JPH1095436A - 燃料タンク用防錆鋼板 - Google Patents
燃料タンク用防錆鋼板Info
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- JPH1095436A JPH1095436A JP26788096A JP26788096A JPH1095436A JP H1095436 A JPH1095436 A JP H1095436A JP 26788096 A JP26788096 A JP 26788096A JP 26788096 A JP26788096 A JP 26788096A JP H1095436 A JPH1095436 A JP H1095436A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 有機樹脂被膜を被覆したAl系めっき鋼板
において、タンク製造の際のプレス加工性、抵抗溶接性
および加工部耐食性にも優れた燃料タンク用防錆鋼板を
提供する。 【解決手段】 有機樹脂にシリカ、クロム酸塩を添加
して、シリカ添加量を重量にて、シリカ/(有機樹脂+
シリカ)=0.05〜0.45に、また、クロム酸塩添加
量を金属クロム換算で0.1〜60mg/m2にするとと
もに、被膜厚を0.1〜3.0μmにした。また、有機樹
脂被膜に高分子固体潤滑剤を添加して、添加量を重量に
て、高分子固体潤滑剤/(有機樹脂被膜+高分子固体潤
滑剤)=0.01〜0.20にした。
において、タンク製造の際のプレス加工性、抵抗溶接性
および加工部耐食性にも優れた燃料タンク用防錆鋼板を
提供する。 【解決手段】 有機樹脂にシリカ、クロム酸塩を添加
して、シリカ添加量を重量にて、シリカ/(有機樹脂+
シリカ)=0.05〜0.45に、また、クロム酸塩添加
量を金属クロム換算で0.1〜60mg/m2にするとと
もに、被膜厚を0.1〜3.0μmにした。また、有機樹
脂被膜に高分子固体潤滑剤を添加して、添加量を重量に
て、高分子固体潤滑剤/(有機樹脂被膜+高分子固体潤
滑剤)=0.01〜0.20にした。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、劣化ガソリンやアルコ
−ルを含有する燃料の貯蔵に使用しても内面が腐食され
ず、また、タンク製造の際のプレス加工性、抵抗溶接性
および加工部耐食性にも優れた燃料タンク用防錆鋼板に
関する。
−ルを含有する燃料の貯蔵に使用しても内面が腐食され
ず、また、タンク製造の際のプレス加工性、抵抗溶接性
および加工部耐食性にも優れた燃料タンク用防錆鋼板に
関する。
【0002】
【従来技術】自動車などの燃料タンクは、通常、鋼板を
切断して、プレス加工により燃料タンク部材を製造した
後、燃料タンク部材をシ−ム溶接やスポット溶接で接合
する工程で製造されるので、燃料タンク材としては、プ
レス加工性、抵抗溶接性を必要とする。また、自動車に
装着中に内面が腐食されると、腐食生成物により燃料循
環系統の目詰まりが生じたり、著しい場合には穴あきが
発生するので、材質的に耐食性に優れたものである必要
がある。このような特性を備えたものとしては、溶融P
b−Sn合金めっき鋼板(特公昭57−6133号公
報)や亜鉛めっき鋼板(特公昭53−19981号公
報)があり、従来より燃料タンクの製造に広く使用され
ている。
切断して、プレス加工により燃料タンク部材を製造した
後、燃料タンク部材をシ−ム溶接やスポット溶接で接合
する工程で製造されるので、燃料タンク材としては、プ
レス加工性、抵抗溶接性を必要とする。また、自動車に
装着中に内面が腐食されると、腐食生成物により燃料循
環系統の目詰まりが生じたり、著しい場合には穴あきが
発生するので、材質的に耐食性に優れたものである必要
がある。このような特性を備えたものとしては、溶融P
b−Sn合金めっき鋼板(特公昭57−6133号公
報)や亜鉛めっき鋼板(特公昭53−19981号公
報)があり、従来より燃料タンクの製造に広く使用され
ている。
【0003】しかし、溶融Pb−Sn合金めっき鋼板
は、燃料がガソリン単味であれば、優れた耐食性を発揮
するが、燃料がメタノ−ルやエタノ−ルのようなアルコ
