JPH1073710A - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

カラーフィルタの製造方法

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JPH1073710A
JPH1073710A JP22998696A JP22998696A JPH1073710A JP H1073710 A JPH1073710 A JP H1073710A JP 22998696 A JP22998696 A JP 22998696A JP 22998696 A JP22998696 A JP 22998696A JP H1073710 A JPH1073710 A JP H1073710A
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JP
Japan
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groove
colored
transparent substrate
color
polymer layer
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JP22998696A
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English (en)
Inventor
Munehiro Hatai
宗宏 畠井
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Optical Filters (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平坦性が良好で、優れた画質の液晶ディスプ
レイを実現することができるカラーフィルタを、経済的
かつ効率的に製造する方法を提供する。 【解決手段】 透明基板上に少なくとも3色の着色画素
を形成するカラーフィルタの製造方法において、(1)
透明基板上に光学的に透明なポリマー層を設ける工程、
(2)該ポリマー層の着色画素を形成する領域にレーザ
ー光を照射して、被照射部分のポリマーを蒸散させて溝
を形成する工程、(3)該溝に着色顔料を分散させた着
色組成物を充填する工程、(4)溝以外の領域及び溝上
のポリマー層表面からはみ出した部分の着色組成物を取
り除く工程、及び(5)溝中の着色組成物を硬化して着
色画素とする工程により、各色の着色画素を順次形成す
ることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーフィルタの
製造方法に関し、更に詳しくは、透明基板上に少なくと
も3色の着色画素が形成され、平坦性に優れたカラーフ
ィルタを経済的、効率的に製造する方法に関する。本発
明の製造方法により得られるカラーフィルタは、カラー
液晶表示装置に好適に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】カラー液晶表示装置には、透明な基板上
に3色の画素を形成したカラーフィルタが用いられてい
る。3色としては、一般に、赤、青、緑の3原色が使用
されている。所望により、色相の異なる第4色目以上の
画素を形成してもよい。従来、カラーフィルタの製造方
法として、透明な基板上に、第1の色相の顔料を分散さ
せた感光性樹脂組成物の塗膜を形成し、該塗膜上からマ
スクパターンを介して露光し、次いで、現像することに
より、第1のパターン状の透明着色画素を形成し、更
に、その上に同様の工程を繰り返すことにより、第2、
第3の色相のパターン状の透明着色画素を形成する方法
が提案されている(特開平6−67010号公報)。ま
た、粒径1μm以上の顔料粒子が全顔料粒子の10重量
%以下の粒径分布を有する顔料が分散された感光性樹脂
組成物を用いたカラーフィルタ(特開昭60−1297
07号公報)が提案されている。
【0003】これらの着色感光性樹脂組成物を用いるカ
ラーフィルタの製造方法では、露光後に、水または有機
溶媒等の現像液を用いて現像することにより、現像液に
溶解する非露光部または露光部を除去し、着色画素を得
ている。ところが、このような製造方法では、現像工程
を必要とするため、現像液の廃液処理を行わなければな
