JPH1082777A - 二酸化炭素溶解抑制試薬群 - Google Patents

二酸化炭素溶解抑制試薬群

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JPH1082777A
JPH1082777A JP25769296A JP25769296A JPH1082777A JP H1082777 A JPH1082777 A JP H1082777A JP 25769296 A JP25769296 A JP 25769296A JP 25769296 A JP25769296 A JP 25769296A JP H1082777 A JPH1082777 A JP H1082777A
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JP
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reagent
buffer
concentration
reagents
group
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JP25769296A
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Tatsuhiko Tanaka
龍彦 田中
Atsuko Yoshimoto
敦子 吉本
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SHINOTESUTO KK
Shino Test Corp
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SHINOTESUTO KK
Shino Test Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】開封され空気に触れた状態においても、試薬又
は混合液のpHの低下及び効力の低下が生じることな
く、長期間安定に使用することができる試薬群を提供す
る。 【構成】複数の試薬より構成される試薬群であり、これ
らの複数の試薬を添加した混合液又はそれぞれの構成試
薬のpHがpH7〜pH14の範囲にある試薬群におい
て、混合液における緩衝剤濃度の2倍以上の濃度の緩衝
剤を含有する高緩衝剤濃度試薬、及び緩衝剤を含有しな
いか又は混合液における緩衝剤濃度の10分の1以下の
濃度の緩衝剤を含有する低緩衝剤濃度試薬より構成され
ることを特徴とする試薬群。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の試薬より構
成される試薬群に関し、空気中の二酸化炭素の試薬中へ
の吸収を抑え、試薬中に溶解した二酸化炭素が引き起こ
す効力の低下を防止し、安定化を図るものである。本発
明は、特に、化学分野、医療分野及び臨床検査分野等に
おいて有用なものである。
【0002】
【従来の技術】試薬及び複数の試薬を添加した混合液
は、特定のpHの範囲でのみ、その内容成分が安定であ
ったり、効力を有することが多い。よって、その特定の
pHが高い場合、特にpH7〜14のアルカリ性の試薬
の場合には空気中の二酸化炭素を経時的に吸収しやすく
pHが低下してしまい、さらに試薬中に溶解した二酸化
炭素(炭酸)により、試薬又は混合液の内容成分の変性
若しくは分解又は効力の低下が生じ、試薬又は混合液が
使用できなくなってしまう。そのため、そのような試薬
又は複数の試薬より構成される試薬群においては、pH
がその内容成分が安定であったり又は効力を有するpH
の範囲の特定のpHにある必要があり、実際そのように
pHは設定されているものの、それでも空気中から徐々
に溶解する二酸化炭素に代表されるような気体の溶解に
より、試薬又は混合液の効力が低下して使用できなくな
ってしまうことがあった。
【0003】例えば、臨床検査において肝疾患の診断に
重要な血清(血漿)試料中のロイシンアミノペプチダー
ゼ(アリルアミダーゼ、シスチンアミノペプチダーゼ)
活性の測定に用いるロイシンアミノペプチダーゼ活性測
定試薬は、ロイシンアミノペプチダーゼの至適pHがp
H7〜9であることからpH7〜9付近にある必要があ
り、そのように設定されている。このロイシンアミノペ
プチダーゼ活性の測定の原理を下に示した。
【0004】
【化1】
【0005】このロイシンアミノペプチダーゼ活性測定
試薬においては,試薬が空気に触れると空気中の二酸化
炭素(CO2 )が試薬中に徐々に溶解し、試薬中にて炭
酸(H2CO3)となる。この試薬中の二酸化炭素はロイ
シンアミノペプチダーゼ活性を阻害してしまうので、こ
の試薬を用いて試料中のロイシンアミノペプチダーゼ活
性を測定すると、実際の活性値より低い活性値が得られ
てしまう。よって、誤ったロイシンアミノペプチダーゼ
