JPH11116890A - 熱溶融塗布型塗料組成物およびその塗工方法 - Google Patents

熱溶融塗布型塗料組成物およびその塗工方法

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JPH11116890A
JPH11116890A JP10072598A JP10072598A JPH11116890A JP H11116890 A JPH11116890 A JP H11116890A JP 10072598 A JP10072598 A JP 10072598A JP 10072598 A JP10072598 A JP 10072598A JP H11116890 A JPH11116890 A JP H11116890A
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hot
coating
coating composition
melt
epoxy resin
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JP10072598A
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Takashi Ishikawa
崇 石川
Kenshirou Shimada
健志郎 島田
Minoru Nakamura
稔 中村
Shizuka Kubota
静香 久保田
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い生産性、経済性のもとで優れた塗膜特性を
与える熱溶融塗布型塗料組成物およびその塗工方法の提
供。 【解決手段】ビスフェノール型エポキシ樹脂中に、重合
可能な不飽和二重結合を3〜40個導入した変性ビスフ
ェノール型エポキシ樹脂と、他の重合可能な不飽和二重
結合を有するモノマーまたはオリゴマーとを含むことを
特徴とする熱溶融塗布型塗料組成物、および該熱溶融塗
布型塗料組成物を50〜200℃で基材に熱溶融塗布し
たのち、活性エネルギー線により硬化することを特徴と
する塗工方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種塗工基材に塗
膜を生産性よく熱溶融塗布でき、活性エネルギー線によ
り硬化して高塗膜物性を発現する熱溶融塗布型塗料組成
物、およびその塗工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、金属板や帯材(フ−プ材)(以
下、金属板シートという)の表面を装飾または保護する
ためのコーティング方式としては、溶剤型コーティング
方式、粉末型コーティング方式、エクストルージョン型
コーティング方式などが知られている。そして、一般に
はコーティング後に、塗膜はベーキング処理され、塗膜
中の樹脂成分が架橋(硬化)される。
【0003】しかし、前記溶剤型コーティング方式のう
ち、有機溶剤を使用する有機溶剤型コーティング方式
は、生産ラインにおいてコーティング剤を切り換える場
合、生産ライン内部の清掃作業に労力を要することか
ら、コストの上昇を招くという問題がある。また、有機
溶剤型コーティング方式は、ベーキング処理がなされる
場合、乾燥炉やベーキング炉などの運転のため高いエネ
ルギーコストがかかり、且つこれらの設備の他に溶剤回
収装置などが必要である。一方、水を溶剤として使用す
る水性溶剤型コーティング方式は、コーティング後に排
水設備が必要なため、高い設備投資が必要であるという
欠点を有するものである。
【0004】また、粉末型コーティング方式は、一般的
には顆粒状のコーティング剤を基材表面に静電吹き付け
し、次いで前記コーティング剤を溶融処理して基材表面
上に連続塗膜を形成させるものである。さらに、前記粉
末型コーティング方式の変形例として、基材を予め粉末
樹脂が溶融する温度よりも高い温度に加熱しておき、粉
末樹脂の中に浸漬してコーティングする方式も知られて
いる。しかし、粉末型コーティング方式は、溶融塗膜の
厚さが50μm以下、特に25μm以下と小さい場合、
均一な厚さの塗膜形成が困難であるという大きな問題が
ある。
【0005】塗膜厚が小さい場合にみられる塗膜厚の不
均一という欠点は、例えばコーティング対象物が20〜
200m/minの搬送速度で走行しているような場合
に倍加される。また、粒径を小さくする事が困難である
ため、必要以上に厚膜となり経済性の点で劣る。さら
に、粉末型コーティング方式に適用されているコーティ
ング剤、特に塗膜を構成する樹脂成分に起因して、加工
性、塗膜硬度等が不十分であるという欠点がある。した
がって、可撓性や光沢、塗膜硬度、密着性、高度な加工
性を要求される場合、従来の粉末型コーティング方式に
より形成される塗膜は、不十分な特性のものである。
【0006】また、エクストルージョン型コーティング
方式は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂からなるコー
ティング剤を熱溶融し、基材上に塗布するものである。
しかし、コーティング剤が熱可塑性樹脂からなる場合、
接着性を上げるために基材金属上にあらかじめプライマ
ー処理を施す必要があり、架橋塗膜に比べて耐食性に劣
るという欠点を有する。また、コーティング剤が熱硬化
性樹脂からなる場合、前記コーティング剤に熱硬化性触
媒を混合し、溶融塗布後オーブン等で加熱硬化するプロ
セスが必要となるため、エネルギーコストがかかる欠点
を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高い
生産性、経済性のもとで優れた塗膜特性を与える熱溶融
塗布型塗料組成物およびその塗工方法を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、塗膜特
性、即ち可撓性、光沢及び硬度の発現に良好であるエポ
キシ樹脂に重合可能な不飽和二重結合を3〜40個導入
し、モノマーまたはオリゴマーと併用することにより、
各種塗工基材に対し熱溶融塗布可能な塗料組成物が得ら
れること、および前記塗料組成物を熱溶融塗布したのち
活性エネルギー線により硬化して形成される塗膜は、耐