−ル燃料あるいはこれとガソリンの混合燃料であると、
めっき層のPb−Sn合金がアルコ−ルにより腐食され
る。また、亜鉛めっき鋼板は燃料に粗悪ガソリンを使用
して、長期間高温多湿環境に放置したりすると、ガソリ
ンの酸化劣化により腐食性の強い蟻酸や酢酸のような腐
食性有機酸が生じて、内面に白錆が発生する。
は、燃料がガソリン単味であれば、優れた耐食性を発揮
するが、燃料がメタノ−ルやエタノ−ルのようなアルコ
−ル燃料あるいはこれとガソリンの混合燃料であると、
めっき層のPb−Sn合金がアルコ−ルにより腐食され
る。また、亜鉛めっき鋼板は燃料に粗悪ガソリンを使用
して、長期間高温多湿環境に放置したりすると、ガソリ
ンの酸化劣化により腐食性の強い蟻酸や酢酸のような腐
食性有機酸が生じて、内面に白錆が発生する。
【0004】そこで、このような問題のない燃料タンク
材として、AlまたはAl−Si系合金めっきを施した
Al系めっき鋼板(特公平4−68399号公報)また
はこれにエポキシ樹脂被覆を施した防錆鋼板(特開平6
−306638号公報)が提案されている。しかし、こ
れらの燃料タンク材はアルコ−ル燃料や腐食性有機酸に
対する耐食性に優れているものの、前者は燃料タンク部
材をCr−Cu合金などの電極や電極輪(以下単に電極
という)でスポット溶接やシ−ム溶接すると、電極がめ
っき層のAlをピックアップして、表層が次第にCu−
Al合金化し、脆くなるため、長時間連続溶接できなか
った。また、後者にしても、エポキシ樹脂が抵抗熱で瞬
時に分解、燃焼してしまい、電極がAlをピックアップ
し、同様の現象が生じるものであった。
材として、AlまたはAl−Si系合金めっきを施した
Al系めっき鋼板(特公平4−68399号公報)また
はこれにエポキシ樹脂被覆を施した防錆鋼板(特開平6
−306638号公報)が提案されている。しかし、こ
れらの燃料タンク材はアルコ−ル燃料や腐食性有機酸に
対する耐食性に優れているものの、前者は燃料タンク部
材をCr−Cu合金などの電極や電極輪(以下単に電極
という)でスポット溶接やシ−ム溶接すると、電極がめ
っき層のAlをピックアップして、表層が次第にCu−
Al合金化し、脆くなるため、長時間連続溶接できなか
った。また、後者にしても、エポキシ樹脂が抵抗熱で瞬
時に分解、燃焼してしまい、電極がAlをピックアップ
し、同様の現象が生じるものであった。
【0005】また、プレス加工で燃料タンク部材を製造
すると、上記両鋼板の加工部は酸化皮膜や樹脂被膜が除
去されて、表面が著しく活性化される場合があり、この
ような時にガソリン中に水分と共に微量の塩素(Cl-
濃度;10〜200ppm)が含まれていると、ガソリ
ン中の水分がpH6〜8であっても、プレス加工部が腐
食される。さらに、Al系めっき層やエポキシ樹脂は潤
滑性が劣るため、絞り比を2.3以上にすると、材料が
破断する場合もあった。
すると、上記両鋼板の加工部は酸化皮膜や樹脂被膜が除
去されて、表面が著しく活性化される場合があり、この
ような時にガソリン中に水分と共に微量の塩素(Cl-
濃度;10〜200ppm)が含まれていると、ガソリ
ン中の水分がpH6〜8であっても、プレス加工部が腐
食される。さらに、Al系めっき層やエポキシ樹脂は潤
滑性が劣るため、絞り比を2.3以上にすると、材料が
破断する場合もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、劣化ガソリ
ン、アルコ−ルを含有するガソリンに対する耐食性を有
し、燃料タンク製造の際の抵抗溶接性、加工部耐食性お
よびプレス加工性に優れた燃料タンク用防錆鋼板を提供
するものである。
ン、アルコ−ルを含有するガソリンに対する耐食性を有
し、燃料タンク製造の際の抵抗溶接性、加工部耐食性お
よびプレス加工性に優れた燃料タンク用防錆鋼板を提供
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、有機樹脂被膜
を被覆したAl系めっき鋼板において、有機樹脂被膜に
シリカ、クロム酸塩を添加して、シリカ添加量を重量比
にて、シリカ/(有機樹脂+シリカ)=0.05〜0.4
5に、また、クロム酸塩添加量を金属クロム換算で0.
