JPH1089005A - 高温部材冷却装置 - Google Patents
高温部材冷却装置Info
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- JPH1089005A JPH1089005A JP8246063A JP24606396A JPH1089005A JP H1089005 A JPH1089005 A JP H1089005A JP 8246063 A JP8246063 A JP 8246063A JP 24606396 A JP24606396 A JP 24606396A JP H1089005 A JPH1089005 A JP H1089005A
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- F01D5/00—Blades; Blade-carrying members; Heating, heat-insulating, cooling or antivibration means on the blades or the members
- F01D5/12—Blades
- F01D5/14—Form or construction
- F01D5/18—Hollow blades, i.e. blades with cooling or heating channels or cavities; Heating, heat-insulating or cooling means on blades
- F01D5/186—Film cooling
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01D—NON-POSITIVE DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES, e.g. STEAM TURBINES
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- F01D9/06—Fluid supply conduits to nozzles or the like
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- F05D—INDEXING SCHEME FOR ASPECTS RELATING TO NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES, GAS-TURBINES OR JET-PROPULSION PLANTS
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- F05D2240/81—Cooled platforms
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- F05D—INDEXING SCHEME FOR ASPECTS RELATING TO NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES, GAS-TURBINES OR JET-PROPULSION PLANTS
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- F05D2260/20—Heat transfer, e.g. cooling
- F05D2260/202—Heat transfer, e.g. cooling by film cooling
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- Mechanical Engineering (AREA)
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- Fluid Mechanics (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 噴き出し流が下流方向に広い領域に拡散し一
様な保護膜を形成し高温部材の外面温度が一様となるよ
うに外表面を冷却できる高温部材冷却装置を提供する。 【解決手段】 高温流体（９）によって外表面（１ａ）
が曝される高温部材（１）に形成された噴出孔（２）を
介して、高温部材の内部から低温流体（５）を噴出さ
せ、高温部材の外表面をフィルム冷却する高温部材冷却
装置において、噴出孔はその軸線（２ａ）が高温流体の
流れ方向と鋭角（２ｂ）をなすように形成されており、
噴出孔の出口近傍に形成され高温流体の流れ方向とのな
す角度が軸線がなす鋭角よりも小さい鋭角（２ｃ）で外
表面を開口する拡散部（６）と、拡散部上に形成した少
なくとも１個の突起部（８）とを備えることを特徴とす
る。
様な保護膜を形成し高温部材の外面温度が一様となるよ
うに外表面を冷却できる高温部材冷却装置を提供する。 【解決手段】 高温流体（９）によって外表面（１ａ）
が曝される高温部材（１）に形成された噴出孔（２）を
介して、高温部材の内部から低温流体（５）を噴出さ
せ、高温部材の外表面をフィルム冷却する高温部材冷却
装置において、噴出孔はその軸線（２ａ）が高温流体の
流れ方向と鋭角（２ｂ）をなすように形成されており、
噴出孔の出口近傍に形成され高温流体の流れ方向とのな
す角度が軸線がなす鋭角よりも小さい鋭角（２ｃ）で外
表面を開口する拡散部（６）と、拡散部上に形成した少
なくとも１個の突起部（８）とを備えることを特徴とす
る。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービンや各
種熱機関の構成要素である翼や燃焼器等のように高温流
体に外表面が曝される高温部材を低温流体によってフィ
ルム冷却する高温部材冷却装置に関する。
種熱機関の構成要素である翼や燃焼器等のように高温流
体に外表面が曝される高温部材を低温流体によってフィ
