JPH106514A - インクジェット記録ヘッドの製造方法、該方法による記録ヘッド、及び該ヘッドを具備するインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドの製造方法、該方法による記録ヘッド、及び該ヘッドを具備するインクジェット記録装置

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JPH106514A
JPH106514A JP16465096A JP16465096A JPH106514A JP H106514 A JPH106514 A JP H106514A JP 16465096 A JP16465096 A JP 16465096A JP 16465096 A JP16465096 A JP 16465096A JP H106514 A JPH106514 A JP H106514A
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JP16465096A
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Kazuaki Masuda
和明 益田
Kiyomitsu Kudo
清光 工藤
Shin Ishimatsu
伸 石松
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な印字品位を持続するインクジェット記
録ヘッド、不良率が低減されるヘッドの製造方法、ヘッ
ドを具備するインクジェット記録装置の提供。 【解決手段】 複数の吐出圧発生部を有する第1の基
板、複数の吐出口、吐出口に連通するインク流路となる
凹部、凹部の各々に連通する共通液室部、共通液室部に
連通するインク供給口から成る第2の基板(天板)、の
各基板を接合し各々の吐出圧発生部に対しインク流路が
形成され機能するインクジェット記録ヘッドを、天板の
供給口からインク流路の間の少なくとも一部にインク中
の異物を除去するフィルター部を天板の構成樹脂と一体
的に形成し、且つフィルター部形成をレーザー光にて樹
脂を除去して行なうインクジェット記録ヘッドの製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録ヘッドの製造方法、該製造方法によるインクジェット
記録ヘッド、及び該記録ヘッドを具備するインクジェッ
ト記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット記録ヘッドに用い
られる天板のインク流路溝は、成型やパターニング等で
形成するものや、特開平1−294047号、同2−1
21845号、同5−138882号等に記載されてい
るように、エキシマレーザー光を照射することによって
加工されているものがある。
【0003】エキシマレーザー光は、波長が短く、強度
も強いため、有機物を構成している分子の結合エネルギ
ーより高いエネルギーの光子が多量に照射でき、有機物
を構成している分子そのものを高速に効率よく切断でき
る。そのため、微細な形状を有するインク流路溝を高い
平滑性及び精度で加工することができる。
【0004】しかしながら、このようなインクジェット
記録ヘッドの天板においては、微小のインク流路溝が多
数配置されるため、インク中に混在するゴミや泡等が、
インク流路溝に侵入して不吐出を起こす原因となる。
【0005】そこで、インクジェット記録ヘッドの天板
に多数配置される微小のインク流路溝へのゴミや泡等の
侵入を防止することのできるインクジェット記録ヘッ
ド、及び該ヘッドの製造方法の提供を目的として、発明
者らは次に示すような提案先になしているが、これを図
9に示す。
【0006】同図に示すように、樹脂天板中に含まれる
フィラー16によってフィルター作用が生じ、これによ
ってインク中の微小なゴミ等の異物21をトラップする
ことができ、不吐出ノズルの発生率を大幅に従来より減
らすことが可能になった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな天板を用いたインクジェット記録ヘッドにおいては
下記のような問題がある。
【0008】即ち、天板樹脂中にフィラーが残りそれが
フィルター作用を発揮するが、その一方で、フィラーが
オリフィスの極く近傍にあると、液滴が吐出する際にそ
