように取り付けられている。
【0004】以上の構成からなる廃棄物の処理設備にお
いては、先ず粉砕した廃棄物を投入孔2から竪型シャフ
ト炉1に投入すると、当該廃棄物が上部の乾燥帯域12
で乾燥された後に、この下部の熱分解帯域13において
熱分解されることにより、熱分解ガスと炭素質で高カロ
リーなチャーとが生成される。そして、上記チャーは、
熱分解帯域13下部において導入管3から供給された酸
素富化空気と反応することにより、当該竪型シャフト炉
1の下部には、1600℃程度の高温に保持された燃焼
・溶融帯域14が形成される。そして、この燃焼・溶融
帯域14において、廃棄物中の不燃物は、無害の溶融固
化物(ガラス質の溶融物)となり、炉底に滴下してスラ
グ排出口5側に連続的に排出されて行く。
【0005】次いで、スラグ排出口5の張出部4に流出
した溶融固化物は、バーナ10によって固化防止のため
に加熱されつつ、当該張出部4から液槽6内に落下し、
ここで冷却された後に、ベルトコンベア9によって搬送
されて受取り容器8内に回収されて行く。この際に、バ
ーナ10から噴出された高温の燃焼排ガスは、スラグ排
出口5を通して直接竪型シャフト炉1の燃焼・溶融帯域
14へと戻される。他方、上記燃焼・溶融帯域14にお
いて発生した高温ガスは、炉内を上昇して順次投入され
た廃棄物を熱分解帯域13において熱分解し、可燃性の
熱分解ガスとなり、さらに乾燥帯域12においてこの熱
分解ガスによって投入孔2から投入されたばかりの廃棄
物が乾燥される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の廃棄物処理設備において、スラグ排出口5から排
出される溶融固化物の量は、処理される廃棄物中の灰分
の量によって左右される。このため、廃棄物の投入量や
当該廃棄物中の灰分量(スラグ量)が増減すると、スラ
グ排出口5から流出する溶融固化物の排出量が大幅に変
動することになる。したがって、溶融固化物の排出量が
多い時には、スラグ排出口5における空隙面積が小さく
なり、この結果竪型シャフト炉1内へのバーナ10の燃
焼排ガスの流入が制限されるために、相対的に抽出室7
内の圧力が上昇する。そして、この抽出室7の圧力が、
当該抽出室7側の圧力と竪型シャフト炉1における炉内
圧力およびスラグ排出口5の空隙面積とで決定される圧
力バランスを超えた際に、急激に抽出室7内に滞留して
いる多量の燃焼排ガスが竪型シャフト炉1内に流入す
る。この結果、竪型シャフト炉1内における圧力および
温度が大きく変動するという問題点があった。
【0007】本発明は、上記従来の廃棄物処理設備が有
する課題を有効に解決すべくなされたもので、溶融固化
物の排出量の増減によっても竪型シャフト炉内における
大幅な圧力および温度の変動を来すことがなく、よって
連続して安定した廃棄物処理を行なうことができる直接
溶融炉を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
に係る直接溶融炉は、上部または側胴部に廃棄物の投入
口が設けられ、底部に酸素含有気体の導入管が接続され
ることにより、内部に投入口から下方に向けて、順次乾
燥、熱分解および燃焼・溶融の各帯域が形成され、炉底
に燃焼・溶融帯域において生成した溶融固化物を排出す
るスラグ排出口が形成された竪型シャフト炉に、上記ス
ラグ排出口を外部から遮断して覆うスラグダクトが設け
られてなる直接溶融炉において、上記スラグダクトに、
スラグ排出口から排出される溶融固化物を加熱する加熱
手段を配設し、かつこの加熱手段からの燃焼排ガスがス
ラグダクト内から竪型シャフト炉の燃焼・溶融帯域内へ
流入可能な戻りラインを設けたことを特徴とするもので
ある。
【0009】ここで、請求項2に記載の発明は、上記ス
ラグ排出口は、スラグダクト内へ突出する張出部が設け
られているとともに、上記戻りラインのスラグダクト側
の端部が、上記張出部の下方位置に接続されていること
を特徴とするものである。また、請求項3に記載の発明
は、請求項1または2に記載の竪型シャフト炉の熱分解
帯域の下部には、断面積が上記熱分解帯域および下方の
燃焼・溶融帯域よりも小さい直胴部が設けられるととも
に、上記戻りラインの他端部が、上記直胴部から拡径す
る燃焼・溶融帯域の上部側壁に接続されていることを特
徴とするものである。
【0010】さらに、請求項4に記載の発明は、請求項
1〜3のいずれかに記載の戻りラインの断面積が、スラ
