JPH1089554A - 異強度部を有するスリム型油井管用ねじ継手およびその製造方法 - Google Patents

異強度部を有するスリム型油井管用ねじ継手およびその製造方法

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JPH1089554A
JPH1089554A JP8244558A JP24455896A JPH1089554A JP H1089554 A JPH1089554 A JP H1089554A JP 8244558 A JP8244558 A JP 8244558A JP 24455896 A JP24455896 A JP 24455896A JP H1089554 A JPH1089554 A JP H1089554A
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torque shoulder
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JP8244558A
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Mitsusachi Yamamoto
三幸 山本
Masaaki Sugino
正明 杉野
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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    • E21EARTH OR ROCK DRILLING; MINING
    • E21BEARTH OR ROCK DRILLING; OBTAINING OIL, GAS, WATER, SOLUBLE OR MELTABLE MATERIALS OR A SLURRY OF MINERALS FROM WELLS
    • E21B17/00Drilling rods or pipes; Flexible drill strings; Kellies; Drill collars; Sucker rods; Cables; Casings; Tubings
    • E21B17/02Couplings; joints
    • E21B17/04Couplings; joints between rod or the like and bit or between rod and rod or the like
    • E21B17/042Threaded
    • E21B17/0423Threaded with plural threaded sections, e.g. with two-step threads

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  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Non-Disconnectible Joints And Screw-Threaded Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】スリム型油井管用ねじ継手及びその製造方法を
提供する。 【解決手段】(1) 継手効率が70〜90%、外径が管本体外
径より大きく、かつ1.07倍以下、インテグラル方式でピ
ン部とボックス部を締結するねじ部、シール部、トルク
ショルダ(TS)部を備えた継手であって、TS部強度が継手
の他部位より高いもの。この継手では更に、ねじ部形状
をテーパ状、締結に伴うねじの干渉方向を半径方向、ね
じ部長さを管本体肉厚の3〜5倍としてもよい。(2)上
記(1) の継手を、機械加工でねじ、シール、TSの各部を
形成後、熱処理でTS部のみを継手の他部位よりも高強度
化して製造する方法。 【効果】耐圧縮及び耐腐食性能に優れたスリム型油井管
用ねじ継手を得ることができる。この継手は、外径が管
本体外径の1.07倍以下であり、井戸の生産を一層効率化
させるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地下から天然ガス
や原油を採取するために地中深く竪て込まれる油井管用
のねじ継手、特に小さい外径のスリム型で高い耐圧縮性
能を有するねじ継手に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、深さ数千mにも及ぶ高深度の天然
ガス井や油井などに用いる油井管を螺合締結する方法と
して、ねじ継手が広く用いられている。このようなねじ
