JPH1090548A - 光ファイバカプラおよびその製造方法 - Google Patents

光ファイバカプラおよびその製造方法

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JPH1090548A
JPH1090548A JP9177431A JP17743197A JPH1090548A JP H1090548 A JPH1090548 A JP H1090548A JP 9177431 A JP9177431 A JP 9177431A JP 17743197 A JP17743197 A JP 17743197A JP H1090548 A JPH1090548 A JP H1090548A
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optical fibers
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文生 鈴木
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佐々木  秀樹
Shigefumi Yamazaki
成史 山崎
Tomio Azebiru
富夫 畔蒜
Ryozo Yamauchi
良三 山内
Akira Wada
朗 和田
Kenji Nishide
研二 西出
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    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/24Coupling light guides
    • G02B6/26Optical coupling means
    • G02B6/28Optical coupling means having data bus means, i.e. plural waveguides interconnected and providing an inherently bidirectional system by mixing and splitting signals
    • G02B6/2804Optical coupling means having data bus means, i.e. plural waveguides interconnected and providing an inherently bidirectional system by mixing and splitting signals forming multipart couplers without wavelength selective elements, e.g. "T" couplers, star couplers
    • G02B6/2821Optical coupling means having data bus means, i.e. plural waveguides interconnected and providing an inherently bidirectional system by mixing and splitting signals forming multipart couplers without wavelength selective elements, e.g. "T" couplers, star couplers using lateral coupling between contiguous fibres to split or combine optical signals
    • G02B6/2835Optical coupling means having data bus means, i.e. plural waveguides interconnected and providing an inherently bidirectional system by mixing and splitting signals forming multipart couplers without wavelength selective elements, e.g. "T" couplers, star couplers using lateral coupling between contiguous fibres to split or combine optical signals formed or shaped by thermal treatment, e.g. couplers

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シングルモード光ファイバを融着延伸してな
る光ファイバカプラにおける、偏光状態による挿入損失
の変動(PDL)を抑えることができるようにする。 【解決手段】 2本のシングルモード光ファイバ1,2
を平行に配し、その長さ方向の1カ所を加熱融着延伸し
て光ファイバカプラを製造する際に、融着延伸部分3の
光結合部3’に捻りを加えて、光ファイバ1,2の長さ
方向に垂直な面内で2本の光ファイバ1,2の中心を結
ぶ方向が、光結合部3’の両側で90度異なるようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシングルモード光フ
ァイバを融着延伸してなる融着延伸型光ファイバカプラ
に関し、特に偏波依存性を改善できるようにした光ファ
イバカプラおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光通信、光機器、光ファイバセンサ等に
おいて、光ファイバ内を伝送される光信号を分岐、ある
