JPH1062436A - 液体の分注方法とその装置 - Google Patents

液体の分注方法とその装置

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JPH1062436A
JPH1062436A JP22001896A JP22001896A JPH1062436A JP H1062436 A JPH1062436 A JP H1062436A JP 22001896 A JP22001896 A JP 22001896A JP 22001896 A JP22001896 A JP 22001896A JP H1062436 A JPH1062436 A JP H1062436A
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JP22001896A
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Tomoo Saito
智雄 斉藤
Kazunori Soma
和典 相馬
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Fujirebio Inc
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Fujirebio Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体が収容されている容器の大きさにかかわ
らず、既存のピペッターを使用して当該液体を特定の分
注容器に移し替えることのできる液体の分注方法とその
装置を提供する。 【解決手段】 複数の分注チップ3,3・・・を等ピッ
チ間隔で横一列に着脱自在に配設したピペッター2を使
用して液体容器中の液体を他の分注容器に分注するに際
し、前記分注チップ3間のピッチ間隔よりも大きい直径
を有する液体容器8から前記ピペッター2を使用して液
体を採取し、採取した液体を分注チップ3間のピッチ間
隔と同一の直径を有する分注容器9に移し替える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数の分注チッ
プを等ピッチ間隔で横一列に設けたピペッターを使用し
て容器中の液体を分注容器に分注するに際し、分注チッ
プ間のピッチ間隔よりも大きい直径を有する容器から液
体を他の分注容器に移し替えることができる液体の分注
方法とその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば、ヒト免疫不全ウイルス、B型
又はC型肝炎などの検査に際しては、被測定者から得た
血液などの液体を収容した所定の径と長さを有する試験
管などからなる液体容器の複数を、ラック部材の縦及び
横方向に一定間隔で形成された保持孔にそれぞれ挿入し
て保持し、該ラック部材の横方向に整列する複数の液体
容器中の液体をそれぞれピペッターの分注チップによっ
て吸引したのち、吸引した液体をマイクロプレートから
なる分注容器の横一列に配設された全てのウエルに一度
に吐出する操作を繰り返し、しかるのち、各ウエル内に
おいて液体を希釈し、検査試薬を滴下し、攪拌混合して
抗体又は抗原の有無を定性的又は定量的に測定してい
る。
【0003】かゝる免疫学的測定に際して使用される分
注装置は、前記のように液体容器中の液体を吸引・吐出
するためのノズル部材からなる分注チップの複数を横一
列状態で保持したピペッターと、液体容器の多数を保持
するための保持孔を縦及び横方向に一定間隔で形成した
ラック部材と、前記ピペッターで吸引された液体を受け
入れ、液体中に特定の抗原又は抗体が含まれているか否
かの反応を行わせる分注容器と、液体の吸引・吐出毎に
交換される分注チップを整列状態で保持するチップラッ
クとから構成されている。
【0004】しかして、この分注装置21におけるピペ
ッター22は、図5に示すように12本の分注チップ2
3,23,・・・を9mmのピッチ間隔で横一列に取り
替え自在に配設したものである。したがって、ラック部
材24における液体容器を保持するための保持孔25,
25・・・も、分注容器26を形成するウエル27も、
前記ピペッター22の分注チップ23,23間のピッチ
