JPH1111068A - 真正さをチェック可能な基材とその製造方法 - Google Patents

真正さをチェック可能な基材とその製造方法

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JPH1111068A
JPH1111068A JP17207997A JP17207997A JPH1111068A JP H1111068 A JPH1111068 A JP H1111068A JP 17207997 A JP17207997 A JP 17207997A JP 17207997 A JP17207997 A JP 17207997A JP H1111068 A JPH1111068 A JP H1111068A
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JP
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thin film
fiber
paper
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JP17207997A
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Yukiko Suzuki
由紀子 鈴木
Satoshi Ooume
聡 大梅
Makio Kishimoto
眞希男 岸本
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】経済性に優れ、かつ偽造防止に優れた効果を持
つ基材を提供する。 【解決手段】不規則な屈曲形状変化を呈させて基材内部
に金属繊維および/または金属薄膜を保持した真正さを
チェック可能な基材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銀行カードやクレ
ジットカード、プリペイドカード、有価証券、商品券、
乗車券、定期券、通行券、IDカード等の偽造防止をす
る必要があるものに使用される真正さをチェック可能な
基材および、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、有価証書、切手、各種証明書、紙
幣、プリペイドカード、キャッシュカード、クレジット
カード、IDカード等に関する偽造が、社会的な問題と
なっている。偽造防止のために、蛍光インク等を用いた
印刷(特開昭59−135451号公報)、不可視イン
クを用いた印刷(特開昭63−116286号公報)、
ホログラムを利用したもの、サーモクロミック色素を利
用したもの等が考案されている。また、書き換え不可能
な磁気バーコード等を磁気カードに設けることにより、
固有情報を付与する試みもなされている。例えば、特開
平1−269227号公報、特開平2−98498号公
報、特開平3−252901号公報、特開平5−318
974号公報等が挙げられる。
【0003】さらに、磁性を持つ繊維を紙に抄き込み、
これを磁気センサーで操作することにより得られる信号
を真偽判定に用いて偽造防止を図ろうという試みも提案
されている。(特開平7−156583号公報)また、
書類等の中にランダムに分布された多数の金属繊維にマ
イクロ波を入射させ、応答マイクロ波に応じた固有のデ
ジタル信号を一定のルールで書類の適宜個所に記録して
いる。そして、書類の真正さを判断する際には、書類に
マイクロ波を入射させると共に、応答マイクロ波束とデ
ジタル信号とを照合することにより、両者が一致したと
きに本物であると判断している。(特許出願公表昭63
−501250号公報)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、印刷を
用いた方法は、比較的偽造しやすく、また、ホログラム
やサーモクロミック色素は高価であるので、経済性に劣
る。また、書き換え不可能な磁気バーコード等を磁気カ
ードに設ける方法は高保磁力の磁性体を使用しなければ
ならず、製造条件に高度な技術が必要であり、また、経
済的にも好ましくない。
【0005】本発明は、経済性に優れ、かつ偽造防止に
優れた効果を持つ基材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る真正さをチ
ェック可能な基材は、不規則な屈曲形状変化を呈させて
基材内部に金属繊維および/または金属薄膜を保持して
いる。また金属繊維を基材の材料中に添加することによ
り基材中にそれらをランダムに分布させることができ
る。
【0007】基材が少なくとも2枚の紙であった場合、
その2枚の紙の間に金属繊維および/または金属薄膜が
挟み込まれて基材中の任意の一定位置に配置できるの
で、使用時に真正さをチェックする場合に好ましい。本
発明に係る真正さをチェック可能な基材の製造方法は、
金属繊維および/または金属薄膜を基材内部に保持する