溶剤性、塗膜光沢、皮膜硬度、加工性、密着性などの塗
膜性能に優れていることを見出し、本発明に至った。
【0009】すなわち、本発明は、ビスフェノール型エ
ポキシ樹脂中に、重合可能な不飽和二重結合を3〜40
個導入した変性ビスフェノール型エポキシ樹脂と、他の
重合可能な不飽和二重結合を有するモノマーまたはオリ
ゴマーとを含むことを特徴とする熱溶融塗布型塗料組成
物に関する。また、本発明は、上記熱溶融塗布型塗料組
成物を50〜200℃で基材に熱溶融塗布したのち、活
性エネルギー線により硬化することを特徴とする塗工方
法に関する。
【0010】本発明の熱溶融塗布型塗料組成物の構成成
分である変性ビスフェノール型エポキシ樹脂は、ビスフ
ェノール型エポキシ樹脂中に、重合可能な不飽和二重結
合を3〜40個導入した樹脂である。エポキシ樹脂中へ
の重合可能な不飽和二重結合の導入は、ビスフェノール
型エポキシ樹脂に、該エポキシ樹脂が有するグリシジル
基または二級水酸基と反応する官能基および重合可能な
不飽和二重結合を有する化合物を反応させることにより
行うことができる。
【0011】ビスフェノール型エポキシ樹脂は、エピク
ロルヒドリンとビスフェノール、あるいは数平均分子量
300〜1,000の低分子量エポキシ樹脂とビスフェ
ノールを常法により付加重合して得られるエポキシ樹脂
である。ビスフェノール型エポキシ樹脂のゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の
数平均分子量(以下、Mnという)は600〜25,0
00、さらには1,000〜15,000、分子量分布
(重量平均分子量/数平均分子量、以下Mw/Mnとい
う)は1.0〜8.0であることが好ましい。
【0012】Mnが25,000を越えるエポキシ樹脂
に重合可能な不飽和二重結合を導入した変性樹脂を含む
塗料組成物は、溶融粘度が高いため塗工不良を起こす。
あるいは、溶融粘度を下げるために塗布温度を上げると
塗料組成物の反応性が不安定になり、結果として良い塗
工性が得られない。一方、Mnが600未満のエポキシ
樹脂に重合可能な不飽和二重結合を導入した変性樹脂を
含む塗料組成物は、密着性、加工性、特に耐屈曲性が低
下する傾向にある。また、Mw/Mnが8.0を超える
エポキシ樹脂は、低分子量物を多く含むため、該エポキ
シ樹脂を含む塗料組成物は、Mnが600〜25,00
0のエポキシ樹脂の特性である優れた加工性、密着性等
を発現しない。
【0013】一般に、ビスフェノール型エポキシ樹脂の
分子量は、原料としてエピクロルヒドリンとビスフェノ
ールを用いた場合、そのモル比によって決まる。エピク
ロルヒドリンとビスフェノールのモル比は、通常2.0
〜1.0:1.0の範囲で変化させるが、1.0:1.
0に近いほど得られるエポキシ樹脂が高分子量となる。
一方、原料として低分子量エポキシ樹脂とビスフェノー
ルを用いた場合、理論的にエポキシ基と水酸基の比が
1.0:1.0のときに高分子量となる。低分子量エポ
キシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型
エポキシ樹脂、ビスフェノールB型エポキシ樹脂等が挙
げられ、単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
【0014】ビスフェノールとしては、ビスフェノール
F(ビス(ヒドロキシフェニル)メタン)、ビスフェノ
ールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン)、ビスフェノールE(2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)エタン)、ビスフェノールB(2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン)、ビスフェノ
ールS(ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン)等
が挙げられ、単独でまたは2種以上を混合して用いられ
る。また、必要に応じて、ビスフェノールにモノフェノ
ール類、例えばフェノール、クレゾール、オクチルフェ
ノール、ノニルフェノール、ナフトール等を併用するこ
ともできる。
【0015】ビスフェノール型エポキシ樹脂中へ重合可
能な不飽和二重結合を導入するためのグリシジル基また
は二級水酸基と反応する官能基および重合可能な不飽和
二重結合を有する化合物としては、イソシアネート基、
カルボキシル基、水酸基、メチロール基、アルコキシ化
メチロール基またはグリシジル基と、重合可能な不飽和
二重結合とを有する化合物が挙げられる。具体的に、イ
ソシアネート基及び重合可能な不飽和二重結合を有する
化合物としては、2-メタクリロイルオキシエチルイソシ
アネート、ジメチルメタ−イソプロペニルベンジルイソ
シアネートが挙げられる。
【0016】また、カルボキシル基及び重合可能な不飽
和二重結合を有する化合物としては、アクリル酸、メタ
クリル酸が挙げられ、水酸基及び重合可能な不飽和二重
結合を有する化合物としては、ヒドロキシエチルアクリ
レートが挙げられる。さらに、メチロール基及び重合可
能な不飽和二重結合を有する化合物としては、N−メチ
ロールアクリルアミドが挙げられ、アルコキシ化メチロ
ール基及び重合可能な不飽和二重結合を有する化合物と
しては、N−メトキシメチルアクリルアミドが挙げら
れ、グリシジル基及び重合可能な不飽和二重結合を有す
る化合物としては、グリシジルアクリレート、グリシジ
ルメタクリレートが挙げられる。
【0017】前記重合可能な不飽和二重結合を有する化
合物は、単独でまたは2種以上を混合して用いられる
が、特にイソシアネート基及び重合可能な不飽和二重結
合を有する化合物を用いることが好ましい。また、重合
可能な不飽和二重結合を有する化合物の導入量は、ビス
フェノール型エポキシ樹脂が有する官能基数の1〜10
0%であることが好ましく、25%〜75%であること
がさらに好ましい。
【0018】本発明の熱溶融塗布型塗料組成物の構成成
分である他の重合可能な不飽和二重結合を有するモノマ
ーとしては、メタクリル酸、アクリル酸(以下、総称し
て(メタ)アクリル酸という)、脂肪族(メタ)アクリ
レート、脂環式(メタ)アクリレート、芳香族(メタ)