らない。また、着色画素中に現像液からの未溶解物、ダ
スト等の混入があり、画素欠陥の原因となる。
【0004】更に、着色感光性樹脂組成物を用いる方法
では、感光性成分や樹脂成分の性能により、感度及び解
像度が支配される。各着色画素の光透過率特性によって
も、各着色感光性樹脂組成物の感度及び解像度に差異が
生じる。一般に、青が最も感度が良く、以下、赤及び緑
の順であり、解像度についても、この順に従って低下す
る。そこで、要求される感度と解像度を得るためには、
着色感光性樹脂組成物の各成分を選択する必要がある。
そのために、着色感光性樹脂組成物が高価にならざるを
得なかった。また、この方法では、着色画素を得るため
の工程数が多くならざるを得ず、歩留りの低下を引き起
こし、製造コストが高くなってしまうという欠点があっ
た。
【0005】感光性成分や樹脂成分の含有量などを調整
して、感度及び解像度の調整を行うと、各着色画素の膜
厚が異なってしまい、段差が生じてしまう。着色画素間
に段差が生じると、カラーフィルタの平坦性が損なわ
れ、実装時、電極間に電圧をかけると、かかる電圧に差
を生じて、表示不良を引き起こす。液晶ディスプレイで
は、液晶に電圧を加えて、液晶分子を配向させるが、セ
ルギャップにより、コントラストを最大にする電圧が変
化する。カラーフィルタの各着色画素の膜厚が異なる
と、セルギャップが変わり、色毎に最適な電圧が変わっ
てしまう。そのために、コントラストの低下やオフ時の
色バランスが崩れるという問題を生じる。また、カラー
フィルタに段差があると、配向膜の表面を一定方向にラ
ビングして液晶分子同士をラビング方向に配列させるラ
ビング処理時に、画素境界部分がラビングされずに、液
晶に配向不良を生じ、コントラストが低下する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、平坦
性が良好で、優れた画質の液晶ディスプレイを実現する
ことができるカラーフィルタを、経済的かつ効率的に製
造する方法を提供することにある。より具体的に、本発
明の目的は、(1)着色感光組成物の性能により感度、
解像度が支配されるという従来技術の問題点を克服し、
広い材料選択性を持ち、廉価な着色組成物を使用するこ
とができ、(2)現像工程の要らないドライプロセスに
より高精細な着色画素を形成することができ、(3)着
色画素間で膜厚差の無い優れた平坦性を有し、(4)低
エネルギー消費で画素のパターニングが可能であるカラ
ーフィルタの製造方法を提供することにある。
【0007】本発明者らは、鋭意研究した結果、透明基
板上に少なくとも3色の着色画素を形成したカラーフィ
ルタの製造方法において、透明基板上の着色画素を形成
する領域にレーザー光を照射して、被照射部分を蒸散さ
せて溝を形成し、次いで、該溝に着色顔料を分散させた
着色組成物を充填し、溝以外の領域、及び溝上の透明基
板面からはみ出した部分の着色組成物を取り除いた後、
溝中の着色組成物を硬化して着色画素とすることにより
各着色画素を形成すれば、前記目的を達成できることを
見いだし、先に特許出願を行った(特願平8−211
号)。
【0008】この製造方法によれば、従来の着色感光性
樹脂組成物のように、その構成成分によって感度、解像
度が支配されるという問題がなく、広い材料選択性を持
ち、廉価な着色組成物を使用することができる。また、
この製造方法では、現像工程の要らないドライプロセス
により高精細な着色画素の形成が可能で、しかも各着色
画素間に膜厚差の無い、平坦性の良いカラーフィルタの
形成が可能となる。
【0009】しかしながら、この方法では、透明基板を
レーザー光で直接エッチングするために、一般に透明基
板を形成する無機ガラスをエッチングしなければならな
かった。通常、無機ガラスをエッチングさせるために
は、有機材料と比べると照射エネルギー密度を大きくし
なければならず、また、エッチングされる厚さも薄かっ
た。このため、カラーフィルタを作製するための時間が
長くなり、スループットが小さくならざるを得なかっ
た。
【0010】そこで、本発明者らは、更に検討を行った
結果、光学的に透明なポリマー層を設けた透明基板を用
い、このポリマー層をレーザー光でエッチングして溝を
形成し、この溝を利用して着色画素を形成すれば、照射
エネルギー密度が小さくても画素のパターニングが可能
