JPH1072131A - 積層ボード材の剥離方法及びその装置 - Google Patents

積層ボード材の剥離方法及びその装置

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JPH1072131A
JPH1072131A JP1504197A JP1504197A JPH1072131A JP H1072131 A JPH1072131 A JP H1072131A JP 1504197 A JP1504197 A JP 1504197A JP 1504197 A JP1504197 A JP 1504197A JP H1072131 A JPH1072131 A JP H1072131A
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JP
Japan
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board material
board
peeling
vacuum
lower layer
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Application number
JP1504197A
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English (en)
Inventor
Hiromitsu Soejima
弘満 副島
Shizuo Miyake
静男 三宅
Koji Sueda
幸治 末田
Masahiko Nishikawa
雅彦 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MATSUDA SANKO KK
Makino Corp
Original Assignee
MATSUDA SANKO KK
Makino Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 含水率が高いボード材であってもその積層体
から確実に1枚ずつを剥離して後続ラインに移載でき生
産性の向上を図ること。 【解決手段】 撓み性を持つボード材の積層体に対し、
最上段のボード材を順にその下層のボード材から剥離す
るに際し、最上段のボード材を下層のボード材との間に
空間ができるように撓み変形させ、この撓み変形の後に
最上段のボード材を下層のボード材側に緩く倣わせる向
きに変形させることによって、先の空間の中に招き込ん
だ空気をボード材どうしの全面に行き渡らせるように
し、最上段のボード材をその下層のボード材から剥離す
る。また、最上段のボード材のコーナー部を強制的に下
段配置のものから引き剥がす機構を備えることによっ
て、剥離をより確実に行えるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば建築資材
として利用されている防火板等の薄肉のボード材の製造
において、積層されたボード材を1枚ずつ剥離してたと
えば後続のラインに流すための剥離方法とその装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】建築用の内装材及び外装材の資材として
提供されている防火ボードは、主としてスラグ石膏ボー
ド,石綿ボード,珪酸カルシウムボード等が汎用されて
いる。これらのボードは、いずれも素材に水を含浸させ
てプレス成形によって一定形状の薄板状に形成され、パ
レット上に積層してバッチ式として後続のラインに供給
される。
【0003】パレットに積層されたボードをラインに送
り込む設備としては、各種の薄板のハンドリングに利用
されているように、バキュームヘッドによって積層体の
上端に位置しているボードの上面を吸着し、バキューム
ヘッドをライン方向に移動させた後に吸着を解除するこ
とでライン上に載せるというものが一般的なものとして
知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ボード材がたとえば金
属板や合板等であれば、バキュームヘッドの吸着によっ
て積層体からの剥離及びラインへの移載の自動化が可能
である。
【0005】ところが、防火ボードの製造ラインにおい
ては、プレス成形した後のボード材の含水率は50〜6
0%程度であって、殆ど半乾きの状態である。このた
