JPH1095481A

JPH1095481A - 使い捨ておむつの個装構造

Info

Publication number: JPH1095481A
Application number: JP8248066A
Authority: JP
Inventors: Mika Narawa; 美香奈良輪; Shinobu Takei; 忍武井; Toru Hayase; 徹早瀬; Kenji Ando; 賢治安藤
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 1996-09-19
Filing date: 1996-09-19
Publication date: 1998-04-14

Abstract

(57)【要約】【課題】コンパクトで持ち運びに便利であり、着用が
容易であり、更には衛生的に廃棄できる使い捨ておむつ
の個装構造を提供すること。【解決手段】使い捨ておむつ２を包装材３で個装し
てなる使い捨ておむつの個装構造であって、上記包装材
３は、密閉され且つ内部に使い捨ておむつが封入されて
なる個装袋３０を形成しており、上記個装袋３０は、使
い捨ておむつをその厚み方向に圧縮した状態を維持する
ようになされていることを特徴とする使い捨ておむつの
個装構造。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術】本発明は、幼児用、大人用、失禁
者用として***物を収容保持するために用いられる使い
捨ておむつを包装材で個装してなる使い捨ておむつの個
装構造に関し、更に具体的には、コンパクトでかつ衛生
的な持ち運び性に優れた使い捨ておむつの個装構造に関
する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】使い捨
ておむつとしては、テープファスナーなどの締結手段を
有するフラット型の使い捨ておむつ（以下、「フラット
型おむつ」という）が主として用いられている他、最近
では、おむつの腹側部の左右両側縁と背側部の左右両側
縁とが接合固定されて、左右一対のレッグ開口部と一つ
のウエスト開口部が形成されてなるパンツ型の使い捨て
おむつ（以下、「パンツ型おむつ」という）が、広く用
いられている。

【０００３】このような使い捨ておむつは、通常、折り
畳む等して数枚が纏めて包装されて、販売されている。
従来より、使い捨ておむつを折り畳む方法については、
種々提案されており、例えば、フラット型おむつにおい
ては、吸収体の左右両側に延出されているサイドフラッ
プをトップシート側に向けて折り畳んだあと、おむつが
腹側部、背側部及び股下部の３つに区分されるように、
３つ折りに折り畳む方法が提案されている。そして、こ
の方法によれば、使用時に展開した場合に、ある程度の
折り癖がついているため、おむつがその長手方向に向け
て船型、即ち、着用者の体型に沿った形状を呈し、装着
性が良好であるという利点がある。一方、パンツ型おむ
つにおいては、一般的には、特に折り畳むなどされてい
ないが、最近では、コンパクトに折り畳んで携帯性を向
上させたり、包装状態の見栄えを良くし且つ店頭での陳
列時に転倒しにくいようにするために、種々の折り込み
方法が提案されている。

【０００４】ところで、使い捨ておむつの吸収体として
は、一般に、解繊パルプを主材とし、高分子吸水ポリマ
ーを併用してなるものを用いている。該解繊パルプは、
比較的安価に入手することができる吸液性の高い素材で
あり、ほとんどの使い捨ておむつに使用されているが、
近年においては、該解繊パルプに代えて合成繊維を使用
したり、該解繊パルプと合成繊維とを混合して使用する
ことも提案されている。

【０００５】上記吸収体は、使用されている解繊パルプ
や合成繊維の使用量に応じた厚みを有する。一般に、使
い捨ておむつの薄さは吸収体の厚みに大きく依存する。
なぜなら使い捨ておむつの製品厚みを極めて薄くしよう
とする場合、吸収体以外の部材の厚みを薄くするように
材料を選択して効果を上げることは困難だからである。
従って、使い捨ておむつの薄さは、吸収体を構成する解
繊パルプや合成繊維の使用量に依存する。ここで、使い
捨ておむつの１枚あたりの厚みが大きすぎると、使い捨
ておむつを着用者に装着させた場合に不格好であるだけ
でなく、持ち運びに不便となり、また運搬スペースや店
頭での販売スペースの確保も困難になるという問題があ
る。このため、製品性能を維持しつつ、使い捨ておむつ
を薄型化することが要望されている。

