JPH1088025A - 蓄光性粒子及びそれを用いた蓄光性道路標示材 - Google Patents

蓄光性粒子及びそれを用いた蓄光性道路標示材

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JPH1088025A
JPH1088025A JP8239180A JP23918096A JPH1088025A JP H1088025 A JPH1088025 A JP H1088025A JP 8239180 A JP8239180 A JP 8239180A JP 23918096 A JP23918096 A JP 23918096A JP H1088025 A JPH1088025 A JP H1088025A
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JP
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luminous
particles
phosphorescent
particle
pigment
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JP8239180A
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Hideyuki Taguchi
秀之 田口
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少量の蓄光性顔料を用いて、発光輝度が高
く、暗所での視認性に優れた蓄光性粒子及びそれを用い
た蓄光性道路標示材を得る。 【解決手段】 全光線透過率が50%以上の無機又は有
機粒子の表面に蓄光性顔料を被覆して蓄光性粒子を得
る。この蓄光性粒子を用いて蓄光性道路標示材を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、蓄光性粒子及び
それを用いた蓄光性道路標示材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、暗所での視認性を得るための手段
として、蓄光性顔料が利用されている。蓄光性顔料は、
太陽光や電灯の光エネルギーを吸収して蓄え、数時間に
わたってそのエネルギーを再び光として外部に放出する
もので、夜間や暗闇における表示用として、塗料、粘着
テープ等の各種製品に含有されている。
【0003】例えば、特開昭52−89137号公報に
は、熱可塑性樹脂に、硫化亜鉛/銅系(ZnS/Cu)
等の蓄光性顔料(蓄光性粉末)及び必要に応じて任意の
色調の顔料を加え、これを均一に混合してなる熱溶着性
蓄光ペイントが提案されている。
【0004】この種の従来の表示材にあって、暗所での
視認性を確実なものとするためには、蓄光性顔料の含有
濃度を増してその発光輝度を十分に高くする必要があ
る。これは、発光輝度が蓄光性顔料の含有濃度にある程
度比例するためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、蓄光性顔料
は非常に高価であり、これを例えば蓄光性道路標示材の
製造に用いる場合、道路標示材に大量の蓄光性顔料を含
有させて濃度を増して発光輝度を十分に高くすると、蓄
光性道路標示材のコストが極めて高くなるという問題が
ある。
【0006】この発明は、上記の問題を解決するもので
あり、その目的とするところは、少量の蓄光性顔料を用
いて、発光輝度が高く、暗所での視認性に優れた蓄光性
粒子及びそれを用いた蓄光性道路標示材を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、全光線透
過率が50%以上の無機又は有機粒子の表面に蓄光性顔
料が被覆されてなる蓄光性粒子によって、達成すること
ができる(請求項1の発明)
【0008】また、上記の目的は、上記の蓄光性粒子用
いた蓄光性道路標示材によって、達成することができる
(請求項2の発明)
【0009】この発明において、全光線透過率が50%
以上の無機又は有機粒子としては、通常、全光線透過率
が50%以上のガラス粒子又は合成樹脂粒子が用いられ
る。
【0010】ガラス粒子としては、珪酸(二酸化珪
素)、酸化ソーダ(無水炭酸ナトリウムがガラス中で酸
化ナトリウムになったもの、ソーダ灰)、酸化石灰(炭
酸カルシウムがガラス中で酸化カルシウムになったも
の)、酸化マグネシウム、酸化バリウム、アルミナ、酸
化鉛、酸化カリ、硼酸、酸化リチウム、酸化チタン、酸
化亜鉛を主な成分とする含む無機粒子が用いられる。例
えば、ソーダライムガラス、鉛クリスタルガラス、硼珪
酸ガラス、アルミノ珪酸塩ガラス、カリガラス、ガラス
セラミックス等からなる粒子が挙げられる。
【0011】また、合成樹脂粒子としては、全光線透過
