JPH106911A - ガス発生装置 - Google Patents

ガス発生装置

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JPH106911A
JPH106911A JP8164499A JP16449996A JPH106911A JP H106911 A JPH106911 A JP H106911A JP 8164499 A JP8164499 A JP 8164499A JP 16449996 A JP16449996 A JP 16449996A JP H106911 A JPH106911 A JP H106911A
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JP
Japan
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gas
sleeve
generating agent
space
combustion
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JP8164499A
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English (en)
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Satoshi Suzuki
聡 鈴木
Koji Ochi
弘二 越智
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NOF Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス発生剤の燃焼領域における圧力を保持で
き、ガス発生剤の燃焼を安定化して、より完全燃焼で
き、しかも簡易な構造で、小型化及び軽量化を図ること
ができるガス発生装置を提供する。 【解決手段】 収容容器11の一端には点火装置12と
それに隣接してガス発生剤17を収納した収納ケース1
8が配設されている。収容容器11内の他の部分には円
筒状のスリーブ20が配置されている。スリーブ20内
に第1空間部25が形成されている。収容容器11とス
リーブ20との間には第2空間部27が形成されてい
る。スリーブ20には連通孔30が透設され、収容容器
11には放出孔29が透設されている。連通孔30と放
出孔29とは周方向の180度反対側に位置するように
設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば自動車の
車室内の運転席に装着されるエアバッグ用として好適な
ガス発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両乗員を衝突時のショックから保護す
るための装置としては、衝突時にエアバッグを瞬時に膨
張展開させるエアバッグ装置が知られている。このエア
バッグ装置は、エアバッグ、そのエアバッグを膨張させ
るためのガスを発生するガス発生装置及び衝突の衝撃を
感知してガス発生装置を作動させる信号を発信するセン
サ回路より構成されている。
【0003】このエアバッグ装置の種類としては、正面
及び斜め衝突から乗員を保護するための運転席用エアバ
ッグ装置、助手席用エアバッグ装置、側面衝突から乗員
を保護するための側面衝突用エアバッグ装置、膝を保護
するためのニーエアバッグ装置、むち打ちを防止するた
めのエアバッグ装置などが知られている。
【0004】それらのうち、側面衝突用エアバッグ装置
に用いるガス発生装置としては、米国特許第50944
75号公報に開示されている構成のものが知られてい
る。すなわち、図11に示すように、エアバッグ41内
には円筒状をなすガス発生装置が収容配置されている。
このガス発生装置は、円筒状のチューブ42とそのチュ
ーブ42の一端に取付けられたガス発生器43とより構
成されている。チューブ42にはエアバッグ41内にガ
スを放出するための放出孔44がチューブ42の軸線方
向に所定間隔をおいて複数設けられている。
【0005】ガス発生器43のハウジング45内にはリ
ード線46が接続された点火器47が配置されるととも
に、点火器47の点火により燃焼するニトロセルロース
よりなるガス発生剤48が収容されている。前記チュー
ブ42の端部には隔壁49が設けられ、チューブ42内
の空間部とハウジング45内のガス発生剤48との間を
区画している。
【0006】そして、点火器47がリード線46からの
通電により発火すると、ガス発生剤48が燃焼して所定
のガスを発生し、そのガスの膨張圧力により隔壁49が