【０００６】そこで、使い捨ておむつの吸収体に使用す
る繊維量を減らすことにより、使い捨ておむつの厚みを
薄くすることが考えられているが、使い捨ておむつの性
能を維持しつつ厚みを薄くすることには限界がある。ま
た、おむつの製造工程においてプレス工程を行うことに
より（該プレス工程は、特に吸収体単体を圧縮して成形
する工程である）、おむつの厚さを薄くすることも提案
されている。しかし、プレスにより圧縮された吸収体で
あっても、繊維は弾性を有するために、繊維が弾性回復
した際生じるすき間に周囲の空気が入り込んで、おむつ
の厚みは時間とともに回復してしまう（厚みを増してし
まう）。また、弾性回復できないまでに圧縮すると、使
い捨ておむつがパリパリに硬くなりすぎたり、極端に性
能が低下するという問題がある。例えば、現在市販され
ている使い捨ておむつは、ほとんどが圧縮包装されてい
るが、いったん袋から取り出して負荷ゼロの状態で数時
間放置しておくとその厚さは膨らんでしまい、持ち運ぶ
際の携帯性には劣ってしまうという問題がある。

【０００７】また、使い終わった使い捨ておむつはゴミ
箱に廃棄されるが、かなりコンパクトに丸めても若干の
においが残り、ゴミ箱の中の悪臭の原因となるという問
題がある。特に、パンツ型おむつにあっては、あまりコ
ンパクトに丸められないため、上記問題が多い。

【０００８】要するに、従来の使い捨ておむつは開封
後、その厚みが回復して厚くなってしまうために、着
用しにくい（着用させにくい）、持ち運びに不便、か
さばる等の問題があり、また、衛生的に廃棄することが
できないという問題もあった。特に、これらの問題は、
外出時などの個々の使い捨ておむつを持ち運ぶ際に顕著
である。また外出時には使用後のおむつを持ち帰らなけ
ればいけない場合が多い。従って、上述の問題のない使
い捨ておむつ（又はその包装構造）が要望されているの
が現状である。

【０００９】従って、本発明の目的は、コンパクトで持
ち運びに便利であり、着用が容易であり、更には衛生的
に廃棄できる使い捨ておむつの個装構造を提供すること
にある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、使い捨ておむ
つを包装材で個装してなる使い捨ておむつの個装構造で
あって、上記包装材は、密閉され且つ内部に使い捨てお
むつが封入されてなる個装袋を形成しており、上記個装
袋は、使い捨ておむつをその厚み方向に圧縮した状態を
維持するようになされていることを特徴とする使い捨て
おむつの個装構造を提供することにより、上記目的を達
成したものである。また、本発明は、上記使い捨ておむ
つは、折り畳まれて個装されている使い捨ておむつの個
装構造を提供するものである。また、本発明は、上記使
い捨ておむつは、パンツ型の使い捨ておむつである使い
捨ておむつの個装構造を提供するものである。また、本
発明は、上記包装材は、廃棄時に再封可能な止着手段を
備える使い捨ておむつの個装構造を提供するものであ
る。更に、本発明は、上記個装構造の好ましい製造方法
として、使い捨ておむつの個装構造の製造方法であっ
て、上記使い捨ておむつを包装材で覆った後、該使い捨
ておむつを包装材と共に圧縮及び／又は脱気し、該包装
材の所定位置を封止する、封止工程を具備するおむつの
個装構造の製造方法を提供するものである。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ、本
発明の使い捨ておむつの個装構造について詳細に説明す
る。尚、以下の形態においては幼児用の使い捨ておむつ
を例に用いて説明する。ここで、図１は、本発明の使い
捨ておむつの個装構造の第１の形態を示す斜視図であ
り、図２は、図１に示す個装構造において用いられる使
い捨ておむつを示す斜視図であり、図３は、図１に示す
個装構造において用いられる包装材を示す展開図であ
る。

【００１２】図１に示す本形態の使い捨ておむつの個装
構造１は、使い捨ておむつ２を包装材３で個装してなる
ものである。

【００１３】ここで、上記個装構造１において用いられ
る使い捨ておむつ２は、図２に示すように、腹側部２１
の左右両側縁と背側部２２の左右両側縁とがそれぞれ接
合固定されてなる、少なくとも１つのウエスト用開口と
１対のレッグホール開口を有し公知の構成のパンツ型の
使い捨ておむつであり、各部材の構成材料（トップシー
ト、バックシート、吸収体及び弾性部材などの構成材
料）も、通常公知のものを特に制限無く用いることがで
きる。