となることを見い出し、その知見に基づいて、本発明を
完成するに至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、透
明基板上に少なくとも3色の着色画素を形成するカラー
フィルタの製造方法において、(1)透明基板上に光学
的に透明なポリマー層を設ける工程、(2)該ポリマー
層の着色画素を形成する領域にレーザー光を照射して、
被照射部分のポリマーを蒸散させて溝を形成する工程、
(3)該溝に着色顔料を分散させた着色組成物を充填す
る工程、(4)溝以外の領域及び溝上のポリマー層表面
からはみ出した部分の着色組成物を取り除く工程、及び
(5)溝中の着色組成物を硬化して着色画素とする工程
により、各色の着色画素を順次形成することを特徴とす
るカラーフィルタの製造方法である。ポリマー層の形成
には、透明基板上にポリマー溶液を塗布し乾燥して塗
膜を形成する方法、透明基板上に接着剤を介して透明
なポリマーフィルムを積層する方法などが採用できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図1〜2を参照しながら本
発明について説明する。 (1)透明基板上に光学的に透明なポリマー層を形成す
る工程 最初に、透明基板に光学的に透明なポリマー層を形成す
る。ここで、透明基板とは、可視光領域の光を透過する
基板であり、一般に、アルカリソーダガラス、無アルカ
リガラス等が使用される。ここで、光学的に透明とは、
可視光の全波長領域において、透過率が90%以上であ
ることを指す。このような光学的に透明なポリマー層を
形成するのに使用されるポリマーの例としては、ポリエ
チレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタ
クリレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリ
エチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリス
ルホン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
【0013】これらのポリマーは、適当な溶媒に溶かし
て溶液にし、該溶液をスピンコーター、ロールコーター
等を用いて透明基板上に塗工して、塗膜を形成させるこ
とができる。また、上記ポリマーの形成に用いるモノマ
ーに開始剤を加え、透明基板上に塗布し、光を照射する
か、あるいは加熱して、硬化させてポリマー層を形成さ
せることも可能である。図1(a)には、透明基板1の
断面が示され、(b)には、透明基板上にポリマー層2
が設けられたものの断面が示されている。
【0014】ポリマー層を形成する他の方法としては、
前記の如きポリマーから形成された透明なフィルムを、
接着剤層を介して透明基板上に積層する方法がある。接
着剤としては、透明基板とフィルムの両者を接着するこ
とができ、かつ、光学的に透明なものであり、通常、ア
クリル系のポリマーが好適に使用される。アクリル系ポ
リマーは、感圧接着性を有するものであり、通常は、
(メタ)アクリル酸エステル等のアクリル系モノマー、
官能基含有アクリル系モノマー等から形成される(共)
重合体が挙げられる。アクリル系ポリマーには、必要に
応じて、可塑剤、架橋剤等を適宜配合することができ
る。図2(A)には、透明基板2上に接着剤層10を介
してフィルム1が積層されたものの断面図が示されてい
る。
【0015】(2)溝を形成する工程 透明基板上のポリマー層の着色画素を形成する領域にレ
ーザー光を照射して、被照射部分のポリマーを蒸散させ
て溝を形成する。ここで用いるレーザー光とは、レーザ
ー光を透明基板上のポリマー層に照射して、該ポリマー
層をエッチングできるようなものでなくてはならない。
この条件を満たすレーザーとしては、紫外線の領域に波
長をもつレーザーが、エッチング精度が高く、溝の形状
精度を高くエッチングできるため好ましく、エキシマレ
ーザーがこれに属し、特に好ましい。エキシマレーザー
の例としては、ArF、KrF、XeClの各レーザー
がある。エキシマレーザーを用いなくとも、CO2、Y
AGレーザー等の赤外領域の波長のレーザー光も使用で
きるが、エキシマレーザーほど溝の形状精度がきれいに
掘れない。この場合、非線形光学素子を用いて短波長の