率が50%以上のものであれば特に限定されない。例え
ば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、(メタ)ア
クリル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、ポリウレタ
ン、ポリカーボネート、フッ素樹脂、アクリルシリコー
ン樹脂、石油樹脂、ウレタン変性アルキド樹脂、マレイ
ン酸変性ロジンエステル、クマロンインデン樹脂、テル
ペン樹脂、不飽和ポリエステル等からなる粒子が挙げら
れる。
【0012】これ等の合成樹脂粒子のなかでも、特に透
明性に優れた(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ス
チレン樹脂からなる粒子が好適である
【0013】上記(メタ)アクリル樹脂としては、具体
的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アク
リル酸ブチル(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)ア
クリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸、N
−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルア
ミド、(メタ)アクリロニトリル、ヒドロキシ(メタ)
アクリレートなどから重合されるホモポリマーやコポリ
マーが好適である。
【0014】上記エポキシ樹脂としては、具体的には、
ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボ
ラック等のフェノール類のグリシジルエーテル、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類
のグリシジルエーテル、フタル酸等のグリシジルエーテ
ルなどから重合されるホモポリマーやコポリマーが好適
である。
【0015】上記スチレン樹脂としては、具体的には、
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、エチルスチ
レン、ジメチルスチレン、ブチルスチレン等のアルキル
スチレン、クロルスチレンなどから重合されるホモポリ
マーやコポリマーが好適である。
【0016】ここで、上記無機又は有機粒子の形状は、
特に限定されないが球状のものが望ましい。これは無機
又は有機粒子の内部に透過進入してきた光の内部反射を
全方位に効果的に利用することができるからである。
【0017】また、上記無機又は有機粒子の大きさ(直
径)は、特に限定されないが10μm以上が好ましく、
20μm以上がさらに好ましい。この粒子の大きさが1
0μmに満たないと、これに被覆される蓄光性顔料の粒
子が小さくなりすぎて高い発光輝度が得られず、この発
明の効果が十分に得られない場合がある。
【0018】上記無機又は有機粒子の全光線透過率を5
0%以上と限定したのは、この全光線透過率が50%に
満たないと、少ない蓄光性顔料で高い発光輝度が得られ
ず、この発明の効果が十分に得られないからである。特
に、この全光線透過率は70%以上が好ましい。
【0019】このような無機又は有機粒子の表面に蓄光
性顔料が被覆される。ここで、蓄光性顔料とは、燐光現
象を有する物質からなり、太陽光や電灯などの光を吸収
し蓄積し、その蓄積した光を徐々に放出し発光し、光の
吸収−蓄積−発光を何度も繰り返すことができるものを
意味する。
【0020】このような蓄光性顔料としては、従来より
広く使用されている硫化カルシウム/ビスマス系(Ca
S/Bi)、硫化カルシウム・ストロンチウム/ビスマ
ス系〔(Ca,Sr)S/Bi)、硫化亜鉛/銅系(Z
nS/Cu)、硫化亜鉛・カドミウム/銅系〔(Zn,
Cd)S/Cu〕を用いることができる。
【0021】しかし、環境面や蓄光輝度や蓄光時間等の
蓄光性能及び耐候性や長期安定性の観点から、アルミ
ナ、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化カルシウ
ム、酸化セリウム等の金属酸化物とEu(ユーロピウ
ム)、Dy(ジスプロシウム)、Lu(ルテチウム)、
Tb(テルビウム)等の希土類元素とを焼成してなる蓄
光性顔料を用いるのが好ましい。このような蓄光性顔料
としては、例えば、根本特殊化学社製の「N夜光ルミノ
ーバ」や日本ケミックス社製の「ケミカラーNL」など
が挙げられる。
【0022】これ等の蓄光性顔料の粒子の形状は特に限
定されない。粒子の大きさ(直径)は、この蓄光性顔料
を被覆する上述の無機又は有機粒子の大きさで決められ
るが、一般に、無機又は有機粒子の大きさの0.001
〜1.0倍の範囲が好ましく、0.01〜1.0倍の範
囲がさらに好ましい。無機又は有機粒子の大きさの0.
