JPH11120551A - フレキシブル記録媒体の回転駆動装置及びフレキシブル記録媒体の検査装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フレキシブル記録媒体を安定した状態で回転
操作することのできるフレキシブル記録媒体の回転駆動
装置を提供する。 【解決手段】 フレキシブル磁気ディスク６を回転操作
する回転操作機構３と、回転操作されるフレキシブル磁
気ディスク６の一方の主面に対向して配設される安定化
板２１とを備え、安定化板２１は脆性材よりなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、フレキシブル記録
媒体を回転操作するフレキシブル記録媒体の回転駆動装
置及びフレキシブル記録媒体の表面状態を検査するフレ
キシブル記録媒体の検査装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】記録容量が数百Ｍバイトと高容量のフレ
キシブル磁気ディスク（以下、単に磁気ディスクとい
う。）は、情報信号の記録再生を行う場合、磁気ディス
クの回転操作を行うディスク回転操作機構により回転操
作され、記録再生ヘッドと磁気ディスクの間に生じる空
気流により記録再生ヘッドを浮上させる。この状態で、
磁気ディスクは、記録再生ヘッドが磁気ディスクの径方
向に移動操作されることにより、情報信号の記録再生が
行われる。

【０００３】このような磁気ディスクは、可撓性を有す
ることからヤング率が低いという特性を有する。このた
め、磁気ディスクは、回転操作時において、面ぶれ等を
引き起こすことがあり、このような場合、記録再生ヘッ
ドと磁気ディスクとの距離が変化し確実な情報信号の記
録再生が行えなくなる場合が生じる。したがって、磁気
ディスクは、コンピュータシステム等で用いる使用時に
おいては、カートリッジに回転自在に収納されてディス
クカートリッジとして用いられる。

【０００４】そして、このディスクカートリッジは、カ
ートリッジに収納された磁気ディスクを面ぶれを引き起
こすことなく安定した状態で回転させるため、カートリ
ッジ内の磁気ディスクの主面と対向する面に磁気ディス
クを安定した状態で回転させるための安定化板が配設さ
れる。この安定化板は、金属板を鏡面加工して形成さ
れ、磁気ディスクを回転操作した際磁気ディスクと安定
化板との間に安定した空気流を発生させ磁気ディスクを
浮上させ安定した状態で回転させる。

【０００５】ところで、このような磁気ディスクは、記
録再生時における記録再生ヘッドの浮上量が極めて少な
い。そのため、磁気ディスクの磁性層の塗布斑等の凹凸
がある場合には、記録再生ヘッドと磁気ディスクとの距
離が変化し安定した状態で記録再生ヘッドが浮上せず正
確な情報信号の記録再生ができない場合等が生じる。そ
のため、磁気ディスクの電磁変換特性を測定することに
より磁気ディスクの表面を検査する検査装置がある。

【０００６】この検査装置は、磁気ディスクを回転操作
する回転操作機構と、磁気ディスクに検査信号等の情報
信号を記録すると共に磁気ディスクに記録された情報信
号の再生を行う記録再生ヘッドを有する記録再生機構と
を備える。さらに、この検査装置には、回転操作機構に
装着される磁気ディスクの一方の主面と対向する側に安
定して磁気ディスクを回転させるための安定化板が配設
される。この安定化板は、金属板を鏡面加工して形成さ
れ、表面粗度が極めて良好な状態に形成される。

【０００７】このような検査装置は、磁気ディスクが回
転操作機構に装着されると、磁気ディスクが安定化板と
磁気ディスクとの間に生じる空気流により浮上されて面
ぶれすることなく安定した状態で回転操作される。そし
て、検査装置は、磁気ディスクが回転操作されることに
より、記録再生ヘッドが記録再生ヘッドと磁気ディスク
の間に生じる空気流により浮上され、検査信号等の情報
信号の記録再生が行われ、情報信号の入力波形と出力波
形とを比較することにより電磁変換特性の測定を行い磁
気ディスクの表面の検査を行う。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、回転操
作機構により回転操作される磁気ディスクに対向して配
設される安定化板には、安定化板の磁気ディスクと対向
する表面の微小な凹部に、磁気ディスクが回転操作され
た際磁気ディスク表面から飛び散る潤滑剤が付着し積層
される。このため、安定化板は、磁気ディスクとの見か
け上の接触面積が増大し磁気ディスクが吸着されてしま
うことがある。このような場合、磁気ディスクは、回転
操作機構による回転操作が不能になり、また、無理に回
転操作すると傷が付く場合があった。