レーザー光を作り、この波長のレーザー光を照射すれ
ば、きれいな溝を形成することも可能である。
【0016】レーザー光の出力として、0.2J/cm
2以上が好適である。出力が低すぎるとエッチングでき
ない。ポリマーと透明基板に用いられるガラスのエッチ
ングの閾値に開きがあるので(ポリマーは、通常0.2
J/cm2で、ガラスでは、通常2J/cm2である)、
レーザー光のエネルギー密度を制御することにより、ポ
リマー層のみをエッチングすることが可能である。これ
により、ポリマー層の膜厚を制御してポリマー層のみを
エッチングして、着色画素の膜厚を制御することも可能
である。また、ポリマー層の途中までエッチングして、
着色画素を形成することも可能である。着色画素が適当
な色特性を持つような膜厚になるような深さにする。こ
のときエッチングする深さとしては、0.5〜3μmで
ある。エッチングする深さは、レーザーパルスのショッ
ト数により制御するのが簡便で好ましい。レーザー光が
パルスでない場合は、レーザー光の照射時間あるいはエ
ネルギー密度を変えることにより制御することが可能で
ある。レーザー光のエネルギー密度は、レーザー光自体
の出力を変えるよりも、むしろレンズ等によりレーザー
光を絞るか、あるいはマスクによりレーザー光をカット
する等の光学系により出力を変えるのが簡便で好まし
い。
【0017】レーザー光を照射し、ポリマー層をエッチ
ングするのに2つ方法がある。1つは、フォトマスクを
介した面露光により、ある領域にレーザー光を照射し、
一括でパターンをエッチングし、次いで、XYステージ
等により基板自体を動かし、次の領域に基板を動かす。
これらの工程を繰り返すことにより、所望のパターンを
得ることができる。この場合、できる限り大面積の方が
加工時間が短くなり有利だが、面積を広げすぎると、エ
ネルギー密度が小さくなり、蒸散を起こさなくなってし
まう。最低限、蒸散するようなエネルギー密度の範囲内
で、レーザー光の領域を広げるのが好ましい。この方法
では、1回に画素を形成する領域が広いために、全体の
加工時間が短くなる。
【0018】もう1つの方法として、レーザー光を小さ
く絞り込み、走査することにより着色画素を形成する。
レーザー光のスポットの大きさは、スポットの縦、横の
どちらかが少なくとも30μm以下にする必要がある。
レーザー光を走査する方法として、XYステージ等によ
り基板自体を移動するか、またはレーザー光を光学系に
より走査することが可能である。この方法では、フォト
マスクは不要であり、微細加工には有利である。
【0019】図1(c)には、フォトマスク4を介して
レーザー光3を照射する工程が示されている。この工程
により、図1(d)に示されるように、被照射部分のポ
リマーが蒸散して、溝5のパターンが形成される。溝5
は、後に着色画素が形成される領域となる。図2の
(B)及び(C)には、上記に対応する工程が示されて
いる。透明基板には、予めブラックマトリクスが形成さ
れていてもよい。ここで、ブラックマトリクスとは、着
色画素のコントラストを上げるために用いられる着色画
素間を埋める遮光層である。ここで必要な遮光性は、光
学密度2.5以上、好ましくは3以上である。このため
ブラックマトリクスには、金属の薄膜、あるいはカーボ
ンブラック等の遮光性物質を分散させたレジストが用い
られる。金属の薄膜のブラックマトリクスは、通常、ク
ロムあるいは酸化クロムを蒸着、スパッター等で形成さ
せたものである。金属のブラックマトリクスを用いた場
合、これをレーザーによりパターニングすることも可能
である。この場合、レーザー光のエネルギー密度は、2
J/cm2以上が好ましい。
【0020】(3)溝に着色組成物を充填する工程 上記工程で形成された溝に、顔料が分散された着色組成
物を充填する。着色組成物は、着色画素として用いた場
合、充分な色特性を持っているものであり、通常、顔料
を、分散剤を用いて適当な溶媒に分散させたものであ
る。ここでいう分散剤とは、顔料を微細化し、安定に分
散させるものである。ここで用いられる顔料としては、
有機顔料では、例えば、アゾレーキ系、不溶性アゾ系、
縮合アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ジオ
キサジン系、イソインドリノン系、アントラキノン系、
