JPH11117977A - 車両用懸架シリンダ - Google Patents

車両用懸架シリンダ

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JPH11117977A
JPH11117977A JP29485397A JP29485397A JPH11117977A JP H11117977 A JPH11117977 A JP H11117977A JP 29485397 A JP29485397 A JP 29485397A JP 29485397 A JP29485397 A JP 29485397A JP H11117977 A JPH11117977 A JP H11117977A
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JP
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cylinder
diaphragm
oil
vehicle
chamber
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JP29485397A
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English (en)
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Hiroshi Matsumoto
洋 松本
Masaru Mishima
勝 三島
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KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハイドロニューマチック・サスペンションに
使用される懸架シリンダのゼロダウン時におけるダイヤ
フラムの損傷を簡単な構成によって防止する。 【解決手段】 シリンダ4とアウタシェル21との間を
ダイヤフラム22によって油室23とガス室24とに区
画した車両用の懸架シリンダ1において、ダイヤフラム
22の両端をアウタシェル21とシリンダ4側に設けた
ベアリング5およびボトムケース9とでそれぞれ挟んで
固定し、これらダイヤフラム22の固定部16,17か
らシリンダ4の外壁面へと続くベアリング5とボトムケ
ース9の部分をなだらかなテーパ面18,19として形
成すると共に、このテーパ面19の部分にシリンダ4の
内部へと通じる油路25,26を開口する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両を懸架する
ためのハイドロニューマチック・サスペンションに使用
される懸架シリンダに関し、さらに詳しくは、ばね作用
と減衰作用とに併せて車高調整機能をも兼ね備えた車両
用の懸架シリンダに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の車両用懸架シリンダは、
例えば、特開昭48−50175号公報にみられるよう
に、シリンダとアウタシェルの間の空隙部分にダイヤフ
ラムを配設し、このダイヤフラムの両端をシリンダまた
はアウタシェルに対して固定するなり、或いは、これら
とシリンダに設けたベアリングおよびボトムケースとで
挟んで適宜に固定している。
【0003】そして、上記したダイヤフラムによりシリ
ンダとアウタシェルの間の空隙部分を油室とガス室に区
画すると共に、当該油室をシリンダまたはベアリング或
いはボトムケースに設けた油路を通してシリンダ内の作
動油室に連通し、かつ、このシリンダ内の作動油室をピ
ストンロッドに設けたレベリング油路で制御用の油圧回
路に結ぶことによって使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この種の車両
用懸架シリンダにあっては、車両への装着前や取り外し
時のように、ピストンロッドのレベリング油路を制御用
の油圧回路から切り離して油圧力を抜いた状態即ちゼロ
ダウンの状態において、ガス室内の高圧ガスによりダイ
ヤフラムを内方へと膨出させて油室内の作動油を油路か
らシリンダの作動油室へと押し出す。
【0005】これにより、ダイヤフラムは、内方への膨
出によってアウタシェルまたはシリンダ或いはベアリン
グやボトムケースの壁面へと押し付けられ、油路を塞い