【００１４】また、上記個装構造１において用いられる
包装材３は、図３に示すように、長方形状のシートであ
り、長手方向中央における折曲部３１で２つ折りにされ
て、図１に示す個装構造を形成している。上記包装材３
を形成する上記シートとしては、溶着加工性に優れる、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、塩化ビニル
等のプラスチックフィルム等が好ましく用いられ、特に
本形態においては、ポリエチレンフィルムを用いてい
る。また、上記包装材３は、上記折曲部３１以外の３辺
３２、３３、３４がヒートシールされて、シールされて
いる。

【００１５】而して、上記包装材３は、密閉され且つ内
部に使い捨ておむつ２が封入されてなる個装袋３０形成
しており、上記個装袋３０は、使い捨ておむつ２をその
厚み方向に圧縮した状態を維持するようになされてい
る。ここで、上記「厚み方向に圧縮した状態を維持す
る」とは、使い捨ておむつに何等外力を加えずに、大気
中に放置している状態に比して、厚みが薄くなっている
状態を維持することを意味する。

【００１６】更に詳述すると、上記包装材３は、図３に
示す折曲部３１において折り曲げられており、図１に示
すように３辺３２、３３、３４がシールされて、密閉さ
れた個装袋３０を形成している。

【００１７】また、上記使い捨ておむつ２は、折り畳ま
れて上記個装袋３０の内部に封入されて個装されてい
る。この際、上記使い捨ておむつ２は、その上下方向
（腹側部２１と股下部２３とをつなぐ方向）のほぼ中央
（図２に示す２ａ）において、上下方向に向けて折り畳
まれている。そして、図１に示すように、上記個装袋３
０の長さＬ₁は、折り畳まれた使い捨ておむつ２の長さ
Ｌ₂（上下方向の長さ）のほぼ２倍となるようになされ
ている。使用後のおむつを封入して廃棄できる大きさに
なっている。

【００１８】また、上記包装材３は、廃棄時止着用の通
常の止着テープ３５が設けられている。上記止着テープ
３５は、上記包装材３により形成された個装袋３０の幅
方向（おむつの幅方向に対応した方向）ほぼ中央部分に
配されている。

【００１９】上記個装構造１における使い捨ておむつ２
の厚み比率は、１５〜８５％とするのが好ましく、４０
〜６０％とするのが更に好ましい。上記厚み比率が１５
％未満であると、おむつが硬くなり風合いが悪くなって
しまい、８５％を超えると、厚みの回復を抑える効果が
弱まるので、上記範囲内とするのが好ましい。ここで、
上記「厚み比率」とは、下記の如くして求められるもの
である。即ち、「一般的な、複数枚の使い捨ておむつを
包装になる包装構造」を開封して、使い捨ておむつを常
温・常湿で且つ無負荷の状態で、７日間放置した場合の
おむつの厚み（本形態においては折り畳んだおむつの厚
み）を測定し、これを１００とする。そして、これに対
して本発明の「個装構造」におけるおむつの厚み（図１
に示すｔ）を測定してパーセント表示することにより求
められる。尚、上記「厚み」は、おむつの幅方向略中央
における吸収体を含んだおむつの製品厚みである。

【００２０】また、図１に示すように、上記個装袋３０
には、その一辺３２に切り欠きノッチ３６が設けられて
おり、個装袋３０の開封が容易となるようになされてい
る。また、本形態においては、上述の如く、包装材３と
して１軸方向に分子配向されているシートを用いてお
り、この分子配向方向に向けて上記切り欠きノッチ３６
が設けられている。これにより、個装袋３０を裂く方向
と分子配向方向とが同一の方向であるため、個装袋３０
の開封が容易となっている。

【００２１】このように構成されてなる本形態の個装構
造１は、上記切り欠きノッチ３６から袋を開封し、使い
捨ておむつ２を取り出すことにより、使用に供すること
ができ、更に使用後においては、着用者から取り外した
おむつを、上記個装袋３０内に封入し、上記止着テープ
３５により袋の止着を行い、廃棄することができる。