間隔と同一の9mmピッチの間隔で横一列に配設され、
縦方向にも基本的には9mmの等ピッチ間隔で複数列形
成されている。なお、ピペッターの分注チップは一般的
には8〜12本である。
【0005】また、この分注装置に使用する液体容器は
一般的に直径が9mmφの試験管であるため、ラック部
材に形成される保持孔の内径は、前記液体容器の外径と
ほぼ一致するよう設定され、前記分注チップの間隔であ
るピッチ9mmに対応して横一列に配される保持孔の間
隔も各保持孔の中心と中心との間が9mmとなるように
設けられている。なお、この液体容器は前記したように
通常直径が9mmのものが一般的であるが、真空採血管
のように直径が13.2mmφのような大きな液体容器
も使用されることがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記分注装置におい
て、液体を特定の液体容器から他の分注容器に分注する
ためのピペッターはきわめて高価なものである。したが
って、従前の分注装置はピペッターに着脱自在に設ける
分注チップの横方向における間隔であるピッチ9mmを
基準としてラック部材の保持孔や分注容器を構成するウ
エルの大きさ(直径)も決定されている。その結果、ラ
ック部材に形成される保持孔の横の間隔も中心部間が9
mmで、かつ汎用の液体容器の直径もほぼ9mmである
ため、隣接する保持孔間の間隔が非常に狭く、しかも各
液体容器の外周面には被測定者を識別するための記号等
を記載した識別ラベルが貼着されているので、ラック部
材への液体容器への挿入保持操作を慎重に行う必要上時
間を要し、ラック部材中に各液体容器が正常に保持され
ていない場合には分注チップで検査すべき液体を確実に
吸引することができず、測定に支障をきたすおそれがあ
るなどの問題がある。
【0007】一方、検査すべき液体が直径9mmφを超
えた前記13.2mmφなどのような大きな径の液体容
器に収容されている場合には、一般的なラック部材に液
体容器を保持することができないので、検査に際して収
容されている液体を分注装置を構成するピペッターが使
用することのできる9mmφの液体容器に一旦移替える
ことになる。しかしながら、この移し替え操作はきわめ
て煩瑣で、検査のための時間もかゝる。
【0008】これに対して、この大きな液体容器を保持
することができるような大きなピッチの保持孔を設けた
ラック部材を使用することも考えられるが、これには既
に汎用されている公知のピペッターは使用できない。そ
のため、分注チップのピッチ間隔を可変とした高価なピ
ッチ可変ピペッターを用いるか、あるいは単一の分注チ
ップを備えたピペッターにより1本づつ分注するかのい
ずれかの手段によらざるを得ず、いずれにしても経済
的、時間的および能率上に多大な制約を受けることを余
儀なくされる。
【0009】この発明はかゝる現状に鑑み、液体が収容
されている容器の大きさにかかわらず既存のピペッター
を使用して当該液体を特定の分注容器に簡単かつ容易に
移し替えることができる液体の分注方法と、該分注方法
に使用する分注装置を提供せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、この発明の請求項1に記載の発明は、複数の分注
チップを等ピッチ間隔で横一列に着脱自在に配設したピ
ペッターを使用して液体容器中の液体を他の分注容器に
分注するに際し、前記分注チップ間のピッチ間隔よりも
大きい直径を有する液体容器から前記ピペッターを使用
して液体を採取し、採取した液体を分注チップ間のピッ
チ間隔と同一の直径を有する分注容器に移し替えること
を特徴とする液体の分注方法である。
【0011】また、請求項5に記載の発明は、複数の分
注チップを等ピッチ間隔で横一列に着脱自在に配設した
ピペッターを使用して液体容器中の液体を他の分注容器
に分注するに際し、前記分注チップ間のピッチ間隔より
も大きい直径を有する液体容器を、前記ピペッターの奇
数番号位置の分注チップと対応する前列と、偶数番号位
置の分注チップと対応する後列とに配置して一対とし、
これら一対の前列と後列からなる液体容器を交互に縦方
向に複数列配置し、まず、前記奇数番号位置の分注チッ
プを使用して前列の液体容器から液体を採取し、採取し
た液体を前記ピペッターの分注チップ間のピッチ間隔と
