JPH1084800A - 養殖装置 - Google Patents

養殖装置

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JPH1084800A
JPH1084800A JP8248154A JP24815496A JPH1084800A JP H1084800 A JPH1084800 A JP H1084800A JP 8248154 A JP8248154 A JP 8248154A JP 24815496 A JP24815496 A JP 24815496A JP H1084800 A JPH1084800 A JP H1084800A
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JP
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light
culture solution
gas
culture
emitting diode
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JP8248154A
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English (en)
Inventor
Ryuichi Okumura
隆一 奥村
Koichi Murakami
耕一 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Sanyo Electric Co Ltd
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Sanyo Electric Co Ltd
Tottori Sanyo Electric Co Ltd
Sanyo Electric Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Sanyo Electric Co Ltd, Tottori Sanyo Electric Co Ltd, Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Tokyo Sanyo Electric Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/80Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
    • Y02A40/81Aquaculture, e.g. of fish

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  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Cultivation Of Seaweed (AREA)
  • Farming Of Fish And Shellfish (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光源の発光効率を高め、光源の熱を培養に利
用し、効率よく呼吸や光合成に必要な空気と光を培養生
命体に与え、更に扱い易い養殖装置を提供する。 【解決手段】 光源として特定波長の光を導入するも
の、好ましくは発光ダイオードを用いる。光源に触れた
のちの気体を培養液に導入する。導入管に発光ダイオー
ドを収納し、二酸化炭素を含む気体を送風してもよい。
太陽電池を用いる場足、その出力で送風量を増加するエ
アポンプを設けると好ましい。小型の場合、透光性の壁
面と発光ダイオードの間に空気層を設ける。導入管の空
気吐出し口は光源から離隔した培養液中に導入するのが
よい。光源の点灯時間を消灯時間より長く設定するかも
しくは点灯し続けるように制御出来る。栄養素源の近傍
を通過した気体やオゾンを含む気体を送るのも好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は海藻類やプランクト
ンなどの培養・増殖に好適な養殖装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、海産性魚類の養殖には、その
海産性魚類の飼料となるワムシ、アルテミア、貝・エビ
・カニ類幼生等の動物プランクトンが用いられるが、そ
の動物プランクトンあるいは海産性魚類の稚魚の飼料と