のフィラーが障害物となって吐出パワーを弱めたり、ま
た吐出の方向が変化して、記録媒体(紙)への着弾点が
ずれてしまうという欠点がある。このような現象は印字
品位の低下を招くことになる。
【0009】またインク流路中にこのフィラーが多数存
在すると、やはり吐出パワーを弱めることになり、印字
品位上好ましくないという問題がある。
【0010】本発明の目的は、上記のような吐出及び印
字品位に悪影響を及ぼすことなく、且つゴミ等の異物の
詰りによる不吐出ノズルの発生を抑えることのできるイ
ンクジェット記録ヘッドの製造方法、該製造方法により
得られる記録ヘッド、及び該記録ヘッドを具備するイン
クジェット記録装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】上記の目的は以
下に示す本発明によって達成される。即ち本発明は、複
数の吐出圧発生部を有する基板と、複数の吐出口、該吐
出口に連通するインク流路となるべき溝部、及び前記イ
ンク流路の各々に連通する共通液室部を構成する凹部、
さらに該共通液室部に連通するインク供給口から構成さ
れる溝付部材とを具備し、前記基板と溝付部材を接合す
ることによって各々の吐出圧発生部に対してインク流路
が形成されたインクジェット記録ヘッドを製造する方法
において、前記溝付部材の供給口からインク流路までの
間の少なくとも一部に、インク中の異物を除去するため
のフィルター部を溝付部材の構成材料と一体的に形成
し、且つ該フィルター部にレーザー光照射による樹脂の
除去工程を用いることによりフィルターを形成すること
を特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法、及
び該製造方法により得られるインクジェット記録ヘッド
を開示するものである。
【0012】また本発明は、前記フィルター部の構成と
して石英のフィラー、エキシマレーザー光を透過する樹
脂のフィラー、又はガラス繊維を含むフィルター部形成
用の樹脂と、フィルター部以外のフィラーを含まない樹
脂とを同時的あるいは隔時的に一体的に成形し、且つ成
形時にフィルター部となる樹脂によりインク供給路から
インク流路までの間の少くとも一部がおおむね流体的に
閉部となる部分を形成する工程、及びフィラーを含む部
分の少くとも一部に対してエキシマレーザー光を照射し
て樹脂部分を溶融除去し残存するフィラーにより複数の
開口部(穴部)を形成してフィルターとなす工程、から
成ることを特徴とする前記本発明のインクジェット記録
ヘッドの製造方法、及び該製造方法により得られるイン
クジェット記録ヘッドを開示するものである。
【0013】さらに本発明は、インクジェット方式によ
るインクジェット記録装置が、前記本発明のインクジェ
ット記録ヘッドを具備するものである、インクジェット
記録装置をも開示するものである。
【0014】上記の目的を達成するため、本出願に係る
第1の発明は次の構成を有することを特徴とする。即
ち、インクジェット記録ヘッドの天板内にインク流体中
の異物やゴミを除去するためのフィルターが一体で形成
されており、そのフィルター部は天板のインク供給口か
らインク流路の中までの間の少くとも一部に形成されて
いることを特徴とするものである。この構成により、イ
ンク中の異物等をこのフィルター部でトラップすること
ができるため、不吐出のないヘッドを製造することがで
きる。
【0015】また本出願に係る第2の発明は次の構成を
有することを特徴とする。石英のフィラー又はエキシマ
レーザー光を透過する樹脂のフィラー又はガラス繊維を
含むフィルター部形成用の樹脂と、フィルター部以外の
フィラーを含まない樹脂とを同時あるいは隔時的に一体
的に成形し、このとき、フィルター部となる樹脂によっ
てインク供給路からインク流路までの間の少くとも一部
がおおむね流体的に閉部となる部分を形成し、次いでフ
ィルターとなる部分に対してエキシマレーザー光を照射
し、それによって樹脂部分を除去し、残存するフィラー
によって複数の開口部(穴部)を形成してフィルターと
なすと言う、複数のプロセスから成ることを特徴とす
る。
【0016】このような構成によりエキシマレーザー光
によって吸収・加工されないフィラー部分が天板の樹脂
中に残存し、これがフィルターのメッシュの役割を果た
すことになり、フィルターとして機能するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明は、特に、インクジェット