同一の直径を有するウエルを前記ピッチ間隔と同一ピッ
チ間隔で横一列に複数配置し、かつこれを縦方向に複数
列配置して形成した分注容器の同一列の一つ置きのウエ
ルに吐出し、ついで、偶数番号位置の分注チップによっ
て後列の液体容器から液体を採取したのち、同列の一つ
置きの空のウエルに吐出し、同列のウエルの全てに液体
を移し替えることを特徴とする液体の分注方法である。
【0012】また、請求項6に記載の発明は、複数の分
注チップを所定のピッチ間隔で横一列に設けてなるピペ
ッターと、該ピペッターの分注チップのピッチ間隔と同
一のピッチ間隔で液体を収容した液体容器を保持するた
めの保持孔及び前記分注チップによる空吸いのための小
孔とを交互に横一列に設けて形成した前列に対して所定
の間隔を存して前列の保持孔と小孔の位置とが互いに対
称となるよう設けた後列を一対とし、これら一対の前列
と後列とを交互に縦方向に複数列設けたラック部材と、
前記ピペッターの分注チップの数と対応するウエルを横
一列とし、これを縦方向に複数列設けた分注容器とから
なる分注装置を使用し、まず、ラック部材に保持された
前列の液体容器中の液体をそれぞれ対応する分注チップ
で吸引すると同時に、同列の小孔に対応する分注チップ
は空吸いさせたのち、分注チップによって吸引した前列
の液体を前記分注容器の一つ置きのウエル内に吐出し、
ついで後列の液体容器中の液体をそれぞれ対応する分注
チップで吸引すると同時に、同列の小孔に対応する分注
チップは空吸いさせ、分注チップによって吸引した後列
の液体を前記分注容器の同列の一つ置きの空のウエル内
に吐出し、同列の各ウエルに液体を2段階操作によって
分注することを特徴とする液体の分注方法である。
【0013】この発明の液体の分注装置の一つは、複数
の分注チップを所定のピッチ間隔で横一列に着脱自在に
配設してなるピペッターと、前記分注チップ間のピッチ
間隔よりも大きい直径を有する液体容器を、前記ピペッ
ターの奇数番号位置の分注チップと対応する前列と、偶
数番号位置の分注チップと対応する後列とに配置して一
対とし、これら一対の前列と後列からなる液体容器を交
互に縦方向に複数列配置することのできるラック部材
と、前記ピペッターの分注チップ間のピッチ間隔と同一
の直径を有するウエルを前記ピッチ間隔と同一ピッチ間
隔で横一列に複数配置した分注容器とから構成したこと
を特徴とする液体の分注装置である。
【0014】さらに、この発明の液体の分注装置の一つ
は、複数の分注チップを所定のピッチ間隔で横一列に配
設してなるピペッターと、該ピペッターの分注チップの
ピッチ間隔と同一の間隔で、前記ピッチ間隔よりも大き
い直径の液体容器を保持するための保持孔と前記分注チ
ップによる空吸いのための小孔とを交互に横一列に設け
た前列に対し、所定の間隔を存して前記前列の保持孔と
小孔の位置が互いに対称となるよう設けた後列を一対と
し、これら一対の前列と後列を交互に縦方向に複数列配
置した液体容器を保持するためのラック部材と、前記ピ
ペッターの分注チップ間のピッチ間隔と同一の直径を有
するウエルを前記ピッチ間隔と同一ピッチ間隔で横一列
に複数配置した分注容器とから構成したことを特徴とす
る液体の分注装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】この発明における液体の分注は、
複数の分注チップを等ピッチ間隔で横一列に着脱自在に
配設したピペッターを使用して行うもので、液体を収容
する液体容器は、前記分注チップ間のピッチ間隔よりも
大きい直径を有し、該液体容器から前記ピペッターを使
用して採取した液体を、前記分注チップ間のピッチ間隔
とほぼ同一の直径を有するウエルの多数を縦及び横方向
に多数配設した分注容器のウエルに移し替えるものであ
る。
【0016】液体容器に収容された液体を分注容器の各
ウエルに分注するためのピペッターは、ノズル部材から
なる分注チップの8〜12個を横一列に等ピッチ間隔
(一般的には9mmピッチ)で設けた既存のピペッター
であって、免疫測定などに使用する分注チップは血液な
どの液体を一度吸引して吐出したものは新しい分注チッ
プと交換するため、ピペッターには交換のための分注チ
ップを保持するためのチップラックが具備されている
