JPH11108763A - 光計測装置 - Google Patents

光計測装置

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JPH11108763A
JPH11108763A JP26650497A JP26650497A JPH11108763A JP H11108763 A JPH11108763 A JP H11108763A JP 26650497 A JP26650497 A JP 26650497A JP 26650497 A JP26650497 A JP 26650497A JP H11108763 A JPH11108763 A JP H11108763A
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JP
Japan
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light
signal
optical
measurement device
subject
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JP26650497A
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English (en)
Inventor
Kinpui Chan
キンプイ チャン
Koji Satori
耕自 佐鳥
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SEITAI HIKARIJOHO KENKYUSHO KK
Original Assignee
SEITAI HIKARIJOHO KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、光散乱体にコヒーレント光を照射
し、その被検体を経由(透過あるいは反射)した光を利
用してその被検体の光計測を行なう光計測装置に関し、
光ヘテロダイン検出法に連続出力のコヒーレント光を用
いながらも、被検体を経由した信号光のうちの直進光と
拡散光成分を有効に分離、検出する。 【解決手段】周波数が時間的に変調されたコヒーレント
光11aを出射する光源11を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検体、特に光散
乱体にコヒーレント光を照射し、その被検体を経由(透
過あるいは反射)した光を利用して、その被検体の光計
測を行なう光計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば人体やその他の生体組織のような
光に対して顕著な散乱を生じる光散乱体を光計測する場
合の最大の難点は、サンプルから四方八方に出射する透
過光あるいは反射光のうち追跡が可能な光路に沿った信
号光をどのようにして抽出するかということにある。こ
れを可能にする方法の1つとして、極めて短いレーザパ
ルス(ピコ秒;10-12 sec)をサンプルに入射し
て、その出射光の時間プロファイルを超高速ストリック
カメラを用いて測定し、最短距離を通過した光成分、す
なわち見かけ上の透過直進光成分を検出する時間分解法
が知られている(例えばS.Anderson−Eng
eles,R.Berg,S.Svanberg,O.
Jarlman,Optics Letters, v
ol.15,1179(1990)参照)。
【0003】一方、散乱光の方向性、コヒーレンス、お
よび偏向面の光波の特性の消失に着目して、これらの特
性を保った透過直進光成分および近軸前方散乱光成分の
みを検出する光へテロダイン検出法も提案されている
(例えばM.Toida,M.Kondo,T.Ich
imura,H.Inaba,ElectronicL
etters, vol.26,700(1990)参
照)。
【0004】この光へテロダイン検出法に基づく光計測
は、本質的に散乱を受けずに直進する直進光成分のほ
か、散乱を受ながらも前進して入射光の時間コヒーレン
スの一部を保持したまま散乱体から出射する近軸前方散
乱光成分も検出されるという特徴をもっている(K.
P.Chan,B.Devaraj,M.Yamad
a.H.Inaba,“Physics in Med
icine and Biology”,vol.4
2,855(1997)参照)。また、このような近軸
前方散乱光成分の影響により、光画像の空間分解能が著
しく低減することが指摘されている(K.P.Cha
n,M.Yamada,H.Inaba,“Appli
ed Physis”B,vol63,249(199
6)参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記光へテロダイン検
出法は、信号光と、局部発振光すなわち参照光との干渉
に基づく検出法であって、信号光が光散乱体に入射しそ
の光散乱体内で不定の経路を辿ってその光散乱体から出
射した散乱光成分のうち、その光散乱体の入射光の時間
コヒーレンスの一部を保持した成分が存在すれば、それ
らの成分は参照光と干渉することになる。このような散
乱光成分に由来する光干渉信号(光へテロダイン信号)
と直進光成分に由来する光干渉信号とを分離すること
は、光測定用の光源に連続出力のレーザを用いていたの
は通常は不可能である。これに対し、超短レーザパルス
を用いれば、原理的にはへテロダイン検出法に前記の時
間分解法を付加することと等価であり、時間軸上で各信
号成分を分離できることとなる(M.R.Hee,J.