ペリノン系、チオインジコ系、ペリレン系、カーボンが
あり、無機顔料としては、例えば、鉄黒、酸化チタン、
ミロリブルー、酸化鉄、コバルト紫、マンガン紫、群
青、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、ビリジ
アンおよびこれらの混合物がある。また、顔料表面を表
面処理し、顔料の分散性を向上させた修飾顔料も使用す
ることができる。
【0021】分散剤としては、界面活性剤が良く使用さ
れる。界面活性剤には、イオン性界面活性剤、ノニオン
性界面活性剤があり、イオン性界面活性剤としては、カ
チオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面
活性剤がある。カチオン性界面活性剤の例として、脂肪
族アミン類、第4アンモニウム塩類、アルキルビリジウ
ム塩類等がある。アニオン性界面活性剤の例として、脂
肪酸塩類、硫酸エステル類、スルホン酸塩類、燐酸エス
テル類等がある。両性界面活性剤の例として、アミノ酸
塩類等がある。ノニオン性界面活性剤の例として、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンア
ルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポ
リオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類等があ
る。
【0022】また、分散剤として、界面活性剤以外に、
市販されている顔料分散用の樹脂も使用することができ
る。この例として、水溶性の樹脂として、ブチラール樹
脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ア
クリル酸、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリ
レート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルメタクリレート、ポリアクリルアミド
等がある。これらの共重合体も用いられる。溶剤系の樹
脂としては、アルキド樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹
脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、
ウレタン樹脂、イソシアネート、マレイン樹脂等があ
る。
【0023】更に、分散剤として、界面活性剤と顔料分
散用の樹脂の併用も可能である。そして、上記界面活性
剤、顔料分散用の樹脂のどちらか一方で分散を行い、残
りの一方を顔料を分散した後、添加することも可能であ
る。着色組成物に用いられる溶媒としては、通常の塗料
に用いられている溶媒が使用でき、具体例としては、
水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル、ブタノール、トルエン、キシレン、メチルエチルケ
トン、ジグライム、乳酸エステル、エチルセロソルブ、
エチルセロソルブアセテート、酢酸エステル等が挙げら
れる。
【0024】着色組成物には、塗膜の耐久性を向上させ
るために、各種のバインダー樹脂を使用することも可能
である。バインダー樹脂としては、上記顔料分散用の樹
脂として挙げた樹脂も用いることができる。着色組成物
を硬化させるために、硬化剤が添加されることがある。
硬化剤としては、光硬化剤または熱硬化剤が用いられる
が、光架橋剤の例としては、ジアゾ化合物、アジド化合
物等が好ましく用いられる。
【0025】上記組成物から適当なものを選択し、通常
の分散機により、顔料を溶媒中に分散する。溶媒中には
分散剤が予め溶解してある。分散機には、サンドミル、
ボールミル、ホモジナイザー等が使用される。このよう
にして得られた着色組成物を透明基板に塗布し、透明基
板のポリマー層の溝にこれを埋める。この方法として、
スピンコート、ロールコート、ディッピング等がある。
【0026】(4)溝からはみ出した着色組成物の除去
工程 溝に充填された着色組成物は、図1(e)に示すよう
に、表面張力によって中央が盛り上がっていることがあ
る。この部分をスクレーパー等の平滑にする器具により
除去することにより、透明基板のポリマー層面と面一に
する。また、図2(D)に示すように、着色組成物は、