活性の測定値が得られてしまう。つまり、試薬中に溶解
した二酸化炭素により、試薬又は混合液の効力の低下が
生じ、試薬又は混合液が使用できなくなってしまう。
【0006】臨床検査試薬は、自動分析装置により行わ
れる測定において複数の試薬より構成される試薬群の形
態にて使用されることが多く、この測定時には冷温(約
2〜10℃)ではあるものの開封され空気に触れた状態
で使用される。この自動分析装置の試薬保冷庫に置かれ
た試薬群は、これらの容器に収容された試薬を使いきる
まで、1〜2週間以上、長い場合には1カ月程、開封状
態のまま空気に触れた状態で使用される。
【0007】例えば、この開封状態のまま空気に触れた
状態にてロイシンアミノペプチダーゼ活性測定試薬を使
用すると、空気中の二酸化炭素が徐々に溶解し、このロ
イシンアミノペプチダーゼ活性測定試薬の混合液(最終
反応液)のpHも当初のpHよりわずかに低下すると共
に、試薬中に二酸化炭素が溶解してしまう。このため、
ロイシンアミノペプチダーゼ活性測定試薬の試薬群を開
封し使用を開始してから1週間後(2〜10℃にて使
用)に、試料中のロイシンアミノペプチダーゼ活性を測
定した場合には、使用開始時に比べて5%程度低下した
測定値が得られてしまう。
【0008】また、二酸化炭素が試薬により溶解し易い
更に低温の0〜5℃にて使用した場合には、使用開始1
週間後の測定値は10%以上も低下してしまうものであ
った。この時、pHを低下前のpHに戻しても活性値の
低下はほとんど回復せず、炭酸の添加実験から、10%
効力低下時には反応試液中に約9mMの二酸化炭素が溶
解していることが確認された。このように、正確な測定
値が得られなくなることは、疾病の診断を誤らせること
にもつながる重大な問題であり、その解決が望まれてい
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、従来の
複数の試薬を添加した混合液又はそれぞれの構成試薬の
pHがpH7〜pH14の範囲にある試薬群では、開封
され空気に触れると空気中の二酸化炭素が試薬中に徐々
に溶解してしまい、この試薬中に溶解した二酸化炭素に
より試薬又は混合液の効力の低下が生じ、試薬又は混合
液が使用できなくなってしまうという問題点を有するも
のであった。
【0010】本発明者らは、この従来の複数の試薬を添
加した混合液又はそれぞれの構成試薬のpHがpH7〜
pH14の範囲にある試薬群が有する問題点の解消を目
指して鋭意検討を行った結果、試薬群を混合液における
緩衝剤濃度の2倍以上の濃度の緩衝剤を含有する高緩衝
剤濃度試薬、及び緩衝剤を含有しないか又は混合液にお
ける緩衝剤濃度の10分の1以下の濃度の緩衝剤を含有
する低緩衝剤濃度試薬より構成することにより、空気中
の二酸化炭素が試薬中に溶解することを抑えることがで
きることを見出し、開封され空気に触れた状態において
も、二酸化炭素の溶解による試薬又は混合液の効力の低
下が生じることなく、長期間安定に使用することができ
る試薬群を完成するに至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の発明を提
供する。
【0012】(1) 複数の試薬より構成される試薬群
であり、これらの複数の試薬を添加した混合液又はそれ
ぞれの構成試薬のpHがpH7〜pH14の範囲にある
試薬群において、混合液における緩衝剤濃度の2倍以上
の濃度の緩衝剤を含有する高緩衝剤濃度試薬、及び緩衝
剤を含有しないか又は混合液における緩衝剤濃度の10
分の1以下の濃度の緩衝剤を含有する低緩衝剤濃度試薬
より構成されることを特徴とする試薬群。 (2) 高緩衝剤濃度試薬が、混合液における緩衝剤濃
度の3倍以上の濃度の緩衝剤を含有する高緩衝剤濃度試
薬である、前記(1)に記載の試薬群。 (3) 高緩衝剤濃度試薬が、混合液における緩衝剤濃
度の5倍以上の濃度の緩衝剤を含有する高緩衝剤濃度試
薬である、前記(1)又は(2)に記載の試薬群。 (4) 高緩衝剤濃度試薬におけるpHがpH7〜pH
14であり、かつ低緩衝剤濃度試薬におけるpHがpH
3〜pH14である、前記(1)、(2)又は(3)に
記載の試薬群。 (5) 一つの高緩衝剤濃度試薬及び一つの低緩衝剤濃
度試薬の二つの試薬より構成される、前記(1)、
(2)、(3)又は(4)に記載の試薬群。 (6) 試薬群が、臨床検査試薬である、前記(1)、
(2)、(3)、(4)又は(5)に記載の試薬群。 (7) 臨床検査試薬が、ロイシンアミノペプチダーゼ
活性測定試薬である、前記(6)に記載の試薬群。
【0013】本発明における試薬群は、複数の試薬より
構成され、これらの複数の試薬それぞれを添加し調製し
た混合液若しくは他の物質にこれらの複数の試薬それぞ
れを添加し調製した混合液、又はそれぞれの構成試薬の
pHが、pH7〜pH14の範囲にあるものである。