A.Izatt,J.M.Jacobson,J.G.
Fujimoto,“Optics Letter
s”,vol.18,950(1993)参照)。ただ
し、この場合は、フェムト秒オーダ(1フェムト秒=1
-15 秒)のレーザパルスを発することのできる高価な
パルスレーザと高速検出用の光検出器システムが必要で
ある。
【0006】本発明は、上記事情に鑑み、上記光へテロ
ダイン検出法に光源として連続出力のコヒーレント光を
用いても、被検体を経由した信号光のうちの直進光と散
乱光成分を有効に分離検出することが可能な光計測装置
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の光計測装置は、周波数が時間的に変調されたコヒー
レント光を出射する光源、被検体が配置される被検体配
置部、上記光源から出射されたコヒーレント光を、被検
体配置部を経由する信号光と、その被検体配置部を経由
する光路とは異なる光路を経由する参照光とに二分する
とともに、被検体配置部を経由した後の信号光と、異な
る光路を経由した参照光とを互いに重畳することにより
信号光と参照光とが干渉した干渉光を生成する干渉光学
系、干渉光学系で得られた干渉光を受光することにより
受光信号を得る光検出器、および光検出器で得られた受
光信号の中から少なくとも1つの周波数成分を抽出する
信号処理部を備えたことを特徴とする。
【0008】上記本発明の光計測装置は、光散乱体を被
検体とするときにその効果が顕著である。ここで、上記
本発明の光計測装置において、上記信号処理部が、光検
出器で得られた受光信号を、複数の周波数成分に分離す
る手段を含むものであることが好ましい形態である。
【0009】また、上記本発明の光計測装置において、
上記信号処理部は、被検体配置部に配置された被検体の
密度もしくは密度分布を求める手段を含むものであるこ
とも好ましい形態である。また、干渉光学系に関して
は、干渉光学系が、その被検体配置部に配置された被検
体と被検体配置部における信号光とのうちの少なくとも
一方を所定の走査方向に相対的に移動させることにより
被検体をその走査方向に信号光で走査する走査機構を含
むものであることが好ましく、あるいは、干渉光学系
が、光源から出射されたコヒーレント光のビーム径を一
次元的もしくは二次元的に拡大する拡大光学系を含み、
光検出器が、そのコヒーレント光のビーム径が拡大され
た方向に対応した方向に一次元的もしくは二次元的に配
列された複数の受光素子を備えたものであることも好ま
しい形態であり、さらには、干渉光学系が、被検体配置
部に配置された被検体とその被検体配置部における信号
光の光路とのうちの少なくとも一方を相対的に回転させ
る回転機構を含むものであることも好ましい形態であ
る。
【0010】さらに、上記本発明の光計測装置におい
て、上記光源は、所定の周波数範囲内でかつ所定の周期
で繰り返し変調されたコヒーレント光を出射するもので
あることが好ましい。例えば被検体として光散乱体を用
いたとき、その光散乱体から出射した光は、その光散乱
体内で様々に散乱した光の集合体であり、換言すれば、
その光散乱体から出射した光は、その光散乱体内で散乱
した光ほど長い光路長(長い時間遅れ)を有する、様々
な時間遅れを持った光の集合体である。従って時間的に
変調された周波数を有するコヒーレント光を採用する
と、その光散乱体から出射した光は、様々な光周波数の
光の集合体となり、光ヘテロダイン検出器で得られたヘ
テロダイン光信号には様々な周波数成分が含まれる。し
たがってそのヘテロダイン光信号からある周波数成分の
信号を抽出することにより例えば散乱されずに直進した
直進光成分のみ抽出したり、その受信信号を複数の周波
数成分に分離することにより散乱光成分を散乱の程度に
応じて互いに分離することができる。このような抽出や
分離を行なうことにより、その光散乱体の密度を求めた
り、直進行のみの光CT画像を求めたりすることができ
