JPH11117779A - 内燃機関の可変圧縮比機構 - Google Patents

内燃機関の可変圧縮比機構

Info

Publication number
JPH11117779A
JPH11117779A JP28201297A JP28201297A JPH11117779A JP H11117779 A JPH11117779 A JP H11117779A JP 28201297 A JP28201297 A JP 28201297A JP 28201297 A JP28201297 A JP 28201297A JP H11117779 A JPH11117779 A JP H11117779A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compression ratio
head
combustion chamber
piston
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28201297A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshimitsu Ito
利光 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP28201297A priority Critical patent/JPH11117779A/ja
Publication of JPH11117779A publication Critical patent/JPH11117779A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/04Engines with variable distances between pistons at top dead-centre positions and cylinder heads
    • F02B75/044Engines with variable distances between pistons at top dead-centre positions and cylinder heads by means of an adjustable piston length

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】より簡単な構成で、燃焼室内の圧縮比をより的
確に可変調整することのできる内燃機関の可変圧縮比機
構を提供する。 【解決手段】エンジン11に設けられたピストン12
は、ピストン本体22及びヘッド部23から構成されて
いる。ヘッド部23は、自身の雌ねじ部23aがピスト
ン本体22の雄ねじ部22aに螺着されることにより、
同ピストン本体22に対して回動可能に接続されてい
る。ヘッド部23の上面には、磁石24が配設されてい
る。また、制御装置31により、エンジン11に設けら
れたガスケット15内の各電磁石25a〜25d,26
a〜26d,27a〜27d,28a〜28dに所定の
タイミングで通電してヘッド部23を回動させる。そし
て、ヘッド部23のねじ作用により、ヘッド部23が上
下移動されて燃焼室17内の圧縮比が可変される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の燃焼室内
の圧縮比をその運転状態に応じて可変とする内燃機関の
可変圧縮比機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、内燃機関は、燃焼室内の圧縮比
を高くすれば、燃焼圧力が高くなり熱効率が上昇して出
力が向上する。しかしその反面、上記圧縮比を過剰に高
くすると、燃焼圧力が高くなりすぎてノッキングを生じ
る要因となってしまう。一方、低負荷及び中負荷運転状
態と高負荷運転状態とでは燃焼室内で発生する燃焼圧力
が異なり、高負荷運転状態の燃焼圧力は、低負荷及び中
負荷運転状態での燃焼圧力と比べて高くなる。そのため
通常は、上記燃焼室内の圧縮比を低めに設定することに
より、高負荷運転状態でのノッキングの発生を防止する
ようにしている。
【0003】ところが、このように高負荷運転状態に合
わせて燃焼室内の圧縮比を設定することは、必然的に低
負荷及び中負荷における出力性能を低下させてしまうこ
とになる。耐ノッキング性能の向上と出力性能の向上と
は相容れない関係にあるのが普通である。
【0004】そこで従来は、例えば特開昭63−186
926号公報に記載の可変圧縮比機構のように、上記圧
縮比を可変として、耐ノッキング性能及び出力性能の両
立を図るようにしている。ちなみに、この可変圧縮比機
構においては、ピストンに油圧機構を設け、その油圧機
構によりピストンの高さを変えて圧縮比が変更されるよ
うにしている。そのため、同可変圧縮比機構によれば、
機関低負荷時あるいは低回転時などには圧縮比を高めて
出力を向上させることができるとともに、機関高負荷時
あるいは高回転時などには圧縮比を下げてノッキングの
