JPH11114330A - 光触媒フィルター - Google Patents

光触媒フィルター

Info

Publication number
JPH11114330A
JPH11114330A JP9278550A JP27855097A JPH11114330A JP H11114330 A JPH11114330 A JP H11114330A JP 9278550 A JP9278550 A JP 9278550A JP 27855097 A JP27855097 A JP 27855097A JP H11114330 A JPH11114330 A JP H11114330A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
filter
film
photoreactive semiconductor
thermoplastic polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9278550A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsushi Ogami
勝志 大上
Shinya Hioki
信也 火置
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP9278550A priority Critical patent/JPH11114330A/ja
Publication of JPH11114330A publication Critical patent/JPH11114330A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Filtering Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、光反応性半導体の光触媒作用
により悪臭や細菌などの有害物質を分解除去可能な光触
媒フィルターを提供することにあり、さらに詳しくは、
高度の光触媒活性、耐久性、並びに通気性をも具備した
光触媒フィルターを提供することある。 【解決手段】光反応性半導体、金属酸化物複合熱可塑性
高分子エマルジョン、並びに皮膜形成性無機物、さらに
は、吸着剤を含有してなる機能性混合物を基材に担持し
た光触媒フィルターを用いることによって、上記の課題
を解決した。さらに、上記構成に静電フィルターを積層
することにより、極めて優れた除塵・脱臭性能を有する
複合フィルター部材が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光触媒フィルターに
関し、さらに詳しくは、光反応性半導体の光触媒作用に
より悪臭や細菌などの有害物質を分解除去可能であるば
かりでなく、高度の通気性および耐久性をも有する光触
媒フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】工場などにおける工業的に発生する悪臭
や有害化学物質、多量の廃棄物を排出する飲食店やホテ
ルなどのサービス産業における廃棄物に起因した悪臭な
どによる従来からの環境汚染の問題に加えて、最近のア
メニティ志向の高まりに伴い、一般生活空間、例えば室
内や自動車内の悪臭、有害化学物質などによる室内環境
汚染の問題がクローズアップされており、これら有害物
質の除去に対するニーズが急速に高まっている。
【0003】悪臭や有害化学物質などの有害物質の除去
方法としては、活性炭やゼオライトなどの多孔性物質、
いわゆる吸着剤による吸着除去が一般的である。しかし
ながら、吸着剤は大部分の有害物質に対して吸着作用し
か示さず、一定量の有害物質を吸着すると除去性能が著
しく低下する、あるいは、周囲の温度や有害物質の濃度
如何では一度吸着した有害物質が離脱してしまうという
問題点があった。
【0004】このような問題を解決するために、触媒を
用いて有害物質を分解除去する方法が考案されている。
有害物質の分解除去能を有する材料は各種知られている
が、中でも酸化チタンに代表される光反応性半導体が近
年大きな注目を集めている。例えば、Cundallら
は、J.Oil.Chem.Assoc.1978,6
1,351において、酸化チタンに紫外線を照射した場
合、水とアルコールの混合系でアルコールが分解される
ことを報告している。さらに特開昭61−135669
号公報においては、酸化亜鉛などの光反応性半導体に紫
外光を照射すると、悪臭物質である硫黄化合物が分解さ
れることが報告されている。これら光反応性半導体によ
る分解反応においては、反応の進行に伴って光反応性半
導体が消費されることはなく、光に曝露されている限り
その分解能力は半永久的である。このような光触媒反応
は界面反応であり、光反応性半導体と分解対象物との接
触機会が多いほど効率的に進行する。従って、光反応性
半導体の形状としては、比表面積を大きくとれる粉体で
あることが好ましいが、光反応性半導体を粉体のまま使
用することは難しく、何らかの方法を用いて適当な支持
体に担持固定する必要がある。
【0005】光反応性半導体を支持体に担持固定した材
料としては、例えば特開平3−75062号公報におい
て、酸化チタンなどの光反応性半導体をラテックスを用
いてシートに担持させた光反応性半導体担持シートが開
示されている。ラテックスは高い皮膜形成能および耐水
性を有し、かつ水分散性にも優れるので取り扱いが容易
であるなどの利点があるが、ラテックスを結着剤として
光反応性半導体を固定した場合、光反応性半導体の光触
媒能によってラテックスが分解されてしまい、耐久性の
点で問題があるばかりでなく、ラテックスが光反応性半
導体の表面を被覆し、光反応性半導体の特性が損なわれ
るという問題もあった。
【0006】また、特開平6−315614号公報にお
いては、耐久性に優れるポリテトラフルオロエチレンな
どのフッ素樹脂粒子と酸化チタンとを混合・圧延処理し
て得られるシート材やパネル材、あるいはシート上に接
着剤を塗布した後、酸化チタンの粉末を振りかけて担持
させたシート材やパネル材が開示されている。しかしな
がら、前者のシート材やパネル材においては、高価なフ
ッ素樹脂の使用は経済的なデメリットが大きい、酸化チ
タンのシート表面への露出が不十分なものとなり、その
光触媒能を十分に発揮し難いなどの問題がある。一方、
後者のシート材やパネル材においても、シート表面に酸
化チタンを強固に固定することが困難である、酸化チタ
ンの光触媒活性による接着剤の劣化が懸念されるなど耐
久性の点が不安視される。
【0007】さらに、特開平2−187147号公報に
おいては、コロイダルシリカによる酸化チタンの固定方
法が開示されている。コロイダルシリカは無機物であ
り、酸化チタンの光触媒活性に対する耐久性に優れるば
かりでなく、酸化チタン表面をさして被覆することなく
皮膜を形成するために、その特性を大きく損なうことも
ないという利点がある。しかしながら、コロイダルシリ
カによる皮膜は、機械的強度および耐水性に不足するも
のであり、使用される環境如何では皮膜強度の耐久性が
問題視される可能性が十分にある。仮に該皮膜に十分な
強度を付与しようとしても、皮膜形成後の焼結などの後
処理が必要となり、支持体の素材選択の範囲が大幅に制
限されてしまうという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
の欠点を克服した光反応性半導体の光触媒作用により悪
臭や細菌などの有害物質を分解除去可能な光触媒フィル
ターを提供することにあり、さらに詳しくは、高度の光
触媒活性、耐久性、並びに通気性をも具備した光触媒フ
ィルターを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するべく検討した結果、以下の発明に至った。
【0010】1.本発明は、光反応性半導体、金属酸化
物複合熱可塑性高分子エマルジョン、並びに皮膜形成性
無機物を含有してなる機能性混合物を基材に担持したこ
とを特徴とする光触媒フィルターの発明である。
【0011】2.上記の発明1において、光反応性半導
体を10〜70重量%、金属酸化物複合熱可塑性高分子
エマルジョンおよび皮膜形成性無機物の混合物を30〜
90重量%含有し、金属酸化物複合熱可塑性高分子エマ
ルジョン/皮膜形成性無機物の重量比が10/90〜9
0/10の範囲内にある機能性混合物を基材に担持した