【００２２】本形態の個装構造１は、上述の如く構成さ
れているので、おむつの吸収体の弾性回復が制限され、
また、２つ折りにされた使い捨ておむつ２の折りに対す
る弾性回復も制限される。従って、個装構造１を無負荷
の状態においても、使い捨ておむつ２が個装袋３０に封
入されている間は、おむつの厚みを増す（回復する）こ
とがなく、コンパクトなまま保たれ、携帯性に優れる。
また上述の如く使用、袋内に密封して廃棄できるもので
あるため、衛生的に廃棄できるものである。従って、特
に、外出時などにおいて持ち運ぶものとして優れてい
る。

【００２３】次いで、本形態の個装構造１の製造方法に
ついて図４を参照して説明する。ここで、図４は、本発
明の使い捨ておむつの個装構造の好ましい製造方法の要
部を示す概略図である。

【００２４】本形態の個装構造１を製造するには、図４
に示すように、上記使い捨ておむつ２を包装材３で覆っ
た後、該使い捨ておむつ２を包装材３ごと圧縮して包装
材内部の空気を押し出し乍ら、又は、強制的に脱気し乍
ら、該包装材３の所定位置を封止する、封止工程を行う
ことにより実施できる。尚、上記封止工程以外の工程、
即ち使い捨ておむつ２の製造工程等は、通常公知の方法
を特に制限無く用いて行うことができる。

【００２５】更に詳述すると、上記封止工程は、折曲部
３１で２つ折りにされた包装材３中に、２つ折りにした
使い捨ておむつ２を封入し、圧縮ロール又は圧縮コンベ
アベルト（図示せず）等により、図４の矢印方向にすな
わちおむつの厚み方向に圧力を掛けて包装材３の内部及
び使い捨ておむつ２内の空気を押し出しながら、包装材
３の３辺３２、３３、３４をシールして封止し、個装袋
３０を形成する、ことにより行うことができる。そし
て、更に、切り欠きノッチ３６を常法に従って形成し、
止着テープ３５を貼着することにより、図１に示す第１
の形態の包装構造１を製造できる。即ち、上記の封止さ
れる上記「所定位置」は、包装材３における封止されて
いない周辺部分を意味し、本形態においては、上記折曲
部３１を除く３辺３２、３３、３４を意味する。

【００２６】上記圧縮ロール又は圧縮コンベアの材質と
しては、鉄、ゴム、スポンジ、プラスチック等公知の材
料を用いることができる。強圧縮の個装製品を得るため
には、例えば、クリアランス０．５ｍｍのスキ間に線圧
１０〜２０ｋｇｆ／ｃｍの鉄ロール間で圧縮をかける等
の方法を用いる。

【００２７】また、本形態において、おむつの折り畳み
形態は、図１に示す形態に限定されない。例えば、図５
に示すように、腹側部２１及び背側部２２の左右両側で
且つ吸収体が存在しない部分である、サイドフラップ部
分２４をおむつの内方に向けて折り込んで折り畳んでも
よい。また、図６に示すように、断面がＷ形状になるよ
うに上下方向に向けて折り畳んでもよい。

【００２８】また、本発明の個装構造に用いられる使い
捨ておむつは、図７に示すような、いわゆる展開型の使
い捨ておむつでもよい。即ち、トップシートと、バック
シートと、両シート間に介在する吸収体とを具備し、吸
収体の周縁に位置するようウエスト部とレッグ部とに、
それぞれ弾性部材が配されてなる、公知の展開型の使い
捨ておむつを用いることもできる。この場合、おむつ
は、図７に示すように、展開型の使い捨ておむつ２Ａ
が、その吸収体の両側に延出するサイドフラップ部分２
４Ａをトップシート側に折り込んだあと、ほぼＣ形状に
なるように３つ折りにされるのが好ましい。そして、図
８に示すように、３つ折りにされた展開型の使い捨てお
むつ２Ａが、上記の第１の形態の個装構造と同様に、個
装袋３０Ａ内に封入されて個装されて、個装構造１Ａが
形成されているのが好ましい。

【００２９】個装されていない折り畳まれた展開型の使
い捨ておむつ２Ａは、無負荷の状態にあると一般に吸収
体の弾性回復や素材の弾性回復又は弾性部材の収縮作用
などによって折りが回復して形状が崩れ、厚さを増して
いくが、本形態の個装構造１Ａにおいては、コンパクト
性が損なわれない。また、このように３つ折されたフラ
ット型の使い捨ておむつを開封して使用に供する際に
は、レッグ部に弾性部材が設けられているため、トップ
シート側に向けて舟型に湾曲する。このため、着用時に
おける装着性に優れる。従って、携帯性に優れ装着性に
も優れる。