アクリレート、複素環式(メタ)アクリレート、他のビ
ニル基含有モノマー、アリル基含有モノマー等が挙げら
れる。それぞれのモノマー中の水素原子は、アミノ基、
水酸基、グリシジル基、カルボキシル基、リン酸基など
の官能基や、ハロゲン原子で置換されていても良い。な
かでも、リン酸基を有する(メタ)アクリレートは、金
属に対する密着性に優れるため、基材が金属の場合に好
適に用いられる。
【0019】リン酸基を有する(メタ)アクリレートと
しては、アルキレンオキサイド変性リン酸(メタ)アク
リレート、アルキレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリ
レート、アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリ
レート、アルキレンオキサイド変性アルコキシリン酸
(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド変性アル
コキシリン酸ジ(メタ)アクリレート、グリシジル基を
含む(メタ)アクリレートとリン酸とを反応させて得ら
れるアダクト体等が挙げられる。塗料組成物中のリン酸
基を有する(メタ)アクリレートの配合量は、0.5〜
20重量%であることが好ましい。
【0020】脂肪族(メタ)アクリレートとしては、ア
ルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキレング
リコール(メタ)アクリレート、N,N −ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、アルキルジ(メタ)アク
リレート、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタ
エリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシヒドロキ
シアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル
ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル化トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、モノヒド
ロキシペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、グリシジル(メタ)アクリレート、モノアクリロキ
シコハク酸エステル等が挙げられる。
【0021】脂環式(メタ)アクリレートとしては、シ
クロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メ
タ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アク
リレート等が挙げられる。芳香族(メタ)アクリレート
としては、フェニル(メタ)アクリレート,ベンジル
(メタ)アクリレート,フェノキシエチル(メタ)アク
リレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)ア
クリレート、エトキシ化ビスフェノールFジ(メタ)ア
クリレート、テトラブロモビスフェノールAジ(メタ)
アクリレート、テトラクロロビスフェノールAジ(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。
【0022】複素環式(メタ)アクリレートとしては、
テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、トリ
ス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げら
れる。他のビニル基含有モノマーとしては、N−ビニル
ピロリドン、酢酸ビニル等が挙げられる。アリル基含有
モノマーとしては、アリル(メタ)アクリレート、トリ
アリルイソシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレ
ート等が挙げられる。
【0023】また、他の重合可能な不飽和二重結合を有
するオリゴマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリ
レート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、前記変性
ビスフェノール型エポキシ樹脂以外のエポキシ(メタ)
アクリレート、不飽和ポリエステル、ビニル/アクリル
オリゴマー等が挙げられる。
【0024】ポリエステル(メタ)アクリレートは、多
塩基酸と多価アルコールを重縮合して得られるポリエス
テルの末端あるいはポリエステル鎖中のヒドロキシル基
と(メタ)アクリル酸、マレイン酸などの不飽和多塩基
酸とのエステル化によって得られる化合物、あるいはポ
リエステルの末端あるいはポリエステル鎖中のカルボキ
シル基と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒ
ドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとのエステ
ル化によって得られる化合物である。その他、酸無水物
とグリシジル(メタ)アクリレートと少なくとも1個の
水酸基を有する化合物とから得られるポリエステル(メ
タ)アクリレートなどがある。
【0025】多塩基酸の具体例としては、フタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸などの芳香
族多塩基酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、ドデカンジオイック酸などの脂
肪族多塩基酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸など
の不飽和多塩基酸、不飽和脂多塩基酸から誘導されたダ
イマー酸などが挙げられる。また、多価アルコールの具
体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1, 2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、ポリブチレングリコー
