JPH1094239A - リニアモータ装置 - Google Patents

リニアモータ装置

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Publication number
JPH1094239A
JPH1094239A JP8246641A JP24664196A JPH1094239A JP H1094239 A JPH1094239 A JP H1094239A JP 8246641 A JP8246641 A JP 8246641A JP 24664196 A JP24664196 A JP 24664196A JP H1094239 A JPH1094239 A JP H1094239A
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JP
Japan
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teeth
stator
magnetic
magnetic pole
coil
Prior art date
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Pending
Application number
JP8246641A
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English (en)
Inventor
Yoshikazu Katayama
義和 片山
Eisaku Arai
栄作 新井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OKANO DENKI KK
Macome Corp
Original Assignee
OKANO DENKI KK
Macome Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リニアモータ装置における可動子の移動位置
を確認してその移動制御に利用し得る簡易な構成の高分
解能で、且つ高感度な位置検出機能を実現する。 【解決手段】 固定子の歯間の溝幅よりも狭く、且つ歯
の配列ピッチ以上の長さを有する磁極を備えたコイル素
子を、その磁極を歯の配列方向に沿わせて可動子に組み
込み、コイル素子を高周波駆動したときの該コイル素子
の磁気抵抗から前記磁極の前記固定子の歯に対する位置
を分解能良く検出する。また複数のコイル素子を歯の配
列ピッチの[1/4]のずれを持たせて平行に設けて位
置センサを構成し、磁気抵抗変化の位相差から前記可動
子の移動方向を判定する。更に一対のコイル素子を歯の
配列ピッチの[1/2]のずれを持たせて平行に配置
し、その出力を差動的に検出することで高感度化を図
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は固定子に対する可動
子の移動を簡易に、且つ確実に検出する機能を備えたリ
ニアモータ装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】近時、工作機械や製造装置等に平
面モータ(平面型リニアモータ)が幅広く利用されてい
る。この種の平面モータは、例えば図1および図2に概
略構成を示すように、平板状磁性材料からなる固定子1
と、この固定子1上に所定のギャップを介して対向配置
されたスライダ(可動子)5とからなる。そして該スラ
イダ5に組み込まれたフォーサ6の通電駆動により、ス
ライダ5を前記固定子1上において2次元的に移動する
如く構成されている。
【0003】尚、上記固定子1は、その主体部をなす平
板状の磁性板2の表面に所定の2次元配列ピッチで複数
の歯3を形成した構造を有する。具体的には上記歯3
は、固定子1の主体部をなす磁性板2の予め平坦化され
た表面に、所定幅の溝(凹部)を所定のピッチで縦横マ
トリックス状に形成することで、これらの溝に囲まれる
突起部として形成される。そして上記溝内には一般的に
合成樹脂等の非磁性材が充填され、固定子1の表面全域
が平坦な平滑面として加工される。また前記スライダ5
に組み込まれるフォーサ6は、互いに直角に配置される
X軸方向移動用のフォーサ6xと,Y軸方向移動用のフ
ォーサ6yとからなり、これらの各フォーサ6はそれぞ
れ対をなす電磁石7,7によって実現される。
【0004】このフォーサ6について簡単に説明する
と、図2に示すようにフォーサ6は、例えばsin電流