破られる。その生成ガスはチューブ42内の空間部から
放出孔44を通ってエアバッグ41内に放出され、エア
バッグ41が膨張展開される。
【0007】一方、本願出願人は先にエアバッグ展開用
ガス発生器を提案した(特開平7−52744号公
報)。すなわち、円筒状のハウジング内の一端側に点火
機構が設けられるとともに、残余の部分に内筒を配設し
てその内部にガス発生剤が収容されている。また、内筒
にはガス流通孔が周方向及び軸方向に多数並ぶように設
けられ、ハウジングには同じくガス放出孔が周方向及び
軸方向に多数設けられている。ハウジングと内筒との間
には所定の空間が形成され、その空間には冷却材が収容
されている。
【0008】そして、点火機構に点火されると、内筒内
のガス発生剤が燃焼してガスを発生し、そのガスは内筒
のガス流通孔から流出される。そのガスは冷却材で冷却
され、ハウジングのガス放出孔から外方へ放出される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記米国特
許に開示されている技術においては、ハウジング内の一
端のガス発生剤により発生した生成ガスは、チューブ内
の広い空間部へ入り、放出孔から速やかに放出される。
このため、空間部に入った生成ガスの圧力は急激に低下
する。その結果、ガス発生剤の燃焼中断が生じたり、燃
焼途中のガス発生剤がエアバッグ内に流入したり、ガス
発生剤が不完全燃焼して燃焼ガス中に有毒な一酸化炭素
などが増加したりするという問題があった。このような
問題を解消するためには、チューブを細長くしたりして
対応しなければならず、ガス発生装置が大型化して重量
が重くなるという新たな問題が生ずる。
【0010】一方、前記特開平7−52744号公報に
開示されている技術においては、ガス発生剤の燃焼によ
り発生したガスは内筒のガス流通孔を通ってハウジング
のガス放出孔から速やかに放出される。このため、ガス
発生剤の燃焼により生成したガスは、所定の圧力を保持
してより完全に燃焼する前に放出されてしまうという問
題があった。
【0011】この発明は前記のような従来技術に存在す
る問題に着目してなされたものである。その目的とする
ところは、ガス発生剤の燃焼領域における圧力を保持で
き、ガス発生剤の燃焼を安定化して、より完全燃焼でき
るガス発生装置を提供することにある。他の目的とする
ところは、簡易な構造で、小型化及び軽量化を図ること
ができるガス発生装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために、第1の発明のガス発生装置では、筒状の収
容容器内の少なくとも一端に点火装置及び点火装置の点
火により燃焼してガスを発生するガス発生剤を装填した
収納ケースを配置し、その他の部分に筒状のスリーブを
配設し、スリーブ内に第1空間部を設け、収容容器とス
リーブとの間に第2空間部を設けるとともに、スリーブ
にガスを第1空間部から第2空間部へ流通させる連通孔
を設け、収容容器に第2空間部から外方へガスを放出す
る放出孔を設けたものである。
【0013】第2の発明のガス発生装置では、第1の発
明のガス発生装置において、前記スリーブの連通孔と収
容容器の放出孔とを円周方向において互いに異なる位置
に設けたものである。
【0014】第3の発明のガス発生装置では、第1又は
第2の発明のガス発生装置において、前記スリーブの連
通孔と収容容器の放出孔とを収容容器の軸線方向に互い
に離間するように設けたものである。
【0015】第4の発明のガス発生装置では、第1〜第
3のいずれかの発明において、前記第2空間部にガスを
冷却する冷却材を配置したものである。従って、第1の
発明のガス発生装置では、収容容器内に筒状のスリーブ
が配設され、そのスリーブ内に第1空間部が設けられて
いる。さらに、スリーブには連通孔が設けられ、収容容
器には放出孔が設けられ、ガスはスリーブの連通孔と収
容容器の放出孔の2段階を経て放出される。
【0016】このため、燃焼部のガス発生剤が燃焼して
生成したガスは、燃焼領域としての第1空間部に導入さ
れ、その第1空間部では所定の高い圧力が保持される。
その結果、燃焼領域におけるガス発生剤の燃焼が安定な
ものになり、より完全に燃焼される。そして、燃焼ガス
はスリーブの連通孔から第2空間部を経て、収容容器の
放出孔から放出される。
【0017】第2の発明のガス発生装置においては、ス
リーブの連通孔と収容容器の放出孔とが円周方向におい
て互いに異なる位置に設けられている。このため、連通
孔から第2空間部に導入される燃焼ガスが放出孔から放
出されるまでのガス流路の距離が長くなり、スリーブ内
の第1空間部の圧力をより高く維持することができる。