【０００９】また、安定化板の磁気ディスクと対向する
面に傷ができ凹部ができた場合には、この凹部の周囲
に、捲れにより突起が生じることになる。このような場
合、この突起は、回転操作される磁気ディスクの信号記
録面に接触し、磁気ディスクを傷をつける場合があっ
た。

【００１０】また、このような問題点を解決するため金
属板上にディスク保護用の不織布を張り付け磁気ディス
クとの接触面積を減らした検査装置がある。このような
検査装置によれば、回転される磁気ディスクより不織布
に飛び散った潤滑剤は、不織布により吸収され、磁気デ
ィスクとの接触面積を増大させるという上記問題点を回
避することができる。また、このような検査装置によれ
ば、上記突起により磁気ディスクを傷つけることも防止
することができる。しかしながら、安定化板に不織布を
張り付けた検査装置は、繊維状の素材であることから、
不織布の表面が一様でなく、また、繊維素材特有の毛羽
立ちを有することになる。このため、不織布は、磁気デ
ィスクに対する平滑度合いを定量化できない。さらに、
不織布は、磁気ディスク表面に塗布された潤滑剤を吸収
しやすい、磁気ディスクが接触した場合に変形しやすい
等の特性を有することから、適当な間隔で交換しなけれ
ばならない。また、不織布を交換した場合には、交換前
の不織布と完全に同一の状態にすることはできない。し
たがって、安定化板に不織布を張り付ける場合には、不
織布が張り付けられた安定化板の再現性が悪くなる。

【００１１】そこで、本発明は、フレキシブル記録媒体
を安定した状態で回転操作することのできるフレキシブ
ル記録媒体の回転駆動装置及びフレキシブル記録媒体を
安定した状態で回転させフレキシブル記録媒体の表面状
態を検査することのできるフレキシブル記録媒体の検査
装置を提供することを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明に係るフレキシブ
ル記録媒体の回転駆動装置は、上述のような課題を解決
すべく、フレキシブル記録媒体を回転操作する回転操作
機構と、回転操作されるフレキシブル記録媒体の一方の
主面に対向して配設される安定化板を有するディスク安
定化機構とを備える。そして、安定化板は、脆性材より
なる。

【００１３】また、本発明に係るフレキシブル記録媒体
の検査装置は、上述のような課題を解決すべく、フレキ
シブル記録媒体を回転操作する回転操作機構と、回転す
るフレキシブル記録媒体に対し情報信号の記録再生を行
うと共にフレキシブル記録媒体の径方向に移動する記録
再生機構と、回転操作されるフレキシブル記録媒体の一
方の主面に対向して配設される安定化板を有するディス
ク安定化機構とを備える。そして、安定化板は、脆性材
よりなる。

【００１４】

【発明の実施の形態】本発明に係るフレキシブル記録媒
体の回転駆動装置が適用されたフレキシブルディスクの
検査装置は、磁気ディスクの磁性層等の塗布斑等により
生じる凹凸等の表面状態を磁気ディスクの電磁変換特性
を測定することにより検査するものである。以下、この
検査装置について、図面を参照して説明する。

【００１５】この検査装置１は、図１に示すように、ベ
ース２上に磁気ディスクを回転操作するディスク回転操
作機構３と、回転する磁気ディスクに検査信号等の情報
信号の記録再生を行う記録再生機構を構成する一対の磁
気ヘッド装置４，５とを備える。