して、珪藻類、植物プランクトンなどの微細藻類などが
使われ、あるいは海産物としての昆布類、アラメ、カジ
メ等が養殖されている。これらの飼料や海産物の養殖に
は、特開平5−308871号公報に記載されているよ
うに、適切な濃度の栄養素と、光量と、適切な温度と、
潮の流れが必要とされる。従って、養殖装置を用いた
り、海域の一部を仕切った場合でもこれらの条件が満た
されるべく配慮がなされる。
【0003】一方、近年、陸上植物(緑の葉を持つ植
物)においては、雑誌トリガー14巻7号86頁(19
95年:日刊工業新聞社)に紹介されているように、日
光やハロゲン電球などの人工光線であって可視光域全体
にブロードな光量分布を持つ光ではなく、成長に必要
な、赤、青、赤外の特定な波長のみにより植物栽培をす
る試みが成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、海産性
魚類の飼料や海産物の養殖には、産卵した後のもっとも
飼料を必要とする時期が冬の日照時間が少なく温度も低
い時期になってしまうので、このような季節に大量の飼
料を確保することは困難であった。
【0005】また陸上植物と異なり、海水中では特定波
長の光の吸収散乱があるので、このような特有の光のス
ペクトル分布が海中生物に与える影響が明確でなく、育
成に必要な波長を選択するよりも、日射量としての光量
の絶対量を多くすることが必要とされていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はこれらの点を考
慮して成されたもので、光源の発光効率を高める一方で
光源の熱を培養に利用するとともに、効率よく呼吸や光
合成に必要な空気と光を培養生命体に与え、更には扱い
易い養殖装置を提供せんとするものである。
【0007】まず本発明は、培養液を収納する水槽と、
水槽の培養液中に特定波長の光を導入する光源と、その
光源に触れたのち培養液に気体を導入する導入管とを設
けたものである。
【0008】そして本発明は、培養液中に特定波長の光
を導入する光源と、その培養液中に栄養素を分散させる
栄養素源と、それら光源と栄養素源との近傍を通過した
二酸化炭素を含む気体を培養液に導入する導入管とを設
けたもので、更に好ましくは時折培養液中にオゾンを含
む気体を送る送風装置を設けたものである。
【0009】また本発明は、培養液中に配置され、発光
ダイオードを収納し、二酸化炭素を含む気体を送風でき
る導入管を有し、より好ましくは導入管の発光ダイオー
ド収納部は着色透明または無色透明で、更に好ましく
は、太陽電池の出力で送風量を増加するエアポンプを有
したものである。
【0010】更に本発明は、培養液に気体を送風できる
通気孔を有した透光性の壁面(底面又は側面或いはその
両方)と、その壁面の背面に配置された発光ダイオード
と、その発光ダイオードと壁面の間に設けられた空気層
とを設けたものである。
【0011】あるいは、本発明は、太陽電池と、発光ダ
イオードを収納した送風用の導入管と、該導入管に二酸
化炭素を含む気体を送風し前記太陽電池の出力で送風量
を増加するエアポンプとを有したもので、より好ましく
は培養液中にオゾンを含む気体を送る送風装置(エアポ
ンプ)を設けたものである。
【0012】そして本発明は、培養液を収納する水槽
と、水槽の培養液に部分的に特定波長の光を導入する光
源と、該光源に近接したのちの二酸化炭素を含む気体を
光源から離隔した培養液中に導入する導入管とを設けた
もので、より好ましくは、光源の点灯時間を消灯時間よ
り長く設定するかもしくは点灯し続けるように制御する
点灯制御回路を設けたものである。
【0013】また本発明は、培養液に気体を送風できる
通気孔を有した透光性の壁面と、その壁面の背面に配置
された発光ダイオードと、その発光ダイオードのそばを
通って通気孔から培養液中にオゾンを含む気体を送る送
風装置とを設けた養殖装置である。
【0014】本発明の更なる特徴は以下の実施例の説明
によってより明確になるであろう。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は中規模培養タンクを用いた
本発明実施例の養殖装置の断面図で、クロレラ培養の例
を示している。10は、培養液20を収納する水槽で、
タンクを用いている。30は水槽10の培養液20中に
特定波長の光を導入する光源で、発光ダイオードを用い
ており、40はその光源30に触れたのちの気体を培養
液20に導入する導入管である。
