JPH11119123A - 光スイッチ及びその製造方法 - Google Patents

光スイッチ及びその製造方法

Info

Publication number
JPH11119123A
JPH11119123A JP30497097A JP30497097A JPH11119123A JP H11119123 A JPH11119123 A JP H11119123A JP 30497097 A JP30497097 A JP 30497097A JP 30497097 A JP30497097 A JP 30497097A JP H11119123 A JPH11119123 A JP H11119123A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mirror
film
optical
substrate
movable mirror
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30497097A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Fujita
博之 藤田
Hiroshi Toshiyoshi
洋 年吉
Daisuke Miyauchi
大助 宮内
Osamu Shinoura
治 篠浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP30497097A priority Critical patent/JPH11119123A/ja
Publication of JPH11119123A publication Critical patent/JPH11119123A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Light Guides In General And Applications Therefor (AREA)
  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 V字型溝により光ファイバーの位置決めを正
確に行うとともに可動ミラーと光ファイバーの光路との
位置合わせを正確に実行可能な光スイッチを提供する。 【解決手段】 主面が(100)面のSi基板1にミラ
ー配置用空間2を形成するとともに複数の光ファイバー
固定のためのV字型溝3を形成し、前記Si基板1の主
面上に成膜された膜の一部でミラー構造体11を形成
し、該ミラー構造体11の表面に反射膜を設けて可動ミ
ラー10とし、前記V字型溝3に光ファイバー21〜2
4を固定し、前記可動ミラー10を複数の光ファイバー
間の前記ミラー配置用空間2に配して、前記可動ミラー
10の駆動により光路を変更する構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信等に用いら
れる光スイッチ及びその製造方法に係り、特にシリコン
マイクロマシニングプロセスにより作製可能な小型の機
械式光スイッチ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高速光通信の普及に伴い、従来のバルク
型光スイッチに代わり、小型で高速、高信頼性、低価格
が実現可能なマイクロマシニング手法により作製される
光スイッチへの期待が大きい。
【0003】従来の光スイッチの一つに特開平6−20
9062号に開示されている光ファイバーを直接、電磁
力で駆動する光スイッチがある。しかし、大きな光ファ
イバーを動かす為には大きな力が必要であり、このため
高速応答性や小型化は困難であった。また、光ファイバ
ーの正確でかつ安定した位置固定のためにV状溝を形成
しているが、V状溝で位置固定されるのは固定側の光フ
ァイバーのみであり、可動側の光ファイバーの位置は必
ずしも安定しない。また、特開平8−110418号に
も光ファイバーをV状溝で固定する構造が示されてい
る。
【0004】同様の光スイッチにおいては、重要なスイ
ッチング動作の自己保持を実現するため、永久磁石とN
iFe膜のチューブの組み合わせを用いた例が、“Micr
o-Magnetic Alloy Tubes for Switching and Splicing
Single-Mode Fibers”,Proc.IEEE MEMS 91,1991,pp86〜
91に報告されている。この例では光ファイバー自体を磁
気力により動かして、1×2スイッチ(一端側1ポー
ト、他端側2ポート)を実現している。
【0005】一方、マイクロマシニングによる機械式光
スイッチは、波長無依存性、高コントラストという特徴
を有する。マイクロマシニングにより作製された光ファ
イバースイッチとして、例えば、発明者は“Electrosta
tic Micro Torsion Mirrorsfor an Optical Switch Mat
rix”,IEEE J.Microelectromechanical systems 5(4),
(1996),pp231〜237.にトーションミラーを静電駆動する
ことにより光路変更する光スイッチを既に報告してい
る。この例では、およそ1cmの空間を直進するコリメー
