JPH1087440A - 養毛化粧料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】育毛効果、脱毛予防効果に優れた養毛化粧料を
提供する。 【解決手段】アセロラの果実より抽出したエキスと、セ
ンブリエキス、朝鮮ニンジンエキス、デュークエキス、
トウガラシチンキ、ジイソプロピルアミンジクロロアセ
テート、γ−アミノ酪酸誘導体、ヒノキチオール、ビタ
ミンＥ誘導体、パントテン酸誘導体、ニコチン酸誘導
体、グリチルリチン誘導体、グリチルレチン酸誘導体か
らなる群より選ばれる少なくとも一種以上の物質を含有
することを特徴とする養毛化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、育毛効果、脱毛予
防効果に優れた養毛化粧料に関する。

【０００２】

【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より、トウガラシチンキおよびニコチン酸誘導体等の血
行促進物質、また毛髪の栄養成分であるアミノ酸および
ビタミン類を配合してなる養毛化粧料が知られている。
さらには、皮脂腺の肥大防止効果をもつ成分や、男性ホ
ルモンの抑制作用をもつ成分を配合する医療用養毛剤や
養毛化粧料も数多く提案されている。

【０００３】しかし、従来より使用されている血行促進
物質は、皮膚刺激が強くその配合量に制限があったり、
血行促進の持続時間が短いという欠点がある。また、毛
髪の栄養成分も低濃度では皮膚への浸透性が低く、かつ
単独では効果が十分に発揮されないという問題点があ
る。

【０００４】ところで、男性型脱毛症は男性ホルモンの
過剰作用が原因の一つと言われているが、血行の不良や
毛母細胞の活性低下、皮脂腺の肥大化、頭皮の線維化等
の現象が複雑に絡みあって生じていると推察されてい
る。

【０００５】しかし、男性ホルモンの過剰作用が原因と
いわれる毛母細胞の活性低下や皮脂腺の肥大化を抑制す
るために、単に抗男性ホルモン剤等を育毛剤として用い
ても、育毛作用を発現するまでには至らないのが現状で
ある。また、毛母細胞賦活剤や血行促進剤を単独で用い
ても、良好な成績は得られない。

【０００６】前記の問題点を解決する手段として、特開
平５−５８８５０号公報における奇数炭素数を有する脂
肪酸類、アルコール類と、ヒドロキシプロピルアルコー
ルと、低級アルコールを含有する育毛剤組成物、特開平
５−１３９９３６号公報におけるある種のカルボキシベ
タインを含有する発毛剤、特開平５−１７０６２５号公
報における酸性ムコ多糖類とホップエキスを含有する養
毛化粧料等を始めとして数多くの養毛・育毛剤が提案さ
れているが、末梢血流を促進し、毛母細胞の賦活化をす
る物質を単独で用いても格段の育毛作用については見出
せず、また組成物においても充分満足すべき効果を得る
までには至らず、育毛効果、脱毛予防効果に改良の余地
があるのが実情であった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な実情に鑑み、頭皮の末梢血流の促進および毛母細胞の
賦活作用のある物質について、鋭意研究を重ねた結果、
アセロラの果実より抽出したエキスと、センブリエキ
ス、朝鮮ニンジンエキス、デュークエキス、トウガラシ
チンキ、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ
−アミノ酪酸誘導体、ヒノキチオール、ビタミンＥ誘導
体、パントテン酸誘導体、ニコチン酸誘導体、グリチル
リチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体からなる群よ
り選ばれる少なくとも一種以上の物質を含有した養毛化
粧料が、各成分の相乗効果により、本発明の目的である
優れた育毛効果、脱毛予防効果を発現することを見いだ
し、本発明を完成した。

【０００８】すなわち、アセロラの果実より抽出したエ
キスと、センブリエキス、朝鮮ニンジンエキス、デュー
クエキス、トウガラシチンキ、ジイソプロピルアミンジ
クロロアセテート、γ−アミノ酪酸誘導体、ヒノキチオ
ール、ビタミンＥ誘導体、パントテン酸誘導体、ニコチ
ン酸誘導体、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン
酸誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の
物質を含有する養毛化粧料によって本発明の目的が達成
される。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳述する。