【００１６】ここで、この検査装置１に使用される磁気
ディスク６は、直径が３．５インチ、数百Ｍバイトの記
録容量を有するものである。そして、この磁気ディスク
６は、可撓性を有するディスク基板に信号記録層となる
磁性層が両面に形成され、この磁性層の上層に潤滑剤が
塗布されて構成される。また、磁気ディスク６は、中央
部にセンタ穴が穿設され、このセンタ穴の外周側に信号
記録領域が形成される。このような磁気ディスク６に
は、中央部に穿設されたセンタ穴を閉塞するようにして
金属板等の磁性材料からなるクランピングプレート７が
取り付けられる。このクランピングプレート７には、そ
の中央に、ディスク回転操作機構３のスピンドルが係合
される略正方形の係合孔８が穿設される。また、クラン
ピングプレート７には、図示しないが係合孔８から所定
距離だけ偏倚した位置にディスク回転操作機構３の駆動
ピンが係合される略直方形の駆動ピン挿入孔が穿設され
る。

【００１７】このような磁気ディスク６が装着されるデ
ィスク回転操作機構３は、磁気ディスク６を回転操作す
る際の駆動源となる駆動モータ９と、この駆動モータ９
によって回転駆動されて磁気ディスク６を回転操作する
ディスクテーブル１１とを備える。そして、ディスクテ
ーブル１１と駆動モータ９とは、ディスクテーブル１１
の回転時の偏心をなくすためエアスピンドル１２で接続
される。また、ディスクテーブル１１は、円盤状に形成
され、中心部にクランピングプレート７の係合孔８に係
合されるスピンドル１３と、このスピンドル１３から所
定距離だけ偏倚した位置に設けられ上記駆動ピン挿入孔
に係合される図示しない駆動ピンと、スピンドル１３の
外周側にクランピングプレート７を磁気吸引するための
マグネット１４とを備える。

【００１８】このようなディスク回転操作機構３は、磁
気ディスク６がディスクテーブル１１上に載置される
と、係合孔８にスピンドル１３、駆動ピン挿入孔に駆動
ピンが係合すると共にクランピングプレート７をマグネ
ット１４によりディスクテーブル１１に吸着する。そし
て、ディスクテーブル１１が回転駆動されると、ディス
クテーブル１１に設けられた駆動ピンは、磁気ディスク
６を磁気ディスク６の外周方向及び磁気ディスク６の回
転方向に付勢すると共に駆動ピンの付勢力によりスピン
ドル１３を係合孔８の一側面に押圧することにより磁気
ディスク６の位置決めを図りディスクテーブル１１と一
体に磁気ディスク６を回転操作する。

【００１９】また、磁気ディスク６に対して検査信号等
の情報信号の記録再生を行う記録再生機構を構成する磁
気ヘッド装置４，５は、図１に示すように、磁気ディス
ク６の両面に設けられた信号記録領域に対向して一対設
けられる。これら磁気ヘッド装置４，５は、磁気ディス
ク６の信号記録領域に所定の検査信号等の情報信号を記
録する記録用磁気ヘッドと磁気ディスク６の信号記録領
域に記録された情報信号を再生する再生用磁気ヘッドか
らなる磁気ヘッド部１５，１５と、磁気ヘッド部１５，
１５を先端側に支持した弾性変位可能な板バネを備えた
磁気ヘッド支持板１６，１６とを備える。

【００２０】このような磁気ヘッド装置４，５は、磁気
ヘッド装置４，５が取付け支持される取付け部材１７，
１７を介して磁気ヘッド部１５，１５を磁気ディスク６
の信号記録面近接した記録再生位置と磁気ディスク６の
信号記録面から離間した待機位置とに亘って移動させる
磁気ヘッド操作機構２０に取り付けられる。この磁気ヘ
ッド操作機構２０は、例えばディスク回転操作機構３に
装着された磁気ディスク６を交換する場合等に磁気ヘッ
ド部１５，１５が磁気ディスク６に接触しないように、
磁気ヘッド装置４，５を磁気ディスク６に近接した記録
再生位置から磁気ディスク６から離間する待機位置の方
向に回動操作する。