ルム冷却する高温部材冷却装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】ガスタービンや各種熱機関の構成要素で
ある翼や燃焼器等のように高温流体に外表面が曝される
高温部材は、材質の許容温度を越えて高温流体によって
加熱されることを避ける必要がある。このために、高温
部材の内部に形成されたキャビティーより複数の小通路
（噴出孔）を経て高温部材の外表面へ空気や水等の冷却
媒体を導くことにより、この外表面に冷却媒体による保
護膜（フィルム）をフィルム状に形成し外表面をフィル
ム冷却することが行われている。
ある翼や燃焼器等のように高温流体に外表面が曝される
高温部材は、材質の許容温度を越えて高温流体によって
加熱されることを避ける必要がある。このために、高温
部材の内部に形成されたキャビティーより複数の小通路
（噴出孔）を経て高温部材の外表面へ空気や水等の冷却
媒体を導くことにより、この外表面に冷却媒体による保
護膜（フィルム）をフィルム状に形成し外表面をフィル
ム冷却することが行われている。
【０００３】フィルム冷却を適正に行うためには高温流
体を不必要に冷却しないようにする必要があり、冷却媒
体としての低温流体は必要最小限の小流量で供給され、
かつ下流側へできるだけ長い距離に渡って保護膜を形成
するように供給される。
体を不必要に冷却しないようにする必要があり、冷却媒
体としての低温流体は必要最小限の小流量で供給され、
かつ下流側へできるだけ長い距離に渡って保護膜を形成
するように供給される。
【０００４】このため、噴出孔の出口形状として種々の
ものが提案されている（図２７乃至図３５参照）。
ものが提案されている（図２７乃至図３５参照）。
【０００５】例えば、図２７乃至図２９に示すように、
噴き出し孔４０の出口４１が台形形状をなしたものがあ
り、その拡がり角度θは３０°までの角度が有効とされ
ている。
噴き出し孔４０の出口４１が台形形状をなしたものがあ
り、その拡がり角度θは３０°までの角度が有効とされ
ている。
【０００６】図３０乃至図３２は噴き出し孔４２の出口
４３が矩形の場合を示し、図２７乃至図２９に示す噴き
出し孔の出口が台形である場合に比べて噴き出し流の拡
散効果を大きくすることを意図したものである。
４３が矩形の場合を示し、図２７乃至図２９に示す噴き
出し孔の出口が台形である場合に比べて噴き出し流の拡
散効果を大きくすることを意図したものである。
【０００７】また、図３３、図３４は噴き出し孔４４の
出口４５が扇形である場合を示し、図３０乃至図３２に
示す場合と同様に噴き出し流の拡散を大きくし主流と垂
直方向の拡散を大きくすることを意図したものである。
出口４５が扇形である場合を示し、図３０乃至図３２に
示す場合と同様に噴き出し流の拡散を大きくし主流と垂
直方向の拡散を大きくすることを意図したものである。
【０００８】さらに、図３５は噴き出し孔４６の出口４
７までの流路４８の形状を段階状に形成された例を示
し、（ａ）は通路４８を鋭角の段階状に、また（ｂ）は
通路４８ａを鈍角の段階状に、（ｃ）は通路４８ｂの段
階を二段としたものである。この図３５（ａ）〜（ｃ）
に示した流路形状は、噴き出し流路途中で噴き出し流を
拡散させ運動量を低下させることで噴き出し流の噴き抜
けを防止するとともに乱流を促進させ冷却能力を向上さ
せることを意図したものである。
７までの流路４８の形状を段階状に形成された例を示
し、（ａ）は通路４８を鋭角の段階状に、また（ｂ）は
通路４８ａを鈍角の段階状に、（ｃ）は通路４８ｂの段
階を二段としたものである。この図３５（ａ）〜（ｃ）
に示した流路形状は、噴き出し流路途中で噴き出し流を
拡散させ運動量を低下させることで噴き出し流の噴き抜
けを防止するとともに乱流を促進させ冷却能力を向上さ
せることを意図したものである。
【０００９】噴き出し孔の出口形状は、初期の段階では
円形型の出口形状が主流であった。しかし、この場合、
噴出孔の個数や大きさ及び間隔が制限されることから保
護膜の間に隙間が生じたり、また冷却媒体が噴き抜けて
しまう。このため、噴出孔の軸線を高温部材の外表面に
対し高温流体の流れる方向に傾斜させたり、また、噴出
孔から噴出する低温流体が外表面に沿って流れやすくす
るために噴出孔の開口部近傍に拡散部を設けることが行
われている（図２７乃至図３４参照）。
円形型の出口形状が主流であった。しかし、この場合、
噴出孔の個数や大きさ及び間隔が制限されることから保
護膜の間に隙間が生じたり、また冷却媒体が噴き抜けて
しまう。このため、噴出孔の軸線を高温部材の外表面に
対し高温流体の流れる方向に傾斜させたり、また、噴出
孔から噴出する低温流体が外表面に沿って流れやすくす
るために噴出孔の開口部近傍に拡散部を設けることが行
われている（図２７乃至図３４参照）。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】噴出孔の軸線と高温部
材の外表面とのなす角度や、噴出孔の軸線方向と噴出孔
の開口部に於いて高温部材の外表面上を流れる高温流体
の流れ方向との関係は、フィルム冷却の有効性に影響を
及ぼす重要な因子である。
材の外表面とのなす角度や、噴出孔の軸線方向と噴出孔
の開口部に於いて高温部材の外表面上を流れる高温流体
の流れ方向との関係は、フィルム冷却の有効性に影響を
及ぼす重要な因子である。
【００１１】噴出孔の出口近傍に拡散部を設けた場合で
あっても、実際には、隣り合う噴出孔の間の間隔の７０
％程度しか保護膜が形成されず、低温流体による冷却が
十分に行われていないという問題があった。
あっても、実際には、隣り合う噴出孔の間の間隔の７０
％程度しか保護膜が形成されず、低温流体による冷却が
十分に行われていないという問題があった。
【００１２】また、拡散部を設けた場合、噴出孔から噴
出する低温流体の噴き出し圧力が低下することにより、
噴出孔の開口部において高温流体の流れ（主流）の巻き
込みが生じ、噴き出し流特有の渦が発生し、この渦が保
護膜が一様に広まることを抑制し、飛躍的な保護膜の拡
大を望むことはできない。