基材を金属ロールと金属ロールによって形成されるニッ
プ部に該金属繊維および/または金属薄膜に不規則な屈
曲形状を呈させる程度の加圧条件下で通すことにより該
金属繊維および/または金属薄膜に不規則な屈曲形状を
呈させることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明者らは金属繊維を含有する
支持体を高圧で処理すると驚くべきことに含有金属繊維
が不規則な屈曲形状変化、更に詳しくは細かな波状変化
を呈することを見出した。また金属薄膜を含有する場合
は金属薄膜表面に不規則な屈曲形状変化、更に詳しくは
細かな襞状の変化を呈することを見出した。すなわち、
金属ロールと金属ロールからなるニップ部において、あ
る程度以上の加圧条件下で処理すると含有金属繊維およ
び/または金属薄膜が支持体を構成している他の繊維の
影響を受け、特に金属繊維の場合、他の繊維が重なって
いる部分が強力な圧力によって押しつぶされ、不規則な
屈曲形状変化を受けるようになるのではないかと考えら
れる。この不規則な屈曲形状変化は、超音波、マイクロ
波、渦電流等による金属検知センサーを用いて、通常の
不規則な屈曲形状変化を呈していない金属繊維および/
または金属薄膜とは明らかに違った情報を検出すること
が可能である。さらに、磁性金属を使用した場合は磁気
ヘッド、ホール素子、MR素子、コイル等の磁気的セン
サーを用いて磁気的に検出することが出来る。さらに、
X線のような放射線での検出も可能である。センサーと
しては1種あるいは複数の種類のセンサーを併用するこ
とも可能である。検出センサーは被検出物の一部を走査
するように配置してもよく、複数の箇所、または全面を
走査するように配置してもよい。
【0009】前記センサーで本発明の基材を走査すれ
ば、被検出物中の金属の分布に対応した出力が得られ
る。この出力を数値化し、各被検出物の固有情報として
記憶しておけば、その後、被検出物を走査し、上記のセ
ンサーを使用して得られた信号とあらかじめ記憶してお
いた固有情報とを比較する事により、被照合物の真贋を
容易に判定する事ができる。照合用の情報は照合機に記
憶してもよく、また照合機からネットワークを通じて別
の装置に記憶してもよく、被照合物自体に磁気記録等の
方法で保存してもよい。
【0010】本発明で説明したような金属繊維および/
または金属薄膜に不規則な屈曲形状変化を機械的につけ
るのは本発明の方法以外では困難である。さらに金属繊
維を基材の材料中に添加して、基材中にランダムに配置
させることも可能であり、高圧処理して、金属繊維に不
規則な屈曲形状変化を付けた場合に得られた基材と全く
同じように不規則な屈曲形状を有する金属繊維を配置す
ることは非常に困難であり、且つ時間、コスト共に要す
るために偽造は事実上不可能になる。
【0011】ただし、このように紙料に金属繊維を添加
して紙に抄き込んだりする方法は金属繊維を紙の間に挟
みこむ方法に較べると、それら繊維をパルプスラリーに
混合させ、抄紙するので。その工程上、最小抄紙量でも
大量になり、しかも抄紙した紙は偽造防止の性質上保管
を厳重にしなければらず、経済的には好ましくない。
【0012】本発明で使用される金属繊維および/また
は金属薄膜に使用される金属としては特に限定されない
が、鉄、ニッケル、コバルト、アルミニウム、銅、亜
鉛、鉛等の金属およびパーマロイ、センダスト、ステン
レス等の合金を延伸、切削によって繊維状または薄膜状
に加工したものが用いられる。これらの金属に磁性を持
つものを使用すると、偽造防止に金属繊維および/また
は金属薄膜の不規則な屈曲形状変化と磁気との両方の情
報を併用できるので、より好ましい。
【0013】特に、金属繊維を基材の材料中に添加し
て、いわゆる漉きこむような場合は、金属の種類にもよ
るが、繊維の直径は2〜500μm、長さは0.1〜2
0mmが好ましい。因みに、繊維の直径が2μm未満は
製造上のコストがかかるので好ましくなく、500μm
を超えると繊維の可撓性が劣り、細かな波状の形状を有
しなくなる。また、長さが0.1m未満であると、細か
な波状の形状を有しなくなり、20mmを超えると、繊
維のフロックができて均一な基材が得ることが困難にな
る。
【0014】尚、金属繊維を紙の間に挟みこむ場合は、
その直径は前記の漉きこむ場合と同様である。その長さ
の上限については特別な制限はなく物理的に紙の長さと
同じものでも可能である。また、長さの下限については
前記の漉きこむ場合と同様である。挟み込む方向はシー
トの流れ方向に対して交差する方向であっても良い。金
属薄膜についてはその厚さは概ね100μm以下が好ま
しく、より好ましくは50μm以下である。薄ければ薄
いほど不規則な屈曲形状変化を呈しやすい。ただし数μ
m以下の金属薄膜は実際的に製造が困難で手にはいりに
くいので下限値を定めるのは困難である。また金属薄膜
をフィルム等に蒸着等の技術で形成したものをそのフィ
ルムと一体に紙の間に挟みこむことも可能である。
【0015】本発明に使用される高分子の天然繊維とし