とcos電流とにより所定の位相差を以て通電駆動され
る一対(複数対)の電磁石7,7からなる。上記各電磁
石7,7はその磁極面に、前記固定子1の歯3に対応す
る歯8を所定のピッチで形成したものである。これらの
電磁石7,7は、その歯8が前記固定子1の歯3に対し
て所定のずれを持つように位置決めしてスライダ5に組
み込まれる。そしてフォーサ6は、前記電磁石7,7の
上述した所定の位相差を以った通電駆動と、前記歯8,
3間の位置ずれとの関係により該スライダ5と前記固定
子1との間に磁気的な変位力を生起し、この変位力によ
り前記スライダ5を移動させるものとなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところでリニアモータ
装置はその構造上、可動子5の慣性力がその駆動部分に
直接加わるため、起動/停止時に位置ずれが生じ易いと
言う問題がある。しかも可動子5が所定のエアギャップ
を介して固定子1上に対向配置されている構造なので、
可動子1が何らかの外的要因を受けたときにも位置変化
し易いと言う問題もある。特に可動子5の電磁石7,7
の磁極に対峙する固定子1の歯3の配列ピッチが小さい
とき、僅かな外的要因によって位置ずれが生じ易い。
【0006】そこで従来では、例えば固定子1の基準と
なる所定位置に接触式のリミットスイッチを設けてお
き、可動子5を上記所定位置に移動させたときに該可動
子5によってリミットスイッチが押圧されるか否かを調
べることによって位置ずれの判定がなされている。また
レーザ測長器を用いて可動子5の移動位置を計測しなが
ら、その位置ずれの有無を判定することも行われてい
る。しかし接触式のリミットスイッチを用いる場合、そ
の設置個所が可動子5の動きを妨げない位置、つまり固
定子1の周辺部に限られるので、位置ずれ検出のための
位置が制約されると言う問題がある。しかもレーザ測長
器を用いた場合には、装置が高価格となることが否めな
い。
【0007】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たもので、その目的は、可動子の移動量を確実に把握し
ながら、ひいてはその移動位置を確認しながら該可動子
の移動位置制御に利用することのできる機能を備えたリ
ニアモータ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
べく本発明に係るリニアモータ装置は、複数の歯を所定
の2次元配列ピッチでマトリックス状に形成した磁性材
料からなる固定子と、この固定子の歯面に所定のギャッ
プを介して対向配置されて電磁石の磁極を上記歯に対峙
させた可動子と、上記電磁石を通電制御して前記可動子
を前記固定子に対して移動させる駆動手段とを具備した
ものであって、前記固定子の歯間の溝幅よりも狭く、且
つ前記歯の配列ピッチ以上のライン長を有する磁極を備
え、該磁極を前記歯の配列方向に沿わせて前記固定子の
歯面に所定のギャップを介して対峙させたコイル素子を
備えた位置センサを前記可動子に組み込み、上記コイル
素子を高周波駆動したときの該コイル素子の磁気抵抗か
ら前記磁極の前記固定子の歯に対する位置を検出する検
出回路を備えて、前記可動子の移動に伴う上記磁気抵抗
の変化の回数からその移動長を検出するようにしたこと
を特徴とするものである。
【0009】具体的には、例えば固定子の歯間の溝幅の
[1/10]程度の幅で、且つ歯の配列ピッチの整数倍
の長さの磁極を備えたコイル素子を前記可動子に組み込
み、上記コイル素子の磁極を前記歯の配列方向に沿わせ
て前記固定子の歯面に対峙させる。そして上記コイル素
子を高周波駆動したときに前記磁極が前記固定子の歯に
対峙するか、或いは前記歯間の溝に対峙するかによって
変化する前記コイル素子の磁気抵抗から、前記歯面に対
する磁極の位置、ひいては固定子に対する可動子の位置
を検出し、更には上記磁気抵抗の変化を計数することで
前記磁極の幅方向への移動長(移動距離)を検出するこ
とを特徴としている。
【0010】また請求項2に記載するように、複数のコ
イル素子を、その磁極のライン方向(長手方向)と交差
する方向(磁極の幅方向)に所定の距離、例えば前記歯
の配列ピッチの[1/4]のずれを持たせて平行に設け
て位置センサを構成し、これらの各コイル素子から検出
される磁気抵抗変化の位相差から前記可動子の移動方向
を判定するようにしたことを特徴としている。
【0011】更に請求項3に記載するように、前記位置
センサを、前記固定子の歯の2次元配列方向に沿って互