【００２１】このような磁気ヘッド操作機構２０は、磁
気ヘッド装置４，５の高さ方向の調節を行う第１の位置
調節機構１８に接続される。この第１の位置調節機構１
８は、例えば油圧機構等からなり、図１中矢印Ａ₁又は
Ａ₂方向に例えば±３ｍｍの範囲内で磁気ヘッド部１
５，１５の高さ方向の調節を行う。

【００２２】また、第１の位置調節機構１８には、磁気
ヘッド装置４，５を磁気ディスク６の径方向、すなわち
図１及び図２中矢印Ｂ₁又はＢ₂方向の調節を行う第２の
位置調節機構１９が接続される。第２の位置調節機構１
９は、図示しないが超音波モータ等を駆動源とする。そ
して、この第２の位置調節機構１９は、磁気ヘッド部１
５，１５をディスク回転操作機構３に装着された磁気デ
ィスク６の外方に位置する初期位置と磁気ディスク６の
信号記録領域上に位置する記録再生可能位置とに亘って
移動させる。

【００２３】すなわち、第２の位置調節機構１９は、磁
気ディスク６の記録再生時において、磁気ヘッド部１
５，１５を磁気ディスク６の信号記録領域上を磁気ディ
スク６の径方向に移動させることにより、所定の情報信
号を記録し、又は、磁気ディスク６に記録された情報信
号の読み出しを行う。また、第２の位置調節機構１９
は、ディスク回転操作機構３に装着された磁気ディスク
６を交換する場合、磁気ヘッド部１５，１５を初期位置
にまで待避させる。

【００２４】また、ディスク回転操作機構３に装着され
た磁気ディスク６の下側には、磁気ディスク６を安定し
た状態で回転させるための安定化板２１が配設される。
この安定化板２１は、図１及び図２に示すように、全体
として矩形状でディスク回転操作機構３に装着される磁
気ディスク６より大きくなるように形成される。この安
定化板２１には、金属等に比べ延性のない脆性材が用い
られる。特にここでは、ブラックグラニットが用いられ
る。

【００２５】このようなブラックグラニットからなる安
定化板２１は、脆性材よりなることから、磁気ディスク
６と対向する面を研磨した場合、図３に示すように、磁
気ディスク６と対向する側の基準面Ｐをうねり、突起等
を生じさせることなく平坦に形成することができる。脆
性材は、金属板に比べ延性がないためである。したがっ
て、安定化板２１は、磁気ディスク６が回転操作された
際に磁気ディスク６との間にとの間に安定した空気流を
発生させ、磁気ディスク６に面ぶれを引き起こさせるこ
となく安定した状態で回転させることができる。

【００２６】また、安定化板２１は、磁気ディスク６と
対向する面に衝撃が加わり欠けてしまった場合にも、安
定化板を金属板により形成した場合のように、この面の
研磨された直後の初期状態、すなわち基準面Ｐより磁気
ディスク６側に突起ができることがなく、基準面Ｐより
下側に欠けるのみである。したがって、安定化板２１
は、回転操作機構３により回転操作される磁気ディスク
に傷を付けることが防止できる。

【００２７】さらに、ブラックグラニットよりなる安定
化板２１は、多孔性を有する。したがって、安定化板２
１は、磁気ディスク６と対向する面を研磨した場合、図
３に示すように、その表面がある程度の表面粗さを有
し、深さＤが５μｍから１０μｍの微小な凹部２２によ
り構成される。したがって、磁気ディスク６が回転操作
機構３に装着された場合においても、安定化板２１は、
磁気ディスク６が安定化板２１に吸着しない程度に磁気
ディスク６との接触面積を適当に確保することができ、
表面に磁気ディスク６が吸着することを防止する。