【0016】このうち水槽10は、底面に排水パイプ1
01を有し、硬質の、好ましくは金属製又は張合せ磁器
製のドラム缶状をなした600リットルタンクである。
中にいれてある培養液20は、クロレラ培地に、塩分が
3〜30%の海水又は人工海水に、炭素源および窒素源
を添加したものを使用する。炭素源としては、グリコー
ス、グリセロール、エタノールおよび酢酸ナトリウムな
どを利用する。窒素源としては、ヒスチジン、ペタイ
ン、硫酸アンモニウム、グルタミン酸塩、およびイース
トエキスなどを利用する。炭素源・窒素源以外の成分と
して、燐酸塩、微量金属、ビタミン類、水等を培地に添
加した。
【0017】光源30としては、幅5mmの長尺な基板
301に多数の発光ダイオードチップ302が載置さ
れ、ワイヤーボンド配線され、シリコン系の樹脂303
でモールドしたものを用いており、導入管40の内壁に
沿うように配置している。この発光ダイオードチップ3
02は、波長660nmの発光ダイオード10個に波長
470nmの発光ダイオードが1個の割で使われてお
り、培養液20に対しランプ換算で平均9カンデラ/リ
ットルの光量を出すものである。この光源30は点灯制
御回路90にリード線で接続され、発光ダイオードチッ
プ302はこれにより点灯制御される。
【0018】導入管40は、その光源30のモールド樹
脂303に触れたのち培養液に気体を導入するもので、
可撓性をもつポリカーポネート樹脂等、光透過性のよい
材料からなり、先端に気体の圧力で開き、通常は閉じて
いる弁401をもつ。導入管40には、光源のリード線
を導出した後パイプ接続され、空気をエアポンプ70で
送風しており、これはエアポンプの周囲の空気を乾燥フ
ィルターを通して乾燥空気として送るものある。空気の
中に二酸化炭素が含まれているよう配慮する。これによ
り、発光ダイオードの熱を培養液中に逃すとともに、発
光ダイオードを乾燥させる。これは発光効率が上がるこ
ととなり、そしてまた短絡事故から防御する。そして弁
401から出た気泡が導入管40の近傍を伝って上昇す
るときには、クロレラに光と共に気泡から二酸化炭素が
与えられるので、光合成が進み、クロレラの成長を促進
させ、さらには気泡が導入管40にぶつかって潰れるこ
とで破壊力が生じ、導入管40の回りに付着した汚れを
落とす作用を持つ。このような作用により、冬場でも、
通気若しくは攪拌を行いながら25〜30℃以下で培養
を行うことが出来る。通常10〜30度で成長するが、
10〜20度で培養したほうがDHA含量が多かった。
【0019】このような導入管40の先端を更に長くし
て、培養液20に特定波長の光を導入する場所と、二酸
化炭素を含む気体を培養液20中に導入する場所を離隔
すると、光源30の数が少ない時に光源の点灯時間に応
じて増殖量が増えるという、興味深い結果が現れた。こ
れは植物の明反応である、光の強さ、波長の影響と、暗
反応である温度、二酸化炭素濃度の環境条件が整ったも
のと推測されるが、ビルケチルク氏血球計算盤での細胞
数が7日間で大幅に増加した。更に、通常植物は一日の
うち一定時間光を照射し、一定期間暗い場所で休息させ
ることがよいとされているが、光源30の点灯時間どん
どん長くしてもそれに応じて細胞数の増加が認められ
た。つまり、光源の点灯時間を消灯時間より長く設定す
るかもしくは点灯し続けるように制御する点灯制御回路
90を設けることによって、一層増殖した。これは、光
源30を培養液20中に配置し、これを自然循環ではな
く撹拌によってクロレラの位置を代えてやることで、光
源から近い部分では強い光を受け、光源から遠ざかるこ
とで自然に休息期間が与えられ、結局光源を点灯し続け
てもクロレラには休息時間が与えられ、増殖が促進され
たものと思われる。
【0020】さらに、エアポンプ70にオゾン発生機を
接続して、プランクトン培養開始時にオゾンを注入する
とクロレラのフロックが発生しにくく増殖が盛んな様子
が観察された。これはクロレラがバクテリアの混入に弱
いことに起因しているものと考えられる。すなわち、ク
ロレラなどはバクテリア(病原性細菌)の混入により全
く増殖しないようにすらなる。しかしこのバクテリアは
プランクトンよりオゾン耐性が低く、プランクトン培養
開始時にオゾンを倍地中に注入することでバクテリアの
みを選択的に滅菌しプランクトンのみを純粋培養するこ
とが可能になるからと考えられる。またオゾンはDNA
と反応し遺伝子の変化を生じさせたり、酵素を活性化す
ることにより、増殖作用を刺激する。これにより成長速