め、パレット上に積層されたボードは、上下のものどう
しが水分によって緩く粘着されたようになり、上端のボ
ードだけをバキュームヘッドで吸着してもその下側のボ
ードもこれと一緒になって引き上げられてしまうことが
多々ある。そして、下側のボードの1枚だけでなく更に
その下のボードも連ねて剥離されることもあり、剥離さ
れる枚数が多くなると下層のボードがその上側のボード
からの負荷を受けるために亀裂や破壊を生じる結果とも
なる。
【0006】このように、含水率が高いままでボードを
ハンドリングしなければならない製造ラインでは、従来
のバキュームヘッドによる単なる吸着だけでは自動化に
対応できないのが現状である。このため、ボードの搬送
や移送についてはその1枚ずつを人手等によってハンド
リングするしかなく、労働環境の悪化及び生産性の向上
の面で大きな障害となっている。
【0007】本発明において解決すべき課題は、含水率
が高いボード材であってもその積層体から確実に1枚ず
つを剥離して後続ラインに移載できるようにして労働環
境の改善及び生産性の向上を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の積層ボード材の
剥離方法は、撓み性を持つボード材の積層体に対し、最
上段のボード材を順にその下層のボード材から剥離する
方法であって、最上段のボード材を下層のボード材との
間に空間ができるように撓み変形させる工程と、この撓
み変形の後に最上段のボード材を下層のボード材側に緩
く倣わせる向きに変形させる工程と、この工程の後に最
上段のボード材をその下層のボード材から剥離する工程
とからなることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の方法を実行可能な剥離装
置は、撓み性を持つボード材の積層体に対し、最上段の
ボード材を順にその下層のボード材から剥離するための
装置であって、ボード材の上面を吸着してこれを保持可
能な複数のバキュームパッドを積層体の上方でそれぞれ
昇降可能に備え、これらのバキュームパッドを互いに間
隔をおいて積層体のボード材の辺方向にほぼ一様に分布
させて配置すると共に、バキュームパッドを昇降させる
駆動装置及び吸着操作のために接続した空気吸引源のそ
れぞれの作動を、各バキュームパッドのそれぞれについ
て独立して作動させる制御の系を備えた構成とすること
ができる。
【0010】たとえばボード材の平面形状が長方形であ
る場合には、複数のバキュームパッドをボード材の長辺
方向に等しい間隔をおいて配列し、長辺方向の両端の一
対のバキュームパッドだけを下降させてボード材の両端
部を吸着した後に引き上げるとボード材をその両端部が
羽根を上げるように変形させることができる。このよう
な変形によって下層のボード材との間に空間を形成する
ことができ、他のバキュームパッドの動きの合成を適切
にすることで、最上段のボード材を波状や山状に一旦変
形させるこが可能となる。そして、この変形の後に下層
のボード材側に向けてこれに倣うように変形させること
でも先の空間中に含まれる空気をボード材の全面に行き
渡るように流すことができ、下層のボード材との間に薄
い空気層が形成され、これによって下層のボード材に対
して最上段のボード材の剥離が容易になる。
【0011】また、本発明の剥離装置においては、最上
段のボード材のコーナー部のそれぞれに対峙し且つ最上
段のボード材のコーナー部をその下段のボード材の上面
から引き剥がす剥離機構を備えた構成としてもよい。
【0012】
【実施例】図1は本発明の剥離装置の要部を示す正面
図、図2は図1の左側面図である。この実施例では、ボ
ード材は従来技術の項でも述べたように建築用の内装材
及び外装材として利用されるスラグ石膏板,パルプセメ
ント板,珪酸カルシウム板及び石綿セメント板等をその
対象としたものである。
【0013】図において、作業床に設けたピット1の中
に昇降動作可能なテーブルリフタ1aを配置し、このテ
ーブルリフタ1aの上にはコンベヤ1bを備える。ピッ
ト1の左側にはパレット搬入コンベヤ2aをコンベヤ1
bと同じレベル配置すると共に、右側であって後続のラ
インにはコンベヤ1bの搬送方向と直交する向きに搬送
面を持つパレット搬出コンベヤ2bを設け、更にこのパ
レット搬出コンベヤ2bの上方にストロークエンドを位
置させた製品用の搬送コンベヤ3を設ける。この搬送コ