1〜60mg/m2にするとともに、被膜厚を0.1〜
3.0μmにすることにより抵抗溶接性、加工部耐食性
を改善した。また、前記有機樹脂被膜に高分子固体潤滑
剤を添加して、添加量を重量比にて、高分子固体潤滑剤
/(有機樹脂被膜+高分子固体潤滑剤)=0.01〜0.
20にすることによりプレス加工性を改善した。
を被覆したAl系めっき鋼板において、有機樹脂被膜に
シリカ、クロム酸塩を添加して、シリカ添加量を重量比
にて、シリカ/(有機樹脂+シリカ)=0.05〜0.4
5に、また、クロム酸塩添加量を金属クロム換算で0.
1〜60mg/m2にするとともに、被膜厚を0.1〜
3.0μmにすることにより抵抗溶接性、加工部耐食性
を改善した。また、前記有機樹脂被膜に高分子固体潤滑
剤を添加して、添加量を重量比にて、高分子固体潤滑剤
/(有機樹脂被膜+高分子固体潤滑剤)=0.01〜0.
20にすることによりプレス加工性を改善した。
【0008】
【作用】本発明者らは、有機樹脂被膜被覆Al系めっき
鋼板のプレス加工性、抵抗溶接性および加工部耐食性を
改善すべく種々検討した結果、電極によるAlピックア
ップは有機樹脂被膜中にシリカとクロム酸塩を添加すれ
ばよいことを見いだした。すなわち、シリカとクロム酸
塩を添加すると、溶接時に有機樹脂が分解、燃焼して
も、両者がめっき層表面に残存して、バリヤ−の働きを
するため、めっき層のAlが電極にピックアップされ
ず、電極の合金化が防止される。なお、シリカとして
は、シリカゾル、シリカ粉末などを用いればよく、クロ
ム酸塩はクロム酸ナトリウム、クロム酸アンモニウム、
クロム酸バリウム、クロム酸ストロンチウムのような水
溶性のものを用いればよい。
鋼板のプレス加工性、抵抗溶接性および加工部耐食性を
改善すべく種々検討した結果、電極によるAlピックア
ップは有機樹脂被膜中にシリカとクロム酸塩を添加すれ
ばよいことを見いだした。すなわち、シリカとクロム酸
塩を添加すると、溶接時に有機樹脂が分解、燃焼して
も、両者がめっき層表面に残存して、バリヤ−の働きを
するため、めっき層のAlが電極にピックアップされ
ず、電極の合金化が防止される。なお、シリカとして
は、シリカゾル、シリカ粉末などを用いればよく、クロ
ム酸塩はクロム酸ナトリウム、クロム酸アンモニウム、
クロム酸バリウム、クロム酸ストロンチウムのような水
溶性のものを用いればよい。
【0009】また、本発明者らは、シリカとクロム酸塩
を複合添加すると、ガソリン中の微量塩素に対する加工
部耐食性も併せて改善されることを見いだした。シリカ
またはクロム酸塩の単独添加では耐食性改善効果は小さ
いが、両者を複合添加すると、大幅に向上する。
を複合添加すると、ガソリン中の微量塩素に対する加工
部耐食性も併せて改善されることを見いだした。シリカ
またはクロム酸塩の単独添加では耐食性改善効果は小さ
いが、両者を複合添加すると、大幅に向上する。
【0010】有機樹脂被膜中へのシリカ添加は、SiO
2換算の重量比にて、シリカ/(有機樹脂+シリカ)=
0.05〜0.45になるようにする。0.05未満であ
ると、めっき層Alのピックアップ性や加工部耐食性が
有機樹脂単独被膜の場合よりあまり向上せず、0.45
を超えると、クロム酸塩を同時に金属クロム換算で60
mg/m2添加した場合、被膜の潤滑性が低下して、プ