いは合流する目的で、シングルモード光ファイバを融着
延伸してなる融着延伸型光ファイバカプラ(以下、単に
光ファイバカプラという)が使用される。図12は、従
来の光ファイバカプラの例を示した斜視図である。図中
1,2は光ファイバ、1a,2aはクラッド、3は融着
延伸部分をそれぞれ示す。またP 1,P2,P3,P4はそ
れぞれポートを示す。
【0003】このような光ファイバカプラは、通常、次
のようにして製造される。まず、2本のプラスチック被
覆されたシングルモード光ファイバ1,2を用意し、各
光ファイバ1,2の中央部分の被覆層を除去して、光フ
ァイバクラッド1a,2aを剥き出しにする。次いで、
2本の光ファイバ1,2を平行に、かつ被覆層を除去し
た部分の位置が一致するように光ファイバカプラ製造装
置にセットする。ここで用いられる光ファイバカプラ製
造装置は光ファイバ1,2を長さ方向に引っ張る駆動装
置付ステージを有するものである。そして被覆層を除去
した部分において、2本の光ファイバのクラッド1a,
2aの表面どうしが接触するように、被覆層を除去した
部分の両端部で2本の光ファイバを接着剤や紐などで固
定する。この状態で、クラッド1a,2aどうしが接触
している部分の中央部をガスバーナや電気ヒーターを用
いて加熱し、クラッド1a,2aどうしを融着させる。
さらに加熱しながら、2本の光ファイバの融着部分3を
長さ方向に引っ張って延伸する。このようにして延伸す
るに従って、融着延伸部分3では光結合が発生する。す
なわち光ファイバ1,2の一端側の2本のポートP1
2のうちの1本に光を入射すると、融着延伸部分3に
おける光結合によって、入射光の何%かが隣の光ファイ
バに結合し、他端側の2本のポートP3,P4両方から光
が出射するようになる。したがって、出射側の光出射量
を測定しながら延伸を行い、目的の光結合量が得られた
時点で延伸を終了する。この後、融着延伸部分3を、耐
環境特性を安定化させるために、保護容器に収納して光
ファイバカプラが得られる。
【0004】このように、2本の光ファイバを融着延伸
してなる光ファイバカプラでは、融着延伸部分3で光結
合が生じ、この光結合によって、光ファイバカプラの機
能である光の分岐、合流が得られる。しかしながら、最
近、光源にレーザーを用いる通信システムでは、光ファ
イバカプラの光結合度が入射光の偏波状態に依存するこ
とが問題になってきた。すなわち、入射側のポートP1
から光を入射して、出射側のポートP3又はP4から光が
出射した時のカプラの挿入損失が、入射される光の偏光
状態によって変動するという問題があった。特に光ファ
イバカプラを多段に複数個使用するようなシステムで
は、この偏光状態による挿入損失変動が加算されてしま
うため大きな問題となる場合がある。このような偏光状
態に依存する挿入損失の変動はPDL(Polarization D
pendent Loss)と呼ばれている。そして上述したような
従来の方法で製造された光ファイバカプラにあっては、
以下の理由で、このPDLが避けられなかった。
【0005】図13は、図12に示した光ファイバカプ
ラの融着延伸部分3の光結合部のC−C線に沿う断面図
である。この断面図における座標軸を、光ファイバカプ
ラを構成している2本の光ファイバ1,2のうち一方の
光ファイバ1の軸を原点とし、光ファイバ長さ方向をZ
軸、このZ軸に直交する面内で2本の光ファイバ1,2
の中心を結ぶ方向をX軸、これに直交する方向をY軸と
する。そして、このような光結合部に入射側の1つのポ
ートP1から各種の偏光状態で光が入射した場合を考え
る。例えば、図14はX方向に偏光した直線偏光が入射
した場合を示し、図15はY方向に偏光した直線偏光が
入射した場合を示している。これらの図において矢印は
入射光および隣の光ファイバに結合した結合光の偏光方
向を示している。光結合部ではコア/クラッド構造が非
対称となっているため、X,Y偏光モードの縮退が解け
て伝搬定数に差が生じた結果、光結合が最大/最小とな
る波長に差が生じてPDLが発生する。その結果、光フ
ァイバカプラからの出射光の分岐比は、入射光の偏光状
態に対応して変化し、例えば図16に示すように、X偏
光とY偏光とで異なってくる。よって、ポートP1と、
ポートP3又はポートP4間のカプラの挿入損失は、入射
光の偏光状態によって変動し、PDLが生じる。ここ
で、分岐比は、例えばポートP1から光を入射したとき
のポートP3からの出射光をp3、ポートP4からの出射
光をp4するとき、次式で与えられる。 分岐比(%)={p4/(p3+p4)}×100
【0006】
【発明が解決しようとする課題】よってこの発明におけ
る課題は、シングルモード光ファイバを融着延伸してな
る光ファイバカプラにおける、偏光状態による挿入損失
の変動(PDL)を抑えることができるようにした光フ
ァイバカプラおよびその製造方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に請求項1記載の発明は、2本のシングルモード光ファ
イバを平行に配し、その長さ方向の1カ所で融着延伸し
てなる光ファイバカプラであって、光ファイバの長さ方
向に垂直な面内で前記2本の光ファイバの中心を結ぶ方
向が、融着延伸部分の光結合部の両側で90±10度異
なっていることを特徴とする光ファイバカプラである。
請求項2記載の発明は、2本のシングルモード光ファイ
バを平行に配し、その長さ方向の1カ所を加熱融着延伸
する途中で、融着延伸部分に捻りを加える工程を有する
ことを特徴とする光ファイバカプラの製造方法である。
請求項3記載の発明は、2本のシングルモード光ファイ
バを平行に配し、該2本の光ファイバを捻った状態で加
熱融着延伸する工程を有することを特徴とする光ファイ
バカプラの製造方法である。請求項4記載の発明は、2
