JPH11100271A - セラミック抵抗体およびそれを用いた静電チャック - Google Patents

セラミック抵抗体およびそれを用いた静電チャック

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JPH11100271A
JPH11100271A JP10215844A JP21584498A JPH11100271A JP H11100271 A JPH11100271 A JP H11100271A JP 10215844 A JP10215844 A JP 10215844A JP 21584498 A JP21584498 A JP 21584498A JP H11100271 A JPH11100271 A JP H11100271A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】0〜50℃における体積固有抵抗値が108
1012Ω・cmであり、200℃以下の温度下において
ジョンソン・ラーベック力による高い吸着力が得られる
セラミック抵抗体およびそれを用いた静電チャックを提
供する。 【解決手段】窒化アルミニウムを主成分とし、セリウム
を酸化物(CeO2 )換算で2〜20モル%の範囲で含
み、かつCeAlO3 を含有し、0〜50℃における体
積固有抵抗値が108 〜1012Ω・cmであるセラミッ
ク抵抗体を、被固定物を静電気力によって吸着保持する
静電チャックとして用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐摩耗性、耐食
性、耐プラズマ性に優れ、主に半導体装置や液晶基板な
どの製造工程において、半導体ウエハやガラス基板など
の被固定物を保持し、特に、被固定物を静電気力によっ
て吸着保持する静電チャック等に使用される、高い静電
気力を有するセラミック抵抗体とそれを用いた静電チャ
ックに関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、半導体製造工程において、半導体ウ
エハ(以下、ウエハと称す。)に微細加工を施すための
エッチング工程や、薄膜を形成するための成膜工程、あ
るいはフォトレジストを行うための露光処理工程等にお
いては、ウエハを保持するために静電チャックが使用さ
れている。
【0003】この種の静電チャックとしては、静電吸着
用の電極板上にアルミナ、サファイアなどからなる誘電
体層を形成したもの(特開昭60−261377号公
報)や、絶縁基体の上に静電吸着用電極を形成し、その
上に誘電体層を形成したもの(特開平4−34953号
公報)、さらには誘電体材料からなる基体の内部に静電
吸着用電極を埋設したもの(特開昭62−94953号
公報)等誘電体層の上面を吸着面としたものが提案され
ている。
【0004】上記構造の静電チャックにおいては、吸着
面にウエハを載置して静電吸着用電極とウエハとの間に
電圧を印加することで誘電分極によるクーロン力やジョ
ンソン・ラーベック力等の静電気力を発現させてウエハ
を吸着保持するものである。また、静電吸着用電極を複
数個に分割し、各電極間に電圧を印加することにより吸
着面に載置したウエハを吸着保持する双極型の構造の静
電チャックも提案されている。
【0005】一方、近年、半導体素子における集積回路
の集積度が向上し、半導体製造工程に過酷な条件が負荷
されるに伴って、吸着面を構成する誘電体層には、ウエ
ハの脱着に対する耐摩耗性と、各種処理工程で使用され
る腐食性ガスに対する耐食性に加え、耐プラズマ性に優
れるとともに、高い熱伝導率を有する材料が望まれるよ
うになり、このような材料として高純度の窒化アルミニ
ウム質焼結体や、焼結助剤として主にY2 3 やEr2
3 を含有した窒化アルミニウム質焼結体を用いること
が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ウエハを吸着させる静
電気力には前述したようにクーロン力とジョンソン・ラ
ーベック力の2種類があり、クーロン力は誘電体層を構
