JPH1099867A - 廃水処理方法 - Google Patents

廃水処理方法

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JPH1099867A
JPH1099867A JP25698596A JP25698596A JPH1099867A JP H1099867 A JPH1099867 A JP H1099867A JP 25698596 A JP25698596 A JP 25698596A JP 25698596 A JP25698596 A JP 25698596A JP H1099867 A JPH1099867 A JP H1099867A
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JP
Japan
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molecular weight
polymer
flocculant
mol
wastewater treatment
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Application number
JP25698596A
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English (en)
Inventor
Yasushi Inagaki
靖史 稲垣
Haruo Watanabe
春夫 渡辺
Tsutomu Noguchi
勉 野口
Yoshiyuki Kuromiya
美幸 黒宮
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃水処理時の沈降速度、脱水時の濾過速度、
濾布剥離性、ケーキ含水率に優れた廃水処理方法を提供
する。 【解決手段】 廃水に、同符号のイオン基を有しかつ分
子量が異なる2種の高分子凝集剤を逐次添加することに
より、懸濁物質を凝集させ、凝集体を濾過により取り除
く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子凝集剤を用
いた廃水処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、環境問題に対し、全世界的に大き
な関心が寄せられているが、その中でも水資源の確保は
最も重量な課題の一つである。このような状況の中で、
環境汚染防止の観点から、水汚濁防止法等、工場や家庭
科らの廃水に対する法律上の規制がいっそう厳しいもの
となってきている。
【0003】廃水対策としては、各種高分子凝集剤によ
る廃水の清浄化処理が行われている。現在、一般に使用
されている高分子凝集剤としては、産業廃水処理用の非
イオン・アニオン型凝集剤と、下水、し尿処理用のカチ
オン型凝集剤とが挙げられる。これらの凝集剤は、用途
に応じてそれぞれ使い分けられているが、いずれにおい
ても、優れた清澄化能力が求められている。
【0004】このような状況の中、金属化合物と高分子
凝集剤とを併用したり、複数の高分子凝集剤を組み合わ
せて使用することも提案されている。例えば、複数の高
分子凝集剤を複数組み合わせて使用する技術としては、
異符号のイオン基を有する高分子凝集剤を逐次添加する
ものや、アニオン系凝集剤と非イオン性及び/またはア
ニオン系凝集剤を混合して利用するものが挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
での手法では、廃水処理時の沈降速度、脱水時での濾過
速度、濾布剥離性、ケーキ含水率に関して十分な性能が
得られていなかった。
【0006】そこで、本発明は、廃水処理時の沈降速
度、脱水時での濾過速度、濾布剥離性、ケーキ含水率に
優れた廃水処理方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る廃水処理方