【0014】本発明の試薬群は、上記の混合液における
緩衝剤の濃度の2倍以上の濃度の緩衝剤を含有する高緩
衝剤濃度試薬、及び緩衝剤を含有しないか又は上記の混
合液における緩衝剤の濃度の10分の1以下の濃度の緩
衝剤を含有する低緩衝剤濃度試薬より構成される。
【0015】一般に、複数の試薬を添加して使用する混
合液の緩衝剤の濃度は、その使用目的及び必要とされる
緩衝能等を勘案して設定される。例えば、臨床検査試薬
においては、まず混合液について測定反応の進行に最適
な緩衝剤濃度が緩衝能をふまえて設定され、次にこの混
合液の緩衝剤濃度を達成するように試薬群を構成する各
試薬の緩衝剤濃度が設定される。本発明は、このように
予め設定されている混合液の緩衝剤の濃度は変えること
なく、試薬群を上記の高緩衝剤濃度試薬及び低緩衝剤濃
度試薬より構成させることにより、試薬又は混合液への
二酸化炭素の溶解を抑えることを可能としたものであ
る。
【0016】本発明の試薬群において、混合液における
緩衝剤の濃度の2倍以上の濃度の緩衝剤を含有する高緩
衝剤濃度試薬は、緩衝剤濃度が高く混合液における容量
比も小さいため、空気中の二酸化炭素が溶解しにくく、
更にpHの低下を防ぐことができる。
【0017】高緩衝剤濃度試薬とともに試薬群を構成す
る低緩衝剤濃度試薬は、緩衝剤を含有しないか又は混合
液における緩衝剤の濃度の10分の1以下の濃度の緩衝
剤しか含有しないので、高緩衝剤濃度試薬が高濃度の緩
衝剤を含有するにもかかわらず、高緩衝剤濃度試薬及び
低緩衝剤濃度試薬を添加した混合液の緩衝剤濃度を予め
設定されている濃度に保つことができる。更に、低緩衝
剤濃度試薬は緩衝剤を含有しないか又は低濃度であって
緩衝能が弱いため、高緩衝剤濃度試薬とは逆にpHの低
下を引き起こす二酸化炭素の微量の溶解により容易にp
Hが低下してしまう。この速やかなpHの低下により、
二酸化炭素の低緩衝剤濃度試薬への更なる溶解は抑制さ
れ、結果として低緩衝剤濃度試薬及び高緩衝剤濃度試薬
を添加した混合液中への二酸化炭素の濃度を低く抑える
ことができ、混合液のpHの低下及び、二酸化炭素の溶
解の抑制に寄与することとなる。
【0018】なお、試薬群を構成する全ての試薬におい
て、高濃度の緩衝剤を含有させることによっても、混合
液への二酸化炭素の溶解を抑制することは可能かと思わ
れる。しかしながら、この場合は混合液の緩衝剤濃度も
高濃度となってしまい、その使用目的に応じて予め設定
されている緩衝剤濃度は保てなくなってしまう。つま
り、二酸化炭素の溶解量の低下による試薬又は混合液の
効力の低下は防止できたとしても、緩衝剤濃度が高すぎ
るため使用目的に適さないものとなってしまい、実用に
適さないものとなってしまう。
【0019】これに対して本発明は、試薬又は混合液へ
の二酸化炭素の溶解の抑制と混合液に予め設定されてい
る緩衝剤濃度の保持という従来両立が困難であった課題
を同時に達成することができるものであり、これは高緩
衝剤濃度試薬と低緩衝剤濃度試薬を組み合わせることに
より得られる上記作用により初めて可能となったもので
ある。
【0020】本発明の高緩衝剤濃度試薬においては、混
合液における緩衝剤濃度の2倍以上の濃度の緩衝剤を含
有させる必要があるが、二酸化炭素の溶解をより強く抑
制できることから、混合液における緩衝剤濃度の3倍以
上の濃度の緩衝剤を含有させることが好ましく、そして
混合液における緩衝剤濃度の5倍以上の濃度の緩衝剤を
含有させることが特に好ましい。
【0021】但し、試薬群を構成する高緩衝剤濃度試薬
及び低緩衝剤濃度試薬を、場合により他の物質を加え
て、添加し調製した混合液の緩衝剤濃度を予め設定され
た濃度とするには、試薬群を構成する高緩衝剤濃度試薬
及び低緩衝剤濃度試薬における緩衝剤の濃度は、それぞ
れの高緩衝剤濃度試薬及び低緩衝剤濃度試薬(他の物質
を加えた場合には他の物質も)の添加量に応じて設定す
ることになる。
【0022】例えば、試薬群が一つの高緩衝剤濃度試薬
及び一つの低緩衝剤濃度試薬の二つの試薬より構成され
る場合、予め設定された混合液の緩衝剤濃度CM 、高緩
衝剤濃度試薬の緩衝剤濃度CH 並びに添加量VH 及び低
緩衝剤濃度試薬の緩衝剤濃度CL 並びに添加量VL の間
には下記の式で示される関係が成り立つ。よって、混合
液の緩衝剤濃度CM が予め規定されている時は、下記の
式が成り立つように高緩衝剤濃度試薬の緩衝剤濃度CH
並びに添加量VH 及び低緩衝剤濃度試薬の緩衝剤濃度C
L 並びに添加量VL をそれぞれ設定すれば良い。また、
混合液の緩衝剤濃度CM 、高緩衝剤濃度試薬の添加量V
H 及び低緩衝剤濃度試薬の添加量VL が予め規定されて
いる時は、下記の式が成り立つように高緩衝剤濃度試薬
の緩衝剤濃度CH 及び低緩衝剤濃度試薬の緩衝剤濃度C
L をそれぞれ設定すれば良い。
【0023】
【化2】