成する材質の誘電率に依存し、ジョンソン・ラーベック
力は誘電体層を構成する材質の体積固有抵抗値に依存す
る。具体的には、誘電体層の体積固有抵抗値が1015Ω
・cmより大きい時の吸着力はクーロン力により支配さ
れ、誘電体層の体積固有抵抗値が低下するにしたがって
ジョンソン・ラーベック力が発現し、誘電体層の体積固
有抵抗値が1012Ω・cm未満となると吸着力はクーロ
ン力に比べて大きな吸着力が得られるジョンソン・ラー
ベック力により支配されることが知られている。
【0007】上記高純度の窒化アルミニウム質焼結体や
焼結助剤として主にY2 3 やEr2 3 を含有した窒
化アルミニウム質焼結体は、250℃以上の高温下にお
いては高い吸着力が得られるものの、200℃以下の温
度下で行われる成膜工程や露光処理工程、あるいはエッ
チング工程などでは十分な吸着力が得られないといった
課題があった。
【0008】すなわち、上記窒化アルミニウム質焼結体
の体積固有抵抗値は温度が上昇するに伴って低下し、3
00℃以上の温度下では1011Ω・cm程度であること
からジョンソン・ラーベック力による高い吸着力が得ら
れるものの、200℃以下の温度下では1016Ω・cm
以上と絶縁性が高いためにクーロン力による吸着力しか
得られず、また、誘電率もそれほど高くないことからク
ーロン力による吸着力も小さく、十分な吸着力を得るこ
とができなかった。
【0009】そのため、歪みをもったウエハを吸着した
時には、静電チャックの吸着力が小さいためにウエハの
全面を吸着面に当接させることができず、成膜面でのウ
エハの平坦化さらには均熱化等が損なわれ、成膜工程で
はウエハ上に均一な厚みをもった薄膜を形成することが
できず、露光処理工程やエッチング工程では精度の高い
処理を施すことができないといった課題があり、高温下
でしか使用できなかった。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは上
記課題に対し、窒化アルミニウム質焼結体について、2
00℃以下の低温領域における吸着力を高める組成につ
いて検討を重ねた結果、焼結助剤としてセリウム(C
e)を特定範囲で含有させるとともに、粒界にCeAl
3 相を析出させることにより、200℃以下の温度に
おける体積固有抵抗値をジョンソン・ラーベック力を発
現させることができる程度にまで小さくできるととも
に、抵抗値の温度依存性(抵抗温度係数)を小さくする
ことができ、200℃以下の温度においても高い吸着力
を有する広範囲な温度領域で使用可能な静電チャックが
得られることを見出した。
【0011】即ち、本発明のセラミック焼結体は、窒化
アルミニウムを主成分とし、セリウムを酸化物(CeO
2 )換算で2〜20モル%の範囲で含み、かつCeAl
3を含有し、0〜50℃における体積固有抵抗値が1
8 〜1012Ω・cmであることを特徴とするものであ
る。
【0012】また、本発明の静電チャックは、被固定物
を静電気力によって吸着保持するものであって、被固定
物を吸着保持する吸着面が、窒化アルミニウムを主成分
とし、セリウムを酸化物(CeO2 )換算で2〜20モ
ル%の範囲で含み、かつCeAlO3 を含有し、0〜5
0℃における体積固有抵抗値が108 〜1012Ω・cm
であることを特徴とするものである。
【0013】
【作用】セリウム(Ce)は難焼結材である窒化アルミ
ニウムの焼結性を高めるために加える焼結助剤成分であ
るが、焼成により窒化アルミニウムと化1のように反応
し、粒界にCeAlO3 相として存在する。
【0014】
【化1】
【0015】セリウム(Ce)は酸化物を構成する場
合、その価数は通常4価であるが、CeAlO3 相を構
成する際には3価となり価数が変化する結果、結晶中に
空孔が生成するために導電性を示す。
【0016】そして、絶縁材料である窒化アルミニウム
粒子間すなわち粒界に、この導電性を示すCeAlO3
相を連続的に存在させることにより、粒界を介して導通
を図ることができ、窒化アルミニウム質焼結体の抵抗値
を下げることができる。