ンベヤ3は下流側のラインに製品を供給するもので、中
途にはボード材を一枚ずつ反転させる従来周知の反転装
置を備えたものである。
【0014】作業床上にはピット1から搬送コンベア3
の端部側に及ぶ範囲に門形のフレーム4を立ち上げ、こ
のフレーム4の上端には図2に示すように間口方向に一
対のガイドレール4aを設け、これらのガイドレール4
aに両端を移動可能に支持された移動ビーム5を設け
る。この移動ビーム5はフレーム4の左端側に位置させ
た駆動モータ5aに2本のリンクロッド5b,5cによ
るクランク機構によって連接され、駆動モータ5aの出
力軸の回転によって移動ビーム5をピット1部分から搬
送コンベヤ3の上方までの間で往復移動させることがで
きる。
【0015】移動ビーム5にはライン方向に3本のバキ
ュームパッド6,7,8をそれぞれ昇降可能に設ける。
これらのバキュームパッド6〜8は移動ビーム上にそれ
ぞれ固定した昇降モータ6a,7a,8aにクランクロ
ッド6b,7b,8bによって連接されたもので、それ
ぞれの昇降を独立して動作可能に制御される。
【0016】図3はバキュームパッド6〜8をバキュー
ム系統と共に示す概略図である。
【0017】各バキュームパッド6〜8はたとえば図示
のように5個の複数の吸引口6c,7c,8cを配列し
たものであり、空気吸引用のブロワ9との間を吸引管路
9aによって接続されている。この吸引管路9aには主
弁9bを備えると共に各バキュームパッド6〜8に分岐
した流路にはそれぞれ開閉弁9c,9d,9eを独立し
て操作可能に備える。
【0018】移動ビーム5を動作させる駆動モータ5
a,各バキュームパッド6〜8を昇降動作させる昇降モ
ータ6a,7a,8a,ブロワ9,主弁9b及び各開閉
弁9c〜9eの動作は、ラインの外に配置した操作盤
(図示せず)によって全て制御されるものとする。この
制御においては、後述する各バキュームパッド6〜8の
動作の後に図4の(a)に示すように1枚のボード材5
1を吸着し、駆動モータ5aによって移動ビーム5を搬
送コンベヤ3側に移動させ、更にバキュームパッド6〜
8による吸着を解除してボード材51を搬送コンベヤ3
上に払い出すまでの全ての一連の動作が制御される。
【0019】図1及び図2に戻って、ボード材51は多
数枚を積層したものとしてパレット52に載せられ、搬
入コンベヤ2a上に順に送り込まれる。そして、この搬
入コンベヤ2aからテーブルリフタ1aのコンベヤ1b
上に移載され、テーブルリフタ1aの上昇動作と各バキ
ュームパッド6〜8及び移動ビーム5の移動を同期連動
させることにより、コンベヤ1b上のボード材51を1
枚ずつバキュームパッド6〜8で吸着して搬送コンベヤ
3へ移送する。
【0020】図5から図7は3本のバキュームパッド6
〜8によるボード材51の吸着の操作を順に示すもので
あって図2と同じライン方向に見た概略図である。な
お、これらの図においてはテーブルリフタ1a上のコン
ベヤ1bは省略している。
【0021】図5の(a)は動作開始の時点であり、移
動ビーム5は図1のようにテーブルリフタ1aの真上に
停止し、各バキュームパッド6〜8はその最も高い位置
に設定されている。一方、テーブルリフタ1aは、積層
されたボード材の中で最上段のボード材51の上面がバ
キュームパッド6〜8のストローク内に含まれるように
その位置を間欠的に上昇させるように制御される。一
方、図3に示したブロワ9による吸引管路9aでは主弁
9bは開弁されたままであり、各開閉弁9c〜9eの開
閉動作はバキュームパッド6〜8の動作に連動して制御
される。
【0022】この初期状態から、同図の(b)に示すよ
うにボード材51の左右両端側のバキュームパッド6,
8だけが昇降モータ6a,8aの作動によって下降して
ボード材51の上面に突き当たり、これと同時に開閉弁
9c,9eを開く。そして、図6の(a)に示すように
バキュームパッド6,8を一旦上昇させる。
【0023】このバキュームパッド6,8の上昇により
ボード材51はその両端側だけが吸着されて引き上げら
れる。このため、ボード材51の中央部も含めて一気に
引き上げる場合に比べると、ボード材51をその下に積
層されているボード材に対して左右両端の縁部から皮を
剥ぎ取るようにした剥離が可能であり、下層のボード材
が一緒に引き上げられる度合いは小さくなる。
【0024】なお、図6の(a)ではボード材51の中