出する低温流体の噴き出し圧力が低下することにより、
噴出孔の開口部において高温流体の流れ（主流）の巻き
込みが生じ、噴き出し流特有の渦が発生し、この渦が保
護膜が一様に広まることを抑制し、飛躍的な保護膜の拡
大を望むことはできない。
【００１３】また、前述したように乱流促進により冷却
作用を促進するねらいとして通路を２段階に分け、また
各段が異なる傾斜角を有する形状も提案されており（図
３５参照）、この作用として噴き出し流が拡散される。
しかし上記の様に各段が異なる角度を有するためにはそ
の加工及び後処理が複雑になり、高温材料の寿命に関し
ては課題が残る。
作用を促進するねらいとして通路を２段階に分け、また
各段が異なる傾斜角を有する形状も提案されており（図
３５参照）、この作用として噴き出し流が拡散される。
しかし上記の様に各段が異なる角度を有するためにはそ
の加工及び後処理が複雑になり、高温材料の寿命に関し
ては課題が残る。
【００１４】高温流体の流れ方向（主流方向）に水平な
方向の冷却作用を促進させるため、冷却媒体を吹き出す
角度を主流方向と水平な方向に傾斜させる形状も提案さ
れている。この作用として、主流方向噴き出しに比較し
主流方向と水平な方向の平均的な保護膜は拡大するが、
課題として噴き出し流の主流方向に対する非対称性から
温度分布に非対称性が残ってしまうことがあげられる。
方向の冷却作用を促進させるため、冷却媒体を吹き出す
角度を主流方向と水平な方向に傾斜させる形状も提案さ
れている。この作用として、主流方向噴き出しに比較し
主流方向と水平な方向の平均的な保護膜は拡大するが、
課題として噴き出し流の主流方向に対する非対称性から
温度分布に非対称性が残ってしまうことがあげられる。
【００１５】上述したように、主流方向への保護膜の形
成される範囲は噴出孔のほぼ出口幅程度で保護膜領域は
広くなく、下流方向へ保護膜を形成することや噴出孔か
ら低温流体が噴き抜けてしまうことを抑制することにつ
いては大幅な改善は見られない。また、より広い領域の
一様な保護膜を形成するためには、高温流体の流れに起
因する巻き込みを制御する必要がある。
成される範囲は噴出孔のほぼ出口幅程度で保護膜領域は
広くなく、下流方向へ保護膜を形成することや噴出孔か
ら低温流体が噴き抜けてしまうことを抑制することにつ
いては大幅な改善は見られない。また、より広い領域の
一様な保護膜を形成するためには、高温流体の流れに起
因する巻き込みを制御する必要がある。
【００１６】そこで本発明の目的は、上記従来技術の有
する問題点を解消し、特に噴き出し流に対する主流の巻
き込みにより発生する渦の制御を行い、噴き出し流が下
流方向に広い領域に拡散し一様な保護膜を形成し高温部
材の外面温度が一様となるように外表面を冷却できる高
温部材冷却装置を提供することである。
する問題点を解消し、特に噴き出し流に対する主流の巻
き込みにより発生する渦の制御を行い、噴き出し流が下
流方向に広い領域に拡散し一様な保護膜を形成し高温部
材の外面温度が一様となるように外表面を冷却できる高
温部材冷却装置を提供することである。
【００１７】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による高温部材冷却装置は、高温流体によっ
て外表面が曝される高温部材に形成された噴出孔を介し
て、前記高温部材の内部から低温流体を噴出させ、前記
高温部材の外表面をフィルム冷却する高温部材冷却装置
において、前記噴出孔はその軸線が高温流体の流れ方向
と鋭角をなすように形成されており、前記噴出孔の出口
近傍に形成され高温流体の流れ方向とのなす角度が前記
軸線がなす鋭角よりも小さい鋭角で前記外表面を開口す
る拡散部と、前記拡散部上に形成した少なくとも１個の
突起部とを備えることを特徴とする。
に、本発明による高温部材冷却装置は、高温流体によっ
て外表面が曝される高温部材に形成された噴出孔を介し
て、前記高温部材の内部から低温流体を噴出させ、前記
高温部材の外表面をフィルム冷却する高温部材冷却装置
において、前記噴出孔はその軸線が高温流体の流れ方向
と鋭角をなすように形成されており、前記噴出孔の出口
近傍に形成され高温流体の流れ方向とのなす角度が前記
軸線がなす鋭角よりも小さい鋭角で前記外表面を開口す
る拡散部と、前記拡散部上に形成した少なくとも１個の
突起部とを備えることを特徴とする。
【００１８】また、前記突起部は角柱形状を有する。ま
た、前記突起部は円柱形状を有する。また、前記突起部
は角錐形状を有する。また、前記突起部は高温流体の流
れ方向に幅がより広くなる形状を有する。
た、前記突起部は円柱形状を有する。また、前記突起部
は角錐形状を有する。また、前記突起部は高温流体の流
れ方向に幅がより広くなる形状を有する。
【００１９】また、複数の前記突起部が高温流体の流れ
方向により広がるように配設されている。
方向により広がるように配設されている。
【００２０】次に、本発明の作用について説明する。図
６において、高温部材１に形成された噴出孔２から噴出
方向１２へ噴出する低温流体の噴き出し流５と高温部材
１の外表面１ａ上を主流方向１０に流れる高温流体９が
示されている。高温流体９は、噴出する低温流体の噴き
出し流５を両側面から回り込むように二つの流れ１４、
１４に分流される。この二つに分流する流れ１４、１４
は、主流方向１０に対向する方向から見て反時計方向の
巻き上げ渦１４ａと時計方向の巻き上げ渦１４ｂを形成
する。これらの巻き上げ渦１４ａ，１４ｂは、噴出孔２
の下流１８において低温流体の噴き出し流５を外表面１
ａから離反させるように作用し、低温流体の噴き出し流
５が外表面１ａをフィルム冷却することを阻害する。
６において、高温部材１に形成された噴出孔２から噴出
方向１２へ噴出する低温流体の噴き出し流５と高温部材
１の外表面１ａ上を主流方向１０に流れる高温流体９が
示されている。高温流体９は、噴出する低温流体の噴き
出し流５を両側面から回り込むように二つの流れ１４、
１４に分流される。この二つに分流する流れ１４、１４
は、主流方向１０に対向する方向から見て反時計方向の