【0017】また、CeAlO3 相を粒界に介在させる
ことで温度変化に対する抵抗値の変化率を小さくできる
(抵抗温度係数が小さい)といった効果も有することか
ら、広範囲の温度領域において使用可能な静電チャック
を提供することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明のセラミック焼結体は、窒
化アルミニウムを主成分とし、セリウムを酸化物(Ce
2 )換算で2〜20モル%の範囲で含み、かつCeA
lO3 を含有し、0〜50℃における体積固有抵抗値が
108 〜1012Ω・cmであることが重要である。
【0019】−50℃〜200℃の温度域でジョンソン
・ラーベック力による吸着力を得るためには、0℃から
50℃の温度域における体積固有抵抗値が108 〜10
12Ω・cmであることが必要であり、セリウムの含有量
を2〜20モル%、好ましくは5〜15モル%とするこ
とにより、0℃から50℃の温度域における体積固有抵
抗値を108 〜1012Ω・cm、特に109 〜1011Ω
・cmとすることができ、ジョンソン・ラーベック力に
よる吸着力を得ることができるため、かかる焼結体の吸
着力が飛躍的に向上する。
【0020】即ち、セリウム(Ce)の含有量が酸化物
(CeO2 )換算で2モル%未満であると、粒界に生成
されるCeAlO3 相の量が少ないために、焼結体の体
積固有抵抗値を下げる効果が小さく、また、抵抗温度係
数を小さくする効果も小さいために所望の抵抗値を得難
いからであり、逆に20モル%より多いと、焼結体の強
度および熱伝導率等が低下するからである。
【0021】また、窒化アルミニウムの平均結晶粒子径
は0.5〜50μm、特に3〜30μmが望ましい。こ
れは、窒化アルミニウムの平均結晶粒子径が50μmよ
り大きくなると焼結体の強度や硬度等が大きく低下する
ため、被固定物との脱着に伴う摺動によって吸着面が摩
耗したり、成膜工程やエッチング工程等におけるプラズ
マや腐食性ガスによって腐食摩耗し易くなるために、静
電チャックの寿命が短くなるとともに、被固定物にパー
ティクルが付着するからであり、逆に、窒化アルミニウ
ムの平均結晶粒子径を0.5μmより小さくすることは
製造上難しいからである。
【0022】また、本発明のセラミック抵抗体の強度に
ついては、3mm以下の厚みで使用することもあるた
め、100MPa以上であることが望ましい。
【0023】また、本発明のセラミック抵抗体では、緻
密化を促進させるために焼結助剤としてセリウム(C
e)化合物以外にイットリウム(Y)、エルビウム(E
r)、イッテルビウム(Yb)等の希土類酸化物を2モ
ル%以下の範囲で含有してもよい。これにより、セラミ
ックスの緻密化がさらに促進されるため、耐食性および
耐摩耗性が向上し、静電チャックとして用いた場合、セ
ラミックス表面から発生する脱粒等によるパーティクル
の発生を低減でき、静電チャックとしての信頼性が向上
する。
【0024】以下に本発明のセラミック焼結体の製造方
法について説明する。まず、出発原料である窒化アルミ
ニウム粉末(純度99%以上、平均粒径0.4μm〜
5.5μm)に対し、酸化セリウム(CeO2 )粉末
(純度99%以上、平均粒径0.5μm〜18μm)を
セリウムの酸化物(CeO2 )換算量で2〜20モル%
の範囲で添加混合する。なお、原料中には不純物として
酸素が存在するが、この酸素は前述の化1の反応を促進
することができる。また、上記粉末に対し酸化アルミニ
ウム(Al2 3 )を添加することにより、以下に示す
化2の反応を促進することができる。
【0025】
【化2】
【0026】なお、焼結体中に酸化アルミニウム(Al
2 3 )が析出すると、抵抗の制御が困難になり、安定
した吸着特性が得られないため、酸化アルミニウム(A
23 )の添加量は、上記酸化セリウム(CeO2
の添加量に対してモル換算量で50%以下の範囲である
ことが望ましい。
【0027】さらに、CeAlO3 相の生成率を高める
ために、予め、酸化アルミニウム(Al2 3 )と酸化
セリウム(CeO2 )とを反応させて、CeAlO3