が、分注チップの交換を必要としない液体の場合にはチ
ップラックは必ずしも必要としない。
【0017】移し替えんとする液体を収容した液体容器
は、使用せんとするピペッターに横一列に配設された分
注チップ間のピッチ間隔よりも大きな直径を有するもの
であるが、その直径は少なくとも分注チップ間のピッチ
間隔の2倍未満である。液体容器の直径が分注チップ間
のピッチ間隔の2倍を超えてもピペッターの使用は可能
あるが、分注チップによる液体の採取に際して、隣接す
る分注チップが液体容器中に挿入されることになるので
好ましくない。
【0018】既に述べたように、液体の分注に使用する
ピペッターの分注チップ間のピッチ間隔が9mmである
とすると、基本的には液体容器を分注チップと同数だけ
横一列に配列しようとすると、直径が9mm以上の液体
容器は使用できない。この発明においては、既存のペピ
ッターを使用して、この既存のピペッターの分注チップ
間のピッチ間隔である9mm以上の直径を有する液体容
器を使用するため、従前のように等ピッチ間隔で横一列
に配設された分注チップを同時に使用せず、一つ置きの
分注チップを使用することによって分注チップ間のピッ
チ間隔よりも大きな直径を有する液体容器の使用を可能
としたものである。
【0019】より具体的に述べると、使用するピペッタ
ーの分注チップ間が9mmの等ピッチであるとすると、
ラック部材の液体容器を保持するための保持孔の径を一
つ置き、たとえば、分注チップの偶数番号に対応する保
持孔(以下、「小孔」という)の径を9mm以下、もし
くは分注チップの先端部が挿入できる程度の径とする
か、あるいは無くすことによってピペッターの分注チッ
プの奇数番号に対応する保持孔の径を9mm以上、18
mm未満とすることによって大きな直径の液体容器の使
用を可能としている。
【0020】今、ピペッターの分注チップ間のピッチを
p、ラック部材に形成する保持孔の内径の半径をR、小
孔の半径をr、保持孔の外周縁と小孔の外周縁との間に
形成される隙間をcとすると、p=R+r+c=9mm
(但し、r及びcは0であってもよい。)の関係が成立
する。この関係式によって、図3及び図4に示すよう
に、偶数番号に対応する分注チップの先端部を受け入れ
空吸いさせるための小孔7のrを最小必要限度において
小さく設定すると、奇数番号の分注チップに対応する保
持孔6のRを従来の4.5mmよりも大きく設定するこ
とができる。よって、小孔のrを1mmとすれば、保持
孔のRを8mmとできるため、検体容器の外径が16m
mφのものを使用することもできる。したがって、従来
では通常使用される9mmφの検体容器に一旦移替えを
必要とした13.2mmφの真空採血管であっても、分
注チップ間が9mmのピペッターで十分に対応すること
ができる。
【0021】かゝる液体容器は、使用に際してはラック
部材に保持される。このラック部材は、保持せんとする
液体容器の外径とほぼ等しい内径を有する保持孔を前列
は分注チップの奇数番号と対応する位置に、後列は偶数
番号と対応する位置にそれぞれ横方向に等間隔で設け、
この前列と後列を一対として縦方向に複数列配設したも
のである。なお、前列の保持孔間の偶数番号の分注チッ
プに対応する位置には、偶数番号の分注チップの先端部
が挿入し得る小孔が、また、後列の保持孔間の奇数番号
の分注チップに対応する位置には、奇数番号の分注チッ
プの先端部が挿入し得る小孔が等ピッチ間隔で設けるも
のである。したがって、前列と後列とは共に保持孔と小
孔が互いに等ピッチで配置され、前列と後列の保持孔と
小孔は互いに対称位置に配列されている。
【0022】液体容器中の液体を分注するための分注容
器は、ピペッターの分注チップ間のピッチ間隔とほぼ同
一の直径を有するウエルを横及び縦方向に多数配設した
ものであって、分注チップのピッチが9mmで8連のも
のであれば、9mmのピッチでウエルを横一列に8個設
けたものを使用し、12連であれば横一列に12個のウ
エルを設けた公知のマイクロプレートを使用することが
できる。
【0023】液体容器に収容された液体を分注容器に分
注するには、まずラック部材に液体容器をすべて挿入保
持させたのち、ピペッターを前列の上方に位置させ、し
かるのち、自動又は手動によって分注チップを下降させ
ると、液体容器上の分注チップの先端部は液体容器内に