巻き上げ渦１４ａと時計方向の巻き上げ渦１４ｂを形成
する。これらの巻き上げ渦１４ａ，１４ｂは、噴出孔２
の下流１８において低温流体の噴き出し流５を外表面１
ａから離反させるように作用し、低温流体の噴き出し流
５が外表面１ａをフィルム冷却することを阻害する。
【００２１】これに対し本発明は図５に示すように、巻
き上げ渦１４ａ，１４ｂを打ち消すように打ち消し渦１
６ａ，１６ｂを生成させようとするものである。打ち消
し渦１６ａ，１６ｂは、噴出孔２の出口近傍３に形成さ
れた拡散部６上に設けた突起部８によって生成される。
き上げ渦１４ａ，１４ｂを打ち消すように打ち消し渦１
６ａ，１６ｂを生成させようとするものである。打ち消
し渦１６ａ，１６ｂは、噴出孔２の出口近傍３に形成さ
れた拡散部６上に設けた突起部８によって生成される。
【００２２】すなわち本発明は、高温部材１に形成され
た噴出孔２から高温流体９に曝される高温部材１の外表
面１ａに向かって低温流体の噴き出し流５を少なくとも
１個の噴出孔２から噴き出させ高温部材１の外表面１ａ
をフィルム冷却する。噴出孔２の出口近傍には拡散部６
が形成されており、拡散部６には突起部８が設けられて
いる。突起部８によって生じた渦１６ａ，１６ｂは、低
温流体の噴き出し流５を巻き込むように発生する高温流
体９の流れ（主流）による渦１４ａ，１４ｂと逆方向の
回転成分を有する。この結果、渦１４ａ，１４ｂと渦１
６ａ，１６ｂとが干渉し、主流の巻き込みにより生じた
渦１４ａ，１４ｂは消失し、噴出孔２の下流域１８にお
いて低温流体の噴き出し流５の上方への拡散は抑制され
るとともに、主流と水平な方向への噴き出し流５の拡散
が生じ、噴出孔２の下流１８に一様な保護膜が形成され
る。また突起部８によって発生させる渦１６ａ，１６ｂ
の規模を大きくすることで、主流と干渉した後も主流の
巻き込みにより発生する渦１４ａ，１４ｂと逆回転方向
の渦成分１６ａ，１６ｂが残り、この渦１６ａ，１６ｂ
はその回転方向から理解できるように主流方向１０と水
平な方向に拡散することから噴出孔２の下流１８にて主
流と水平な方向に低温流体の噴き出し流５が拡散し、主
流と水平な方向に対して一様な保護膜を形成することが
可能になる。
た噴出孔２から高温流体９に曝される高温部材１の外表
面１ａに向かって低温流体の噴き出し流５を少なくとも
１個の噴出孔２から噴き出させ高温部材１の外表面１ａ
をフィルム冷却する。噴出孔２の出口近傍には拡散部６
が形成されており、拡散部６には突起部８が設けられて
いる。突起部８によって生じた渦１６ａ，１６ｂは、低
温流体の噴き出し流５を巻き込むように発生する高温流
体９の流れ（主流）による渦１４ａ，１４ｂと逆方向の
回転成分を有する。この結果、渦１４ａ，１４ｂと渦１
６ａ，１６ｂとが干渉し、主流の巻き込みにより生じた
渦１４ａ，１４ｂは消失し、噴出孔２の下流域１８にお
いて低温流体の噴き出し流５の上方への拡散は抑制され
るとともに、主流と水平な方向への噴き出し流５の拡散
が生じ、噴出孔２の下流１８に一様な保護膜が形成され
る。また突起部８によって発生させる渦１６ａ，１６ｂ
の規模を大きくすることで、主流と干渉した後も主流の
巻き込みにより発生する渦１４ａ，１４ｂと逆回転方向
の渦成分１６ａ，１６ｂが残り、この渦１６ａ，１６ｂ
はその回転方向から理解できるように主流方向１０と水
平な方向に拡散することから噴出孔２の下流１８にて主
流と水平な方向に低温流体の噴き出し流５が拡散し、主
流と水平な方向に対して一様な保護膜を形成することが
可能になる。
【００２３】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の好
適な実施の形態について説明する。
適な実施の形態について説明する。
【００２４】図２４乃至図２６は、ガスタービンの中空
動翼２０に適用されているフィルム冷却の例を示す図で
ある。中空動翼２０は、高温部材としての翼形部２１
と、翼形部２１をエンジンのロータ（図示せず）に装着
するベース２２とを備えており、翼形部２１は圧力側面
２５及び負圧側面２６と、前縁２７及び後縁２８と、端
キャップ２９とを有する。冷却媒体としての低温流体は
動翼のベース２２に流入して上方に通流し翼形部２１内
に達する。翼形部２１に達した冷却媒体は動翼内部に形
成された通路３０ａ，３０ｂ，３０ｃを通流し、側壁２
５、２６と前後両縁２７、２８と端キャップ２９とに設
けられた噴出孔２を通って翼形部２１の外表面２１ａに
流出する。高温流体９は図２４において左方から翼形部
２１に向かって主流方向１０へ流れている。
動翼２０に適用されているフィルム冷却の例を示す図で
ある。中空動翼２０は、高温部材としての翼形部２１
と、翼形部２１をエンジンのロータ（図示せず）に装着
するベース２２とを備えており、翼形部２１は圧力側面
２５及び負圧側面２６と、前縁２７及び後縁２８と、端
キャップ２９とを有する。冷却媒体としての低温流体は
動翼のベース２２に流入して上方に通流し翼形部２１内
に達する。翼形部２１に達した冷却媒体は動翼内部に形
成された通路３０ａ，３０ｂ，３０ｃを通流し、側壁２
５、２６と前後両縁２７、２８と端キャップ２９とに設
けられた噴出孔２を通って翼形部２１の外表面２１ａに
流出する。高温流体９は図２４において左方から翼形部
２１に向かって主流方向１０へ流れている。
【００２５】次に、高温部材１として翼形部２１に設け
られた噴出孔２を含む部分を切り出し、噴出孔２と拡散
部６と突起部８の具体的実施例について説明する。
られた噴出孔２を含む部分を切り出し、噴出孔２と拡散
部６と突起部８の具体的実施例について説明する。
【００２６】まず図１乃至図４を参照して本発明の第１
実施例について説明する。高温部材１として翼形部２１
にある噴出孔２を含む部分を切り出して説明する。
実施例について説明する。高温部材１として翼形部２１
にある噴出孔２を含む部分を切り出して説明する。
【００２７】図１において、高温部材１の外表面１ａは
主流方向１０へ流れる高温流体９によって曝されてお
り、高温部材１には傾斜した円筒状の噴出孔２が形成さ