度が上がる。但し長期間オゾンに晒すと、逆に増殖作用
が疎外されるので、最初の一定期間だけオゾンを導入す
るのが好ましかった。
【0021】図2は本発明の第2の実施例を説明するも
ので、海岸の一部を利用している。図において、41
は、培養液21中に配置され、先端近くにランプタイプ
の発光ダイオード31を収納し、二酸化炭素を含む気体
51を送風する導入管である。この導入管41は少なく
とも発光ダイオード31収納部は光透過性で、発光ダイ
オード31のリード線を収納したパイプとともに抱き合
わせて陸上まで導かれ、エアポンプ71、72に接続さ
れている。この例では、海草の育成・培養を例にとって
おり、高速育成の他に、高い着生率を長期間維持し、か
つ海藻の生育に必要な栄養素を、その生育に十分で、し
かも富栄養化現象を惹起しない程よい濃度で無駄なく長
期間安定して供給することができるようにも配慮してい
る。
【0022】ここに培養液21とは、培養装置が海岸の
一部を利用しているので原則的に海水であるが、培養液
中に栄養素を分散させる栄養素源61が配置されてい
る。つまり、導入管41は、アクリル樹脂、硝子繊維強
化ポリカーボネート樹脂など、光透過性の樹脂パイプを
用いているが、その先端には、多孔質ブロックに栄養源
を充填・混練した通気性ストーン411を有する。
【0023】一般に、コンブ類、アラメおよびカジメ等
の大型の海藻を養殖するための条件は、海藻の着生面の
確保、適切な濃度の、窒素・燐・鉄などの海藻の生育に
必要な栄養素の供給、植食動物(ウニ、アワビ)による
食害からの保護、一日約10〜14時間の約2000ル
ックス以上の、日光等による光量の確保、水塊の適切な
温度の維持、適切な塩分濃度の維持、波浪又は潮流など
によって起こる海水の適度な動揺、が必要とされてい
る。このうち、水塊の適切な温度の維持、適切な塩分濃
度の維持、波浪又は潮流などによって起こる海水の適度
な動揺は、海岸の一部を利用するかぎり、確保は容易で
ある。しかし、一日約10〜14時間の約2000ルッ
クス以上の日光等による光量の確保は、冬の日本海な
ど、荒天の多い時期には光量としても不十分であるし、
更に、日光の光が育成に適しているかどうか定かでな
い。即ち、自然光の中には、伸びる力を促進させる効力
と、茂る力を促進する効力と、生殖機能を強化育成する
効力と、これらの効力を抑制する効力が有り得る。とく
に海中生物は光が海中を進むことによって光の波長毎に
異なる吸収を生じるので、環境と深さによってもともと
海草に届く光の波長が制限されているので、日光さえあ
ればよいというものではない。
【0024】本発明はこのような事情に基ずき、ノリ、
ウルスリツクス等多細胞藻類の培養において、通気性ス
トーン411にこれら多細胞藻類を固定化し、800n
mから470nmの発光波長の発光ダイオードの光を照
射し、実験を行った。通気性ストーン411には、ケイ
素、ナトリウム及びカリウム、そして鉄を、それぞれS
iO2換算で30〜70重量%、Na2O、K2O換算で
10〜50重量%、そしてFe23換算で5〜50重量
%にあたる量含有させ、かつ二価の鉄の含有量が1重量
%以上であるガラス質材料で構成し、ウニなどが這い上
がりにくい様に鋭角の凹凸を設けた。つまり、光源と栄
養素源との近傍を通過した二酸化炭素を含む気体を培養
液に導入するように配置したものである。なお、荒天時
には、二酸化炭素の量は十分であるとして、エアポンプ
71の運転は停止したが、光源30は点灯させ続けた。
氷を入れた袋を栽培領域の境界網にぶらさげて冬場の温
度を再現し、3週間ずつの成長データを取り続け、比較
した。その結果、特定波長の光と空気送り込みによる育
成効果が明らかに現れ、栽培領海の外の海域における海
草に比較して明らかな成長の違いが確認できた。例え
ば、660nmと567nmと470nmの発光ダイオ
ードを4:1:1の割合で用いた場合、春から夏にかけ
て大きくなる海草の成長度の1.6倍の速度で、冬場環
境下の海草を育成させることができた。
【0025】また、海岸で領域を限ると、発光ダイオー
ドの光のみでなく、自然光の利用を積極的に計るのがよ
く、冬の日本海では紫外線も多くはない。そこで、太陽
電池80と、太陽電池80の出力で送風量を増加するエ
アポンプ72を設け、太陽が出ているときは発光ダイオ
ード31を収納した送風用の導入管41に二酸化炭素を
含む気体を増加した。つまり、光が一層多く注がれてい
る期間は二酸化炭素を一層多く送ることで、光合成を促