ル、1,3−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオー
ル、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、
水添ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオ
キサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサ
イド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパンなど
が挙げられる。
【0026】ポリウレタン(メタ)アクリレートは、少
なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物とヒド
ロキシル基を有する(メタ)アクリレートとを反応させ
て得られる化合物、あるいは少なくとも2個のイソシア
ネート基を有する化合物と多価アルコールとを反応させ
て得られる末端イソシアネート基のウレタンプレポリマ
ーとヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとを
反応させて得られる化合物である。
【0027】少なくとも2個のイソシアネート基を有す
る化合物の具体例としては、トリレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニル
メタンジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルメ
タンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメ
チレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソ
シアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフ
ォスフェートなどのポリイソシアネート、上記ポリイソ
シアネートとポリオールを反応させて得られるアダクト
体、上記ポリイソシアネートのアロファネート変性体、
上記ポリイソシアネートのビュレット変性体、上記ポリ
イソシアネートのイソシアヌレート変性体、上記ポリイ
ソシアネートのカルボジイミド変性体などが挙げられ
る。
【0028】ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレ
ートの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートな
どが挙げられる。多価アルコールの具体例としては、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタ
ンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタン
ジオール、ポリブチレングリコール、1,3−ペンタン
ジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサン
ジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジ
メタノール、ビスフェノールA、水添ビスフェノール
A、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビ
スフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、グリセ
リン、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
【0029】前記変性ビスフェノール型エポキシ樹脂以
外のエポキシ(メタ)アクリレートは、グリシジル基を
有する化合物と(メタ)アクリル酸との反応により得ら
れる化合物であり、代表例としてビスフェノール型、エ
ポキシ化油型、フェノールノボラック型、脂環型が挙げ
られる。ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレー
トとしては、ビスフェノール類とエピクロルヒドリンと
を反応させて得られるビスフェノール型ジグリシジルエ
ーテルと(メタ)アクリル酸とを反応して得られる重合
可能な不飽和二重結合の個数が2個以下のものを使用で
きる。
【0030】エポキシ化油(メタ)アクリレートとして
は、エポキシ化された大豆油等の油と(メタ)アクリル
酸との反応により得られるものを使用できる。ノボラッ
ク型エポキシ(メタ)アクリレートとしては、ノボラッ
ク型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応により
得られるものを使用できる。脂環型エポキシ(メタ)ア
クリレートとしては、脂環型エポキシ樹脂と(メタ)ア
クリル酸との反応により合成されたものを使用できる。
さらに、架橋密度調整の目的で、その他のジ(メタ)ア
クリレート、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メ
タ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレートも使
用することができる。
【0031】前記他の重合可能な不飽和二重結合を有す
るモノマーまたはオリゴマーは、熱溶融塗布する条件に
おいて熱重合せず、揮発しないものであれば、塗膜に要
求される物性を満たすよう任意の組成で使用することが
できる。本発明の熱溶融塗布型塗料組成物中には、変性
ビスフェノール型エポキシ樹脂5〜95重量%と、他の
モノマーまたはオリゴマー95〜5重量%とを含むこと
が好ましく、変性ビスフェノール型エポキシ樹脂50〜
95重量%と、他のモノマーまたはオリゴマー50〜5
重量%とを含むことがさらに好ましい。
【0032】本発明の熱溶融塗布型塗料組成物には、必
要に応じて、変性ビスフェノール型エポキシ樹脂以外の
樹脂類、着色剤、滑剤、充填剤、レベリング剤、潜在性