れており、噴出孔２の出口近傍の開口部３からは冷却部
材としての空気や水、蒸気等の低温流体５の噴き出し流
５が噴出している。開口部３の近傍の高温流体９の下流
側には、拡散部６が形成されている。拡散部６は、主流
方向１０の下流側の開口部３開口縁の一部が削落され、
この削落して形成された縁部６ｂから平面視拡開して外
表面１ａに連なるように形成されている。
主流方向１０へ流れる高温流体９によって曝されてお
り、高温部材１には傾斜した円筒状の噴出孔２が形成さ
れており、噴出孔２の出口近傍の開口部３からは冷却部
材としての空気や水、蒸気等の低温流体５の噴き出し流
５が噴出している。開口部３の近傍の高温流体９の下流
側には、拡散部６が形成されている。拡散部６は、主流
方向１０の下流側の開口部３開口縁の一部が削落され、
この削落して形成された縁部６ｂから平面視拡開して外
表面１ａに連なるように形成されている。
【００２８】噴出孔２の軸線２ａと主流方向１０とのな
す角度２ｂは鋭角をなしており、軸線２ａと拡散部６の
面に沿う方向とのなす角度２ｃは、角度２ｂより小さい
鋭角をなしている。
す角度２ｂは鋭角をなしており、軸線２ａと拡散部６の
面に沿う方向とのなす角度２ｃは、角度２ｂより小さい
鋭角をなしている。
【００２９】拡散部６の表面６ａ上には、角柱状の突起
部８が形成されている。突起部８の頂部としての上面８
ａは外表面１ａと同一面をなす。上面８ａの幅は均一で
あるが、下流方向に進むに従ってより大きくなるように
してもよい。そして、低温流体５の噴出し流１２方向に
対応する突起部８の両側面８ｂは拡散部６の表面６ａに
垂直に形成されている。なお、突起部８の大きさや設置
位置は主流９の条件や高温部材１の表面の曲率等により
適宜選択されるものである。
部８が形成されている。突起部８の頂部としての上面８
ａは外表面１ａと同一面をなす。上面８ａの幅は均一で
あるが、下流方向に進むに従ってより大きくなるように
してもよい。そして、低温流体５の噴出し流１２方向に
対応する突起部８の両側面８ｂは拡散部６の表面６ａに
垂直に形成されている。なお、突起部８の大きさや設置
位置は主流９の条件や高温部材１の表面の曲率等により
適宜選択されるものである。
【００３０】本実施例によれば、図４および図５に示す
ように、突起部８によって渦１６ａ，１６ｂが生じる。
この結果、前述したように、低温流体５の噴き出し流１
２を巻き込むように発生する高温流体９の流れ（主流）
による渦１４ａ，１４ｂが消失し、噴出孔２の下流域１
８において低温流体の噴き出し流１２の上方への拡散が
抑制されるとともに、主流と水平な方向への噴き出し流
１２の拡散が生じ、噴出孔２の下流１８に一様な保護膜
が形成される。また突起部８によって発生させる渦１６
ａ，１６ｂの規模を大きくし、渦１４ａ，１４ｂと相殺
後にも渦成分１６ａ，１６ｂが残るようにし、噴出孔２
の下流域１８にて主流と水平な方向に低温流体の噴き出
し流５を拡散させ、主流と水平な方向に対して一様な保
護膜を形成することが可能になる。
ように、突起部８によって渦１６ａ，１６ｂが生じる。
この結果、前述したように、低温流体５の噴き出し流１
２を巻き込むように発生する高温流体９の流れ（主流）
による渦１４ａ，１４ｂが消失し、噴出孔２の下流域１
８において低温流体の噴き出し流１２の上方への拡散が
抑制されるとともに、主流と水平な方向への噴き出し流
１２の拡散が生じ、噴出孔２の下流１８に一様な保護膜
が形成される。また突起部８によって発生させる渦１６
ａ，１６ｂの規模を大きくし、渦１４ａ，１４ｂと相殺
後にも渦成分１６ａ，１６ｂが残るようにし、噴出孔２
の下流域１８にて主流と水平な方向に低温流体の噴き出
し流５を拡散させ、主流と水平な方向に対して一様な保
護膜を形成することが可能になる。
【００３１】次に図７乃至図９を参照して第２実施例に
ついて説明する。
ついて説明する。
【００３２】本実施例における突起部５０は四角錐の形
状を有する。突起部５０の上面５０ａは長方形状を有し
外表面１ａと同一面をなし、側面５０ｂは直角三角形状
をなす。突起部５０の左方の端部は縁部６ｂより下流側
にあり、突起部５０の右方の端部は下流側の拡散部６の
縁部６ｃに一致する。
状を有する。突起部５０の上面５０ａは長方形状を有し
外表面１ａと同一面をなし、側面５０ｂは直角三角形状
をなす。突起部５０の左方の端部は縁部６ｂより下流側
にあり、突起部５０の右方の端部は下流側の拡散部６の
縁部６ｃに一致する。
【００３３】次に図１０乃至図１２を参照して第３実施
例について説明する。
例について説明する。
【００３４】本実施例における突起部５１は三角錐の形
状を有する。三角錐の底面は拡散部６の表面６ａ上にあ
り、三角錐の１個の頂点が上流側にあり、２個の頂点が
下流側にある。三角錐の残りの頂点は外表面１ａと同一
面上にある。突起部５０の側面５１ｂは拡散部６の表面
６ａに対し傾斜して位置する。
状を有する。三角錐の底面は拡散部６の表面６ａ上にあ
り、三角錐の１個の頂点が上流側にあり、２個の頂点が
下流側にある。三角錐の残りの頂点は外表面１ａと同一
面上にある。突起部５０の側面５１ｂは拡散部６の表面
６ａに対し傾斜して位置する。
【００３５】本実施例によれば、突起部５１は三角錐状
に形成され上流側に１個の頂点が位置し下流側に２個の
頂点が位置するようにしたので、前述の実施例と同様に
渦１６ａ，１６ｂを生成できる他に、突起部５１を設け
ても低温流体の噴き出し流１２が大きい抵抗を受けるこ
となく拡散部６に沿って円滑に流れるようにすることが
できる。
に形成され上流側に１個の頂点が位置し下流側に２個の
頂点が位置するようにしたので、前述の実施例と同様に
渦１６ａ，１６ｂを生成できる他に、突起部５１を設け
ても低温流体の噴き出し流１２が大きい抵抗を受けるこ
となく拡散部６に沿って円滑に流れるようにすることが
できる。
【００３６】次に図１３乃至図１５を参照して第４実施
例について説明する。
例について説明する。
【００３７】本実施例では、２個の突起部５２、５３が