発生を防止することができるようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、圧縮比を
可変とすることで耐ノッキング性能及び出力性能の両立
を図ることは可能となるものの、上記従来の可変圧縮比
機構においては、油圧機構を用いてピストンの高さを可
変としているためにその構造が複雑であり、コスト高と
なる。また、温度によって油圧の特性は変化するため油
圧特性にバラツキが生じやすく、圧縮比の微妙な調整が
困難でもある。しかも、燃焼圧力に抗する油圧を供給
し、保持することを可能とする高性能なポンプ並びに油
圧回路が必要となる。
【0006】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、より簡単な構成で、燃焼室
内の圧縮比をより的確に可変調整することのできる内燃
機関の可変圧縮比機構を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明では、ピストンのヘッド部が
ピストン本体に対してその運動方向に相対移動すること
により燃焼室内の圧縮比を可変とする内燃機関の可変圧
縮比機構において、前記ピストンのヘッド部はその周縁
に複数の磁石を有して前記ピストン本体に螺着係合され
るとともに、前記燃焼室内は通電により磁界を発生する
磁界発生機構を備え、前記磁界発生機構が発生する磁界
の誘導に基づく前記ヘッド部の回動によって同ヘッド部
がピストン本体に対してその運動方向に相対移動するこ
とをその要旨とする。
【0008】こうした構成によれば、比較的弱い力でも
確実にヘッド部を相対移動させることができるととも
に、圧縮比の微調整も容易となる。しかも、油圧を利用
した可変圧縮比機構に比べて構成が簡略にもなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、本発明を具体化した第1実施形
態を図1〜図6に従って説明する。
【0010】図1は本実施形態の可変圧縮比機構を示す
断面図であり、図2は同可変圧縮比機構の動作を説明す
るための概略平面図である。図1に示すように、エンジ
ン11のシリンダブロック11aにはピストン12が往
復移動可能に設けられ、ピストン12はコンロッド13
を介してエンジン11の出力軸であるクランクシャフト
14に連結されている。ピストン12の往復移動は、こ
のコンロッド13によりクランクシャフト14の回転へ
と変換されるようになっている。
【0011】また、上記シリンダブロック11aの上端
にはガスケット15を介してシリンダヘッド16が設け
られ、同シリンダヘッド16と上記ピストン12との間
には燃焼室17が形成されている。このシリンダヘッド
16には上記燃焼室17と連通する吸気ポート18及び
排気ポート19が設けられ、それら吸気ポート18及び
排気ポート19には、それぞれ吸気バルブ20及び排気
バルブ21が設けられている。これらの吸気バルブ20
及び排気バルブ21は、図示しないカムによって開閉駆
動されて、吸気ポート18と燃焼室17及び排気ポート
19と燃焼室17とをそれぞれ連通・遮断する。また、
シリンダヘッド16には、点火プラグ29が上記燃焼室
17に露出するように配設されている。
【0012】こうした構造を有するエンジン11にあっ
ては、その動力を得るために、上記燃焼室17内におい
て、吸気、圧縮、燃焼・膨張、排気の4行程が行われ
る。まず、吸気行程において、上記吸気バルブ20の開
弁及び上記ピストン12の下動によって、混合ガスが上
記吸気ポート18を通って燃焼室17内に吸入される。
次に、圧縮行程において、吸気バルブ20の閉弁ととも
に下死点に達したピストン12が上動し、これにより燃
焼室17の容積は小さくなり、同燃焼室17内に充満し
た混合ガスが圧縮される。続く燃焼・膨張行程におい
て、上記点火プラグ29から火花が発火され、圧縮され
た混合ガスに点火される。これにより燃焼室17内の混
合ガスは爆発し、同混合ガスの燃焼膨張によってピスト
ン12が下死点方向に押し下げられ、エンジン11に動
力が付与される。そして、燃焼後の混合ガスは、排気行
程において、排気バルブ21の開弁及びピストン12の
上動に伴い、排気ガスとして排気ポート19から送り出
される。
【0013】一方、上記ピストン12は、ピストン本体
22及びヘッド部23から構成されている。ピストン本
体22の上端には雄ねじ部22aが形成され、ヘッド部
23の下端には同雄ねじ部22aと対応する雌ねじ部2
3aが形成されている。そして、上記ヘッド部23は、
該雌ねじ部23aが上記雄ねじ部22aに螺着されるこ
とにより、上記ピストン本体22に対して回動並びに上
下動可能に係合されている。さらに、該ヘッド部23の
上面には、磁石(永久磁石)24が配設されている。詳
しくは図2に示すように、この磁石24は、上記ヘッド
部23の上面外縁にそれぞれ90゜の間隔をもって4つ
配設されている。このとき、磁石24の隣り合うもの同
士は、上記ヘッド部23の外縁に向かう極性が異なるよ
うに配設される。すなわち、磁石24a,24cはN