記録方式のなかでも熱エネルギーを利用して液滴を飛翔
させて記録を行うインクジェット記録ヘッド及びインク
ジェット記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。
【0018】これらの記録ヘッド及び記録装置の体表的
な構成や原理については、例えば、米国特許第4723
129号明細書、同第4740796号明細書に開示さ
れている基本的な原理を用いるものが好ましい。
【0019】この原理を用いた方式は、オンデマンド型
及びコンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特にオンデマンド型の場合に有効である。オンデマ
ンド型方式は次の通りである。液体(インク)が保持さ
れているシートや液路に対応して配置されている電気熱
変換体に、記録情報に対応した、核沸騰を超える急速な
温度上昇を与える一つ以上の駆動信号を印加することに
よって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生させ、記録
ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて駆動信号に1対
1で対応した気泡を液体(インク)内に形成する。この
気泡の成長・収縮によってインク吐出口からインクを吐
出させて、1つ以上の液滴を形成・飛翔させる。
【0020】このときの駆動信号をパルス形状とする
と、信号の印加に対して気泡の成長・収縮が瞬時・適切
に行われ、応答性に優れたインクの吐出が達成できる。
この駆動信号としては、米国特許第4463359号明
細書、同第4345262号明細書に記載されているよ
うなものが適している。また、米国特許第431312
4号明細書に記載の熱作用面の温度上昇率に関する発明
の設定条件を採用すると、さらに優れた記録を行うこと
ができる。
【0021】本発明のインクジェット記録ヘッドの構成
としては、上記の各明細書に記載されているような吐出
口・液路・電気熱変換体を組み合わせた構成(直線状液
流路構成又は直角液流路構成)の他に、米国特許第45
58333号明細書及び同第4459600号明細書に
開示された、熱作用部が屈曲する領域に配置されている
構成をとってもよい。
【0022】さらに、記録装置が記録可能な最大記録幅
に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッド
を用いてもよい。このフルラインタイプの記録ヘッドと
しては、上記の明細書に開示されているような記録ヘッ
ドを、複数組み合わせた構成や、一体型の構成のいずれ
であってもよい。
【0023】その他の記録ヘッドのタイプとして、記録
装置本体との電気的接続や記録装置本体からのインクの
供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッ
ド、又は記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設け
られたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いてもよ
い。
【0024】本発明のインクジェット記録装置の構成ユ
ニットとして、記録ヘッドに対する回復手段や予備的な
補助手段等を付加することは、本発明の効果を一層安定
化するため好ましい。これらの手段を具体的に挙げれ
ば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニ
ング手段、加圧・吸引手段、予備加熱手段、予備吐出手
段等がある。
【0025】さらに本発明の記録装置の記録モードとし
て、黒色等の主流色のみの記録モード以外に、異なる色
の複色カラーや、混色によるフルカラーのモードを備え
てもよい。
【0026】本発明においては、上述の各インクに対し
て膜沸騰方式が最も有効である。本発明のインクジェッ
ト記録装置は、ワードプロセッサやコンピュータ等の情
報処理機器の画像出力端末として一体又は別体に設けら
れるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置や、送
受信機能を有するファクシミリ装置の形態をとるもので
あってもよい。
【0027】
【実施例】以下、図面を参照して実施例により本発明の