で油室を密閉状態に保ち、ピストンロッドのレベリング
油路から外部へと流出する作動油の洩れを抑える。
【0006】そこで、ダイヤフラムは、ゴム等の柔軟な
弾性材料で作って上記油室の容積変化と油路の閉塞とを
より確実なものとしてやることが望ましい。
【0007】そうとは言っても、当該ダイヤフラムは、
ガス室内の高圧ガスの膨張により内方へと膨出して上記
した油路を塞ぐだけでなく、両端取付部が極端に折れ曲
がってシリンダとベアリングまたはボトムケースの嵌着
隙間に押し込まれる。
【0008】そのために、ダイヤフラムのこの個所に損
傷が生じてガス室内の高圧ガスがシリンダ内の作動油と
共にピストンロッドのレベリング油路を通して外部に吹
き出してくるという恐れがあった。
【0009】さらに、これに加えて、ピストンロッドの
レベリング油路を制御用の油圧回路へと接続して使用す
る際にも、ジャッキアップによって車体荷重を取り除く
と油室内の作動油圧力がゼロとなってダイヤフラムはゼ
ロダウンの状態になる。
【0010】また、そればかりでなく、上記の使用状態
で車体の高さを超低車高に下げた場合にあっても、シリ
ンダ内の作動油が大量に制御用の油圧回路におけるリザ
ーバへと戻ってダイヤフラムは同じくゼロダウンの状態
となる。
【0011】しかも、上記したジャッキアップは、車両
の状態等により場合によっては比較的高い頻度で行わ
れ、特に、超低車高は、走行路面の状況や走行条件等に
よって非常に多い頻度でしばしば行われる。
【0012】その結果、ダイヤフラムは、ゼロダウンの
状態を繰り返して損傷し易く、損傷を生じるとガス室内
の高圧ガスがダイヤフラムを通して油室へと洩れ、当該
油室内の作動油中に混入して車高の上げ下げ動作に伴い
シリンダの作動油室内へと入る。
【0013】そして、車高の上げ下げによる作動油の給
排動作の繰り返しによりガス室内の高圧ガスが全て制御
用の油圧回路におけるリザーバへと排出されて大気中に
放出され、シリンダとアウタシェルの内部が作動油のみ
となって懸架シリンダとしての本来の機能ができなくな
るという不都合があった。
【0014】したがって、この発明の目的は、ゼロダウ
ン時におけるダイヤフラムの損傷を簡単な構成によって
防止することのできる車両を懸架するためのハイドロニ
ューマチック・サスペンションに使用される懸架シリン
ダを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記した目的は、この発
明において、シリンダとアウタシェルの間をダイヤフラ
ムによって油室とガス室とに区画した車両用の懸架シリ
ンダにおいて、ダイヤフラムの両端をアウタシェルとシ
リンダ側に設けたベアリングおよびボトムケースとでそ
れぞれ挟んで固定し、これらダイヤフラムの固定部から
シリンダの外壁面へと続くベアリングとボトムケースの
部分をなだらかなテーパ面として形成すると共に、この
テーパ面の部分にシリンダの内部へと通じる油路を開口
することによって達成される。
【0016】すなわち、上記のように構成することによ
って、車両への取り付け前後に関係なく何れの場合のゼ
ロダウン時にあっても、ダイヤフラムがガス室内の高圧
ガスの膨張により押されて内方へと膨出したときに両端
取付部の部分で極端に折れ曲がることなく、ベアリング
とボトムケースのテーパ面からシリンダの外壁面へと沿
ってなだらかに膨出し、当該ダイヤフラムによってシリ
ンダ内の作動油室とアキュムレータの油室を連通する油
路を塞ぐ。
【0017】そのために、ダイヤフラムに生じる局部的
な変形も少なく耐久性に優れるばかりでなく、ダイヤフ
ラムの両端取付部がシリンダとベアリングまたはボトム
ケースの嵌着隙間に押し込まれて損傷を受ける恐れもな
くなるので、ガス室内の高圧ガスがダイヤフラムを通し
て油室へと洩れ出すのを防止する。
【0018】これによって、ガス室内の高圧ガスがシリ
ンダ内の作動油と共にピストンロッドのレベリング油路
を通して外部に吹き出してきたり、或いは、高圧ガスの
全てが制御用の油圧回路におけるリザーバへと排出され
て懸架シリンダとしての本来の機能ができなくなるとい
う恐れをも除去する。
【0019】また、好ましくは、上記に加えボトムケー
スのテーパ面に開口する油路と対向して、ダイヤフラム
により押されて撓みつつ当該油路を覆う裁頭円錐状のチ
ェックバルブを配置してやる。
【0020】これにより、チェックバルブは、ダイヤフ
ラムの内方への膨出により押されて油路を閉塞すること
から、ダイヤフラムが油路へと食い込んで損傷を受ける