る。
【0011】尚、本発明は、主には、光散乱体を被検体
として採用するものであるが、光散乱体でなくても例え
ば透明ガラス等を被検体として採用し、その被検体の屈
折率を計測することもできる。本発明は、上記のように
被検体の各種の物性等の計測に用いるものであり、本発
明とはその構成は大分異なるが、レーザ光源の周波数変
調を行ない参照光と信号光の光路長差を光へテロダイン
信号の周波数から測定するという広い概念で捉えた場合
に本発明と共通する技術として、OFDR(Optic
al Frequency Domain Refle
cter;光周波数領域反射測定器)が知られている
(例えば、D.Uttam,B.Culshaw,IE
EE Journal of Lightwave T
echnology, vol.LT−3,971(1
985)参照)。
【0012】このOFDRは、例えば光ファイバの途中
で断線が生じたときに、時間的に周波数変調をかけた信
号光をその光ファイバに入射し、その断線が生じた箇所
で反射して戻ってきた信号光に参照光を干渉させて受光
し、その受光信号にあらわれたビート信号の所定時間内
のゼロクロス点の数を計数し、その計数値に基づいて、
光ファイバへの信号光の入射点と反射点との間の距離、
すなわち、光ファイバの断線が生じた位置を見つけよう
というものである。このOFDRは、受光信号のゼロク
ロス点を計数するという方式をとっており、これがうま
く機能するには信号光の反射点は一箇所である必要あ
り、受光信号に複数の周波数成分が含まれている時は距
離は求められない。また、このOFDRは、レーザ光の
周波数変調幅が極めて狭いレーザ光しか入手できないと
きに案出されたものであって、数メートルもの距離誤差
を含み、したがって本発明のような散乱媒質を含む被検
体の物性計測には適用不能である。
【0013】本発明は、近年のレーザの発達により光周
波数の変調幅の大きなレーザが出現してきたことから、
連続レーザ光を用いたときに時間分解能が得られないと
いう従前のへテロダイン法の欠点を克服した、新たな光
計測装置に想到したのである。すなわち、本発明の光計
測装置は、光周波数変調(Frequency Mod
ulation;FM)を導入することによって高い距
離分解能を可能にし、連続出力のレーザ光源を用いた光
へテロダイン検出イメージング法(例えば、M.Toi
da,M.Kondo,T.Ichimura,H.I
naba,“Electronics Letter
s”,vol.26,700(1990)参照)では実
現できなかった、コヒーレント性を持った散乱光と直進
光とを分離する能力が付与された光計測装置を実現させ
たのである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。図1は、本発明の光計測装置の第1実施形態
の構成図、図2は各種波形図である。レーザ光源11
は、周波数変調駆動部20により駆動され、図2(A)
に示すような、光周波数fが時間的に周期Tmで鋸歯状
に変化するレーザ光11aを出射する。レーザ光源11
から出射されたレーザ光11aは、ビームスプリッタ1
2により、信号光11bと参照光11cとに二分され
る。それら信号光11bと参照光11cのうちの信号光
11bは、全反射プリズム13で反射され、さらにミラ
ー14で反射され、被検体載置台15に載置され光散乱
体100に入射する。その光散乱体100を透過した信
号光はビームスプリッタ16で反射し光検出器18に入
射する。全反射ミラー13は、図1に示す矢印A−A方
向に移動自在に備えられており、全反射プリズム13を
A−A方向に移動させることにより信号光11aの光路
長を調整することができる。また、被検体載置台15も
矢印A−A方向に移動自在に備えられており、この被検
体載置台15を矢印A−A方向に移動させると、そこに
置かれた被検体100もA−A方向に移動し、被検体1
00が信号光11bによって矢印A−A方向に走査され