実施態様を詳細に説明するが、本発明がこれらによって
何ら限定されるものではない。
【0028】[実施例1]図1は本発明の一実施例に係
るインクジェット記録ヘッドを示し、インクタンクを一
体としたディスポーザブルなものである。
【0029】同図に示すインクジェット記録ヘッドは、
インク流路及び共通液室を構成するための凹部(以下、
溝と称する)さらにはオリフィスプレート10を一体に
形成した天板と、吐出エネルギーを発生するための電気
熱変換体(以下、吐出ヒーターと称する)及びこれに電
気信号を供給するためのAl配線とが成膜技術によって
Si基板上に形成された基板(以下、ヒーターボードと
称する)とを接合することによって構成される記録ヘッ
ド本体(不図示)を具える。
【0030】また、図中600は記録ヘッド本体に隣接
して配設されるサブインクタンクであり、このサブイン
クタンク600及び上記本体は蓋300及び800によ
って支持される。さらに、1000はカートリッジ本
体、1100はカートリッジ本体の蓋部材である。カー
トリッジ本体内部にはインクタンクが内蔵され、サブイ
ンクタンク600に適宜インクを供給する。
【0031】図2は、天板と一体に形成されたオリフィ
スプレートにインク流路側からエキシマレーザー光を照
射してオリフィス加工を行う様子を示したものであり、
同様の方法で溝加工も行う。図6に示した要素と同様の
要素には同一の符号を示す。同図において、1はKrF
エキシマレーザー光を発振するレーザー発振装置、2は
レーザー発振装置1から発振される波長248mm、パ
ルス幅約15nsecのパルスレーザービーム、3はレ
ーザービーム2を収光するための合成石英レンズ、4は
レーザービーム2に対して遮蔽可能なアルミニウムを蒸
着した投影マスクであり、直径133μmの穴が212
μmピッチで複数配設されてオリフィスパターンを構成
している。
【0032】図3(A)及び(B)は本実施例に係る基
板(ヒーターボード)8の平面図及びその部分拡大図で
ある。同図(A)において、101は本例に係るヒータ
ーボード基体、103は吐出ヒーター部である。104
は端子であり、ワイヤボンディングにより外部と接続さ
れる。102は温度センサであり、吐出ヒーター部10
3等と同じ成膜プロセスにより吐出ヒーター部103に
形成してある。同図(B)は同図(A)におけるセンサ
102を含む部分「(B)」の拡大図であり、15及び
106は、それぞれ、吐出ヒーター及び配線である。ま
た、108はヘッドを加熱するための保温ヒーターであ
る。
【0033】センサ102は、他の部分と同様に、半導
体同様の成膜プロセスによって形成してあるため極めて
高精度であり、他の部分の構成材料であるアルミニウ
ム、チタン、タンタル、5酸化タンタル、ニオブ等、温
度に応じて導電率が変化する材料で形成することができ
る。例えば、これらのうち、チタンは電気熱変換素子を
構成する発熱抵抗層と電極との接続性を高めるために両
者間に配置可能な材料、タンタルは発熱抵抗層上の保護
層の耐キャビテーション性を高めるためにその上部に配
置可能な材料である。また、プロセスのばらつきを小さ
くするために線幅を太くし、配線抵抗等の影響を少なく
するために蛇行形状として高抵抗化を図っている。
【0034】また、同様に保温ヒーター108は、吐出
ヒーター15の発熱抵抗層と同一材料(例えばHfB
2 )を用いて形成することができるが、ヒーターボード
を構成する他の材料、例えばアルミニウム、タンタル、
チタン等を用いて形成してもよい。図4(a)及び
(b)は本例に係る天板(溝付部材)の構成例を示す断
面図である。
【0035】同図(a)において天板90はオリフィス
プレート10とその中に開口されたオリフィス(吐出
口)11とそれに連通するインク流路14、及びこのイ
ンク流路14に連通する共通液室部17、さらにインク
供給口18を設けたものである。ここで、インク供給口
18と共通液室17は符号19の部分によって連通して
いない。
【0036】また、この天板90は耐インク性に優れた
ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニ
レンオキサイド等の樹脂を用い、金型内で一体に同時成
形される。
【0037】次にフィルター部の形成方法を説明する。
図4(b)では、前記符号19の部分に、エキシマ光を
部分的に開口部の設けられたマスクを通して照射を行な