いに直交させてそれぞれ設け、これらをX軸方向用セン
サおよびY軸方向用センサとしたことを特徴としてい
る。また請求項4に記載するように、前記固定子の歯の
歯幅と歯間の溝幅が等しいとき、一対のコイル素子を、
その磁極のライン方向と交差する方向に前記配列ピッチ
の[1/2]のずれを持たせて平行に設けて位置センサ
とし、上記一対のコイル素子から検出される磁気抵抗の
差分を位置検出出力とすることで、高感度な検出を可能
としたことを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
るリニアモータ装置の一実施形態について説明する。こ
の装置は、基本的には前述した図1および図2に示した
モータ構造を有する固定子1と可動子5とからなるリニ
アモータ装置であって、特に図3にその特徴的な構成を
模式的に示すように、前記可動子5にコイル素子11を
主体とする位置センサ12を組み込んだことを特徴とし
ている。上記コイル素子11は、高透磁率のヨーク11
aにコイル11bを巻装した構造を有する、所謂高周波
型近接スイッチであって、前記コイル11bを高周波駆
動したとき上記ヨーク11aの端部(磁極)の近傍に磁
性体が存在するか否かに応じてその磁気回路を変化させ
る。
【0013】特にこの実施形態に係るコイル素子11
は、前記固定子1の歯3をその配列ピッチP以下の精度
で高性能に検出し得る分解能を実現するべく、その歯面
に対峙させる磁極の形状(ヨーク11aの端面形状)
を、前記固定子1の歯3間に形成される溝幅よりも狭い
幅で、且つ前記歯3の配列ピッチPの整数倍のライン長
を持つものとして構成されている。そしてその磁極を前
記歯3の配列方向に沿わせて、前記固定子1の歯面に所
定のエアギャップを介して対峙させて、前記可動子5に
組み込まれる。具体的には前記歯3が幅0.5mm,その
配列ピッチPが1mmである場合、コイル素子11の磁極
の大きさは幅0.05mm,長さ4mmに設定され、固定子
1の歯面に対して0.1mm以下のギャップを介して対峙
される。そして可動子5の移動に伴い、前記コイル素子
11の磁極が複数の歯3に跨って対峙するか、或いは磁
極の全域が前記歯3間の溝部に対峙するかにより、磁極
の幅方向の位置が検出されるようになっている。
【0014】このようなコイル素子11を主体とする位
置センサ12は、固定子1の2次元配列された歯3の配
列方向に沿って、図4に示すようにその磁極の向きを互
いに直交させて2組設けられ、各磁極の幅方向への移
動、つまり歯3の2次元配列された各方向への移動をそ
れぞれ検出する為のX軸方向用位置センサ12xおよび
Y軸方向用位置センサ12yとして用いられる。
【0015】ここで前記コイル素子11による位置検出
作用について簡単に説明すると、図5に例示するよう
に、高周波駆動されるコイル素子11の磁極が、固定子
1の溝部に対峙する場合と、歯3に対峙する場合とで、
該コイル素子11によって形成される磁気回路に違いが
生じる。ちなみにコイル素子11の磁極が固定子1の溝
部に対峙する場合には、図5(a)に示すようにヨーク1
1aの端部(磁極)から出た磁束はその周囲の空気路を
伝播して該ヨーク11aの他端部に入り、ヨーク11a
を通る磁束Φ1は、 Φ1 = N・I/(RY+RA) となる。但し、上式においてNはコイルの巻数,Iはコ
イルの電流,RYはヨークの磁気抵抗,RAは空気路の磁
気抵抗である。そして上記ヨーク11aの磁気抵抗RY
は、空気路の磁気抵抗RAが非常に大きく、またヨーク
11aの透磁率も大きいので、非常に小さな値となる
(RY ≪ RA)。
【0016】これに対してコイル素子11の磁極が固定
子1の歯3に対峙した場合には、図5(b)に示すように
ヨーク11aの端部(磁極)から出た磁束は歯3を通し
て固定子1内に入り込んだ後、その周囲の空気路を伝播
して該ヨーク11aの他端部に戻る。この場合における
ヨーク11aを通る磁束Φ2は、 Φ2 = N・I/(RY+RG+RP+RA') となる。但し、RGはヨーク11aと固定子1の歯3と
の間のギャップGにおける磁気抵抗,RPは固定子1の
磁気抵抗である。
【0017】ここで上記ギャップGが十分に小さくてそ
の磁気抵抗RGが事実上無視でき、また純鉄からなる固
定子1の磁気抵抗RPも十分に小さいとすれば、その磁
気回路が固定子11を介して形成される分だけ空気路の
磁気抵抗RA'が小さくなるので、 RY+RA > RY+RG+RP+RA' となり、両者の磁束の関係は、 Φ1 < Φ2 となる。つまりコイル素子11の磁極が歯3に対峙する