継手には、次の1)〜3)のような性能が要求されている。
【0003】1)螺合締結された油井管の自重による軸方
向の引張力に耐えること。
【0004】2)油井管の内部、外部またはこれらの両方
のガスや流体に対する気密性を有すること。
【0005】3)上記のガスや流体による腐食に耐えるこ
と。
【0006】近年、天然ガスや原油の価格が低く安定し
ていることから、新規に井戸を掘削する場合には生産性
の効率化が強く要求されている。これを実現する手段の
一つが、継手外径を可能な限り小さくしてスリム化する
ことである。
【0007】このようなスリム型のねじ継手を用いるメ
リットは次のとおりである。すなわち、前述のように高
深度の井戸では、天然ガスや原油を直接採取する中心部
の油井管(チュービング)を土圧から保護するため、そ
の外側に幾重にも大径の油井管を竪て込める、いわゆる
多重構造が採用されており、井戸の掘削にあたってはチ
ュービング外径の数倍もの大きさの穴を掘る必要があ
る。したがって、ねじ継手をスリム型にすることによ
り、チュービング外径が同一の大きさでも井戸の穴径を
小さくし、または井戸の穴径が同一でもチュービング外
径を大きくすることができる。
【0008】図2は、特公平4−8678号公報に示されて
いる油井管用ねじ継手の一つを示す縦断面図である。
【0009】このねじ継手は、油井管10の一端に雄ねじ
70部を設けたピン部30と、他の油井管10′の一端に雌ね
じ80部を設けたボックス部20とを螺合締結する、いわゆ
るインテグラル方式のものである。また、継手性能に対
する最近のさらに厳しい要求に応じて、継手の中間部に
気密性を保持するためのシール部40、および締結トルク
を管理するためのトルクショルダ部43がそれぞれ設けら
れている。
【0010】特開昭62−151692号公報には、異強度継手
部をもつ油井管が示されている。この油井管は、焼き入
れ・焼きもどし熱処理で管端継手部を高強度化したもの
である。この結果、インテグラル方式で螺合締結する際
に、管端の肉厚を増加させることなく、継手部全体を油
井管本体よりも高強度とし、従来の継手よりも薄肉化す
ることが可能である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の継手には次のような問題がある。
【0012】図2に示すような継手では、油井管10、1
0′には頻度は高くないが軸方向の圧縮力が負荷される
場合があるが、このときトルクショルダ部43の軸方向に
おける投影断面積が油井管10、10′本体の断面積に比べ
て小さいことから、耐圧縮性能が低くなる。すなわち、
軸方向の圧縮力は主としてトルクショルダ部43で分担さ
れるため、大きな圧縮力が作用すると、トルクショルダ
部43が塑性変形し、この変形部に近接するシール部40の
気密性が低下する恐れがある。
【0013】さらに、軸方向に大きな圧縮力が作用した
後に、油井管の自重による引張力が継手部に作用する
と、上記塑性変形のためトルクショルダ部43が開口す
る。このとき、何らかの原因で継手を緩める方向の捩じ
りトルクが作用すると、継手が容易に外れ、油井管が井
戸の中に落ち込む危険がある。いったん落ち込んだ場
合、井戸中での油井管10、10′の再締結が極めて困難で
あるため、開発中または生産中の井戸を廃坑しなければ
ならないという最悪の事態を招くことがある。このよう
な問題は、井戸の深さが深くなるにつれて油井管の自重
による引張力が増加するため、さらに深刻となる。
【0014】特開昭62−151692号公報に示されている異
強度継手では、腐食性のガスや流体が直接接触する継手
の内表面或いは外表面がともに高強度化されているた
め、腐食割れの問題を回避することが難しい。この問題
を回避するため焼きもどし温度を高くすると、強度の向
上代が低下するため、顕著な薄肉化効果が得られない。
【0015】さらに、継手部全体を焼き入れ処理するた
め、焼き入れ歪みによる変形が生じ、これを矯正または
削正するための後工程が必要となり、製造コストが上昇
する。
【0016】本発明の目的は、上記のような課題を解決
することができる、トルクショルダ部のみが高強度で、
かつ耐圧縮性能および耐腐食性能に優れたスリム型の油
井管用ねじ継手およびその製造方法を提供することにあ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、次の
(1) および(2) の油井管用ねじ継手ならびに(3) のそれ
らの製造方法にある。
【0018】(1)継手効率が70〜90%および継手外径が
油井管本体外径より大きく、かつ1.07倍以下であり、ピ
ン部とボックス部とを螺合締結するためのねじ部、油井