い、エキシマ光の照射された部分の前記樹脂は光エネル
ギーによって分解除去され、結果として同図(b)に示
すフィルター部20が形成される。
【0038】このフィルター部20により、異物21が
侵入しても、この異物21はフィルター部によってトラ
ップされ、異物は流路14やオリフィス11へと侵入す
ることができない。従って、このヘッドを用いて印字を
行なった場合は、当然ながら異物詰りからの不吐出によ
る品位低下は発生しない。
【0039】ここで、本例に用いられるエキシマレーザ
ー光について説明する。このエキシマレーザーは紫外光
を発振可能なレーザーであり、高強度である、単色性が
良いこと、指向性があること、短パルス発振ができるこ
と、レンズで集光することが可能なのでエネルギ密度を
非常に大きくできること、等の多くの利点を有する。
【0040】エキシマレーザー発振器は希ガスとハロゲ
ンの混合気体を放電励起することで、短パルス(15〜
35ns)の紫外光を発振することができる装置であ
り、Kr−F型、Xe−Cl型、Ar−F型の各レーザ
ーがよく用いられる。これらの発振エネルギは数100
mJ/パルス、パルス繰返し周波数は30〜1000H
zである。
【0041】このエキシマレーザー光のような高輝度の
短パルス紫外光をポリマー樹脂表面に照射すると、照射
部分が瞬間的にプラズマ発光と衝撃音を伴って分散、飛
散する Ablative Photodecomposition(APD)過程が
生じ、この過程によってポリマー樹脂の加工が可能とな
る。
【0042】このようにエキシマレーザーによる加工精
度と他のレーザーによるそれとを比較した場合、例えば
ポリイミド(PI)フィルムにエキシマレーザーとして
のレーザーと、他のYAGレーザー及びCO2 レーザー
を照射すると、PIの光を吸収する波長がUV領域であ
るためKrFレーザーによってきれいな穴が開くが、U
V領域にないYAGレーザーでは穴が開くもののエッジ
面が荒れ、赤外線であるCO2 レーザーでは穴の周囲に
クレータを生じてしまう。
【0043】また、ステンレススチール(SUS)等の
金属、不透明なセラミックス、Si等は大気の雰囲気に
て、エキシマレーザー光の照射によって影響を受けない
ため、エキシマレーザーによる加工におけるマスク材と
して用いることができる。
【0044】図5は上述したヒーターボード8と天板9
0とを接合して構成される記録ヘッド本体の斜視図であ
る。同図に示すように、吐出ヒーター15等を有するヒ
ーターボード8をオリフィスプレート10に突き当てて
接合し、記録ヘッド本体を得る。
【0045】上記のような構成においては、従来のよう
に天板とオリフィスプレートとの位置合わせや接着が不
要となるので、位置合わせ誤差や接着時の位置ずれ等が
全く無くなり、不良品の低減及び工程の短縮によって、
記録ヘッドの量産性並びに低廉化に資することができ
る。また、従来のような天板とオリフィスプレートとの
接着工程が存在しないので、接着剤が流れ込むことによ
るオリフィスやインク流路の閉塞の恐れがない。
【0046】さらに、ヒーターボード8とオリフィスプ
レート10を一体とした天板90との接合時に、オリフ
ィスプレート10の吐出側端面と逆側の端面にヒーター
ボード8を突き当てることにより流路方向の位置決めが
できるので、全体的な位置決め工程や組み立て工程が容
易となる。加えて、従来のようなオリフィスプレートの
剥離のおそれも全く生じない。
【0047】以上説明した記録ヘッド本体は、図1に示
すようなカートリッジ形態で得ることができ、さらにこ
れを用いて図6のようなインクジェットプリンタ、即
ち、ディスポーザブルのカートリッジを用いるインクジ
ェットプリンタを構成することができる。
【0048】なお、図6において80は図1に示したカ
ートリッジであり、このカートリッジ80は、押え部材
81によりキャリッジ51の上に固定されており、これ
らはシャフト71に沿って長手方向に往復動可能となっ
ている。また、キャリッジ51に対する位置決めは、例
えば蓋300(図1参照)に設けた穴と、キャリッジ5
1側に設けたダボ等により行うことができる。さらに、
電気的接続は配線基板に設けた接続パッドに、キャリッ
ジ51上のコネクタを結合させればよい。
【0049】記録ヘッドにより吐出されたインクは、記
録ヘッドと微少間隔をおいて、プラテン69に記録面を