【0024】そして、高緩衝剤濃度試薬が含有する緩衝
剤の濃度は、使用する温度、保存する温度におけるその
緩衝剤の溶解度以下の濃度でないと析出してしまう。
【0025】なお、高緩衝剤濃度試薬が含有する緩衝剤
濃度が混合液における緩衝剤の濃度の2倍未満である
と、緩衝能が弱いため二酸化炭素の溶解を有効に抑制す
ることができない。
【0026】また、低緩衝剤濃度試薬が含有する緩衝剤
濃度が混合液における緩衝剤の濃度の10分の1を超え
るものであると、その緩衝能により二酸化炭素が溶解し
た時に速やかにpHが低下せず、二酸化炭素の低緩衝剤
濃度試薬への更なる溶解は抑制されない。そして、低緩
衝剤濃度試薬及び高緩衝剤濃度試薬を添加した混合液の
緩衝剤濃度が高濃度となってしまい、予め設定されてい
る緩衝剤濃度が保てなくなってしまう。
【0027】本発明の高緩衝剤濃度試薬に含有させる緩
衝剤は、特に制限があるものではなく、設定を行うpH
及び使用目的等に応じて適宜選択して用いれば良い。な
お、一つの高緩衝剤濃度試薬に複数の緩衝剤を含有させ
て用いても良い。本発明の低緩衝剤濃度試薬に緩衝剤を
含有させる場合も同様であり、特に制限があるものでは
なく、設定を行うpH及び使用目的等に応じて緩衝剤を
適宜選択して用いれば良く、一つの低緩衝剤濃度試薬に
複数の緩衝剤を含有させて用いても良い。
【0028】そして、本発明の試薬群において、複数の
高緩衝剤濃度試薬又は複数の低緩衝剤濃度試薬が含まれ
る場合には、それぞれの高緩衝剤濃度試薬又は低緩衝剤
濃度試薬は、緩衝剤及びその濃度がそれぞれ異なるもの
であって良い。
【0029】本発明において、混合液又はそれぞれの構
成試薬のpHは、pH7〜pH14の範囲にあるものな
ので、本発明の試薬群において高緩衝剤濃度試薬のpH
はpH7〜pH14の範囲にあることが好ましい。
【0030】混合液のpHをpH7〜pH14の範囲の
pHとする場合、低緩衝剤濃度試薬が強酸性であること
は好ましくなく、pH3〜pH14の範囲にあることが
好ましい。
【0031】本発明の試薬群は複数の試薬より構成され
るものであるが、高緩衝剤濃度試薬及び低緩衝剤濃度試
薬の両方の試薬より構成されるものである。
【0032】よって、試薬群が二つの試薬より構成され
るものである時には、一つは高緩衝剤濃度試薬であり、
もう一つは低緩衝剤濃度試薬である。
【0033】そして、少なくとも一つの高緩衝剤濃度試
薬及び一つの低緩衝剤濃度試薬が含まれていれば、試薬
群を構成する他の試薬は高緩衝剤濃度試薬又は低緩衝剤
濃度試薬のいずれでも良い。
【0034】本発明の試薬群を構成する高緩衝剤濃度試
薬及び低緩衝剤濃度試薬に含有させる緩衝剤以外の内容
成分及びその濃度は、特に制限があるものではなく使用
目的等に応じて適宜選択して含有させれば良い。なお、
試薬群を構成する複数の試薬のどの試薬にどの内容成分
を含有させるかという内容成分の振り分けも、使用目的
及び安定性等を勘案して適宜行えばよい。
【0035】また、本発明の試薬群を構成する高緩衝剤
濃度試薬及び低緩衝剤濃度試薬を収納する容器について
も、特に制限があるものではないので使用目的等に応じ
て適宜選択して用いればよい。
【0036】複数の試薬より構成され、これらの複数の
試薬を添加した混合液又はそれぞれの構成試薬のpHが
pH7〜pH14の範囲にある試薬群としては、例え
ば、臨床検査試薬であるロイシンアミノペプチダーゼ活
性測定試薬等を挙げることができる。
【0037】これらの臨床検査試薬において本発明を実
施する場合、試薬群を構成する高濃度緩衝剤試薬及び/
又は低濃度緩衝剤試薬に、酵素の基質、共役酵素、補酵
素、発色剤、金属イオン若しくはこれを含む金属塩、キ
レート剤、アルブミンなどのタンパク質、糖類若しくは
高分子化合物などの安定化剤、アジ化ナトリウムなどの
防腐剤、試料中に含まれる測定妨害物質の消去剤若しく
は影響抑制剤、界面活性剤、賦形剤又は活性化剤等を適
宜必要に応じて含有させれば良い。
【0038】これらの臨床検査試薬により測定を行う試
料としては、例えばヒト又は動物の血液、血清、血漿、
尿、大便、***、髄液、唾液、汗、涙、腹水、羊水など
の体液若しくは肝臓、胃若しくは脳などの臓器、毛髪、
皮膚、爪、筋肉若しくは神経などの組織又は細胞等を挙
げることができる。
【0039】これらの臨床検査試薬により測定を行う場
合、測定は反応速度法(レート法)又は終点法(エンド
ポイント法)のいずれによるものでも良く、測定ステッ
プは1ステップ法又は2ステップ法等の多ステップ法の
いずれでも良く、測定波長は紫外部及び可視部の適当な
波長を使用することができ、測定反応の温度は30℃又
は37℃等測定反応が進行しかつ測定反応に係わる酵素
等の反応成分が熱により失活しない範囲内の温度を設定
すれば良く、測定反応の開始方法は基質を加えることに
より行う方法又は試料を加えることにより行う方法等の