グ排出口の断面積以下であることを特徴とするものであ
り、請求項5に記載の発明は、上記戻りラインには、予
め設定した圧力によって開閉する開閉装置が介装されて
いることを特徴とするものである。また、請求項6に記
載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の戻りライ
ンには、上記竪型シャフト炉側からスラグダクトへの流
れを阻止する逆流防止装置が介装されていることを特徴
とするものである。
【0011】請求項1〜6のいずれかに記載の直接溶融
炉においては、スラグ排出口から排出される溶融固化物
を加熱するための加熱手段が設けられたスラグダクト
に、この加熱手段からの燃焼排ガスが、スラグダクト内
から竪型シャフト炉の燃焼・溶融帯域内へ流入可能な戻
りラインを設けているので、廃棄物の投入量や廃棄物中
の灰分量に起因して溶融固化物の排出量が多くなり、ス
ラグ排出口における空隙面積が小さくなって竪型シャフ
ト炉内への加熱手段の燃焼排ガスの流入が制限された場
合には、上記燃焼排ガスが戻りラインから竪型シャフト
炉内へと迂回して流入する。この結果、スラグダクトの
内圧が竪型シャフト炉内の圧力に対して過度に上昇する
ことがなく、よって溶融固化物の排出量の増減によって
も竪型シャフト炉内における大幅な圧力および温度の変
動を生じることが無い。
【0012】この際に、スラグ排出口に張出部が設けら
れていれば、溶融固化物は、スラグ排出口から当該張出
部を経てその先端部から滴下することになる。したがっ
て、戻りラインの接続部を上記溶融固化物の流路付近に
開口させると、燃焼排ガスが排出される際に滴下する溶
融固化物を吸引して、竪型シャフト炉内に同伴してしま
う虞が生じる。この点、請求項2に記載の発明において
は、上記戻りラインのスラグダクト側の端部を、溶融固
化物の滴下流路の死角となる張出部の下方位置に開口し
ているので、戻りラインから竪型シャフト炉に流れる燃
焼排ガスが、上記溶融固化物を同伴する虞が無い。加え
て、スラグダクトにおける上記開口部に、溶融固化物が
付着して固化することも回避される。
【0013】ところで、この種の竪型シャフト炉におい
ては、燃焼・溶融帯域において生成した溶融固化物の多
くが、当該燃焼・溶融帯域の側壁を伝わって滴下するた
めに、上記戻りラインの竪型シャフト炉側の接続開口部
に、上記溶融固化物が付着して燃焼排ガスの流れが妨げ
られる虞が生じる。この点、請求項3に記載の発明にお
いては、先ず竪型シャフト炉の熱分解帯域の下部に、断
面積が熱分解帯域および下方の燃焼・溶融帯域よりも小
さい直胴部を設けているので、上記溶融固化物は直胴部
の下端からそのまま滴下することになる。したがって、
上記溶融固化物は、燃焼・溶融帯域の側壁を流下するこ
とがないため、上記戻りラインの接続部を、上記燃焼・
溶融帯域の上部側壁に接続することにより、上述した問
題点の発生を回避することが可能になる。
【0014】また、請求項4に記載の発明のように、戻
りラインの断面積をスラグ排出口の断面積以下にすれ
ば、溶融固化物の加熱に直接使用されずに戻りラインか
ら竪型シャフト炉に戻される燃焼排ガス量を極力低く抑
えることができて一層好適である。さらに、請求項5に
記載の発明のように、上記戻りラインに、予め設定した
圧力によって開閉する開閉装置を介装すれば、スラグダ
クト内が上記設定圧力まで上昇しない限り、戻りライン
は閉じられているために、加熱手段からの燃焼排ガスの
全量を溶融固化物の加熱に使用することが可能になる。
加えて、請求項5または請求項6に記載の発明によれ
ば、竪型シャフト炉からスラグダクトへの熱分解ガスの
流入が確実に防止されるために、スラグダクト内におけ
る異常燃焼を回避することもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の直接溶融炉の一
実施形態における要部を示すもので、上部構造は図2に
示したものと同様である。図1に示すように、この直接
溶融炉は、竪型シャフト炉20と、この竪型シャフト炉
20のスラグ排出口26の外周を覆うスラグダクト30
を備えた溶融固化物の排出部とによって概略構成された
ものである。この竪型シャフト炉20においては、円筒
状をなす熱分解帯域21の下部に、直径が上方の熱分解
帯域21における直径および下方の燃焼・溶融帯域22
における直径よりも小さい直胴部23が設けられてい
る。そして、この直胴部23の下端部には、その全周に