【００３０】次いで、図９及び１０を参照して本発明の
個装構造の他の形態について説明する。尚、以下の形態
においては、特に、上記の第１の形態と異なる点につい
て説明する。特に詳述しない点については、上述した第
１の形態においてした説明が適宜適用される。ここで、
図９は、本発明の使い捨ておむつの個装構造の第２の
形態を示す斜視図であり、図１０は、本発明の使い捨て
おむつの個装構造の第３の形態を示す斜視図である。

【００３１】図９に示す第２の形態においては、個装袋
３０の大きさが上記の第１の形態と異なる。即ち、図９
に示すように、本形態の個装構造１においては、上記個
装袋３０の長さＬ₁'が、２つ折りにされた使い捨ておむ
つの長さＬ₂とほぼ同じとなるようになされている。ま
た、切り欠きノッチ３６は、一辺３４側に設けられてい
る。

【００３２】図１０に示す第３の形態においては、個装
袋３０の形状（封止形状）が上記の第１の形態と異な
る。即ち、図１０に示すように、本形態の個装構造１に
おいては、上記個装袋３０がピロー型の個装形態となる
ように、前後の両端縁３２’、３３’及び一面側におけ
る中央部３４’においてシールされている。このよう
に、包装材３の封止箇所（即ち、個装袋３０の封止形
状）は、特に制限されない。上記の第２〜５の形態にお
いても、上述の第１の形態と同様の効果が奏される。

【００３３】尚、本発明は、上述の形態に制限されるも
のではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更
が可能である。例えば、上記切り欠きノッチ３６を設け
る代わりに、ミシン目等を設けたり、個装袋３０に開封
用のひも等を添設して、開封を容易にすることもでき
る。尚、これらの場合において、開封により個装袋が破
断されてゴミが発生しないようにするのが好ましい。ま
た、廃棄時に再封可能な手段としては上記止着テープ３
５を設けるほか、紐を添設したり、あらかじめ接着剤等
を塗工したり、袋の大きさを袋自体で結束可能であるよ
うに形成することにより、廃棄時に個装袋を封止できる
ようにすることもできる。また、上記個装袋３０のシー
ルは、ヒートシールではなくインパルスシールや超音波
接合、高周波接合による溶着あるいは、接着剤により接
着したり、圧着する等して行うことができる。また、本
発明の個装構造１の製造に際しては、上記の圧力をかけ
て、個装袋内の空気を脱気する代わりに、吸気ポンフ等
により、個装袋内の空気を吸気したあと、封止を行って
も良い。即ち、上記の好ましい製造方法における圧縮・
封止工程に代えて、個装袋内の空気を吸引して脱気した
後所定ヶ所を封止する、脱気・封止工程を行うことによ
り、本発明の個装構造を製造することもできる。

【００３４】

【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により具体
的に説明するが、本発明は、これらに限定されるもので
はない。

【００３５】〔実施例１〕複数枚のパンツ型おむつを圧
縮包装してなる通常の圧縮包装品から取り出した通常の
パンツ型使い捨ておむつを使い捨ておむつとして用い、
ポリエチレンフィルムを包装材として用いた。そして、
圧縮包装品から取り出した使い捨ておむつをすぐに包装
材中に封入し、圧縮荷重５ｋｇｆ／枚で圧縮して包装材
中の空気を押し出し、更に包装材の各辺をヒートシール
して封止した（封止工程）。尚、おむつは、２つに折り
畳んで個装し、図１に示す形状の個装構造を作成した。
また、圧縮は、おむつ１枚（折り畳んだ状態のもの）を
包装材からなる個装袋の中に入れた後、該個装袋上にア
クリル板を乗せ、更にその上に上記圧縮荷重分のおもり
を乗せることにより行った。得られた個装構造につい
て、保存条件を常温・常湿として厚みの経時変化を調べ
た。その結果を図１１に示す。また、厚みは、ダイヤル
ゲージ（ミツトヨ社製 code No.575-113）及びスタンド
（ミツトヨ社製 code No.7002)を用いて測定した。（ｎ
＝１０）