溝以外の領域にもはみ出すことがあるが、このはみ出し
た部分も除去する。
【0027】(5)溝中の着色組成物を硬化して着色画
素とする工程 溝に充填された着色組成物を硬化することにより、着色
画素を形成する。ここで、着色画素とは、カラーフィル
タを構成する赤、緑、青のいずれかの色が着いたパター
ンであり、縦200〜400μm、横50〜150μm
の大きさをもつか、または、幅50〜150μmのライ
ンも可能である。この着色画素の色特性としては、カラ
ーフィルタを実装し、液晶ディスプレイに搭載したとき
に所望の色を持たなくてはならない。
【0028】溝に充填した着色組成物は、乾燥させ、硬
化させる。硬化するには、通常、着色組成物をベーク
し、乾燥させる。その方法の例として、ホットプレート
に置くか、あるいはオーブン中に入れる方法等が挙げら
れる。乾燥条件は、溶媒の蒸気圧、ポリマーの耐熱性に
より適宜選択されるが、ベークの温度として、常温以上
300℃以下、好ましくは50〜100℃である。
【0029】このようにして、図1(f)または図2
(E)に示すように、第1色目の着色画素を形成する。
図1の工程(c)から(f)を他の色の着色画素を形成
するために繰り返すことにより、図1(g)に示すよう
に、第2色目の着色画素8及び第3色目の着色画素9を
順次形成する。すなわち、第2色目着色画素を、第1色
目着色画素を形成したときと同様にして形成する。つま
り、第1色目着色画素が形成されている透明ポリマー層
の第2色目着色画素を形成したい部分にレーザー光を照
射し、透明ポリマー層をエッチングし、第2色目着色画
素を埋め、透明基板により盛り上がった部分を除去し、
硬化させ、第2色目着色画素を得る。最後に第3色目着
色画素を第2色目着色画素を形成したときと同様にして
形成する。つまり、第1色目、第2色目着色画素が形成
されている透明ポリマー層の第3色目着色画素を形成し
たい部分にレーザー光を照射し、透明ポリマー層をエッ
チングし、第3色目着色組成物を埋め、透明基板より盛
り上がった部分を除去し、硬化させ、第3色目着色画素
を得る。図2の工程(B)から(E)を繰り返すことに
より、同様に第2〜3色目の着色画素を形成することが
できる。
【0030】この後、更に着色画素の平坦性を出すため
に、着色画素を研磨機にかけ、研磨することも可能であ
る。このようにして、少なくとも3色の着色画素を透明
基板上に形成し、カラーフィルタを得る。本発明によれ
ば、従来方法のような露光、現像工程が要らず、ドライ
プロセスにより着色画素を形成させることができる。ま
た、本発明の方法によれば、感光性着色組成物を使用し
ていないので、その材料の特性により解像度等を支配さ
れることが無く、高解像度で、平坦性の良い着色画素を
廉価な着色組成物により形成させることが可能である。
【0031】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明に
ついてより具体的に説明する。
【0032】[実施例1] <着色組成物の作製>RGBの着色組成物を作製する。
ここでRGBとは、カラーフィルタの画素における3原
色で、各々赤(R)、緑(G)、青(B)を表す。RG
Bの着色組成物を作製するために、赤、緑、青の3色に
加えて、色調整用として黄色、紫の2色の顔料を分散し
た。着色組成物の配合組成 顔料:15% ポリビニルアルコール(ゴーセノールKP08、日本
合成化学工業(株)製):3% ノニオン系界面活性剤(ノイゲンEA170、第一工
業製薬(株)製):3% 水:79%各色における顔料 赤:クロモフタールレッド 緑:フタロシアニングリーン 青:フタロシアニンブルー 黄:ジスアゾイエロー 紫:ジオキサジンヴァイオレット これらの顔料をサンドミルにより分散した。色調整とし
て以下の組成比で混合し、RGBの着色組成物を得た。 R=赤:黄(85:15) G=緑:黄(61:39) B=青:紫(78:22)
【0033】<透明ポリマー層の形成>ポリカーボネー
ト(パンライトC−1400、帝人化成(株)製)の1
2%塩化メチレン溶液をスピンコーターにより、10c
m角の無アルカリガラス基板に塗布した。次に、真空オ
ーブンにより溶媒を揮発させ、膜厚0.8μmの透明ポ
リマー層を形成させた。
【0034】<カラーフィルタの作製>上記のようにし
て作製された透明ポリマー層に、KrFのエキシマレー