本のシングルモード光ファイバを平行に配し、その長さ
方向の1カ所を加熱融着延伸する途中で該融着延伸部分
の光結合部を切断し、一方側をその切断面に垂直な中心
軸を回転軸として回転させた後、切断面どうしを接合さ
せてさらに加熱融着延伸を行うことを特徴とする光ファ
イバカプラの製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
図1は本発明の光ファイバカプラの実施例を示した斜視
図である。本実施例の光ファイバカプラは、2本のシン
グルモード光ファイバ1,2を平行に配し、その長さ方
向の1カ所で融着延伸してなっており、従来の光ファイ
バカプラと大きく異なる点は、融着延伸部分3の光結合
部3’に捻りが加えられ(捻り部4)、光ファイバ1,
2の長さ方向に垂直な面内で2本の光ファイバ1,2の
中心を結ぶ方向が、融着延伸部分3の光結合部3’の両
側でほぼ90度異なっている点である。
【0009】図2および図3はいずれも、図1の光ファ
イバカプラの融着延伸部分3のなかの光結合部3’を挾
む入射側と出射側の2カ所で切断して得られる断面図で
あり、(a)は図1中のA−A線に沿う断面図、(b)
は図1中のB−B線に沿う断面図である。これらの断面
図における座標軸は上記の図13と同様とする。そし
て、このような捻り部4に入射側の1つのポートP1
ら各種の偏光状態で光が入射した場合を考える。例え
ば、図2はX方向に偏光した直線偏光が入射した場合を
示す。図2(a)に示されるように、捻り部4の入射側
ではX偏光状態にある光が、捻り部4の出射側では、図
2(b)に示されるようにY方向に偏光した状態とな
る。また図3はY方向に偏光した直線偏光が入射した場
合を示すものであるが、図3(a)に示されるように、
捻り部4の入射側ではY偏光状態にある光が、捻り部4
の出射側では、図3(b)に示されるようにX方向に偏
光した状態となる。
【0010】このように、本実施例の光ファイバカプラ
では、捻り部4で光ファイバ1,2が約90度捻られて
いるので、捻り部4を光が通過する間に、X偏光で入射
した光はY偏光となり、Y偏光で入射した光はX偏光と
なる。したがって、X偏光状態で入射した光も、Y偏光
状態で入射した光も、光結合部3’において、X偏光状
態での結合とY偏光状態での結合とを等量だけ経験する
結果、カプラの挿入損失の差(PDL)を極めて小さく
することができる。理論的には、光結合部3’で光ファ
イバ1,2を90度捻ることによって、X偏光(または
Y偏光)で入射した光を100%Y偏光(またはX偏
光)とすることが可能であり、そうすればPDLを完全
になくすことができる。したがって、どのような偏光状
態で入射した光も、X偏光とY偏光とのベクトル和で表
されるから、入射偏光状態による挿入損失の差(PD
L)は、ほとんど0にすることができる。
【0011】なお本実施例では、光結合部3’にほぼ9
0度の捻りが1回加えられているが光結合部3’の両側
で2本の光ファイバ1,2の中心を結ぶ方向がほぼ90
度異なるように、複数回の捻りを加えてもよい。すなわ
ち、光結合部3’を(2n+1)×90度(だだし、n
は整数)捻ってもよい。また、捻りの大きさは正確に
(2n+1)×90度であることが望ましいが、捻りの
角度が(2n+1)×90±10度であってもPDLを
低減させる効果は充分に得られる。
【0012】本実施例の光ファイバカプラによれば、2
本の光ファイバ1,2を平行に配し、その長さ方向の1
カ所で融着延伸してなる従来の光ファイバカプラの融着
延伸部分3の光結合部3’に約90度の捻りを加えた構
成とするだけで、PDL特性を改善することができる。
したがって、光ファイバカプラの構造が複雑化すること
もなく、また光ファイバカプラの大きさは従来のものと
ほとんど変わらないので、従来の保護容器やその他の関
連部品をそのまま適用することが可能であり、コスト的
にもスペース的にも好ましい。また光ファイバ1,2が
捻られている捻り部4は融着延伸部分3の中にあるの
で、捻りによる応力が残留しておらず、捻りによる光学
的特性、信頼性の劣化はほとんどない。
【0013】ここで、捻り部4の捻りの角度が90度の
偶数倍(2n×90度)の場合は、X偏光又はY偏光の
一方の偏光状態での光結合が優勢となってしまうので、
PDLを改善する効果は得られない。図17は光ファイ
バカプラの光結合部を180度捻った場合を示すもの
で、(a)は光結合部の入射側の断面図、(b)は光結
合部の中央部の断面図、(c)は光結合部の出射側の断
面図である。これらの断面図における座標軸は上記の図
13と同様とする。そして、例えばX方向に偏光した直
線偏光が入射した場合は、図17(a)に示されるよう
に、光結合部の入射側ではX偏光状態にある光が、光結
合部の中央部で一旦Y偏光状態となった後、再びX方向
に偏光した状態となる。このように、光結合部が約18
0度捻られていると、X偏光で入射した光はこの光結合
部を光が通過する間に、X偏光状態での結合をY偏光状
態での結合よりも多く経験することになるので、X偏光
が優勢となりカプラの挿入損失の差(PDL)を低減す
る効果は得られない。
【0014】本実施例の光ファイバカプラは、例えば次
のようにして製造することができる。以下、本発明の光
ファイバカプラの製造方法の第1の実施例について説明
する。
【0015】まず、2本のプラスチック被覆されたシン
グルモード光ファイバ1,2を用意し、各光ファイバ
1,2の中央部分の被覆層を好ましくは約30mmにわ
たって除去して、光ファイバクラッド1a,2aを剥き
出しにする。次に、2本の光ファイバ1,2を平行に、
かつ被覆層を除去した部分の位置が一致するように光フ
ァイバカプラ製造装置にセットする。この光ファイバカ
プラ製造装置としては、光ファイバ1,2を長さ方向に