ては木材パルプ、例えば、通常用いられる針葉樹晒クラ
フトパルプ(以下NBKP)等や広葉樹晒クラフトパル
プ(以下LBKP)等の化学パルプ、GP、BCTM
P、MP等の機械パルプがあげられる。また、ケナフ等
の非木材原料から得られるパルプ、DIP等のパルプ等
が使用される。本発明で使用されるパルプの叩解度はカ
ナダ標準濾水度(以下CSF)で350ml以上のもの
が好ましい。CSFが350ml以下のパルプを使用す
ると、得られる基材のカール等が悪くなる。
【0016】本発明に使用される合成繊維としてはポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重
合体、ポリスチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等
のポリオレフィン系繊維、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン等のハロゲン含有重合体、ナイロン−6、ナイ
ロン6,6等のポリアミド系繊維、ポリエチレンサクシ
ネート、ポリブチレンサクシネート、ポリカプロラクト
ン、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート・ヴァリレー
ト共重合体等の脂肪族ポリエステル繊維、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の芳香
族ポリエステル繊維、ビニロン繊維などがあげられる。
また低融点成分(80〜140℃)と高融点成分(17
0〜250℃)がそれぞれ偏心もしくは同心円上の鞘芯
型、両成分が背腹状のサイドバイサイド型、両成分が交
互に配列された風車型もしくは積層型、繊維成形成分を
芯成分とする多芯型、および両成分が単に混合されて溶
融紡糸された混合紡糸型等の複合繊維などもあげられ
る。低融点成分と高融点成分の組み合わせはポリエチレ
ン/ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン/ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレー
ト変性物/ポリエチレンテレフタレート等があげられ
る。
【0017】これらの中でもポリオレフィン繊維、生分
解性のある脂肪族ポリエステル繊維、芳香族ポリエステ
ル繊維、またこれらの繊維から構成された低融点成分と
高融点成分から構成される複合繊維は特に好ましく用い
られる。またこれらの合成繊維は2種以上を併用して用
いることもできる。使用する合成繊維の配合比率が増加
すれば、寸法安定性は良好になる傾向にあるが筆記性、
合成繊維の分散性等の問題のため、合成繊維の使用量は
5〜70%の範囲が好ましく、より好ましくは5〜50
%の範囲で使用される。本発明に使用される合成繊維の
繊維長は50mm以下の長さのものが好ましい。50m
mを超えると抄紙原料として水懸濁液に分散し難く、フ
ロックを形成して均一な地合いの紙が得られない。
【0018】本発明の効果を阻害しない限りにおいてバ
インダーもしくは内添サイズ剤、外添サイズ剤は特に制
限されずに使用できる。バインダーとしては、例えば酸
化澱粉、酵素変性澱粉、カチオン変性澱粉、エステル澱
粉、エーテル澱粉等の澱粉類、メチルセルロース、エチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メトキシ
セルロース、ヒドロキシセルロース、完全(または部
分)鹸化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビ
ニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール等のポ
リビニルアルコール類、ポリアクリルアミド、ポリビニ
ルピロリドン、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル
共重合体、アクリル酸アミドアクリル酸エステル・メタ
クリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体
のアルカリ塩、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体
アルカリ塩、カゼイン等の水溶性高分子、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エ
ステル、ポリブチルメタクリレート、スチレン・ブタジ
エン共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体スチレ
ン・ブタジエン・アクリル系共重合体等のラテックス等
があげられる。また、サイズ剤としては、ロジン系サイ
ズ剤、アルケニルコハク酸無水物等適宜使用することが
できる。
【0019】また、本発明の効果を阻害しない限りにお