いずれの方法でも良く、そして測定の手法は用手法又は
自動分析装置などの装置による方法のいずれをも用いる
ことができる。
【0040】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の例としてロ
イシンアミノペプチダーゼ活性測定試薬を取り上げて以
下に記載するが、本発明はこの記載によって何ら限定さ
れるものではない。
【0041】試薬群よりなるロイシンアミノペプチダー
ゼ活性測定試薬は、複数の試薬から構成されるもので有
ればいくつの試薬から構成されても良いが、二つの試薬
(高緩衝剤濃度試薬及び低緩衝剤濃度試薬)より構成さ
れる場合を例にとって以下記載を行う。
【0042】このロイシンアミノペプチダーゼ活性測定
試薬における高緩衝剤濃度試薬として、トリス(ヒドロ
キシメチル)アミノメタン又はグッド緩衝剤等のpH7
〜pH14、特にpH8付近に緩衝能を有する緩衝剤
を、試料、第1試薬及び第2試薬を添加した混合液(最
終反応液)における緩衝剤濃度の2倍以上の濃度を含有
させて調製する。この高緩衝剤濃度試薬においては、混
合液における緩衝剤濃度の3倍以上の濃度の緩衝剤を含
有させることが好ましく、そして混合液における緩衝剤
濃度の5倍以上の濃度の緩衝剤を含有させることが特に
好ましい。
【0043】また、このロイシンアミノペプチダーゼ活
性測定試薬における低緩衝剤濃度試薬としては、緩衝剤
を含有させないか、又はトリス(ヒドロキシメチル)ア
ミノメタン若しくはグッド緩衝剤等の緩衝剤を、試料、
第1試薬及び第2試薬を添加した混合液(最終反応液)
における緩衝剤濃度の10分の1以下の濃度を含有させ
て調製する。
【0044】なお、このロイシンアミノペプチダーゼ活
性測定試薬において、予め設定された混合液(最終反応
液)の緩衝剤濃度CM 、高緩衝剤濃度試薬の緩衝剤濃度
H並びに添加量VH 、低緩衝剤濃度試薬の緩衝剤濃度
L 並びに添加量VL 及びロイシンアミノペプチダーゼ
活性を測定すべき試料の添加量VS の間には下記の式で
示される関係が成り立つ。よって、混合液の緩衝剤濃度
M が予め規定されている時は、下記の式が成り立つよ
うに高緩衝剤濃度試薬の緩衝剤濃度CH 並びに添加量V
H 、低緩衝剤濃度試薬の緩衝剤濃度CL 並びに添加量V
L 及び試料の添加量VS をそれぞれ設定すれば良い。ま
た、混合液の緩衝剤濃度CM 、高緩衝剤濃度試薬の添加
量VH 、低緩衝剤濃度試薬の添加量VL 及び試料の添加
量VS が予め規定されている時は、下記の式が成り立つ
ように高緩衝剤濃度試薬の緩衝剤濃度CH 及び低緩衝剤
濃度試薬の緩衝剤濃度CL をそれぞれ設定すれば良い。
【0045】
【化3】
【0046】ロイシンアミノペプチダーゼ活性測定方法
のドイツ臨床化学会(GSCC)勧告法〔Z.Kli
n.Chem.Klin.Biochem.,10巻,
281〜291頁,1972年〕では、混合液(最終反
応液)中の緩衝剤〔トリス(ヒドロキシメチル)アミノ
メタン〕濃度は50mM(m・mole/L)に規定さ
れているので、GSCC勧告法に従う場合には高緩衝剤
濃度試薬には100mM以上の緩衝剤〔トリス(ヒドロ
キシメチル)アミノメタン〕を含有させ、好ましくは1
50mM以上を含有させる。また、低緩衝剤濃度試薬に
は緩衝液を含有させないか、又は5mM以下の緩衝剤
〔トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン〕を含有さ
せる。例えば、このGSCC勧告法に従う場合、高緩衝
剤濃度試薬と低緩衝剤濃度試薬の添加量の比を1対4と
し、低緩衝剤濃度試薬に緩衝剤を含有させない時には、
高緩衝剤濃度試薬に含有させる緩衝剤〔トリス(ヒドロ
キシメチル)アミノメタン〕の濃度は250mMとな
る。
【0047】そして、ロイシンアミノペプチダーゼ(ア
リルアミダーゼ)活性測定方法の日本臨床化学会におけ
る検討法〔松本裕之,臨床化学,21巻(補冊),63
a〜65a頁,1992年〕においても、緩衝剤をトリ
ス(ヒドロキシメチル)アミノメタンとし、基質をL−
ロイシル−4−ニトロアニリドとする測定方法が検討さ
れている。
【0048】このロイシンアミノペプチダーゼ活性測定
試薬における高緩衝剤濃度試薬のpHは、pH7〜pH
14の範囲にあれば良いが、pH7〜pH9の範囲であ
ることが好ましく、pH8付近にあることが特に好まし
い。また、低緩衝剤濃度試薬のpHは特に規定される必
要はないものの、強酸性であることは好ましくないの
で、pH3〜pH14の範囲にあることが好ましい。
【0049】本発明におけるロイシンアミノペプチダー
ゼ活性測定試薬において、L−ロイシル−4−ニトロア
ニリド等のロイシンアミノペプチダーゼの基質は、混合
液(最終反応液)には1mM以上、好ましくは2mM以
上含有させる必要がある。この条件が満たされる限り、