法は、上述の目的を達成するものであり、廃水に、同符
号のイオン基を有しかつ分子量が異なる2種の高分子凝
集剤を逐次添加することにより、懸濁物質を凝集させ、
凝集体を濾過により取り除くことを特徴とする。
【0008】特に、始めに低分子量の高分子凝集剤を添
加し、その後に高分子量の高分子凝集剤を添加すること
が望ましい。
【0009】上記低分子量の高分子凝集剤としては、重
量平均分子量が0.5万〜100万であり、かつスルホ
ン基を有するアニオン性高分子凝集剤を用いることが望
ましく、スチレン系ポリマーのスルホン化物、ポリアク
リルアミドのスルホアルキル化物、ビニルスルホン酸系
ポリマーより選ばれてなる少なくともいずれかを用いる
とよい。
【0010】上記高分子量の高分子凝集剤としては、重
量平均分子量が500万以上であり、かつカルボキシル
基を有するアニオン性高分子凝集剤を用いることが望ま
しく、ポリアクリルアミドやポリメタクリルアミドの部
分加水分解物、アクリル酸またはメタクリル酸とアクリ
ルアミドまたはメタクリルアミドとの共重合体及びその
塩類より選ばれた少なくともいずれかを用いるとよい。
【0011】このように、本発明による廃水処理方法で
は、始めに低分子量の高分子凝集剤を添加することによ
り、高収率で高密度・高強度な凝集体が形成され、次に
高分子量の高分子凝集剤を添加することにより、粗大な
凝集体が形成される。以上のような工程をとることによ
り、凝集時の沈降速度や、脱水時での濾過速度、濾布剥
離性、ケーキ含水率を向上させることできる。また、こ
れにより、廃水処理時間の短縮、凝集収率の向上、廃棄
物(脱水ケーキ)量の低減が可能となる。
【0012】また、本発明に係る廃水処理方法において
は、製造が難しく高価であるスルホン基を有する高分子
量の高分子凝集剤を、低分子量のもので対応できるよう
にしたため、大幅なコストダウンを図ることが出来る。
さらに、この低分子量の高分子凝集剤は、プラスチック
廃材からも製造できるため、上記コストダウンの効果に
加えて、資源の有効利用にもつながる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した実施の形
態について詳細に説明する。
【0014】本発明を適用した廃水処理方法は、廃水
に、同符号のイオン基を有し、かつ分子量が異なる2種
の高分子凝集剤を逐次添加することにより、、懸濁物質
を凝集させ、凝集体を濾過により取り除くことを特徴と
する。
【0015】特に、始めに低分子量の高分子凝集剤を添
加し、その後に高分子量の高分子凝集剤を添加するとよ
い。
【0016】上記低分子量の高分子凝集剤としては、重
量平均分子量が0.5万〜100万、好ましくは11〜
88万であり、かつスルホン基を有するアニオン性高分
子凝集剤を用いることが望ましい。
【0017】低分子量の高分子凝集剤の分子量が上記範
囲より低い場合には、廃水に対する凝集効果が低くなる
ばかりか、逆に懸濁粒子を分散させてしまうことにな
る。反対に、低分子量の高分子凝集剤の分子量が上記範
囲より高い場合には、密度の高い凝集体の形成が難しく
なり、脱水処理時の濾過速度、ケーキの濾布剥離性、ケ
ーキ含水率が低下してしまう。
【0018】このスルホン基を有するアニオン性高分子
凝集剤としては、スチレン系ポリマーのスルホン化物、
ポリアクリルアミドのスルホアルキル化物、ビニルスル
ホン酸系ポリマーが挙げられる。
【0019】(1)スチレン系ポリマーのスルホン化物 ○スチレン系ポリマーのスルホン化による製造 スチレン系ポリマーをスルホン化剤中もしくは溶媒中で
スルホン化剤と反応させ、次にアルカリ化合物で中和す
る事により得ることができる。
【0020】上記ポリスチレン系ポリマーはスチレンユ
ニットのみでも良く、他のモノマーとの共重合体であっ
ても良い。スチレン以外のモノマーとしては、ブタジエ
ン、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、(メタ)
アクリル酸エステル(炭素数:1〜4の脂肪族炭化水