極、磁石24b,24dはS極になるように配設され
る。
【0014】また、上記ガスケット15には、これも図
2に示すように、磁界発生機構としての電磁石25a〜
25d,26a〜26d,27a〜27d,28a〜2
8dが、それぞれ等間隔に配設されている。電磁石25
a〜25dに巻装された各コイルは、それぞれ直列に結
線され、制御装置31に接続されている。これと同様
に、他の電磁石26a〜26d,27a〜27d,28
a〜28dに巻装された各コイルもそれぞれ直列に結線
されて制御装置31に接続されている(図示略)。な
お、上記各電磁石25a〜25d,26a〜26d,2
7a〜27d,28a〜28dの各コイルは、同各コイ
ルに対して図2に示す矢印方向に電流Iを通電した際
に、電磁石25a〜28a、25c〜28cの上記ヘッ
ド部23側にS極、電磁石25b〜28b、25d〜2
8dの上記ヘッド部23側にN極が励磁されるように巻
線されている(電磁石26a〜26d,27a〜27
d,28a〜28dについては図示略)。
【0015】次に、このように構成された本実施形態の
可変圧縮比機構の動作及び作用について、図2〜図6を
併せ参照しながら説明する。なお、図3(a),(b)
は本実施形態の可変圧縮比機構の動作状態を模式的に示
す概略図であり、図4は各電磁石に対する通電タイミン
グを示すタイムチャートであり、図5はヘッド部の移動
量を模式的に示す概略図である。
【0016】まず、図2に示すように、上記制御装置に
より、上記制御装置31から上記電磁石25a〜25d
の各コイルに同図に示す矢印方向に電流Iを通電する。
これにより、該電磁石25a,25cの上記ヘッド23
側にはS極が励磁され、電磁石25b,25dの上記ヘ
ッド23側にはN極が励磁される。そのため、上記ピス
トン12の上死点付近の所定クランク角度において、電
磁石25a,25cに上記各磁石24a,24cが引き
寄せられ、電磁石25b,25dに上記各磁石24b,
24dが引き寄せられる。
【0017】次に、上記制御装置31により、上記電磁
石25a〜25dの各コイルへの通電から上記電磁石2
6a〜26dの各コイルへの通電に切り換える。これに
より、図3(a)に示すように、電磁石26a,26c
の上記ヘッド23側にはS極が励磁され、電磁石26
b,26dの上記ヘッド23側にはN極が励磁される。
そのため、電磁石26a,26cに上記各磁石24a,
24cが引き寄せられ、電磁石26b,26dに上記各
磁石24b,24dが引き寄せられようとする。その結
果、上記ヘッド部23は、同図3(a)に示す矢印方向
に回動(図中右回転)し、図3(b)に示すように、上
記各磁石24a〜24dが上記各電磁石26a〜26d
に対応する位置に移動する。
【0018】続いて、図4に示すように、同様に上記各
電磁石27a〜27d,28a〜28dへと通電を順次
切り換えていくと、通電によって励磁された電磁石に上
記各磁石24a〜24dが引き寄せられ、上記ヘッド部
23が回動する。すなわち、同図4に示すように、上記
各電磁石25a〜25dの各コイルから各電磁石28a
〜28dの各コイルに順番に通電していくことによっ
て、上記ヘッド部23は、図3(a),(b)に示す矢
印方向に回動(図中右回転)する。
【0019】そして、上記電磁石28a〜28dの各コ
イルへの通電によって、上記磁石24aが電磁石28
a,28cの位置、上記磁石24bが同電磁石28b,
28dの位置に移動した後には、図4のポイントPに示
すように、上記電流Iの通電方向を逆にして、再び上記
電磁石25a〜25dの各コイルへの通電に切り換え
る。これにより、上記各磁石24b,24dが上記電磁
石25c,25aに引き寄せられ、上記各磁石24a,
24cが同電磁石25b,25dに引き寄せられて、上
記ヘッド部23は引き続き右回転する。また、上記各電
磁石25a〜25d,26a〜26d,27a〜27
d,28a〜28dの各コイルへの通電順序を逆にすれ
ば、該ヘッド部23は同図中左回転する。すなわち、こ
うした上記ヘッド部23を回動させるための動作原理
は、ステッピングモータの動作原理と同等である。
【0020】このように、上記ヘッド部23は上記各電
磁石25a〜25d,26a〜26d,27a〜27
d,28a〜28dの各コイルへの通電によって回動
し、図5に示すように、同ヘッド部23の雌ねじ部23
aと上記ピストン本体22の雄ねじ部22aとのねじ作
用により、ヘッド部23の高さが変更される。すなわ
ち、該ヘッド部23は、同ヘッド部23が右回転したと
きに低くなり、左回転したときに高くなる。そのため、
燃焼室17内の圧縮比はヘッド部23の高さ方向への移
動によって変更される。例えば、上記ヘッド部23が図
5に示す2点鎖線の位置から高さhだけ下方に移動する
と、この高さh分だけ上死点における燃焼室17内の容
積が増えるため、同燃焼室17内の圧縮比が低くなる。
【0021】こうして可変とする上記燃焼室17内の圧
縮比は、図6のマップに示すように、エンジン回転数N
E及び吸気圧力PMから最適な圧縮比εが求まる。した
がって、上記ヘッド部23は、上記制御装置31によ