央部が下層のボード材から離れたものとして図示してい
るが、この部分が剥がれていない状態であってもよい。
【0025】このようにボード材51の両端側のみを引
き上げると、下層のボード材との間に隙間ができるため
この隙間に空気が流れ込む。そして、一旦引き上げたバ
キュームパッド6,8をもう一度下降させると同時に中
央のバキュームパッド7も同期して下降させることによ
って、上に撓んでいたボード材51の両端部が下に押し
曲げられるように変形し、図6の(b)のように下層の
ボード材の上に被さる。
【0026】ここで、図6の(a)から(b)に移行す
るときには、ボード材51はその両端が最初に引き上げ
られてから再び下に折り曲げられるような変形をし、恰
もボード材51は鳥の羽根の羽ばたきのような動作をす
る。このため、下層のボード材との間に外から空気の流
れを呼び込むような状態となり、ボード材51と下層の
ボード材との間に空気の層が自然に形成されることにな
る。そして、図6の(b)のようにバキュームパッド6
〜8を下降させたときにボード材51が下層のボード材
の上面に緩く当たる程度としておけば、ボード材51の
含水率が高くて粘着しやすいものであっても、この粘着
を弱めることができる。
【0027】次いで、図6の(b)の状態から各バキュ
ームパッド6〜8を作動させながら上昇させると、図7
の(a)に示すように1枚のボード材51のみが下層の
ボード材から分離されて剥離される。このとき、図6の
(a)から(b)への操作によってボード材51と下層
のボード材との間には空気が入り込んで薄い空気層が形
成されているので、ボード材51の含水率が高くて粘着
しやすいものであっても、この空気層を利用することで
粘着を振り切るようにして下層のボード材から目的とす
るボード材51だけを引き上げることができる。
【0028】このようにして剥離させたボード材51
は、バキュームパッド6〜8に保持された状態としたま
まで駆動モータ5aを作動させれば、図7の(b)に示
すように移動ビーム5が搬送コンベヤ3の端部側に移動
する。そして、開閉弁9c〜9eを閉じるとボード材5
1に対する吸引が解除され、図中の破線で示す吸着位置
にあったボード材51は実線で示すように搬送コンベヤ
3の上に払い出され、後続のラインへと供給される。
【0029】ここで、図6で示したボード材51の引き
上げから下降までの操作の期間では、空気層の形成を促
進させるために、図6の(a)に示すように空気噴射ノ
ズル10を備えるようにしてもよい。この空気噴射ノズ
ル10は同図のようにボード材51が下層のボード材か
ら引き上げれたときに空気をこれらのボード材どうしの
間に強制的に送り込むことによってボード材の剥離をよ
り一層確実に行なうことができる。また、空気流の流速
や流量を十分なものとしておけば、ボード材51及びそ
の下層のボード材の上下面を乾燥させるのにも役立ち、
これによっても粘着を断ち切る効果が大幅に向上する。
【0030】図8及び図9はバキュームパッド6〜8の
別の動作パターンによる剥離を示す例である。
【0031】図8の例は、ボード材51の中央部を同図
の(a)に示すようにバキュームパッド7を突き当てこ
の中央部分だけを先行して引き上げて下層材との間に空
間ができるようにし、その後同図(b)のように残りの
バキュームパッド6,8を下降させる。そして、中央の
バキュームパッド7を再度下降させて下層材との間の空
間に流れ込んでいた空気をボード材51の両端側に押し
出すようにし、ボード材51と下層のボード材との間の
全体に薄い空気層を形成させる。この後は、先の例と同
様にバキュームパッド6〜8を同時に引き上げることに
よって、ボード材51を下層材から剥離させる。
【0032】図9は先の2例を合成したバキュームパッ
ド6〜8の動作パターンである。この例では、全てのバ
キュームパッド6〜8を同時に下降させ(同図(a))
た後に左右のバキュームパッド6,8だけを作動させて
これらを上昇させることにより、ボード材51の左右両
端側のみを引き上げる(同図(b))。次いで、これら
のバキューム6,8を再度下降させてボード材51を下
層材に載せた後に、中央のバキュームパッド7を作動し
て上昇させることにより、ボード材51の中央部分を山
状に引き上げる(同図(c))。
【0033】このように、ボード材51に対して最初は
その両端が羽ばたくような動作をして下層材との間に空