トビーム間に配置されたトーションミラーが電極を兼
ね、対向電極との間に電圧を印加することにより、トー
ションミラーが90°回転し、光路のスイッチングを行
っている。小さなミラーを駆動するために高速化が可能
である。
【0006】これに対し、光路に対して垂直なミラーを
平行移動させることによって、光スイッチングを行うと
いう試みも幾つかなされている。例えば、“VerticalMi
rrors Fabricated by Reactive Ion Etching for Fiber
Optical SwitchingApplication”;the 10th Annual In
ternational Workshop on Micro ElectroMechanical Sy
stems,1997,pp49〜54には、深堀RIE(Reactive Ion
Etching)でSi基板を削ることにより、基板面に垂直
なミラーを作製した例が報告されている。この場合、ミ
ラーはやはり深堀RIEで形成したアスペクト比の高い
櫛歯型アクチュエータに連結されており、そのアクチュ
エータの静電駆動によってミラーが光路に出入りし、光
スイッチングを行っている。
【0007】さらに光路に対して垂直なミラーを上下に
動かすことによる光スイッチングも試みられている。例
えば、“An Electromagnetic MEMS 2×2 Fiber OpticBy
pass Switch”; International Conference on Solid-S
tate Sensors andActuators,1997,pp89〜92には、電磁
力による構造体の上下運動でミラーを光路に出入りさ
せ、スイッチングを行う例が報告されている。この場合
の駆動力は、構造体に形成された銅線コイルへの通電に
より生じる磁界と、対向して配された永久磁石の間に働
いている。
【0008】また、磁性薄板を外部磁界によって回転さ
せる例が、“Magneticmicroactuation of torsional po
lysilicon structures”,Sensors andActuators A53(19
96)392-397に報告されている。この例では15μmのN
iFe薄板を、梁を軸にして基板から起き上がるように
回転させている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、トーション
ミラー型光スイッチでは、ミラー自体は既に小型化され
ているために高速動作が可能である。しかし、光ファイ
バーとミラーの位置合わせは困難であった。シリコン基
板のエッチングによりV字型溝を作製し光ファイバーの
固定を行うことは広く知られていたが、このV字型溝の
作製工程と光ミラーを作製する工程とは互いに相いれな
い部分が多く、1枚の同一シリコン基板上に同時に両者
をパターニングすることは困難であった。V字型溝と光
ミラーを別々にパターニング作製した場合には正確な位
置合わせは得られない。
【0010】また光ファイバー固定のための溝が設けて
あっても、溝がV字型ではない場合には、ファイバーを
正確に固定するのが難しい。
【0011】ミラーの駆動源としてコイル等により発生
する電磁力を駆動源とした場合ではコイル等が広い面積
を必要とするため、スイッチが複雑化すると同時にあま
り小さくならず、マトリクス化には適さない。
【0012】また光ファイバー自体を動かすスイッチで
は、自己保持性は実現できるが、小型化、マトリクス化
は困難である。
【0013】一方、従来公知の静電駆動光スイッチは簡
単な構造であるが、自己保持動作は実現していなかっ
た。
【0014】本発明の第1の目的は、上記の点に鑑み、
V字型溝により光ファイバーの位置決めを正確に行うと
ともに可動ミラーと光ファイバーの光路との位置合わせ
を正確に実行可能な光スイッチを提供することにある。
【0015】本発明の第2の目的は、必要な場合には可
動ミラーの自己保持動作が可能な光スイッチを提供する
ことにある。
【0016】本発明の第3の目的は、光ファイバー固定
用のV字型溝と可動ミラーの構造体とを同時にパターニ
ングして作製することで可動ミラーと光ファイバーの光
路との正確な位置合わせを可能にした光スイッチの製造
方法を提供することにある。
【0017】本発明のその他の目的や新規な特徴は後述
の実施の形態において明らかにする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の光スイッチは、主面が(100)面のSi
基板にミラー配置用空間を形成するとともに複数の光フ
ァイバー固定のためのV字型溝を形成し、前記Si基板
の主面上に成膜された膜の一部でミラー構造体を形成
し、該ミラー構造体の表面に反射膜を設けて可動ミラー
とし、前記V字型溝に光ファイバーを固定し、前記可動
ミラーを複数の光ファイバー間の前記ミラー配置用空間
に配して、前記可動ミラーの駆動により光路を変更する
構成としている。
【0019】前記光スイッチにおいて、前記Si基板の
主面の反対側に対向電極を設け、該対向電極と前記可動
ミラー間に電圧を印加して前記可動ミラーを静電駆動す
る構成であってもよい。
【0020】前記可動ミラーが磁性体層を有し、永久磁