と、上述した磁気抵抗の低下に伴って磁束が増え、コイ
ル11bのインダクタンスLが大きくなる。
【0018】尚、コイル素子11からの磁束を受けて固
定子1(歯3)の表面に生じる渦電流は、上記インダク
タンスLを減少させる作用を持ち、上記磁気抵抗の低減
効果と逆に作用する。しかしこの渦電流の影響を小さく
し、前記磁気抵抗の低減効果だけを強く作用させるに
は、例えばコイル素子11を駆動する高周波電流の周波
数を多少低めに設定して、渦電流の発生を抑えるように
すれば良い。
【0019】かくして上述した如く作用するコイル素子
11を位置センサ2として可動子5に組み込んでなるリ
ニアモータ装置によれば、コイル素子11の磁極が固定
子1の歯3に対峙しているか、或いは歯3間の溝に対峙
しているかを分解能良く検出することができる。特に磁
極の幅が上記歯3間の溝幅よりも狭く設定されているの
で、具体的には溝幅の[1/10]程度に設定している
ので、歯3からの磁気的な影響を抑えてその溝を確実に
検出することが可能となる。また磁極の長さについて
は、歯3の配列ピッチよりも十分長く設定しているの
で、具体的に配列ピッチPの整数倍に設定しているの
で、歯3と磁極との位置関係が該磁極の長手方向に多少
ずれても磁気抵抗の変化が殆ど生じないので、歯3の存
在を確実に検出することができる。
【0020】尚、上述した説明では、コイル素子11の
片側の磁極だけを固定子1に対峙させたが、図6に例示
するようにコイル素子11の両磁極を固定子1に対峙さ
せるようにその構造を変えても良い。このような磁極構
造とすれば、歯3に対峙した状態における前述した空気
路をギャップGだけとし、空気路の磁気抵抗RA'を実質
的になくすことができるので、ヨーク11aと固定子1
との磁気的結合を密にしてその検出感度を高めることが
可能となる。この場合においても、前記各磁極の長さを
歯3の配列ピッチPの整数倍に設定することが望まし
い。また両磁極をその長手方向に沿って一直線に配置
し、歯3の配列に対して同一位置を検出するようにする
ことは勿論のことである。
【0021】さて図7は前記コイル素子11を高周波駆
動し、磁極に対峙する歯3の存在によって変化するコイ
ル11bのインダクタンスを検出する検出回路の基本的
な構成を示す図である。この図7に示すように、検出回
路はコイル(L1)11bに高周波電流を供給する高周波
発振器(OSC)21と、前記コイル11bに直列に介装
された検出抵抗(R1)22と、この検出抵抗22の両端
間に生じる高周波電圧V1を包絡線検波するダイオード
(D1),コンデンサ(C1),抵抗(R2)とからなる検波
回路23と、その検波出力V2のレベルを所定の判定閾
値VTHにて比較判定するレベル判定器24とからなる。
【0022】しかして固定子1に対して可動子5が一定
の速度で移動し、コイル素子11の磁極が固定子1の歯
3の並び位置から溝の位置へと交互に横切るとき、前述
したコイル素子11の磁気抵抗変化に伴うインダクタン
スの変化により、検出抵抗22の両端に生じる高周波電
圧V1は、図8(a)に示すように変化する。そして磁極
が歯3の並びの中心線上に位置したとき、その高周波電
圧V1は最大レベルとなり、逆に溝の中心位置に対峙し
たとき、その高周波電圧V1は最小レベルとなる。この
ような高周波電圧V1のレベル変化を検波回路23を介
して包絡線検波すると、その検波出力V2は図8(b)に
示すようになり、これを前記レベル判定器24において
所定の判定閾値VTH、例えば前記包絡線成分の中心レベ
ルで判定すれば、図8(c)に示すように歯3および歯3
間の溝に対応した検出出力を得ることができる。
【0023】かくしてこのような検出出力をモニタすれ
ば、コイル素子11の磁極が固定子1の歯3の並び位置
に対峙しているか、或いは溝上に対峙しているかを分解
能良く検出することができる。また上記検出出力の変化
の回数を計数すれば、歯3の配列ピッチPと相俟って、
その移動長(移動距離)を計測することができ、更には
その変化の速度を計測すれば、可動子5の移動速度等を
検出することも可能となる。この結果、例えば固定子1
上の予め設定された基準位置に可動子5を位置付けた
後、可動子5の移動に伴う上記検出出力の変化の回数を
計測し、また検出出力のレベルを判定すれば、固定子1
に対する可動子5の移動位置を検出することが可能とな
り、ここに簡易にして高精度な位置検出が可能となる。
【0024】ところで固定子1の歯3の歯幅が、その配
列ピッチPの[1/2]に設定されている場合、即ち、
歯3の歯幅と歯3間の溝幅とが等しい場合、例えば図9