ロイシンアミノペプチダーゼ活性測定試薬の第1試薬及
び/又は第2試薬にL−ロイシル−4−ニトロアニリド
等のロイシンアミノペプチダーゼの基質を含有させる濃
度は、特に制限されるものではなく、適宜選択すればよ
い。なお、L−ロイシル−4−ニトロアニリド等のロイ
シンアミノペプチダーゼの基質は、特に中性から弱酸性
付近で安定性が良好であるので、基質はpH3〜pH9
の範囲のpHの低緩衝剤濃度試薬に含有させることが特
に好ましい。
【0050】また、ロイシンアミノペプチダーゼの反応
が試料に由来する濁りによって影響を受けることを防止
するために無機塩類の添加が必要であるので、ロイシン
アミノペプチダーゼ活性測定試薬における混合液(最終
反応液)には50mM以上、好ましくは150mM以上
の無機塩類を含有させる必要がある。ここで添加する無
機塩類は、ロイシンアミノペプチダーゼの反応に与える
影響が少なく、試料に由来する濁りによる影響を回避で
きる無機塩類であれば良く、例えば塩化ナトリウム等を
使用することができる。この条件が満たされる限り、第
1試薬及び/又は第2試薬に含有させる無機塩類の種類
及び濃度は特に制限されるものではなく、適宜選択すれ
ばよい。
【0051】そして、このロイシンアミノペプチダーゼ
活性測定試薬の第1試薬及び/又は第2試薬には、無機
塩類、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸
(HEDTA)などのキレート剤、アルブミンなどのタ
ンパク質、糖類若しくは高分子化合物などの安定化剤、
アジ化ナトリウムなどの防腐剤、試料中に含まれる測定
妨害物質の消去剤若しくは影響抑制剤、界面活性剤、賦
形剤又は他の活性化剤等を適宜含有させても良い。
【0052】本発明におけるロイシンアミノペプチダー
ゼ活性測定試薬は、ヒト又は動物の血液、血清、血漿、
尿、大便、***、髄液、唾液、汗、涙、腹水、羊水など
の体液若しくは肝臓、腎臓、胃若しくは脳などの臓器、
毛髪、皮膚、爪、筋肉若しくは神経などの組織又は細胞
等の試料中のロイシンアミノペプチダーゼ活性の測定に
用いることができる。
【0053】このロイシンアミノペプチダーゼ活性測定
試薬により測定を行う場合、測定は反応速度法(レート
法)又は終点法(エンドポイント法)のいずれによるも
のでも良く、測定ステップは1ステップ法又は2ステッ
プ法等の多ステップ法のいずれでも良く、測定波長は紫
外部及び可視部の適当な波長を使用することができ、測
定反応の温度は30℃又は37℃等測定反応が進行しか
つ測定反応に係わる酵素等が熱により失活しない範囲内
の温度を設定すれば良く、測定反応の開始方法はL−ロ
イシル−4−ニトロアニリドなどの基質を加えることに
より行う方法又は試料を加えることにより行う方法等い
ずれの方法でも良く、そして測定の手法は用手法又は自
動分析装置等の装置による方法のいずれをも用いること
ができる。
【0054】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に詳
述するが、本発明はこれらの実施例によって限定される
ものではない。
【0055】〔ドイツ臨床化学会勧告法に準拠するロイ
シンアミノペプチダーゼ活性測定試薬〕高緩衝剤濃度試
薬からなる第1試薬及び低緩衝剤濃度試薬からなる第2
試薬より構成される、ドイツ臨床化学会(GSCC)勧
告法に準拠するロイシンアミノペプチダーゼ活性測定試
薬を調製し、その安定性を検討した。
【0056】なお、ロイシンアミノペプチダーゼ活性測
定方法のドイツ臨床化学会勧告法は、混合液(最終反応
液)の緩衝剤及びその濃度を50mMのトリス(ヒドロ
キシメチル)アミノメタン、pHをpH7.5(25
℃)と規定しているものである。
【0057】(1)試薬の調製
【0058】GSCC第1試薬の調製 下記の試薬内容成分をそれぞれ記載の濃度になるように
純水に溶解し、2N塩酸でpHをpH7.8(20℃)
に調整して、本発明の高緩衝剤濃度試薬からなる第1試
薬であるGSCC第1試薬を調製した。
【0059】 試薬内容成分 濃 度 トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(緩衝剤)〔シグマ社製〕 408mM 塩化ナトリウム 2.04M
【0060】GSCC第2試薬の調製 下記の試薬内容成分をそれぞれ記載の濃度になるように
純水に加え、2N水酸化ナトリウムで溶解し、本発明の
低緩衝剤濃度試薬からなる第2試薬であるGSCC第2
試薬を調製した。なお、このGSCC第2試薬のpHは
pH4(20℃)であった。
【0061】 試薬内容成分 濃 度 L−ロイシル−4−ニトロアニリド塩酸塩 〔埼京化成社製〕 4.7mM
【0062】対照GSCC第1試薬の調製 対照として、下記の試薬内容成分をそれぞれ記載の濃度
になるように純水に溶解し、2N塩酸でpHをpH7.