硬化剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、
帯電防止剤等を配合することができる。
【0033】樹脂類は、性能や特性向上の目的で配合す
ることができる。樹脂の具体例としては、アルキド系樹
脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフ
ィン系樹脂、ビニル系樹脂、シリコン変性樹脂、フッ素
変性樹脂、フェノ−ル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ウレ
タン系樹脂、変性ビスフェノール型エポキシ樹脂以外の
エポキシ系樹脂、メラミンホルマリン系樹脂、ベンゾグ
アナミン系樹脂等が挙げられる。
【0034】着色剤としては、染料、顔料等を使用する
ことができるが、特に耐候性、隠蔽性を付与する場合に
は、顔料を用いるのが好ましい。顔料としては、例え
ば、アゾ系、縮合アゾ系、フタロシアニン系、キナクリ
ドン系、インジゴ系、キノフタロ系、ジオキサン系、ア
ントラキノン系、イソインドリノン系、ペリレン系など
の有機顔料、および硫化カドミウム、セレン化カドミウ
ム、群青、二酸化チタン、シラン処理した二酸化チタ
ン、酸化鉄、酸化クロム酸塩、カーボンブラックなどの
無機顔料が挙げられる。塗料組成物中の顔料の配合量
は、20〜70重量%であることが好ましい。着色剤
は、変性エポキシ樹脂とモノマーまたはオリゴマーと共
にエクストルーダーに投入して、直接、樹脂成分中へ分
散することができる。
【0035】滑剤としては、例えば植物系、動物系、鉱
物系、石炭系、石油系、ポリエチレン油脂系などの滑剤
が挙げられ、単独でまたは2種以上を組み合わせて用い
られる。滑剤は、変性エポキシ樹脂とモノマーまたはオ
リゴマーと共にエクストルーダーに投入して、直接、樹
脂成分中へ分散することができる。滑剤を配合すると塗
装板の滑り性が向上するため、金型により成形加工する
際に加工を容易にし、また、金型からも容易に抜き取る
ことができる。また、加工品を搬送する際にも衝突によ
る傷付きや塗膜剥離が起りにくいという利点がある。塗
料組成物中の滑剤の配合量は、0.01〜10重量%で
あることが好ましい。
【0036】充填剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バ
リウム、シリカ類、水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウム、タルク、マイカ、チタン酸カリウム等が挙げら
れ、充填剤を添加することで、加工性、密着性の向上、
材料コストの低減、熱溶融時の粘度、流動性、硬化密度
等の調整、顔料等の分散性の改善等ができる。塗料組成
物中の充填剤の配合量は、0.01〜50重量%である
ことが好ましい。
【0037】本発明の熱溶融塗布型塗料組成物の140
℃における溶融粘度は、塗装性を考慮して、0.1〜2
0,000ポイズであることが好ましい。なお、溶融粘
度は、以下に示す方法で測定されるものである。 測定機器:フローテスター(島津製作所製「CFT−5
00C」) 測定開始温度:100℃ 昇温速度:5.0 ℃/min シリンダー圧力:20kgf/cm2 ダイ:(D:0.3mm,L:1.0mm) 予熱時間:300sec
【0038】本発明の熱溶融塗布型塗料組成物は、基材
に50〜200℃、好ましくは75〜175℃で熱溶融
塗布したのち、活性エネルギー線で硬化することにより
良好な塗膜物性を発現する。活性エネルギー線として
は、電子線、紫外線が挙げられる。紫外線により硬化す
る場合には、開始剤を適当量加える必要があり、衛生上
使用用途が限定されることがあるため、電子線により硬
化することが好ましい。電子線の照射線量は、多すぎる
と塗膜物性を劣化させ、また少なすぎても塗膜の硬化不
足を招き塗膜物性の低下につながるので、良好な硬化塗
膜物性を得るためには、1〜200kGyが好ましく、
1〜100kGyがさらに好ましい。
【0039】本発明の熱溶融塗布型塗料組成物を基材に
熱溶融塗布する方法としては、例えば、Tダイから溶融
押出しして塗布する方法等が挙げられる。基材の例とし
ては、熱延鋼板、冷延鋼板、ブリキ、及びティンフリー
スチール、亜鉛メッキ鋼板、ニッケルメッキ鋼板などの
各種メッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、な
どの金属板を始めとして紙、木材、パーティクルボー
ド、ガラス、プラスチックフィルム等が挙げられる。こ
れらの基材には、密着性向上の目的で、あらかじめプラ
イマーが塗布されていてもよい。プライマーとしては、
例えば、合成ゴム系、アクリル系、ウレタン系、エポキ
シ系、フェノール系、チタネート系、アミノ系、シラン
系等が挙げられる。
【0040】以下、実施例を示し本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明に何ら制限を与えるものではな
い。なお、以下の実施例および比較例において、特に断
らない限り「部」は「重量部」を意味する。 (合成例1)攪拌装置及びコンデンサを備えた反応容器
に、低分子量ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シ
ェルエポキシ社製「エピコート828」、Mn=38
0、エポキシ当量=190)1000部、ビスフェノー
ルA(分子量=228、水酸基価=114)600部を
仕込み、窒素気流下120℃に加熱攪拌して溶解させた
後、トリフェニルホスフィン4部を添加して120℃で
7時間反応を行い、Mn=15,000、Mw/Mn=
3.6のビスフェノール型エポキシ樹脂を得た。
【0041】(合成例2)撹拌装置及びコンデンサを備
えた反応容器に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油
化シェルエポキシ社製「エピコート1010」、Mn=
5,500、Mw/Mn=5.0)700部、アクリル
酸13部、ジブチルヒドロキシトルエン0.1部、酢酸
ブチル300部を仕込み、窒素気流下100℃に加熱し
均一に溶解した。次に、ジメチルベンジルアミン7部を
添加し、100℃で14時間反応を継続した後、常法に
より脱溶剤し、重合可能な不飽和二重結合を平均で0.