レス加工性が悪くなる。特に、0.45を超えると、後
述のような高分子固体潤滑剤を添加しても、添加による
プレス加工性の向上が認められなくなる。シリカ添加量
を0.30以上にすると、スポット溶接で連続4000
打点以上可能になる。
2換算の重量比にて、シリカ/(有機樹脂+シリカ)=
0.05〜0.45になるようにする。0.05未満であ
ると、めっき層Alのピックアップ性や加工部耐食性が
有機樹脂単独被膜の場合よりあまり向上せず、0.45
を超えると、クロム酸塩を同時に金属クロム換算で60
mg/m2添加した場合、被膜の潤滑性が低下して、プ
レス加工性が悪くなる。特に、0.45を超えると、後
述のような高分子固体潤滑剤を添加しても、添加による
プレス加工性の向上が認められなくなる。シリカ添加量
を0.30以上にすると、スポット溶接で連続4000
打点以上可能になる。
【0011】被膜中へのクロム酸塩添加量は、金属クロ
ム換算で0.1〜60mg/m2にする。0.1mg/m2
未満ではめっき層Alのピックアップ性や加工部耐食性
があまりなく、60mg/m2を超えると、シリカ添加
量が上記上限値の場合、プレス加工性が低下する。この
クロム酸塩の添加は好ましくは1〜45mg/m2、よ
り好ましくは3〜30mg/m2である。
ム換算で0.1〜60mg/m2にする。0.1mg/m2
未満ではめっき層Alのピックアップ性や加工部耐食性
があまりなく、60mg/m2を超えると、シリカ添加
量が上記上限値の場合、プレス加工性が低下する。この
クロム酸塩の添加は好ましくは1〜45mg/m2、よ
り好ましくは3〜30mg/m2である。
【0012】めっき層Alのピックアップ性や加工部耐
食性は、シリカやクロム酸塩の添加量を増大させる程向
上するので、添加量が多い程好ましいが、添加量の増大
は上記のようにプレス加工性の低下を招き、燃料タンク
部材が絞り比の大きいものの場合、材料が破断する。そ
こで、本発明者らは、シリカやクロム酸塩の添加量が多
い状態でプレス加工性を高めるべく検討した結果、高分
子固体潤滑剤を添加すればよいことを見いだしたのであ
る。
食性は、シリカやクロム酸塩の添加量を増大させる程向
上するので、添加量が多い程好ましいが、添加量の増大
は上記のようにプレス加工性の低下を招き、燃料タンク
部材が絞り比の大きいものの場合、材料が破断する。そ
こで、本発明者らは、シリカやクロム酸塩の添加量が多
い状態でプレス加工性を高めるべく検討した結果、高分
子固体潤滑剤を添加すればよいことを見いだしたのであ
る。
【0013】ここで、好ましい高分子固体潤滑剤として
は、連続プレス加工の際に金型温度が100℃近くまで
上昇するので、その温度で溶融してしまっては潤滑性を
発揮しないので、融点が100℃以上のもの、例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、フッ素
樹脂(例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフル
オロエチレン)などの樹脂粉末が望ましい。また、粒径
は平均粒径で1.0〜2.5μmのものを使用すれば、塗
膜より突出して、潤滑性を付与できる。高分子固体潤滑
剤は有機樹脂被膜中に均一に分散させる。なお、燃料タ
ンク部材の絞り比が小さいものの場合はこの高分子固体