ことを特徴とする光触媒フィルターの発明である。
【0012】3.本発明は、光反応性半導体、吸着剤、
金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョン、並びに皮
膜形成性無機物を含有してなる機能性混合物を基材に担
持したことを特徴とする光触媒フィルターの発明であ
る。
【0013】4.上記の発明3において、光反応性半導
体および吸着剤の混合物を20〜70重量%、金属酸化
物複合熱可塑性高分子エマルジョンおよび皮膜形成性無
機物の混合物を30〜80重量%含有し、金属酸化物複
合熱可塑性高分子エマルジョン/皮膜形成性無機物の重
量比が10/90〜90/10の範囲内にある機能性混
合物を基材に担持したことを特徴とする光触媒フィルタ
ーの発明である。
【0014】5.上記1〜4の発明において、機能性混
合物中に着色剤を含有することを特徴とする光触媒フィ
ルターの発明である。
【0015】6.上記1〜5の発明において、JIS
L 1096に準じて測定した通気性が100cm3/cm2
・秒以上であることを特徴とする光触媒フィルターの発
明である。
【0016】7.上記1〜6の発明において、光触媒フ
ィルターの少なくとも一方の面に静電フィルターを積層
したことを特徴とする複合フィルター部材の発明であ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の光触媒フィルタ
ーに係わる構成要素を詳細に説明する。
【0018】本発明の第一の発明は、光反応性半導体、
金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョン、並びに皮
膜形成性無機物を含有してなる機能性混合物を基材に担
持したことを特徴とする光触媒フィルターの発明であ
る。
【0019】まず、機能性混合物について、以下に具体
的に説明する。本発明の機能性混合物は、光反応性半導
体、金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョン、並び
に皮膜形成性無機物を含有してなる。機能性混合物を構
成するこれらの成分の具体的な説明を通じて機能性混合
物を説明する。
【0020】まず、光反応性半導体について、以下に具
体的に説明する。本発明に係わる光反応性半導体は、悪
臭、細菌、有害化学物質、汚染物質などの有害物質を分
解除去する目的で使用されるものである。ここで云う光
反応性半導体とは、0.5〜5eV、好ましくは1〜3
eVの禁止帯幅を有する光触媒反応を生ずる半導体であ
って、光反応性半導体で生成した正孔、OHラジカルな
どにより有害物質が分解される。光反応性半導体の形状
としては、粒子状のものが好ましく、比表面積が10〜
500m2/gの粒子を適宜選択して用いる。
【0021】このような光反応性半導体としては、特開
平2−273514号公報に開示されているものを挙げ
ることが可能であり、酸化亜鉛、三酸化タングステン、
酸化チタン、酸化セリウムなどの金属酸化物が好まし
く、これらの中でも、酸化チタンは、構造安定性、光反
応性半導体としての能力、取り扱い上の安全性などを考
慮した場合、特に好ましい材料である。酸化チタンとし
ては、従来汎用の酸化チタンの他、含水酸化チタン、メ
タチタン酸、オルソチタン酸、水酸化チタンと呼称され
ているチタン酸化物または水酸化物を全て包含する。酸
化チタンの製造方法としては、硫酸チタニル、塩化チタ
ン、有機チタン化合物などを必要に応じて核形成用種子
の共存下で加水分解する方法(加水分解法)、必要に応
じて核形成用種子を共存させながら、硫酸チタニル、塩
化チタン、有機チタン化合物などにアルカリ剤を添加し
て中和する方法(中和法)、加水分解および中和法で得
られた酸化チタンを焼成する方法(焼成法)などが挙げ
られ、何れの製法によって得られた酸化チタンでも用い
ることができる。
【0022】次に、金属酸化物複合熱可塑性高分子エマ
ルジョンについて、以下に具体的に説明する。本発明に
係わる金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョンは、
光反応性半導体を後述する基材に固定するための結着剤
として使用されるものであって、熱可塑性高分子エマル
ジョン表面を金属酸化物が被覆している形状を有し、皮
膜を形成した後も高分子成分と金属酸化物成分が分離し
て海島構造を保つ特性を有するものである。
【0023】ここで云う熱可塑性高分子エマルジョンと
は、主に水中で分散された熱可塑性高分子のことであっ
て、高分子成分としては、アクリル樹脂、スチレン−ア
クリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、
ポリプロピレン、ポリエステル、フェノキシ樹脂、フェ
ノール樹脂、ブチラール樹脂などが挙げられる。
【0024】また、ここで云う金属酸化物としては、コ
ロイダルシリカやコロイダルアルミナなどが挙げられ
る。金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョン、例え
ばコロイダルシリカ複合熱可塑性高分子エマルジョン
は、特開昭59−71316号公報や、特開昭60−1
27371号公報に開示されているように、共重合性単
量体、分子内に重合性不飽和二重結合およびアルコキシ
シラン基を有する単量体やビニルシラン、コロイダルシ
リカを混合し、高分子成分を乳化重合して製造する過程
において、シリカ成分をエマルジョン表面に固定する方
法によって得られる。その他の方法としては、例えばI
nternational Symposium on
Polymeric Microspheres P
rints,1991,181に記載されているよう
に、オルソケイ酸エチルなどの水に相溶しない加水分解
性のアルコキシシランを用いて、あらかじめ形成されて
いるエマルジョンの表面にシリカ成分を析出、固定させ
る方法が挙げられる。
【0025】次に、皮膜形成性無機物について、以下に
具体的に説明する。本発明に係わる皮膜形成性無機物
は、先の金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョン同
様、光反応性半導体を後述する基材に固定するための結
着剤として使用されるものである。皮膜形成性無機物の
具体例としては、サポナイト、ヘクトライト、モンモリ
ロナイトなどのスメクタイト群、バーミキュライト群、
カオリナイト、ハロイサイトなどのカオリナイト−蛇紋
石群、セピオライトなどの天然粘土鉱物の他、コロイダ
ルシリカ、コロイダルアルミナおよびこれらの変性物や
合成無機高分子化合物などが挙げられる。
【0026】本発明で云う上記変性物における変性と
は、天然鉱物中より不純物や特定の原子団を除去した
り、天然鉱物構成元素中の特定の元素を適当な方法で処
理して他の元素と交換したり、別の化合物(特に有機化
合物)と共に化学処理して特に鉱物表面の物性を改変す
ることにより、元来の天然鉱物固有の特性を伸長した
り、あるいは新たなる特性を付与することであり、本発
明で云う変性物の具体例としては、Ca−モンモリロナ
イトを水の存在下で炭酸ナトリウムなどと処理してイオ
ン交換を行ったNa−モンモリロナイトや、カチオン界
面活性剤および/またはノニオン界面活性剤と処理した
ものなどが挙げられる。
【0027】また、本発明で云う合成無機高分子化合物
とは、天然鉱物と同等の組成を得るべく、あるいは新た
な特性を付与するべく同等組成の特定の元素を他の元素
で置換したもので、2種類以上の化合物を反応させて得
られるものであって、天然雲母族の構造中の水酸基をフ
ッ素で置換したフッ素雲母や、合成スメクタイトなどが
挙げられる。フッ素雲母の代表例としては、フッ素金雲
母[KMg3(AlSi3O10)F2]、フッ素四ケイ素雲母[KMg
2.5(Si4O10)F2]、テニオライト[KMg2Li(Si4O10)F
2]などが挙げられる。
【0028】本発明における重要なポイントは、金属酸
化物複合熱可塑性高分子エマルジョンおよび皮膜形成性
無機物を用いて光反応性半導体を基材に担持固定するこ
とにある。
【0029】金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョ
ンおよび光反応性半導体からなる皮膜の場合、光反応性
半導体の集合部と高分子成分との間に金属酸化物層が形