8(20℃)に調整して、従来のドイツ臨床化学会勧告
法準拠試薬の第1試薬である対照GSCC第1試薬を調
製した。
【0063】 試薬内容成分 濃 度 トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(緩衝剤)〔シグマ社製〕 76.54mM 塩化ナトリウム 383mM
【0064】対照GSCC第2試薬の調製 対照として、下記の試薬内容成分をそれぞれ記載の濃度
になるように純水に加え、2N水酸化ナトリウムで溶解
し、従来のドイツ臨床化学会勧告法準拠試薬の第2試薬
である対照GSCC第2試薬を調製した。なお、この対
照GSCC第2試薬のpHはpH4(20℃)であっ
た。
【0065】 試薬内容成分 濃 度 L−ロイシル−4−ニトロアニリド塩酸塩 〔埼京化成社製〕 12.2mM
【0066】(2)安定性検討のための試薬の保存 上記(1)で調製したGSCC第1試薬、GSCC第2
試薬、対照GSCC第1試薬及び対照GSCC第2試薬
を、外形が79mm(奥行き、L)×88mm(高さ、
H)×10〜24.5mm(幅、W)であり上面に1
2.5mm径の口を有する容量が80mLのポリエチレ
ン製の容器(日立7150形自動分析装置専用容器)の
中にそれぞれ60mLずつ注入し、これらを開封状態の
まま温度が2〜8℃に保たれた冷温庫内にて保存した。
なお、この冷温庫内に水を張った容器を置くことによ
り、水分の蒸発を防止し、試薬の濃縮による検討データ
への影響を受けないようにした。
【0067】(3)保存した試薬の安定性の測定 保存開始時及び保存1週間後、3週間後、並びに4週間
後に、上記(2)で冷温保存した本発明のGSCC第1
試薬及びGSCC第2試薬について、また対照としての
対照GSCC第1試薬及び対照GSCC第2試薬につい
て、そのpHを測定するとともに、これらの試薬を用い
て3種類のヒト血清試料(試料1、試料2及び試料3)
を測定して、試薬の安定性を確認した。
【0068】pHの測定 pHの測定は、GSCC第1試薬1mLとGSCC第2
試薬7mLを混合したものを、また対照GSCC第1試
薬4mLと対照GSCC第2試薬2mLを混合したもの
を、それぞれ堀場製作所社製F−16型pHメーターを
用いて20℃におけるpHを測定した。
【0069】ヒト血清試料中のロイシンアミノペプチ
ダーゼ活性の測定 ヒト血清試料中のロイシンアミノペプチダーゼ活性の測
定は日立製作所社製7150形自動分析装置にて行い、
ヒト血清試料8μLに第1試薬としてGSCC第1試薬
を50μL加え37℃で5分間反応させた後、第2試薬
としてGSCC第2試薬を350μL添加し混合液(最
終反応液)とし、37℃で反応を行わせ、第2試薬添加
1分26秒目(32ポイント)から5分目(50ポイン
ト)の主波長405nm及び副波長480nmにおける
吸光度の増加速度よりロイシンアミノペプチダーゼ活性
値の算出を行った。
【0070】また対照として、同じく日立製作所社製7
150形自動分析装置にて、ヒト血清試料8μLに第1
試薬として対照GSCC第1試薬を260μL加え37
℃で5分間反応させた後、第2試薬として対照GSCC
第2試薬を130μL添加し混合液(最終反応液)と
し、37℃で反応を行わせ、第2試薬添加1分26秒目
(32ポイント)から5分目(50ポイント)の主波長
405nm及び副波長480nmにおける吸光度の増加
速度よりロイシンアミノペプチダーゼ活性値の算出を行
った。
【0071】なお、純水を試料とした時の吸光度の増加
速度を試薬盲検値として、測定値より試薬盲検値を差し
引いてロイシンアミノペプチダーゼ活性値を算出した。
【0072】(4)測定結果 保存した試薬のpHの測定結果を表1に示した。
【0073】
【表1】
【0074】この表より、本発明のGSCC第1試薬及
びGSCC第2試薬よりなるロイシンアミノペプチダー
ゼ活性測定試薬においては、冷温における保存4週間後
に混合液のpHが0.034ほど低下しているのに対し
て、対照GSCC第1試薬及び対照GSCC第2試薬よ
りなる従来のロイシンアミノペプチダーゼ活性測定試薬
においては、冷温における保存4週間後に混合液のpH
が約0.087低下していて、本発明のロイシンアミノ
ペプチダーゼ活性測定試薬の2倍以上のpHの低下が見
られるものの、どちらの試薬も至適pHからの変動幅