挿入されるが、小孔上に位置する分注チップはその先端
部が小孔内にガイドされるにすぎず、この状態でピペッ
ターを作動させると、液体容器内に先端部が挿入した分
注チップは液体を吸い上げるが、小孔に対応する分注チ
ップは空吸い状態となる。
【0024】しかして、一つ置きの分注チップに液体容
器中の液体が吸い上げられると、分注チップを上方に持
ち上げ、かつピペッターを分注容器上に移動させ、所要
のウエル上に停止させたのち、分注チップを下降させ液
体を一つ置きのウエル内に吐出させる。このとき、空吸
いした分注チップに対応するウエル内には液体は吐出さ
れることがない。
【0025】ついで、ピペッターを作動させて後列上に
分注チップを移動させたのち、前記の操作を繰り返す
と、前回空吸いした分注チップに液体容器中の液体が吸
い上げられ、液体を吐出した分注チップは空吸いとな
る。しかるのち、ピペッターを作動させて前回操作で液
体を吐出したウエル上に分注チップを移動させ、分注チ
ップから液体を吐出させると、同列の各ウエル内にはす
べて液体容器中の液体が分注される。爾後も同様の操作
をすることによって前列と後列を一単位とする液体を2
段階操作によって分注容器の同列のウエル内に分注する
ことができる。なお、この分注操作は、好ましくは所定
のプログラムに従ってピペッターを自動操作し、分注容
器のすべてのウエル内に検体を吐出することが望まし
い。
【0026】
【作用】この発明の液体の分注方法は、複数の分注チッ
プを等ピッチ間隔で横一列に配設したピペッターによっ
て、最大で前記分注チップ間のピッチ間隔のほぼ2倍の
直径を有する液体容器から液体を採取して分注すること
ができる。また、この発明の分注装置は、分注装置を構
成するラック部材を液体を収容する液体容器の大きさに
合わせて取り替えることによって、分注装置を構成する
ピベッターに合わせて液体を一旦他の検体容器に移替え
ることなく分注することができる。
【0027】
【実施例】以下、この発明の液体の分注方法及びその装
置を、被測定者から得た血液を検査対象とする免疫学的
測定法に適用した場合について説明する。実施例におけ
る分注装置1は、図1に示すように血液を収容した液体
容器8を整列状態で保持するためのラック部材5と、該
ラック部材5の前方に配置される液体分注用のマイクロ
プレートからなる分注容器9と、これらラック部材5及
び分注容器9の上方を水平移動し、かつラック部材5と
分注容器9上において上下動するピペッター2とで構成
されている。
【0028】分注装置1を構成するピペッター2は、基
端部から先端部に向けて縮径するノズル部材からなる8
〜12本(図1においては12本)の分注チップ3を9
mmの等ピッチ間隔で横一列に着脱自在に保持するもの
で、所定のプログラムによって制御され上下動と水平移
動を行う。
【0029】このピペッター2は図1及び図2に示すよ
うに、液体容器8中の血液を分注チップ3によって吸い
上げて分注容器9に分注すると新しい分注チップと交換
されるため、予備の分注チップを横一列でかつ縦方向に
多数収容することのできるチップラック4を具備してい
る。
【0030】分注せんとする血液の入った液体容器8は
ラック部材5に保持されている。このラック部材5は、
前記分注チップ3,3・・・に対応させて液体容器8を
保持する保持孔6を形成するに際し、図1及び図2に示
すように半径Rが6mmの保持孔6を一つ置きに横一列
に18mmのピッチ間隔で6個設けると共に、各保持孔
6,6間の中央に前記分注チップ3の先端部を挿入する
ことができる程度の大きさとなるよう半径rが1mmの
小孔7を計6個設けて前列Xとし、この前列Xと縦方向
(図においてはいずれも後方)において所定の間隔(実
施例においては9mmピッチ)を存して、前記前列Xに
おける保持孔6及び小孔7の位置が対称となるように保
持孔6と小孔7を交互に横一列で設けて後列Yとし、こ
れら前列X及び後列Yを一対として前列Xと後列Yとを
縦方向に交互に計7対(前列、後列共に7列づつ)所定
の間隔(9mmピッチ)を存して形成したもので、液体
容器8を保持する保持孔6は計42個設けられている。
なお、小孔7も同様に42個形成されている。
【0031】したがって、保持孔6と小孔7とのピッチ
間隔も前列X及び後列Yもいずれも9mmとなり、これ