り、そのときのエンジン回転数NE及び吸気圧力PMに
基づく最適な圧縮比εとなる位置に移動される。
【0022】以上詳述したように、本実施形態によれば
以下の効果が得られるようになる。 ・燃焼室17内の圧縮比を、エンジン11のエンジン回
転数NE及び吸気圧力PM、すなわちエンジン11の運
転状態に応じて最適な圧縮比εに可変設定することがで
きる。しかも、ピストン12のヘッド部23の高さ方向
の移動は、同ヘッド部23とピストン本体22とのねじ
作用によって行われる。そのため、比較的弱い力でもヘ
ッド部23をピストン本体22に対して確実に相対移動
させることができる。また、ヘッド部23の回動量に対
して、同ヘッド部23の高さ方向の移動量は少ないた
め、燃焼室17内の圧縮比の微調整も容易に行うことが
できる。
【0023】・燃焼室17内の圧縮比を可変とするため
の構成が、ステッピングモータの動作原理と同等の原理
に基づいているため、油圧を利用した従来の可変圧縮比
機構と比べて構成を簡略にすることができ、製造コスト
の低減を図ることができる。また、該従来の可変圧縮比
機構と比べて応答性もよいため、所望の圧縮比へ的確に
変更することができる。
【0024】・燃焼室17内の圧縮比を可変とするため
の構成が、ステッピングモータの動作原理と同等の原理
に基づいているため劣化の問題がなく、メンテナンスフ
リーにすることができる。
【0025】(第2実施形態)次に、本発明を具体化し
た第2実施形態を図7に従って説明する。なお、本実施
形態において、上記第1実施形態と同等の構成をなす部
材については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0026】図7に示すように、本実施形態において上
記第1実施形態と異なる点は、上記各電磁石25a〜2
5d,26a〜26d,27a〜27d,28a〜28
dが、上記ガスケット15と、上記シリンダブロック1
1aとの間に設けられている点である。
【0027】こうした構成によれば、上記第1実施形態
と同等の作用及び効果に加え、上記ピストン12の上死
点付近でなくとも上記ヘッド部23を回動させることが
できるようになる。そのため、広範囲のクランク角度に
て上記燃焼室17内の圧縮比を可変とすることができ
る。したがって、急激な運転状態の変化時においても即
座に所望の圧縮比に変更することが可能となる。
【0028】なお、上記各実施形態は以下のように変更
してもよく、その場合でも同様の作用および効果を得る
ことができる。・上記各実施形態では、ガスケット15
または同ガスケット15とシリンダブロック11aとの
間に、総計16個の各電磁石25a〜25d,26a〜
26d,27a〜27d,28a〜28dを設けたが、
これら各電磁石の数を増減する。こうして該電磁石の数
を増やした場合には、上記ヘッド部23の回動量をより
微妙に制御することが可能となり、上記燃焼室17内の
圧縮比をより微妙に制御することができる。また、上記
電磁石の数を減らした場合には、上記磁界発生機構の製
造が容易になるとともに、1ステップでの上記ヘッド部
23の回動量が大きくなるため、上記燃焼室17内の圧
縮比を急激に変更させる際に応答性を向上させることが
できるようになる。
【0029】・上記ピストン本体22の雄ねじ部22a
及び上記ヘッド部23の雌ねじ部23aのピッチを変更
する。こうしたピッチを小さくすれば上記燃焼室17内
の圧縮比を微妙に制御することが可能となり、同ピッチ
を大きくすれば、上記雄ねじ部22a及び雌ねじ部23
aの製造が容易になるとともに、上記燃焼室17内の圧
縮比を急激に変更させる際に応答性を向上させることが
できるようになる。
【0030】・上記第1及び第2実施形態においては、
燃焼室17内の圧縮比の制御が、図6に示すエンジン回
転数NE及び吸気圧力PMに基づいて制御される。換言
すれば、上記第1及び第2実施形態における燃焼室17
内の圧縮比は、エンジン回転数NE及び吸気圧力PMの
みに基づいて制御され、他のノッキング発生要因に基づ
く制御はされていない。すなわち、上記各実施形態にお
いて設定される圧縮比の設定値は、他のノッキング発生
要因が最もノッキングを発生しやすい条件下においても
ノッキングを発生しないようにするためのマージンを含
んだ値に設定されている。こうした他のノッキングの発
生要因には上記エンジン11の水温THWも含まれ、通
常、上記エンジン11の始動直後等の機関低温時、すな
わち上記水温THWが低いときにはノッキングが発生し
にくい。そこで、図8に示すように、上記エンジン11
に備え付けられた水温センサ(図示略)によって検出さ
れる同エンジン11の水温THWに基づく圧縮比Δε1
を、上記各実施形態にてエンジン回転数NE及び吸気圧
力PMに基づいて求まる圧縮比εに補正値として付与
し、ε+Δε1 となる圧縮比に制御する。すなわち、上
記燃焼室17内の圧縮比の設定値を、エンジン11の水
温THWに伴って変化するノック限界を学習した値に設
定するように制御する。このように、上記エンジン11