【0018】第3の発明のガス発生装置においては、ス
リーブの連通孔と収容容器の放出孔とが収容容器の軸線
方向に互いに離間するように設けられていることから、
連通孔から放出孔に至る距離が長く設定される。このた
め、連通孔から第2空間部に導入された燃焼ガスが放出
孔に至るまでのガス流路の距離が長くなり、スリーブ内
の第1空間部の圧力をより高く保持することができる。
【0019】第4の発明のガス発生装置においては、第
2空間部にガスを冷却する冷却材が配置されている。こ
のため、第2空間部内を通るガスを冷却することができ
るとともに、第2空間部内での圧力を高め、ひいてはス
リーブ内の第1空間部の圧力をより高く維持することが
できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、この発明の第1実施形態につい
て、図1〜3に基づいて説明する。
【0021】図1(a),(b)に示すように、収容容
器11は有底円筒状をなし、その開口端部には点火装置
12の筒体13が螺合固定されている。この収容容器1
1はアルミニウム合金(日本工業規格A5056)によ
り形成されているが、その他ステンレス鋼、炭素鋼、鋳
鉄、チタン合金、マグネシウム合金等により形成しても
よい。点火器14は点火装置12の筒体13内に保持筒
15を介して嵌合固定されている。
【0022】点火薬16はボロンと硝酸カリウムを主成
分とするもの、マグネシウムとポリテトラフルオロエチ
レンにバインダーを加えた混合物等が使用され、保持筒
15内に充填されている。ガス発生剤17を収容した燃
焼部としての収納ケース18はアルミニウムにより有底
円筒状に形成され、収容容器11内に点火装置12に隣
接して配置される。収納ケース18の開口端部は保持筒
15に対し、かしめ部19においてかしめ固定されてい
る。収納ケース18の底部側は収容容器11の段差部2
2において移動が規制されるようになっている。
【0023】ガス発生剤17としては、アジ化ナトリウ
ム、テトラゾール、アゾジカルボンアミド等の含窒素化
合物、酢酸セルロースに代表される窒素を含まない有機
化合物等の燃料に硝酸塩、過塩素酸塩等の酸化剤を配合
した組成物、公知の無煙火薬、無煙火薬組成物中に酸化
剤を加えた組成物等が使用される。
【0024】図1(a)及び図3に示すように、円筒状
のスリーブ20は、収容容器11内において、一端の拡
径部21が収容容器11の段差部22近傍の収容容器1
1内周面に嵌合され、他端の四角柱状をなす係合凸部2
3が収容容器11の係合凹部24に嵌合されている。ス
リーブ20はステンレス鋼(日本工業規格SUS30
4)により形成されているが、アルミニウム合金、炭素
鋼、鋳鉄、チタン合金、マグネシウム合金等により形成
してもよい。第1空間部25はスリーブ20内に形成さ
れ、ガス発生剤17の燃焼領域となっている。区画壁2
6は収納ケース18の底部に形成され、ガス発生剤17
の収容域と第1空間部25とを区画している。
【0025】そして、収納ケース18内のガス発生剤1
7の燃焼によるガスの圧力で区画壁26が破られてその
ガスが第1空間部25に流入し、第1空間部25におい
てもガス発生剤17が燃焼する。第2空間部27は、収
容容器11とスリーブ20との間に環状に形成され、金
属製の冷却材28が収容されている。この第2空間部2
7を形成する収容容器11とスリーブ20との間の幅、
すなわち半径方向の距離は、0.5〜10mmの範囲で設
定され、好ましくは1〜5mmの範囲である。
【0026】図1(a),(b)及び図2に示すよう
に、放出孔29は収容容器11に所定間隔をおいて軸線
方向に一列に設けられている。連通孔30はスリーブ2
0に放出孔29とは周方向の180度反対側の位置に所
定間隔をおいて軸線方向に一列に並ぶように設けられて
いる。そして、高温の燃焼ガスは第1空間部25から連
通孔30を通って第2空間部27へ入り、さらに周方向
に180度回って冷却材28で冷却され、放出孔29か
ら放出される。冷却材28としては、例えば24メッシ
ュのステンレス鋼製の平織り金網を円筒状に形成したも
のが用いられる。
【0027】ちなみに、収容容器11は長さ50〜30
0mm、外径15〜40mm、内径10〜38mmの範囲が好
ましい。スリーブ20は長さ40〜290mm、外径8〜
36mm、内径7〜35mmの範囲が好ましい。また、1つ
の放出孔29の面積は3〜200mm2 が好ましく、放出
孔29の全面積は40〜200mm2 が好ましい。1つの
連通孔30の面積は3〜150mm2 が好ましく、連通孔
30の全面積は30〜150mm2 が好ましい。連通孔3
0の全面積に対する放出孔29の全面積の割合は、0.