気流を呼び込み、その後中央部においても同様に空気を
招き入れるので、下層材との間での空気層の形成がより
十分に行われる。そして、同図(c)の状態からバキュ
ームパッド6,8も作動させて中央のバキュームパッド
7と同時に引き上げることによって、ボード材51を下
層材から剥離することができる。
【0034】図10はボード材51の一端側を先に引き
上げた操作の後にこのボード材51を剥離させるパター
ンを示す例である。
【0035】図示の例では、図9の場合と同様に全ての
バキュームパッド6〜8を同時に下降させ(同図
(a))、左端のバキュームヘッド8だけを作動させて
これらのバキュームパッド6〜8を一旦引き上げる(同
図(b))。そして、右側配置のバキューム6,7を先
行させて下降させていき(同図(c))、左端のバキュ
ームヘッド8も下降させることによって下層のボード材
51との間に空気を取り込み、その後全てのバキューム
パッド6〜8を上昇させることによって上端のボード材
51を下層のものから剥離する。
【0036】更に、図11はバキュームパッドを4個配
列した例の概要である。
【0037】これは図3で示したバキュームの系に新た
にバキュームパッド11を付加したものであり、このバ
キュームパッド11と右端のバキュームパッド6とが一
組及び残りのバキュームパッド7,8がもう一組となっ
て同期し連動する系としたものである。
【0038】この4連のバキュームパッド6〜8,11
を備えるものでも図6〜図8で示したようなボード材5
1に対する変形及び下層材からの剥離が可能であり、そ
の動作は図12の(a)〜(d)の順に行わせればよ
い。このように4個のバキュームパッド6〜8,11を
備えると、ボード材51が幅方向に長いものでもこれに
対して適正な変形を与えて下層材との間に空気層を形成
することができる。
【0039】図13移行はバキュームパッド6〜8によ
るボード材51の吸着操作の際にこのボード材51のコ
ーナー部分を先行して強制的に下段配置のボード材51
から剥離させるようにし、バキュームパッド6〜8によ
る吸着剥離を更に効果的に実行できるようにした例であ
る。なお、これらの例は、図1及び図2に示した剥離装
置にそのまま付帯して使用できるようにラインを構成し
たものとして設備可能としたものである。
【0040】図13は図6の(a)で簡単に説明した空
気噴射ノズルを設ける例であって図1と同じ方向に見た
要部の正面図、図14はその平面図である。
【0041】図おいて、ボード材51の搬入方向の前後
に一対の保持フレーム21を配置し、これらの保持フレ
ーム21のそれぞれにはボード材51の搬入方向に移動
可能なテーブル21aを設置するとともにこれらのテー
ブル21aを駆動するためのシリンダ21bを設けてい
る。そして、各テーブル21aの上面にもシフトシリン
ダ22をその軸線がボード材51の搬入方向と一致する
向きとして配置し、そのロッド22aの先端にはノズル
ヘッド23を連結している。
【0042】図15はノズルヘッド23の詳細であり、
同図の(a)に示すようにその本体部の先端には先細り
する縦断面形状としたノズルチップ23aを形成すると
ともに、同図(c)に示すように幅方向の3個所に空気
の供給路23bを設けている。これらの供給路23bは
コンプレッサ(図示せず)等に流路が接続されたもの
で、ノズルチップ23aはその先端側が先細りの扁平状
となっているので、供給路23bの先端部にはノズルチ
ップ23aの先端縁から基端側にかけて切欠23cが形
成されたものとなる。
【0043】このようなノズルヘッド23を4個所に備
えるものでは、ボード材51の搬出に従ってその上端の
ボード材51の積層上端のレベルが下がっていくが、図
1に示したテーブルリフタ1aを上昇させるように操作
することによって、図13に示すように常にノズルヘッ
ド23のレベルをボード材51の積層体の上端側に対峙
できるように高さ調整することができる。そして、ボー
ド材51のサイズの変更があっても、保持フレーム21
上でテーブル21aを移動させると同時にシフトシリン
ダ22のロッド22aのストローク調節によって、図1
6の(a)に示すように各ノズルヘッド23をボード材
51のコーナー部に位置させることが可能である。
【0044】この図16はノズルヘッド23の動きを順
に示すものであって、同図の(a),(c)及び(e)
は平面図、同図の(b),(d)及び(f)は正面図で