の温度状態に応じて圧縮比を設定すれば、特に同エンジ
ン11の低温時には、ノッキングが発生することなくエ
ンジン11の出力性能をより向上させることができるよ
うになる。しかも、該エンジン11の低温時に該圧縮比
を高く設定すると熱効率が上昇するため、暖気運転時間
を短縮することができる。
【0031】・上述したように、上記第1及び第2実施
形態における燃焼室17内の圧縮比は、エンジン回転数
NE及び吸気圧力PMのみに基づいて制御され、他のノ
ッキング発生要因に基づく制御はされていない。こうし
た他のノッキングの発生要因には上記エンジン11に使
用する燃料のオクタン価も含まれる。そこで、上記エン
ジン11にノックセンサを配設し、上記エンジン11の
暖機運転後、スロットルバルブ全開状態(WOT;Wide
Open Throttle)運転状態でのノッキング発生状態から
燃料のオクタン価を推測し、図9に示すように、その推
測されたオクタン価に応じた圧縮比Δε2 を上記各実施
形態にてエンジン回転数NE及び吸気圧力PMに基づい
て求まる圧縮比εに補正値として付与し、ε+Δε2 と
なる圧縮比に制御する。すなわち、上記燃焼室17内の
圧縮比の設定値を、エンジン11に用いる燃料のオクタ
ン価に伴って変化するノック限界を学習した値に設定す
るように制御する。このようにすれば、エンジン11の
燃料として一般に言われる「ハイオクガソリン」を用い
た際には、出力性能をより向上させることができる。ま
た、「ハイオクガソリン」からオクタン価の低い「レギ
ュラーガソリン」に変更した際には、「ハイオクガソリ
ン」使用時の圧縮比から「レギュラーガソリン」使用時
の圧縮比に変更することでノッキングの発生を確実に防
止することができる。
【0032】・上述したように、上記第1及び第2実施
形態における燃焼室17内の圧縮比は、エンジン回転数
NE及び吸気圧力PMのみに基づいて制御され、他のノ
ッキング発生要因に基づく制御はされていない。こうし
た他のノッキングの発生要因には上記燃焼室17内にお
ける点火時期も含まれる。通常、点火時期にはエンジン
から最大トルクを引き出す点火時期(MBT;Minimum
Spark Advance for Best Torque) があり、同点火時期
をこのMBTに設定することが理想である。そこで、上
記各実施形態にてエンジン回転数NE及び吸気圧力PM
に基づいて求まる圧縮比εにおいて、上記点火時期をM
BTに設定してもまだノッキングが発生しない場合に
は、同圧縮比εをさらに高くしていき、ノック限界ギリ
ギリまで圧縮比が高くなるように制御する。すなわち、
上記燃焼室17内の圧縮比の設定値を、エンジン11の
点火時期に伴って変化するノック限界を学習した値に設
定するように制御する。このようにすれば、上記エンジ
ン11の出力性能をより向上させることができるように
なる。
【0033】なお、上述した水温THWに基づく圧縮比
の制御、オクタン価に基づく圧縮比の制御、及び点火時
期に基づく圧縮比の制御をそれぞれ同時に行うようにす
れば、上記エンジン11の出力性能をより向上させるこ
とができるようになる。また、圧縮比を可変させるため
の機構がステッピングモータの動作原理と同等の原理に
基づいているため、こうした圧縮比の制御を行う際に応
答性がよく、上記燃焼室17内の圧縮比を的確に可変さ
せることができる。
【0034】・上記各実施形態では、磁界発生機構とし
ての各電磁石25a〜25d,26a〜26d,27a
〜27d,28a〜28dには、図2に示すように、各
コイルが一つの電磁石に対して一方向に巻装されている
が、これをハイブリッド型ステッピングモータと同様
に、一つの電磁石に対してコイルを両方向に巻装する。
そして、通電方向を一定にして、それら各方向に巻装さ
れた上記コイルの一方向側のみに上記電流Iを通電する
ようにし、図3に示すポイントPにて他の一方側への通
電に切り換えるようにする。すなわち、磁界発生機構の
動作原理をハイブリッド型ステッピングモータと同等に
する。
【0035】以上、各実施形態について説明したが、各
実施形態から把握できる請求項以外の技術的思想につい
て、以下にそれらの効果と共に記載する。 (イ)請求項1に記載の内燃機関の可変圧縮比機構にお
いて、前記内燃機関のノック限界を学習した圧縮比に対
応して、前記ヘッド部の前記ピストン本体に対する相対
移動を制御することを特徴とする内燃機関の可変圧縮比
機構。
【0036】このようにすれば、上記内燃機関における
水温、使用燃料のオクタン価、及び点火時期から、ノッ
ク限界を越えない最適な圧縮比へより的確に制御するこ
とができる。
【0037】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、比較的
弱い力でも確実にヘッド部を相対移動させることができ
るとともに、圧縮比の微調整も容易にすることができ
る。しかも、油圧を利用した可変圧縮比機構に比べて構
成を簡略にすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の可変圧縮比機構を示す断面図。