8〜4の範囲であることが望ましい。第1空間部25の
ガスの圧力を高く維持できるとともに、ガスの放出を円
滑に行うことができるからである。
【0028】なお、ガス発生装置の組付けは、まず収容
容器11内の奥部にスリーブ20を挿入し、その係合凸
部23を収容容器11の係合凹部24に嵌合させる。次
に、ガス発生剤17を収容した収納ケース18の開口部
を保持筒15にかしめ部19でかしめ固定したものを収
容容器11内に挿入する。その後、点火薬16と点火器
14を装着し、筒体13を収容容器11に螺合する。こ
のようにして、所定のガス発生装置が得られる。
【0029】さて、点火器14に点火されると、点火薬
16が着火し、その火炎により収納ケース18内のガス
発生剤17が燃焼して燃焼ガスを発生する。その燃焼ガ
スの圧力により収納ケース18底部の区画壁26が破ら
れ、燃焼ガスが第1空間部25に流入する。
【0030】第1空間部25では燃焼ガスの流入により
圧力が上昇する。そして、第1空間部25のガスはスリ
ーブ20の連通孔30を通って第2空間部27へ流れ
る。第2空間部27においては、ガスは収容容器11の
放出孔29に向かって周方向に移動し、その間に冷却材
28により冷却される。そして、周方向に180度移動
したガスは放出孔29から放出される。
【0031】このとき、スリーブ20の連通孔30と収
容容器11の放出孔29は周方向に180度反対側の位
置に設けられていることから、第2空間部27において
はガスの移動に伴う滞留時間が長くなり抵抗力が生ず
る。このため、第1空間部25におけるガスの圧力が所
定の高い圧力に維持される。従って、収納ケース18内
でのガス発生剤17の燃焼により生成したガスが区画壁
26を破ったときの急激な圧力低下が抑制される。その
ため、第1空間部25においてもガス発生剤17が安定
に燃焼して燃焼ガスを発生する。その結果、ガス発生剤
17はより完全に燃焼する。
【0032】以上のような実施形態により、次のような
効果が発揮される。 (1) スリーブ20の連通孔30と収容容器11の放
出孔29とは周方向の180度反対側に位置するように
設けられていることから、第2空間部27においてはガ
スの移動に伴う抵抗力が生じ、そのためガス発生剤の燃
焼領域である第1空間部25におけるガスの圧力を所定
の高い圧力に維持できる。 (2) 第1空間部25の圧力を所定圧に保持でき、収
納ケース18内のガス発生剤17の燃焼により生成する
ガスが区画壁26を破って第1空間部25に流れ込んだ
ときの圧力低下を抑制でき、ガス発生剤17の燃焼を安
定なものにできる。 (3) そのため、ガス発生剤17をより完全に燃焼さ
せることができる。 (4) ガス発生装置は、収容容器11内にスリーブ2
0を配置し、収容容器11の放出孔29とスリーブ20
の連通孔30とを周方向に180度位置を変えればよい
ことから、構造を簡易なものにすることができる。 (5) ガス発生装置は、従来のように全長を長くした
りする必要がなく、小型化及び軽量化を図ることができ
る。 (第2実施形態)次に、第2実施形態について図4およ
び図5に基づいて説明する。なお、この第2実施形態に
おいては、主に第1実施形態と異なる部分について説明
する。
【0033】さて、図4,5に示すように、放出孔29
は収容容器11に所定間隔をおいて軸線方向に延びるよ
うに千鳥状に形成されている。連通孔30は放出孔29
と周方向にほぼ180度反対側において放出孔29間に
位置するように千鳥状に形成されている。
【0034】この第2実施形態によれば、連通孔30と
放出孔29とは周方向においてほぼ180度反対側に位
置し、かつ軸線方向に異なる位置にあることから、両孔
29,30間の距離を長く保持でき、第2空間部27に
おけるガスの滞留時間を長くできる。従って、第1空間
部25のガスの圧力を高く維持でき、ガス発生剤17を
より完全に燃焼させることができる。 (第3実施形態)次に、第3実施形態について図6およ
び図7に基づいて説明する。なお、この第3実施形態に
おいては、主に第1実施形態と異なる部分について説明
する。
【0035】さて、図6,7に示すように、スリーブ2
0は円筒状に形成され、他端は開放されている。ボルト
31は収容容器11の他端内面に形成された雌ねじ32
に螺合されている。このボルト31によりスリーブ20
の他端が封鎖され、第1空間部25が形成されている。