素)、無水マレイン酸、無水イタコン酸、アクリルアミ
ドが挙げられる。これらスチレン以外の他のモノマー
は、1種類もしくは2種類以上含まれていても良いが、
好ましくは2種類以内である。
【0021】また、上記ポリスチレン系ポリマー中のス
チレンユニットの含有量は、40〜100モル%、好ま
しくは60〜100モル%である。この含有量が低い場
合には、スルホン基の導入率が低くなるため、このポリ
スチレン系ポリマーの水溶性や廃水処理時の脱水性能が
低下してしまう。
【0022】上記ポリスチレン系ポリマー中のスルホン
基の導入率は、40モル%以上、好ましくは60モル%
以上である。
【0023】なお、上記ポリスチレン系ポリマーは使用
済みのものや、他の樹脂とのアロイ物であっても良く、
顔染料や安定剤、難燃剤、可塑剤、充填剤、その他補助
剤等の添加剤を含んでいても良い。地球資源の有効利用
の観点からは、使用済みの樹脂を本発明の原料として使
用することが望ましい。また、使用済み廃材とバージン
材料との混合物であっても良い。
【0024】上記ポリスチレン系ポリマーと混合可能な
他のポリマーとしては、スルホン化反応を阻害しないポ
リマーであることが望ましく、ポリフェニレンエーテ
ル、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
トが挙げられる。これらの中で好ましくは、ポリフェニ
レンエーテル、ポリカーボネートである。
【0025】これらのポリマーはポリマー成分トータル
に対して60重量%以下に混合される事が望ましい。こ
れらの樹脂の含有量が60重量%以上となると、本発明
による改質反応が阻害されることになる。
【0026】なお、本発明の廃水処理方法により、ポリ
スチレン系ポリマーと共にこれら他のポリマーも同様に
改質される事になるが、高分子凝集剤としての性能には
特に影響しない。ただし、これら他のポリマーの含有量
が増加すると、同薬剤としての有効成分が低下する事に
なる。
【0027】○スルホン酸(塩)含有モノマーの(共)
重合による製造 ポリスチレン系ポリマーのスルホン化物を製造する方法
として、上記スチレン系ポリマーのスルホン化以外に、
スチレンスルホン酸(塩)モノマーを(共)重合して製
造しても良い。
【0028】スチレンスルホン酸(塩)は、そのものを
単独で重合して良いし、または、他のモノマーと共重合
しても良い。スチレンスルホン酸(塩)と共重合するモ
ノマーとしては、スチレン、α-メチルスチレン、p-ア
ルキル(炭素数:1〜6の脂肪族炭化水素)スチレン、
ビニルナフタレン、ブタジエン、イソプレン、(メタ)
アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アク
リル酸エステル(炭素数:1〜4の脂肪族炭化水素)、
アクリルアミド、無水マレイン酸、無水イタコン酸、酢
酸ビニル、ビニルスルホン酸、アルキル(水素もしくは
炭素数:1〜4の脂肪族炭化水素)アクリルアミドスル
ホン酸(塩)が挙げられる。
【0029】上記共重合体中のスルホン基の含有量は、
40モル%以上、好ましくは60モル%以上である。ス
ルホン基の含有量がこの範囲より少ない場合には、この
ポリマーの水溶性や廃水処理時の脱水性能が低下するこ
とになる。
【0030】これらのモノマーは、上記ポリマーに複数
含有されていても良いが、好ましくは3種以内である。
【0031】2)ポリアクリルアミドのスルホアルキル
化物 ○ポリアクリルアミドのスルホアルキル化による製造 ポリアクリルアミドに、各種アルデヒド化合物(ホルマ
リン及び炭素数:1〜4の脂肪族炭化水素をアルキル基
として有するアルデヒド化合物)と酸性亜硫酸ソーダ等
のスルホン化剤とを反応させる事により製造する。
【0032】○スルホアルキル化アクリルアミドの
(共)重合による製造 上記ポリアクリルアミドのスルホアルキル化以外に、ア
ルキル(水素もしくは炭素数:1〜4の脂肪族炭化水
素)アクリルアミドスルホン酸(塩)を(共)重合して