潤滑剤を添加する必要がない。
は、連続プレス加工の際に金型温度が100℃近くまで
上昇するので、その温度で溶融してしまっては潤滑性を
発揮しないので、融点が100℃以上のもの、例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、フッ素
樹脂(例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフル
オロエチレン)などの樹脂粉末が望ましい。また、粒径
は平均粒径で1.0〜2.5μmのものを使用すれば、塗
膜より突出して、潤滑性を付与できる。高分子固体潤滑
剤は有機樹脂被膜中に均一に分散させる。なお、燃料タ
ンク部材の絞り比が小さいものの場合はこの高分子固体
潤滑剤を添加する必要がない。
【0014】高分子固体潤滑剤の添加量は、重量比に
て、高分子固体潤滑剤/(有機樹脂被膜+高分子固体潤
滑剤)=0.01〜0.20、好ましくは0.05〜0.1
5になるようにする。高分子固体潤滑剤は前記重量比で
0.30程度まで被膜中に安定的に分散可能であるが、
このように多く分散させると、最終工程で燃料タンク外
面にチッピング対策として塗布する塩化ビニルなどの塗
料の密着性が低下してしまうので、添加量はこのような
問題の生じない0.20以下にする。しかし、0.01未
満では添加効果が小さくなるので、0.01以上にす
る。
て、高分子固体潤滑剤/(有機樹脂被膜+高分子固体潤
滑剤)=0.01〜0.20、好ましくは0.05〜0.1
5になるようにする。高分子固体潤滑剤は前記重量比で
0.30程度まで被膜中に安定的に分散可能であるが、
このように多く分散させると、最終工程で燃料タンク外
面にチッピング対策として塗布する塩化ビニルなどの塗
料の密着性が低下してしまうので、添加量はこのような
問題の生じない0.20以下にする。しかし、0.01未
満では添加効果が小さくなるので、0.01以上にす
る。
【0015】被膜の有機樹脂は、特に制限はなく、エポ
キシ系、フェノキシ系、フェノ−ル系、ポリエステル
系、ポリウレタン系、フタル酸系、アクリル系、フッ
素、シリコ−ン系などの樹脂を使用できる。これらの樹
脂は1種または2種以上でもよいが、水系樹脂エマルジ
ョンをベ−スにしたものが好ましい。
キシ系、フェノキシ系、フェノ−ル系、ポリエステル
系、ポリウレタン系、フタル酸系、アクリル系、フッ
素、シリコ−ン系などの樹脂を使用できる。これらの樹
脂は1種または2種以上でもよいが、水系樹脂エマルジ
ョンをベ−スにしたものが好ましい。
【0016】被膜厚は、0.1μm未満であると、シリ
カやクロム酸塩を添加してあってもめっき層Alのピッ
クアップ性が向上せず、3.0μmを超えると、被膜が
絶縁体になり、抵抗溶接が困難になるので、0.1〜3.
0μmにする。なお、スポット溶接の場合はシ−ム溶接
のように電極で有機樹脂被膜を加圧して、薄くしないた
め、被膜厚が1.5μmを超えると、抵抗溶接が困難に
なる。このため、スポット溶接の場合は被膜厚を0.1
〜1.5μm、好ましくは0.7〜1.3μmにするのが
望ましい。
カやクロム酸塩を添加してあってもめっき層Alのピッ
クアップ性が向上せず、3.0μmを超えると、被膜が
絶縁体になり、抵抗溶接が困難になるので、0.1〜3.