進するようにしたもので、太陽光のいろいろな波長があ
るものの発光ダイオードの光が成長促進に役だっている
ので、光量が多くなったことに対して二酸化炭素量を多
くしたものであり、これにより明らかに海草類の肉付き
がよくなった。
【0026】なお栄養素源61は上述のほか、砂と硫酸
鉄と海水塩類の主成分を所定の割合で混合し、これらを
水溶性の凝固剤で粒状に塊めたものを多孔性ブロックに
充填して容易に溶出しない様にしたものも用いた。この
粒状物は発光ダイオードに触れた後の気体が多孔質ブロ
ックから出るときに気泡に押され水分に触れると、水溶
性の凝固剤が次第に溶け、それと同時に硫酸鉄及び海水
塩類の主組成分も溶け出し、ブロック表面から徐々に海
域に浸透し、この硫酸鉄及び海水塩類は緑藻及び褐藻の
栄養分となる。
【0027】さらにこのエアポンプ72と電源を使っ
て、培養液(海水)21の気体導入部分の酸化還元電位
を−200mVから―600mVの間で、最適値に設置
した。つまりこの気体の中にオゾンを導入することで、
有害物を排除し、プランクトンを活性化させ、海草の成
長を促進させることに成功した。但し長期間オゾンに晒
すと、オゾンやその副産物のオキシダントにより増殖作
用が疎外されるので、適宜、チオ硫酸ソーダ、亜硫酸ソ
ーダ、亜硫酸カルシウム、ヒドラジンなどの1種または
複数種によりオゾンやその副産物を還元するのが好まし
い。オゾンは培地中の濃度が0.6〜2.0ppm程度
になるように加え、この濃度に達した後オゾン供給を停
止し、これを2〜7日に1回のサイクルで行うことによ
ってオゾンを全く与えないときの4〜7倍の繁殖になっ
た。
【0028】図3は本発明の他の実施例の養殖装置の断
面図で、50リットル程度の小型培養槽の例を示してい
る。水槽12は、直方体で5面を平面状の壁面で構成
し、その壁面の少なくとも一つ、好ましくは底面は、培
養液に気体を送風できる通気孔421を有した透光性の
壁面121となっている。この壁面121は例えば、い
わゆる2重底になっている。この壁面121の背面の少
なくとも1ケ所には、発光ダイオード33が配置されて
いる。この時は660nmの発光ダイオードを200個
/リットル配置した。そしてこのいわゆる2重底の空
間、つまり発光ダイオード33と壁面121の間には空
気層52が設けられている。またこの水槽12の外壁面
には、空気の吐き出し口を内部に持つエアポンプ73を
装着し、水槽12と光源と送風装置を一体化した。
【0029】壁面121は例えば強化ガラスとか強化ア
クリル樹脂などからなり、その壁面121にあらかじめ
設けられた透孔に形成された通気孔421は逆流防止弁
のついた孔でもよく、多孔質の石綿のようなものでもよ
い。ここでは管のような集中気泡放出ではなく面で気泡
を放出する例を示ている。それは多孔質セラミックスに
形状記憶樹脂を積層したもので、この樹脂は面ブレンを
構成するポリマー分子が温度によってミクロブラウン運
動を起こすことによって防水と空気の流れとを行うもの
である。このような樹脂は、米国ゴアテックス社や三菱
重工業が販売しているものが使用できるので、防水性を
補い、又、水圧に適合するように通気性セラミックスに
張り合わせたものである。このような樹脂膜は、例えば
ポリウレタン系、ナイロン系などからなり、基本的に
は、低温時に樹脂(布地)を構成しているポリマー分子
の鎖が固定して水分が透過できなくなり、温度の上昇で
ポリマー分子の活動が活発化し分子の透き間が広がる
が、その隙間は35nm程度と水滴より数万分の1と狭
いため、水蒸気程度しか通さない。従って送風するもの
が20〜50度Cと温度が高かったり、二酸化炭素成分
が多いとこの空気を通すが、空気の流れが弱かったり、
水温が低いときには防水膜として作用する。また水滴は
通さないが湿気は通すので空気層52を乾燥状態に保つ
のに好適である。
【0030】培養に当っては、水中の窒素対リンの原子
比を増減させることによつて、水中の褐色植物プランク
トン及び緑色植物プランクトンの増殖を制御できる。水
中の窒素対リンの原子比率は、略15対1に調整するこ
とで、褐色植物プランクトンの増殖が促進される一方、
緑色植物プランクトンの増殖が抑制される。また、同原
子比を8対1以下に調整することで、緑色植物プランク
トンの増殖が促進される一方、褐色植物プランクトンの
増殖が抑制される。
【0031】このような構成により、発光ダイオード3
3の熱を奪うことで発光効率を高める一方、光源の熱を
培養に利用し、光と二酸化炭素が効率よく培養生命体に