管の内圧もしくは外圧またはその両方に対して気密性を
確保するためのシール部、および締結トルクを管理する
ためのトルクショルダ部を備えたインテグラル方式の油
井管用ねじ継手であって、トルクショルダ部の強度が継
手の他の部位および油井管本体よりも高いことを特徴と
する異強度部を有するスリム型の油井管用ねじ継手。以
下、本発明の第1の継手という。
【0019】上記において、高い強度を付与するトルク
ショルダ部の望ましい範囲は、ピン部側とボックス部側
とでそれぞれ軸方向の厚さでトルクショルダ部高さの1/
2 〜2倍程度および径方向の厚さでトルクショルダ部高
さの1/2 〜1.5 倍で、継手内外表面に達しない程度であ
る。
【0020】トルクショルダ部の強度は、表面のHv 硬
さ基準で他の部位よりも15〜50%程度の範囲で高くし、
かつピン部側とボックス部側とで同程度にするのが望ま
しい。
【0021】上記のシール部およびトルクショルダ部の
数は限定しない。
【0022】(2)上記(1) のねじ継手において、さら
に、ねじ部の形状がテーパ状、継手の螺合締結に伴う雄
ねじと雌ねじとの干渉方向が半径方向、およびねじ部の
長さが油井管本体肉厚の3倍以上、5倍以下であること
を特徴とする異強度部を有するスリム型の油井管用ねじ
継手。以下、本発明の第2の継手という。
【0023】上記でいう「テーパ状」とは、全て同一の
テーパーのもの、部分的にテーパーが異なったり、また
は一部に平行部を含むものも包含している。
【0024】(3)上記(1) または(2) のねじ継手の製造
方法であって、機械加工によりねじ部、シール部および
トルクショルダ部を形成し、その後、熱処理によりトル
クショルダ部のみを継手の他の部位および油井管本体よ
りも高強度化することを特徴とする製造方法。
【0025】上記(1) の手段により、前記の従来技術に
おける耐圧縮性能、耐腐食性能および製造コストに係わ
る問題を解決する。(2) の手段により、ねじ部の圧縮分
担能力を高めることにより、耐圧縮性能の一層の向上を
図る。(3) の手段により、製造コストを最も低減させな
がら、所期の高強度を付与する。
【0026】
【発明の実施の形態】図1により、本発明の第1の継手
の構成例を説明する。図1は本発明の第1の継手の構成
例を示す要部の縦断面図であり、この例はインテグラル
方式である。
【0027】本発明で規定する程度の外径を有するスリ
ム型継手では、インテグラル方式の方がカップリング方
式に比べ製造コストが低減できるため、本発明はインテ
グラル方式に限定している。
【0028】この図1に示す継手では、継手効率が70〜
90%である。すなわち、A−A′断面におけるボックス
部20の断面積が、B−B′断面で例示する油井管10′本
体の断面積の70〜90%である。また、継手外径、すなわ
ちボックス部20の外径DB が油井管10′本体外径DP
り大きく、かつ1.07倍以下である。継手効率と継手外径
との間には相関関係があり、継手効率を増加させるには
継手外径を大きくする必要がある。本発明では、深井戸
用の油井管継手として実用に耐え得る継手効率を確保す
るとともに、継手外径を小さくして井戸の生産効率を高
める必要があり、これらを両立させるため継手効率およ
び継手外径を上記の範囲に選定した。
【0029】この継手は、外圧に対する気密性を確保す
るためのシール部11、および内圧に対する気密性を確保
するためのシール部12を備えている。
【0030】さらに、継手の中央部には締結トルクを管
理するためのトルクショルダ部43を有する。そして、こ
のトルクショルダ部43には、その強度が継手の他の部位
および油井管10,10′本体よりも高くなるようにした異
強度部が設けられている。高い異強度を有するトルクシ
ョルダ部43の望ましい範囲は、ピン部30側とボックス部
20側とでそれぞれ軸方向の厚さでトルクショルダ部高さ
の1/2 〜2倍程度および径方向の厚さでトルクショルダ
部高さの1/2 〜1.5 倍で、継手内外表面に達しない程度
である。ここで、トルクショルダ部高さとは、図1でH
で示すように、ショルダ部の径方向の厚さを意味する。
また、高強度とする径方向の厚さは、腐食割れの問題を
回避するため、継手の内外表面に達しないことが必要で
ある。
【0031】トルクショルダ部43の強度は、表面のHv
硬さ基準で15〜50%程度の範囲で高くし、かつピン部30
側とボックス部20側とで同程度にするのが望ましい。
【0032】上記のようにトルクショルダ部の強度を高
くすることにより、耐圧縮性能を向上させ、継手に軸方
向の圧縮力が作用してもトルクショルダ部に塑性変形が
発生するのを防止することができる。さらに、図1に示