成され、高分子成分と光反応性半導体との接触部分が減
少するために、一般の熱可塑性高分子エマルジョンから
なる皮膜と比較した場合、光反応性半導体の光触媒能
による酸化分解に起因した高分子成分の劣化が抑制さ
れ、皮膜の耐久性が大幅に向上するばかりでなく、高
分子成分の被覆による光反応性半導体の光触媒能の低下
をも抑制することが可能となる。さらには、高分子成分
の有する優れた皮膜強度および皮膜耐水性をも兼ね備え
ており、光反応性半導体の結着剤として好ましく用いる
ことができる。
【0030】しかしながら、金属酸化物複合熱可塑性高
分子エマルジョン中に高分子成分が含まれている以上、
光反応性半導体の光触媒作用や紫外線の作用による高分
子成分の劣化を皆無とすることはできず、極めて長期に
亘る皮膜耐久性が要求される用途においては、金属酸化
物複合熱可塑性高分子エマルジョンの皮膜では耐久性の
点で幾分問題がある。また、光反応性半導体および金属
酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョンの混合液の場
合、顔料(ここでは光反応性半導体および金属酸化物
複合熱可塑性高分子エマルジョンを指す)分散性にやや
劣り、凝集粒子が発生するために、粗大な凝集粒子の基
材からの脱落、光反応性半導体の能力を十分に引き出せ
ない(凝集粒子内部の光反応性半導体には紫外線が届き
難く、その能力を十分に発揮できないことによるものと
思われる)、通気性の高い基材、即ち基材空隙径の大
きな基材に該混合液を塗工した場合、基材空隙上に水掻
き状の皮膜を張り易く、基材の通気性を阻害してしまう
という問題がある。
【0031】一方、皮膜形成性無機物および光反応性半
導体からなる皮膜は、光反応性半導体の光触媒作用によ
る酸化分解や紫外線に対する耐久性に極めて優れてい
る。しかしながら、皮膜形成性無機物は大きな比表面積
および高度の水和力を有するため、水中で著しく膨潤・
分散して容易に安定な水系コロイドを形成する性質があ
り、皮膜の耐水性に劣るという問題があった。従って、
浴室や台所などの水廻りでの使用、梅雨時の室内などの
高湿度環境下での使用に幾分不安視されるものがある。
加えて、皮膜の機械的強度も小さく、皮膜の耐擦性の点
にも問題がある。また、光反応性半導体および皮膜形成
性無機物の混合液においては、顔料(ここでは光反応性
半導体および皮膜形成性無機物を指す)分散性は良好で
あり、先の金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョン
のような問題は少ないが、皮膜形成性無機物の種類如何
ではチキソトロピー性の極めて強いものもあり、光反応
性半導体および皮膜形成性無機物の混合液の粘度が極め
て高くなり、基材への担持が困難になるという問題があ
る。
【0032】以上のように、金属酸化物複合熱可塑性高
分子エマルジョン、皮膜形成性無機物には各々一長一短
があり、光反応性半導体の基材への結着剤として各々単
独で使用した場合には、実用上問題が発生してくる可能
性が十分にある。しかしながら、金属酸化物複合熱可塑
性高分子エマルジョンおよび皮膜形成性無機物を混合使
用することによって、金属酸化物複合熱可塑性高分子エ
マルジョンおよび皮膜形成性無機物の各々の長所を伸
長、短所を大きく改善することが可能となる。即ち、両
者の混合物を用いることによって、顔料(ここでは光反
応性半導体、金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョ
ン、皮膜形成性無機物を指す)分散性が極めて良好とな
るばかりでなく、機械的強度、耐久性、耐水性に優れた
皮膜を得ることができる。従って、該混合物を用いるこ
とによって、高度の光触媒活性・通気性・耐久性を有す
る光触媒フィルターを得ることが可能となる。
【0033】本発明の光触媒フィルターは、光反応性半
導体、金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョン、並
びに皮膜形成性無機物からなる機能性混合物が基材に均
一に分散担持されているため、光反応性半導体の光触媒
活性を有効に活用することができる。従って、少量の光
反応性半導体であっても、実用上十分な有害物質除去能
を得ることが可能である。もちろん、光触媒フィルター
の有害物質除去能は、光反応性半導体の含有量の増加に
伴って向上するので、より高度の有害物質除去能が求め
られる用途においては、その含有量を増やすなど、用途
や目的に応じて光反応性半導体の含有量を適宜選択し、
所望の有害物質除去能を有する光触媒フィルターを作製
すれば良い。
【0034】上述の如く、本発明の光触媒フィルターに
おける光反応性半導体の含有量は、如何様でも構わない
が、特に好ましい含有量は、機能性混合物の総重量の1
0〜70重量%である。光反応性半導体の含有量が光触
媒フィルターの有害物質除去能に及ぼす影響は、光反応
性半導体の含有量が機能性混合物の総重量の10重量%
未満の領域で特に顕著であり、一方、10重量%以上の
領域においては、光反応性半導体の含有量の増加に伴っ
て光触媒フィルターの有害物質除去能が緩やかに向上、
70重量%の含有量でほぼ飽和する。従って、光反応性
半導体の含有量を機能性混合物の総重量の10重量%以
上とすることによって、極めて良好な有害物質除去能を
有する光触媒フィルターを得ることが可能となる。な
お、光反応性半導体の含有量が70重量%を越える領域
では、光反応性半導体の増量に伴う有害物質除去能の向
上効果が小さいので、70重量%以下の含有量でも実用
上は差し支えない。
【0035】金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョ
ンおよび皮膜形成性無機物の混合物からなる皮膜は、機
械的強度、耐水性、並びに耐久性に優れるので、少量で
も光反応性半導体を基材に強固に固定することが可能で
ある。もちろん、該混合物の含有量の多寡に光触媒フィ
ルターの実用上の耐久性は依存するので、用途や目的に
応じて該混合物の含有量を適宜選択し、所望の耐久性を
有する光触媒フィルターを作製すれば良い。但し、上述
の如く、高度の有害物質除去能を有する光触媒フィルタ
ーを得るためには、光反応性半導体の含有量が機能性混
合物の総重量の10〜70重量%であることが好まし
く、故に金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョンお
よび皮膜形成性無機物の混合物の含有量としては、機能
性混合物の総重量の30〜90重量%が特に好ましい範
囲である。なお、金属酸化物複合熱可塑性高分子エマル
ジョン/皮膜形成性無機物の重量比は如何様であって
も、両者の混合に伴う一連の効果を期待できるが、特に
好ましい重量比は、10/90〜90/10の範囲であ
る。該重量比においては、金属酸化物複合熱可塑性高分
子エマルジョンおよび皮膜形成性無機物の各々の長所で
もって、各々の短所をほぼ完全に補うことが可能であ
り、両者の混合効果を最大限に引き出すことができる。
【0036】なお、光反応性半導体、金属酸化物複合熱
可塑性高分子エマルジョン、並びに皮膜形成性無機物を
含有してなる機能性混合物の基材への担持量は、基材の
坪量や、目的とする有害物質除去能に応じて適宜選択す
れば良いが、5〜200g/m2程度が適当である。
【0037】次に、基材について、以下に具体的に説明
する。本発明に係わる基材は、光反応性半導体、金属酸
化物複合熱可塑性高分子エマルジョン、並びに皮膜形成
性無機物を含有してなる機能性混合物を保持するための
支持体として機能するものであって、基材の特性として
は、有害物質を透過させるための通気性、光反応性半導
体を活性化させるための光透過性を有することが要求さ
れる。このような基材の形態としては、不織布あるいは
多孔質フィルム状のものなどが挙げられるが、坪量、通
気性を制御し易く、加工性にも優れている点から不織布
が特に好ましい基材である。
【0038】不織布は、ポリアミド系繊維、ポリエステ
ル系繊維、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系繊
維、ポリウレタン系繊維、ポリビニルアルコール系繊
維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊
維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリオレフィン系繊
維、フェノール系繊維などの合成繊維、ガラス繊維、金
属繊維、アルミナ繊維、活性炭素繊維などの無機繊維、
木材パルプ、麻パルプ、コットンリンターパルプなどの
天然繊維、再生繊維、あるいはこれらの繊維に親水性や
難燃性などの機能を付与した繊維などを使用し、各種方
法によって製造したものである。
【0039】不織布の製造方法については特に制限はな
く、目的・用途に応じて、乾式法、湿式抄造法、メルト
ブローン法、スパンボンド法などで得られたウェブを水
流交絡法、ニードルパンチ法、ステッチボンド法などの
物理的方法、サーマルボンド法などの熱による接着方
法、レジンボンドなどの接着剤による接着方法で強度を
発現させる方法を適宜組み合わせて製造することができ
る。
【0040】本発明の基材に光反応性半導体、金属酸化
物複合熱可塑性高分子エマルジョン、並びに皮膜形成性
無機物を含有してなる機能性混合物を担持させるに当た
って、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアー
ナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコータ
ー、ショートドウェルコーター、コンマコーター、ダイ
コーター、リバースロールコーター、キスコーター、デ
ィップコーター、カーテンコーター、エクストルージョ
ンコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコー
ター、サイズプレスなどの各種塗工装置を用いることが
できる。また、塗工後には、マシンカレンダー、TGカ
レンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダーなど
のカレンダーを用いて平坦化、つや出し仕上げを行った
り、エンボス装置を用いて型付けを行っても良い。
【0041】本発明の第二の発明は、光反応性半導体、
吸着剤、金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョン、
並びに皮膜形成性無機物を含有してなる機能性混合物を
基材に担持したことを特徴とする光触媒フィルターの発
明である。
【0042】第一の発明の機能性混合物中に吸着剤を加
えることによって、吸着剤で吸着した有害物質を光反応
性半導体で効率良く分解除去することが可能となる。こ
れは恐らく、吸着剤に吸着された有害物質が、光反応性
半導体によって徐々に分解されるためであろうと考えら
れる。また、一時的に暗所になるような使用環境、紫外
線量の少ない使用環境、あるいは吸着過程が律速段階と
なる有害物質が低濃度で存在するような使用環境におい
ても、吸着剤の吸着作用によって高度の有害物質除去能
を維持することが可能となる。なお、吸着能のみなら
ず、触媒作用をも同時に有する吸着剤も好ましい材料の
一つである。
【0043】さらに驚いたことには、吸着剤を加えるこ
とによって、恐らく吸着剤が光反応性半導体粒子間に介
在するためと思われるが、光触媒フィルター中の光反
応性半導体の分布がより均一なものとなり、光反応性半
導体による光触媒反応が一層効率良く進行するばかりで
なく、金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョンの
高分子成分および基材と光反応性半導体との接触部分が
減少、光反応性半導体の光触媒作用に起因した光触媒フ
ィルターの劣化が一層抑制されるという予期せざる効果
が得られることが判った。
【0044】本発明に係わる吸着剤の具体的な例として
は、活性炭、活性白土、天然および合成ゼオライト、セ
ピオライト、酸化鉄などの鉄系化合物、酸化亜鉛、酸化
マグネシウム、シリカ、シリカ−酸化亜鉛複合物、シリ
カ−アルミナ−酸化亜鉛複合物、複合フィロケイ酸塩、
あるいはこれらの混合物などが挙げられる。これらの吸
着剤の形状は特に限定されるものではないが、光反応性
半導体、金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョン、
並びに皮膜形成性無機物との混合を考慮した場合、粒子
状のものが好ましく、比表面積が50〜2000m2/g
のものを適宜選択して用いることが可能であり、例えば
活性炭の場合、500〜1500m2/gのものが好まし
い。
【0045】本発明の光触媒フィルターは、光反応性半
導体、吸着剤、金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジ
ョン、並びに皮膜形成性無機物からなる機能性混合物が
基材に均一に分散担持されているため、光反応性半導体
の光触媒活性および吸着剤の吸着能を有効に活用するこ
とができる。従って、少量の光反応性半導体および吸着
剤であっても、実用上十分な有害物質除去能を得ること
が可能である。もちろん、光触媒フィルターの有害物質
除去能は、光反応性半導体および吸着剤の混合物の含有
量の増加に伴って向上するので、より高度の有害物質除
去能が求められる用途においては、その含有量を増やす
など、用途や目的に応じて光反応性半導体および吸着剤
の混合物の含有量を適宜選択し、所望の有害物質除去能
を有する光触媒フィルターを作製すれば良い。
【0046】上述の如く、本発明の光触媒フィルターに
おける光反応性半導体および吸着剤の混合物の含有量
は、如何様でも構わないが、特に好ましい含有量は、機
能性混合物の総重量の20〜70重量%である。光反応
性半導体および吸着剤の混合物の含有量が光触媒フィル
ターの有害物質除去能に及ぼす影響は、該混合物の含有
量が機能性混合物の総重量の20重量%未満の領域で特
に顕著であり、一方、20重量%以上の領域において
は、該混合物の含有量の増加に伴って光触媒フィルター
の有害物質除去能が緩やかに向上、70重量%の含有量
でほぼ飽和する。従って、光反応性半導体および吸着剤
の混合物の含有量を機能性混合物の総重量の20重量%
以上とすることで、極めて良好な有害物質除去能を有す
る光触媒フィルターを得ることが可能となる。なお、光
反応性半導体および吸着剤の混合物の含有量が70重量
%を越える領域では、該混合物の増量に伴う有害物質除
去能の向上効果が小さいので、70重量%以下の含有量
でも実用上は差し支えない。
【0047】金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョ
ンおよび皮膜形成性無機物の混合物からなる皮膜は、機
械的強度、耐水性、並びに耐久性に優れるので、少量で
も光反応性半導体および吸着剤の混合物を基材に強固に
固定することが可能である。もちろん、金属酸化物複合
熱可塑性高分子エマルジョンおよび皮膜形成性無機物の
混合物の含有量の多寡に光触媒フィルターの実用上の耐
久性は依存するので、用途や目的に応じてその含有量を
適宜選択し、所望の耐久性を有する光触媒フィルターを
作製すれば良い。但し、上述の如く、高度の有害物質除
去能を有する光触媒フィルターを得るためには、光反応
性半導体および吸着剤の混合物の含有量が機能性混合物
の総重量の20〜70重量%であることが好ましく、故
に金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョンおよび皮
膜形成性無機物の混合物の含有量としては、機能性混合
物の総重量の30〜80重量%が特に好ましい範囲であ
る。なお、金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョン
/皮膜形成性無機物の重量比は如何様であっても、両者
の混合に伴う一連の効果を期待できるが、特に好ましい
重量比は、10/90〜90/10の範囲である。該重
量比においては、金属酸化物複合熱可塑性高分子エマル
ジョンおよび皮膜形成性無機物の各々の長所でもって、
各々の短所をほぼ完全に補うことが可能であり、両者の
混合効果を最大限に引き出すことができる。
【0048】なお、光反応性半導体、吸着剤、金属酸化
物複合熱可塑性高分子エマルジョン、並びに皮膜形成性
無機物を含有してなる機能性混合物の基材への担持量
は、基材の坪量や、目的とする有害物質除去能に応じて
適宜選択すれば良いが、5〜200g/m2程度が適当で
ある。
【0049】本発明の機能性混合物中に着色剤を加える
ことによって、本発明の光触媒フィルターを容易に着色