【図2】第1実施形態の可変圧縮比機構の電気的構成を
模式的に示す平面図。
【図3】第1実施形態の可変圧縮比機構の動作態様を模
式的に示す概略図。
【図4】第1実施形態の可変圧縮比機構の各電磁石に対
する通電態様を示すタイムチャート。
【図5】第1実施形態の可変圧縮比機構のヘッド部の移
動量を模式的に示す概略図。
【図6】第1実施形態によって可変設定される圧縮比の
設定態様を示す2次元マップ。
【図7】第2実施形態の可変圧縮比機構を示す断面図。
【図8】他の実施形態により補正される水温と圧縮比と
の関係を示すグラフ。
【図9】他の実施形態により補正される燃料オクタン価
と圧縮比との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
11…エンジン、12…ピストン、15…ガスケット、
17…燃焼室、22…ピストン本体、22a…雄ねじ
部、23…ヘッド部、23a…雌ねじ部、24…磁石、
25a〜25d,26a〜26d,27a〜27d,2
8a〜28d…電磁石(磁界発生機構)、31…制御装
置。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンのヘッド部がピストン本体に対
    してその運動方向に相対移動することにより燃焼室内の
    圧縮比を可変とする内燃機関の可変圧縮比機構におい
    て、 前記ピストンのヘッド部はその周縁に複数の磁石を有し
    て前記ピストン本体に螺着係合されるとともに、前記燃
    焼室内は通電により磁界を発生する磁界発生機構を備
    え、 前記磁界発生機構が発生する磁界の誘導に基づく前記ヘ
    ッド部の回動によって同ヘッド部がピストン本体に対し
    てその運動方向に相対移動することを特徴とする内燃機
    関の可変圧縮比機構。
JP28201297A 1997-10-15 1997-10-15 内燃機関の可変圧縮比機構 Pending JPH11117779A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28201297A JPH11117779A (ja) 1997-10-15 1997-10-15 内燃機関の可変圧縮比機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28201297A JPH11117779A (ja) 1997-10-15 1997-10-15 内燃機関の可変圧縮比機構

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11117779A true JPH11117779A (ja) 1999-04-27

Family

ID=17647008

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28201297A Pending JPH11117779A (ja) 1997-10-15 1997-10-15 内燃機関の可変圧縮比機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11117779A (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002103178A1 (fr) 2001-06-15 2002-12-27 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Variateur de rapport de compression de moteur a combustion interne
WO2004007932A1 (ja) * 2002-07-12 2004-01-22 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha 内燃機関の圧縮比可変装置
EP1541849A1 (en) * 2002-08-05 2005-06-15 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Compression ratio variable device of internal combustion engine
US6966282B2 (en) 2003-07-31 2005-11-22 Honda Motor Co., Ltd. Internal combustion engine variable compression ratio system
DE102007040699A1 (de) * 2007-08-29 2009-03-05 Robert Bosch Gmbh Hubkolben-Verbrennungskraftmaschine mit einstellbarem Verdichtungsverhältnis
CN102269076A (zh) * 2011-06-29 2011-12-07 武汉理工大学 内燃机改进型可变压缩比活塞