のをも防止して上記した各恐れをより確実に除去するこ
とができる。
【0021】さらに、これらに加えて、ダイヤフラムの
両端固定部間におけるアウタシェルの壁面を外方へと向
って膨出させることでより好ましい形で達成される。
【0022】何となれば、当該車両用懸架シリンダの組
立に際して、予め、ピストンロッドやダイヤフラム等の
必要な部材をシリンダに組み付け、これをアウタシェル
に挿入して組み立てることで作業性の向上をも図ること
ができるからである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好ましい実施の
形態を添付図面に基いて説明していくことにする。
【0024】図1は、この発明の一実施の形態である車
両用懸架シリンダ1を縦断して示したもので、当該車両
用懸架シリンダ1は、ピストンロッド2に設けたレベリ
ング油路3で図示しない制御用の油圧回路に結ばれる。
【0025】ピストンロッド2は、シリンダ4の一端を
覆って設けたベアリング5を貫通してシール6により油
密状態を保ちつつシリンダ4内へと延び、かつ、内端が
シリンダ4の内壁をガイドとして摺動するピストン7に
ピストンナット8で結合している。
【0026】シリンダ4の他端は、当該部分を覆って設
けたボトムケース9によって塞がれており、前記したベ
アリング5と協同してシリンダ4の内部をピストン7に
より作動油室10,11に区画し、この作動油室11に
対してピストンロッド2を貫通するレベリング油路3が
連通している。
【0027】作動油室10,11は、ピストン7に穿っ
た二組のポート群12,13を通して相互に連通し、こ
の一方の組のポート群12の作動油室11への開口端を
伸側減衰バルブ14で塞ぐと共に、他方の組のポート群
13の作動油室10への開口端を圧側減衰バルブ15で
それぞれ塞いでいる。
【0028】また、ベアリング5とボトムケース9は、
シリンダ4への取付部と反対側の外方部分を太径にし、
その部分に環状溝を形成することによって固定部16,
17とし、しかも、これら固定部16,17からシリン
ダ4の外壁面へと続く部分をなだらかなテーパ面18,
19として形成してある。
【0029】シリンダ4の外周には、固定部16,17
とに亙り外壁面との間に空隙部分を存して一端にロアキ
ャップ20をもつアウタシェル21を配設し、かつ、固
定部16,17とアウタシェル21とでダイヤフラム2
2の両端をそれぞれ挟み込んで固定することにより、当
該ダイヤフラム22でシリンダ4とアウタシェル21と
の間の空隙部分を油室23とガス室24とに区画してい
る。
【0030】このようにして、固定部16,17とアウ
タシェル21とでダイヤフラム22の両端を挟んで固定
することより、ベアリング5とボトムケース9の部分で
油室23内の作動油とガス室24内の高圧ガスが外部へ
と漏洩してしまうのと、相互に洩れて混じり合ってしま
うのをシールして密封している。
【0031】上記した油室23は、シリンダ4とボトム
ケース9との間に設けた環状の油路25と、同じく、シ
リンダ4とボトムケース9の間からボトムケース9の内
底に亙って凹溝状に形成した複数個の油路26とを通し
てシリンダ4の内部における作動油室11へと通じてい
る。
【0032】これによって、油路25の油室23に対す
る開口部は、ボトムケース9のテーパ面19からシリン
ダ4の外壁面に続く境界部分に位置した僅かな隙間で構
成されることになる。
【0033】しかし、そうとは言っても、この油路25
の油室23に対する開口部は、シリンダ4の外壁面を囲
繞することでその全長を大きくとれることから、流路面
積としては充分に確保することができる。
【0034】それに対して、アウタシェル21には、ガ
ス室24内へと高圧ガスを導入するためのガス供給口2
7が設けてあり、このガス供給口27からガス室24内
へと高圧ガスを導入した後に、当該ガス供給口27を封
止プラグ28で塞ぐことにより所定圧力の高圧ガスを封
入し得るようにしてある。
【0035】一方、車両用懸架シリンダ1の組立に際し
ては、シリンダ4の内部にピストン7をもつピストンロ
ッド2を挿入して両端をベアリング5とボトムケース9
とで塞ぎ、かつ、これらベアリング5とボトムケース9
の固定部16,17間にダイヤフラム22の両端を嵌着
した状態でボトムケース9がアウタシェル21のロアキ
ャップ20に当る位置まで挿入する。
【0036】これにより、ダイヤフラム22の両端を固