することが可能であり、意匠性の向上を図ることができ
る。着色剤としては、アゾ染料、アントラキノン染料、
インジゴイド染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニ
ルメタン染料、フタロシアニン染料、ニトロ染料、ニト
ロソ染料などの着色染料、アゾ顔料、フタロシアニン顔
料、ジオキサジン顔料、酸化鉄、酸化チタン、カーボン
ブラックなどの着色顔料など、従来公知の着色剤を広く
用いることができる。但し、有機系の染料および着色顔
料は、光反応性半導体の光触媒作用による酸化分解や紫
外線に対する耐久性が低く、用途如何では退色などの問
題があるため、無機顔料タイプの着色剤の使用が好まし
い。
【0050】本発明の機能性混合物は、金属酸化物複合
熱可塑性高分子エマルジョンおよび皮膜形成性無機物を
併用しているために、顔料(ここでは光反応性半導体、
吸着剤、金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョン、
皮膜形成性無機物を指す)分散性が極めて良好で、かつ
適正な液粘度を有するので、大きな空隙径を有する高通
気性の基材に機能性混合物を塗工する際にも、その空隙
を閉塞することなく高度の通気性を維持した状態で機能
性混合物を基材表面に均一に塗工することができる。従
って、本発明の機能性混合物を用いれば、JIS L 1
096に準じて測定した通気性が100cm3/cm2・秒以
上の値を有する高通気性のフィルターの作製も容易であ
り、空気清浄機や空調システムなどの有害物質除去フィ
ルターとして有効に活用することが可能である。
【0051】なお、用途や目的に応じて、本発明の光触
媒フィルターを複数積層して使用しても構わないし、他
の適当なフィルター材料や機能性シートなどと複合、あ
るいは併用しても何ら構わない。
【0052】以上の如く、本発明の光触媒フィルター
は、有害物質の分解除去能および吸着分解除去能を有
し、かつ通気性にも優れるため、このままの形態であっ
てもフィルター部材として有効に活用することができ
る。しかしながら、空気清浄機や空調システムなどのフ
ィルター部材として活用する場合には、除塵性能も併せ
て要求される場合が多く、この要求を満たすべく本発明
の光触媒フィルターの少なくとも一方の面に除塵フィル
ターを積層しても構わない。この場合、光触媒フィルタ
ーの有する通気性を大きく阻害することのないよう、通
気性に優れ、かつ高い除塵能をも有する静電フィルター
を用いることが好ましい。
【0053】本発明に係わる静電フィルターは、半永久
的に電気分極を保持し、外部に対して電気力を及ぼすフ
ィルターであって、その静電気力によって粒子を捕捉す
るものである。帯電方法としては、エレクトロエレクト
レット、熱エレクトレット、ラジオエレクトレット、メ
カノエレクトレット、フォトエレクトレット、マグネッ
トエレクトレットなどが挙げられるが、工業的に不織布
フィルターで用いられているのは、主にエレクトロエレ
クトレットおよび熱エレクトレットであり、フィルター
材料としてはポリプロピレンが用いられることが多い。
【0054】不織布は嵩高で3次元空隙が存在するた
め、コロナ放電などによる帯電処理では安定した帯電効
果を得ることが難しい。しかしながら、コロナ放電など
で帯電処理を施したフィルムを繊維状に断裁、それを不
織布化したスプリットファイバー静電フィルターや、メ
ルトブロー紡糸時および溶融紡糸時に高電圧を印加して
熱エレクトレット的に繊維を帯電させたメルトブロー不
織布式静電フィルターおよびスパンボンド不織布式静電
フィルターなどは、安定した分極電荷を得ることができ
る。なお、メルトブロー不織布式静電フィルターは単体
では力学的強度が小さいため、乾式不織布やスパンボン
ドなどを貼り合わせて使用されるのが一般的である。
【0055】
【実施例】以下、実施例によりさらに本発明を詳細に説
明するが、本発明はその主旨を越えない限りこれらに限
定されるものではない。
【0056】予備操作1 フェノキシ樹脂エマルジョン(東都化成製、KE−31
6、有効成分=48重量%)100重量部に水70重量
部を加え、撹拌しながら60℃に加熱し、エタノールで
希釈したオルソケイ酸エチル(有効成分=40重量%)
180重量部を徐々に滴下した。さらに加熱を続けて系
内よりエタノールを除去し、実施例に用いる金属酸化物
複合熱可塑性高分子エマルジョン1を作製した。
【0057】予備操作2 75℃に加熱した共重合ポリエステル樹脂の乳化重合液
(東洋紡績製、バイロナール、有効成分=26重量%)
100重量部に、エタノールで希釈したオルソケイ酸エ
チル(有効成分=40重量%)120重量部を徐々に滴
下した。さらに加熱を続けて系内よりエタノールを除去
し、実施例に用いる金属酸化物複合熱可塑性高分子エマ
ルジョン2を作製した。
【0058】予備操作3 ポリエステル繊維(繊度3デニール、繊維長=38m
m)/ポリエステル繊維(繊度6デニール、繊維長=5
1mm)/レーヨン繊維(繊度3デニール、繊維長=5
1mm)=50/30/20の重量比で解繊混合して坪
量50g/m2のウェブを作製し、ニードルパンチによっ
て強度を付与して実施例に用いる基材1を作製した。
【0059】予備操作4 ポリエステル繊維(繊度3デニール、繊維長=38m
m)/ポリエステル繊維(繊度6デニール、繊維長=5
1mm)/レーヨン繊維(繊度3デニール、繊維長=5
1mm)=50/30/20の重量比で解繊混合して坪
量35g/m2のウェブを作製し、該ウェブにアクリルエ
マルジョン樹脂を有効成分換算で15g/m2含浸、乾燥
させて強度を付与して実施例に用いる坪量50g/m2
基材2を作製した。
【0060】実施例1 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を5重量%、金属酸化物複合熱可塑性
高分子エマルジョン1を45重量%、皮膜形成性無機物
として、合成スメクタイト(クニミネ工業製、スメクト
ンSA)を50重量%含有してなる機能性混合物を基材
1に30g/m2含浸塗工し、実施例1の光触媒フィルタ
ーを作製した。
【0061】実施例2 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を10重量%、金属酸化物複合熱可塑
性高分子エマルジョン1を45重量%、皮膜形成性無機
物として、合成スメクタイト(クニミネ工業製、スメク
トンSA)を45重量%含有してなる機能性混合物を基
材1に30g/m2含浸塗工し、実施例2の光触媒フィル
ターを作製した。
【0062】実施例3 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を30重量%、金属酸化物複合熱可塑
性高分子エマルジョン1を35重量%、皮膜形成性無機
物として、合成スメクタイト(クニミネ工業製、スメク
トンSA)を35重量%含有してなる機能性混合物を基
材1に30g/m2含浸塗工し、実施例3の光触媒フィル
ターを作製した。
【0063】実施例4 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を50重量%、金属酸化物複合熱可塑
性高分子エマルジョン1を3重量%、皮膜形成性無機物
として、合成スメクタイト(クニミネ工業製、スメクト
ンSA)を47重量%含有してなる機能性混合物を基材
1に30g/m2含浸塗工し、実施例4の光触媒フィルタ
ーを作製した。
【0064】実施例5 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を50重量%、金属酸化物複合熱可塑
性高分子エマルジョン1を5重量%、皮膜形成性無機物
として、合成スメクタイト(クニミネ工業製、スメクト
ンSA)を45重量%含有してなる機能性混合物を基材
1に30g/m2含浸塗工し、実施例5の光触媒フィルタ
ーを作製した。
【0065】実施例6 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を50重量%、金属酸化物複合熱可塑
性高分子エマルジョン1を25重量%、皮膜形成性無機
物として、合成スメクタイト(クニミネ工業製、スメク
トンSA)を25重量%含有してなる機能性混合物を基
材1に30g/m2含浸塗工し、実施例6の光触媒フィル
ターを作製した。