る。
【0015】一方、ビームスプリッタ12において信号
光11bと分かれた参照光11cはミラー17で反射し
ビームスプリッタ16で信号光と重畳されて光検出器1
8に入射する。信号処理部19では、光検出器18で得
られた受光信号の中からある特定の中心周波数を持った
信号成分を抽出することにより直進光成分のみを抽出し
て図示しない画像表示部に直進光強度分布画像を表示さ
せたり、受光信号を複数の周波数成分に分離し、それに
基づいて光散乱体100の密度分布を求める。
【0016】図1に示されているマッハ・ツェンダ型干
渉計において、被検体載置台15に光散乱体100を置
かずに、全反射プリズム13の位置を調整して信号光の
光路長が参照光の光路長よりΔdだけ長くなるようにす
ると、光検出器18に到達する2つの光ビームの光周波
数は、光伝搬時間差Δt=Δd/c(c:光速)に起因
して、周波数差が生じることになる(図2(B))。す
なわち、図2(B)に示されるように、鋸歯状波の周波
数変調の下がりの近傍の時間幅τの部分を除いて、参照
光の光周波数fr は、信号光の光周波数fs よりも、 fr −fs =δf=f’Δt=(Δf/Tm )・(Δd
/c) だけ高まる。
【0017】上記のような光周波数差δfを持つ2つの
光ビームが重畳され、光検出器18によって光へテロダ
イン検出されると、よく知られているように、光へテロ
ダイン信号ih は、中間周波数がδfに等しい交流信号
として検出される。 ih =K・Er・Es・cos(2π・δf・t+Δφ) ……(1) ここで、ErとEsは、それぞれ参照光と信号光の電界
振幅、Δφは位相差、Kは、検出効率を含めた定数であ
る。
【0018】光ヘテロダイン信号の振幅と周波数の時間
変化をそれぞれ図2(C)と図2(D)に示す。図1に
示す方式における距離分解能と周波数変調幅との関係は
以下のとおりである。信号光と参照光の光路長差Δd1
に対し、光へテロダイン信号の中間周波数f h1は fh1=(df/dt)・(Δd1 /c) ……(2) 図2(A)から (df/dt)=(Δf/Tm ) を式(2)に代入して fh1=(Δf/Tm )(Δd1 /c) ……(3) 同様に、光路長差Δd2 に対して fh2=(Δf/Tm )(Δd2 /c) ……(4) したがって、本方式において、参照光との光路差がそれ
ぞれΔd1 とΔd2 の経路を経由した各信号光を同時に
検出したへテロダイン信号の中間周波数fh1とfh2の間
に、Δfh12 =|fh1−fh2|の周波数差がある。式
(4)から Δfh12 =(Δf/Tm ・c)Δd12 ……(5) ただし、Δd12=|Δd1 −Δd2 | 一方、測定時間Tm に対して、フーリエ変換の原理から
測定が可能な最小の周波数シフト量Δfmin はΔfmin
=1/Tm であるので、式(5)から、本方式における
距離分解能Δdmin は、 Δdmin =Δfmin /{(Δf)/(Tm ・c)} =(1/Tm )×{(Tm ・c)/(Δf)} =c/Δf ……(6) すなわち、距離分解能は、変調周波数の幅Δfに逆比例
するが、周波数の変調レートには依存しないことが分
る。ただし、Δfを一定とし、変調レートを高くするこ
と、すなわち、Tm を短くすることは、測定時間を短縮
することになり好ましい。
【0019】変調周波数幅Δfを波長同調(チューリン
グ)量Δλに換算する式、 Δλ=Δf・(λ2 /c)、 すなわち、 Δf=(cΔλ)/λ2 を、式(6)に代入すると、 Δdmin =λ2 /Δλ ……(7) 式(7)から分るように、距離分解能Δdmin は、波長
同調量Δλに逆比例することが分る。一方、コヒーレン
ト光源の可干渉距離(コヒーレンス長)dc は、dc
λ2 /Δλ(ただし、Δλは光源のスペクトル半値幅)
であり、また低いコヒーレンス光源(Δλ>>10n
m)を用いた光へテロダイン方式イメージング実験では