すとおり、トルクショルダ部43は二つのシール部11,12
で密閉された継手内部に位置しているため、トルクショ
ルダ部43を高強度化しても腐食性のガスや流体と接触す
る懸念はなく、トルクショルダ部43における腐食割れの
発生を回避することができる。
【0033】本発明の第2の継手は、前記のようにトル
クショルダ部43の強度を高めた上でさらに、ねじ部の形
状をテーパ状、継手の螺合締結に伴う雄ねじ70と雌ねじ
80との干渉方向を半径方向、およびねじ部の長さを油井
管10′本体の肉厚の3倍以上、5倍以下としたものであ
る。前述のとおり、この「テーパ状」とは、全て同一の
テーパーのもの、部分的にテーパーが異なったり、また
は一部に平行部を含むものも包含している。
【0034】ねじ部の形状がテーパ状、継手の螺合締結
に伴う雄ねじ70と雌ねじ80との干渉方向が半径方向とな
るような構成とすることで、螺合締結したときのねじの
噛み合いを増加させることができる。ねじ部の長さは、
このようなねじ部の効果を得るための重要な因子であ
り、ねじ部での圧縮分担能力を顕著に増加させるには油
井管本体肉厚の3倍以上とする必要がある。しかしなが
ら、ねじ部の長さを極端に長くすることは、製造コスト
の増加を招くとともに、5倍を超えて長くしてもねじ部
での圧縮分担能力が飽和するため、上限を5倍にする。
製造コストと圧縮分担能力の両立を図るため、望ましい
ねじ部の長さは油井管本体の肉厚の4倍程度である。な
お、ここでいう「ねじ部の長さ」とはいわゆる「完全ね
じ部の長さ」である。
【0035】このようなねじ部の形状、干渉方向および
長さとすれば、ねじ部の圧縮分担能力が顕著に増加し、
トルクショルダ部に作用する軸方向の圧縮力を相対的に
低減させ、継手の耐圧縮性能をさらに向上させることが
できる。この結果、トルクショルダ部の塑性変形が完全
に防止される。これは、継手に軸方向の圧縮力が作用し
たとき、この圧縮力は主としてトルクショルダ部で分担
されるが、その幾分かはねじ部でも分担されることによ
る。
【0036】本発明の継手は、シール部11、12とトルク
ショルダ部43とが分離された図1に示すような構成の他
に、図2に示すようにシール部40が継手内に少なくとも
1ヵ所あり、シール部40とトルクショルダ部43とが隣接
して設けられた構成の場合にも適用することができる。
【0037】トルクショルダ部のみを高強度化する方法
としては、その表面にロール掛けやショットピーニング
を施すなどの機械的な方法が考えられる。しかし、機械
的な方法では、高強度となる部分が表面の極く近傍に限
られる。この場合は、軸方向の圧縮力が作用したとき、
高強度化されていない内部で塑性変形が生じるため、顕
著な耐圧縮性能の向上効果が得られない。
【0038】他の方法としては、別途に作製した高強度
のトルクショルダ部材を溶接または接着などで接合する
方法も考えられる。しかし溶接法では、溶接ビードを除
去するための機械加工工程が必要となり、その分だけコ
ストの増加を招く。接着法では長期間使用する際の耐久
性能に不安がある。
【0039】本発明の継手を製造する際には、機械加工
によりねじ部、シール部およびトルクショルダ部を形成
し、その後、トルクショルダ部のみを熱処理することに
より、継手の他の部位および油井管本体よりも高強度化
する方法でおこなうのが最もよい。
【0040】熱処理方法としては、高周波焼き入れ、火
炎焼入、レーザ焼入などを用いることができる。このよ
うな熱処理方法では、処理部位を狭い領域に限定するこ
とができるため、熱処理歪みによる変形はほとんど生じ
ず、矯正または削正するための後工程も必要ではなく、
製造コストの上昇を抑制することができる。中でも高周
波焼き入れ法は短時間ですむとともに高強度化の効果も
大きいことから、最も好ましい方法である。
【0041】焼き入れした後は、表面硬さを調整するた
めに、処理温度を調整した焼きもどし処理を施すのが望
ましい。高周波を用いる方法では、この焼きもどし処理
の際にも処理部位を狭い領域に限定することができる。
【0042】熱処理を用いる本発明方法では、前記の機
械的な方法や接合法の場合のような問題もなく、製造コ
ストの低減および望ましい高強度化を達成することが可
能である。
【0043】
【実施例】
(圧縮試験)表1に示す化学組成の油井管(寸法:外径
103.68mm、肉厚10.92mm 、表面のHv 硬さ:230 )を用
い、表2に示す条件で図1に示す構成の継手を形成し、
圧縮試験に供した。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】トルクショルダ部(表面から、ピン部側と
ボックス部側とでそれぞれ軸方向の厚さで4〜6mm程