【0066】実施例7 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を50重量%、金属酸化物複合熱可塑
性高分子エマルジョン1を45重量%、皮膜形成性無機
物として、合成スメクタイト(クニミネ工業製、スメク
トンSA)を5重量%含有してなる機能性混合物を基材
1に30g/m2含浸塗工し、実施例7の光触媒フィルタ
ーを作製した。
【0067】実施例8 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を50重量%、金属酸化物複合熱可塑
性高分子エマルジョン1を47重量%、皮膜形成性無機
物として、合成スメクタイト(クニミネ工業製、スメク
トンSA)を3重量%含有してなる機能性混合物を基材
1に30g/m2含浸塗工し、実施例8の光触媒フィルタ
ーを作製した。
【0068】実施例9 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を70重量%、金属酸化物複合熱可塑
性高分子エマルジョン1を15重量%、皮膜形成性無機
物として、合成スメクタイト(クニミネ工業製、スメク
トンSA)を15重量%含有してなる機能性混合物を基
材1に30g/m2含浸塗工し、実施例9の光触媒フィル
ターを作製した。
【0069】実施例10 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を80重量%、金属酸化物複合熱可塑
性高分子エマルジョン1を10重量%、皮膜形成性無機
物として、合成スメクタイト(クニミネ工業製、スメク
トンSA)を10重量%含有してなる機能性混合物を基
材1に30g/m2含浸塗工し、実施例10の光触媒フィ
ルターを作製した。
【0070】実施例11 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を5重量%、吸着剤として、活性炭
(クラレケミカル製、クラレコールPW−W5)を5重
量%、金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョン2を
45重量%、皮膜形成性無機物として、合成ヘクトライ
ト(日本シリカ工業製、ラポナイトRD)を45重量%
含有してなる機能性混合物を基材2に30g/m2含浸塗
工し、実施例11の光触媒フィルターを作製した。
【0071】実施例12 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を10重量%、吸着剤として、複合フ
ィロケイ酸塩(水澤化学工業製、ミズカナイトAP)を
10重量%、金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョ
ン2を40重量%、皮膜形成性無機物として、合成ヘク
トライト(日本シリカ工業製、ラポナイトRD)を40
重量%含有してなる機能性混合物を基材2に30g/m2
含浸塗工し、実施例12の光触媒フィルターを作製し
た。
【0072】実施例13 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を25重量%、吸着剤として、活性炭
(クラレケミカル製、クラレコールPW−W5)を25
重量%、金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョン2
を3重量%、皮膜形成性無機物として、合成ヘクトライ
ト(日本シリカ工業製、ラポナイトRD)を47重量%
含有してなる機能性混合物を基材2に30g/m2含浸塗
工し、実施例13の光触媒フィルターを作製した。
【0073】実施例14 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を25重量%、吸着剤として、複合フ
ィロケイ酸塩(水澤化学工業製、ミズカナイトAP)を
25重量%、金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョ
ン2を5重量%、皮膜形成性無機物として、合成ヘクト
ライト(日本シリカ工業製、ラポナイトRD)を45重
量%含有してなる機能性混合物を基材2に30g/m2
浸塗工し、実施例14の光触媒フィルターを作製した。
【0074】実施例15 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を25重量%、吸着剤として、活性炭
(クラレケミカル製、クラレコールPW−W5)を25
重量%、金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョン2
を25重量%、皮膜形成性無機物として、合成ヘクトラ
イト(日本シリカ工業製、ラポナイトRD)を25重量
%含有してなる機能性混合物を基材2に30g/m2含浸
塗工し、実施例15の光触媒フィルターを作製した。
【0075】実施例16 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を25重量%、吸着剤として、複合フ
ィロケイ酸塩(水澤化学工業製、ミズカナイトAP)を
25重量%、金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョ
ン2を45重量%、皮膜形成性無機物として、合成ヘク
トライト(日本シリカ工業製、ラポナイトRD)を5重
量%含有してなる機能性混合物を基材2に30g/m2
浸塗工し、実施例16の光触媒フィルターを作製した。
【0076】実施例17 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を25重量%、吸着剤として、活性炭
(クラレケミカル製、クラレコールPW−W5)を25
重量%、金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョン2
を47重量%、皮膜形成性無機物として、合成ヘクトラ
イト(日本シリカ工業製、ラポナイトRD)を3重量%
含有してなる機能性混合物を基材2に30g/m2含浸塗
工し、実施例17の光触媒フィルターを作製した。
【0077】実施例18 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を35重量%、吸着剤として、複合フ
ィロケイ酸塩(水澤化学工業製、ミズカナイトAP)を
35重量%、金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョ
ン2を15重量%、皮膜形成性無機物として、合成ヘク
トライト(日本シリカ工業製、ラポナイトRD)を15
重量%含有してなる機能性混合物を基材2に30g/m2
含浸塗工し、実施例18の光触媒フィルターを作製し
た。
【0078】実施例19 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を40重量%、吸着剤として、活性炭
(クラレケミカル製、クラレコールPW−W5)を40
重量%、金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョン2
を10重量%、皮膜形成性無機物として、合成ヘクトラ
イト(日本シリカ工業製、ラポナイトRD)を10重量
%含有してなる機能性混合物を基材2に30g/m2含浸
塗工し、実施例19の光触媒フィルターを作製した。
【0079】実施例20 機能性混合物の基材への担持量を10g/m2とした点を
除いて、実施例6と同様の方法で実施例20の光触媒フ
ィルターを作製した。
【0080】実施例21 機能性混合物の基材への担持量を50g/m2とした点を
除いて、実施例6と同様の方法で実施例21の光触媒フ
ィルターを作製した。
【0081】実施例22 機能性混合物の基材への担持量を10g/m2とした点を
除いて、実施例15と同様の方法で実施例22の光触媒
フィルターを作製した。
【0082】実施例23 機能性混合物の基材への担持量を50g/m2とした点を
除いて、実施例15と同様の方法で実施例23の光触媒
フィルターを作製した。
【0083】実施例24 着色剤として、着色顔料(東洋インキ製造製、EM B
rown R)を機能性混合物の総重量の0.1重量%
添加した点を除いて、実施例6と同様の方法で実施例2
4の光触媒フィルターを作製した。
【0084】実施例25 着色剤として、着色顔料(東洋インキ製造製、EM C
obalt Blue)を機能性混合物の総重量の0.