石により自己保持動作を行う構成であってもよい。
【0021】本発明の光スイッチの製造方法は、前記主
面が(100)面のSi基板の当該主面にミラー構造体
となる膜を成膜した後、複数の光ファイバー固定のため
のV字型溝及びミラー構造体を同時にパターニングして
作製し、複数のV字型溝に光ファイバーを固定して形成
される光路と前記ミラー構造体の表面に反射膜を設けた
可動ミラーとの相互位置関係が前記パターニングで規定
されるようにしたことを特徴としている。
【0022】前記光スイッチの製造方法において、前記
Si基板のアルカリ溶液による異方性エッチングにより
前記V字型溝を形成するとよい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る光スイッチ及
びその製造方法の実施の形態を図面に従って説明する。
【0024】図1に本発明の第1の実施の形態である光
スイッチの概略図を、図2乃至図4にその製造方法の詳
細をそれぞれ示す。
【0025】図1の光スイッチは静電力駆動の構成であ
って、主面(上面)が(100)面のSi基板1にミラ
ー配置用空間2を形成するとともに複数の光ファイバー
固定のためのV字型溝3を形成し、Si基板1の主面上
に成膜された多結晶質Si(poly-Si)膜等の一部でミ
ラー構造体11及びこれを基板1に対して支える2本の
梁15,16を形成し、該ミラー構造体11の表面に反
射金属膜としてのAuコーティング膜12を設けて可動
ミラー10としている。基板1の主面の反対面には絶縁
層17を介して静電力駆動のための対向電極18が固定
配置されている。
【0026】前記可動ミラー10と対向電極18との間
に印加された電圧の静電力により、当該可動ミラー10
は90゜回転する。すなわち、電圧が印加されていない
状態では可動ミラー10は基板主面に平行で、電圧が印
加されるとミラー配置用空間2内で基板主面に垂直とな
る。前記2本の梁15,16はトーションばねとして機
能し、可動ミラー10はトーションミラー構造をなして
いる。
【0027】前記V字型溝3は、アルカリ溶液によるS
i基板1主面である(100)面の異方性エッチングに
より形成されている。また、可動ミラー10に隣接する
ように4本の光ファイバー21,22,23,24が各
V字型溝3に固定配置されており、電圧が印加されてい
ないミラー10のオフ状態では光ファイバー21から出
た光は直進して光ファイバー23に入射し、電圧が印加
されて静電力が働くミラー10のオン状態では光は90
°方向を変え、光ファイバー22に入射し、2×2のス
イッチが実現される。
【0028】次に、図2乃至図4を用いて第1の実施の
形態である光スイッチの製造方法について詳述する。但
し、図2及び図3に示すプロセスフローは、図4
(A),(B)のA−A′断面よりみた形状を順次示す
ものである。
【0029】まず、図2(A)のように主面が(10
0)面のSi基板31(厚さ:300μm)を用意し、
この基板31に、図2(B)のようにLPCVD(LowP
ressure Chemical Vapor Deposition)によりSiO2
(厚さ:3μm)33と多結晶質Si(poly-Si)膜
(厚さ:0.25μm)32を成膜した。成膜温度はい
ずれも600℃で、原料ガスはSiO2がSiH4
2、多結晶質SiはSiH4である。
【0030】そして、フォトレジスト34を塗布、パタ
ーニングし、図4(A)の平面形状のフォトレジスト3
4によるマスクを形成する。このマスクを用いて、多結
晶質Si32をRIE(Reactive Ion Etching)で、S
iO2膜33をBHF(buffered hydrofluoric acid)
溶液でエッチングして、図2(C)の形状とした。
【0031】この上にやはりLPCVDで図2(D)の
ようにSi34膜(厚さ:0.05μm)35を成膜し
た。この膜35は後のV字型溝形成のためのエッチング
のマスクとなる。なお、成膜温度は800℃、原料ガス
はSiH4とNH3である。このSi34膜も、フォトレ
ジスト36を塗布し図4(B)の平面形状にパターニン
グしエッチングマスクとした後、RIEでエッチングし
て、図2(E)の形状にパターニングした。このパター
ニングによりV字型溝部分とミラー構造体が同時にパタ
ーニングされ、光路と可動ミラーとが自己アライメント
される(相互に位置合わせされる)ことになる。
【0032】そして、後の工程となるV字型溝形成のエ
ッチング時に多結晶質Si(Poly-Si)を保護するため
に、図2(F)のようにSiO2膜(厚さ:2μm)3
7をやはりLPCVDにより成膜し、図2(G)の如く
レジスト38を塗布して後でV字型溝が形成される部分
はSi基板31の表面が現れるようにパターニングして
エッチングマスクとし、BHF溶液によりエッチングし
た。
【0033】そして、TMAH(tetra methyl anmoniu
m hydroxide)溶液によるSi基板31の異方性エッチン
グを行い、図2(H)のように光ファイバーを置くため
のV字型溝3を形成した。図2(H)ではV字型溝3の
縦断面が示される。
【0034】それから、ミラー配置用空間2及び可動ミ
ラー10を作製する工程に続いて入る。図3(A)のよ