設けられ、各々の突起部５２、５３は図７に示した突起
部と類似した三角錐形状を有する。２個の突起部５２、
５３は互いに下流方向に広がるように設けられている。
突起部５２、５３の上面は外表面１ａと同一面上に形成
されている。
設けられ、各々の突起部５２、５３は図７に示した突起
部と類似した三角錐形状を有する。２個の突起部５２、
５３は互いに下流方向に広がるように設けられている。
突起部５２、５３の上面は外表面１ａと同一面上に形成
されている。
【００３８】本実施例によれば、２個の突起部５２、５
３を下流方向により広がるように設けたので、巻き上げ
渦１４ａ，１４ｂを打ち消すように打ち消し渦１６ａ，
１６ｂを効果的に生成することができる。
３を下流方向により広がるように設けたので、巻き上げ
渦１４ａ，１４ｂを打ち消すように打ち消し渦１６ａ，
１６ｂを効果的に生成することができる。
【００３９】次に図１６乃至図１８を参照して第５実施
例について説明する。
例について説明する。
【００４０】本実施例では、２個の突起部５４、５５が
設けられ、各々の突起部５４、５５は図１３に示した突
起部と類似した三角錐形状を有する。２個の突起部５
４、５５は互いに下流方向により広がるように設けられ
ている。突起部５４、５５の上面は外表面１ａと同一面
上に形成されており、拡散部６の上流側縁部６ｂから下
流側縁部６ｃまで至るように形成されている。
設けられ、各々の突起部５４、５５は図１３に示した突
起部と類似した三角錐形状を有する。２個の突起部５
４、５５は互いに下流方向により広がるように設けられ
ている。突起部５４、５５の上面は外表面１ａと同一面
上に形成されており、拡散部６の上流側縁部６ｂから下
流側縁部６ｃまで至るように形成されている。
【００４１】本実施例によれば、２個の突起部５４、５
５を下流方向により広がるように設けたので、巻き上げ
渦１４ａ，１４ｂを打ち消すように打ち消し渦１６ａ，
１６ｂを効果的に生成することができる。
５を下流方向により広がるように設けたので、巻き上げ
渦１４ａ，１４ｂを打ち消すように打ち消し渦１６ａ，
１６ｂを効果的に生成することができる。
【００４２】次に図１９乃至図２１を参照して第６実施
例について説明する。
例について説明する。
【００４３】本実施例では、ほぼ四角錐の形状を有する
突起部５６が設けられている。四角錐の頂部である突起
部５６の上面５６ａの上流側端部は拡散部６の縁部６ｂ
上にある。また上面５６ａの下流側端部５６ｃは拡散部
６の縁部６ｃより上流側にあるとともに外表面１ａ上に
ある。突起部５６の側面５６ｂは縁部６ｂの位置に頂点
を有する三角形状を有する。また、上面５６ａの横幅は
下流方向により広くなっている。
突起部５６が設けられている。四角錐の頂部である突起
部５６の上面５６ａの上流側端部は拡散部６の縁部６ｂ
上にある。また上面５６ａの下流側端部５６ｃは拡散部
６の縁部６ｃより上流側にあるとともに外表面１ａ上に
ある。突起部５６の側面５６ｂは縁部６ｂの位置に頂点
を有する三角形状を有する。また、上面５６ａの横幅は
下流方向により広くなっている。
【００４４】本実施例によれば、突起部５６を四角錐状
に形成しこの四角錐の頂部が縁部５６ｂにあるように配
設したので、前述の実施例と同様に渦１６ａ，１６ｂを
生成できる他に、突起部５６を設けても低温流体の噴き
出し流１２が拡散部６に沿って円滑に流れるようにする
ことができる。
に形成しこの四角錐の頂部が縁部５６ｂにあるように配
設したので、前述の実施例と同様に渦１６ａ，１６ｂを
生成できる他に、突起部５６を設けても低温流体の噴き
出し流１２が拡散部６に沿って円滑に流れるようにする
ことができる。
【００４５】次に図２２を参照して第７実施例について
説明する。
説明する。
【００４６】本実施例では、ほぼ四角錐の形状を有する
突起部５７が設けられている。突起部５７の上面５７ａ
は外表面１ａ上にある。四角錐の頂部である突起部５７
の上面５７ａの下流側端部は拡散部６の縁部６ｃにあ
り、また上面５７ａの上流側端部は拡散部６の縁部６ｂ
上にある。突起部５７の側面５７ｂは縁部６ｃの位置に
頂点を有する三角形状を有する。また、上面５７ａの横
幅は下流方向により広くなっている。
突起部５７が設けられている。突起部５７の上面５７ａ
は外表面１ａ上にある。四角錐の頂部である突起部５７
の上面５７ａの下流側端部は拡散部６の縁部６ｃにあ
り、また上面５７ａの上流側端部は拡散部６の縁部６ｂ
上にある。突起部５７の側面５７ｂは縁部６ｃの位置に
頂点を有する三角形状を有する。また、上面５７ａの横
幅は下流方向により広くなっている。
【００４７】本実施例によれば、突起部５７を上述のよ
うな形状を有するようにしたので、前述の実施例と同様
に渦１６ａ，１６ｂを生成できる他に、拡散部６に突起
部５７を簡易に加工生成することができる。
うな形状を有するようにしたので、前述の実施例と同様
に渦１６ａ，１６ｂを生成できる他に、拡散部６に突起
部５７を簡易に加工生成することができる。
【００４８】次に、図２３に本発明と従来技術とについ
て噴出孔２の開口部３の下流方向における膜冷却効率の
比較結果を示す。ここで、縦軸は膜冷却効率を示し、膜
冷却効率は（高温流体の温度−壁面温度）／（高温流体
の温度−低温流体噴き出し流の温度）で与えられる。横
軸は下流方向の噴出孔２の開口中心からび距離を示す。
図２３において、Ｉは図２７乃至図２９に示す従来の噴
出孔４０等における場合を示し、IIは図３３及び図３４
に示す従来の噴出孔２等における場合を示し、III は図
３０乃至図３２に示す従来の噴出孔４４等における場合
の各々の結果を示す。また、IVは本発明の図９に示す噴
出孔２等の場合の結果を示す。
て噴出孔２の開口部３の下流方向における膜冷却効率の
比較結果を示す。ここで、縦軸は膜冷却効率を示し、膜
冷却効率は（高温流体の温度−壁面温度）／（高温流体
の温度−低温流体噴き出し流の温度）で与えられる。横
軸は下流方向の噴出孔２の開口中心からび距離を示す。
図２３において、Ｉは図２７乃至図２９に示す従来の噴
出孔４０等における場合を示し、IIは図３３及び図３４