粉末を作製しておき、これを窒化アルミニウムの粉末と
所定の割合で均一に混合してもよい。
【0028】また、本発明においては、セリウム(C
e)は焼結性を高める効果を有するものの、その含有量
が少量の範囲では十分な焼結性が得られない場合があ
る。このような時には従来より焼結助剤として使用され
ているイットリウム(Y)、エルビウム(Er)、イッ
テルビウム(Yb)等の希土類酸化物を2モル%以下の
範囲で添加すればよい。
【0029】上記混合粉末を所定形状に周知の成形手
段、例えば、金型プレス、冷間静水圧プレス、ドクター
ブレード法、圧延法等のテープ成形法、押し出し成形等
により任意の形状に成形する。
【0030】その後、この成形体を真空中または窒素中
で脱脂した後、窒素等の非酸化性雰囲気中で1650℃
〜2100℃、特に1750℃〜1900℃の温度で焼
成することにより作製できる。
【0031】図1(a)、(b)は本発明に係る静電チ
ャック1を示す斜視図およびX−X線断面図であり、絶
縁性を有するセラミック基体2の表面に静電吸着用電極
4を備え、この静電吸着用電極4を覆うように上記セラ
ミック基体2の表面に誘電体層3が設けられており、誘
電体層3の上面が被固定物10を吸着する吸着面5を形
成している。さらに、吸着面5の反対の面に静電吸着用
電極4と電気的に接続された給電端子6が埋設されてい
る。
【0032】吸着面5を構成する誘電体層3の抵抗値は
吸着力と密接な関係にあるが、本発明の静電チャックに
よれば、誘電体層3を形成する窒化アルミニウム質セラ
ミックスの0〜50℃の体積固有抵抗値が108 〜10
12Ω・cmの範囲となるように適宜調整することができ
るため、静電チャック1の静電吸着用電極4と吸着面5
に載置した被固定物10との間に電圧を印加すること
で、被固定物10と静電吸着用電極4との間に微弱な漏
れ電流が流れることからジョンソン・ラーベック力によ
る吸着力を発現させることができ、被固定物10を吸着
面5に強固に吸着保持することができる。
【0033】また、耐食性および耐摩耗性を高める上
で、誘電体層3の相対密度は95%以上、特に98%以
上であることが望ましく、また熱伝導率は、15w/m
K以上、特に30w/mK以上であることが望ましい。
【0034】セラミック基体2は、アルミナ、窒化珪
素、窒化アルミニウム等の絶縁性を有するセラミックス
で形成すればよいが、特に窒化アルミニウム質セラミッ
クスで形成することにより、誘電体層3を構成する窒化
アルミニウム質セラミックスと同時焼成が可能で、両者
間の熱膨張係数差を無くすことができるため、焼成時に
おける反りや歪み等を生じることがなく信頼性の高い静
電チャックを得ることができる。
【0035】静電吸着用電極4および給電端子6は、焼
成時及び加熱時におけるセラミック基体2との密着性を
高めるために、セラミック基体2を構成する窒化アルミ
ニウム質焼結体と熱膨張係数が近似したタングステン、
モリブデン、白金等の耐熱性金属により形成する。ま
た、給電端子6が腐食性ガスに曝されるような時には鉄
−コバルト−クロム合金により形成することが良い。
【0036】また、静電吸着用電極4が耐熱性に優れた
セラミック基体2内に完全に埋設された構造であること
から、比較的高温の200℃付近においても使用可能で
あり、さらには静電チャック1は優れた耐プラズマ性、
耐食性を有する窒化アルミニウム質焼結体からなるた
め、成膜工程やエッチング工程などにおいてプラズマや
腐食性ガスに曝されたとしても腐食が少なく、長期使用
が可能である。しかも、静電吸着用電極4への通電をO
FFにすれば、ただちに吸着力を除去することができる
ため、離脱応答性にも優れている。
【0037】なお、図1に示す静電チャック1では、セ
ラミック基体2の内部に静電吸着用電極4のみを備えた
例を示したが、例えば、上記静電吸着用電極4以外にヒ
ータ電極を埋設しても良く、この場合、ヒータ電極によ
り静電チャック1を直接発熱させることができるため、
間接加熱方式のものに比べて熱損失を大幅に抑えること
ができる。