ある同図(a)及び(b)の態勢としセットされたノズ
ルヘッド23は先の例で示したバキュームパッド6〜8
の下降動作の前にシフトシリンダ22によって前進させ
られ同図(c)及び(d)に示すようにその先端のノズ
ルチップ23aをボード材51の外周縁に突き当てられ
る。そして、更にノズルチップ23aを前進させて最上
端のボード材51の下面と下段配置のボード材51の上
面との間に差し込むように移動させた後、外部のコンプ
レッサから圧縮空気を供給路23bに送り込む。これに
よってノズルチップ23aの先端の切欠23c部分から
空気が放出され、同図の(e)に示す一点鎖線で示すコ
ーナー部分が強制的に剥離される。
【0045】このようにボード材51のコーナー部のそ
れぞれについてノズルチップ23aを差し込むと同時に
空気を吹き込むことによって、湿気を含むボード材51
であってもそのコーナー部どうしの剥離を促すことがで
きる。したがって、バキュームパッド6〜8による吸引
及び剥離の際に、剥離時の応力が最も作用しやすいコー
ナー部を速やかに引き剥がすことができ、ボード材51
のコーナー部の欠け等が防止される。
【0046】図17はノズルヘッドに代えてロータの回
転によって機械的にボード材51のコーナー部を持ち上
げて剥離させる装置構成の例であって、同図の(a)は
その要部を示す平面図、同図の(b)は正面図である。
【0047】先のノズルヘッドを備えるものと同様に、
ボード材51の搬送方向の前端及び後端のそれぞれに対
峙する位置に保持フレーム31を配置するとともに、こ
の保持フレーム31にはボード材51の前端及び後端側
に対して進退動作するテーブル31aを設ける。このテ
ーブル31aは保持フレーム31の上面に設けたスクリ
ューロッド31bにネジ歯車機構によって連接され、駆
動モータ(図示せず)によって図において左右方向に移
動可能である。
【0048】テーブル31aの上面には、ボード材51
の搬送方向と直交する向きに移動する2台のシフタ32
を設ける。これらのシフタ32は、テーブル31a上に
設置した2本ずつのガイドロッド32aに摺動自在に保
持されるとともに、21本のスクリューロッド32bに
ネジ歯車機構によって連接したものでり、1個の駆動モ
ータ32cによって同期して移動可能である。そして、
これらのシフタ32にはボード材51の外周縁に臨む先
端部にロータ33をモータ34によって回転駆動可能に
設ける。
【0049】ロータ33は図18の概略図に示すように
複数の翼33aを放射状に形成したものであり、これら
の翼33aの先端を積層体の上端のボード材51の外周
縁に引っ掛けてこれを捲るようにすることでボード材5
1を機械的に引き剥がす機能を持つ。
【0050】このロータ33によるボード材51のコー
ナー部の剥離操作は、ノズルヘッド23を用いる場合と
ほぼ同様であり、図18の(a)及び(b)に示すよう
に各ロータ33をボード材51の積層高さに合わせると
同時にその翼33aの先端が最上端のボード材51の縁
に引っ掛かってこれを引き離すような位置に設定する。
そして、バキュームパット6〜8による吸着の前に、モ
ータ34を駆動してロータ33を図18の(d)及び
(f)に示す方向に回転駆動すれば、ボード材51のコ
ーナー部を引き剥がすことができる。
【0051】このようなロータ33を用いるものでは、
ノズルヘッド23の場合では空気の供給配管等を必要と
するのに対し、ロータ33を回転させる駆動系だけを持
たせればよいので設備が簡単になる。また、ボード材5
1の肉厚が大きくてその重量も重い場合でも、ロータ3
3の翼33aの係合によってボード材51のコーナー部
を強制的に剥離させることができ、剥離ミス等を招くこ
ともない。
【0052】更に、図19はボード材51のコーナー部
を補助バキュームパッドによって引き剥がす例を示す概
略図である。
【0053】この例は、図1及び図2の例で示したバキ
ュームパッド6〜8のように、ボード材51のコーナー
部に対応する位置で昇降可能な4個の補助バキュームパ
ッド41を備えたものであり、これらの補助バキューム
パッド41の昇降動作及び空気の吸引等の制御もバキュ
ームパッド6〜8の動作に合わせてコントロールする系
とすればよい。
【0054】補助バキュームパッド41は、初期の段階
では同図の(b)に示すようにボード材51の上面から
離れた位置に設定され、剥離に際しては同図(c)に示