製造しても良い。アルキルアクリルアミドスルホン酸
(塩)は、そのものを単独で重合して良いし、または、
他のモノマーと共重合しても良い。
【0033】スルホアルキル化アクリルアミドと共重合
するモノマーとしては、スチレン、α-メチルスチレ
ン、p-アルキル(炭素数:1〜6の脂肪族炭化水素)ス
チレン、ビニルナフタレン、ブタジエン、イソプレン、
(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、(メ
タ)アクリル酸エステル(炭素数:1〜4の脂肪族炭化
水素)、アクリルアミド、無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸、酢酸ビニル、ビニルスルホン酸、スチレンスルホ
ン酸(塩)、他の種類のアルキルアクリルアミドスルホ
ン酸(塩)が挙げられる。
【0034】これらモノマーは、上記ポリマーに複数含
有されていても良いが、好ましくは3種以内である。
【0035】上記共重合体中のスルホン基の含有量は、
40モル%以上、好ましくは60モル%以上である。ス
ルホン基の含有量がこの範囲より少ない場合には、この
ポリマーの水溶性や廃水処理時の脱水性能が低下するこ
とになる。
【0036】3)ビニルスルホン酸(塩)系ポリマー ビニルスルホン酸(塩)系ポリマーの製造方法として、
ビニルスルホン酸塩の単独重合、もしくは他のモノマー
と共重合が挙げられる。
【0037】ビニルスルホン酸(塩)と共重合するモノ
マーとしては、スチレン、α-メチルスチレン、p-アル
キル(炭素数:1〜6の脂肪族炭化水素)スチレン、ビ
ニルナフタレン、ブタジエン、イソプレン、(メタ)ア
クリロニトリル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリ
ル酸エステル(炭素数:1〜4の脂肪族炭化水素)、ア
クリルアミド、無水マレイン酸、無水イタコン酸、酢酸
ビニル、アルキル(炭素数:1〜4の脂肪族炭化水素)
アクリルアミドスルホン酸(塩)、スチレンスルホン酸
(塩)が挙げられる。これらモノマーは、上記ポリマー
に複数含有されていても良いが、好ましくは3種以内で
ある。
【0038】上記共重合体中のスルホン基の含有量は、
40モル%以上、好ましくは60モル%以上である。ス
ルホン基の含有量がこの範囲より少ない場合には、この
ポリマーの水溶性や廃水処理時の脱水性能が低下するこ
とになる。
【0039】以上、これらスルホン基を有する低分子量
の高分子凝集剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、複
数混合で用いてもよい。
【0040】次いで、低分子量の高分子凝集剤を添加し
た後に、この低分子量の高分子凝集剤より高分子量の高
分子凝集剤を添加する。
【0041】この高分子量の高分子凝集剤としては、重
量平均分子量が500万以上、好ましくは1000万以
上であり、かつカルボキシル基を有するアニオン性高分
子凝集剤を用いることが望ましい。高分子量の高分子凝
集剤の分子量が上記範囲より低い場合には、凝集体の粗
大化が難しくなり、凝集速度が遅くなってしまう。
【0042】上記アニオン性高分子凝集剤中のカルボキ
シル基の含有量は、1モル%以上、好ましくは5モル%
以上、より好ましくは15モル%以上である。このカル
ボキシル基の含有量が少ない場合には、懸濁物質に対す
る凝集効果が低くなる。
【0043】上記カルボン基を有するアニオン性高分子
凝集剤としては、ポリアクリルアミドやポリメタクリル
アミドの部分加水分解物、アクリル酸またはメタクリル
酸とアクリルアミドまたはメタクリルアミドとの共重合
体及びその塩類より選ばれた少なくともいずれかを用い
るとよい。
【0044】以上、これらカルボキシル基を有する高分
子量の高分子凝集剤は、それぞれ単独で用いてもよい
し、複数混合で用いてもよい。
【0045】なお、上記高分子凝集剤は、各種無機凝集
剤、無機凝集助剤、有機凝結剤等と併用しても良い。
【0046】無機凝集剤としては、ポリ塩化アルミニウ