0μmにする。なお、スポット溶接の場合はシ−ム溶接
のように電極で有機樹脂被膜を加圧して、薄くしないた
め、被膜厚が1.5μmを超えると、抵抗溶接が困難に
なる。このため、スポット溶接の場合は被膜厚を0.1
〜1.5μm、好ましくは0.7〜1.3μmにするのが
望ましい。
【0017】有機樹脂被膜を被覆するAl系めっき鋼板
としては、純Alめっき鋼板、Al合金めっき鋼板のい
ずれでもよい。後者のめっき合金としては、Al−(3
〜13%)Si系合金、Al−Zn系合金、Al−Zn
−Si系合金、Al−Mg系合金、Al−Mn系合金な
どが挙げられる。これらのAl系めっき鋼板は溶融めっ
き法、蒸着めっき法、溶融塩めっき法のいずれで製造さ
れたものでもよいが、純Alめっき鋼板は溶融めっき法
で製造すると、めっき層と鋼板との界面に延性の乏しい
Fe−Al合金層が厚く形成されるため、純Alめっき
鋼板は蒸着めっき法または溶融塩めっき法で製造したも
のを用いるのが好ましい。一方、Al合金めっき鋼板は
安価な溶融めっき法で製造できるので、このめっき法で
製造したものを用いるのが好ましい。Al系めっき鋼板
は被膜密着性を高めるため、前処理として、金属Cr換
算で5〜100mg/m2のクロメ−ト皮膜を形成した
ものが好ましい。
としては、純Alめっき鋼板、Al合金めっき鋼板のい
ずれでもよい。後者のめっき合金としては、Al−(3
〜13%)Si系合金、Al−Zn系合金、Al−Zn
−Si系合金、Al−Mg系合金、Al−Mn系合金な
どが挙げられる。これらのAl系めっき鋼板は溶融めっ
き法、蒸着めっき法、溶融塩めっき法のいずれで製造さ
れたものでもよいが、純Alめっき鋼板は溶融めっき法
で製造すると、めっき層と鋼板との界面に延性の乏しい
Fe−Al合金層が厚く形成されるため、純Alめっき
鋼板は蒸着めっき法または溶融塩めっき法で製造したも
のを用いるのが好ましい。一方、Al合金めっき鋼板は
安価な溶融めっき法で製造できるので、このめっき法で
製造したものを用いるのが好ましい。Al系めっき鋼板
は被膜密着性を高めるため、前処理として、金属Cr換
算で5〜100mg/m2のクロメ−ト皮膜を形成した
ものが好ましい。
【0018】
実施例1 極低炭素Ti添加冷延鋼板にAl−9%Si合金の溶融
めっきを施したAl系めっき鋼板(板厚0.8mm、め
っき付着量80g/m2)に、シリカゾル、クロム酸塩
を含有する水系有機樹脂組成物をバ−コ−ト法で塗布し
て、200℃で1分間加熱することにより被膜を硬化さ
せ、表1に示す防錆鋼板を製造した。そして、得られた
防錆鋼板に対して次のような抵抗溶接性、耐食性および
プレス加工性の試験を実施した。この結果を表2に示
す。 (1)抵抗溶接性試験 試験片を2枚重ねて、Cr−Cu合金電極でスポット溶
接を行った。スポット溶接は各試験片について予め適性
電流範囲、適性加重を求めた後溶接する方法で行い、連
続4000打点以上可能であったものを記号◎で、連続
4000打点未満、3000打点以上可能であったもの
を記号○で、連続3000打点未満しか溶接できなかっ
たものを記号×で評価した。
めっきを施したAl系めっき鋼板(板厚0.8mm、め
っき付着量80g/m2)に、シリカゾル、クロム酸塩
を含有する水系有機樹脂組成物をバ−コ−ト法で塗布し
て、200℃で1分間加熱することにより被膜を硬化さ
せ、表1に示す防錆鋼板を製造した。そして、得られた
防錆鋼板に対して次のような抵抗溶接性、耐食性および
プレス加工性の試験を実施した。この結果を表2に示
す。 (1)抵抗溶接性試験 試験片を2枚重ねて、Cr−Cu合金電極でスポット溶
接を行った。スポット溶接は各試験片について予め適性
電流範囲、適性加重を求めた後溶接する方法で行い、連
続4000打点以上可能であったものを記号◎で、連続
4000打点未満、3000打点以上可能であったもの
を記号○で、連続3000打点未満しか溶接できなかっ
たものを記号×で評価した。
【0019】(2)耐食性試験 試験片に円筒絞り加工(絞り比2.1、ブランク径φ8
4mm)を施した後、下記A〜Cの試験液に浸漬して、
試験液を1週間毎に取り替えながら10週間浸漬し、溶
出減量を測定した。そして、溶出減量が0.3g/m2未
満(試験液Cの場合は0.15g/m2未満)のものを記
号◎で、0.3g/m2以上、0.5g/m2未満(試験液
Cの場合は0.15g/m2以上、0.25g/m2未満)
のものを記号○で、0.5g/m2以上(試験液Cの場合
は0.25g/m2以上)のものを記号×で評価した。 試験液A;ガソリン50%と水(蟻酸350ppm含
有)50%の混合液 試験液B;メタノ−ル(蟻酸350ppm含有)85%
とガソリン15%の混合液 試験液C;ガソリン50%と水(Cl-50ppm含