わたって内壁面が直胴部23から連続して下方に延出す
る堰部24が設けられている。ここで、堰部24は、そ
の外周面が上方から下方に向けて漸次中心側に向かう傾
斜面によって形成されている。この結果、堰部24は、
厚さ寸法が上方から下方へ向けて漸次小さくなり、かつ
その下端縁は切刃状に形成されている。
【0016】これら直胴部23および堰部24は、いず
れも熱伝導性に優れた金属材料、例えば銅鋳物によって
中空に形成されており、冷却水管25から供給される冷
却水によって内部から冷却されるようになっている。ま
た、上記直胴部23の下方に位置する燃焼・溶融帯域2
2の上部側壁には、酸素富化ガスまたは予熱空気(酸素
含有気体)の投入ノズル(導入管)27が、円周方向に
向けて複数箇所に放射状に配設されている。これによ
り、上記投入ノズル27の噴出口27aは、堰部24の
下端縁からの鉛直垂下線よりも外周側に配置されてい
る。ここで、投入ノズル27は、図中点線で示すよう
に、炉底28の中心に向けて酸素富化ガスまたは予熱空
気を噴出させるように取り付けられている。
【0017】そして、この竪型シャフト炉20の底部側
壁には、スラグ排出口26が形成されるとともに、この
スラグ排出口26から水平に突出する張出部29が一体
に形成されている。以上の構成からなる竪型シャフト炉
20の底部外周に、図2に示したものと同様の底部が液
槽によって閉塞されることにより、上記スラグ排出口2
6を外部から遮断して覆う上記スラグダクト30が設け
られている。このスラグダクト30の上部には、張出部
29上の溶融固化物を加熱して円滑な流出を促進するた
めのバーナ(加熱手段)31が、スラグ排出口26側に
向けて噴出するように取り付けられている。
【0018】そして、このスラグダクト30と竪型シャ
フト炉20との間には、バーナ31からの燃焼排ガス
を、スラグダクト30内から竪型シャフト炉20の燃焼
・溶融帯域22内へと流入させるための戻りライン32
が配管されている。この戻りライン32は、断面積がス
ラグ排出口26の断面積以下になるように設定されてお
り、そのスラグダクト30側の端部32aは、張出部2
9の下方位置に開口するように接続されている。他方、
この戻りライン32の他端部32bは、竪型シャフト2
0の直胴部23から拡径する燃焼・溶融帯域22の上部
側壁に接続されている。そして、この戻りライン32に
は、スラグダクト30内の圧力が予め設定した圧力まで
上昇した際に開く開閉装置33が介装されている。
【0019】以上の構成からなる直接溶融炉において
は、先ず直径が熱分解帯域21および下方の燃焼・溶融
帯域22よりも小さい直胴部23において、緻密層によ
る安定的かつ強固なドーム35が形成される。そして、
投入ノズル17からの火炎によって高温に保持された燃
焼・溶融帯域22において生成された溶融固化物は、直
胴部23から堰部24に沿って流下し、そのまま堰部2
4の下端縁から下方の炉底28に滴下する。そして、こ
のようにして、炉底28に滴下した溶融固化物は、炉底
からスラグ排出口26側に導かれ、スラグダクト30内
の張出部29においてバーナ31によって固化防止のた
めに加熱されつつ、先端部から下方に滴下して、図示さ
れない液槽で冷却されて系外に排出される。この際に、
直胴部23および堰部24を流下する溶融固化物は、冷
却水管25から供給される冷却水によって冷却されるこ
とにより金属材料の表面で固化して断熱層として機能
し、これら直胴部23および堰部24の表面を保護す
る。
【0020】そして、廃棄物の投入量や廃棄物中の灰分
量に起因して溶融固化物の排出量が多くなると、スラグ
排出口26における空隙面積が小さくなり、この結果竪
型シャフト炉20内へのバーナ31の燃焼排ガスの流入
量が減少する。すると、竪型シャフト炉20に直接流入
するバーナ31の燃焼排ガス量が減少し、相対的にスラ
グダクト30内の圧力が上昇する。そして、これが予め
設定した圧力に到達すると、戻りライン32の開閉装置
33が開いて、スラグダクト30内の燃焼排ガスが戻り
ライン32から竪型シャフト炉20内へと流入すること
により、竪型シャフト炉20内とスラグダクト30内と
の圧力バランスが保持される。このようにして、スラグ
ダクト30内の燃焼排ガスが戻りライン32から竪型シ
ャフト炉20へ戻されると、スラグダクト30内の圧力
が低下するために、開閉装置33が閉じる。
【0021】以上のように、上記直接溶融炉によれば、