ム(PAC)、硫酸第1〜3鉄、硫酸アルミニウム(硫
酸バンド)、アミン酸ソーダ、アルミン酸ナトリウム、
変性塩基性硫酸アルミニウム、活性ケイ酸、塩素化コッ
パラス等が挙げられる。
【0047】無機凝集助剤としては、消石灰、ケイ酸ソ
ーダ、ベントナイト、フライアッシュ等が挙げられる。
【0048】有機凝結剤としては、アニリン-ホルムア
ルデホド重複合物塩酸塩、ポリヘキサメチレンチオ尿素
酢酸塩、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムク
ロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、
アルキルアミン・エピクロルヒドリン縮合物、アルキレ
ンポリアミン塩、ジシアンジアミド・ホルマリン縮合物
等が挙げられる。上述したように、本発明に係る廃水処
理方法においては、上記スルホン基を有する低分子量の
高分子凝集剤と、カルボキシル基を有する高分子量の高
分子凝集剤をこの順に逐次添加する。
【0049】これら分子量が異なる2種の高分子凝集剤
の添加量は、廃水の種類によって異なるが通常は、廃水
体積に対して、0.01〜500ppm、好ましくは、
0.1〜50ppmである。
【0050】なお、低分子量の高分子凝集剤の最適添加
量の目安は、高分子量の高分子凝集剤を単独使用した際
(無機凝集剤、凝結剤、凝集助剤を併用しても良い)
に、凝集速度が最大となる最少添加量に対して1〜9割
である。高分子量の高分子凝集剤の最適添加量の目安
は、同様に最適最少添加量(凝集速度が最大となる最少
添加量)に対して9〜1割である。
【0051】これは、低分子量の凝集剤の添加量が多す
ぎると、懸濁液もしくは凝結剤の(正)荷電が完全に中
和される事になり凝集架橋点がなくなってしまうため、
高分子量の高分子凝集剤を添加しても粗大凝集物が形成
されなくなるためである。このため、低分子量の高分子
凝集剤は、最適最少添加量(凝集速度が最大となる最少
添加量)より、9割以下として、高分子量の高分子凝集
剤の凝集架橋点を1割以上残しておく事が望ましい。
【0052】このように、同一符号のイオン基を有し、
分子量の異なる高分子凝集剤を逐次添加した場合には、
高分子量の高分子凝集剤単独で使用した時に比べて、少
量の添加量で同じ凝集速度を達成する事が可能となる。
これにより、廃水処理時間の短縮、凝集収率の向上、廃
棄物(脱水ケーキ)量の低減が可能となる。
【0053】また、始めに低分子量の高分子凝集剤を添
加することにより、高収率で高密度・高強度な凝集体が
形成され、次に高分子量の高分子凝集剤を添加すること
により、粗大な凝集体が形成される。したがって、上述
した廃水処理方法では、凝集時の沈降速度や、脱水時で
の濾過速度、濾布剥離性、ケーキ含水率を向上させるこ
とができる。
【0054】反対に、分子量の高分子凝集剤のみの使用
では、懸濁粒子の取りこぼしが生じ易く凝集収率が悪化
したり、密度の高い凝集物が形成され難いため凝集体の
強度が弱くなり、脱水時の濾過速度やケーキのろ布剥離
性が低下したり、ケーキ含水率の増加につながったりす
る事になる。
【0055】さらに、スルホン基を含有した高分子凝集
剤は、広範囲のpHに適用が可能であり、且つ、脱色効
果が高いため、上記廃水処理方法を採用する事により、
水質変動の大きい廃水や着色廃水等の処理に優れた効果
を発揮する事が出来る。
【0056】また、上記廃水処理方法においては、製造
が難しく高価であるスルホン基を有する高分子量の高分
子凝集剤を、低分子量のもので対応できるようにしたた
め、大幅なコストダウンを図ることが出来る。さらに、
この低分子量の高分子凝集剤は、プラスチック廃材から
も製造できるため、上記コストダウンの効果に加えて、
資源の有効利用にもつながる。
【0057】
【実施例】以下、本実施例を適用して廃水処理を行い、
高分子凝集剤の凝集効果(廃水処理時の沈降速度、脱水
時の濾過速度、濾布剥離性、ケーキ脱水率)を調べるた
めに、実験を行った。