7個有する変性エポキシ樹脂を得た。
【0042】(合成例3)撹拌装置及びコンデンサを備
えた反応容器に、合成例1で得られたビスフェノール型
エポキシ樹脂500部、メチルエチルケトン500部を
仕込み、窒素気流下60℃に加熱し均一に溶解した。次
に、オクチル酸錫1.9部を添加し、温度が60℃に安
定した後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネ
ート(昭和電工社製、分子量=155)136部を滴下
ロートで30分以上かけて滴下した。60℃にて3時間
反応を継続した後、常法により脱溶剤し、重合可能な不
飽和二重結合を平均で26個有する変性エポキシ樹脂を
得た。
【0043】(合成例4)撹拌装置及びコンデンサを備
えた反応容器に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂「エ
ピコート1010」500部、メチルエチルケトン50
0部を仕込み、窒素気流下60℃に加熱し均一に溶解し
た。次に、オクチル酸錫1.9部を添加し、温度が60
℃に安定した後、2−メタクリロイルオキシエチルイソ
シアネート(昭和電工社製、分子量=155)126部
を滴下ロートで30分以上かけて滴下した。60℃にて
3時間反応を継続した後、常法により脱溶剤し、重合可
能な不飽和二重結合を平均で9個有する変性エポキシ樹
脂を得た。
【0044】(合成例5)撹拌装置及びコンデンサを備
えた反応容器に、合成例1で得られたビスフェノール型
エポキシ樹脂500部、グリシジルメタクリレート12
6部、メチルエチルケトン500部を仕込み、窒素気流
下75℃に加熱し均一に溶解した。次に、カリウム−t
−ブトキシド6部を添加し、75℃にて9時間反応を継
続した後、常法により脱溶剤し、重合可能な不飽和二重
結合を平均で26個有する変性エポキシ樹脂を得た。
【0045】(合成例6)撹拌装置及びコンデンサを備
えた反応容器に、トリメチロールプロパン111部、ネ
オペンチルグリコール381部、無水フタル酸292部
およびアジピン酸288部を投入し、240℃まで昇温
して酸価が5になるまで水分を104部除去した。得ら
れたポリエステル樹脂を冷却ドラム上に取り出しチップ
化した。
【0046】(合成例7)撹拌装置及びコンデンサを備
えた反応容器に、低分子量ビスフェノールA型エポキシ
「エピコート828」500部、ヒドロキノン0.5
部、N,N−ジメチルベンジルアミン2.5部を仕込
み、空気吹き込み下80℃で加熱攪拌し均一化した後、
100℃に昇温してアクリル酸189部を反応容器内に
滴下し、10時間反応させて重合可能な不飽和二重結合
を2個有する変性エポキシ樹脂を得た。
【0047】(合成例8)撹拌装置及びコンデンサを備
えた反応容器に、合成例7で得られた変性エポキシ樹脂
500部、メチルエチルケトン100部を仕込み、窒素
気流下60℃に加熱し均一に溶解した。次に、オクチル
酸錫1.7部を添加し、温度が60℃に安定した後、2
−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電
工社製、分子量=155)74部を滴下ロートで30分
以上かけて滴下した。60℃にて3時間反応を継続した
後、常法により脱溶剤し、重合可能な不飽和二重結合を
平均で3個有する変性エポキシ樹脂を得た。
【0048】[実施例1]合成例3で得られた変性ビス
フェノール型エポキシ樹脂80部と、ジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート20部を押出し機を用いて1
40℃で加熱溶融、練合して熱溶融塗布型塗料組成物を
調製した後、スリットから薄膜状に流下させ、ヒートロ
ールで140℃に加熱され走行している金属板に押し付
け、塗膜厚10μmの樹脂被覆物を得た。前記被覆物
に、線量50kGyの電子線を照射して硬化した。な
お、熱溶融塗布型塗料組成物の140℃における溶融粘
度は、15000ポイズであった。
【0049】[実施例2]合成例4で得られた変性ビス
フェノール型エポキシ樹脂80部と、ジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート14部、ウレタンアクリレー
ト(東亞合成社製「アロニックスM−1310」)6部
を押出し機を用いて140℃で加熱溶融、練合して熱溶
融塗布型塗料組成物を調製した後、スリットから薄膜状
に流下させ、ヒートロールで140℃に加熱され走行し
ている金属板に押し付け、塗膜厚10μmの樹脂被覆物
を得た。前記被覆物に、線量50kGyの電子線を照射
して硬化した。なお、熱溶融塗布型塗料組成物の140
℃における溶融粘度は、5000ポイズであった。
【0050】[実施例3]合成例4で得られた変性ビス
フェノール型エポキシ樹脂90部と、ポリエステルアク
リレート(東亞合成社製「アロニックスM−905
0」)10部を押出し機を用いて140℃で加熱溶融、
練合して熱溶融塗布型塗料組成物を調製した後、スリッ
トから薄膜状に流下させ、ヒートロールで140℃に加
熱され走行している金属板に押し付け、塗膜厚10μm
の樹脂被覆物を得た。前記被覆物に、線量50kGyの
電子線を照射して硬化した。なお、熱溶融塗布型塗料組
成物の140℃における溶融粘度は、6000ポイズで
あった。
【0051】[実施例4]合成例5で得られた変性ビス
フェノール型エポキシ樹脂50部と、ポリエステルアク
リレート(東亞合成社製「アロニックスM−905
0」)50部を押出し機を用いて140℃で加熱溶融、
練合して熱溶融塗布型塗料組成物を調製した後、スリッ
トから薄膜状に流下させ、ヒートロールで140℃に加