に示す従来の噴出孔２等における場合を示し、III は図
３０乃至図３２に示す従来の噴出孔４４等における場合
の各々の結果を示す。また、IVは本発明の図９に示す噴
出孔２等の場合の結果を示す。
【００４９】図２３において、本発明の場合IVは従来の
場合Ｉ、IIあるいはIII と比較して、膜冷却効率が増加
していることが認められる。
場合Ｉ、IIあるいはIII と比較して、膜冷却効率が増加
していることが認められる。
【００５０】なお、本発明に関する上述の説明におい
て、突起部８を拡散部６に設けるとして説明したが、本
発明はこれに限らず、拡散部６を形成せずに突起部８を
噴出孔２の下流側壁面に設けてもよい。
て、突起部８を拡散部６に設けるとして説明したが、本
発明はこれに限らず、拡散部６を形成せずに突起部８を
噴出孔２の下流側壁面に設けてもよい。
【００５１】また、突起部８を設ける拡散部６の形状は
上述に説明した場合に限らず、他の形状でもよく、例え
ば図２７乃至図３５に示すような形状であってもよい。
上述に説明した場合に限らず、他の形状でもよく、例え
ば図２７乃至図３５に示すような形状であってもよい。
【００５２】また、突起部８の形状を角柱形状や角錐形
状であるとしたが、突起部８の形状は打ち消し渦１６
ａ，１６ｂを生成できるものであればこれらの形状に限
らず、これらの形状を組み合わせて形成される形状や、
円柱形状や、これらの形状とは全く異なる形状であって
もよい。
状であるとしたが、突起部８の形状は打ち消し渦１６
ａ，１６ｂを生成できるものであればこれらの形状に限
らず、これらの形状を組み合わせて形成される形状や、
円柱形状や、これらの形状とは全く異なる形状であって
もよい。
【００５３】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の構成によ
れば、噴出孔はその軸線が高温流体の流れ方向と鋭角を
なすように形成されており、噴出孔の出口近傍に形成さ
れ高温流体の流れ方向とのなす角度が軸線がなす鋭角よ
りも小さい鋭角で外表面を開口する拡散部と、拡散部上
に形成した少なくとも１個の突起部とを備えるので、突
起部によって、低温流体の噴き出し流を巻き込むように
発生する高温流体の流れ（主流）による渦と逆方向の回
転成分を有する渦を発生させることができ、この結果、
両者の渦と渦とが干渉し、主流の巻き込みにより生じた
渦を消失させることができ、噴出孔の下流において低温
流体の噴き出し流の上方への拡散を抑制できるととも
に、主流と水平な方向への噴き出し流の拡散を生じさ
せ、噴出孔の下流に一様な保護膜を形成することができ
る。
れば、噴出孔はその軸線が高温流体の流れ方向と鋭角を
なすように形成されており、噴出孔の出口近傍に形成さ
れ高温流体の流れ方向とのなす角度が軸線がなす鋭角よ
りも小さい鋭角で外表面を開口する拡散部と、拡散部上
に形成した少なくとも１個の突起部とを備えるので、突
起部によって、低温流体の噴き出し流を巻き込むように
発生する高温流体の流れ（主流）による渦と逆方向の回
転成分を有する渦を発生させることができ、この結果、
両者の渦と渦とが干渉し、主流の巻き込みにより生じた
渦を消失させることができ、噴出孔の下流において低温
流体の噴き出し流の上方への拡散を抑制できるととも
に、主流と水平な方向への噴き出し流の拡散を生じさ
せ、噴出孔の下流に一様な保護膜を形成することができ
る。
【００５４】また突起部によって発生させる渦の規模を
大きくすることで、主流と干渉した後も主流の巻き込み
により発生する渦と逆回転方向の渦成分を残し、噴出孔
の下流にて主流と水平な方向に低温流体の噴き出し流を
拡散させ、主流と水平な方向に対して一様な保護膜を形
成させることができる。
大きくすることで、主流と干渉した後も主流の巻き込み
により発生する渦と逆回転方向の渦成分を残し、噴出孔
の下流にて主流と水平な方向に低温流体の噴き出し流を
拡散させ、主流と水平な方向に対して一様な保護膜を形
成させることができる。
【図１】本発明による高温部材冷却装置の第１実施例を
示す斜視図。
示す斜視図。
【図２】同平面図。
【図３】図２におけるＨ−Ｈ断面図。
【図４】本発明による高温部材冷却装置の第１実施例に
おいて、拡散部に設けた突起部によって発生する渦を示
す図。
おいて、拡散部に設けた突起部によって発生する渦を示
す図。
【図５】本発明の拡散部に設けた突起部の作用を説明す
る図。
る図。
【図６】高温流体の流れが低温流体の噴き出し流と作用
し巻き上げ渦が生成されることを説明する図。
し巻き上げ渦が生成されることを説明する図。
【図７】本発明による高温部材冷却装置の第２実施例を
示す斜視図。
示す斜視図。
【図８】同平面図。
【図９】図８におけるＩ−Ｉ断面図。
【図１０】本発明による高温部材冷却装置の第３実施例
を示す斜視図。
を示す斜視図。
【図１１】同平面図。
【図１２】図１１におけるＪ−Ｊ断面図。
【図１３】本発明による高温部材冷却装置の第４実施例
を示す斜視図。
を示す斜視図。
【図１４】同平面図。
【図１５】図１４におけるＫ−Ｋ断面図。
【図１６】本発明による高温部材冷却装置の第５実施例
を示す斜視図。
を示す斜視図。
【図１７】同平面図。
【図１８】図１４におけるＬ−Ｌ断面図。
【図１９】本発明による高温部材冷却装置の第６実施例
を示す斜視図。
を示す斜視図。
【図２０】同平面図。
【図２１】図２０におけるＭ−Ｍ断面図。
【図２２】本発明による高温部材冷却装置の第７実施例
を示す斜視図。
を示す斜視図。
【図２３】本発明と従来技術とについて噴出孔の開口部
の下流方向における膜冷却効率の比較結果を示す。
の下流方向における膜冷却効率の比較結果を示す。
【図２４】本発明の高温部材冷却装置が適用されるター
ビンエンジン動翼を示す斜視図。
ビンエンジン動翼を示す斜視図。
【図２５】図２４のＡ−Ａ断面図。
【図２６】図２５のＢ−Ｂ断面図。
【図２７】従来のフィルム冷却孔（噴出孔）を示す断面
図。
図。
【図２８】図２７のＢ−Ｂ断面図。
【図２９】図２７のＣ−Ｃ平面図。
【図３０】従来のフィルム冷却孔（噴出孔）を示す断面