【0038】また、セラミック基体2を窒化アルミニウ
ム質セラミックスにより形成した場合、熱伝導特性がよ
いために、吸着面5に保持した被固定物10をムラなく
均一に加熱することができる。また、静電吸着用電極4
以外にプラズマ発生用電極をセラミック基体2内に埋設
すれば、装置の構造を簡略化することができる。また、
本発明の静電チャック1は主に200℃以下の温度域で
使用されるものであるが、200℃より高い温度域でも
もちろん使用可能である。
【0039】ところで、このような静電チャック1を作
製するには、セラミック基体2を形成する原料として、
例えば、純度99%以上、平均粒径3μm以下の窒化ア
ルミニウム(AlN)の粉末を用い、また誘電体層3を
形成する原料として、前述した組成の混合粉末を用い
て、所定形状に周知の成形方法、例えば、金型プレス、
冷間静水圧プレス、ドクターブレード法や圧延法等のテ
ープ成形法、押し出し成形等により任意の形状に成形す
る。
【0040】例えば、テープ成形法を用いる場合、セラ
ミック基体2を形成するグリーンシートを複数枚成形
し、このうちの1枚上に導体ペーストを印刷して静電吸
着用電極4をなす電極パターンを形成した後、各グリー
ンシートを積層する。一方、誘電体層3を形成するグリ
ーンシートを成形し、前記積層体上に積層し、該積層体
に切削加工を施して所望の形状とする。
【0041】また、金型プレスを用いる場合には、金型
内に上記粉末を充填するとともに板状または粉末状の静
電吸着用電極4を粉末中に埋設してプレス成形すること
により、静電吸着用電極4を埋設したセラミック成形体
を作製することも可能である。
【0042】得られた成形体を真空または窒素中で脱脂
した後、非酸化性雰囲気下において1650〜2100
℃、特に1750〜1900℃で1〜数時間焼成する。
焼成方法としては、常圧焼成、ホットプレス法あるいは
ガス圧焼成法等が用いられる。さらに、焼結体の密度を
高めるために、焼結体に対してHIP処理を施すことも
できる。
【0043】そして、誘電体層3の表面に研磨加工を施
して吸着面5を形成するとともに、吸着面5と反対側の
面に静電吸着用電極4と連通する穴を穿孔し、該穴に給
電端子6をロウ付け等の方法により接合することによ
り、図1に示す静電チャック1を得ることができる。
【0044】次に、図2は本発明に係る静電チャック1
1の他の実施形態を示す図で、(a)は斜視図であり、
(b)は(a)のY−Y線断面図である。この静電チャ
ック11は、窒化アルミニウム質焼結体からなる円盤状
をした誘電板12と、該誘電板12の下面に敷設した静
電吸着用電極14と、該静電吸着用電極14を覆うベー
ス基体15とからなり、上記誘電板12とベース基体1
5とはガラス、ロウ材、あるいは接着剤などの接合剤1
6を介して接合し、静電吸着用電極14を誘電板12と
ベース基体15との間に内蔵するとともに、前記誘電板
12の上面を吸着面13としてある。なお、ベース基体
15の裏面には上記静電吸着用電極14と電気的に接続
された給電端子17を埋設してある。
【0045】上記ベース基体15は、サファイアあるい
はアルミナ、窒化珪素、窒化アルミニウムなどの各種セ
ラミックス、あるいは樹脂などの絶縁材料により形成し
てある。
【0046】また、静電吸着用電極14は銅、チタンな
どの金属やTiN、TaN、WCなどの材質からなり、
誘電板12の下面に蒸着、メタライズ、メッキ、PV
D、CVD等の方法により形成してある。
【0047】また、静電チャック11の吸着面13を構
成する誘電板12は、セリウムを酸化物(CeO2 )換
算で2〜20モル%の範囲で含み、かつCeAlO3
を含有する窒化アルミニウム質焼結体により形成してあ
る。そして、この窒化アルミニウム質焼結体は、0〜5
0℃の温度域において108 〜1012Ω・cmの体積固
有抵抗値を有することから、静電チャック11の静電吸
着用電極14と吸着面13に載置した被固定物10との
間に電圧を印加すれば、被固定物10と静電吸着用電極
14との間に微小な漏れ電流が流れ、ジョンソン・ラー
ベック力による吸着力を発現させることができるため、