引っ張る駆動装置付ステージを有するもので、2本の光
ファイバ1,2の被覆層を除去した部分の両側をそれぞ
れステージに取り付けられたクランプで保持する構成の
ものが好ましく用いられる。続いて被覆層を除去した部
分において、2本の光ファイバのクラッド1a,2aの
表面どうしが接触するように、被覆層を除去した部分の
両端部で2本の光ファイバのクラッド1a,2aどうし
を接着剤や紐などで固定する。
【0016】この状態で、クラッド1a,2aどうしが
接触している部分の好ましくは中央部を加熱して、クラ
ッド1a,2aどうしを融着させ、さらに加熱を続けな
がら融着部分3を長さ方向に引っ張って延伸する。この
ときの加熱源としてはガスバーナや電気ヒーターが好適
に使用される。そして、この融着延伸工程の途中で2本
の光ファイバ1,2の両側をそれぞれ保持しているクラ
ンプの一方を、他方に対して約90度回転させることに
よって、融着延伸部分3の光結合部3’に90度の捻り
を加える。またこの融着延伸工程は、出射側の光出射量
を測定しながら行い、目的の光結合量が得られた時点で
延伸を終了する。この後、融着延伸部分3を、耐環境特
性を安定化させるために、保護容器に収納して光ファイ
バカプラが得られる。
【0017】本実施例の光ファイバカプラの製造方法に
よれば、融着延伸工程の途中で、融着延伸部分3の光結
合部3’に捻りを加えるだけで、光ファイバカプラのP
DLを低くすることができる。したがって、作業も容易
であり、用いる製造装置についても、従来の光ファイバ
カプラ製造装置にクランプを回転させる機構を設けるだ
けで済むので、低コストで既存の製造ラインに導入し易
い。また製造時間も従来とほとんど変わらないので、効
率的にも好ましい。また融着延伸の途中で捻りを加える
ので、捻り部4は形成された後さらに加熱される。した
がって、捻りによる歪みをなくすことができ、光学特性
および機械的信頼性に優れた光ファイバカプラを得るこ
とができる。
【0018】また、上記第1の実施例では、融着延伸工
程の途中で融着延伸部分3に捻りを加えたが、光ファイ
バ1,2に捻りを加えた後に融着延伸を行うこともでき
る。以下、本発明の光ファイバカプラの製造方法の第2
の実施例について説明する。
【0019】まず、上記第1の実施例と同様に、2本の
プラスチック被覆されたシングルモード光ファイバ1,
2を用意し、各光ファイバ1,2の中央部分の被覆層を
除去して、光ファイバクラッド1a,2aを剥き出しに
する。次に、2本の光ファイバ1,2を平行に、かつ被
覆層を除去した部分の位置が一致するように光ファイバ
カプラ製造装置にセットする。光ファイバカプラ製造装
置としては上記第1の実施例と同様のものが好ましく用
いられる。
【0020】次いで、2本の光ファイバ1,2の両側を
それぞれ保持しているクランプの一方を、他方に対して
数回回転させることによって、2本の光ファイバのクラ
ッド1a,2aの表面どうしを接触させる。そしてこの
光ファイバ1,2が捻られている部分において、融着延
伸後に光結合部に90度の捻りが加わるように、プラス
チック棒など、光ファイバのクラッド表面に傷を与えな
い表面が滑らかな治具を用いて捻りのピッチや位置を調
整する。続いて、このようにして形成された捻り部の一
カ所を加熱して、この部分のクラッド1a,2aどうし
を融着させ、さらに加熱を続けながら融着部分3を長さ
方向に引っ張って延伸する。このときの加熱源としては
ガスバーナや電気ヒーターが好適に使用される。またこ
の融着延伸工程は、出射側の光出射量を測定しながら行
い、目的の光結合量が得られた時点で延伸を終了する。
この後、融着延伸部分3を、耐環境特性を安定化させる
ために、保護容器に収納して光ファイバカプラが得られ
る。
【0021】本実施例の光ファイバカプラの製造方法に
よれば、融着延伸前に、2本の光ファイバ1,2に捻り
を加えるだけで、光ファイバカプラのPDLを低くする
ことができる。したがって、作業も容易であり、用いる
製造装置についても、従来の光ファイバカプラ製造装置
にクランプを回転させる機構を設けるだけ済むので、低
コストで既存の製造ラインに導入し易い。また製造時間
も従来とほとんど変わらないので、効率的にも好まし
い。また融着延伸前に捻りを加えるので、捻り部4は形
成された後に加熱される。したがって、捻りによる歪み
をなくすことができ、光学特性および機械的信頼性に優
れた光ファイバカプラを得ることができる。
【0022】また、図1に示す光ファイバカプラは次の
ようにして製造することもできる。以下、本発明の光フ
ァイバカプラの製造方法の第3の実施例について説明す
る。
【0023】図4は本実施例の光ファイバカプラの製造
方法を工程順に示したものである。まず、上記第1の実
施例と同様に、2本のプラスチック被覆されたシングル
モード光ファイバ1,2を用意し、各光ファイバ1,2
の中央部分の被覆層を除去して、光ファイバクラッド1
a,2aを剥き出しにする。次に、2本の光ファイバ
1,2を平行に、かつ被覆層を除去した部分の位置が一
致するように光ファイバカプラ製造装置にセットする。
光ファイバカプラ製造装置としては上記第1の実施例と
同様のものが好ましく用いられる。次いで被覆層を除去
した部分において、2本の光ファイバのクラッド1a,
2aの表面どうしが接触するように、被覆層を除去した
部分の両端部で2本の光ファイバのクラッド1a,2a
どうしを接着剤や紐などで固定する。この状態で、クラ
ッド1a,2aどうしが接触している部分の好ましくは
中央部を加熱して、クラッド1a,2aどうしを融着さ
せ、さらに加熱を続けながら融着部分3を長さ方向に引
っ張って延伸する。このときの加熱源としてはガスバー
ナや電気ヒーターが使用される。
【0024】そして図4(a)に示すように、この融着