【００１０】アセロラ（Malpighia glabra Linne）は中
南米原産の常緑灌木であり、サクランボに似た小さな赤
い実をつける。この果実はＬ−アスコルビン酸を多量に
含有し、食品素材として利用されている。

【００１１】本発明に用いられるアセロラの果実より抽
出したエキスは、特開平２−２００６１０号公報等に開
示されている方法で製造され、Ｌ−アスコルビン酸の他
に、アミノ酸、有機酸、糖、ペクチン等の有用物質をも
含有する。このアセロラの果実より抽出したエキスを化
粧品に配合することはよく知られている（特開平２−２
００６１０号公報）。しかしながら、養毛化粧料におけ
る効果については現在のところ知られていない。

【００１２】以下に、アセロラの果実からのエキス抽出
方法例を示す。 ＜抽出例１＞アセロラの果実を水洗後、圧搾し、圧搾汁
を得る。これをろ過、デカンテーション等により沈澱を
除去し、必要に応じて減圧下濃縮を行う。その後、必要
に応じてエタノール、プロピレングリコール等を加えた
後、低温下静置する。その後生じた沈澱を再度ろ過にて
除去し、必要に応じて孔径０．２２μｍのメンブレンフ
ィルターを用い、ろ過してエキスを得る。

【００１３】＜抽出例２＞アセロラの果実を細かく粉砕
し、グリセリン、１，３−ブチレングリコール、プロピ
レングリコール、エタノール、水などを抽出溶媒として
単独で、又は混合して加え攪拌後、低温下にて浸漬抽出
する。抽出液を必要に応じて減圧下濃縮を行い、ろ過、
デカンテーション等により清澄化し、必要に応じて孔径
０．２２μｍのメンブレンフィルターを用い、ろ過して
エキスを得る。

【００１４】＜抽出例３＞抽出例１又は２にて得られた
エキスを、更に他の溶媒にて再抽出する。その後、必要
に応じて孔径０．２２μｍのメンブレンフィルターを用
い、ろ過してエキスを得る。溶媒を選択することによ
り、一部の成分を除去することも可能であり、また養毛
化粧料に配合する際に適したエキスを得ることができ
る。

【００１５】本発明の目的である育毛効果、脱毛予防効
果を示す範囲を検討した。その結果、上記方法により得
られた本発明に係るアセロラの果実より抽出したエキス
の配合量は、抽出に用いる果実と得られるエキスの重量
比を１とした場合、養毛化粧料の０．００１〜２０重量
％（以下、ｗｔ％と略する）であればよく、より好まし
くは０．０１〜１０ｗｔ％である。

【００１６】本発明に用いるγ−アミノ酪酸誘導体は公
知の化合物であり、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ−β−
ヒドロキシ酪酸が特に好ましいものとして挙げることが
できるが、これらに限定されるものではない。

【００１７】本発明に用いるビタミンＥ誘導体は公知の
化合物であり、ビタミンＥ、ビタミンＥアセテート、ビ
タミンＥニコチネートが特に好ましいものとして挙げる
ことができるが、これらに限定されるものではない。

【００１８】本発明に用いるパントテン酸誘導体は公知
の化合物であり、パントテニルアルコール、パントテン
酸カルシウムが特に好ましいものとして挙げることがで
きるが、これらに限定されるものではない。

【００１９】本発明に用いるニコチン酸誘導体は公知の
化合物であり、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド
が特に好ましいものとして挙げることができるが、これ
らに限定されるものではない。

【００２０】本発明に用いるグリチルリチン酸誘導体は
公知の化合物であり、グリチルリチン酸、グリチルリチ
ン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウムが
特に好ましいものとして挙げることができるが、これら
に限定されるものではない。

【００２１】本発明に用いるグリチルレチン酸誘導体は
公知の化合物であり、グリチルレチン酸、グリチルレチ
ン酸ステアリルが特に好ましいものとして挙げることが
できるが、これらに限定されるものではない。