1重量%添加した点を除いて、実施例15と同様の方法
で実施例25の光触媒フィルターを作製した。
【0085】実施例26 実施例6の光触媒フィルターの片方の面に、静電フィル
ター(三井石油化学工業製、シンテックスEL/EB2
0N)を貼り合わせ、実施例26の複合フィルター部材
を作製した。
【0086】実施例27 実施例15の光触媒フィルターの片方の面に、静電フィ
ルター(三井石油化学工業製、シンテックスEL/EB
20N)を貼り合わせ、実施例27の複合フィルター部
材を作製した。
【0087】比較例1 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を10重量%、金属酸化物複合熱可塑
性高分子エマルジョン1を90重量%含有してなる機能
性混合物を基材1に30g/m2含浸塗工し、比較例1の
光触媒フィルターを作製した。
【0088】比較例2 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を10重量%、皮膜形成性無機物とし
て、合成スメクタイト(クニミネ工業製、スメクトンS
A)を90重量%含有してなる機能性混合物を基材1に
30g/m2含浸塗工し、比較例2の光触媒フィルターを
作製した。
【0089】比較例3 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を40重量%、金属酸化物複合熱可塑
性高分子エマルジョン1を60重量%含有してなる機能
性混合物を基材1に30g/m2含浸塗工し、比較例3の
光触媒フィルターを作製した。
【0090】比較例4 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を40重量%、皮膜形成性無機物とし
て、合成スメクタイト(クニミネ工業製、スメクトンS
A)を60重量%含有してなる機能性混合物を基材1に
30g/m2含浸塗工し、比較例4の光触媒フィルターを
作製した。
【0091】比較例5 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を70重量%、金属酸化物複合熱可塑
性高分子エマルジョン1を30重量%含有してなる機能
性混合物を基材1に30g/m2含浸塗工し、比較例5の
光触媒フィルターを作製した。
【0092】比較例6 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を70重量%、皮膜形成性無機物とし
て、合成スメクタイト(クニミネ工業製、スメクトンS
A)を30重量%含有してなる機能性混合物を基材1に
30g/m2含浸塗工し、比較例6の光触媒フィルターを
作製した。
【0093】比較例7 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を10重量%、吸着剤として、活性炭
(クラレケミカル製、クラレコールPW−W5)を10
重量%、金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョン2
を80重量%含有してなる機能性混合物を基材2に30
g/m2含浸塗工し、比較例7の光触媒フィルターを作製
した。
【0094】比較例8 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を10重量%、吸着剤として、複合フ
ィロケイ酸塩(水澤化学工業製、ミズカナイトAP)を
10重量%、皮膜形成性無機物として、合成ヘクトライ
ト(日本シリカ工業製、ラポナイトRD)を80重量%
含有してなる機能性混合物を基材2に30g/m2含浸塗
工し、比較例8の光触媒フィルターを作製した。
【0095】比較例9 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を20重量%、吸着剤として、活性炭
(クラレケミカル製、クラレコールPW−W5)を20
重量%、金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョン2
を60重量%含有してなる機能性混合物を基材2に30
g/m2含浸塗工し、比較例9の光触媒フィルターを作製
した。
【0096】比較例10 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を20重量%、吸着剤として、複合フ
ィロケイ酸塩(水澤化学工業製、ミズカナイトAP)を
20重量%、皮膜形成性無機物として、合成ヘクトライ
ト(日本シリカ工業製、ラポナイトRD)を60重量%
含有してなる機能性混合物を基材2に30g/m2含浸塗
工し、比較例10の光触媒フィルターを作製した。
【0097】比較例11 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を35重量%、吸着剤として、活性炭
(クラレケミカル製、クラレコールPW−W5)を35
重量%、金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョン2
を30重量%含有してなる機能性混合物を基材2に30
g/m2含浸塗工し、比較例11の光触媒フィルターを作
製した。
【0098】比較例12 光反応性半導体として、酸化チタン(日本アエロジル
製、P25S6)を35重量%、吸着剤として、複合フ
ィロケイ酸塩(水澤化学工業製、ミズカナイトAP)を
35重量%、皮膜形成性無機物として、合成ヘクトライ
ト(日本シリカ工業製、ラポナイトRD)を30重量%
含有してなる機能性混合物を基材2に30g/m2含浸塗
工し、比較例12の光触媒フィルターを作製した。
【0099】以上、実施例で得られた光触媒フィルター
および複合フィルター部材は、以下の方法で試験を行
い、その性能を評価した。
【0100】[脱臭性能A]光触媒フィルターを10c
m×10cmに裁断し、6Wのブラックランプを備えた
5.6リットルの密閉容器の底部にブラックランプから
の距離が2cmとなるように静置した。容器中にアセト
アルデヒドを100ppm注入し、ブラックランプを点
灯させない状態で20分間放置した後、容器中のアセト
アルデヒド濃度(ppm)をガスクロマトグラフで測定
した。
【0101】[脱臭性能B][脱臭性能A]の試験終了
後、6Wのブラックランプを点灯して紫外線を照射し、
紫外線照射20分後の容器中のアセトアルデヒド濃度
(ppm)をガスクロマトグラフで測定した。
【0102】[通気性]光触媒フィルターの通気性(cm
3/cm2・秒)は、JIS L 1096に準じてフラジー
ル形試験機を用いて測定した。
【0103】[耐擦性]光触媒フィルターの表面を綿棒
で擦って耐擦性を観察した。50往復より少ない回数の
擦りで光触媒フィルターからの機能性混合物の脱落が観
察される場合を耐擦性が「劣」、50〜199往復の回
数の擦りで光触媒フィルターからの機能性混合物の脱落
が観察される場合を耐擦性が「並」、200〜500往
復の回数の擦りで光触媒フィルターからの機能性混合物
の脱落が観察される場合を耐擦性が「良」、500往復
よりも多い回数の擦りで光触媒フィルターからの機能性
混合物の脱落が観察される場合や、あるいは機能性混合
物の脱落が観察されない場合を耐擦性が「優」として判
定した。
【0104】[耐水性]光触媒フィルターを水に十分に
浸漬した後、光触媒フィルター表面を綿棒で擦って耐水
性を観察した。水浸漬後の耐擦性を[耐擦性]と同様の
方法により評価し、耐水性の指標とした。
【0105】[耐久性]光触媒フィルターからの距離が
2cmとなるように20Wのブラックランプを設置し、
ブラックランプを点灯して紫外線を1000時間照射し
た。紫外線照射後の光触媒フィルターの耐擦性を[耐擦
性]と同様の方法により評価し、耐久性の指標とした。
【0106】[フィルター性能]実施例26および実施
例27の複合フィルター部材について、フィルター性能
を調べた。まず、実施例26および実施例27の複合フ
ィルター部材をプリーツ状に加工してフィルターユニッ
ト(複合フィルター部材の使用量=約1m2)を作製し、
該フィルターユニットと30Wのシロッコファン、6W
のブラックランプ2本とを組み合わせ、実験用の空気清
浄機を作製した。該空気清浄機のアセトアルデヒド除去
性能およびタバコ煙粒子除去性能を指標として、実施例
26および実施例27の複合フィルター部材のフィルタ
ー性能を評価した。まず、1m3のステンレス製の密閉容
器中に空気清浄機を静置し、容器中にアセトアルデヒド
を10ppm注入、空気清浄機を30分間作動させた
後、容器中のアセトアルデヒド濃度(C:ppm)をガ
スクロマトグラフで測定し、アセトアルデヒドの除去率
(%:100×(10−C)/10)を求めた。次に、
容器中にマイルドセブン5本分のタバコ煙を注入した
後、空気清浄機を30分間作動させた。タバコ煙注入直
後の容器中の浮遊粉塵量(A:mg/m3)、空気清浄機作
動後の容器中の浮遊粉塵量(B:mg/m3)を粉塵計で測
定し、タバコ煙粒子の除去率(%:100×(A−B)
/A)を求めた。
【0107】以上の試験項目の結果を表1〜6に示す。
【0108】
【表1】
【0109】
【表2】
【0110】
【表3】
【0111】
【表4】
【0112】
【表5】
【0113】
【表6】
【0114】実施例1〜25の光触媒フィルターは、何
れの評価項目についても良好な結果を示した。特に、機
能性混合物中に吸着剤を混合した実施例11〜19、2
2、23、25の光触媒フィルターは、紫外線未照射時
にもある程度の脱臭性能を有するばかりでなく、紫外線
照射時には光反応性半導体との相乗効果により優れた脱
臭性能を示すことが判った。また、機能性混合物中に着
色剤を混合した実施例24および25の光触媒フィルタ
ーは、装飾感に優れるものであった。さらに、静電フィ
ルターを積層した実施例26および27の複合フィルタ
ー部材は、優れた除塵・脱臭性能を有し、空気清浄機や
空調システムなどのフィルター部材として有効に作用す
ることが判った。
【0115】結着剤として金属酸化物複合熱可塑性高分
子エマルジョンを単独で用いた比較例1、3、5、7、
9、11の光触媒フィルターにおいては、機能性混合物