【００２８】また、安定化板２１には、磁気ディスク６
が回転操作機構３により回転された際に磁気ディスク６
の表面に塗布された潤滑剤が磁気ディスク６と対向する
面に飛び散り付着することになる。ところで、ここに安
定化板２１として用いられるブラックグラニットは、多
孔性を有することから、ある程度表面に付着した潤滑剤
を吸収する。したがって、このような安定化板２１は、
安定化板を金属板で形成した場合のように、表面の微小
な凹部に潤滑剤が積層され磁気ディスク６と安定化板と
の見かけ上の接触面積を多くし磁気ディスク６が吸着す
ることを防止することができる。

【００２９】このような安定化板２１には、図２に示す
ように、その中央部に、ディスク回転操作機構３を磁気
ディスク６の装着面側に臨ませるための中央開口部２３
が形成される。また、安定化板２１には、磁気ヘッド操
作機構２０側の一側面から中央部に亘って磁気ヘッド装
置４，５を臨ませるための切欠部２４が設けられる。こ
の切欠部２４は、磁気ディスク６が回転され安定化板２
１と磁気ディスク６との間の空気流により磁気ディスク
６を浮上させる際の妨げとならない程度の間隔をもって
形成される。これにより、この切欠部２４は、磁気ヘッ
ド装置４，５が磁気ディスク６の内外周に亘り移動可能
とさせる。さらには、安定化板２１には、磁気ヘッド操
作機構２０側の一側面と対向する側の側面に安定化板２
１を取り付けるための取付け穴２５，２５が設けられ
る。

【００３０】このような安定化板２１は、磁気ヘッド装
置４とディスク回転操作機構３を挟んで対向して配設さ
れる安定化板２１の位置調整機構２６に止めネジ等によ
り固定して取り付けられる。この位置調整機構２６は、
磁気ヘッド装置４，５と対向する側に配設され、安定化
板２１を磁気ディスク６の回転軸線方向、すなわち図１
及び図２中矢印Ｃ₁又はＣ₂方向に移動させる。この位置
調整機構２６は、ディスク回転操作機構３に装着された
磁気ディスク６が回転駆動された際、磁気ディスク６と
安定化板２１との間の空気層により最も安定した状態で
浮上させられるように磁気ディスク６と安定化板２１の
間の間隙を調整する。

【００３１】このような検査装置１は、磁気ディスク６
の電磁変換特性を測定する場合、次のように行われる。
すなわち、検査装置１は、磁気ディスク６をディスク回
転操作機構３に装着する場合、磁気ヘッド装置４，５の
磁気ヘッド部１５，１５が第２の位置調整機構１９によ
りディスク回転操作機構３に装着された磁気ディスク６
の外方に位置する初期位置にある。この状態で、磁気デ
ィスク６がディスクテーブル１１に装着されると、ディ
スクテーブル１１に設けられたスピンドル１３と駆動ピ
ンが係合孔８と駆動軸挿入孔に係合される。

【００３２】そして、磁気ヘッド装置４，５の磁気ヘッ
ド部１５，１５は、第２の位置調整機構１９により、図
１及び図２中矢印Ｂ₁方向に移動され、磁気ディスク６
の信号記録領域上に位置する記録再生可能位置にまで移
動され、第１の位置調節機構１８により高さ方向の微調
整が行われる。この時、図１中下側に位置する磁気ヘッ
ド装置５の磁気ヘッド部１５は、図２に示すように、安
定化板２１の切欠部２４より進入し、２つの磁気ヘッド
部１５，１５は、磁気ディスク６の信号記録面に接触さ
れた状態にされる。また、磁気ディスク６は、安定化板
２１上に接触した状態になるが、安定化板２１は、多孔
性の脆性材より、磁気ディスク６と対向する面に微小な
凹部２２が形成されていることから、磁気ディスク６が
安定化板２１に吸着することを防止する。

【００３３】そして、ディスクテーブル１１が回転駆動
されると、ディスクテーブル１１に設けられた駆動ピン
は、磁気ディスク６を磁気ディスク６の外周方向及び磁
気ディスク６の回転方向に付勢すると共に駆動ピンの付
勢力によりスピンドル１３を係合孔８の一側面に押圧す
ることにより磁気ディスク６の位置決めを図りディスク
テーブル１１と一体に磁気ディスク６を回転操作する。