画像の光伝搬方向の距離分解能はほぼdc に等しいこと
(K.P.Chan,M.Yamada,H.Inab
a,“Applied Physis”B,vol6
3,249(1996)参照)から、本発明における距
離分解能は、低いコヒーレンス光源を用いたものと等価
的に等しいことも明白である。
【0020】以下に、具体的数値例を示す。市販品の波
長可変半導体レーザは、例えばNew Focus社製
モデル6316は、中心波長850nmの半導体レーザ
であって、1秒間に7nmの波長同調、周波数に換算す
ると(換算式Δf=(c・Δλ)/λ2 )、70×40
GHz/秒=2.8×1012Hz/秒が可能である。式
(6)からΔdmin は約100μmと計算される。ま
た、固体レーザ、例えば、Cr:LiSAFレーザは、
最大100nmの波長同調が可能であることが報告され
ている(田口、井原、常包、陳、デバラジ、稲場“レー
ザー研究”,vol.23,864(1995)参
照)。この固体レーザを用いれば、図1に示す装置に、
約10μmの距離分解能を持たせることが可能である。
【0021】図1の装置を用いて、光路長差Δdの変化
に伴う光ヘテロダイン信号の中間周波数の変化を測定し
た。波長1.064μmの半導体レーザ(出力50m
W)に注入電流による直接周波数変調を行ない、約30
0GHz/msecの変調レートが得られた。図3
(A)と図3(B)にそれぞれΔd=55mmとΔd=
70mmにおいて測定したへテロダイン信号の時間波形
を示す。光路長差1mmに対して、中間周波数が約1k
Hz異なっていることが分る。
【0022】図3(A)に示すΔd=55mmの場合、
h =58.3kHzが検出され、また図3(B)に示
すΔd=70mの場合、fh =72.5kHzが検出さ
れた。図3(A)、(B)のそれぞれの上部には、10
kHzの電流変調に時間波形も示されている。
【0023】図1のレーザとして、中心波長1550n
m、連続波長同調(チューニング)幅70nmの、市販
品の広帯域波長可変半導体レーザ(米国New Foc
us社製、モデル6328)を用い、波長同調レートを
20nm/secとして、また、波長同調領域を155
0−1560nmの10nm間と一定にして、光路差の
変化に伴う光へテロダイン信号の中間周波数の変化を測
定した。
【0024】図4は、測定した光へテロダイン信号のフ
ーリエ変換の結果を示す図である。ここには、光路長差
Δdが、それぞれΔd=6mm,10mm,14mmの
ときの光へテロダイン信号の周波数分布が示されてい
る。フーリエ変換は0.5秒間に記録した光へテロダイ
ンの時間信号について行なった。このように、各光路差
に対して、光へテロダイン信号の周波数シフト量を読み
取ることができるほかに、離散的ないし連続的な周波数
分布が生ずる場合では、周波数分解能の制限内で、これ
ら周波数成分を分離することも可能である。
【0025】図5は、上記方法で測定した、光路長差に
対する周波数シフト量を示すグラフである。この図5か
ら、光路長差1mmに対して、周波数シフト量は8.2
Hzであることが分る。この実験は広帯域の波長同調が
目的であり、波長同調は高速には行なわれていない。同
調レートは20nm/secであり、式(5)から、Δ
h1 2 /Δd12=8.27Hz/mmと計算され、実験
結果と一致することが分った。また、図4と図5から、
本実験における距離分解能は約250μmであり、式
(7)による計算値(Δdmin =(1555nm)2
10nm=242μm)によく一致することも実証され
た。
【0026】図6は、光散乱体内を伝播する光の光路の
模式図(A)、および光路長差と周波数差との関係を示
すグラフ(B)である。図6(A)に示すように、光散
乱体に入射した光は四方八方に散乱しながらその光散乱
体内を伝播するが、直進光aおよび散乱を受けながらも
前方へ伝播する散乱光b,cの一部は入射光の時間コヒ
ーレンスを保っていることが既に指摘されている(K.