に示すように2つのコイル素子(L1,L2)11を用
い、これらのコイル素子11を平行に、且つ前記配列ピ
ッチPの[1/2]のずれを持たせて配置するようにす
れば良い。具体的には、その間の距離Qを Q = (1+2n) P/2 n=0,1,2,3,… として設定するようにすれば良い。2つのコイル素子
(L1,L2)11を上述した如く配置すれば、一方の
コイル素子11が歯3に対峙しているとき、他方のコイ
ル素子11は必ず溝に対峙することになるので、各コイ
ル素子11からそれぞれ検出される電圧V2は丁度逆相
となる。
【0025】従って図10に例示するように、各コイル
素子11から検波回路23をそれぞれ介して検出される
電圧出力V2a,V2bの差分(差電圧)VDEFを作動増幅器
25を介して検出し、その出力をレベル判定器24を介
して判定して、その位置検出を行うようにすれば良い。
この場合におけるレベル判定閾値VTHとしては、前記各
検波回路23によってそれぞれ検出されるコイル素子1
1からの検出出力(電圧出力V2a,V2b)が、図11
(a)(b)にそれぞれ示すように逆相になり、その差分
(差電圧)VDEFが図11(c)に示すように零交差して
反転する正負対称な電圧波形となるので、その零交差レ
ベル[0]として設定すれば良い。
【0026】かくしてこのようにして2つのコイル素子
11を用い、その差動出力VDEFを求めて位置検出する
ように位置センサ12を構成すれば、その検出感度を効
果的に高めることができる。従って前述した分解能の向
上と相俟って、精度の高い位置検出が可能となる。しか
も個々のコイル素子11から検出される検出出力V2
は、固定子1とのギャップGやその駆動周波数、振幅変
化によって変動しやすいが、上述した差動処理によって
上記動作環境の変化に起因する揺らぎを相殺することが
できるので、安定した位置検出が可能となる等の効果が
奏せられる。
【0027】ところで上述した実施形態に係る位置セン
サ12にあっては、可動子5の移動に伴うコイル素子1
1の磁気抵抗変化を、検波回路23の出力電圧V2の変
化、または差動増幅器25の出力電圧VDEFの変化とし
て検出しているに過ぎないので、その検出位置が固定子
1の歯3の並びの位置であるか、或いは溝の位置である
かの状態しか判定することができない。従って上記出力
電圧V2,VDEFの変化を弁別し、その回数を計数しただ
けでは可動子5の移動の向き、ひいてはその移動の向き
の変化を知ることはできない。
【0028】そこでこのような移動の向きまでも併せて
検出するべく、例えば前述した如く構成される2つ(2
組)の位置センサ12を用い、これらの対をなす位置セ
ンサ12を、例えば図12に示すように前記歯3の配列
ピッチPに対して[1/4]のずれを持たせて平行に配
置し、その検出出力の位相を比較判定するように構成す
る。即ち、図12に示すように2つのコイル素子(L
1,L2)11からなる第1の位置センサ12と、2つ
のコイル素子(L3,L4)11からなる第2の位置セ
ンサ12を準備し、これらの位置センサ12を並行に配
置する。そして図13に示すように、各位置センサ12
の出力を、前記検波回路23および差動増幅器25から
なる差動検出回路26にて分解能良く、且つ高感度にそ
れぞれ検出し、その出力を位相比較器27にて判定する
ように構成する。
【0029】かくしてこのよう構成した検出回路によれ
ば、可動子5の移動に伴う前記第1の位置センサ12の
出力(A相)と第2の位置センサ12の出力(B相)と
が、図14に示すようにその配置のずれに起因して[1
/4]ピッチのずれをもって変化するので、A相に対し
てB相が進んでいるか(遅れているか)否かを判定する
ことにより、その移動の向きを検知することが可能とな
る。またその位相関係が反転することにより、可動子5
の移動の向きの変化(前進/後退)を検出することが可
能となる。
【0030】従ってこのような移動の向きの判定結果に
従って、前述した位置センサ12の出力変化の計数処理
を、アップカウントまたはダウンカウント制御すれば、
可動子5の移動方向と共に、その移動距離を正確に検出
することが可能となる。つまり基準位置からの移動距離
を正確に検出し、固定子1上における可動子の位置を確
実に把握することが可能となる。これ故、従来のように
高価なレーザ測長器を用いなくても、簡易な構成で、し
かも正確に可動子5の移動位置を制御し、その位置ずれ
を補償すること等が可能となる。
【0031】尚、本発明は上述した実施形態に限定され