うに、基板31裏面にCr膜40を真空蒸着し、やはり
フォトレジストをマスクとしてCr膜40をパターニン
グした。エッチングには硝酸第2セリウムアンモニウム
溶液を用いた。そして、図3(B)の如くCr膜40を
マスクとして裏面からRIEによる貫通孔形成のための
凹部を形成した。このとき、リリース後の可動ミラー1
0の平面性を維持するために、ミラー構造体11の下層
部分となるように薄いSi基板41(もとの基板31の
一部)を残すようにするため、30μm程度一度エッチ
ングを進めてから、ミラー下のCr膜40のマスクのみ
取り除き、図3(C)のようにエッチストップ層のSi
2膜33まで貫通孔を形成した。
【0035】そして、図3(D)のようにBHF溶液に
よりSiO2膜33,37を取り除き、ミラー構造体1
1をリリースした。最後に図3(E)のように反射金属
膜としてのAuコーティング膜12を真空蒸着により成
膜して、可動ミラー10を作製した。この可動ミラー1
0は上層から順にAuコーティング膜12、Si34
35、多結晶質Si膜32、SiO2膜33及び薄いS
i基板41からなる多層構造である。
【0036】なお、図示は省略したが同時に形成された
2本の梁15,16は、SiO2膜33及び薄いSi基
板41が無く、上層から順に、Si34膜35及び多結
晶質Si膜32からなっている。
【0037】この第1の実施の形態によれば、光ファイ
バー21乃至24をV字型溝3上にそれぞれ固定し、か
つ、可動ミラー10と光ファイバーが自己アライメント
されるようにしているので、スイッチ素子として小型化
でき、かつ、結合損失を低減することができる。さら
に、Si基板1の主面の反対側に対向電極18を設け、
該対向電極18と前記可動ミラー10間に電圧を印加し
て前記可動ミラー10を静電駆動するため、簡単な構造
とすることができる。
【0038】図5に本発明の第2の実施の形態である光
スイッチの概略図を、図2及び図6にその製造方法の詳
細をそれぞれ示す。
【0039】図5の場合、可動ミラー10Aが磁性体層
を有し、対向電極の代わりに磁気駆動のための永久磁石
50が基板1の主面の反対側に移動自在に配置されてい
る。なお、その他の構成は図1と同様であり、同一又は
相当部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0040】また、製法上、V字型溝3を形成するまで
の図2(A)〜図2(H)までの工程は第1の実施の形
態と同じであるが、磁性体層を有する可動ミラー10A
を作製する工程が異なる。すなわち、図2(H)までの
工程の後、図6(A)のように保護膜のSiO2膜37
のみをBHF溶液で取り除いた後、磁性体層としてのN
iFeCo膜45を成膜、パターニングし、保護膜とし
てフォトレジスト46を塗布しておく。以降のプロセス
は図3(B)〜(E)の場合と同様であり、図6(B)
の如くCr膜40をマスクとして裏面からRIEによる
貫通孔形成のための凹部を形成し、ミラー構造体11A
の下層部分となるように薄いSi基板41(もとの基板
31の一部)を残すようにするため、30μm程度一度
エッチングを進めてから、ミラー下のCr膜40のマス
クのみ取り除き、図6(C)のようにエッチストップ層
のSiO2膜33まで貫通孔を形成し、図6(D)のよ
うにフォトレジスト46、SiO2膜33を取り除き、
ミラー構造体11Aをリリースした。最後に図6(E)
のように反射金属膜としてのAuコーティング膜12を
真空蒸着により成膜して、可動ミラー10Aを作製し
た。この可動ミラー10Aは上層から順にAuコーティ
ング膜12、軟磁性体層としてのNiFeCo膜45、
Si34膜35、多結晶質Si膜32、SiO2膜33
及び薄いSi基板41からなる多層構造である。
【0041】この第2の実施の形態によれば、可動ミラ
ー10Aと光ファイバーが自己アライメントされ、スイ
ッチ素子として小型化でき、かつ、結合損失を低減する
ことができる効果に加えて、可動ミラー10A上に磁性
膜を成膜し、外部磁界による磁気力でミラー10Aを駆
動させることにより、機械式光スイッチに重要な特性で
ある自己保持性を実現することができる。つまり、図5
のように永久磁石50が基板1の主面の反対側にて可動
ミラー10Aに近接配置されていれば、可動ミラー10
Aはミラー配置用空間2内で基板主面に垂直なオン状態
となり、永久磁石50が可動ミラー10Aから十分離間
した位置では可動ミラー10Aは基板主面に平行なオフ
状態となり、永久磁石50をいずれかの位置に保持して
おくことで自己保持動作が可能である。
【0042】
【実施例】
実施例1 図5の光スイッチの各部のサイズを以下に示す。まず、
梁15,16は、幅が20μm、長さが620μm、厚
さは多結晶質Si膜が0.25μmとSi34膜が0.
05μmで合わせて0.3μm、ミラー10Aの幅及び
長さは150×500μmであり、Au膜の膜厚は充分
な反射が得られるように0.05μmとした。対向する
V字型溝3の間隔は1mmであり、したがって対向する光
ファイバー間隔は1mm以下となるようにした。
【0043】以下に光スイッチングを行った結果を示
す。まず、光は波長1.55μmの赤外光とした。光フ
ァイバーには、TECファイバーを用いた。これは、光