【0058】先ず、始めに以下に示す凝集剤のサンプル
1〜サンプル6を用意した。
【0059】サンプル1 VHSカッセトテープ用ハウジング材(ハイインパクト
ポリスチレン)を1,2−ジクロロエタンに溶解したも
のに無水硫酸を滴下してスルホン化を行った。滴下終了
から2時間の間、20〜25℃に温度を維持した。その
後、水酸化ナトリウム水溶液で中和を行った後、加熱蒸
留により溶媒留去を行なう事で分子量(Mw)が43
万、スルホン化率が80モル%のポリスチレンスルホン
酸ソーダ水溶液を得た。これをサンプル1とする。
【0060】サンプル2 ポリアクリルアミドの水溶液にホルマリンと酸性亜硫酸
ソーダとを同時に作用させてスルホメチル化を行い、分
子量(Mw)が50万、スルホン化率が50モル%のス
ルホメチル化アクリルアミド水溶液を得た。これをサン
プル2とする。
【0061】サンプル3 アクリルアミドとビニルスルホン酸ソーダとを水中で重
合する事により、分子量(Mw)が24万、スルホン化
率が12モル%の同共重合体水溶液を得た。これをサン
プル3とする。
【0062】サンプル4 市販のポリアクリルアミド部分加水分解物(Mw:約1
500万、加水分解率:10モル%)を水に溶解し、こ
れをサンプル4とした。
【0063】サンプル5 市販のアルギン酸ソーダをサンプル5とした。
【0064】サンプル6 低分子量のポリアクリルアミド部分加水分解物(Mw:
約40万、加水分解率:80モル%)を水に溶解し、こ
れをサンプル6とした。
【0065】次に、高分子凝集剤としてサンプル1〜サ
ンプル6を用いて以下に示す廃水処理を行った。
【0066】実施例1 始めに、半導体製造工場の廃水(pH:3.1、懸濁物
質濃度(SS):1000ppm)を用いて、消石灰:
300ppmを添加後に、硫酸バンド:60ppmを添
加したものを懸濁液試料として用意した。この懸濁液試
料を500mlのビーカーに500ml採取し、始めに
サンプル1:1ppmを添加し、その後サンプル4:3
ppmを添加した。そして、ジャーテスターにて攪拌を
行った後、静置して懸濁粒子の沈降速度を測定した。
【0067】次に、この凝集液に対して濾布を用いてヌ
ッチェテストを行い、1分後の濾液量を測定した。
【0068】また、この濾過物を同じ濾布にはさんで小
型の圧搾試験機にて1分間圧搾した後、ケーキの含水率
とケーキの濾布剥離性を測定した。
【0069】実施例2 懸濁液試料500mlに、始めにサンプル1:2ppm
を添加し、その後サンプル4:2ppmを添加した。こ
れ以外は、実施例1と同様にして、沈降速度、濾液量、
剥離性、含水率を調べた。
【0070】実施例3 懸濁液試料500mlに、始めにサンプル2:2ppm
を添加し、その後サンプル4:2ppmを添加した。こ
れ以外は、実施例1と同様にして、沈降速度、濾液量、
剥離性、含水率を調べた。
【0071】実施例4 懸濁液試料500mlに、始めにサンプル3:2ppm
を添加し、その後サンプル4:2ppmを添加した。こ
れ以外は、実施例1と同様にして、沈降速度、濾液量、
剥離性、含水率を調べた。
【0072】比較例1 懸濁液試料500mlに、始めにサンプル5:2ppm
を添加し、その後サンプル4:2ppmを添加した。こ
れ以外は、実施例1と同様にして、沈降速度、濾液量、
剥離性、含水率を調べた。
【0073】比較例2 懸濁液試料500mlに、始めにサンプル6:2ppm
を添加し、その後サンプル4:2ppmを添加した。こ
れ以外は、実施例1と同様にして、沈降速度、濾液量、
剥離性、含水率を調べた。
【0074】比較例3 懸濁液試料500mlに、サンプル4:4ppmを添加
した。これ以外は、実施例1と同様にして、沈降速度、
濾液量、剥離性、含水率を調べた。
【0075】比較例4 懸濁液試料500mlに、サンプル1:2ppmと、サ
ンプル4:2ppmとを同時に添加した。これ以外は、
実施例1と同様にして、沈降速度、濾液量、剥離性、含
水率を調べた。