ザー(MPB社製、PSX−100)を着色パターンを
作製すべき領域に照射して、パターンの溝を作製した。
このとき、レーザー光のビームサイズを光学系により縮
小し100×100μmにして、エネルギー密度を2J
/cm2にし、試料台をXYステージにより、動かし各
部分に2ショットずつ照射されるようにしてエッチング
を行った。このとき加工した溝は100μm幅、200
μm間隔のストライプパターンであり、深さは0.8μ
mであった。このときの深さは、接触式膜厚測定器De
ktak IIA(Sloan社製)により測定され
た。こうして溝を形成した透明ポリマー層に、前記工程
によって作製された着色組成物のRをスピンコーターに
よって塗布し、透明ポリマー層の溝に着色塗膜を埋め
た。そして、溝以外の部分の着色組成物を、スクレーパ
ーにより透明ポリマー層上をこすることにより除去し
た。これを70℃のホットプレートの上に3分間置き、
乾燥させ、Rの着色画素を作製した。
【0035】次に、Rの画素に隣接して、幅100μm
のストライプパターンを、透明ポリマー層にレーザー光
を照射し、溝を形成することによ形成した。レーザー光
の照射条件は、Rのときと同一であった。これにGの着
色組成物をスピンコーターによって塗布し、透明ポリマ
ー層の溝に着色塗膜を埋めた。そして、溝以外の部分の
着色組成物を、スクレーパーにより透明ポリマー層上を
こすることにより除去した。これを70℃のホットプレ
ートの上に3分間置き、乾燥させGの着色画素を作製し
た。
【0036】最後に、R、Gの画素に隣接して、幅10
0μmのストライプパターンを、透明基板にレーザー光
を照射し、溝を形成することにより形成した。レーザー
光の照射条件は、R、Gのときと同一であった。これに
Bの着色組成物をスピンコーターによって塗布し、透明
基板の溝に着色塗膜を埋めた。そして、溝以外の部分の
着色組成物を、スクレーパーにより透明基板上をこする
ことにり除去した。これを70℃のホットプレートの上
に3分間置き、乾燥させBの着色画素を作製した。この
ようにして、R、G、B各々のパターンを得、カラーフ
ィルタを作製した。
【0037】[比較例1]比較のため、透明基板に直接
レーザー光を照射し、エッチングする工程を含む方法を
示す。着色組成物、透明基板およびエキシマレーザー
は、上記と同じものを使用した。実施例1と同様にし
て、10cm角の無アルカリガラス基板にKrFのエキ
シマレーザーを着色パターンを作製すべき領域に照射し
て、パターンの溝を作製した。このとき、レーザー光の
ビームサイズを光学系により縮小し100×100μm
にして、エネルギー密度を4J/cm2にし、試料台を
XYステージにより動かし、各部分に5ショットずつ照
射されるようにしてエッチングを行った。このとき加工
した溝は、100μm幅、200μm間隔のストライプ
パターンであり、深さは0.8μmであった。こうして
溝を形成した透明基板に、着色組成物のRをスピンコー
ターによって塗布し、透明基板の溝に着色塗膜を埋め
た。そして、溝以外の部分の着色組成物を、スクレーパ
ーにより透明基板上をこすることにより除去した。これ
を70℃のホットプレートの上に3分間置き、乾燥さ
せ、Rの着色画素を作製した。
【0038】次に、Rの画素に隣接して幅100μmの
ストライプパターンを、透明基板にレーザー光を照射
し、溝を形成することにより形成した。レーザー光の照
射条件は、Rのときと同一であった。これにGの着色組
成物をスピンコーターによって塗布し、透明基板の溝に
着色塗膜を埋めた。そして、溝以外の部分の着色組成物
を、スクレーパーにより透明基板上をこすることにより
除去した。これを70℃のホットプレートの上に3分間
置き、乾燥させGの着色画素を作製した。
【0039】最後に、R、Gの画素に隣接して、幅10
0μmのストライプパターンを、透明基板にレーザー光
を照射し、溝を形成することにより形成した。レーザー
光の照射条件は、R、Gのときと同一であった。これに
Bの着色組成物をスピンコーターによって塗布し、透明
基板の溝に着色塗膜を埋めた。そして、溝以外の部分の
着色組成物を、スクレーパーにより透明基板上をこする
ことにより除去した。これを70℃のホットプレートの
上に3分間置き、乾燥させBの着色画素を作製した。
【0040】このようにして、R、G、B各々のパター