スラグ排出口26から排出される溶融固化物を加熱する
バーナ31が設けられたスラグダクト30に、このバー
ナ31からの燃焼排ガスが、スラグダクト30内から竪
型シャフト炉20の燃焼・溶融帯域22内へ流入可能な
戻りライン32を設けているので、廃棄物の投入量や廃
棄物中の灰分量に起因して溶融固化物の排出量が多くな
り、スラグ排出口26における空隙面積が小さくなって
竪型シャフト炉20内へのバーナ31の燃焼排ガスの流
入が制限された場合には、上記燃焼排ガスを戻りライン
32から竪型シャフト炉20内へと流入させることがで
きる。したがって、スラグダクト30の内圧が竪型シャ
フト炉20内の圧力に対して過度に上昇することがない
ために、溶融固化物の排出量の増減によって竪型シャフ
ト炉20内における大幅な圧力および温度の変動を生じ
ることが無い。
【0022】この際に、上記戻りライン32のスラグダ
クト30側の端部32aを、溶融固化物の滴下流路の死
角となる張出部29の下方位置に接続しているので、戻
りライン32から竪型シャフト炉20に流れる燃焼排ガ
スに溶融固化物が同伴するといった虞が無い。加えて、
スラグダクト30における上記開口端部32aに、溶融
固化物が付着して固化することも回避することができ
る。さらに、竪型シャフト炉20の熱分解帯域21の下
部に、断面積が熱分解帯域21および下方の燃焼・溶融
帯域22よりも小さい直胴部23および堰部24を設け
ているので、上記溶融固化物は堰部24の下端からその
まま滴下することになり、よって溶融固化物は、燃焼・
溶融帯域22の側壁を流下することがないため、戻りラ
イン32の竪型シャフト炉20側の開口端部32bにつ
いても、溶融固化物が付着して燃焼排ガスの流れが妨げ
られるといった虞が無い。
【0023】また、戻りライン32の断面積をスラグ排
出口26の断面積以下に設定しているので、溶融固化物
の加熱に直接使用されずに戻りライン32から竪型シャ
フト炉20に戻される燃焼排ガス量を極力低く抑えるこ
とができる。加えて、戻りライン32に、予め設定した
圧力によって開閉する開閉装置33を介装しているの
で、スラグダクト30内が上記設定圧力まで上昇しない
限り戻りライン32は閉じられている。このため、通常
はバーナ31からの燃焼排ガスの全量を溶融固化物の加
熱に使用することができて経済性に優れるとともに、竪
型シャフト炉20からスラグダクト30への熱分解ガス
の流入も確実に防止することができるために、スラグダ
クト30内における異常燃焼を回避することもできる。
【0024】また特に、上記直接溶融炉においては、熱
分解帯域21の下部に、直径が熱分解帯域21および下
方の燃焼・溶融帯域22よりも小さく、かつ内部に冷却
水が導入される金属製の直胴部23および堰部24を設
けているので、当該直胴部23および堰部24を、表面
に固化した溶融固化物によって保護することができ、よ
って従来のように側壁を耐火物で構成する場合と比較し
て、格段にその耐久性を向上させることができるととも
に、さらに燃焼・溶融帯域22において流下する固形溶
融物は、燃焼・溶融帯域22の側壁に沿って滴下するこ
とがないために、燃焼・溶融帯域の側壁についても、耐
火物の寿命を大幅に延ばすことができるといった効果が
得られる。
【0025】なお、上記実施形態においては、竪型シャ
フト炉20が円筒形である場合についてのみ説明した
が、これに限るものではなく、例えば角型の竪型シャフ
ト炉に対しても、同様に適用することが可能である。ま
た、本実施形態では、戻りライン32に開閉装置33を
介装した場合について説明したが、これに限定されるも
のではなく、溶融固化物の変動量、バーナ31の容量あ
るいはスラグダクト30の容量、戻りライン32の管径
等の各種条件によっては、上記開閉装置33を省略し
て、竪型シャフト炉20とスラグダクト30とを戻りラ
イン32を介して常時連通させておくようにしてもよ
く、さらには、上記戻りライン32に、竪型シャフト炉
20側からスラグダクト30への流れを阻止する逆流防
止装置を介装することも可能である。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜6のい
ずれかに記載の本発明に係る直接溶融炉によれば、スラ
グダクトに設けた加熱手段からの燃焼排ガスがスラグダ
クト内から竪型シャフト炉の燃焼・溶融帯域内へ流入可
能な戻りラインを設けているので、溶融固化物の排出量
の増減によっても竪型シャフト炉内における大幅な圧力