001倍に満たないと、蓄光性顔料の粒子同士が凝集し
て分散が困難となり、無機又は有機粒子の表面へ被覆し
にくくなり、逆に1.0倍を越えると、蓄光性顔料が無
機又は有機粒子の表面から離脱する場合がある。
【0023】また、無機又は有機粒子の表面への蓄光性
顔料の被覆量は、使用する蓄光性顔料の種類や粒子の大
きさによって左右されるが、一般に、無機又は有機粒子
の全表面に対して面積比で20〜100%の範囲が好ま
しく、40〜100%の範囲がさらに好ましい。面積比
で20%に満たないと、蓄光性顔料の絶対量が不足して
十分な発光輝度を得にくくなる。
【0024】なお、蓄光性顔料の被覆量(面積比)の算
出には、例えば、被覆された粒子表面を走査型電子顕微
鏡で写真撮影し(元素によるマッピングを利用してもよ
い)、画像処理によって近似的に求めることができる。
【0025】蓄光性顔料の被覆層の厚みも、使用する蓄
光性顔料の種類や粒子の大きさによって左右されるが、
一般に10〜1000μmの範囲であることが好まし
く、20〜800μmの範囲がさらに好ましい。被覆層
の厚みが10μmに満たないと、蓄光性顔料の直径が小
さくなって十分な発光輝度を得にくくなり、逆に100
0μmを越えると被覆層の隠蔽率が大きくなってそれ以
上厚みを増しても発光輝度は向上しないばかりか、コス
ト高になる。
【0026】無機又は有機粒子の表面へ蓄光性顔料を被
覆する方法として、蓄光性顔料をバインダー樹脂ととも
に溶剤に添加し、バインダー樹脂を溶解するとともに蓄
光性顔料を十分に混合分散し塗料化した溶液中に、無機
又は有機粒子を浸漬し、その後乾燥させることにより被
覆する方法(ディッピング法)が採用される。
【0027】ここで、ガラスのような無機粒子の表面へ
蓄光性顔料を被覆する場合は、バインダー樹脂として
は、ガラスと接着性の良好なブチラール樹脂を用いるの
が好ましい。合成樹脂のような有機粒子の表面への蓄光
性顔料を被覆する場合は、バインダー樹脂としては、有
機粒子を構成する合成樹脂と相溶性の良い樹脂が用いら
れ、前述の合成樹脂の中から適宜選定される。
【0028】バインダー樹脂を溶解するための溶剤とし
ては、有機粒子を構成する合成樹脂の種類によって左右
されるが、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケト
ン、テトラヒドロフラン、メタノール、アセトン、ヘキ
サン、ジメチルスルホキシド等から適当に選択される。
この場合、被覆層の厚みは、溶液濃度や浸漬時間などを
変更することにより設定することができる。
【0029】また、無機又は有機粒子の表面へ蓄光性顔
料を被覆する別の方法として、上述のようにして塗料化
した溶液を、無機又は有機粒子の表面に吹き付け、その
後乾燥させることにより被覆する方法(スプレー法)も
採用することができる。
【0030】上述のディッピング法及びスプレー法で
は、被覆後に蓄光性顔料とともにバインダー樹脂が存在
する。ガラスのような無機粒子の表面へ蓄光性顔料を被
覆する場合は、ディッピング法及びスプレー法で被覆し
た後に、これを加熱してバインダー樹脂を焼却すること
により除去してもよい。
【0031】さらに、無機又は有機粒子の表面へ蓄光性
顔料を被覆する別の方法として、蓄光性顔料をガンによ
り高速で無機又は有機粒子の表面へ打ち付けることによ
り被覆する方法(ブラスト法)も採用される。このブラ
スト法は、バインダー樹脂を必要としないので、合成樹
脂のような有機粒子の表面へ蓄光性顔料を被覆する場合
に好適である。
【0032】こうして、全光線透過率が50%以上の有
機又は無機粒子の表面に蓄光性顔料が被覆されてなる蓄
光性粒子が得られる(請求項1の発明)。
【0033】このような蓄光性粒子は、有機又は無機粒
子の表面に薄く被覆されており、ほとんど全ての蓄光性
顔料が発光に寄与すると考えられる(従来の蓄光性顔料
のみの場合は、この蓄光性顔料自体の有する隠蔽性のた
め発光に寄与できない蓄光性顔料が多く存在してい
る)。
【0034】すなわち、被覆された蓄光性顔料の隙間や
薄い被覆層を透過して有機又は無機粒子の内部に進入し
た光は、有機又は無機粒子の内面で複雑に反射され入射