延伸工程の途中で、好ましくは光結合が生じた段階で、
融着延伸部分3をその中央の位置で切断する。続いて、
例えば2本の光ファイバ1,2の両側をそれぞれ保持し
ているクランプの一方を、他方に対して90度回転させ
るなどして、図4(b)に示すように、一方側の光ファ
イバ1,2をその切断面に垂直な中心軸を回転軸として
90度回転させた後、切断面どうしを接合させて(接合
部5)さらに加熱融着延伸を行う。またこの融着延伸工
程は、出射側の光出射量を測定しながら行い、目的の光
結合量が得られた時点で延伸を終了する。この後、融着
延伸部分3を、耐環境特性を安定化させるために、保護
容器に収納して光ファイバカプラが得られる。
【0025】本実施例の光ファイバカプラの製造方法に
よれば、融着延伸工程の途中で、融着延伸部分3を切断
し、一方側を回転させて接合させるだけで、光ファイバ
カプラのPDLを低くすることができる。したがって、
作業も容易であり、用いる製造装置についても、従来の
光ファイバカプラ製造装置に、切断手段と、クランプを
回転させる機構を設けるだけ済むので、低コストで既存
の製造ラインに導入し易い。また融着延伸の途中で切断
および接合を行うので、接合部5は接合後さらに加熱さ
れる。したがって、接合による段差を取り除くことがで
き、光学特性および機械的信頼性に優れた光ファイバカ
プラを得ることができる。本実施例のように、融着延伸
部を切断して捻り部4を形成する方法によれば、融着延
伸部分を捻る方法よりもPDLを低減させることができ
る。
【0026】また上記第1〜3の実施例では、光ファイ
バカプラの両端部の光ファイバ1,2の被覆層を有する
部分において、2本の光ファイバ1,2の中心を結ぶ方
向が約90度異なっている構造の光ファイバカプラの製
造方法について説明したが、本発明の光ファイバカプラ
は光結合部の両側で、2本の光ファイバ1,2の中心を
結ぶ方向が約90度異なっていればよく、光ファイバカ
プラの両端部の光ファイバ1,2の被覆層を有する部分
においては、2本の光ファイバ1,2の中心を結ぶ方向
が同じである構造であってもよい。このような光ファイ
バカプラは次のようにして製造することができる。以
下、本発明の光ファイバカプラの製造方法の第4の実施
例について説明する。
【0027】図5は本実施例の光ファイバカプラの製造
方法を工程順に示したものである。まず、上記第1の実
施例と同様に、2本のプラスチック被覆されたシングル
モード光ファイバ1,2を用意し、各光ファイバ1,2
の中央部分の被覆層を除去して、光ファイバクラッド1
a,2aを剥き出しにする。次に、2本の光ファイバ
1,2を平行に、かつ被覆層を除去した部分の位置が一
致するように光ファイバカプラ製造装置にセットする。
光ファイバカプラ製造装置としては上記第1の実施例と
同様のものが好ましく用いられる。
【0028】次いで図5(a)に示すように、2本の光
ファイバ1,2の両側をそれぞれ保持しているクランプ
の一方を、他方に対して約90度回転させ、2本の光フ
ァイバのクラッド1a,2aの表面どうしを接触させ
る。そしてこの光ファイバ1,2が接触している部分の
1カ所を加熱して、この部分のクラッド1a,2aどう
しを融着させ、さらに加熱を続けながら融着部分3を長
さ方向に引っ張って延伸する。このときの加熱源として
はガスバーナや電気ヒーターが好適に使用される。この
融着延伸工程は、出射側の光出射量を測定しながら行
い、目的の光結合状態に近くなった時点で、図5(b)
に示すように、光ファイバ1,2を保持しているクラン
プの一方を、他方に対して約90度回転させる。これに
より光結合部3’に約90度の捻りを加えるとともに、
光ファイバカプラの両側で、光ファイバ1,2の被覆層
を有する部分における2本の光ファイバ1,2の中心を
結ぶ方向が同じとなるようにする。このときクランプを
回転させる方法は、融着延伸前に約90度回転させた方
向と同方向でもよいし、逆方向でもよい。そして、目的
の光結合特性が得られたら延伸を終了し、図6に示すよ
うに融着延伸部分3を、耐環境特性を安定化させるため
に、保護容器10に収納して光ファイバカプラが得られ
る。
【0029】本実施例の光ファイバカプラの製造方法に
よれば、2本の光ファイバ1,2を約90度ひねってお
いて融着延伸を行った状態では、光結合部に捻りは加わ
っておらず、この後、光ファイバカプラの両側で2本の
光ファイバ1,2の中心を結ぶ方向が同じとなるように
捻ることによって、光結合部にほぼ90度の捻りが加え
られるので、低PDLの光ファイバカプラが得られる。
このような構造の光ファイバカプラは、光ファイバカプ
ラの両側における形状が同じであるので、長さ方向の溝
幅が均一な保護容器へ収納するのに都合がよく、従来の
保護容器への収まりが良いので好ましい。また、用いる
製造装置についても、従来の光ファイバカプラ製造装置
にクランプを回転させる機構を設けるだけ済むので、低
コストで既存の製造ラインに導入し易い。また製造時間
も従来とほとんど変わらないので、効率的にも好まし
い。
【0030】この第4の実施例において得られる光ファ
イバカプラの両端部の光ファイバ1,2の被覆層を有す
る部分において、2本の光ファイバ1,2の中心を結ぶ
方向が同じである構造としたものは以下のような方法に
よっても製造することができる。以下、本発明の光ファ
イバカプラの製造方法の第5の実施例について説明す
る。
【0031】図7は本実施例の光ファイバカプラの製造
方法を工程順に示したものである。まず、上記第1の実
施例と同様に、2本のプラスチック被覆されたシングル
モード光ファイバ1,2を用意し、各光ファイバ1,2
の中央部分の被覆層を除去して、光ファイバクラッド1
a,2aを剥き出しにする。次に、2本の光ファイバ