P.Chan, M.Yamada, H.Inab
a, ’Applied Physics B’, v
ol63,249(1996)参照)。
【0027】本発明を用いれば、図6(B)に示されて
いるように、散乱光b,cは直進光aとくらべて長い光
路を経由し、その光路の長さに応じて参照光との間の光
路長差が大きくなり、従って、散乱光と参照光の光周波
数差が大きくなる。このように光散乱による光路差、す
なわち光伝播時間差を光ヘテロダイン検出法に利用する
ことによって、光伝播時間差をヘテロダイン信号の周波
数に転換させることが可能であり、周波数軸上での信号
処理を行えば、各光信号成分を互いに分離することが可
能となる。
【0028】ここで、光散乱体の密度は、以下のように
して求められる。受光光量をD、密度をN,吸収断面積
をσ、光散乱体内での光路長をL、比例定数をAとした
とき、 D=A・exp(−σ・N・L) …(8) の関係が成り立つ。ここで、吸収断面積σは物質毎に既
知であるが、光散乱体の場合、各散乱光ごとにLが異な
るため、Lが不定であり、比例定数Aも不明であり、受
光光量Dを測定しても密度Nを求めることはできない。
【0029】図1に示す装置によれば、各光路長L1
2 ,L3 …毎の受光光量D1 ,D 2 ,D3 ,…が求め
られるため、 D1 =A・exp(−σ・N・L1 ) D2 =A・exp(−σ・N・L2 ) D3 =A・exp(−σ・N・L3 ) …………………… が求められ、これらを連立させ、あるいは最小二乗近似
することにより、密度Nを求めることができ、光散乱体
100を図1に示す矢印A−Aに沿って移動させなが
ら、各点の密度N(一次元的な密度分布)を求めること
もできる。さらに、図1に示す被検体載置台15を、図
1の紙面に垂直な方向にも移動可能に構成すると、光散
乱体100の二次元的な密度分布もを求めることができ
る。
【0030】図7は、本発明の光計測装置の第2実施形
態の構成図である。図1に示す第1実施形態との相違点
について説明する。被検体載置部15は、図7に示す矢
印B−B方向に回転自在に構成されており、ミラー14
で反射した信号光はビームエキスパンダ21により二次
元的にそのビーム径が拡大される。光散乱体100を透
過した信号光はリレーレンズ22により二次元的に広が
った状態でビームスプリッタ16に入射する。
【0031】一方、参照光11cも、ビームスプリッタ
23で二次元的にそのビーム径が拡大されてビームスプ
リッタ16に入射し信号光と重畳される。光検出器18
は、二次元的に配列された複数の受光素子18aからな
り、この光検出器18では、信号光と参照光とが重畳し
てなる干渉光の、二次元的な強度分布が得られる。信号
処理部19では、被検体載置台15が矢印B−B方向に
少しずつ回転する間の、光検出器18で得られた受光信
号に基づいて、光散乱体100の立体的な光CT画像が
求められる。光CT画像の求め方のアルゴリズムは広く
知られており、ここでの主題でもないので説明は省略す
る。
【0032】この図7に示すように、ビームを広げて一
度に複数点の受光を行なうことにより、計測時間を短縮
することができる。図8は、本発明の光計測装置の第3
実施形態の構成図である。レーザ光源11から出射した
レーザ光11aは、入射レンズ31を経由して光ファイ
バ32に入射し、ファイバカップラ33により、信号光
と参照光とに二分される。信号光は、光ファイバ34を
経由して出射レンズ35から出射し、全反射プリズム1
3を経由し、入射レンズ36を経由して光ファイバ37
に入射し、さらに光ファイバ37内を伝達して出射レン
ズ38から出射し、光散乱体100に入射する。被検体
100から出射した信号光は、入射レンズ39を経由し
て光ファイバ40に入射しファイバカップラ41に至
る。一方、参照光は、光ファイバ42を経由してファイ
バカップラ41に至る。信号光と参照光はファイバカッ
プラ41にで互いに重畳されて光検出器16に入射す
る。
【0033】この図8に示すように、光ファイバを使っ
て本装置を構成してもよい。この場合、コンパクトな装
置を構成することができる。尚、上記各実施形態では光
散乱体の計測を例に挙げて説明したが、本発明は、光散
乱体以外にも、透明体ないし、吸収による光伝送損失の
大きい被検体に対しても適用できることは明白である。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
連続発振レーザを用いる光ヘテロダイン検出法では従来