すように補助バキュームパッド41の下端をボード材5
1の上面に着床させ、その後空気を吸引することによっ
て同図(d)に示すようにボード材51のコーナー部を
下段配置のボード材51から引き剥がすことができる。
【0055】図20はボード材51のコーナー部の剥離
のための最も簡単な構成例を示す概略図である。
【0056】この例はボード材51のコーナー部に対峙
する部分に4個のフック42を昇降可能且つ揺動可能に
配置したものであり、これらのフック41を同図の
(b)に示す姿勢に設定し最上端のボード材51の下面
を掬い上げるようにして下段配置のボード材51から引
き剥がせるようにした構成を持つ。なお、フック41の
昇降動作はシリンダ等によってこれらのフック41を保
持すればよく、フック41の揺動動作もシリンダの動作
に連動して所定の動きができるような構成としておけば
よい。
【0057】このようなフック41を利用する場合で
も、ノズルヘッド23やロータ33による剥離と同様に
最上端のボード材51のコーナー部を下段配置のボード
材51から引き剥がすことができる。
【0058】
【発明の効果】本発明では、最上段のボード材の全面を
下層のボード材から一気に剥離させるのに代えて空気層
ができるように最上段のボード材を強制的に変形させる
ので、含水率が高いボード材であっても下層のボード材
と速やかに分離して剥離させることができる。したがっ
て、剥離作業が確実に行われると共にボード材に亀裂や
破断等を生じることがなく、しかも全て自動化して後続
の搬送ライン等に供給できるのでボード材の製造効率が
大幅に向上する。
【0059】また、ボード材のコーナー部を下段配置の
ボード材から引き剥がす剥離機構を設けた装置とすれ
ば、ボード材の積層部分への空気の供給が更に促進され
るほか、応力が集中しやすい部分を先行して剥離するこ
とによってボード材のコーナー部の欠けの発生も効果的
に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の剥離移載装置の要部を示す正面図で
ある。
【図2】 図1の左側面図である。
【図3】 同図の(a)はバキュームパッドをその吸引
系と共に示す概略図、同図の(b)はバキュームパッド
のボード材に対する位置関係を示す概略平面図である。
【図4】 移動ビームによるボード材の搬送コンベヤへ
の移送を示す図であって、同図の(a)はバキュームパ
ッドによるボード材の吸着剥離過程及び同図の(b)は
搬送コンベヤへの移送過程を示す。
【図5】 バキュームパッド列によるボード材の吸着工
程の初期であって、同図の(a)は吸着前の状態、同図
の(b)は両端のバキュームパッドによる吸着の状態を
示す。
【図6】 図5に続く吸着工程であって、同図の(a)
は両端のバキュームパッドのみによってボード材を引き
上げた状態,同図の(b)は再度ボード材を下降させた
状態を示す。
【図7】 図6に続く工程であって、同図の(a)は吸
着剥離が完了した状態、同図の(b)は搬送コンベヤへ
の払い出しが完了した状態を示す。
【図8】 3連のバキュームパッドの別の動作パターン
による吸着剥離までの工程を示す図である。
【図9】 3連のバキュームパッドによる更に別の動作
パターンによる吸着剥離までの工程を示す図である。
【図10】 3連のバキュームヘッドにおいて端部のバ
キュームパッドによてボード材の一端を先に引き上げる
パターンを示す図である。
【図11】 4連のバキュームパッドを備える例であっ
て、同図の(a)はその吸引系共に示す図、同図の
(b)はボード材に対するバキュームパッドの位置関係
を示す平面図である。
【図12】 4連のバキュームパッドによる吸着剥離ま
での工程を示す図である。
【図13】 ボード材のコーナー部を引き剥がすノズル
ヘッドを備える設備の概要を示す正面図である。
【図14】 図13の設備の例を示す要部の平面図であ
る。
【図15】 ノズルヘッドの詳細であって、同図の
(a)はその正面図、同図の(b)はノズルチップの正
面図、同図の(c)はノズルチップの平面図である。
【図16】 ノズルヘッドによるボード材のコーナー部
の剥離を順に示す工程図である。
【図17】 ボード材のコーナー部を引き剥がすロータ
ンクを備える例であって、同図の(a)は要部の平面
図、同図の(b)は要部の正面図である。
【図18】 ロータによるボード材のコーナー部の剥離
を順に示す工程図である。