有)50%の混合液
4mm)を施した後、下記A〜Cの試験液に浸漬して、
試験液を1週間毎に取り替えながら10週間浸漬し、溶
出減量を測定した。そして、溶出減量が0.3g/m2未
満(試験液Cの場合は0.15g/m2未満)のものを記
号◎で、0.3g/m2以上、0.5g/m2未満(試験液
Cの場合は0.15g/m2以上、0.25g/m2未満)
のものを記号○で、0.5g/m2以上(試験液Cの場合
は0.25g/m2以上)のものを記号×で評価した。 試験液A;ガソリン50%と水(蟻酸350ppm含
有)50%の混合液 試験液B;メタノ−ル(蟻酸350ppm含有)85%
とガソリン15%の混合液 試験液C;ガソリン50%と水(Cl-50ppm含
有)50%の混合液
【0020】(3)プレス加工性試験 試験片に円筒絞り加工(ポンチ径40mm)を施して、
限界絞り比が2.15以上のものを記号◎で、2.15未
満、2.1以上のものを記号○で、2.1未満のものを記
号×で評価した。
限界絞り比が2.15以上のものを記号◎で、2.15未
満、2.1以上のものを記号○で、2.1未満のものを記
号×で評価した。
【0021】
【表1】 (注1)シリカ添加量は重量によるシリカ/(有機樹脂
+シリカ)である。 (注2)クロム酸塩添加量(mg/m2)は金属Cr換算
値である。
+シリカ)である。 (注2)クロム酸塩添加量(mg/m2)は金属Cr換算
値である。
【0022】
【表2】
【0023】実施例2 実施例1で使用したAl系めっき鋼板にクロメ−ト処理
(クロム付着量20mg/m2)を施して、シリカゾ
ル、クロム酸塩およびポリエチレン樹脂粉末を含有する
水系有機樹脂組成物をバ−コ−ト法で塗布して、200
℃で1分間加熱することにより被膜を硬化させ、表3に
示す防錆鋼板を製造した。そして、得られた防錆鋼板に
対して次のような抵抗溶接性、耐食性およびプレス加工
性の試験を実施した。この結果を表4に示す。
(クロム付着量20mg/m2)を施して、シリカゾ
ル、クロム酸塩およびポリエチレン樹脂粉末を含有する
水系有機樹脂組成物をバ−コ−ト法で塗布して、200
℃で1分間加熱することにより被膜を硬化させ、表3に
示す防錆鋼板を製造した。そして、得られた防錆鋼板に
対して次のような抵抗溶接性、耐食性およびプレス加工
性の試験を実施した。この結果を表4に示す。
【0024】(1)抵抗溶接性試験 実施例1と同様に実施し、評価した。 (2)耐食性試験 試験片に円筒絞り加工(絞り比2.3、ブランク径φ8
4mm)を施した後、実施例1と同一条件で同様に溶出
減量を測定し、評価した。 (3)プレス加工性試験 試験片に円筒絞り加工(ポンチ径40mm)を施して、
限界絞り比が2.3以上のものを記号○で、2.3未満の
ものを記号×で評価した。
4mm)を施した後、実施例1と同一条件で同様に溶出
減量を測定し、評価した。 (3)プレス加工性試験 試験片に円筒絞り加工(ポンチ径40mm)を施して、
限界絞り比が2.3以上のものを記号○で、2.3未満の
ものを記号×で評価した。
【0025】
【表3】 (注1)シリカ添加量は重量によるシリカ/(有機樹脂
+シリカ)である。 (注2)クロム酸塩添加量(mg/m2)は金属Cr換算
値である。 (注3)ポリエチレン樹脂(PE)粉末添加量は重量によ
る高分子固体潤滑剤/(有機樹脂+高分子固体潤滑剤)
である。
+シリカ)である。 (注2)クロム酸塩添加量(mg/m2)は金属Cr換算
値である。 (注3)ポリエチレン樹脂(PE)粉末添加量は重量によ
る高分子固体潤滑剤/(有機樹脂+高分子固体潤滑剤)
である。
【0026】
【表4】 (注)比較例のNo.11とNo.15は絞り比2.3で
は加工できなかったため、耐食性試験を実施しなかっ
た。
は加工できなかったため、耐食性試験を実施しなかっ
た。
【0027】実施例3 実施例2において、Al系めっき鋼板として、極低炭素
Ti添加冷延鋼板にZn−55%Al合金の溶融めっき
を施し(板厚0.8mm、めっき付着量80g/m2)、
その後、クロメ−ト処理(クロム付着量20mg/
m2)を施したものを用いて、表3と同一の処理を施し
た。表5に抵抗溶接性、耐食性およびプレス加工性の試
験結果を示す。
Ti添加冷延鋼板にZn−55%Al合金の溶融めっき
を施し(板厚0.8mm、めっき付着量80g/m2)、
その後、クロメ−ト処理(クロム付着量20mg/
m2)を施したものを用いて、表3と同一の処理を施し
た。表5に抵抗溶接性、耐食性およびプレス加工性の試
験結果を示す。
【0028】
【表5】 (注)比較例のNo.21は絞り比2.3では加工できな
かったため、耐食性試験を実施しなかった。
かったため、耐食性試験を実施しなかった。
【0029】