【００３４】ディスク回転操作機構３により磁気ディス
ク６が例えば３６００ｒｐｍの高速で回転されると、磁
気ヘッド部１５，１５は、磁気ヘッド部１５，１５と磁
気ディスク６の間に生じる空気流により浮上され、記録
用磁気ヘッドにより情報信号を磁気ディスク６の信号記
録領域に記録する。なお、磁気ディスク６の浮上量Ｈ
は、例えば図３に示すように、約５μｍである。そし
て、磁気ヘッド部１５，１５は、再生用磁気ヘッドによ
り、磁気ディスク６の信号記録領域に記録された情報信
号を再生する。すなわち、検査装置１は、情報信号の入
力波形に対する出力波形の再現性を比較することにより
電磁変換特性を測定し、磁気ディスク６の表面状態、例
えば磁気ディスクの磁性層等の塗布斑等により生じる凹
凸、磁性層が形成されていないピンホール等を検査す
る。

【００３５】また、回転操作される磁気ディスク６から
は、磁気ディスク６の表面に塗布された潤滑剤が磁気デ
ィスク６と対向する安定化板２１の表面に付着する場合
があるが、安定化板２１は、多孔性を有することから、
安定化板２１の表面に付着した潤滑剤を吸収する。した
がって、磁気ディスク６の回転が停止し磁気ディスク６
が安定化板２１に接触した場合でも、磁気ディスク６が
安定化板２１に吸着されることを防止し、磁気ディスク
６の回転が不能になり、また、磁気ディスク６を傷つけ
ることを防止する。

【００３６】このような検査装置１は、磁気ディスク６
を回転操作する環境の変化、例えば安定化板２１に磁気
ディスク６の表面に塗布された潤滑剤が付着し、或い
は、安定化板２１に衝撃が加わり欠けた場合であって
も、常に面ぶれ等を起こすことなく磁気ディスク６を安
定した状態で回転させることができる。したがって、検
査装置１は、磁気ディスク６の電磁変換特性を正確に測
定することができる。

【００３７】以上、ブラックグラニットよりなる安定化
板２１を用いた検査装置１について説明したが、安定化
板２１には、その他のグラニット、セラミック等の脆性
材を用いることもできる。

【００３８】また、本発明が適用された標準型のフレキ
シブル磁気ディスクに比べ高容量のフレキシブル磁気デ
ィスク６の検査装置１について説明したが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、標準型のフレキシブル磁
気ディスク、可撓性を有する光ディスク等のあらゆるフ
レキシブル記録媒体に適用できる。例えば可撓性を有す
る光ディスクを記録媒体として用いる場合には、記録再
生機構は、光学ヘッドにより構成される。

【００３９】また、本発明は、上述した検査装置１に限
定されるものではなく、フレキシブル記録媒体を回転操
作する回転駆動装置を備える記録再生装置に適用するこ
ともできる。

【００４０】

【発明の効果】本発明にによれば、安定化板は、脆性材
よりなることから、フレキシブル記録媒体と対向する側
の面をうねり、突起等を生じさせることなく形成するこ
とができる。また、安定化板は、フレキシブル記録媒体
と対向する面に衝撃が加わり欠けてしまった場合にも、
安定化板を金属板により形成した場合のように、この面
の研磨された直後の基準面となる初期状態よりフレキシ
ブル記録媒体側に突起ができることがなく、基準面より
下側が欠けるのみである。したがって、フレキシブル記
録媒体の回転駆動装置は、フレキシブル記録媒体を回転
させた場合に、フレキシブル記録媒体と安定化板との間
の空気流を乱すことを防止することができ、安定した状
態でフレキシブル記録媒体を回転させることができると
共にフレキシブル記録媒体に傷が付くことを防止でき
る。