した位置とは異なる位置に存在する蓄光性顔料にも光が
供給され、蓄光性顔料のみの場合に比べ、光エネルギー
が蓄光性顔料に効果的に吸収され蓄光され、発光が効率
的に行われるものと推察される。
【0035】このような蓄光性粒子は、従来の蓄光性顔
料と同様に、蓄光性塗料、蓄光性粘着テープ、蓄光性道
路標示材などに用いられるが、特に蓄光性道路標示材に
好適に用いられる(請求項2の発明)。
【0036】蓄光性道路標示材は、蓄光性顔料として、
この発明の蓄光性粒子を用いること以外は、従来の蓄光
性道路標示材と同様な構成とすることができる。このよ
うな蓄光性道路標示材としては、例えば、道路標示材全
体を、この発明の蓄光性粒子を含有する蓄光性樹脂層で
形成した単層構造の蓄光性道路標示材、或いは道路標示
材の表面付近のみを、この発明の上記蓄光性粒子を含有
する蓄光性樹脂層で形成した複層構造の蓄光性道路標示
材などが挙げられる。
【0037】蓄光性樹脂層に用いられる樹脂は、道路標
示に要求される物性、主に引張り強度、曲げ強度、耐磨
耗性、耐候性、耐久性等を満足するものであれば、特に
限定されない。しかし、蓄光性粒子を含有する蓄光性樹
脂層は、透明性を有する樹脂を用いるのが望ましい。特
に、透明性に優れた(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹
脂、スチレン樹脂が好適である。
【0038】また、蓄光性道路標示材は、JIS K5
665 1種、2種、3種に準じる路面標示塗料(白色
又は黄色のトラフィックペイント)を路面に塗工し、こ
の塗料が軟化又は溶融状態にあるうちに、その表面に、
この発明の蓄光性粒子を散布して付着させることにより
得ることもできる。この場合は、コスト的に有利とな
る。
【0039】蓄光性道路標示材の全体の厚さは0.5m
m以上が好ましく、0.7mm以上がさらに好ましい。
全体の厚さが0.5mmに満たないと、強度や耐久性が
問題になることがある。
【0040】なお、蓄光性樹脂層は表面の全面に形成せ
ずに、表面に部分的に形成してもよい。また、蓄光性樹
脂層には、蓄光性粒子とともに再起反射性のガラスビー
ズなどを含有させることができる。
【0041】また、蓄光性道路標示材には、通常、いず
れかの層に白色或いは黄色の着色顔料が配合される。こ
れ等の着色顔料としては、酸化チタンやクロムイエロー
が挙げられ、必要に応じて、その他の着色顔料、染料、
アルミフレーク、ニッケル粉、金粉、銀粉等の金属粉も
配合することができる。
【0042】また、必要に応じて、炭酸カルシウム、滑
石粉、珪石粉、ガラス繊維、マイカ、タルク等の充填
剤、耐汚染性を向上させるためにパラフィンワックス、
マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス
等の滑剤、その他老化防止剤、紫外線吸収剤、硬化剤も
配合される。
【0043】これ等の各種配合剤を蓄光性樹脂層に配合
するときは、この蓄光性樹脂層の透明性が損なわれて不
透明とならない程度に配合せねばならない。
【0044】さらに、蓄光性道路標示材の表面の蓄光性
樹脂層には、蓄光性粒子の離脱を防止したり、蓄光性粒
子を保護するために、透明樹脂で被覆してもよい。ま
た、蓄光性道路標示材の裏面には、接着性や施工性を改
善するために、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合
体)系、SIS(スチレン−イソプレンブロック−スチ
レンブロック共重合体)系、アクリル系などのホットメ
ルト接着剤、アクリル系粘着剤、熱又は紫外線硬化性の
アクリル接着剤などの接着剤層を設けてもよい。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例及び比較
例を示して、この発明の利点を説明する。 (実施例1)平均粒径60μmの蓄光性顔料(根本特殊
化学社製のN夜光ルミノーバG300を分級したもの、
比重3.6)を、ブチラール樹脂のメタノール溶液中に
添加し、十分に攪拌して蓄光性顔料を混合分散させて、
蓄光性顔料の分散液を調製した。
【0046】この蓄光性顔料の分散液中に、直径300