ファイバー端部のみコア径を広げ、伝搬距離を長くして
いるシングルモードファイバーであり、コア径は6μm
から12μmとしている。ただし、伝搬距離を長くする
には、コア径はより大きいことが望ましい。
【0044】図7に光ファイバー間距離と結合損失の関
係を示す(TECファイバー使用)。結合損失を抑える
ためには、少しでも光ファイバー間距離が近いことが望
ましい。なお、測定はV字型溝上で行った。
【0045】本実施例では、可動ミラー10Aは磁気力
により駆動した。磁性膜としては、飽和磁束密度Bs=
10kG,保磁力Hc=5OeのNiFeCo膜を用い
た。
【0046】図8には外部磁界とミラーの回転角度の関
係を実験にて求めた結果(実線曲線)、及び基板に垂直
方向に均一な磁界が印加されていると仮定し、かつ磁性
膜に垂直磁化成分がないと仮定して、外部磁界とミラー
の回転角度の関係を計算した結果(点線曲線)を示す。
梁の膜厚は3000オングストロームである。数百Oe
の磁界でかなり90°に近づくことが確認される。
【0047】本実施例では、磁界は均一な磁界ではな
く、充分に大きな磁界といえる500Oeの磁界を発生
している永久磁石50を基板の下に配してミラー10A
を回転させた。したがって、永久磁石が置かれている限
りにおいては、ミラーオン状態が保持される。
【0048】光ファイバー間隔を0.5mmとしてスイッ
チングを行ったところ、オフ状態での結合損失は図7か
らもわかるように約4dB、ミラーにより方向を変えた
場合で約6dBの結果を得た。これは既に報告されてい
るトーションミラー型光スイッチの結合損失よりも小さ
い。
【0049】なお、結合損失はさらに光スイッチを小型
化し、コア径の大きい光ファイバーを用いることによっ
て、さらに小さくすることも可能である。
【0050】実施例2 本実施例では、図1の光スイッチの可動ミラー10を磁
気力ではなく、静電力により駆動した。光スイッチの各
部のサイズは実施例1と同じとした。光スイッチの駆動
は、対向電極18を基板1の下に配置し、ミラー10の
Au膜を電極として、Au膜と対向電極18間に電圧を
印加し、ミラー10を回転させている。この場合には基
板厚さの300μmが、そのまま電極間ギャップとな
る。約100Vの電圧の印加によりミラーはほぼ90°
回転し、実施例1と同程度の結合損失を得た。
【0051】なお、前述した第2の実施の形態におい
て、磁性体層としては軟磁性膜であるNiFeCo膜に
は限られず、むしろCoPt膜等の硬磁性膜を用いるこ
とが好ましい。第2の実施の形態において、CoPt膜
等の硬磁性膜を可動ミラー10A側に設け、ミラー周囲
に電磁石を置いてスイッチングを行うことも可能であ
る。
【0052】それらの磁性体層はスパッタ、蒸着等の真
空成膜法により形成することが好ましいが、別途作製し
た磁性体シート、例えば圧延箔を工程途中のウエハーに
張り付けることでも作製可能である。また、磁性体層の
パターニングのためのエッチングは公知の各種のエッチ
ャントを用いて行うことが可能である。例えばNiFe
Co膜のエッチングは混酸アルミ液で行った。
【0053】以上本発明の実施の形態について説明して
きたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記
載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当
業者には自明であろう。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光ファイバーをV字型溝上に固定し、かつ、可動ミラー
と光ファイバーが自己アライメントされるようにしてい
るので、スイッチ素子として小型化でき、かつ、結合損
失を低減することができる。
【0055】また、可動ミラー上に磁性体層を設けた場
合、外部磁界による磁気力で可動ミラーを駆動させるこ
とにより、機械式光スイッチに重要な特性である自己保
持性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態であって光スイッチ
を示す概略図である。
【図2】第1の実施の形態における光スイッチ作製のプ
ロセスフロー前半を示す説明図である。
【図3】同じく光スイッチ作製のプロセスフロー後半を
示す説明図である。
【図4】同じく光スイッチ作製のプロセスで用いるマス
クパターンを示す説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態であって光スイッチ
を示す概略図である。
【図6】第2の実施の形態における光スイッチ作製のプ
ロセスフロー後半を示す説明図である。
【図7】TECファイバーの間隔と結合損失の関係を示
すグラフである。
【図8】外部印加磁界とミラーの回転角の関係を計算し
た結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1,31,41 基板 2 ミラー配置用空間 3 V字型溝 10,10A 可動ミラー 11,11A ミラー構造体 12 Auコーティング膜 15,16 梁 18 対向電極 21,22,23,24 光ファイバー 45 NiFeCo膜 50 永久磁石

