JPH11124288A - 鉄道車両の吊り具の構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の車両吊りロープ１本にての吊り作業は安
定性、作業性に欠けていた。又、電車線箇所での吊り作
業が出来なかった。問題を解決した吊り具を考案 【解決手段】車両の台車部にロープ２本をかけ吊り作業
が出来る吊り具とし、吊り具を２つ組み合わせることで
電車線部でも吊り作業が出来る吊り具とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は鉄道車両の吊り具に
係わり、特に脱線車両の復線作業に効果を有する吊り具
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の技術を図９、図１０、図１１によ
り説明する。鉄道車両の枕木方向に天秤の吊り棒２を設
けており、該吊り棒２の両先端金具３に吊り用ロープ１
を接続する横ピン４と車両吊り帯６を接続する横ピン５
を平行に各１個設けた先端金具３がある。横ピン４に吊
り用ロープ１を接続し、横ピン５に車両吊り帯６を接続
し台車８をかかえこんで吊り帯６の１本にて車両を吊り
上げていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の技術では、車両
吊り帯１本を台車部にかかえこんで吊り上げているの
で、台車と車体を別途固定する必要があった。又、吊り
上げ時、台車の中心部吊りが困難で吊りが不安定となり
吊り作業が複雑になっていた。

【０００４】又、電車線のある地点では、吊り用ロープ
が電車線との接触を避ける為、電車線の撤去作業が必要
となる問題があった。

【０００５】本考案はこれら不具合を解決した吊り具で
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】不安定な１本吊りを、２
本吊りにして吊り帯間に吊り品の重心位置が来るものと
して安定性を向上させた。

【０００７】又、吊り棒を接続棒にて２組接続出来るゴ
ンドラ様式の吊り構造とし、電車線部では２組の吊り具
を接続し、電車線の両サイドで吊り作業が出来る様にし
た。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図１か
ら図８によって説明する。図１から図４において、枕木
方向に設けた天秤の吊り棒２、吊り棒２の両先端にボル
トＢａ等で接続された先端金具３、先端金具３の上部に
はクレーン車で吊り上げる為の吊り用ロープ１を接続す
る軌道レールに並行の直線横ピン４、先端金具３の下部
には車両を吊り上げる為の吊り帯１２、１３を接続する
軌道レールに並行し吊り棒２の軸中心点を対称に吊り帯
と直交する傾斜した横ピン１０、１１を設け、先端金具
３の下部横ピン１０、１１の下面に横ピン１０、１１を
取り付ける下部板合わせ溝部にはめこんだＶ板に車両吊
り帯１本にて車両を吊り上げる為の吊り帯６を接続する
軌道レールと直交横ピン５で構成される。

【０００９】次に、図５、図６、図７、図８により説明
する。図５は吊り具の接続面図、図６は吊り具を２組組
み合わせた図、図７、図８は吊り例を示す。

【００１０】図５、図６において、吊り具先端金具３の
上部クレーン吊り用ロープ接続直線横ピン１０、１１の
横位置に軌道レールと並行する吊り棒１５をボルトＢｂ
等にて接続する為の接続面１４を有し、２組の吊り具を
図９の如く、吊り棒１５にて組み合わせることができ
る。

【００１１】この２本吊り構成によれば、台車８の前後
車輪９の内側に車両吊り帯１２、１３を通し吊り帯１２
を横ピン１０に、吊り帯１３を横ピン１１に接続し、吊
り帯２本にて台車８を吊り上げる為、台車８の重心が吊
り帯間に位置し、安定した状態で台車８を吊り上げるこ
とが出来る。よって、安定した台車吊りが出来る事よ
り、車体７と台車８を固縛する必要もなくなり作業性も
向上する。又、図７、図８の様なゴンドラ様式の吊り方
が出来、車両吊り帯２本及び４本にて重量の大きい、例
えば機関車の吊り上げ作業等にも対応でき、又、図１１
の如き電車線１６がある箇所での電車線１６を避けたク
レーン２台での２本吊り等、吊り場状況にあった吊り作
業が出来る。先端金具３の下部の横ピン５は、従来同
様、吊り帯１本にても吊り上げ作業が出来る様に設けた
もので、ゴンドラ様式の吊りの場合は、１本吊りの使い
分けが出来、汎用性のある金具となる。

【００１２】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、車
両を吊り帯２本にて吊るため吊り作業も安定度を増し安
全な吊り作業が出来、また吊り具を２つ組み合わせるこ
とにより重量大の車の吊り揚げ、及び電車線地点でも車
両の吊り作業が出来る効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の鉄道車両の吊り具の正面図
である。

【図２】図１の吊り具の側面図である。

【図３】図１の吊り具の先端金具の拡大側面図である。

【図４】図３の吊り具の側面図である。

【図５】本発明の一実施例の鉄道車両の吊り具の接続図
である。

【図６】本発明の吊り具を組み合せた吊り図である。

【図７】本発明の吊り具を組み合せた吊り図である。

【図８】本発明の吊り具を組み合せた吊り図である。

【図９】従来の鉄道車両の吊り具の正面図である。

【図１０】従来の鉄道車両吊り具の車両吊り帯の吊り図
である。

【図１１】従来の鉄道車両の吊り具の先端金具図であ
る。

【符号の説明】

１…吊り用ロープ、２…吊り棒、３…先端金具、４…吊
りロープ用接続横ピン、５…車両吊り帯接続横ピン、６
…車両吊り帯、７…車両の車体、８…車両の台車、９…
車両台車部の車輪、１０…車両吊り帯接続横ピン、１１
…車両吊り帯接続横ピン、１２…車両吊り帯、１３…車
両吊り帯、１４…吊り具接続面、１５…接続棒、１６…
電車線。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】鉄道車両の枕木方向に天秤の吊り棒を設
   け、該吊り棒の両先端に吊り用ロープ接続のピン穴を上
   下に設けた金具において、先端金具の上部クレーン側に
   軌道レールと並行したロープ吊り直線横ピン穴と、下部
   車両吊り側に軌道レールと並行し、吊り棒軸中心点を対
   称に傾斜した横ピン穴を複数個設けたことを特徴とした
   鉄道車両の吊り具の構造。
2. 【請求項２】上記先端金具の下部車両吊り側に傾斜した
   複数個横ピン穴を設けた吊り具において、両横ピン穴下
   面に軌道レールと直交の吊り用ピン穴を設け、上部クレ
   ーン側ロープ吊りの直線横ピン穴位置横に軌道レールと
   並行する吊り棒を接続可能にする接続面を設けたことを
   特徴とした鉄道車両の吊り具の構造。