1,2を平行に、かつ被覆層を除去した部分の位置が一
致するように光ファイバカプラ製造装置にセットする。
光ファイバカプラ製造装置としては上記第1の実施例と
同様のものが好ましく用いられる。次いで被覆層を除去
した部分において、2本の光ファイバのクラッド1a,
2aの表面どうしが接触するように、被覆層を除去した
部分の両端部で2本の光ファイバのクラッド1a,2a
どうしを接着剤や紐などで固定する。この状態で、図7
(a)に示すように、クラッド1a,2aどうしが接触
している部分の好ましくは中央部を加熱して、クラッド
1a,2aどうしを融着させ、さらに加熱を続けなが
ら、図7(b)に示すように融着部分3を長さ方向に引
っ張って延伸する。このときの加熱源としてはガスバー
ナや電気ヒーターが使用される。
【0032】次いで融着部分3に光結合が生じる前に、
図7(c)に示すように2本の光ファイバ1,2の両側
をそれぞれ保持しているクランプの一方を、他方に対し
て約90度回転させる。さらに加熱を続けながら融着部
分3を長さ方向に引っ張って延伸し、光結合が生じた段
階で、図7(d)に示すように、2本の光ファイバ1,
2の両側をそれぞれ保持しているクランプの一方を、は
じめに回転させた方向とは逆方向に約90度回転させ
る。これにより光結合部3’に約90度の捻りを加える
とともに、光ファイバカプラの両側で、光ファイバ1,
2の被覆層を有する部分における2本の光ファイバ1,
2の中心を結ぶ方向が同じとなるようにすることができ
る。この融着延伸工程は、出射側の光出射量を測定しな
がら行い、目的の光結合状態に近くなった時点で終了す
る。そして、図6に示すように融着延伸部分3を、耐環
境特性を安定化させるために、保護容器10に収納して
光ファイバカプラが得られる。
【0033】上述の2回目にクランプを約90度回転さ
せる方向は、1回目にクランプを約90度回転させた方
向と同方向でもよいし、逆方向でもよい。またこの実施
例においては2回目にクランプを約90度回転させるこ
とによって、光結合部3’にほぼ90度の捻りが加えら
れているが、前記クランプを(2n+1)×90度(だ
だし、nは整数)回転させてもよい。さらにPDLを低
減するためにはこの2回目のクランプの回転において光
結合部3’に加わる捻りの大きさはできるだけ(2n+
1)×90度に近い値であることが望ましい。このため
光結合部3’の捻りの大きさができるだけ(2n+1)
×90度に近い値となるように1回目と2回目のクラン
プの回転角度を(2n+1)×90度以上とするなどの
微調整を行うとより好ましい。
【0034】本実施例の光ファイバカプラの製造方法に
よれば、2本の光ファイバ1,2を平行に配し、これら
を融着延伸するにおいて、光結合が生じる前にクランプ
を回転させて融着延伸部分3を捻っておき、光結合が生
じた後に再度クランプを回転させることによって、光結
合部にほぼ90度の捻りが加えられ、低PDLで、かつ
光ファイバカプラの両側における形状が同じ構造の光フ
ァイバカプラを製造することができる。したがって、上
述の第4の実施例によって得られるものと同様の効果が
得られる。また、融着延伸の途中で2回クランプを回転
させるだけでよいので、従来の光ファイバカプラの製造
装置にクランプを回転させる機構を設けるだけでよく、
低コストで、既存ラインへの導入が容易である。また製
造時間も従来とほとんど変わらないので、効率的にも好
ましい。
【0035】
【実施例】 (実施例1)上記第1の実施例の製造方法により波長
1.48μmの光と波長1.55μmの光を分離または
合波する1.48/1.55μm用WDM(波長分割多
重)光ファイバカプラを製造した。すなわち、まず2本
のシングルモード光ファイバを用意した。この光ファイ
バとしては、モードフィールド径が9.5μm、クラッ
ド径が125.5μm、被覆径が255μm、カットオ
フ波長が1.23μmのものを用いた。次に2本の光フ
ァイバの被覆層を約30mmにわたって除去した後、光
ファイバカプラ製造装置にセットして、剥き出しとなっ
たクラッドどうしを接触させた。続いて剥き出しになっ
ているクラッド部分のほぼ中央を加熱して融着させ、さ
らに加熱しながら延伸した。この延伸工程では、入射側
の1つのポートP1から波長1.48μmの光と波長
1.55μmの光を入射し、出射側の2つのポート
3,P4からの光出射量をモニターしながら行い、出射
側の一方のポートP3に1.55μmの光が100%結
合し、他方のポートP4に1.48μmの光が100%
結合する光結合状態を目標とした。そして1.48μm
の光結合度が約100%となった時点で、光ファイバの
両側を保持しているクランプの一方を他方に対して90
度回転させて融着延伸部分に捻りを加えた後、さらに、
目標の光結合状態が得られるまで延伸を続けた。最終的
な延伸長は35mmであった。
【0036】得られた光ファイバカプラのPDL特性を
測定した。図8は、光ファイバカプラのPDLを測定す
るための測定系を示したものである。この測定系は、波
長可変レーザダイオード光源11、偏波コントローラ1
2、光ファイバカプラ13、および光パワーメータ14
から構成されている。光源11からの光は偏波コントロ
ーラ12で任意の偏波状態とされた後、光ファイバカプ
ラ13のポートP1に入射され、ポートP3から出射され
た透過光量がパワーメータ14で測定される。そして光
ファイバカプラ13に入射される光偏波状態を変化させ
て得られる透過光量の最大値と最小値の比を求めること
によってPDLが得られる。本実施例で得られた光ファ
イバカプラのPDL特性を図9に示す。この図に示され
るように、波長1.55±0.001μmの帯域におい
て、PDLの最大値は0.03dBと極めて低かった。
【0037】ここで、本実施例において光ファイバカプ