μm(±20μm)のガラスビーズ(ユニオン社製のユ
ニビーズUB108Lを分級したもの、比重2.5)を
投入した後、このガラスビーズを取り出し、これを乾燥
オーブン中で十分に乾燥させて、被覆層の厚さが約60
μmの蓄光性粒子を得た(ディッピング法)。蓄光性顔
料の被覆量は、ガラスビーズ全表面に対して面積比で9
4%であった。
【0047】得られた蓄光性粒子を、厚さ5mmの透明
アクリル板で作製した容器(縦15cm×横15cm)
に隙間なく充填して、厚さ3mmの蓄光性粒子の層を形
成し、これを視認性(輝度)の評価用試料とした。
【0048】上記の評価用試料を水平な台の上に固定
し、2本の蛍光灯(40W×2本)を用い、垂直上方か
らにより1mの距離から光を100分間照射し、照射直
後に評価用試料を暗闇に置き、20m遠方の地点で、高
さ1.5mの位置から目視による視認性(輝度)を評価
した。また、照射後に評価用試料を暗闇に6時間放置
し、20m遠方の地点から目視による視認性(輝度)を
評価した。その結果を表1に示す。
【0049】(実施例2)ディッピング法により、直径
1000μm(±20μm)のガラスビーズ(ユニオン
社製のユニビーズUB1921Sを分級したもの、比重
2.6)の表面に、平均粒径60μmの蓄光性顔料(根
本特殊化学社製のN夜光ルミノーバG300を分級した
もの、比重3.6)を被覆し、被覆層の厚さが約60μ
mの蓄光性粒子を得た。蓄光性顔料の被覆量は、ガラス
ビーズ全表面に対して面積比で98%であった。
【0050】上記蓄光性粒子を用い、実施例1と同様に
して視認性(輝度)を評価した。その結果を表1に示
す。
【0051】(実施例3)ディッピング法により、直径
35μm(±5μm)のガラスビーズ(ユニオン社製の
ユニビーズUB02NHを分級したもの、比重4.5)
の表面に、平均粒径30μmの蓄光性顔料(根本特殊化
学社製のN夜光ルミノーバG300を分級したもの、比
重3.6)を被覆し、被覆層の厚さが約60μmの蓄光
性粒子を得た。蓄光性顔料の被覆量は、ガラスビーズ全
表面に対して面積比で70%であった。
【0052】上記蓄光性粒子を用い、実施例1と同様に
して視認性(輝度)を評価した。その結果を表1に示
す。
【0053】(実施例4)ディッピング法により、直径
1.5mm(±0.15mm)のガラスビーズ(ユニオ
ン社製のユニビーズUB2123Sを分級したもの、比
重2.6)の表面に、平均粒径100μmの蓄光性顔料
(根本特殊化学社製のN夜光ルミノーバG300を分級
したもの、比重3.6)を被覆し、被覆層の厚さが約5
00μmの蓄光性粒子を得た。蓄光性顔料の被覆量は、
ガラスビーズ全表面に対して面積比で99%であった。
【0054】上記蓄光性粒子を用い、実施例1と同様に
して視認性(輝度)を評価した。その結果を表1に示
す。
【0055】(実施例5)ディッピング法により、直径
1.5mm(±0.15mm)のガラスビーズ(ユニオ
ン社製のユニビーズUB2123Sを分級したもの、比
重2.6)の表面に、平均粒径30μmの蓄光性顔料
(根本特殊化学社製のN夜光ルミノーバG300を分級
したもの、比重3.6)を被覆し、被覆層の厚さが約1
50μmの蓄光性粒子を得た。蓄光性顔料の被覆量は、
ガラスビーズ全表面に対して面積比で99%であった。
【0056】上記蓄光性粒子を用い、実施例1と同様に
して視認性(輝度)を評価した。その結果を表1に示
す。
【0057】(実施例6)メチルメタクリレート−ブチ
ルメタクリレート共重合体からなる直径500μm (±
20μm )のアクリルビーズ(比重1.0)の表面に、
平均粒径60μmの蓄光性顔料(根本特殊化学社製のN
夜光ルミノーバG300を分級したもの、比重3.6)
を、ガンによって高速に打ち付けるとにより、約200
μmの厚さに被覆して蓄光性粒子を得た(ブラスト
法)。蓄光性顔料の被覆量は、樹脂ビーズ全表面に対し
て面積比で99%であった。
【0058】上記蓄光性粒子を用い、実施例1と同様に
して視認性(輝度)を評価した。その結果を表1に示
す。
【0059】(実施例7)ポリスチレンからなる直径6
00μm (±20μm )のスチレンビーズ(比重1.