度、径方向の厚さで4〜5mm程度)の熱処理には高周波
焼き入れ法を用い、焼きもどし温度を調整して高強度化
の度合い(表面のHv 硬さ)を変化させた。各継手の螺
合締結は、トルクショルダ部が接触した後のトルク増分
が等しくなるようにおこなった。
【0047】この試験の評価にはトルク比を用いた。す
なわち、上記のように螺合締結した後、油井管本体の降
伏強さの50%に相当する圧縮荷重を軸方向に負荷し、次
いで負荷を除去して継手を緩め、緩めるのに必要なトル
クと締結トルクとの比を求めた。表2に結果を併せて示
す。
【0048】表2に示すとおり、本発明の継手では全て
比較例の継手よりも高いトルク比が得られた。これは、
トルクショルダ部の強度を高くしたことにより、継手に
圧縮力が作用してもトルクショルダ部に塑性変形が生じ
なかったためである。
【0049】一方、比較例の継手ではいずれもトルクシ
ョルダ部に塑性変形が生じていた。
【0050】比較例Fの継手のように、トルクショルダ
部を高強度化することなく、ねじ部のみで本発明の継手
で定める条件を満足させても、その効果は十分でなく、
耐圧縮性能はほとんど向上しなかった。
【0051】(腐食割れ試験)表2に示す本発明の継手
B、および継手部全体を熱処理により高強度化(表面の
Hv 硬さ:300 )し、上記継手Bと同一の形状と締結条
件とで形成した比較例の継手を、ガス(1%H2S +残部
CO2)をバブリングした状態の5%NaCl溶液(25℃)に2
週間浸漬する腐食割れ試験に供し、割れ発生の有無を比
較調査した。
【0052】本発明の継手Bでは、腐食割れは全く発生
しなかった。しかし上記の比較例の継手では、ボックス
部の外面に腐食割れが発生した。これは、腐食溶液と直
接接触する継手の外面も高強度化したことにより、耐腐
食割れ特性が低下したためである。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、耐圧縮性能および耐腐
食性能に優れたスリム型の油井管用ねじ継手を得ること
ができる。さらに本発明の継手は、その外径が油井管本
体外径の1.07倍以下であり、天然ガスや原油の生産を一
層効率化させるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の継手の構成例を示す要部の縦断
面図である。
【図2】従来のねじ継手の構成例を示す縦断面図であ
る。
【符号の説明】
10、10′:油井管、 11、12、40:シール部、20:
ボックス部、 30:ピン部、43:トルクショルダ
部、 70:雄ねじ、80:雌ねじ、DB :継手(ボックス
部)の外径、DP :油井管本体の外径

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】継手効率が70〜90%および継手外径が油井
    管本体外径より大きく、かつ1.07倍以下であり、ピン部
    とボックス部とを螺合締結するためのねじ部、油井管の
    内圧もしくは外圧またはその両方に対して気密性を確保
    するためのシール部、および締結トルクを管理するため
    のトルクショルダ部を備えたインテグラル方式の油井管
    用ねじ継手であって、トルクショルダ部の強度が継手の
    他の部位および油井管本体よりも高いことを特徴とする
    異強度部を有するスリム型の油井管用ねじ継手。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の異強度部を有するスリム
    型の油井管用ねじ継手において、さらに、ねじ部の形状
    がテーパ状、継手の螺合締結に伴う雄ねじと雌ねじとの
    干渉方向が半径方向、およびねじ部の長さが油井管本体
    肉厚の3倍以上、5倍以下であることを特徴とする異強
    度部を有するスリム型の油井管用ねじ継手。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の異強度部
    を有するスリム型の油井管用ねじ継手の製造方法であっ
    て、機械加工によりねじ部、シール部およびトルクショ
    ルダ部を形成し、その後、熱処理によりトルクショルダ
    部のみを継手の他の部位および油井管本体よりも高強度
    化することを特徴とする異強度部を有するスリム型の油
    井管用ねじ継手の製造方法。
JP8244558A 1996-09-17 1996-09-17 異強度部を有するスリム型油井管用ねじ継手およびその製造方法 Pending JPH1089554A (ja)

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