るものではない。例えばコイル素子11の磁極の長さと
しては、少なくとも歯3の配列ピッチ長を確保しておけ
ば十分である。またこの実施形態では平行に配置した2
つのコイル素子11にて1つの位置センサ12を実現す
るようにしたが、歯3と溝との幅に応じて3つ以上のコ
イル素子11を並行に設けて位置センサ12を構成し、
その分解能と検出感度を高めるようにしても良い。更に
は位置センサ12を3組以上設けることで、その間の位
相差をより正確に検出するようにすることも可能であ
る。
【0032】また可動子5の移動によるコイル素子11
(位置センサ12)の出力電圧の変化が、その移動距離
に対して三角関数の関係を有するならば、例えば図12
に示す如き配置された第1および第2の位置センサ1
2,12の各出力電圧波形VDEFから、各位置センサ12
の位置を三角関数に基づく内挿演算により、より分解能
良く求めることができる。従ってこのような内挿演算の
手法を採用すれば、更にその分解能を高めて固定子1に
対する可動子5の位置を高精度に検出することが可能と
なる。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種
々変形して実施することができる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、複数の歯
を所定の2次元配列ピッチでマトリックス状に形成した
磁性材料からなる固定子と、この固定子の歯面に所定の
ギャップを介して対向配置されて電磁石の磁極を上記歯
に対峙させた可動子と、上記電磁石を通電制御して前記
可動子を前記固定子に対して移動させる駆動手段とを具
備したリニアモータ装置において、前記固定子の歯間の
溝幅よりも狭く、且つ前記歯の配列ピッチ以上のライン
長を有する磁極を備えたコイル素子を、その磁極を前記
歯の配列方向に沿わせて前記固定子の歯面に所定のギャ
ップを介して対峙させて前記可動子に組み込み、上記コ
イル素子を高周波駆動したときの該コイル素子の磁気抵
抗から前記磁極の前記固定子の歯に対する位置を検出す
るようにしている。
【0034】従って本発明によれば固定子に対する可動
子の位置を、簡易な構造のコイル素子と、このコイル素
子を高周波駆動する検出回路とにより、分解能良くしか
も高感度に検出することができ、前記可動子の移動制御
に有効に活用することが可能となる。また請求項2に記
載するように、複数のコイル素子をその磁極の長手方向
と交差する方向(磁極の幅方向)に、固定子の歯の配列
ピッチの[1/4]のずれを持たせて平行に設け、各コ
イル素子から検出される磁気抵抗変化の位相差を判定す
るので、可動子の移動距離を検出することのみならず、
その移動の向きも効果的に判定することができる。更に
請求項3に記載するように、コイル素子を主体とする位
置センサを、前記固定子の歯の2次元配列方向に沿って
互いに直交させてそれぞれ設け、これらをX軸方向用セ
ンサおよびY軸方向用センサとしているので、可動子の
移動を2次元的に効率良く検出することができる。
【0035】また請求項4に記載するように、前記固定
子の歯の歯幅と歯間の溝幅が等しいとき、一対のコイル
素子を、その磁極のライン方向と交差する方向に前記配
列ピッチの[1/2]のずれを持たせて平行に設けて位
置センサとし、上記一対のコイル素子から検出される磁
気抵抗の差分を求めるので、動作条件に左右されること
なしに高い分解能を維持しながら、その検出感度を向上
させ得る等の効果が奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】リニアモータ装置の平面構成を概略的に示す
図。
【図2】リニアモータ装置の駆動部の構成を模式的に示
す図。
【図3】本発明の一実施形態に係るリニアモータ装置に
おける特徴的部分の構成を模式的に示す斜視図。
【図4】図3に示すコイル素子の固定子に対する平面的
な配置関係を示す図。
【図5】コイル素子による歯の検出作用を模式的に示す
図。
【図6】コイル素子の高感度化を図るに好適な磁極形状
を示す図。
【図7】コイル素子を高周波駆動し、その磁気抵抗変化
を検出する検出回路の基本的な構成例を示す図。
【図8】高周波駆動されたコイル素子の可動子の移動に
伴う出力電圧変化とその検出作用を示す図。
【図9】差動検出による高感度化を図った位置センサを
構成するコイル素子の配置を示す図。
【図10】図9に示す位置センサによる差動検出回路の
構成例を示す図。
【図11】図10に示す差動検出回路における2つのコ
イル素子を用いた差動検出作用を示す図。