0)の表面に、平均粒径60μmの蓄光性顔料(根本特
殊化学社製のN夜光ルミノーバG300を分級したも
の、比重3.6)を、ガンによって高速に打ち付けると
により、約200μmの厚さに被覆して蓄光性粒子を得
た(ブラスト法)。蓄光性顔料の被覆量は、樹脂ビーズ
全表面に対して面積比で98%であった。
【0060】上記蓄光性粒子を用い、実施例1と同様に
して視認性(輝度)を評価した。その結果を表1に示
す。
【0061】(実施例8)JIS K5665 3種に
準じる路面標示塗料(白色トラフィックペイント)を路
面を想定したコンクリート板に溶融塗工し、この塗料が
溶融状態にあるうちに、実施例1で得られた蓄光性粒子
を散布して、縦15cm×横30cm×厚さ1.6mm
の蓄光性道路標示材を形成した。
【0062】評価用試料として、上記蓄光性道路標示材
を用い、実施例1と同様にして視認性(輝度)を評価し
た。その結果を表1に示す。
【0063】(比較例1)蓄光性粒子として、平均粒径
60μmの蓄光性顔料(根本特殊化学社製のN夜光ルミ
ノーバG300を分級したもの、比重3.6)を145
gを用意した(これは実施例1の評価用試料に用いた蓄
光性粒子中の蓄光性顔料の総量に相当する)。
【0064】この従来の蓄光性顔料を、厚さ5mmの透
明アクリル板で作製した容器(縦15cm×横15c
m)に隙間なく充填して、厚さ1.7mmの蓄光性顔料
の層を形成し、これを視認性(輝度)の評価用試料とし
た。それ以外は実施例1と同様にして視認性(輝度)を
評価した。その結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】この発明の蓄光性粒子は、全光線透過率
が50%以上の無機又は有機粒子の表面に蓄光性顔料が
被覆されてなり、それにより太陽光や電灯の光エネルギ
ーが蓄光性顔料に効果的に吸収され蓄光され、発光が効
率的に行われ、結果として、従来の蓄光性顔料にくら
べ、少量の蓄光性顔料を用いて、発光輝度が高く、暗所
での視認性に優れる。
【0067】この発明の蓄光性粒子は、夜間や暗闇にお
ける表示用として、塗料、粘着テープ、道路標示材等の
各種製品に含有され有効である。特に、高価な蓄光性顔
料を大量に必要とする蓄光性道路標示材の分野で、この
発明の蓄光性粒子を用いた蓄光性道路標示材は、従来の
蓄光性顔料を用いた蓄光性道路標示材に比べ、少量の蓄
光性顔料の使用により、発光輝度が高く、暗所での視認
性に優れる。
【0068】したがって、この発明の蓄光性粒子を用い
た蓄光性道路標示材は、例えば、道路の区画線や停止
線、横断歩道や危険箇所の標示線などの帯線、記号、文
字を低コストで標示することができるという利点を有す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E01F 9/04 E01F 9/04 // C09K 11/58 CPC C09K 11/58 CPC 11/74 CPC 11/74 CPC

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全光線透過率が50%以上の無機又は有
    機粒子の表面に蓄光性顔料が被覆されてなる蓄光性粒
    子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の蓄光性粒子を用いた蓄光
    性道路標示材。
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