の凝集粒子に起因すると思われる脱臭性能の低下や機能
性混合物の脱落が見られたばかりでなく、機能性混合物
を基材に担持する際に、基材空隙に水掻き状の皮膜を張
り易く、通気性にも劣るものであった。一方、結着剤と
して皮膜形成性無機物を単独で用いた比較例2、4、
6、8、10、12の光触媒フィルターは、脱臭性能お
よび通気性には優れるが皮膜の機械的強度や耐水性に不
足し、実用上の耐久性に劣るものであった。
【0116】なお、静電フィルターを積層しない場合に
は、除塵性能に不足し、除塵・脱臭フィルター部材とし
ては有効に機能しないものであった。
【0117】
【発明の効果】光反応性半導体、金属酸化物複合熱可塑
性高分子エマルジョン、並びに皮膜形成性無機物を含有
してなる機能性混合物を基材に担持した本発明の光触媒
フィルターは、脱臭性能はもとより、通気性、耐擦性、
耐水性、耐久性など、光触媒フィルターとして要求され
る種々の特性において、優れた効果を示した。また、本
発明においては、これらの構成要素を特定の成分比にす
ることによって、特に優れた効果を発揮した。また、上
記の構成に、吸着剤を構成要素として加えた光触媒フィ
ルターは、一層、脱臭性能が向上することが判った。さ
らに、上記構成による光触媒フィルターに、静電フィル
ターを積層した複合フィルター部材は、極めて優れた除
塵・脱臭性能を有し、例えば、アセトアルデヒド除去性
能、タバコ煙粒子除去性能において、優れた効果を示し
た。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光反応性半導体、金属酸化物複合熱可塑
    性高分子エマルジョン、並びに皮膜形成性無機物を含有
    してなる機能性混合物を基材に担持したことを特徴とす
    る光触媒フィルター。
  2. 【請求項2】 光反応性半導体を10〜70重量%、金
    属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョンおよび皮膜形
    成性無機物の混合物を30〜90重量%含有し、金属酸
    化物複合熱可塑性高分子エマルジョン/皮膜形成性無機
    物の重量比が10/90〜90/10の範囲内にある機
    能性混合物を基材に担持したことを特徴とする請求項1
    記載の光触媒フィルター。
  3. 【請求項3】 光反応性半導体、吸着剤、金属酸化物複
    合熱可塑性高分子エマルジョン、並びに皮膜形成性無機
    物を含有してなる機能性混合物を基材に担持したことを
    特徴とする光触媒フィルター。
  4. 【請求項4】 光反応性半導体および吸着剤の混合物を
    20〜70重量%、金属酸化物複合熱可塑性高分子エマ
    ルジョンおよび皮膜形成性無機物の混合物を30〜80
    重量%含有し、金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジ
    ョン/皮膜形成性無機物の重量比が10/90〜90/
    10の範囲内にある機能性混合物を基材に担持したこと
    を特徴とする請求項3記載の光触媒フィルター。
  5. 【請求項5】 機能性混合物中に着色剤を含有すること
    を特徴とする請求項1〜4記載の光触媒フィルター。
  6. 【請求項6】 JIS L 1096に準じて測定した通
    気性が100cm3/cm2・秒以上であることを特徴とする
    請求項1〜5記載の光触媒フィルター。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6記載の光触媒フィルターの
    少なくとも一方の面に静電フィルターを積層したことを
    特徴とする複合フィルター部材。
JP9278550A 1997-10-13 1997-10-13 光触媒フィルター Pending JPH11114330A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9278550A JPH11114330A (ja) 1997-10-13 1997-10-13 光触媒フィルター

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9278550A JPH11114330A (ja) 1997-10-13 1997-10-13 光触媒フィルター

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11114330A true JPH11114330A (ja) 1999-04-27

Family

ID=17598831

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9278550A Pending JPH11114330A (ja) 1997-10-13 1997-10-13 光触媒フィルター

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11114330A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000350908A (ja) * 1999-06-11 2000-12-19 Kanai Hiroaki 油煙粒子捕集用フィルタ材及びこれを用いた換気扇フィルタ
JP2004505763A (ja) * 2000-08-14 2004-02-26 アフルストロム・リサーチ・アンド・サービシーズ 濾材及びその製造方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03238011A (ja) * 1990-02-15 1991-10-23 Kuraray Chem Corp 空気浄化フィルター
JPH07171408A (ja) * 1993-06-28 1995-07-11 Ishihara Sangyo Kaisha Ltd 光触媒体およびその製造方法
JPH09234375A (ja) * 1996-03-01 1997-09-09 Mitsubishi Paper Mills Ltd 光反応性有害物除去材

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03238011A (ja) * 1990-02-15 1991-10-23 Kuraray Chem Corp 空気浄化フィルター
JPH07171408A (ja) * 1993-06-28 1995-07-11 Ishihara Sangyo Kaisha Ltd 光触媒体およびその製造方法
JPH09234375A (ja) * 1996-03-01 1997-09-09 Mitsubishi Paper Mills Ltd 光反応性有害物除去材

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000350908A (ja) * 1999-06-11 2000-12-19 Kanai Hiroaki 油煙粒子捕集用フィルタ材及びこれを用いた換気扇フィルタ
JP2004505763A (ja) * 2000-08-14 2004-02-26 アフルストロム・リサーチ・アンド・サービシーズ 濾材及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107029552B (zh) 一种用于VOCs治理的自组装涂层布或纸及其制备方法
JPH09234375A (ja) 光反応性有害物除去材
JP6577591B2 (ja) 可視光活性光触媒コーティング組成物及び空気浄化用フィルター
CN109963639A (zh) 用于改善气体污染物去除效率的表面改性炭和吸附剂
KR20070069165A (ko) Voc 제거 기능을 갖는 섬유직물
EP0705623B1 (en) Photoreactive noxious substance purging agent and photoreactive noxious substance purging material using the agent
JPH11342310A (ja) 機能性エレクトレットフィルタ―およびその製造方法、並びに空気清浄化装置
JP2000279500A (ja) 消臭剤組成物及び消臭性製品
JP2002200148A (ja) 不飽和炭化水素系アルデヒドガス用消臭剤
JP3725925B2 (ja) メッシュシート、脱臭エレメントおよび脱臭装置
JP2003073997A (ja) 機能性内装材及びその製造方法
JP2000279505A (ja) 脱臭性エレクトレットフィルターおよびその製造方法
JPH08266902A (ja) 光触媒を用いた環境浄化材料およびその組成物
JP3558807B2 (ja) 吸着分解シート
JPH11114330A (ja) 光触媒フィルター
KR102369829B1 (ko) 절곡가능한 자동차용 콤비필터의 여재
CN112781164B (zh) 光催化空气净化和灭菌纤维及制造方法和应用、光催化空气净化和灭菌过滤器及制造方法
JP2000126609A (ja) 光触媒コルゲート構造体およびそれを用いた光触媒脱臭部材、光触媒脱臭装置
JPH09239011A (ja) 機能性シート、気体処理用エレメントおよび気体処理装置
JPH10264283A (ja) 貼り合わせ型光触媒シート
JPH11276562A (ja) 吸着触媒複合シート
JP3854012B2 (ja) 光触媒部材
JP2002113078A (ja) 悪臭センサー型脱臭フィルター
JP2002095912A (ja) 脱臭フィルターの製法
JP3545145B2 (ja) 脱臭抗菌シート

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040812

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040818

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041214