定部16,17とアウタシェル21の内壁面とで挟んで
固定しつつ、その上からパッキン29をもつパッキンケ
ース30をアウタシェル21に螺着し、ロアキャップ2
0とパッキンケース30とでベアリング5とボトムケー
ス9を挟持して組み立てられる。
【0037】そのために、当該実施の形態にあっては、
ダイヤフラム22の両端を固定するアウタシェル21の
部分の間を外方へと膨出させ、アウタシェル21へのシ
リンダ4の挿入時において、ダイヤフラム22の両端挟
み込み部分の損傷を未然に防止しつつ組立の容易化を図
ると共に、ガス室24の容積を規定量に確保できるよう
にしている。
【0038】なお、より大きなガス室24の容積を必要
とする場合には、懸架スプリングの一端を支持するスプ
リングシート31の上方部分など車両への装着に当って
障害とならない部分を、図1に破線で示すようにさらに
外方へと膨出させてやればよい。
【0039】このようにして、シリンダ4は、ピストン
7に対して摺動ガイドとしての役目を果すと共にダイヤ
フラム22を軸方向に支え、ガス室24内の高圧ガスが
膨張してダイヤフラム22が内方に膨出するときの膨出
量を規制しながらアウタシェル21と協同してアキュム
レータを構成することになる。
【0040】かくして、以上のように構成した図1にお
ける実施の形態の車両用懸架シリンダ1は、アウタシェ
ル21のロアキャップ20に設けた取付アイ32とピス
トンロッド2の突出端を通して車両の車輪と車体間に連
結し、かつ、スプリングシート31と車体間に懸架スプ
リング33を介装して用いることにより、以下に述べる
ようにして動作する。
【0041】車両の走行時において、車体と車輪間に生
じた振動は、ピストンロッド2と取付アイ32を通して
シリンダ4とピストン7との間に伸張および圧縮方向へ
の相対変位を与える。
【0042】そして、伸張動作時にあっては、作動油室
10内の作動油をピストン7のポート群12から伸側減
衰バルブ14を押し開いて作動油室11へと流し、この
伸側減衰バルブ14を押し開いて流れるときの作動油の
流動抵抗で所定の伸側減衰力を発生する。
【0043】しかも、これと併せて、シリンダ4からの
ピストンロッド2の退出体積分に相当する量の不足分の
作動油を、ガス室24の膨張によってダイヤフラム22
を内方へと膨出させつつ油室23から油路25,26を
通して作動油室11へと供給し、当該作動油で不足分を
補償しいながらガス室24の高圧ガスによるガスばね作
用と懸架スプリング33のばね力とで車体を支持する。
【0044】また、圧縮動作時にあっては、作動油室1
1内の作動油を油路25,26から油室23へとダイヤ
フラム22を外方へと膨出させてガス室24の高圧ガス
を圧縮しつつガス圧力を高めながら押し出し、この油室
23へと作動油を押し出すことによってシリンダ4への
ピストンロッド2の浸入体積分に相当する量の余剰分の
作動油を吸収する。
【0045】しかも、これと並行して、作動油室11内
の作動油をピストン7のポート群13から圧側減衰バル
ブ15を押し開いて作動油室10へも流し、この圧側減
衰バルブ15を押し開いて流れるときの作動油の流動抵
抗で所定の圧側減衰力を発生しつつ、かつ、ガス室24
のガス圧力によるガスばね作用と懸架スプリング33の
ばね力とで車体を支持する。
【0046】かくして、車両用懸架シリンダ1は、車両
の走行時における車体と車輪間の振動に伴って伸縮動作
し、伸側および圧側減衰バルブ14,15でそれぞれ所
定の伸側減衰力と圧側減衰力を発生しつつ、かつ、シリ
ンダ4に対するピストンロッド2の退出および浸入でガ
ス室24を膨張および圧縮しながら、ガス室24のガス
圧力によるガスばね作用と懸架スプリング33のばね力
とで車体を支持することになる。
【0047】それに対して、車高のレベリング操作に際
し、制御用の油圧回路からピストンロッド2のレベリン
グ油路3を通してシリンダ4の作動油室11へと作動油
を送り込んでやると、当該作動油が油路25,26を通
してシリンダ4とアウタシェル21との間の油室23に
流入する。
【0048】この油室23に流入した作動油は、ダイヤ
フラム22を外方へと膨出させてガス室24を収縮し、
ガス室24によるガスばね作用を上げて作動油室11と
油室23内の作動油圧力を上昇させる。
【0049】これにより、ピストンロッド2は、作動油
室10内の作動油をピストン7におけるポート群12か
ら伸側減衰バルブ14を押し開いて作動油室11へと押