KR101500392B1 (ko) * 2013-12-13 2015-03-09 현대자동차 주식회사 가변 압축비 장치
CN106089479A (zh) * 2016-06-12 2016-11-09 哈尔滨工程大学 一种可视化光学发动机装置用的加长活塞机构
EP3222841A1 (de) * 2016-03-26 2017-09-27 Audi AG Brennkraftmaschine sowie verfahren zum betreiben einer brennkraftmaschine
FR3051876A1 (fr) * 2016-05-25 2017-12-01 Peugeot Citroen Automobiles Sa Machine a piston a liaison rotule
CN109611234A (zh) * 2018-11-21 2019-04-12 刘兴海 一种节能环保摩托发动机
WO2019175696A1 (en) * 2018-03-15 2019-09-19 King Abdullah University Of Science And Technology Wireless control of actuated valve in variable compression ratio piston
JP2021071063A (ja) * 2019-10-29 2021-05-06 株式会社Ihi原動機 エンジン

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002103178A1 (fr) 2001-06-15 2002-12-27 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Variateur de rapport de compression de moteur a combustion interne
US7066118B2 (en) 2001-06-15 2006-06-27 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Compression ratio variable device in internal combustion engine
WO2004007932A1 (ja) * 2002-07-12 2004-01-22 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha 内燃機関の圧縮比可変装置
US7353785B2 (en) 2002-07-12 2008-04-08 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Compression ratio variable device of internal combustion engine
EP1541849A1 (en) * 2002-08-05 2005-06-15 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Compression ratio variable device of internal combustion engine
US7284512B2 (en) 2002-08-05 2007-10-23 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Compression ratio variable device of internal combustion engine
EP1541849A4 (en) * 2002-08-05 2009-12-23 Honda Motor Co Ltd DEVICE FOR A COMBUSTION ENGINE WITH A VARIABLE COMPACTION RATIO
US6966282B2 (en) 2003-07-31 2005-11-22 Honda Motor Co., Ltd. Internal combustion engine variable compression ratio system
DE102007040699A1 (de) * 2007-08-29 2009-03-05 Robert Bosch Gmbh Hubkolben-Verbrennungskraftmaschine mit einstellbarem Verdichtungsverhältnis
CN102269076A (zh) * 2011-06-29 2011-12-07 武汉理工大学 内燃机改进型可变压缩比活塞
KR101500392B1 (ko) * 2013-12-13 2015-03-09 현대자동차 주식회사 가변 압축비 장치
EP3222841A1 (de) * 2016-03-26 2017-09-27 Audi AG Brennkraftmaschine sowie verfahren zum betreiben einer brennkraftmaschine