【００２２】そして、センブリエキス及び朝鮮ニンジン
エキス、デュークエキス、トウガラシチンキ、ジイソプ
ロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ酪酸誘導
体、ヒノキチオール、ビタミンＥ誘導体、パントテン酸
誘導体、ニコチン酸誘導体、グリチルリチン酸誘導体、
グリチルレチン酸誘導体は、本発明の目的である育毛効
果、脱毛予防効果を示す範囲を検討した結果、養毛化粧
料の総量を基準として、０．００１〜２０．０ｗｔ％で
あればよく、より好ましくは０．０１〜５．０ｗｔ％で
ある。

【００２３】本発明においてアセロラの果実より抽出し
たエキスと併用する物質としては、ジイソプロピルアミ
ンジクロロアセテートが、特に好ましい結果を与える。

【００２４】本発明に係る養毛化粧料は、常法に従っ
て、たとえばヘアートニック、ヘアーローション、ヘア
ークリーム、ヘアーコンディショナー、シャンプー、リ
ンス、ヘアージェル、ヘアーミスト、ヘアーフォーム等
の剤型に製造し、使用することが可能である。

【００２５】本発明に係る養毛化粧料は、養毛、育毛お
よび／または脱毛予防のために、それを目的とする局所
（頭皮）に、その剤型に従って塗布または噴霧して適用
される。

【００２６】なお、本発明に係る養毛化粧料には、色
素、香料、殺菌剤、防腐剤、界面活性剤、顔料、角質溶
解剤、抗アンドロゲン剤等を本発明の目的を達成する範
囲で適宜配合することができる。

【００２７】

【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を詳
細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。なお、本発明に使用した試験方法は下記の通りで
ある。

【００２８】実用試験法 男性型脱毛症患者２０名の頭部に毎日朝夕２回、連続６
ケ月間試料を塗布した後の効果を評価した。試験結果
は、育毛効果、および脱毛予防効果の各項に対して、
「生毛が剛毛化した、あるいは剛毛が増加した」、「脱
毛が少なくなった」と各々回答した人数で示した。

【００２９】実施例１〜１４、比較例１〜１６（ヘアー
トニック） 表１の原料組成において、表２に記載の如く有効成分を
配合してヘアートニックを調製し、前記の試験を実施し
た。

【００３０】なお、以下の実施例、比較例にて配合した
アセロラの果実より抽出したエキスの調整方法は前述し
た抽出例１に該当し、具体的に下記に示す。

【００３１】アセロラの果実よりのエキスの調整方法
（抽出方法） アセロラの果実（１０ｋｇ）を圧搾し、圧搾汁を得た。
これを減圧下濃縮後ろ過し、ろ液（約２ｋｇ）を得た。
ろ液にプロピレングリコール３０ｗｔ％水溶液（１８ｋ
ｇ）を加え、冷所に７日間静置した。その後、ろ過して
エキス（約２０ｋｇ）を得た。

【００３２】

【表１】

【００３３】（１）調製法 表１に記載の（Ｂ）成分を（Ａ）成分中に溶解させた
後、（Ｃ）成分を添加し、混合攪拌分散して容器に充填
した。

【００３４】（２）特性

【００３５】

【表２】

【００３６】各ヘアートニックの試験を実施した結果を
表２に示した。表２の通り、実施例１〜１４の本発明に
係る養毛化粧料は、実用試験の結果は良好であり、アセ
ロラの果実より抽出したエキスによる、育毛効果及び脱
毛予防効果の促進が見られた。一方、比較例１〜１６は
実用試験の結果は良好ではなかった。

【００３７】なお、いずれの実施例の養毛化粧料を用い
た場合にも、ヒトに炎症、その他副作用と考えられる症
状は発現せず、本発明に係る養毛化粧料は安全性にも優
れることが明らかであった。

【００３８】

【発明の効果】本発明に係る養毛化粧料は、毛母細胞の
賦活化作用を有し、育毛効果、脱毛予防効果および安全
性に優れる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 アセロラの果実より抽出したエキスと、
   センブリエキス、朝鮮ニンジンエキス、デュークエキ
   ス、トウガラシチンキ、ジイソプロピルアミンジクロロ
   アセテート、γ−アミノ酪酸誘導体、ヒノキチオール、
   ビタミンＥ誘導体、パントテン酸誘導体、ニコチン酸誘
   導体、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導
   体からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の物質を
   含有することを特徴とする養毛化粧料。