−50℃から200℃の温度域において被固定物10を
吸着面13に強固に吸着保持することができる。
【0048】その為、被固定物10が反りをもった半導
体ウエハなどの基板であっても吸着面13の精度に倣わ
せて保持することができるために、例えば、露光処理工
程において精度の良い露光処理を施すことができる。
【0049】また、静電吸着用電極14への通電をOF
Fにすれば、ただちに吸着力を除去することができるた
め、離脱応答性にも優れている。
【0050】しかも、この静電チャック11は、誘電体
板12及びベース基体15をそれぞれ別々に作製してお
き、接合剤16により接合するだけで良いため簡単に製
造することができる。
【0051】なお、本実施形態では単極型の静電チャッ
クの例を示したが、双極型の静電チャックにも適用でき
ることは言うまでもない。
【0052】
【実施例】図1に示す本発明の静電チャック1を試作
し、室温(25℃)下における吸着特性について測定を
行った。
【0053】まず、純度99%、平均粒径1.2μmの
AlN粉末にバインダーと溶媒を加えて泥漿を作製した
後、ドクターブレード法により厚さ0.5mm程度のグ
リーンシートを複数枚成形してそれらを積層し、セラミ
ック基体2を構成するための成形体とした。そして、そ
の一主面にAlN粉末を5容量%混合したタングステン
ペーストをスクリーン印刷法により印刷塗布して静電吸
着用電極4をなす電極パターンを形成した。
【0054】一方、純度99%、平均粒径1.2μmの
AlN粉末と、純度99%、平均粒径0.9μmのCe
2 粉末と、純度99%、平均粒径0.7μmのAl2
3粉末とを成形体の組成がICP分析により表1とな
るように混合し、さらにバインダーと溶媒を加えて泥漿
を作製した後、ドクターブレード法により厚さ0.5m
m程度のグリーンシートを成形し、誘電体層3用の成形
体とした。
【0055】そして、静電吸着用電極4をなす金属膜を
備えたセラミック基体2用成形体の金属膜の表面に、誘
電体3用の成形体を積層して、80℃、50kg/cm
2 の圧力で熱圧着した。しかる後に、上記積層体に切削
加工を施して円盤状とし、真空脱脂したあと、窒素雰囲
気下において2000℃程度の温度で3時間焼成するこ
とにより、外径200mm、厚み8mm、かつ内部に膜
厚15μmの静電吸着用電極4を備えた板状体を形成し
た。そして、誘電体層3をなす窒化アルミニウム質セラ
ミックスの表面に研磨加工を施して吸着面5を形成する
とともに、吸着面5と反対側の面に前記静電吸着用電極
4と連通する穴を穿孔し、該穴に鉄−コバルト−ニッケ
ル合金からなる給電端子をロウ付けして静電チャック1
を形成した。得られた静電チャックについて、室温(2
5℃)において、静電チャック1の吸着面5に8インチ
径のシリコンウエハを載置し、静電吸着用電極4との間
に300Vの電圧を印加することによりウエハを吸着面
5に吸着保持させ、この状態でシリコンウエハを剥がす
のに必要な力を吸着力として測定した。結果は表1に示
した。
【0056】また、誘電体層3と同じ組成のセラミック
スを上記同様に作製し、0℃〜50℃における体積固有
抵抗値を測定した。また、アルキメデス法により焼結体
の密度を測定し、理論密度に対する比率である相対密度
(%)を算出した。さらに、焼結体表面でのX線回折チ
ャートより析出結晶相を同定した。また、厚み2mmの
試料について、レーザーフラッシュ法により熱伝導率を
測定した。さらに、JISR1601に従い、室温にお
ける4点曲げ強度を測定した。結果は、表1に示した。
【0057】
【表1】
【0058】表1から明らかなように、焼結体中におけ
るセリウム(Ce)の含有量が2モル%未満である試料
No.1、2は、抵抗値を下げる効果が小さく、0〜5
0℃の温度域における体積固有抵抗値を108 〜1012
Ω・cmとすることができなかった。また、モル換算量
によるAl2 3 の添加量がCeO2 の添加量の50%
よりも多い試料No.7では、体積固有抵抗値が高くな
ってしまい、また、これを静電チャックをして用いた場