CN107228011A (zh) * 2016-03-26 2017-10-03 奥迪股份公司 内燃机以及用于运行内燃机的方法
US10287974B2 (en) 2016-03-26 2019-05-14 Audi Ag Internal combustion engine and method for operating an internal combustion engine
CN107228011B (zh) * 2016-03-26 2020-01-07 奥迪股份公司 内燃机以及用于运行内燃机的方法
FR3051876A1 (fr) * 2016-05-25 2017-12-01 Peugeot Citroen Automobiles Sa Machine a piston a liaison rotule
CN106089479A (zh) * 2016-06-12 2016-11-09 哈尔滨工程大学 一种可视化光学发动机装置用的加长活塞机构
WO2019175696A1 (en) * 2018-03-15 2019-09-19 King Abdullah University Of Science And Technology Wireless control of actuated valve in variable compression ratio piston
US11125151B2 (en) 2018-03-15 2021-09-21 King Abdullah University Of Science And Technology Wireless control of actuated valve in variable compression ratio piston
CN109611234A (zh) * 2018-11-21 2019-04-12 刘兴海 一种节能环保摩托发动机
CN109611234B (zh) * 2018-11-21 2020-10-30 苏州市信睦知识产权服务有限公司 一种节能环保摩托发动机
JP2021071063A (ja) * 2019-10-29 2021-05-06 株式会社Ihi原動機 エンジン

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6600989B2 (en) Apparatus and method for early intake valve closing
US6276316B1 (en) Intake-air quantity control apparatus for internal combustion engine with variable valve timing system
US6615129B2 (en) Apparatus and method for two-step intake phased engine control system
US7673608B2 (en) Engine starting for engine having adjustable valve operation
JP4124224B2 (ja) 4サイクル予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置
JP4602809B2 (ja) 内燃機関の電気作動式バルブの始動方法
JP2005127212A (ja) 内燃機関の制御装置
JPH11117779A (ja) 内燃機関の可変圧縮比機構
US7051687B2 (en) Valve operation controller
US20120215419A1 (en) Controller for internal combustion engine
JP4335663B2 (ja) 4サイクル往復動内燃機関
JP2006505740A (ja) 頻度調整されたvcrエンジン
JP4311604B2 (ja) 自己着火エンジンの制御装置
JPH10266878A (ja) 4ストロークエンジンの制御装置
EP0368675B1 (en) Electromagnetic valve control system
JP2006037812A (ja) エンジンのバルブ特性制御装置
US8430067B2 (en) Engine starting for engine having adjustable valve operation
JP4200712B2 (ja) 内燃機関の可変動弁機構制御装置
JP3915367B2 (ja) 可変動弁エンジンの制御装置
JP2013194730A (ja) 超高効率4サイクル内燃機関
US20170306869A1 (en) Diesel engine and method for starting a diesel engine
JP2006046285A (ja) 内燃機関の吸気制御装置
JP2004239174A (ja) 圧縮比変更期間における内燃機関の制御
WO2018211853A1 (ja) 内燃機関の可変動作システム及びその制御装置
JP2016008596A (ja) エンジンのバルブタイミング調整装置