ら横一列の保持孔6と小孔7の交互の配列によるピッチ
間隔は、前記ピペッター2に横一列に9mmピッチで配
設された分注チップ3と対応することになる。その結
果、ガタつきなく保持でき、しかも保持孔への着脱性を
考慮すると、直径が約10〜11.5mmφの液体容器
8を42本、ラック部材5に保持して測定することが可
能となる。
【0032】一方、血液を液体容器8から分注する分注
容器9は、上面に液体容器8中の血液を分注チップ3に
よって受け入れることのできる半球状の凹部からなるウ
エル10,10・・・を前記12本の分注チップ3に対
応させて横一列に12個を9mmピッチで設けると共
に、縦方向に7列の計84個設けたものである。
【0033】かゝる構成の分注装置1を使用しての測定
は以下の手順で行われる。 1)被測定者から得た血液を収容した試験管からなる液
体容器8,8・・・をそれぞれラック部材5の保持孔
6,6・・・・に挿入してセットする。 2)チップラック4に保持されている第1列目の分注チ
ップ3,3,3・・・をピペッター2に取り付ける。 3)ピペッター2をラック部材5の図の左端の第1列目
の前列X上に移動させたのち、ピペッター2を下降させ
各分注チップ3の先端を血液を吸い上げることができる
よう液体容器8中に挿入する。その際、液体容器8は第
1番目から一つ置きに計6個保持されているので、図2
における検体番号1,3,5,7,9,11に対応する
分注チップ3のみが液体容器8中に挿入され、他の分注
チップ3,3・・は各保持孔6,6間に形成された小孔
7に対応しているにすぎない。 4)この状態でピペッター2を作動して吸い上げを行う
と、保持部6に保持された液体容器8に入れられている
図2の検体番号1,3,5,7,9および11の血液の
みを分注チップ3,3,3・・・によって吸い上げる。
このとき第1列目の小孔7に対応する各分注チップ3,
3・・は空吸いを行う。 5)分注チップによる第1番目の前列Xの液体容器8中
の検体液の吸い上げが終了すると、ピペッター2の上昇
と水平移動によって分注容器9の第1列目のウエル1
0,10,10・・・位置に移動させ、一つ置きのウエ
ル10内に検体液を吐出する。 6)ついで、ピペッター2をラック部材5側に戻し、ラ
ック部材5の第2列目(後列Y)上にセットし、前記
3)の操作と同様にして保持部6に保持された液体容器
8中の検体番号2,4,6,8,10,12の血液を対
応する分注チップ3,3,3・・・で吸引する。このと
き、後列Yの小孔7に対応する分注チップ3,3・・は
前記と同様に空吸いの動作を行う。 7)後列Yの液体容器8中の検体液の吸引が終わると、
ピペッター2の上昇と水平移動によって分注容器9の第
1列目のウエル10,10,10・・上に移動させ、前
回の操作によって残された1つ置きの空のウエル10内
に検体液を吐出する。これによって分注容器9の第1列
目のすべてのウエル10,10・・・内への前列Y及び
後列Yに保持された液体容器8中の血液の分注が終了す
る。 8)前記7)の操作が終わると、ピペッター2をチップ
ラック4上に戻し、全ての分注チップ3,3・・・を取
外したのち、チップラック4の第1列目に準備された分
注チップをそれぞれ装填する。 9)前記(2)〜(8)の操作をラック部材5の第3列
目(前列)と第4列目(後列)について行い、分注容器
9の第2列目のウエル10の全部に検体を吐出し、以後
第5,6列以降の液体容器についても同様の操作を行
う。
【0034】なお、この発明においては、被測定者から
得た血液を検査対象とする免疫学的測定法に適用した場
合について説明したが、分注せんとする液体は血液以外
のものであってもよいことは勿論で、その用途に特別な
限定はない。
【0035】
【発明の効果】この発明の液体の分注方法は、複数の分
注チップを等ピッチ間隔で横一列に設けたピペッターを
使用して分注チップ間のピッチ間隔よりも大きい直径を
有する容器から液体を他の分注容器に簡単かつ容易に移
し替えることができる。
【0036】特に、ピペッターに所定のピッチ間隔で配
設される分注チップに対応させて、該分注チップと同じ
ピッチ間隔で測定せんとする液体を収容した液体容器を
保持するための保持孔と、空吸いのための小孔を交互に
横一列に設けて前列とし、該前列と縦方向において所定