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主面が(100)面のSi基板にミラー
    配置用空間を形成するとともに複数の光ファイバー固定
    のためのV字型溝を形成し、前記Si基板の主面上に成
    膜された膜の一部でミラー構造体を形成し、該ミラー構
    造体の表面に反射膜を設けて可動ミラーとし、前記V字
    型溝に光ファイバーを固定し、前記可動ミラーを複数の
    光ファイバー間の前記ミラー配置用空間に配して、前記
    可動ミラーの駆動により光路を変更すること特徴とする
    光スイッチ。
  2. 【請求項2】 前記Si基板の主面の反対側に対向電極
    を設け、該対向電極と前記可動ミラー間に電圧を印加し
    て前記可動ミラーを静電駆動する請求項1記載の光スイ
    ッチ。
  3. 【請求項3】 前記可動ミラーは磁性体層を有し、永久
    磁石により自己保持動作を行う請求項1記載の光スイッ
    チ。
  4. 【請求項4】 主面が(100)面のSi基板の当該主
    面にミラー構造体となる膜を成膜した後、複数の光ファ
    イバー固定のためのV字型溝及びミラー構造体を同時に
    パターニングして作製し、複数のV字型溝に光ファイバ
    ーを固定して形成される光路と前記ミラー構造体の表面
    に反射膜を設けた可動ミラーとの相互位置関係が前記パ
    ターニングで規定されるようにしたことを特徴とする光
    スイッチの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記Si基板のアルカリ溶液による異方
    性エッチングにより前記V字型溝が形成されている請求
    項4記載の光スイッチの製造方法。
JP30497097A 1997-10-20 1997-10-20 光スイッチ及びその製造方法 Pending JPH11119123A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30497097A JPH11119123A (ja) 1997-10-20 1997-10-20 光スイッチ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30497097A JPH11119123A (ja) 1997-10-20 1997-10-20 光スイッチ及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11119123A true JPH11119123A (ja) 1999-04-30