放出孔29は収納ケース18側の収容容器11におい
て、周方向に90度隔てて4箇所に形成されている。連
通孔30はボルト31側のスリーブ20において、周方
向に90度隔てて4箇所に形成されている。なお、各放
出孔29と連通孔30は周方向においてそれぞれ対応す
る位置に設けられている。
【0036】この第3実施形態によれば、放出孔29と
連通孔30の位置が互いに軸線方向に離れ、両孔29,
30間の距離が長く、第2空間部27におけるガスの滞
留時間を長くできることから、第1空間部25のガスの
圧力を高く保持でき、ガス発生剤17をより完全に燃焼
させることができる。 (第4実施形態)次に、第4実施形態について図8に基
づいて説明する。なお、この第4実施形態においては、
主に第1実施形態と異なる部分について説明する。
【0037】さて、図8に示すように、点火装置12と
ガス発生剤17を装填した収納ケース18とが収容容器
11の両端に対称状に設けられている。この第4実施形
態によれば、ガス発生剤17を収納した収納ケース18
が両側にあるので、ガス発生量を増大させることがで
き、燃焼ガスにより膨張展開されるエアバッグの容量を
増加させたり、複数のエアバッグを膨張展開させたりす
ることができる。しかも、左右の点火装置12を所定の
時間差で作動させることにより、より好ましいエアバッ
グの内圧を得ることもできる。
【0038】
【実施例】次に、この発明を具体化した実施例及び比較
例について具体的に説明する。前記第1実施形態のガス
発生装置を使用し、その性能を評価した。
【0039】すなわち、収容容器11をアルミニウム合
金で形成し、長さ160mm、外径20mm、内径15mmと
した。放出孔29は直径6mmとし、6個設けた。スリー
ブ20はステンレス鋼で形成し、長さ100mm、外径1
1mm、内径8mm、第1空間部25の深さ85mmとした。
連通孔30は直径4mmとし、6個設けた。
【0040】ガス発生剤17として、単孔形状のニトロ
セルロースを主体とするシングルベースの無煙火薬4g
を用い、点火薬16としてボロンと硝酸カリウムの混合
物を0.4g混合したものを使用した。なお、シングル
ベースの無煙火薬は2.5〜8gの範囲で使用可能であ
り、ボロンと硝酸カリウムを混合した点火薬16は0.
1〜2gの範囲で使用可能である。
【0041】そして、60リットルのタンク内にガス発
生装置を収容して点火器14に点火し、タンク内圧力の
時間変化を測定した。その結果を図9に示した。また、
比較例として、第1実施形態のガス発生装置からスリー
ブ20を取り除いた構造のガス発生装置を用い、その他
の条件を第1実施形態のガス発生装置と同じに設定し、
タンク内圧力の時間変化を実施例と同様に測定した。そ
の結果を図10に示した。なお、図9,10において、
横軸の時間はミリ秒(ms)である。
【0042】図9に示したように、実施例のガス発生装
置では、ガス発生剤17は完全燃焼し、最大タンク内圧
力は1.9kgf/cm2にまで達した。これに対し、図10
に示したように、比較例のガス発生装置では、ガス発生
剤17の不完全燃焼により0.4g燃え残り、最大タン
ク内圧力も1.0kgf/cm2にすぎなかった。
【0043】なお、この発明は次のように形態を変更し
て具体化することも可能である。 (a) 第3実施形態において、放出孔29と連通孔3
0とをそれぞれ円周方向に千鳥状に配列すること。 (b) 各実施形態において、放出孔29と連通孔30
とをそれぞれ異なる大きさの孔の組合せとすること。 (c) 第1空間部25に冷却材28を収容し、ガス発
生剤17の燃焼により発生したガスをすぐに冷却するよ
うに構成すること。 (d) 収容容器11とスリーブ20の断面形状を楕円
形状、矩形状等に形成すること。 (e) 放出孔29と連通孔30の形状を楕円形状、矩
形状等に形成すること。あるいは、放出孔29と連通孔
30とをそれぞれ細長い1つの孔とすること。
【0044】さらに、前記実施形態より把握される技術
的思想について以下に記載する。 (1) 前記スリーブの両端部を収容容器に嵌合した請
求項1に記載のガス発生装置。
【0045】このように構成した場合、収容容器内のス
リーブが位置ずれを起こすおそれを防止できる。 (2) 前記スリーブの連通孔と収容容器の放出孔とを
円周方向において180度異なる位置に設けた請求項2
に記載のガス発生装置。
【0046】このように構成した場合、連通孔と放出孔