規制された記録媒体68に到達し、記録媒体68上に画
像を形成する。記録ヘッドには、ケーブル66及びこれ
に結合する端子を介して適宜のデータ供給源より画像デ
ータに応じた吐出信号が供給される。カートリッジ80
は、用いるインク色等に応じて1ないし複数個(図では
2個)を設けることができる。
【0050】また、図6において、67はキャリッジ5
1をシャフト71に沿って走査させるためのキャリッジ
モータ、72はモータ67の駆動力をキャリッジ51に
伝達するワイヤである。また、70はプラテンローラ6
9に結合して記録媒体68を搬送させるためのフィード
モータである。
【0051】[実施例2]図7は本発明に係る他の天板
の一実施例における断面図である。同図において、天板
90は符号91よりなる部分(フィラーのない天板構成
部)と、符号92よりなる部分(フィラーのある天板構
成部)とから成っており、92は、石英フィラー(針
状)16を充填したポリエーテルサルフォン樹脂を用い
て、まずこの92の部分をブロック状に成形し、これを
91を成形する金型中に設置し、いわゆるインサート成
形法により天板を形成する。91は同じポリエーテルサ
ルフォンを用いたが、前記のフィラーは入っていない。
【0052】この天板には、実施例1と同じくオリフィ
スプレート10の部分にオリフィス11があり、それに
連通しているインク流路14が構成されている。そして
この流路14は、フィラー16を含む天板の一部91を
挟んで共通液室17と対向している。
【0053】このような構成を有する成形天板に対し、
図示するように範囲93の部位に、オリフィス11とは
反対側即ち共通液室17側からエキシマレーザー光を照
射すると、93の範囲の部分の樹脂が分解除去され、エ
キシマ光を透過するフィラー16が残留するので、図示
するようなフィルター状に形成されたフィルター部20
が構成さる。本例ではインサート成形法により成形を行
なったが、いわゆる2色成形法と呼ばれる方法によって
も支障なく実施することができる。
【0054】このようなフィルター部20が形成される
と、ゴミ・異物21がたとえ侵入してもフィルター部2
0にトラップされて流路14の内部にまでは侵入しない
ので、良好な印字が保持される。
【0055】[実施例3]図8は本発明の第3の実施例
を示す断面図である。同図に示すように、実施例2と同
様にインサート成形法により天板を形成し、実施例2と
同様にエキシマレーザー光照射法によりフィルター部を
形成して、ゴミ・異物21がフィルター部20にトラッ
プされ、流路14の内部にまでの侵入が防止されて、良
好な印字が保持された。
【0056】上記のように、フィラーを含有するもの
と、含有しないものとの2種類の樹脂を用いて、フィラ
ー含有樹脂にエキシマ光を照射し樹脂部を除去してフィ
ルターを形成する場合は、その2種類の樹脂の主成分は
同一であっても、また異なっていても支障ないが、主成
分が異なる場合は2種類の樹脂の耐熱温度、成形温度等
の条件、また2種類の樹脂の相性、例えば密着性、熱膨
張係数の差等を十分考慮する必要がある。
【0057】また、フィルター部は天板のどの部分に形
成してもよいが、なるべく流路の近傍側に設ける方が、
ゴミ詰りに対してより効果的である。
【0058】
【発明の効果】本発明により、上記のようにして形成さ
れたフィルター構造によって、ゴミや異物がインクと共
にオリフィス方向へ流入しても、中に設けたフィルター
部20によって完全にトラップされ、吐出に影響を与え
る流路や、さらに肝心なオリフィスへ到達することがで
きないため、ゴミ・異物の詰りによる不吐出といった不
都合な問題の発生を極く低く抑えることが可能となる。
【0059】また、従来例のように、オリフィス近傍に
フィラーがないため、吐出パワーをロスしたり、あるい
は吐出方向がズレてしまい正規の着弾位置に達しないと
いった不良も発生しない。
【0060】従って、良好な印字品位の持続するインク
ジェット記録ヘッドを提供することが可能になり、また
製造工程における不良率も低減することができるという
効果も併せ奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録ヘッドのカー
トリッヂを示す全体斜視図。
【図2】本発明に係るエキシマレーザーによる加工の説
明図。
【図3】本発明の第1の実施例に用いた基板(ヒーター
ボード)の平面図。(但し、(A)は基板の全体図、