不可能であった、直進透過光成分とコヒーレンスを保っ
た散乱光成分とを互いに分離することができ、被検体の
様々な物性計測に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光計測装置の第1実施形態の構成図で
ある。
【図2】各種の波形図である。
【図3】ヘテロダイン信号の時間波形を示す図である。
【図4】測定した光ヘテロダイン信号のフーリエ変換の
結果を示す図である。
【図5】光路長差に対する光ヘテロダイン信号周波数を
示すグラフである。
【図6】測定した光ヘテロダイン信号のフーリエ変換の
結果を示す図である。光散乱体内を伝播する光の光路の
模式図(A)および光路長差と周波数差との関係を示す
グラフ(B)である。
【図7】本発明の光計測装置の第2実施形態の構成図で
ある。
【図8】本発明の光計測装置の第3実施形態の構成図で
ある。
【符号の説明】
11 レーザ光源 11a レーザ光 11b 信号光 11c 参照光 12 ビームスプリッタ 13 全反射プリズム 14 ミラー 15 被検体載置台 16 ビームスプリッタ 17 ミラー 18 光検出器 18a 受光素子 19 信号処理部 20 周波数変調駆動部 21 ビームエキスパンダ 22 リレーレンズ 23 ビームエキスパンダ 31 入射レンズ 32 光ファイバ 33 ファイバカップラ 34 光ファイバ 35 出射レンズ 36 入射レンズ 37 光ファイバ 38 出射レンズ 39 入射レンズ 40 光ファイバ 41 ファイバカップラ 100 光散乱体

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周波数が時間的に変調されたコヒーレン
    ト光を出射する光源、 被検体が配置される被検体配置部、 前記光源から出射されたコヒーレント光を、前記被検体
    配置部を経由する信号光と、該被検体配置部を経由する
    光路とは異なる光路を経由する参照光とに二分するとと
    もに、該被検体配置部を経由した後の信号光と、該異な
    る光路を経由した参照光とを互いに重畳することにより
    該信号光と該参照光とが干渉した干渉光を生成する干渉
    光学系、 前記干渉光学系で得られた干渉光を受光することにより
    受光信号を得る光検出器、および前記光検出器で得られ
    た受光信号の中から少なくとも1つの周波数成分を抽出
    する信号処理部を備えたことを特徴とする光計測装置。
  2. 【請求項2】 前記光計測装置が、光散乱体を被検体と
    するものであることを特徴とする請求項1記載の光計測
    装置。
  3. 【請求項3】 前記信号処理部が、前記光検出器で得ら
    れた受光信号を、複数の周波数成分に分離する手段を含
    むものであることを特徴とする請求項1記載の光計測装
    置。
  4. 【請求項4】 前記信号処理部が、前記被検体配置部に
    配置された被検体の密度もしくは密度分布を求める手段
    を含むものであることを特徴とする請求項1記載の光計
    測装置。
  5. 【請求項5】 前記干渉光学系が、前記被検体配置部に
    配置された被検体と該被検体配置部における信号光との
    うちの少なくとも一方を所定の走査方向に相対的に移動
    させることにより該被検体を該走査方向に該信号光で走
    査する走査機構を含むものであることを特徴とする請求
    項1記載の光計測装置。
  6. 【請求項6】 前記干渉光学系が、前記光源から出射さ
    れたコヒーレント光のビーム径を一次元的もしくは二次
    元的に拡大する拡大光学系を含み、 前記光検出器が、前記コヒーレント光のビーム径が拡大
    された方向に対応した方向に一次元的もしくは二次元的
    に配列された複数の受光素子を備えたものであることを
    特徴とする請求項1記載の光計測装置。
  7. 【請求項7】 前記干渉光学系が、被検体配置部に配置
    された被検体と該被検体配置部における信号光の光路と
    のうちの少なくとも一方を相対的に回転させる回転機構
    を含むものであることを特徴とする請求項1記載の光計
    測装置。
  8. 【請求項8】 前記光源が、所定の周波数範囲内でかつ
    所定の周期で繰り返し変調されたコヒーレント光を出射
    するものであることを特徴とする請求項1記載の光計測
    装置。
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