し出しつつシリンダ4内から抜け出る方向に動作し、制
御用の油圧回路から送り込まれる作動油量に応じて車高
を高める。
【0050】逆に、上記と反対に、制御用の油圧回路を
通してレベリング油路3を当該油圧回路のリザーバへと
連通してやったとすると、ダイヤフラム22を収縮させ
ながらガス室24が膨張して油室23内の作動油を油路
25,26から作動油室11およびレベリング油路3を
通して制御用の油圧回路のリザーバへと排出する。
【0051】その結果、この場合には、ガス室24のガ
スばね作用が下がって作動油室11と油室23内の作動
油圧力が低下し、ピストンロッド2は、作動油室11内
の作動油をピストン7のポート群13から圧側減衰バル
ブ15を開いて作動油室10へと押し出しつつシリンダ
4内へと入り込み、制御用の油圧回路のリザーバへと排
出される作動油量に応じて車高を下げる。
【0052】このようにして、レベリング油路3の連通
を制御用の油圧回路で選択的に切換制御することによっ
て、停車状態と走行状態に関係なく車両の車高を所望の
高さに自由に調整することができる。
【0053】一方、ジャッキアップや超低車高への制御
或いは車両から取り外して当該車両用懸架シリンダ1が
ゼロダウンの状態になったときには、ダイヤフラム22
がガス室24内の高圧ガスの膨張により押されて内方へ
と膨出し、シリンダ4の外壁面に貼り付いた状態とな
る。
【0054】こととき、車両への取り付け前後に関係な
く何れの場合のゼロダウン時にあっても、ダイヤフラム
22の両端の取付部は極端に折れ曲がることなく、ベア
リング5とボトムケース9のテーパ面18,19からシ
リンダ4の外壁面に沿ってなだらかに内方へと膨出し、
ダイヤフラム22をこれらテーパ面18,19でガイド
することによってダイヤフラム22が損傷するのを防止
する。
【0055】なお、上記において、シリンダ4の両端面
とベアリング5およびボトムケース9の嵌着部分に隙間
があってダイヤフラム22がこれらの隙間に食い込もう
としても、これらの隙間は、通常の加工精度によって容
易にごく僅かに管理することができるのでダイヤフラム
22の食い込みは起らない。
【0056】それよりも、ダイヤフラム22は、シリン
ダ4とボトムケース9の間にある油路25へとはみ出す
恐れがあるが、前記したように、この油路25もまたシ
リンダ4の外壁面を囲繞して設け、その全長を大きくと
れることから僅かな隙間で流路面積を充分に確保するこ
とができるので、当該油路25へのダイヤフラム22の
はみ出しをも防止することができる。
【0057】そのために、ダイヤフラム22の両端取付
部がシリンダ4に対するベアリング5とボトムケース9
の嵌着隙間に食い込んだり、油路25へとはみ出して損
傷を受けたりする恐れがなく、ガス室24内の高圧ガス
がダイヤフラム22を通して油室23へと洩れ出すのを
防止すると共に、ダイヤフラム22によって油路25を
塞ぐ。
【0058】これによって、ガス室24内の高圧ガスが
シリンダ4内の作動油と共にピストンロッド2のレベリ
ング油路3を通して外部に吹き出してきたり、或いは、
高圧ガスの全てが制御用の油圧回路におけるリザーバへ
と排出されて懸架シリンダとしての本来の機能ができな
くなるという恐れをも除去することになる。
【0059】また、図2,図3は、他の実施の形態を示
す部分拡大図であって、設計上の理由から油路25の流
路面積を或る程度大きくとる必要がある場合には、図2
および図3に示すように、ボトムケース9のテーパ面1
9に開口する油路26と対向してダイヤフラム22によ
り押されて撓みつつ当該油路26を覆う裁頭円錐状のチ
ェックバルブ34を配置してやる。
【0060】このようにすることで、チェックバルブ3
4は、自己のばね作用により通常時には図2のように内
径側の部分がボトムケース9のテーパ面19から浮き上
がって油路25の油室23への連通を確保している。
【0061】それに対して、ゼロダウン時にあっては、
ダイヤフラム22がガス室24内の高圧ガスにより押さ
れて内方へと膨出し、当該ダイヤフラム22でチェック
バルブ34が押されてボトムケース9のテーパ面19上
に向って撓む。
【0062】しかも、この場合に、チェックバルブ34
は、ボトムケース9のテーパ面19上に滑動自在に支持
されており、かつ、シリンダ4における外壁面をガイド
面として撓むことになるのでシリンダ4の外壁面によっ
てセンタリングされる。
【0063】このことから、予め、チェックバルブ34