合、吸着力が0g/cm2 となった。
【0059】さらに、試料No.13は、窒化アルミニ
ウム質焼結体中におけるセリウム(Ce)の含有量が2
0モル%より多いために、強度および熱伝導率が低下し
た。
【0060】これに対し、本発明の範囲内の試料は、0
〜50℃の温度域における体積固有抵抗値が108 〜1
12Ω・cmであるとともに、相対密度97%以上、強
度150MPa以上、熱伝導率30W/mK以上であっ
た。また、これらを静電チャックとして用いた場合、5
0g/cm2 以上の高い吸着力を得ることができた。
【0061】また、表1の試料No.4(本発明)およ
び表1の試料No.1(比較例)と同じ組成のセラミッ
クス(直径60mm、厚み2mm)を上記静電チャック
と同様な条件で作製し、このセラミックスを真空中で4
00℃に加熱した後、ドライ窒素を導入し、窒素雰囲気
中、3端子法にて降温時での体積固有抵抗値を測定し、
温度に対する体積固有抵抗値の変化を図3に示した。
【0062】図3から明らかなように、温度の逆数と体
積固有抵抗値との間に比例関係があるが、試料No.1
(比較例)の200℃以下の温度領域での体積固有抵抗
値が1013Ω・cmを越えるのに対し、本発明の範囲内
である試料No.4(本発明)では、−30℃〜100
℃の温度領域での体積固有抵抗値が108 〜1012Ω・
cmであった。
【0063】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明のセラミッ
ク抵抗体およびそれを用いた静電チャックは、0〜50
℃における体積固有抵抗値が108 〜1012Ω・cmで
あることから、200℃以下の温度下においてもジョン
ソン・ラーベック力による吸着力を発現させることがで
きるため、広範囲な温度領域で使用可能であり、また高
い吸着力でもって被固定物を強固に保持することができ
る。
【0064】そのため、例えば、本発明の静電チャック
を成膜処理工程に用いれば、被固定物上に均一な厚みを
もった薄膜を被覆することができ、露光処理工程やエッ
チング処理工程に用いれば、被固定物に精度の良い露光
や加工を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る静電チャックの一実施形態を示す
図で、(a)は斜視図であり、(b)は(a)のX−X
線断面図である。
【図2】本発明に係る静電チャックの他の実施形態を示
す図で、(a)は斜視図であり、(b)は(a)のY−
Y線断面図である。
【図3】本発明及び比較例の静電チャックを構成する窒
化アルミニウム質焼結体の体積固有抵抗値と温度との関
係を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・静電チャック 2・・・セラミック基体 3・
・・誘電体層 4・・・静電吸着用電極 5・・・吸着面 6・・・給
電端子 10・・・被固定物 11・・・静電チャック 12・・・誘電板 13・・
・吸着面 14・・・静電吸着用電極 15・・・ベース基体 1
6・・・接合剤 17・・・給電端子

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化アルミニウムを主成分とし、セリウム
    を酸化物(CeO2 )換算で2〜20モル%の範囲で含
    み、かつCeAlO3 を含有し、0〜50℃における体
    積固有抵抗値が108 〜1012Ω・cmであることを特
    徴とするセラミック抵抗体。
  2. 【請求項2】被固定物を静電気力によって吸着保持する
    静電チャックであって、被固定物を吸着保持する吸着面
    が、窒化アルミニウムを主成分とし、セリウムを酸化物
    (CeO2 )換算で2〜20モル%の範囲で含み、かつ
    CeAlO3 を含有し、0〜50℃における体積固有抵
    抗値が108 〜1012Ω・cmであることを特徴とする
    静電チャック。
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