JPH1065372A - 電子部品冷却用遮蔽板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】発熱部品体に発熱量の変化がある場合や、また
その装置を機能向上の目的でパッケージを増設したりす
る等の場合において、容易でかつ安価に冷却能力を変更
することが可能な電子部品冷却用遮蔽板を提供する。 【解決手段】電子装置のカバー内側に取り付けられ、冷
却用のファンによって生じる冷却風を電子装置内に設け
られた発熱電子部品へ導く冷却用遮蔽板であって、上記
冷却風の流路断面積、風量、風速を変更可能な様に、そ
の形状を変形可能な構造を備えている。具体的には、冷
却において、２枚の板金にヒンジを取り付けて角度が変
えられるようにした遮蔽板を用い、流路断面積、風速、
風量を自在に変化させてある範囲で容易にできる冷却方
法である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は発熱部品体を搭載す
る電子機器の冷却に有用な電子部品冷却用遮蔽板に係
り、さらに詳しくは、ファンによる風の流れを有効に制
御して、冷却能力を高めるのに好適な電子部品冷却用遮
蔽板に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来技術においては、主に強制冷却の風
の流れを発熱部品体に直接風を向けるダクトを設けた
り、ファンを増設するなどを施して、風量、風速を増加
させ、冷却能力を高めている。

【０００３】また、遮蔽板を利用して、一定の風量、風
速を保ち冷却能力を高めるものも存在している。

【０００４】なお、この種の冷却方法として、関連する
ものには、例えば特開平６ー２０９１７８号公報や特開
平７ー２４０５８９号に記載された発明が存在する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】発熱する部品体を寿命
保証する場合、各部品が持つ保証値温度内に収まるよう
に装置内部の冷却設計をしなければならない。保証値温
度内に納まらない場合にはファンを増設したり、発熱部
品体に対して風の流れを作る塞ぎ板やダクトを設けて、
効率よく発熱部品体を冷却できるように必要がある。

【０００６】しかし、このような方法は、ファンの増設
などにより部品点数が増えとともに、コストも増大する
という問題点がある。なお、一般に冷却設計を考える場
合、冷却方法としては、自然冷却、強制冷却、液体冷却
等があるが、主に部品の発熱量により冷却方法は変わっ
てくる。

【０００７】本発明は、ファンを用いた強制冷却におい
て、発熱部品体に発熱量の変化がある場合や、またその
装置を機能向上の目的でパッケージを増設したりする等
の場合において、容易でかつ安価に冷却能力を変更する
ことが可能な電子部品冷却用遮蔽板を提供することにあ
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の第１の電子部品
冷却用遮蔽板は、電子装置のカバー内側に取り付けら
れ、冷却用のファンによって生じる冷却風を電子装置内
に設けられた発熱電子部品へ導く冷却用遮蔽板に適用さ
れるものであり、次の特徴を有している。

【０００９】すなわち、上記冷却風の流路断面積、風
量、風速を変更可能な様に、その形状を変形可能な構造
を備えたことを特徴としている。

【００１０】本発明の第２の電子部品冷却用遮蔽板は、
排気側に設けられた発熱電子部品体付近の流路断面積を
狭くして、風速を高めて冷却することを特徴としてい
る。

【００１１】本発明の第３の電子部品冷却用遮蔽板は、
電子装置のカバー内側に取り付けられ、冷却用のファン
によって生じる冷却風を電子装置内に設けられた発熱電
子部品へ導く電子部品冷却用遮蔽板に適用されるもので
あり、次の特徴を有している。

【００１２】すなわち、前記電子部品冷却用遮蔽板は２
枚の板金から構成され、前記２枚の板金を揺動可能に接
続する第１の手段と、前記２枚の板金のうち、少なくと
も一方の板金は上記カバーへのネジ取り付けのための少
なくとも２つの長穴を備え、冷却用遮蔽板の形状を変形
可能な構造を備えたことを特徴としている。

【００１３】本願発明の電子部品冷却用遮蔽板によれ
ば、装置に実装された発熱電子部品を冷却するときに、
冷却風の流路を適切に設定したり、さらに変更すること
ができるので、発熱部品体に発熱量の変化がある場合
や、またその装置を機能向上の目的でパッケージを増設
したりする等の場合において、容易でかつ安価に冷却能
力を変更することが可能なになる。

【００１４】なお、強制冷却時の装置内部の風量・風速
・流路断面積の関係は、次の〔数１〕で表される。

【００１５】

【数１】

【００１６】ここで、風量ωはファンの性能および内部
静圧により決まる。

【００１７】また、必要風速νを求める場合、流路断面
積Ｓを変化させることで最適の値を得ることができる。
なお、風量ωと流路断面積Ｓと風速νの関係は、次の
〔数２〕で表される。