の内径寸法をシリンダ4の外径寸法に基いて適切に決め
ておくことにより、撓んだときのチェックバルブ34
は、シリンダ4の外壁面との間に局部的な大きい隙間を
生じることなく油路25を覆って塞ぐ。
【0064】なお、チェックバルブ34は、上記したよ
うに、シリンダ4とボトムケース9の何れにも固定され
ていないので車両の走行時における振動などによって動
くことになる。
【0065】しかし、車両用懸架シリンダ1の取り外し
時は勿論のこと、超低車高やジャッキアップによってゼ
ロダウンの状態が生じるのは車両が停止しているときで
あるので、振動によりチェックバルブ34がずれてしま
うようなことは起らない。
【0066】また、仮に、チェックバルブ34が振動に
よって正規の位置からずれてしまったとしても、テーパ
面19による支持とシリンダ4の外壁面によるセンタリ
ング作用とでゼロダウン時には正規の位置に納まる。
【0067】このようにして、ゼロダウン時にダイヤフ
ラム22が油路25へと食い込んで損傷を受けるのを確
実に防止して、高圧ガスが作動油と共に外部に吹き出し
てきたり、或いは、高圧ガスの全てが制御用の油圧回路
におけるリザーバへと排出されて懸架シリンダとしての
本来の機能ができなくなるという恐れを効果的に除去す
ることになる。
【0068】図4,図5は、上記した図2,図3と同様
に、さらに別の実施の形態を示す部分拡大図であって、
上記した図2,図3の他の実施の形態におけるチェック
バルブ34の縮径側の部分から放射状にスリット35を
入れてチェックバルブ34aを構成している。
【0069】この放射状のスリット35によってチェッ
クバルブ34aの撓み剛性を小さくできるので、油路2
5の流路面積を大きくしたとしてもチェックバルブ34
aの強度に問題が生じることなく、逆に、撓み易いこと
でダイヤフラム22との接触を柔らかくできることか
ら、ダイヤフラム22の損傷防止に対して一層の効果を
発揮することができる。
【0070】さらに、これに加えて、チェックバルブ3
4aの外周側の部分をダイヤフラム22と共にボトムケ
ース9とアウタシェル21とで挟んで固定し、振動によ
ってチェックバルブ34aが正規の位置からずれてしま
うのを防止している。
【0071】これらの点で、先に述べた図2,図3のチ
ェックバルブ34がもつ効果と併せて機能上での信頼性
をより向上し得るばかりでなく、チェックバルブ34a
がダイヤフラム22を介して弾性支持されることになる
ので応力の緩和にも役立つことになる。
【0072】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、車両への取り付け前後に関係なく何れの場合のゼロ
ダウン時にあっても、ダイヤフラムが両端取付部の部分
で極端に折れ曲がることなくベアリングとボトムケース
のテーパ面からシリンダの外壁面へと沿ってなだらかに
膨出し、当該ダイヤフラムによってシリンダ内の作動油
室とアキュムレータの油室を連通する油路を塞ぐことが
できる。
【0073】しかも、ダイヤフラムに生じる局部的な変
形も少なく耐久性に優れるばかりでなく、ダイヤフラム
の両端取付部がシリンダとベアリングまたはボトムケー
スの嵌着隙間に押し込まれて損傷を受ける恐れもなくな
るので、アキュムレータにおけるガス室内の高圧ガスが
ダイヤフラムを通して油室へと洩れ出すのを防止するこ
ともできる。
【0074】その結果、アキュムレータのガス室内の高
圧ガスが油室およびシリンダ内の作動油と共に外部に吹
き出してきたり、或いは、高圧ガスの全てが制御用の油
圧回路へと排出されて懸架シリンダとしての本来の機能
ができなくなるという恐れをも除去することが可能にな
る。
【0075】請求項2の発明によれば、上記に加えて、
ボトムケースのテーパ面に開口する油路と対向してダイ
ヤフラムにより押されて撓みつつ当該油路を覆う裁頭円
錐状のチェックバルブを配置したことにより、シリンダ
内の作動油室とアキュムレータの油室を連通する油路の
流路面積を大きくとりながら、ゼロダウン時にチェック
バルブで当該油路を塞ぎつつダイヤフラムが油路へと食
い込んで損傷を受けるのを防止して、アキュムレータの
ガス室内の高圧ガスが油室およびシリンダ内の作動油と
共に外部に吹き出してきたり、或いは、高圧ガスの全て
が制御用の油圧回路へと排出されて懸架シリンダとして
の本来の機能ができなくなるという恐れを除去すること
ができる。
【0076】同様に、請求項3の発明によれば、チェッ
クバルブに対して縮径側の部分から放射状にスリットを