【発明の効果】以上のように、本発明の燃料タンク用防
錆鋼板は、被覆有機樹脂被膜中にシリカとクロム酸塩と
を添加したものであるが、抵抗溶接性、加工部耐食性が
向上している。また、被覆有機樹脂被膜中に高分子固体
潤滑剤をさらに添加したものは、プレス加工性が向上し
ている。
錆鋼板は、被覆有機樹脂被膜中にシリカとクロム酸塩と
を添加したものであるが、抵抗溶接性、加工部耐食性が
向上している。また、被覆有機樹脂被膜中に高分子固体
潤滑剤をさらに添加したものは、プレス加工性が向上し
ている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 幸夫 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社技術研究所表面処理研究部内
Claims (2)
- 【請求項1】 有機樹脂被膜を被覆したAl系めっき
鋼板において、有機樹脂被膜にシリカ、クロム酸塩を添
加して、シリカ添加量を重量にて、シリカ/(有機樹脂
+シリカ)=0.05〜0.45に、また、クロム酸塩添
加量を金属クロム換算で0.1〜60mg/m2にすると
ともに、被膜厚を0.1〜3.0μmにしたことを特徴と
する燃料タンク用防錆鋼板。 - 【請求項2】 請求項1の鋼板において、有機樹脂被
膜に高分子固体潤滑剤を添加して、添加量を重量にて、
高分子固体潤滑剤/(有機樹脂被膜+高分子固体潤滑
剤)=0.01〜0.20にしたことを特徴とする燃料タ
ンク用防錆鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26788096A JPH1095436A (ja) | 1996-09-18 | 1996-09-18 | 燃料タンク用防錆鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26788096A JPH1095436A (ja) | 1996-09-18 | 1996-09-18 | 燃料タンク用防錆鋼板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1095436A true JPH1095436A (ja) | 1998-04-14 |
Family
ID=17450920
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26788096A Pending JPH1095436A (ja) | 1996-09-18 | 1996-09-18 | 燃料タンク用防錆鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1095436A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0916746A1 (en) * | 1996-07-31 | 1999-05-19 | Nippon Steel Corporation | Preservative steel plate having high resistance weldability, corrosion resistance and press formability for automobile fuel tanks |
-
1996
- 1996-09-18 JP JP26788096A patent/JPH1095436A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0916746A1 (en) * | 1996-07-31 | 1999-05-19 | Nippon Steel Corporation | Preservative steel plate having high resistance weldability, corrosion resistance and press formability for automobile fuel tanks |
EP0916746A4 (ja) * | 1996-07-31 | 1999-06-09 | ||
US6361881B1 (en) | 1996-07-31 | 2002-03-26 | Nippon Steel Corporation | Preservative steel plate having high resistance weldability, corrosion resistance and press formability for automobile fuel tanks |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020820 |