【００４１】また、フレキシブル記録媒体の検査装置に
よれば、安定化板は、脆性材よりなることから、フレキ
シブル記録媒体と対向する側の面をうねり、突起等を生
じさせることなく形成することができる。また、安定化
板は、フレキシブル記録媒体と対向する面に衝撃が加わ
り欠けてしまった場合にも、安定化板を金属板により形
成した場合のように、この面の研磨された直後の基準面
となる初期状態よりフレキシブル記録媒体側に突起がで
きることがなく、基準面より下側が欠けるのみである。
したがって、フレキシブル記録媒体の回転駆動装置は、
フレキシブル記録媒体を回転させた場合に、フレキシブ
ル記録媒体と安定化板との間の空気流を乱すことを防止
することができ、安定した状態でフレキシブル記録媒体
を回転させることができると共にフレキシブル記録媒体
に傷が付くことが防止できる。したがって、フレキシブ
ル記録媒体の検査装置は、フレキシブル記録媒体の電磁
変換特性を正確に測定することができる。

【００４２】さらに、本発明は、安定化板のフレキシブ
ル記録媒体側の面に傷等の捲れにより突起ができること
がないことから、記録再生時において記録再生機構を構
成するヘッドの浮上量の少ない高容量型のフレキシブル
磁気ディスクに特に最適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施の形態で説明するフレキシブル磁気ディス
クの表面状態を検査するための検査装置の側面図であ
る。

【図２】同検査装置に配設される安定化板の斜視図であ
る。

【図３】安定化板と回転操作される磁気ディスクの関係
を示す要部拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 検査装置、２ ベース、３ ディスク回転操作機
構、４，５ 磁気ヘッド装置、６ 磁気ディスク、７
クランピングプレート、８ 係合孔、９ 駆動モータ、
１１ ディスクテーブル、１２ エアスピンドル、１３
スピンドル、１４マグネット、１５ 磁気ヘッド部、
１６ ヘッド支持板、１７ 磁気ヘッド操作機構、１８
第１の位置調節機構、１９ 第２の位置調節機構、２
０ 磁気ヘッド操作機構、２１ 安定化板、２２ 凹
部、２３ 中央開口部、２４ 切欠部、２５ 取付け
穴、２６ 位置調整機構

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 泰輔 神奈川県横浜市港北区新横浜２−13−６ 協同電子システム株式会社内 (72)発明者 鈴木 信行 神奈川県横浜市港北区新横浜２−13−６ 協同電子システム株式会社内

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フレキシブル記録媒体を回転操作する回
   転操作機構と、 回転操作される上記フレキシブル記録媒体の一方の主面
   に対向して配設される安定化板を有するディスク安定化
   機構とを備え、 上記安定化板は、脆性材よりなることを特徴とするフレ
   キシブル記録媒体の回転駆動装置。
2. 【請求項２】 上記安定化板は、グラニットからなるこ
   とを特徴とする請求項１記載のフレキシブル記録媒体の
   回転駆動装置。
3. 【請求項３】 上記ディスク安定化機構には、上記フレ
   キシブル記録媒体と上記安定化板との間隔を調整する調
   整機構が設けられることを特徴とする請求項１記載のフ
   レキシブル記録媒体の回転駆動装置。
4. 【請求項４】 フレキシブル記録媒体を回転操作する回
   転操作機構と、 回転する上記フレキシブル記録媒体に対し情報信号の記
   録再生を行うと共に上記フレキシブル記録媒体の径方向
   に移動する記録再生機構と、 回転操作される上記フレキシブル記録媒体の一方の主面
   に対向して配設される安定化板を有するディスク安定化
   機構とを備え、 上記安定化板は、脆性材よりなることを特徴とするフレ
   キシブル記録媒体の検査装置。
5. 【請求項５】 上記安定化板には、上記記録再生機構を
   上記フレキシブル記録媒体の径方向に移動させるための
   切欠部が設けられていることを特徴とする請求項４記載
   のフレキシブル記録媒体の検査装置。