ンを得、前記実施例と同様なカラーフィルタを作製し
た。しかしながら、このようにして作製されるカラーフ
ィルタは、実施例1と比較して、着色画素を形成するた
めのエネルギー密度が大きくなり、また、レーザーパル
スのショット数も多くなってしまう。従って、本発明に
よる実施例は、比較例よりも小さなエネルギー密度で着
色画素を作製することができ、またより少ないレーザー
光のショット数で着色画素を形成させることが可能であ
ることが分かった。
【0041】[実施例2] <透明ポリマー層の形成>ポリカーボネートフィルム
(パンライトPC−2151、帝人化成(株)、厚さ
0.2mm)を、ガラス基板に接着剤を用いて接着させ
た。接着剤としては、2−エチルヘキシルアクリレート
12.5重量部、n−ブチルアクリレート21.5重量
部、スチレン1.5重量部、エチルアクリレート10重
量部、アクリル酸3.5重量部、2−ヒドロキシエチル
アクリレート1重量部を酢酸エチル50重量部中で共重
合して得られたアクリル系ポリマー100重量部に、架
橋剤としてポリイソシアネート化合物(コロネートL、
日本ポリウレタン(株)製)1重量部を添加したものを
用いた。この接着剤をフィルム上に塗布し、温度50
℃、圧力5kg/cm2の条件で20分間保持し、ガラ
ス基板と接着させた。 <カラーフィルタの作製>上記のようにしてガラス基板
上に形成されたポリカーボネートフィルム層の上に、実
施例1と同様にして、KrFのエキシマレーザー光の照
射と着色組成物の塗布、硬化を繰り返し、R、G、B各
々のパターンを得、カラーフィルタを作製した。
【0042】
【発明の効果】本発明の製造方法は、以下のような顕著
な効果を奏するものである。 (1)着色画素形成工程がドライプロセスであるので、
廃液処理を必要としない。また、ウエットプロセスにお
ける現像液からの不純物の混入もなく、画素欠陥を少な
くすることが可能となる。その結果、カラーフィルタの
歩止りを向上させることが可能となる。 (2)着色画素を形成する工程が少ないので、生産性の
高い、かつ低コストのカラーフィルタを作製することが
できる。 (3)レーザー光により画素形成を行うので、廉価な材
料により着色画素を形成することができ、かつ高精細な
カラーフィルタを製造することができる。 (4)平坦性の良いカラーフィルタを簡便に作製するこ
とができ、これにより着色画素間の膜厚差による表示不
良を無くすことが可能である。 (5)透明基板上にある透明ポリマーをエッチングする
ために、エネルギー密度が低くてもエッチングでき、エ
ッチング厚も大きいために、スルートップを大きくする
ことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法により着色画素を形成する方
法の一例を示すフロー図である。
【図2】本発明の製造方法により着色画素を形成する方
法の他の例を示すフロー図である。
【符号の説明】
1:透明基板 2:透明ポリマー層 3:レーザー光 4:フォトマスク 5:溝 6:溝に充填された第1色目の着色組成物 7:第1色目の着色画素 8:第2色目の着色画素 9:第3色目の着色画素 10:接着剤層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に少なくとも3色の着色画素
    を形成するカラーフィルタの製造方法において、(1)
    透明基板上に光学的に透明なポリマー層を設ける工程、
    (2)該ポリマー層の着色画素を形成する領域にレーザ
    ー光を照射して、被照射部分のポリマーを蒸散させて溝
    を形成する工程、(3)該溝に着色顔料を分散させた着
    色組成物を充填する工程、(4)溝以外の領域及び溝上
    のポリマー層表面からはみ出した部分の着色組成物を取
    り除く工程、及び(5)溝中の着色組成物を硬化して着
    色画素とする工程により、各色の着色画素を順次形成す
    ることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
JP22998696A 1996-08-30 1996-08-30 カラーフィルタの製造方法 Withdrawn JPH1073710A (ja)

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