との距離を長く設定でき、ガス発生剤の燃焼領域におけ
る燃焼ガスの圧力を保持でき、ガス発生剤の燃焼を安定
にして、より完全な燃焼を得ることができる。 (3) 前記収容容器及びスリーブを円筒状に形成し、
収容容器の放出孔とスリーブの連通孔とをそれぞれ軸線
方向に延びるように複数個設けた請求項1〜3のいずれ
かに記載のガス発生装置。
【0047】このように構成した場合、第1空間部の圧
力を所定圧に保持できるとともに、ガスの放出を円滑に
行うことができる。 (4) 前記スリーブの連通孔と収容容器の放出孔とを
円周方向に所定間隔をおいて複数個設けた請求項3に記
載のガス発生装置。
【0048】このように構成すれば、連通孔と放出孔と
の距離を長く設定でき、ガス発生剤の燃焼領域での燃焼
ガスの圧力を保持でき、ガス発生剤の燃焼を安定にし
て、より完全な燃焼を得ることができる。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、次のような優れた効果を奏する。第1の発明のガス
発生装置によれば、ガス発生剤の燃焼領域における燃焼
ガスの圧力を保持でき、ガス発生剤の燃焼を安定にし
て、より完全な燃焼を得ることができる。しかも、スリ
ーブにより第1空間部と第2空間部を区画形成し、スリ
ーブに連通孔、収容容器に放出孔を設けるという簡易な
構造で、ガス発生装置の小型化及び軽量化を図ることが
できる。
【0050】第2の発明のガス発生装置によれば、スリ
ーブ内の第1空間部の圧力をより高く維持でき、ガス発
生剤の燃焼を安定にして、より完全な燃焼を得ることが
できる。
【0051】第3の発明のガス発生装置によれば、スリ
ーブ内の第1空間部の圧力をさらに高く保持することが
可能であり、ガス発生剤の燃焼を安定にして、一層完全
な燃焼を得ることができる。
【0052】第4の発明のガス発生装置によれば、ガス
発生剤の燃焼により生成するガスを効果的に冷却できる
とともに、スリーブ内の第1空間部の圧力を高めること
ができ、ガス発生剤の燃焼を安定にして、より完全な燃
焼を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)はこの発明の第1実施形態におけるガ
ス発生装置を示す断面図、(b)はそのガス発生装置を
示す平面図。
【図2】 図1の2−2線における断面図。
【図3】 図1の3−3線における断面図。
【図4】 第2実施形態のガス発生装置を示す部分平面
図。
【図5】 図4の5−5線における断面図。
【図6】 第3実施形態のガス発生装置を示す断面図。
【図7】 図6の7−7線における断面図。
【図8】 第4実施形態のガス発生装置を示す断面図。
【図9】 実施例のタンク内圧力と時間との関係を示
すグラフ。
【図10】 比較例のタンク内の圧力と時間との関係を
示すグラフ。
【図11】 従来のガス発生装置を示す部分破断正面
図。
【符号の説明】
11…収容容器、12…点火装置、17…ガス発生剤、
18…燃焼部としての収納ケース、20…スリーブ、2
5…第1空間部、27…第2空間部、28…冷却材、2
9…放出孔、30…連通孔。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の収容容器内の少なくとも一端に点
    火装置及び点火装置の点火により燃焼してガスを発生す
    るガス発生剤を装填した収納ケースを配置し、その他の
    部分に筒状のスリーブを配設し、スリーブ内に第1空間
    部を設け、収容容器とスリーブとの間に第2空間部を設
    けるとともに、スリーブにガスを第1空間部から第2空
    間部へ流通させる連通孔を設け、収容容器に第2空間部
    から外方へガスを放出する放出孔を設けたガス発生装
    置。
  2. 【請求項2】 前記スリーブの連通孔と収容容器の放出
    孔とを円周方向において互いに異なる位置に設けた請求
    項1に記載のガス発生装置。
  3. 【請求項3】 前記スリーブの連通孔と収容容器の放出
    孔とを収容容器の軸線方向に互いに離間するように設け
    た請求項1又は2に記載のガス発生装置。
  4. 【請求項4】 前記第2空間部にガスを冷却する冷却材
    を配置した請求項1〜3のいずれかに記載のガス発生装
    置。
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