の間隔を存して保持孔と小孔が対称となるよう交互に横
一列に設けた後列とを一対とし、これら一対の前列と後
列を交互に複数設けたラック部材を使用することによっ
て、分注せんとする液体を収容した液体容器の保持に適
したラック部材を選択するというきわめて簡単な手段に
よって、高価なピペッターを別途使用することなく、一
つのピペッターで液体容器の大きさにかかわらず液体を
液体容器から分注容器に効率的に分注することができ
る。
【0037】この発明の分注装置は、分注装置を構成す
るピペッターに設けられた分注チップのピッチ間隔に対
応して検体容器を保持するための保持孔と空吸いを行う
分注チップのための小孔を交互に横一列に設けて前列と
し、該前列と所定の間隔を存し、かつ前列の保持孔と小
孔の位置が対称となるように横一列に設けた後列を一対
とし、これら前列と後列を縦方向に交互に配列させて構
成したラック部材を使用するため、分注チップ間のピッ
チ間隔を変更することなく、一つのピペッターによって
サイズの異なる液体容器であっても収容された液体を分
注容器に分注させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の分注方法に使用する分注装置の斜視
図である。
【図2】図1における分注装置による分注方法を示す説
明図である。
【図3】この発明のラック部材の保持孔と小孔の関係を
示す説明図である。
【図4】この発明の他のラック部材の保持部と小孔の関
係を示す説明図である。
【図5】従来の分注装置におけるピペッターとラック部
材及び分注容器との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 分注装置 2 ピペッター 3 分注チップ 4 チップラック 5 ラック部材 6 保持孔 7 小孔 8 液体容器 9 分注容器 10 ウエル

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の分注チップを等ピッチ間隔で横一
    列に着脱自在に配設したピペッターを使用して液体容器
    中の液体を他の分注容器に分注するに際し、前記分注チ
    ップ間のピッチ間隔よりも大きい直径を有する液体容器
    から前記ピペッターを使用して液体を採取し、採取した
    液体を分注チップ間のピッチ間隔と同一の直径を有する
    分注容器に移し替えることを特徴とする液体の分注方
    法。
  2. 【請求項2】 前記液体容器は、前記ピペッターの分注
    チップ間のピッチ間隔よりも大きく、かつピッチ間隔よ
    りも2倍未満の直径を有するものであることを特徴とす
    る請求項1記載の液体の分注方法。
  3. 【請求項3】 前記液体容器は、前記ピペッターの奇数
    番号位置の分注チップと対応する前列と、偶数番号位置
    の分注チップと対応する後列とを一対とし、これら一対
    の前列と後列を交互に縦方向に複数列配置されているこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の液体の分注方法。
  4. 【請求項4】 前記分注容器は、前記ピペッターの分注
    チップ間のピッチ間隔と同一の直径を有するウエルを前
    記ピッチ間隔と同一ピッチ間隔で横一列に複数配置し、
    かつ縦方向に複数列配置されていることを特徴とする請
    求項1記載の液体の分注方法。
  5. 【請求項5】 複数の分注チップを等ピッチ間隔で横一
    列に着脱自在に配設したピペッターを使用して液体容器
    中の液体を他の分注容器に分注するに際し、前記分注チ
    ップ間のピッチ間隔よりも大きい直径を有する液体容器
    を、前記ピペッターの奇数番号位置の分注チップと対応
    する前列と、偶数番号位置の分注チップと対応する後列
    とに配置して一対とし、これら一対の前列と後列からな
    る液体容器を交互に縦方向に複数列配置し、まず、前記
    奇数番号位置の分注チップを使用して前列の液体容器か
    ら液体を採取し、採取した液体を前記ピペッターの分注
    チップ間のピッチ間隔と同一の直径を有するウエルを前
    記ピッチ間隔と同一ピッチ間隔で横一列に複数配置し、