いて有機及び無機の填料が使用可能である。例えば、カ
オリン、タルク、クレー、炭酸カルシウム、焼成クレ
ー、酸化チタン、珪藻土、微粒子状無水シリカ、活性白
土、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウ
ム、硫酸亜鉛、硫酸バリウム、二酸化珪素、コロイダル
シリカ等の無機顔料、尿素ホルマリン樹脂フィラー、ナ
イロンパウダー、ポリエチレンパウダー等の有機顔料が
あげられる。
【0020】本発明で処理される金属ロール温度は、2
0℃〜300℃が好ましい。ロール温度が20℃以下で
あると、外気温度の影響もあるが、概してロールの表面
が結露し、操業上問題が起きやすい。また、ロール温度
の最適温度域は加圧速度により、支持体へ伝えられる熱
量が変化するので、300℃以下の温度でも、加圧速度
が遅ければ、ブリスターが発生することもある。しかし
ながら、概して300℃を越えると、支持体の水分が一
気に気体となり、支持体中で急激に体積が膨れることに
より支持体の一部が部分的に剥離し、表面が膨れるブリ
スター現象を起こし、均一な基材が得られない。
【0021】本発明における加圧速度は、上述のごとく
温度との関連が大きく、厳密には決定できないが、1〜
500m/分が望ましい。ちなみに500m/分を超える
と基材に伝わる温度と圧力が十分でなく、所望する効果
が得られにくい。
【0022】加圧時の支持体の水分は2〜15%が好ま
しく、より好ましくは5〜10%の範囲のときに効果的
に含有している金属繊維の形状が波状に形成される。ち
なみに、2%未満であると繊維と繊維の絡まりが悪く、
効果が得られず、15%を超えると繊維が膨潤し過ぎ、
一部分が伸ばされてような現象がおき、均一な基材が得
られない。
【0023】使用する金属の種類、繊維径、薄膜厚さ、
金属繊維および/または金属薄膜を得た際の加工条件お
よび使用する基材等によって左右されるが、加圧条件の
ニップ線圧がおおむね200kg/cm以下の場合は本
発明の不規則な屈曲形状変化を得ることが困難になる。
逆に3500kg/cmを越えると、一部分だけが伸び
る現象が発生し、均一な基材が得られず商品価値がなく
なってしまう。
【0024】この金属ロールと金属ロールによって形成
されるニップ部を通した基材は表面が平滑で、透気度の
高いものが得られ、剛弾性も優れているので、印刷層や
保護層等問題無く形成することができる。また、加圧後
の基材は不透明度が下がり、透過光量が増えるため、真
偽の判定手段として透過光量を検出する方法も有効であ
る。
【0025】加圧するのに用いる金属ロールは幅方向に
渡って均一な圧力が加わるように適切なクラウンを持た
せることが好ましい。
【0026】本発明の基材の厚みは抄紙条件を調製する
ことにより、任意の厚さの基材が得られるが、一般に抄
紙機では最低量を1回抄紙しても生産量は大量となる
が、厚みの厚い基材を得ようとするには、基材を重ねて
高圧処理すると貼りあわすことができ、任意の厚さの基
材を得ることができる。これは、基材を重ねて、金属ロ
ールと金属ロールによって形成されるニップ部に線圧が
200kg/cm〜3500kg/cm条件で、加圧す
ると、支持体のパルプ繊維同士が高圧によって接触し、
お互いに絡まりあうとともに各繊維中の分子間の水素結
合が働き、基材が接着されると考えられる。重ねる基材
は2枚以上が可能である。
【0027】また高圧処理時のロール温度が高い場合、
基材の温度も上がっているので、基材の温度を下げるた
め、加圧後にクーリングロール等で高圧処理した基材を
冷却するとよい。
【0028】なお基材が少なくとも2枚の紙であり、該
2枚の紙の間に金属繊維および/または金属薄膜を挟み
込むようにして製造された積層型の基材は、必要量を効
率よく製造することができるので、基材の保管について
も、少量を考慮するだけでよく、抄紙工程により製作し
たものに較べて経済的に好ましい。
【0029】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をより具体的に
説明するが、勿論これらに限定されるものではない。
【0030】実施例1 原料パルプとしてLBKPをCSF460mlに調整
し、金属繊維(商品名;PAPX1−1 東洋インキ製
造社製)を2%添加して紙料を調整し、TAPPIスタ
ンダードシートマシーンを用いて常法で手抄きした。乾
燥は120℃3分行った。得られた紙の米坪は192g
/m2 、紙厚は277μmであった。この紙を、金属ロ
ールと金属ロールで形成されるニップ部に、線圧100
0kg/cm、金属ロール温度150℃、速度10m/
分の条件下で通した。得られた紙の紙厚は131μmで
あった。光学顕微鏡を用い透過光で観察すると、金属繊
維は波状を呈していた。この状態を図1に写真で示し
た。
【0031】実施例2 原料パルプとしてNBKPをCSF445mlに調整
し、ポリエチレンテレフタレート主体繊維(商品名;テ
ピルスTA04N(3d×5mm)帝人社製)を42.