は、さほど大きくないことが確認された。
【0075】また、保存した試薬を用いてヒト血清試料
中のロイシンアミノペプチダーゼ活性を測定した時の測
定結果を表2に示した。
【0076】
【表2】
【0077】この表より、本発明のGSCC第1試薬及
びGSCC第2試薬よりなるロイシンアミノペプチダー
ゼ活性測定試薬においては、冷温における保存4週間後
においてもヒト血清試料のロイシンアミノペプチダーゼ
活性測定値がほとんど低下していないのに対して、対照
GSCC第1試薬及び対照GSCC第2試薬よりなる従
来のロイシンアミノペプチダーゼ活性測定試薬において
は、冷温における保存4週間後にロイシンアミノペプチ
ダーゼ活性測定値が約15%も低下してしまっているこ
とが分かる。
【0078】これらのことより、高緩衝剤濃度試薬及び
低緩衝剤濃度試薬より構成されるロイシンアミノペプチ
ダーゼ活性測定試薬は、長期間の開封状態における保存
においても、空気中の二酸化炭素の溶解を抑制すること
ができ、これによりpHの低下を防止することができ、
そして長期間正確な測定値を示すことができ、効力の低
下を起こさない安定な試薬群であることが確かめられ
た。
【0079】
【発明の効果】本発明の、混合液における緩衝剤濃度の
2倍以上の濃度の緩衝剤を含有する高緩衝剤濃度試薬、
及び緩衝剤を含有しないか又は混合液における緩衝剤濃
度の10分の1以下の濃度の緩衝剤を含有する低緩衝剤
濃度試薬より構成される試薬群は、開封状態で空気に触
れた状態においても空気中の二酸化炭素の溶解を抑制す
ることができ、よって試薬又は混合液のpHの低下及び
効力の低下を生じることがなく、長期間安定に使用する
ことができるものである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の試薬より構成される試薬群であ
    り、これらの複数の試薬を添加した混合液又はそれぞれ
    の構成試薬のpHがpH7〜pH14の範囲にある試薬
    群において、混合液における緩衝剤濃度の2倍以上の濃
    度の緩衝剤を含有する高緩衝剤濃度試薬、及び緩衝剤を
    含有しないか又は混合液における緩衝剤濃度の10分の
    1以下の濃度の緩衝剤を含有する低緩衝剤濃度試薬より
    構成されることを特徴とする試薬群。
  2. 【請求項2】 高緩衝剤濃度試薬が、混合液における緩
    衝剤濃度の3倍以上の濃度の緩衝剤を含有する高緩衝剤
    濃度試薬である、請求項1記載の試薬群。
  3. 【請求項3】 高緩衝剤濃度試薬が、混合液における緩
    衝剤濃度の5倍以上の濃度の緩衝剤を含有する高緩衝剤
    濃度試薬である、請求項1又は請求項2記載の試薬群。
  4. 【請求項4】 高緩衝剤濃度試薬におけるpHがpH7
    〜pH14であり、かつ低緩衝剤濃度試薬におけるpH
    がpH3〜pH14である、請求項1〜請求項3のいず
    れか1項に記載の試薬群。
  5. 【請求項5】 一つの高緩衝剤濃度試薬及び一つの低緩
    衝剤濃度試薬の二つの試薬より構成される、請求項1〜
    請求項4のいずれか1項に記載の試薬群。
  6. 【請求項6】 試薬群が、臨床検査試薬である、請求項
    1〜請求項5のいずれか1項に記載の試薬群。
  7. 【請求項7】 臨床検査試薬が、ロイシンアミノペプチ
    ダーゼ活性測定試薬である、請求項6記載の試薬群。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2670347A1 (fr) * 1990-12-10 1992-06-12 Asahi Optical Co Ltd Dispositif video a image fixe.

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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FR2670347A1 (fr) * 1990-12-10 1992-06-12 Asahi Optical Co Ltd Dispositif video a image fixe.

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