Family

ID=17939511

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30497097A Pending JPH11119123A (ja) 1997-10-20 1997-10-20 光スイッチ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11119123A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001053874A1 (fr) * 2000-01-20 2001-07-26 Japan Science And Technology Corporation Commutateur optique mecanique et procede de fabrication correspondant
WO2002044781A1 (fr) * 2000-12-01 2002-06-06 Memscap Procede de fabrication d'un commutateur optique, commutateur optique obtenu par ledit procede, et matrice de tels commutateurs.
JP2004053850A (ja) * 2002-07-18 2004-02-19 Fujitsu Ltd デバイスチップの製造方法
US6743653B2 (en) 2002-05-08 2004-06-01 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Micromachine manufacturing method
KR100488814B1 (ko) * 2002-07-30 2005-05-11 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 광스위치 장치
US7082251B2 (en) 2002-03-28 2006-07-25 Ntt Electronics Corporation Optical device
CN1308721C (zh) * 2001-08-10 2007-04-04 日本航空电子工业株式会社 光开关
US20160306119A1 (en) * 2015-04-14 2016-10-20 Honeywell International Inc. Optical bench

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001053874A1 (fr) * 2000-01-20 2001-07-26 Japan Science And Technology Corporation Commutateur optique mecanique et procede de fabrication correspondant
US6711321B2 (en) 2000-01-20 2004-03-23 Japan Science And Technology Corporation Mechanical optical switch and method for manufacturing the same
WO2002044781A1 (fr) * 2000-12-01 2002-06-06 Memscap Procede de fabrication d'un commutateur optique, commutateur optique obtenu par ledit procede, et matrice de tels commutateurs.
FR2817629A1 (fr) * 2000-12-01 2002-06-07 Memscap Procede de fabrication d'un commutateur optique, commutateur optique obtenu par ledit procede, et matrice de tels commutateurs
CN1308721C (zh) * 2001-08-10 2007-04-04 日本航空电子工业株式会社 光开关
US7082251B2 (en) 2002-03-28 2006-07-25 Ntt Electronics Corporation Optical device
CN1294441C (zh) * 2002-03-28 2007-01-10 Ntt电子股份有限公司 光学装置
US6743653B2 (en) 2002-05-08 2004-06-01 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Micromachine manufacturing method
JP2004053850A (ja) * 2002-07-18 2004-02-19 Fujitsu Ltd デバイスチップの製造方法
KR100488814B1 (ko) * 2002-07-30 2005-05-11 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 광스위치 장치
US20160306119A1 (en) * 2015-04-14 2016-10-20 Honeywell International Inc. Optical bench
US9658404B2 (en) * 2015-04-14 2017-05-23 Honeywell International Inc. Optical bench

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Wu Micromachining for optical and optoelectronic systems
US6526198B1 (en) Micromachined optomechanical switches
US6813412B2 (en) Mems element having perpendicular portion formed from substrate
TW526338B (en) MEMS optical cross-connect switch
US7582497B2 (en) Method of manufacturing micro-optic device
US7215630B2 (en) Micro mirror unit, optical disc drive using same, and method for producing micro mirror unit
US20020114058A1 (en) Light-transmissive substrate for an optical MEMS device
US6583031B2 (en) Method of making a MEMS element having perpendicular portion formed from substrate
JP4094407B2 (ja) 光スイッチ
JP2004326083A (ja) ミラーの製造方法とミラーデバイス
US7238621B2 (en) Integrated optical MEMS devices
JP2002510059A (ja) 静電マイクロアクチュエータを有する光マイクロスイッチおよびその使用方法
US20060039060A1 (en) Scanning device and fabrication method thereof
JPH11119123A (ja) 光スイッチ及びその製造方法
JP2005519784A (ja) 絶縁物質に具現されたmemsコームアクチュエータとその製造方法
US20030012545A1 (en) Broad-band variable optical attenuator
JP3840225B2 (ja) 光スイッチ
US6801681B2 (en) Optical switch with low-inertia micromirror
JP3930953B2 (ja) 光スイッチ及びその製造方法
JP2003029178A (ja) 光スイッチの製造方法
US6993218B2 (en) Optical switch and optical switch array
US7755825B1 (en) Method of fabricating an optical modulator
JP3451395B2 (ja) 光スイッチおよびその製造方法
JPWO2002103432A1 (ja) 光スイッチ
JP3537408B2 (ja) 光スイッチングのためのマイクロアクチュエータ及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040715

A977 Report on retrieval

Effective date: 20060621

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060705

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20061129

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02