9%加えたパルプスラリー中に金属繊維(商品名;PA
PX1−1 東洋インキ製造社製)を2%添加して紙料
を調整し、TAPPIスタンダードシートマシーンを用
いて常法で手抄きした。乾燥は120℃3分行った。得
られた紙の米坪は141g/m2 、紙厚は241μmで
あった。この紙を、金属ロールと金属ロールで形成され
るニップ部に、線圧500kg/cm、金属ロール温度
150℃、速度10m/分の条件下で通した。得られた
紙の紙厚は131μmであった。光学顕微鏡を用い透過
光で観察すると、金属繊維は波状を呈していた。
【0032】実施例3 原料パルプとしてNBKP/LBKPが2/8の配合パ
ルプをCSF500mlに調製し、パルプに対してロジ
ン系サイズ剤を0.3%、硫酸バンドを1.8%添加
し、さらに紙灰分で9.7%になるようタルクを添加し
て紙料を調製し、長網多筒抄紙機で抄紙した。なお、抄
紙の工程で澱粉(商品名;エースA 王子コーンスター
チ社製)6.5%液を固形分で両面あわせて2g/m2
となるようにサイズプレスした。得られた紙の紙水分は
5.5%、米坪は140g/m2 、紙圧は175μmで
あった。この紙の上に、金属繊維(商品名;NASLO
NTOW)直径12μm、10本を流れ方向に並べ、も
う1枚同様に抄紙した紙を重ねて、金属ロールと金属ロ
ールとで形成されるニップ部に線圧2000kg/c
m、ロール温度150℃、通紙速度10m/ 分の条件で
加圧し、基材を得た。この基材の紙厚は205μmであ
った。光学顕微鏡を用い透過光で観察すると、金属繊維
が波状を呈していた。
【0033】実施例4 原料パルプとしてLBKPが100%の配合パルプをC
SF510mlに調整し、パルプに対してアルケニルコ
ハク酸無水物(商品名ファイブラン81;荒川化学社
製)0.05%カチオン澱粉(商品名;ケートF王子コ
ーンスターチ社製)0.7%を添加し、さらに紙灰分で
14%になるようタルクを添加して紙料を調製し、長網
多筒抄紙機で抄紙した。なお、抄紙の工程で澱粉(商品
名;エースA 王子コーンスターチ社製)6.5%液を
固形分で両面あわせて2g/m2 となるようにサイズプ
レスした。該紙の紙水分は5.5%、米坪は262g/
2、紙厚296μmであった。抄紙した2枚の紙の間
に20μmの鉄箔(商品名;IF 東洋鋼鈑社製)を挟
み込み、ロール温度150℃、線圧2000kg/c
m、速度10m/ 分で通紙した。光学顕微鏡を用い透過
光で観察すると、金属箔は細かな襞状の変化を呈してい
た。 比較例1 実施例1において高圧処理をしない以外は実施例1と同
様に抄紙した紙を得た。光学顕微鏡を用い透過光で観察
すると、金属繊維は滑らかな状態で波状になっていなか
った。この状態を図2に写真で示した。
【0034】
【発明の効果】本発明の基材は、金属繊維および/また
は金属薄膜が不規則な屈曲形状変化を呈しているので、
偽造防止性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のサンプルを光学顕微鏡を用い透過光
で観察した状態の写真。
【図2】比較例1のサンプルを光学顕微鏡を用い透過光
で観察した状態の写真。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不規則な屈曲形状変化を呈させて基材内部
    に金属繊維および/または金属薄膜を保持した真正さを
    チェック可能な基材。
  2. 【請求項2】前記金属繊維を基材の材料中に添加するこ
    とにより前記基材中にランダムに分布させる請求項1記
    載の基材。
  3. 【請求項3】前記基材が少なくとも2枚の紙であり、該
    2枚の紙の間に前記金属繊維および/または金属薄膜が
    挟み込まれて前記基材中の任意の一定位置に配置させら
    れた請求項1記載の基材。
  4. 【請求項4】金属繊維および/または金属薄膜を基材内
    部に保持する基材を金属ロールと金属ロールによって形
    成されるニップ部に該金属繊維および/または金属薄膜
    に不規則な屈曲形状を呈させる程度の加圧条件下で通す
    ことにより該金属繊維および/または金属薄膜に不規則
    な屈曲形状を呈させる請求項1〜3のいずれか一項記載
    の基材の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007303034A (ja) * 2006-05-12 2007-11-22 Oji Tokushushi Kk 長繊維又はテープ状物含有模様紙
CN113077033A (zh) * 2020-01-03 2021-07-06 北京恒维科技有限公司 一种防伪标签和防伪方法

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