(B)は部分拡大図を示す。)
【図4】本発明の第1の実施例における天板を示す断面
図。(但し、(a)はフィルター部連通前の状態、
(b)は連通後の状態をそれぞれ示す。)
【図5】図3に示すヒーターボードと図4に示す天板を
接合して構成されるインクジェット記録ヘッドの斜視
図。
【図6】当該ヘッドが搭載されるインクジェットプリン
ターの一例を示す図。
【図7】本発明の第2の実施例における天板を示す説明
図。
【図8】本発明の第3の実施例における天板を示す説明
図。
【図9】従来例をにおける天板のオリフィス−フィルタ
ー部を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 レーザー発振装置 2 レーザービーム 3 収光レンズ 4 マスク 8 基板(ヒーターボード) 10 オリフィスプレート 11 オリフィス 13 光軸 14 インク流路 15 吐出ヒーター 16 フィラー 17 共通液室 18 インク供給口 20 フィルター部 21 ゴミ・異物 51 キャリッジ 66 ケーブル 67 キャリッジモータ 68 記録媒体 69 プラテン 70 プラテンローラ 71 シャフト 72 ワイヤ 80 カートリッジ 81 押え部材 90 天板 91 フィラーのない天板構成部 92 フィラーのある天板構成部 93 エキシマ光照射域 101 ヒーターボード基体 102 温度センサ 103 吐出ヒーター部 104 端子 108 保温ヒーター 300,800 蓋 600 サブインクタンク 1000 カートリッジ本体 1100 蓋部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の吐出圧発生部を有する基板と、複
    数の吐出口、該吐出口に連通するインク流路となるべき
    溝部、及び前記インク流路の各々に連通する共通液室部
    を構成する凹部、さらに該共通液室部に連通するインク
    供給口から構成される溝付部材とを具備し、前記基板と
    溝付部材を接合することによって各々の吐出圧発生部に
    対してインク流路が形成されたインクジェット記録ヘッ
    ドを製造する方法において、前記溝付部材の供給口から
    インク流路までの間の少なくとも一部に、インク中の異
    物を除去するためのフィルター部を溝付部材の構成材料
    と一体的に形成し、且つ該フィルター部にレーザー光照
    射による樹脂の除去工程を用いることによりフィルター
    を形成することを特徴とするインクジェット記録ヘッド
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記フィルター部の構成として石英のフ
    ィラー、エキシマレーザー光を透過する樹脂のフィラ
    ー、又はガラス繊維を含むフィルター部形成用の樹脂
    と、フィルター部以外のフィラーを含まない樹脂とを同
    時的あるいは隔時的に一体的に成形し、且つ成形時にフ
    ィルター部となる樹脂によりインク供給路からインク流
    路までの間の少くとも一部がおおむね流体的に閉部とな
    る部分を形成する工程、及びフィラーを含む部分の少く
    とも一部に対してエキシマレーザー光を照射して樹脂部
    分を溶融除去し残存するフィラーにより複数の開口部
    (穴部)を形成してフィルターとなす工程、から成るこ
    とを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録ヘッ
    ドの製造方法。
  3. 【請求項3】 インクジェット記録用の記録ヘッドが、
    請求項1又は2記載のインクジェット記録ヘッドの製造
    方法によるものである、インクジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 インクジェット方式によるインクジェッ
    ト記録装置が、請求項3記載のインクジェット記録ヘッ
    ドを具備するものである、インクジェット記録装置。
JP16465096A 1996-06-25 1996-06-25 インクジェット記録ヘッドの製造方法、該方法による記録ヘッド、及び該ヘッドを具備するインクジェット記録装置 Pending JPH106514A (ja)

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