熱され走行している金属板に押し付け、塗膜厚10μm
の樹脂被覆物を得た。前記被覆物に、線量50kGyの
電子線を照射して硬化した。なお、熱溶融塗布型塗料組
成物の140℃における溶融粘度は、10000ポイズ
であった。
【0052】[実施例5]二酸化チタン40部と、合成
例3で得られた変性ビスフェノール型エポキシ樹脂50
部と、ポリエステルアクリレート(東亞合成社製「アロ
ニックスM−9050」)10部を押出し機を用いて1
40℃で加熱溶融、練合して熱溶融塗布型塗料組成物を
調製した後、スリットから薄膜状に流下させ、ヒートロ
ールで140℃に加熱され走行している金属板に押し付
け、塗膜厚10μmの樹脂被覆物を得た。前記被覆物
に、線量50kGyの電子線を照射して硬化した。な
お、熱溶融塗布型塗料組成物の140℃における溶融粘
度は、12000ポイズであった。
【0053】[実施例6]合成例3で得られた変性ビス
フェノール型エポキシ樹脂70部と、合成例6で得られ
たポリエステル樹脂10部とジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート20部を押出し機を用いて140℃で
加熱溶融、練合して熱溶融塗布型塗料組成物を調製した
後、スリットから薄膜状に流下させ、ヒートロールで1
40℃に加熱され走行している金属板に押し付け、塗膜
厚10μmの樹脂被覆物を得た。前記被覆物に、線量5
0kGyの電子線を照射して硬化した。なお、熱溶融塗
布型塗料組成物の140℃における溶融粘度は、100
00ポイズであった。
【0054】[実施例7]合成例8で得られた変性ビス
フェノール型エポキシ樹脂70部と、ジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート30部を押出し機を用いて1
40℃で加熱溶融、練合して熱溶融塗布型塗料組成物を
調製した後、スリットから薄膜状に流下させ、ヒートロ
ールで140℃に加熱され走行している金属板に押し付
け、塗膜厚10μmの樹脂被覆物を得た。前記被覆物
に、線量50kGyの電子線を照射して硬化した。な
お、熱溶融塗布型塗料組成物の140℃における溶融粘
度は、1,000ポイズであった。
【0055】[実施例8]合成例4で得られた変性ビス
フェノール型エポキシ樹脂90部、ポリエステルアクリ
レート(東亞合成社製「アロニックスM−9050」)
8.5部、エチレンオキサイド変性リン酸アクリレート
(共栄社製「ライトエステルPA」)1.5部を押出し
機を用いて140℃で加熱溶融、練合して熱溶融塗布型
塗料組成物を調整した後、スリットから薄膜状に流下さ
せ、ヒートロールで140℃に加熱され走行している金
属板に押し付け、塗膜量10μmの樹脂被覆物を得た。
前記被覆物に、線量50kGyの電子線を照射して硬化
した。なお、熱溶融塗布型塗料組成物の6000ポイズ
であった。
【0056】[実施例9]合成例4で得られた変性ビス
フェノール型エポキシ樹脂90部と、ポリエステルアク
リレート(東亞合成社製「アロニックスM−905
0」)8部と、カルナバワックス(東亞合成社製)2部
を押出し機を用いて140℃で加熱溶融、練合して熱溶
融塗布型塗料組成物を調整した後、スリットから薄膜状
に流下させ、ヒートロールで140℃に加熱され走行し
ている金属板に押し付け、塗膜圧10μmの樹脂被服物
を得た。前記被服物に、線量50kGyの電子線を照射
して硬化した。なお、熱溶融塗布型塗料組成物の140
℃における溶融粘度は、6000ポイズであった。
【0057】[実施例10]合成例8で得られた変性ビ
スフェノール型エポキシ樹脂70部と、ジペンタエリス
リトールヘキサアクリレート20部と、炭酸カルシウム
10部を押出し機を用いて140℃で加熱溶融、練合し
て熱溶融塗布型塗料組成物を調整した後、スリットから
薄膜状に流下させ、ヒートロールで140℃における溶
融粘度は、2,000ポイズであった。
【0058】[実施例11]合成例8で得られた変性ビ
スフェノール型エポキシ樹脂70部と、ジペンタエリス
リトールヘキサアクリレート30部を押出し機を用いて
140℃で加熱溶融、練合して熱溶融塗布型塗料組成物
を調製した後、スリットから薄膜状に流下させ、ヒート
ロールで140℃に加熱され走行しているシラン系プラ
イマーが塗布されたアルミ板に押し付け、塗膜厚10μ
mの樹脂被覆物を得た。前記被覆物に、線量50kGy
の電子線を照射して硬化した。なお、熱溶融塗布型塗料
組成物の140℃における溶融粘度は、1,000ポイ
ズであった。
【0059】[比較例1]合成例1で得られたビスフェ
ノール型エポキシ樹脂80部と、ジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレート20部を押出し機を用いて140
℃で加熱溶融、練合して熱溶融塗布型塗料組成物を調製
した後、スリットから薄膜状に流下させ、ヒートロール
で140℃に加熱され走行している金属板に押し付け、
塗膜厚10μmの樹脂被覆物を得た。前記被覆物に、線
量50kGyの電子線を照射して硬化した。なお、熱溶
融塗布型塗料組成物の140℃における溶融粘度は、1
8,000ポイズであった。
【0060】[比較例2]ビスフェノールA型エポキシ
樹脂「エピコート1010」90部と、ポリエステルア
クリレート(東亞合成社製「アロニックスM−905
0」)10部を押出し機を用いて140℃で加熱溶融、
練合して熱溶融塗布型塗料組成物を調製した後、スリッ
トから薄膜状に流下させ、ヒートロールで140℃に加
熱され走行している金属板に押し付け、塗膜厚10μm
の樹脂被覆物を得た。前記被覆物に、線量50kGyの
電子線を照射して硬化した。なお、熱溶融塗布型塗料組