ラのPDLが完全に0とならなかった理由は、融着延伸
部の90度の捻りが、光結合部分に100%加わってい
なかたためと考えられる。したがって、更に低PDLを
達成するためには、光結合部にちょうど90度の捻りが
加わるように、光結合部以外の捻り量も考慮して、クラ
ンプ間の捻り量を90度以上とするなど調整すればよ
い。また、光ファイバカプラの製造に先だって、クラン
プの捻り量とPDLとの関係を求めておくと、より低P
DLの光ファイバカプラを効率良く製造するのに好まし
い。
【0038】(実施例2)上記第2の実施例の製造方法
により1.48/1.55μm用WDM(波長分割多
重)光ファイバカプラを製造した。すなわち、上記実施
例1と同様にして、2本のシングルモード光ファイバを
用意し、被覆層を除去した後、光ファイバカプラ製造装
置にセットして、クラッドどうしを接触させた。続い
て、光ファイバの両側を保持しているクランプの一方を
他方に対して270度回転させた。さらに、その捻りの
ピッチが8mm程度となるように、かつ捻りが融着延伸
部の中央に位置するように、表面が滑らかな直径1.5
mmのプラスチック棒を用いて調整した。この後、捻り
部の中央部の約6mmを加熱してクラッドどうしを融着
させ、さらに光出射量をモニターしながら、目標の光結
合状態が得られるまで延伸した。最終的な延伸長は35
mmであった。得られた光ファイバカプラのPDL特性
を測定したところ、上記実施例1とほぼ同様の結果が得
られ、波長1.55±0.001μmの帯域において、
PDLの最大値は0.03dBと極めて低かった。
【0039】(実施例3)上記第3の実施例の製造方法
により1.48/1.55μm用WDM(波長分割多
重)光ファイバカプラを製造した。すなわち、上記実施
例1と同様にして、2本のシングルモード光ファイバを
用意し、被覆層を除去した後、光ファイバカプラ製造装
置にセットして、クラッドどうしを接触させた。続いて
剥き出しになっているクラッド部分のほぼ中央を加熱し
て融着させ、さらに光出射量をモニターしながら加熱延
伸した。そして1.48μmの光結合度が約100%と
なった時点で、融着延伸部の中央を切断した。次いで光
ファイバの両側を保持しているクランプの一方を他方に
対して90度回転させて一方側の光ファイバを回転させ
た後、切断面どうしを接合させ、この接合部を加熱融着
し、さらに目標の光結合状態が得られるまで延伸した。
最終的な延伸長は35mmであった。得られた光ファイ
バカプラのPDL特性を図10に示す。この図に示され
るように、波長1.55±0.001μmの帯域におい
て、PDLの最大値は0.01dBと極めて低かった。
ここで、本実施例において光ファイバカプラのPDLが
完全に0とならなかったのは、光ファイバの両側を保持
するクランプの一方を90度回転させたときに角度誤差
が生じ、融着延伸部の捻りが正確に90度とならなかっ
たためと考えられる。
【0040】(比較例1)従来の製造方法により1.4
8/1.55μm用WDM(波長分割多重)光ファイバ
カプラを製造した。すなわち、上記実施例1と同様にし
て、2本のシングルモード光ファイバを用意し、被覆層
を除去した後、光ファイバカプラ製造装置にセットし
て、クラッドどうしを接触させた。続いて剥き出しにな
っているクラッド部分のほぼ中央を加熱して融着させ、
さらに光出射量をモニターしながら、目標の光結合状態
が得られるまで延伸した。最終的な延伸長は35mmで
あった。得られた光ファイバカプラのPDL特性を図1
1に示す。この図に示されるように、波長1.55±
0.001μmの帯域において、PDLの最大値は0.
09dBと大きかった。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明の光ファイバ
カプラは、2本のシングルモード光ファイバを平行に配
し、その長さ方向の1カ所で融着延伸してなる光ファイ
バカプラであって、光ファイバの長さ方向に垂直な面内
で前記2本の光ファイバの中心を結ぶ方向が、融着延伸
部分の光結合部の両側で90±10度異なっていること
を特徴とするものである。したがって、従来の光ファイ
バカプラにおいて、光ファイバの長さ方向に垂直な面内
で2本の光ファイバの中心を結ぶ方向を、融着延伸部分
の両側で90±10度違えるという比較的簡単な構成
で、PDL特性を改善することができる。しかも、光フ
ァイバカプラの構造が複雑化することもなく、また光フ
ァイバカプラの大きさは従来のものとほとんど変わらな
いので、コスト的にもスペース的にも好ましい。
【0042】本発明の請求項2記載の光ファイバカプラ
の製造方法は、2本のシングルモード光ファイバを平行
に配し、その長さ方向の1カ所を加熱融着延伸する途中
で、融着延伸部分の光結合部に捻りを加える工程を有す
ることを特徴とするものである。したがって、融着延伸
工程の途中で、融着延伸部分に捻りを加えるだけで、光
ファイバカプラのPDLを改善することができる。よっ
て、作業も容易であり、用いる製造装置についても、従
来の光ファイバカプラ製造装置に融着延伸部を捻る機構
を設けるだけ済むので、低コストで既存の製造ラインに
導入し易い。また製造時間も従来とほとんど変わらない
ので、効率的にも好ましい。さらに融着延伸の途中で捻
りを加えるので、捻り部は形成された後さらに加熱され
る。したがって、捻りによる歪みをなくすことができ、
光学特性および機械的信頼性に優れた光ファイバカプラ
を得ることができる。
【0043】本発明の請求項3記載の光ファイバカプラ
の製造方法は、2本のシングルモード光ファイバを平行
に配し、該2本の光ファイバを捻った状態で加熱融着延
伸する工程を有することを特徴とするものである。した
がって、融着延伸前に、2本の光ファイバに捻りを加え
るだけで、光ファイバカプラのPDLを改善することが