および温度の変動を来すことがなく、よって連続して安
定した廃棄物処理を行なうことができる。特に、請求項
2に記載の発明によれば、上記戻りラインのスラグダク
ト側の端部を、溶融固化物の滴下流路の死角となる張出
部の下方位置に接続している結果、戻りラインから竪型
シャフト炉に流れる燃焼排ガスが、上記溶融固化物を同
伴する虞が無く、かつスラグダクトにおける開口部に、
溶融固化物が付着して固化することも回避され、さらに
請求項3に記載の発明によれば、溶融固化物が燃焼・溶
融帯域の側壁を流下することがないため、戻りラインの
竪型シャフト炉側に接続部においても、溶融固化物の付
着等を生じる虞が無い。
【0027】また、請求項4に記載の発明によれば、溶
融固化物の加熱に直接使用されずに戻りラインから竪型
シャフト炉に戻される燃焼排ガス量を極力低く抑えるこ
とができ、さらに請求項5に記載の発明によれば、開閉
装置によってスラグダクト内が設定圧力まで上昇しない
限り戻りラインは閉じられているために、加熱手段から
の燃焼排ガスの全量を溶融固化物の加熱に使用すること
が可能になり、加えて、請求項5または請求項6に記載
の発明によれば、竪型シャフト炉からスラグダクトへの
熱分解ガスの流入が確実に防止されるために、スラグダ
クト内における異常燃焼を回避することもできるといっ
た効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る直接溶融炉の一実施形態を示す要
部の縦断面図である。
【図2】従来の竪型シャフト炉を用いたごみ処理設備の
要部を示す縦断面図である。
【符号の説明】
20 竪型シャフト炉 21 熱分解帯域 22 燃焼帯域 23 直胴部 24 堰部 25 冷却水管 26 スラグ排出口 27 投入ノズル(酸素含有気体の導入管) 29 張出部 30 スラグダクト 31 バーナ(加熱手段) 32 戻りライン 32a スラグダクト側端部 32b 竪型シャフト炉側端部 33 開閉装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部または側胴部に廃棄物の投入口が設
    けられ、底部に酸素含有気体の導入管が接続されること
    により、内部に上記投入口から下方に向けて、順次乾
    燥、熱分解および燃焼・溶融の各帯域が形成され、炉底
    に上記燃焼・溶融帯域において生成した溶融固化物を排
    出するスラグ排出口が形成された竪型シャフト炉に、上
    記スラグ排出口を外部から遮断して覆うスラグダクトが
    設けられてなる直接溶融炉において、 上記スラグダクトに、上記スラグ排出口から排出される
    上記溶融固化物を加熱する加熱手段を配設し、かつ上記
    加熱手段からの燃焼排ガスが上記スラグダクト内から上
    記竪型シャフト炉の上記燃焼・溶融帯域内へ流入可能な
    戻りラインを設けたことを特徴とする直接溶融炉。
  2. 【請求項2】 上記スラグ排出口には、上記スラグダク
    ト内へ突出する張出部が設けられているとともに、上記
    戻りラインの上記スラグダクト側の端部が、上記張出部
    の下方位置に接続されていることを特徴とする請求項1
    に記載の直接溶融炉。
  3. 【請求項3】 上記竪型シャフト炉の上記熱分解帯域の
    下部には、断面積が上記熱分解帯域および下方の燃焼・
    溶融帯域よりも小さい直胴部が設けられるとともに、上
    記戻りラインの他端部が、上記直胴部から拡径する上記
    燃焼・溶融帯域の上部側壁に接続されていることを特徴
    とする請求項1または2に記載の直接溶融炉。
  4. 【請求項4】 上記戻りラインの断面積は、上記スラグ
    排出口の断面積以下であることを特徴とする請求項1な
    いし3のいずれかに記載の直接溶融炉。
  5. 【請求項5】 上記戻りラインには、予め設定した圧力
    によって開閉する開閉装置が介装されていることを特徴
    とする請求項1ないし4のいずれかに記載の直接溶融
    炉。
  6. 【請求項6】 上記戻りラインには、上記竪型シャフト
    炉側から上記スラグダクトへの流れを阻止する逆流防止
    装置が介装されていることを特徴とする請求項1ないし
    5のいずれかに記載の直接溶融炉。
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