注がれるようにするものである。
【0032】なお、発光ダイオード33と通気孔421
の配置を考慮することにより、水槽12の培養液22に
部分的・局所的に特定波長の光を導入し、二酸化炭素を
含む気体を光から離隔した培養液22中に導入すること
が容易に行えるので、660nmの光によって明反応を
促進し、光が届きにくい場所においては温度と二酸化炭
素が暗反応を促進し、それぞれ藻類の成長を促進させ
る。更に24時間照射によって少ない光量エネルギーで
短時間に効果的に増殖できる。また発光ダイオード33
のそばを通って通気孔421から培養液22中にオゾン
を含む気体を送るエアポンプ73を設けることによっ
て、バクテリアのみを選択的に滅菌しプランクトンのみ
を純粋培養することが可能になる。
【0033】
【発明の効果】本発明は上述のように光源の熱を奪うこ
とで発光効率を高める一方、光源の熱を培養に利用する
とともに、光が効率よく培養生命体に注がれ、場所に制
限されることなく、効率よく光合成に必要な空気と光を
培養生命体に与え、あるいは扱いやすい養殖装置が提供
で、もしくは自然界にあっても効率的な育成の出来る養
殖装置が提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の養殖装置の断面図である。
【図2】本発明の他の実施例の養殖装置の説明図であ
る。
【図3】本発明の他の実施例の養殖装置の断面図であ
る。
【符号の説明】
10 水槽 20 培養液 30 光源 40 導入管 21 培養液 31 光源 41 導入管 51 気体 61 栄養素源 71 エアポンプ 72 エアポンプ 80 太陽電池 12 水槽 121 壁面 22 培養液 33 発光ダイオード 52 空気層 73 エアポンプ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 培養液を収納する水槽と、水槽の培養液
    中に特定波長の光を導入する光源と、該光源に触れたの
    ちの気体を培養液に導入する導入管とを具備したことを
    特徴とする養殖装置。
  2. 【請求項2】 培養液中に配置され、発光ダイオードを
    収納し、二酸化炭素を含む気体を送風できる少なくとも
    発光ダイオード収納部は光透過性である気体の導入管を
    有したことを特徴とする養殖装置。
  3. 【請求項3】 太陽電池と、発光ダイオードを収納した
    送風用の導入管と、該導入管に二酸化炭素を含む気体を
    送風し前記太陽電池の出力で送風量を増加するエアポン
    プとを具備したことを特徴とする養殖装置。
  4. 【請求項4】 培養液に気体を送風できる通気孔を有し
    た透光性の壁面と、該壁面の背面に配置された発光ダイ
    オードと、該発光ダイオードと前記壁面の間に設けられ
    た空気層とを具備したことを特徴とする養殖装置。
  5. 【請求項5】 培養液を収納する水槽と、水槽の培養液
    に部分的に特定波長の光を導入する光源と、該光源に近
    接したのちの二酸化炭素を含む気体を光源から離隔した
    培養液中に導入する導入管とを具備したことを特徴とす
    る養殖装置。
  6. 【請求項6】 前記光源の点灯時間を消灯時間より長く
    設定するかもしくは点灯し続けるように制御する点灯制
    御回路を具備したことを特徴とする請求項第5項記載の
    養殖装置。
  7. 【請求項7】 培養液中に特定波長の光を導入する光源
    と、前記培養液中に栄養素を分散させる栄養素源と、前
    記光源と前記栄養素源との近傍を通過した二酸化炭素を
    含む気体を培養液に導入する導入管とを具備したことを
    特徴とする養殖装置。
  8. 【請求項8】 培養液に気体を送風できる通気孔を有し
    た透光性の壁面と、該壁面の背面に配置された発光ダイ
    オードと、該発光ダイオードのそばを通って前記通気孔
    から培養液中にオゾンを含む気体を送るエアポンプとを
    具備したことを特徴とする養殖装置。
  9. 【請求項9】 培養液中に配置され、発光ダイオードを
    収納し、気体を送風することが出来、その送風気体中に
    少なくとも所定時間はオゾンを含ませた、少なくとも発
    光ダイオード収納部は光透過性である気体の導入管を有
    したことを特徴とする養殖装置。
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