図。
図。
【図３１】図３０のＤ−Ｄ断面図。
【図３２】図３０のＥ−Ｅ平面図。
【図３３】従来のフィルム冷却孔（噴出孔）を示す断面
図。
図。
【図３４】従来のフィルム冷却孔（噴出孔）を示す断面
図。
図。
【図３５】従来のフィルム冷却孔（噴出孔）の種々の形
状を示す断面図（ａ），（ｂ），（ｃ）。
状を示す断面図（ａ），（ｂ），（ｃ）。
１ 高温部材 １ａ 高温部材の外表面 ２ 噴出孔 ２ａ 軸線 ３ 開口部（出口近傍） ５ 低温流体 ６ 拡散部 ６ａ 拡散部の表面 ６ｂ 拡散部の上流側縁部 ６ｃ 拡散部の下流側縁部 ８，５０，５１，５２，５３，５４，５５，５６，５７
突起部 ８ａ，５０ａ，５６ａ，５７ａ 突起部の上面 ８ｂ，５０ｂ，５１ｂ，５６ｂ，５７ｂ 突起部の側面 ９ 高温流体 １０ 主流方向 １２ 低温流体の噴き出し流 １４ 分流 １４ａ 巻き上げ渦 １４ｂ 巻き上げ渦 １６ａ 打ち消し渦 １６ｂ 打ち消し渦 １８ 下流域 ２０ ガスタービンの中空動翼 ２１ 翼形部 ２１ａ 外表面 ２５ 圧力側面 ２６ 負圧側面 ２７ 前縁 ２８ 後縁 ３０ａ，３０ｂ，３０ｃ 通路
突起部 ８ａ，５０ａ，５６ａ，５７ａ 突起部の上面 ８ｂ，５０ｂ，５１ｂ，５６ｂ，５７ｂ 突起部の側面 ９ 高温流体 １０ 主流方向 １２ 低温流体の噴き出し流 １４ 分流 １４ａ 巻き上げ渦 １４ｂ 巻き上げ渦 １６ａ 打ち消し渦 １６ｂ 打ち消し渦 １８ 下流域 ２０ ガスタービンの中空動翼 ２１ 翼形部 ２１ａ 外表面 ２５ 圧力側面 ２６ 負圧側面 ２７ 前縁 ２８ 後縁 ３０ａ，３０ｂ，３０ｃ 通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大 友 文 雄 神奈川県川崎市幸区小向東芝町１ 株式会 社東芝研究開発センター内
Claims (6)
- 【請求項１】高温流体によって外表面が曝される高温部
材に形成された噴出孔を介して、前記高温部材の内部か
ら低温流体を噴出させ、前記高温部材の外表面をフィル
ム冷却する高温部材冷却装置において、 前記噴出孔はその軸線が高温流体の流れ方向と鋭角をな
すように形成されており、前記噴出孔の出口近傍に形成
され高温流体の流れ方向とのなす角度が前記軸線がなす
鋭角よりも小さい鋭角で前記外表面を開口する拡散部
と、前記拡散部上に形成した少なくとも１個の突起部と
を備えることを特徴とする高温部材冷却装置。 - 【請求項２】前記突起部は角柱形状を有することを特徴
とする請求項１に記載の高温部材冷却装置。 - 【請求項３】前記突起部は円柱形状を有することを特徴
とする請求項１に記載の高温部材冷却装置。 - 【請求項４】前記突起部は角錐形状を有することを特徴
とする請求項１に記載の高温部材冷却装置。 - 【請求項５】前記突起部は高温流体の流れ方向に幅がよ
り広くなる形状を有することを特徴とする請求項１に記
載の高温部材冷却装置。 - 【請求項６】複数の前記突起部が高温流体の流れ方向に
より広がるように配設されていることを特徴とする請求
項１に記載の高温部材冷却装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8246063A JP2810023B2 (ja) | 1996-09-18 | 1996-09-18 | 高温部材冷却装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8246063A JP2810023B2 (ja) | 1996-09-18 | 1996-09-18 | 高温部材冷却装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1089005A true JPH1089005A (ja) | 1998-04-07 |
| JP2810023B2 JP2810023B2 (ja) | 1998-10-15 |
Family
ID=17142924
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8246063A Expired - Lifetime JP2810023B2 (ja) | 1996-09-18 | 1996-09-18 | 高温部材冷却装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2810023B2 (ja) |
Cited By (42)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1288435A2 (de) * | 2001-09-03 | 2003-03-05 | Rolls-Royce Deutschland Ltd & Co KG | Turbinenschaufel mit zumindest einer Kühlungsöffnung |
| JP2005307983A (ja) * | 2004-04-22 | 2005-11-04 | General Electric Co <Ge> | タービン翼形部後縁の補修及びその方法 |
| JP2006009785A (ja) * | 2004-06-23 | 2006-01-12 | General Electric Co <Ge> | シェブロンフィルム冷却式壁 |
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| WO2008059620A1 (fr) | 2006-11-13 | 2008-05-22 | Ihi Corporation | Structure de refroidissement par film |
| JP2008163942A (ja) * | 2006-12-26 | 2008-07-17 | General Electric Co <Ge> | 後縁スロット流量を減少させた翼形及び翼形の製造方法 |
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