できる。よって、作業も容易であり、用いる製造装置に
ついても、従来の光ファイバカプラ製造装置に光ファイ
バを捻る機構を設けるだけ済むので、低コストで既存の
製造ラインに導入し易い。また製造時間も従来とほとん
ど変わらないので、効率的にも好ましい。さらに融着延
伸前に捻りを加えるので、捻り部は形成された後に加熱
される。したがって、捻りによる歪みをなくすことがで
き、光学特性および機械的信頼性に優れた光ファイバカ
プラを得ることができる。
【0044】本発明の請求項4記載の光ファイバカプラ
の製造方法は、2本のシングルモード光ファイバを平行
に配し、その長さ方向の1カ所を加熱融着延伸する途中
で該融着延伸部分の光結合部を切断し、一方側をその切
断面に垂直な中心軸を回転軸として回転させた後、切断
面どうしを接合させてさらに加熱融着延伸を行うことを
特徴とするものである。したがって、融着延伸工程の途
中で、融着延伸部分を切断し、一方側を回転させて接合
させるだけで、光ファイバカプラのPDLを改善するこ
とができる。よって、作業も容易であり、用いる製造装
置についても、従来の光ファイバカプラ製造装置に、切
断手段と、切断した光ファイバを回転させる機構を設け
るだけ済むので、低コストで既存の製造ラインに導入し
易い。また融着延伸の途中で切断および接合を行うの
で、接合部は接合後さらに加熱される。したがって、接
合による段差を取り除くことができ、光学特性および機
械的信頼性に優れた光ファイバカプラを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光ファイバカプラの実施例を示す斜
視図である。
【図2】 図1の光ファイバカプラにX偏光を入射した
状態を示すもので、(a)は図1中のA−A線に沿う断
面図、(b)は図1中のB−B線に沿う断面図である。
【図3】 図1の光ファイバカプラにY偏光を入射した
状態を示すもので、(a)は図1中のA−A線に沿う断
面図、(b)は図1中のB−B線に沿う断面図である。
【図4】 本発明の光ファイバカプラの製造方法の第3
の実施例を工程順に示す斜視図である。
【図5】 本発明の光ファイバカプラの製造方法の第4
の実施例を工程順に示す斜視図である。
【図6】 第4の実施例で得られた光ファイバカプラを
示す斜視図である。
【図7】 本発明の光ファイバカプラの製造方法の第5
の実施例を工程順に示す斜視図である。
【図8】 光ファイバカプラのPDLを測定するための
測定系を示す概略構成図である。
【図9】 実施例で得られた光ファイバカプラのPDL
特性を示すグラフである。
【図10】 実施例で得られた光ファイバカプラのPD
L特性を示すグラフである。
【図11】 比較例で得られた光ファイバカプラのPD
L特性を示すグラフである。
【図12】 従来の光ファイバカプラの例を示す斜視図
である。
【図13】 図12中のC−C線に沿う断面図である。
【図14】 従来の光ファイバカプラにX偏光を入射し
た状態を示す、図12中のC−C線に沿う断面図であ
る。
【図15】 従来の光ファイバカプラにY偏光を入射し
た状態を示す、図12中のC−C線に沿う断面図であ
る。
【図16】 従来の光ファイバカプラにおける、X偏光
およびY偏光の波長−分岐比特性を示すグラフである。
【図17】 180度の捻りを加えた光結合部にX偏光
を入射した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1…シングルモード光ファイバ、2…シングルモード光
ファイバ、3…融着延伸部分、3’…光結合部、4…捻
り部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畔蒜 富夫 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内 (72)発明者 山内 良三 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内 (72)発明者 和田 朗 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内 (72)発明者 西出 研二 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2本のシングルモード光ファイバを平行
    に配し、その長さ方向の1カ所で融着延伸してなる光フ
    ァイバカプラであって、光ファイバの長さ方向に垂直な
    面内で前記2本の光ファイバの中心を結ぶ方向が、融着
    延伸部分の光結合部の両側で90±10度異なっている
    ことを特徴とする光ファイバカプラ。
  2. 【請求項2】 2本のシングルモード光ファイバを平行
    に配し、その長さ方向の1カ所を加熱融着延伸する途中
    で、融着延伸部分に捻りを加える工程を有することを特
    徴とする光ファイバカプラの製造方法。
  3. 【請求項3】 2本のシングルモード光ファイバを平行
    に配し、該2本の光ファイバを捻った状態で加熱融着延
    伸する工程を有することを特徴とする光ファイバカプラ
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 2本のシングルモード光ファイバを平行
    に配し、その長さ方向の1カ所を加熱融着延伸する途中
    で該融着延伸部分の光結合部を切断し、一方側をその切
    断面に垂直な中心軸を回転軸として回転させた後、切断
    面どうしを接合させてさらに加熱融着延伸を行うことを
    特徴とする光ファイバカプラの製造方法。
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