    かつこれを縦方向に複数列配置して形成した分注容器の
    同一列の一つ置きのウエルに吐出し、ついで、偶数番号
    位置の分注チップによって後列の液体容器から液体を採
    取したのち、同列の一つ置きの空のウエルに吐出し、同
    列のウエルの全てに液体を移し替えることを特徴とする
    液体の分注方法。
  6. 【請求項6】 複数の分注チップを所定のピッチ間隔で
    横一列に設けてなるピペッターと、該ピペッターの分注
    チップのピッチ間隔と同一のピッチ間隔で液体を収容し
    た液体容器を保持するための保持孔及び前記分注チップ
    による空吸いのための小孔とを交互に横一列に設けて形
    成した前列に対して所定の間隔を存して前列の保持孔と
    小孔の位置とが互いに対称となるよう設けた後列を一対
    とし、これら一対の前列と後列とを交互に縦方向に複数
    列設けたラック部材と、前記ピペッターの分注チップの
    数と対応するウエルを横一列とし、これを縦方向に複数
    列設けた分注容器とからなる分注装置を使用し、まず、
    ラック部材に保持された前列の液体容器中の液体をそれ
    ぞれ対応する分注チップで吸引すると同時に、同列の小
    孔に対応する分注チップは空吸いさせたのち、分注チッ
    プによって吸引した前列の液体を前記分注容器の一つ置
    きのウエル内に吐出し、ついで後列の液体容器中の液体
    をそれぞれ対応する分注チップで吸引すると同時に、同
    列の小孔に対応する分注チップは空吸いさせ、分注チッ
    プによって吸引した後列の液体を前記分注容器の同列の
    一つ置きの空のウエル内に吐出し、同列の各ウエルに液
    体を2段階操作によって分注することを特徴とする液体
    の分注方法。
  7. 【請求項7】 複数の分注チップを所定のピッチ間隔で
    横一列に着脱自在に配設してなるピペッターと、前記分
    注チップ間のピッチ間隔よりも大きい直径を有する液体
    容器を、前記ピペッターの奇数番号位置の分注チップと
    対応する前列と、偶数番号位置の分注チップと対応する
    後列とに配置して一対とし、これら一対の前列と後列か
    らなる液体容器を交互に縦方向に複数列配置することの
    できるラック部材と、前記ピペッターの分注チップ間の
    ピッチ間隔と同一の直径を有するウエルを前記ピッチ間
    隔と同一ピッチ間隔で横一列に複数配置した分注容器と
    から構成したことを特徴とする液体の分注装置。
  8. 【請求項8】 複数の分注チップを所定のピッチ間隔で
    横一列に配設してなるピペッターと、該ピペッターの分
    注チップのピッチ間隔と同一の間隔で、前記ピッチ間隔
    よりも大きい直径の液体容器を保持するための保持孔と
    前記分注チップによる空吸いのための小孔とを交互に横
    一列に設けた前列に対し、所定の間隔を存して前記前列
    の保持孔と小孔の位置が互いに対称となるよう設けた後
    列を一対とし、これら一対の前列と後列を交互に縦方向
    に複数列配置した液体容器を保持するためのラック部材
    と、前記ピペッターの分注チップ間のピッチ間隔と同一
    の直径を有するウエルを前記ピッチ間隔と同一ピッチ間
    隔で横一列に複数配置した分注容器とから構成したこと
    を特徴とする液体の分注装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005512023A (ja) * 2001-09-21 2005-04-28 アクセス ジェネティックス エルエルシー 遠隔遺伝子分析及び診察用のシステム、方法及びキット
JP2011501190A (ja) * 2007-10-24 2011-01-06 バイオマーカー ストラテジーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー 細胞分析の進歩した方法および装置
JP2014224750A (ja) * 2013-05-16 2014-12-04 バイオテック株式会社 検体処理装置用トレー

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