【００３６】〔実施例２〕圧縮荷重を１５ｋｇｆ／枚と
した以外は、実施例１と同様にして個装構造を得、おむ
つの厚みの経時変化を測定した。その結果を図１１に示
す。

【００３７】〔実施例３〕圧縮荷重を２５ｋｇｆ／枚と
した以外は、実施例１と同様にして個装構造を得、おむ
つの厚みの経時変化を測定した。その結果を図１１に示
す。

【００３８】〔比較例１〕個装構造としない以外、即
ち、おむつのみとした以外は、実施例１と同様にして、
おむつの厚みの経時変化を測定した。その結果を図１１
に示す。

【００３９】ここで、上記厚み比率は、それぞれ、実施
例１で７０％、実施例２で６０％、実施例３で５５％で
あり、図１１より明らかなように、実施例１〜３の包装
構造においては、７日経過後の厚み変化は見られなかっ
た。

【００４０】

【発明の効果】本発明の使い捨ておむつの個装構造は、
コンパクトでかつ衛生的な持ち運びに便利であり、着用
が容易であり、更には衛生的に廃棄できるものである。

【００４１】具体的には、個装袋内は外気から遮断さ
れており、吸収体がその厚みを回復するために必要とな
る周囲の空気が存在せず、個装袋を開封するまでは、吸
収体が一定の厚み以上の厚さにならない。従って、本発
明の個装構造は、無負荷の状態でも、コンパクトで携帯
性に優れ、着用者が装着したり、着用者に装着させたり
することが容易である。使用済の使い捨ておむつを、開封した個装袋内に封入
して廃棄できるので、においを外に出さずに、衛生的に
廃棄することができる。更に、個装されているためにきわめて衛生的に保存、
衛生的に持ち運びが可能であり、また、空気に触れない
ので経時的な変色や、製品性能の劣化を抑制することも
可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明の使い捨ておむつの個装構図の
第１の形態を示す斜視図である。

【図２】図２は、図１に示す個装構造において用いられ
る使い捨ておむつを示す斜視図である。

【図３】図３は、図１に示す個装構造において用いられ
る包装材を示す展開図である。

【図４】図４は、本発明の使い捨ておむつの個装構造の
製造方法の要部を示す概略図である。

【図５】図５は、第１の形態における使い捨ておむつの
折り畳み形態の他の例を示す斜視図である。

【図６】図６は、第１の形態における使い捨ておむつの
折り畳み形態の他の例を示す斜視図である。

【図７】図７は、第１の形態において用いられる使い捨
ておむつの他の例を示す斜視図である。

【図８】図８は、図７に示す使い捨ておむつを用いてな
る本発明の使い捨ておむつの個装構造の第１の形態を示
す斜視図である。

【図９】図９は、本発明の使い捨ておむつの個装構造の
第２の形態を示す斜視図である。

【図１０】図１０は、本発明の使い捨ておむつの個装構
造の第３の形態を示す斜視図である。

【図１１】図１１は、実施例及び比較例の結果を示すグ
ラフである。

【符号の説明】

１個装構造２使い捨ておむつ２１腹側部２２背側部２３股下部２４サイドフラップ部分３包装材３０個装袋３１折曲部３２一辺３３一辺３４一辺３５止着テープ３６切り欠きノッチ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者安藤賢治栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会社研究所内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】使い捨ておむつを包装材で個装してなる
使い捨ておむつの個装構造であって、上記包装材は、密閉され且つ内部に使い捨ておむつが封
入されてなる個装袋を形成しており、上記個装袋は、使い捨ておむつをその厚み方向に圧縮し
た状態を維持するようになされていることを特徴とする
使い捨ておむつの個装構造。
【請求項２】上記使い捨ておむつは、折り畳まれて個
装されていることを特徴とする請求項１記載の使い捨て
おむつの個装構造。
【請求項３】上記使い捨ておむつは、パンツ型の使い
捨ておむつであることを特徴とする請求項１記載の使い
捨ておむつの個装構造。
【請求項４】上記包装材は、廃棄時に再封可能な止着
手段を備えることを特徴とする請求項１記載の使い捨て
おむつの個装構造。
【請求項５】請求項１記載の使い捨ておむつの個装構
造の製造方法であって、上記使い捨ておむつを包装材で覆った後、該使い捨てお
むつを包装材と共に圧縮及び／又は脱気し、該包装材の
所定位置を封止する、封止工程を具備することを特徴と
する使い捨ておむつの個装構造の製造方法。