【図19】 補助バキュームパッドによるボード材のコ
ーナー部の剥離を順に示す工程図である。
【図20】 フックによるボード材のコーナー部の剥離
を順に示す工程図である。
【符号の説明】
1 :ピット 1a:テーブルリフタ 1b:コンベヤ 2a:搬入コンベヤ 2b:パレット搬出コンベヤ 3 :搬送コンベヤ 4 :フレーム 4a:ガイドレール 5 :移動ビーム 5a:駆動モータ 5b,5c:リンクロッド 6,7,8:バキュームパッド 6a,7a,8a:昇降モータ 6b,7b,8b:クランクロッド 6c,7c,8c:吸引口 9 :ブロワ 9a:吸引管路 9b:主弁 9c,9d,9e:開閉弁 10 :空気噴射ノズル 11 :バキュームパッド 21 :保持フレーム 21a:テーブル 22 :シフトシリンダ 23 :ノズルヘッド 23a:ノズルチップ 23b:供給路 23c:切欠 31 :保持フレーム 31a:テーブル 32 :シフタ 33 :ロータ 33a:翼 34 :モータ 41 :補助バキュームパッド 42 :フック 51 :ボード材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 末田 幸治 佐賀県鹿島市古枝字天神甲431番地2 株 式会社マキノ佐賀工場内 (72)発明者 西川 雅彦 佐賀県鹿島市古枝字天神甲431番地2 株 式会社マキノ佐賀工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撓み性を持つボード材の積層体に対し、
    最上段のボード材を順にその下層のボード材から剥離す
    る方法であって、最上段のボード材を下層のボード材と
    の間に空間ができるように撓み変形させる工程と、この
    撓み変形の後に最上段のボード材を下層のボード材側に
    緩く倣わせる向きに変形させる工程と、この工程の後に
    最上段のボード材をその下層のボード材から剥離する工
    程とからなる積層ボード材の剥離方法。
  2. 【請求項2】 撓み性を持つボード材の積層体に対し、
    最上段のボード材を順にその下層のボード材から剥離す
    るための装置であって、ボード材の上面を吸着してこれ
    を保持可能な複数のバキュームパッドを積層体の上方で
    それぞれ昇降可能に備え、これらのバキュームパッドを
    互いに間隔をおいて積層体のボード材の辺方向にほぼ一
    様に分布させて配置すると共に、バキュームパッドを昇
    降させる駆動装置及び吸着操作のために接続した空気吸
    引源のそれぞれの作動を、各バキュームパッドのそれぞ
    れについて独立して作動させる制御の系を備えてなる積
    層ボード材の剥離装置。
  3. 【請求項3】 最上段のボード材のコーナー部のそれぞ
    れに対峙し且つ最上段のボード材のコーナー部をその下
    段のボード材の上面から引き剥がす剥離機構を備えてな
    る請求項2記載の積層ボード材の剥離装置。
JP1504197A 1996-06-26 1997-01-29 積層ボード材の剥離方法及びその装置 Pending JPH1072131A (ja)

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JP16622696 1996-06-26
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008127164A (ja) * 2006-11-22 2008-06-05 Miyagawa Koki Co Ltd 合板供給装置及び合板加工機
TWI551915B (zh) * 2015-07-08 2016-10-01 A Cylindrical Lifting Soft Sucker Structure
KR102174584B1 (ko) * 2020-06-15 2020-11-05 강한글 금속판 커팅장치

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TWI551915B (zh) * 2015-07-08 2016-10-01 A Cylindrical Lifting Soft Sucker Structure
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