【００１８】

【数２】

【００１９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態につ
いて図面を用いて説明する。

【００２０】図１は、本発明の電子部品冷却用遮蔽板一
実施の形態を示す説明図である。図１において、４は２
枚の板金から構成される電子部品冷却用遮蔽板であり、
上記２枚の板金は互いに角度が自由に変えれるように２
つのヒンジにより係合している。そして、上記２枚の板
金は、少なくとも一方がネジ９によりカバー６に取り付
けられている。図示する例では、一方の板金がネジ９に
より取り付けられ、他方の板金はカバー６固定されてい
る。その際、上記少なくとも一方のカバー６への取り付
け用の穴は、図示する様に、長穴になっている。

【００２１】図２は、上記２枚の板金がヒンジ８で連結
されている状態を示す説明図である。

【００２２】図３は、図１に示す電子部品冷却用遮蔽板
を取り付けて強制冷却を行うの場合の冷却構造の一例を
示す説明図である。図１に示す様に、装置１には、入気
側と排気側にそれぞれファン２が設けられている。ま
た、装置１の内部には、上側に発熱電子部品３が取り付
けられている。また、装置１の内部の下側には、カバー
６にネジ止めされた電子部品冷却用遮蔽板４が設けられ
ている。また、図３において、５は冷却風の流れ、６は
カバーを示している。

【００２３】図４は、図３において、電子部品冷却用遮
蔽板４の２枚の板金の角度を変えて、冷却風５の風速を
変化させた例を示している。すなわち、電子部品冷却用
遮蔽板４を構成する２枚の板金の角度を変更して、カバ
ー６にネジ止めすることにより、装置１内を流れる冷却
風５の流路断面積７が変化し、これにより風速が変化す
る。したがって、図４に示す例では、排気側の発熱電子
部品３の冷却効率が向上する。

【００２４】また、パッケージに搭載してある隣り合う
発熱電子部品３の隙間には渦流が発生しており、発熱電
子部品３によりで温められた風の渦流が起こる。よっ
て、風速を変化させることで、渦流によって温められた
風が排出される効果もある。

【００２５】以上の説明から明らかな様に、上記実施の
形態によれば、ある一定の範囲において装置内部の風速
を容易に変化させることが可能となり、内部実装パッケ
ージの増設や機能向上による改造に対応可能となる。

【００２６】

【発明の効果】本発明によれば、ファンを用いた強制冷
却において、発熱部品体に発熱量の変化がある場合や、
またその装置を機能向上の目的でパッケージを増設した
りする等の場合において、容易でかつ安価に冷却能力を
変更することが可能な電子部品冷却用遮蔽板を提供する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明の電子部品冷却用遮蔽板一実施
の形態を示す説明図。

【図２】図２は、上記２枚の板金がヒンジ８で連結され
ている状態を示す説明図。

【図３】図３は、図１に示す電子部品冷却用遮蔽板を取
り付けて強制冷却を行うの場合の冷却構造の一例を示す
説明図。

【図４】図４は、図３において、電子部品冷却用遮蔽板
４の２枚の板金の角度を変えて、冷却風の風速を変化さ
せた例を示す説明図。

【符号の説明】

１：装置、２：ファン、３：発熱電子部品、４：遮蔽
板、５：冷却風の流れ、６：カバー、７：流路断面積、
８：ヒンジ、９：ネジ。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電子装置のカバー内側に取り付けられ、
   冷却用のファンによって生じる冷却風を電子装置内に設
   けられた発熱電子部品へ導く冷却用遮蔽板であって、 上記冷却風の流路断面積、風量、風速を変更可能な様
   に、その形状を変形可能な構造を備えたことを特徴とす
   る電子部品冷却用遮蔽板。
2. 【請求項２】 上記電子部品冷却用遮蔽板は、排気側に
   設けられた発熱電子部品体付近の流路断面積を狭くし
   て、風速を高めて冷却することを特徴とする請求項１記
   載の電子部品冷却用遮蔽板。
3. 【請求項３】 電子装置のカバー内側に取り付けられ、
   冷却用のファンによって生じる冷却風を電子装置内に設
   けられた発熱電子部品へ導く電子部品冷却用遮蔽板であ
   って、 前記電子部品冷却用遮蔽板は２枚の板金から構成され、
   前記２枚の板金を揺動可能に接続する第１の手段と、 前記２枚の板金のうち、少なくとも一方の板金は上記カ
   バーへのネジ取り付けのための少なくとも２つの長穴を
   備え、冷却用遮蔽板の形状を変形可能な構造を備えたこ
   とを特徴とする電子部品冷却用遮蔽板。