入れたことにより、シリンダ内の作動油室とアキュムレ
ータの油室を連通する油路の流路面積をより大きくとり
ながら、しかも、ゼロダウン時にチェックバルブで当該
油路を塞ぎつつダイヤフラムが油路へと食い込んで損傷
を受けるのを防止して、アキュムレータのガス室内の高
圧ガスが油室およびシリンダ内の作動油と共に外部に吹
き出してきたり、或いは、高圧ガスの全てが制御用の油
圧回路へと排出されて懸架シリンダとしての本来の機能
ができなくなるという恐れを除去することが可能にな
る。
【0077】また、請求項4の発明によれば、チェック
バルブの外周側の部分をダイヤフラムと共にアウタシェ
ルとボトムケースとで挟んで固定したことにより、上記
した請求項2,3の効果に加えて、振動によりチェック
バルブが正規の位置からずれてしまうのを防止しつつ、
チェックバルブとしての機能の信頼性を向上させること
ができる。
【0078】さらに、請求項5の発明によれば、ダイヤ
フラムの両端固定部間におけるアウタシェルの壁面を外
方へと向って膨出させたことにより、前記した各請求項
の効果に加えて、アウタシェルへのシリンダの組み付け
時において、ダイヤフラムの両端挟み込み部分の損傷を
未然に防止しつつ組立の容易化を図ると共に、ガス室の
容積を規定量に確保することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による車両用懸架シリンダの実施の形
態を軸線に沿い縦断して示す正面図である。
【図2】同じく、この発明による車両用懸架シリンダの
他の実施の形態を拡大して示す部分縦断正面図である。
【図3】同上において用いられているチェックバルブを
軸線に沿い縦断して示す正面図である。4
【図4】この発明のもう一つの実施の形態を示す車両用
懸架シリンダを上記と同様に部分的に拡大して示す縦断
正面図である。
【図5】同じく、同上において用いられているチェック
バルブを下方からみた底面図である。
【符号の説明】
1 車両用懸架シリンダ 2 ピストンロッド 3 レベリング油路 4 シリンダ 5 ベアリング 7 ピストン 9 ボトムケース 14 伸側減衰バルブ 15 圧側減衰バルブ 16,17 ダイヤフラムの両端固定部 18 ベアリングのテーパ面 19 ボトムケースのテーパ面 20 ロアキャップ 21 アウタシェル 22 ダイヤフラム 23 油室 24 ガス室 25,26 油路 27 ガス供給口 28 封止プラグ 30 パッキンケース 33 懸架スプリング 34,34a チェックバルブ 35 スリット

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダとアウタシェルの間をダイヤフ
    ラムによって油室とガス室とに区画した車両用の懸架シ
    リンダにおいて、ダイヤフラムの両端をアウタシェルと
    シリンダ側に設けたベアリングおよびボトムケースとで
    それぞれ挟んで固定し、これらダイヤフラムの固定部か
    らシリンダの外壁面へと続くベアリングとボトムケース
    の部分をなだらかなテーパ面として形成すると共に、こ
    のテーパ面の部分にシリンダの内部へと通じる油路を開
    口したことを特徴とする車両用懸架シリンダ。
  2. 【請求項2】 ボトムケースのテーパ面に開口する油路
    と対向して、ダイヤフラムにより押されて撓みつつ当該
    油路を覆う裁頭円錐状のチェックバルブを配置した請求
    項1の車両用懸架シリンダ。
  3. 【請求項3】 チェックバルブの縮径側の部分から放射
    状にスリットを入れた請求項2の車両用懸架シリンダ。
  4. 【請求項4】 チェックバルブの外周側の部分をダイヤ
    フラムと共にアウタシェルとボトムケースとで挟んで固
    定した請求項2または3の車両用懸架シリンダ。
  5. 【請求項5】 ダイヤフラムの両端固定部間におけるア
    ウタシェルの壁面を外方へと向って膨出した請求項1,
    2,3または4の車両用懸架シリンダ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160130423A (ko) * 2014-03-04 2016-11-11 젯트에프 프리드리히스하펜 아게 레벨 조절식 진동 댐퍼

Cited By (2)

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