【図12】可動子の移動方向検出の為の位置センサの配
置構造を示す図。
【図13】図12に示す位置センサに対する位相差検出
回路の構成例を示す図。
【図14】可動子の移動に伴う2つの位置センサの出力
A,Bの変化の様子を示す図。
【符号の説明】
1 固定子 3 歯(2次元配列) 5 可動子(スライダ) 7 電磁石 11 コイル素子 11a ヨーク(磁極) 11b コイル(インダクタンス) 12 位置センサ 21 高周波発振器(OSC) 22 検出抵抗 23 包絡線検波回路 24 レベル判定器 25 差動増幅器 26 差動検出回路 27 位相比較回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の歯を所定のピッチで2次元配列し
    て形成した磁性材料からなる固定子と、この固定子に所
    定のギャップを介して対向配置されて電磁石の磁極を上
    記歯に対峙させた可動子と、上記電磁石を通電制御して
    前記可動子を前記固定子に対して移動させる駆動手段
    と、前記可動子に組み込まれて該可動子の前記固定子に
    対する位置を検出する位置センサとを具備し、 前記位置センサは、前記固定子の歯間の溝幅よりも狭
    く、且つ前記歯の配列ピッチ以上のライン長を有する磁
    極を備え、該磁極を前記歯の配列方向に沿わせて前記固
    定子の歯面に所定のギャップを介して対峙させたコイル
    素子からなり、 このコイル素子を高周波駆動したときの該コイル素子の
    磁気抵抗から前記磁極の前記固定子の歯に対する位置を
    検出し、前記可動子の移動に伴う上記磁気抵抗の変化の
    回数からその移動長を検出する検出回路を備えたことを
    特徴とするリニアモータ装置。
  2. 【請求項2】 前記位置センサは、その磁極のライン方
    向と交差する方向に前記固定子の歯の配列ピッチに対し
    て所定のずれを持たせて平行に設けられた複数のコイル
    素子からなり、前記検出回路は上記各コイル素子から検
    出される磁気抵抗の位相差から前記可動子の移動方向を
    判定する手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載
    のリニアモータ装置。
  3. 【請求項3】 前記位置センサは、前記固定子の歯の2
    次元配列方向に沿って互いに直交して設けられたX軸方
    向用センサおよびY軸方向用センサからなることを特徴
    とする請求項1に記載のリニアモータ装置。
  4. 【請求項4】 前記固定子の歯の歯幅と歯間の溝幅とが
    等しいとき、前記位置センサは、その磁極のライン方向
    と交差する方向に前記配列ピッチの[1/2]のずれを
    持たせて平行に設けられた一対のコイル素子からなり、
    前記検出回路は上記一対のコイル素子からそれぞれ検出
    される磁気抵抗の差分を位置検出出力とすることを特徴
    とする請求項1に記載のリニアモータ装置。
JP8246641A 1996-09-18 1996-09-18 リニアモータ装置 Pending JPH1094239A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004085440A (ja) * 2002-08-28 2004-03-18 Yaskawa Electric Corp Dna自動増幅解析装置
WO2007135006A1 (de) * 2006-05-22 2007-11-29 Ina Drives & Mechatronics Gmbh & Co. Ohg Planarer direktantrieb und dazugehöriger sensoreinheit

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JP2004085440A (ja) * 2002-08-28 2004-03-18 Yaskawa Electric Corp Dna自動増幅解析装置
WO2007135006A1 (de) * 2006-05-22 2007-11-29 Ina Drives & Mechatronics Gmbh & Co. Ohg Planarer direktantrieb und dazugehöriger sensoreinheit

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