【0076】凝集効果の評価 実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例4の結果を表
1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】表1からわかるように、実施例1〜実施例
4は、スルホン基以外のアニオン基を有する低分子量の
高分子凝集剤を併用した比較例1及び比較例2や、高分
子量のアニオン性高分子凝集剤を単独に使用した比較例
3や、低分子量のスルホン基を有するアニオン性高分子
凝集剤と高分子量のカルボキシル基を有するアニオン性
高分子凝集剤とを同時に添加した比較例4に比べて、廃
水処理時の沈降速度、脱水時の濾液量、剥離性、ケーキ
含水率のいずれをも向上させている。
【0079】このことから、低分子量のスルホン基を有
するアニオン性高分子凝集剤と、高分子量のカルボキシ
ル基を有するアニオン性高分子凝集剤を逐次添加するこ
とによって、凝集効果が高められて廃水処理時の沈降速
度、脱水時の濾液量、剥離性、ケーキ含水率が向上する
ことがわかる。
【0080】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る廃水処理方法では、始めに低分子量の高分子凝
集剤を添加することにより、高収率で高密度・高強度な
凝集体が形成され、次に高分子量の高分子凝集剤を添加
することにより、粗大な凝集体が形成される。以上のよ
うな廃水処理方法をとることにより、凝集時の沈降速度
や、脱水時での濾過速度、濾布剥離性、ケーキ含水率を
向上させることできる。また、これにより、廃水処理時
間の短縮、凝集収率の向上、廃棄物(脱水ケーキ)量の
低減が可能となる。
【0081】さらに、本発明に係る廃水処理方法におい
ては、製造が難しく高価であるスルホン基を有する高分
子量の高分子凝集剤を、低分子量のもので対応できるよ
うにしたため、大幅なコストダウンを図ることが出来
る。また、この低分子量の高分子凝集剤は、プラスチッ
ク廃材からも製造できるため、上記コストダウンの効果
に加えて、資源の有効利用にもつながる。
フロントページの続き (72)発明者 黒宮 美幸 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃水に、同符号のイオン基を有しかつ分
    子量が異なる2種の高分子凝集剤を逐次添加することに
    より、懸濁物質を凝集させ、凝集体を濾過により取り除
    くことを特徴とする廃水処理方法。
  2. 【請求項2】 始めに低分子量の高分子凝集剤を添加
    し、その後に高分子量の高分子凝集剤を添加することを
    特徴とする請求項1記載の廃水処理方法。
  3. 【請求項3】 上記低分子量の高分子凝集剤として、重
    量平均分子量が0.5万〜100万であり、かつスルホ
    ン酸基を有するアニオン性高分子凝集剤を用いることを
    特徴とする請求項2記載の廃水処理方法。
  4. 【請求項4】 上記低分子量の高分子凝集剤として、ス
    チレン系ポリマーのスルホン化物、ポリアクリルアミド
    のスルホアルキル化物、ビニルスルホン酸系ポリマーよ
    り選ばれてなる少なくともいずれかを用いることを特徴
    とする請求項3記載の廃水処理方法。
  5. 【請求項5】 上記高分子量の高分子凝集剤として、重
    量平均分子量が500万以上であり、かつカルボキシル
    基を有するアニオン性高分子凝集剤を用いることを特徴
    とする請求項2記載の廃水処理方法。
  6. 【請求項6】 上記高分子量の高分子凝集剤として、ポ
    リアクリルアミドやポリメタクリルアミドの部分加水分
    解物、アクリル酸またはメタクリル酸とアクリルアミド
    またはメタクリルアミドとの共重合体及びその塩類より
    選ばれた少なくともいずれかを用いることを特徴とする
    請求項5記載の廃水処理方法。
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