成物の140℃における溶融粘度は、8,000ポイズ
であった。
【0061】[比較例3]合成例2で得られた変性ビス
フェノール型エポキシ樹脂70部と、ジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート30部を押出し機を用いて1
40℃で加熱溶融、練合して熱溶融塗布型塗料組成物を
調製した後、スリットから薄膜状に流下させ、ヒートロ
ールで140℃に加熱され走行している金属板に押し付
け、塗膜厚10μmの樹脂被覆物を得た。前記被覆物
に、線量50kGyの電子線を照射して硬化した。な
お、熱溶融塗布型塗料組成物の140℃における溶融粘
度は、5,000ポイズであった。
【0062】実施例1〜10および比較例1〜3で熱溶
融塗布した金属板には、厚さ0.25mmのブリキ板、
ティンフリースチール(TFS)板、アルミニウム板を使用
した。実施例および比較例で得られた樹脂被覆物につい
て、曲げ試験、衝撃変形試験、鉛筆硬度測定、碁盤目試
験および耐溶剤性試験を行った。結果を表1に示す。な
お、耐溶剤性試験は下記の方法で行い、耐溶剤性試験以
外の試験はJIS K5400に従って行った。 耐溶剤性試験:樹脂被覆物を沸騰MEK中に1時間浸せ
きし、重量変化から抽出率(%)を算出した。
【0063】表1に示すように、実施例1〜6、及び8
〜11において本発明の熱溶融塗布型塗料組成物を用い
て得られた塗膜は、基材への固着力(接着力)に著しく
優れ、可撓性、硬度、耐溶剤性などの塗膜特性に優れた
ものであった。それに対し、実施例7の熱溶融塗布型塗
料組成物は、数平均分子量が600未満のビスフェノー
ル型エポキシ樹脂を用いて合成された変性エポキシ樹脂
を含み、また、加工性を向上させる添加剤を何ら加えて
いないため、熱溶融塗布型塗料組成物が形成する硬化塗
膜の加工性が劣る傾向にある。また、比較例1〜3にお
いて得られた塗膜は、硬化性、硬度、耐溶剤性などの塗
膜特性において不十分なものであった。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】本発明の熱溶融塗布型塗料組成物は、無
溶剤で各種基材に熱溶融塗布可能であるため高い生産
性、経済性及び環境衛生性を有する。また、活性エネル
ギー線で塗膜を硬化することにより、塗膜形成成分であ
る変性ビスフェノール型エポキシ樹脂とモノマーまたは
オリゴマーとを架橋し、特に耐溶剤性に優れた塗膜を形
成することが可能である。さらに、金属板に、高密着
性、高加工性、高硬度を満足する塗膜を形成する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 5/00 C09D 5/00 Z (72)発明者 久保田 静香 東京都中央区京橋二丁目3番13号東洋イン キ製造株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビスフェノール型エポキシ樹脂中に、重合
    可能な不飽和二重結合を3〜40個導入した変性ビスフ
    ェノール型エポキシ樹脂と、他の重合可能な不飽和二重
    結合を有するモノマーまたはオリゴマーとを含むことを
    特徴とする熱溶融塗布型塗料組成物。
  2. 【請求項2】さらに顔料を含むことを特徴とする請求項
    1記載の熱溶融塗布型塗料組成物。
  3. 【請求項3】さらに滑剤を含むことを特徴とする請求項
    1または2記載の熱溶融塗布型塗料組成物。
  4. 【請求項4】さらに充填剤を含むことを特徴とする請求
    項1ないし3いずれか1項に記載の熱溶融塗布型塗料組
    成物。
  5. 【請求項5】140℃における溶融粘度が、0.1〜2
    0,000ポイズであることを特徴とする請求項1ない
    し4いずれか1項に記載の熱溶融塗布型塗料組成物。
  6. 【請求項6】ビスフェノール型エポキシ樹脂のゲルパー
    ミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換
    算の数平均分子量が600〜25,000で、更に分子
    量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が1.0〜
    8.0であることを特徴とする請求項1ないし5いずれ
    か1項に記載の熱溶融塗布型塗料組成物。
  7. 【請求項7】塗料組成物中に、変性ビスフェノール型エ
    ポキシ樹脂5〜95重量%と、他のモノマーまたはオリ
    ゴマー95〜5重量%とを含むことを特徴とする請求項
    1ないし6いずれか1項に記載の熱溶融塗布型塗料組成
    物。
  8. 【請求項8】他の重合可能な不飽和二重結合を有するモ
    ノマーがリン酸基を有する(メタ)アクリレートを含む
    ことを特徴とする請求項1ないし7いずれか1項に記載
    の熱溶融塗布型塗料組成物。
  9. 【請求項9】金属缶用途であることを特徴とする請求項
    1ないし8いずれか1項に記載の熱溶融塗布型塗料組成
    物。
  10. 【請求項10】請求項1ないし9いずれか1項に記載の
    熱溶融塗布型塗料組成物を50〜200℃で基材に熱溶
    融塗布したのち、活性エネルギー線により硬化すること
    を特徴とする塗工方法。
  11. 【請求項11】活性エネルギー線が電子線であることを
    特徴とする請求項10記載の塗工方法。
  12. 【請求項12】基材が金属板またはプライマーを塗布し
    た金属板である請求項10または11記載の塗工方法。
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