JPH1062144A - クランク軸形状測定方法および装置 - Google Patents

クランク軸形状測定方法および装置

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JPH1062144A
JPH1062144A JP8232544A JP23254496A JPH1062144A JP H1062144 A JPH1062144 A JP H1062144A JP 8232544 A JP8232544 A JP 8232544A JP 23254496 A JP23254496 A JP 23254496A JP H1062144 A JPH1062144 A JP H1062144A
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JP
Japan
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shape
points
crankshaft
measured
measurement
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JP8232544A
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English (en)
Inventor
Tomoaki Yamamoto
知明 山本
Tomonori Inui
友紀 乾
Naoki Yano
直樹 矢野
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クランク軸の欠肉等の形状欠陥を高精度かつ
短時間に定量化して合否判定する。 【解決手段】 基準形状に対してその中の少なくとも形
状欠陥の発生しない部位から3つ以上の点を選択し、選
択された点から構成される多角形と幾何学的に形状が同
一な多角形を構成する同数の点を計測された測定形状か
ら検出し、多角形が重なり合うように基準形状と測定形
状を重ね合わせ、基準形状と測定形状を比較して形状欠
陥を検査することにより、欠肉等の形状欠陥を自動的に
短時間かつ高精度に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車エンジン
等に用いられるクランク軸を製造工程で検査するための
形状測定方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジン等に用いられるクランク
軸は、鍛造プレス等により製造される。例えば、図13
に示すとおり、4気筒クランク軸101は、回転基準位
置から所定角度位置となるように回転中心軸に沿って設
けられたコネクティングロッドを取付けるための複数の
ピン102および回転バランスを取るためのカウンタウ
エイト103と、ジャーナル104とから構成されてい
る。
【0003】ジャーナル104の断面形状は、図14に
示すとおり、クランク軸101の中心線を中心とする同
心円であり、ピン102の断面形状は、クランク軸10
1の中心線から離間した中心位置を有する円であり、カ
ウンタウエイト103の断面形状は、ほぼ扇形である。
【0004】このようなクランク軸は、素材寸法変動、
材料温度変動や鍛造操業変動等により製造されるクラン
ク軸の品質に変動が発生することがある。このため、ク
ランク軸の製造ラインでは、最終工程の前にクランク軸
の実形状を基準形状と比較し、クランク軸の合否を決定
している。
【0005】従来のクランク軸形状を検査する方法とし
ては、ピンおよびカウンタウェイトの基準形状に合致す
るように形成された板ゲージを、製品クランク軸の検査
するピンおよびカウンタウエイトにそれぞれ合わせて、
それぞれの板ゲージとピンおよびカウンタウエイトとの
隙間をスケールで測定し、形状誤差が許容範囲内であれ
ば、クランク軸を合格と判定するものであった。
【0006】上記の方法は、ピンおよびカウンタウエイ
トの基準形状に合致するように形成された板ゲージを用
い、オペレータの作業により行われるので、検査精度に
個人差が大きく影響するばかりでなく、多大の時間を要
するという問題点を有していた。
【0007】上記問題点を解消する方法としては、光学
式の変位センサーからの投光によりクランク軸の両端に
設けられた各ジャーナルの外周形状を測定し、外周形状
に基づいて各ジャーナルの軸中心を算出し、各軸中心間
を結ぶ直線をクランク軸の中心線として算出し、変位セ
ンサーの投光軸がクランク軸の中心線に直交するように
クランク軸に設けられたピンおよびカウンタウエイトの
実形状を測定し、メモリに記憶されたピンおよびカウン
タウエイトの基準形状とを比較して、ピンおよびカウン
タウエイトの中心位置ならびに基準位置からの角度位置
を算出し、算出された中心位置および角度位置と、基準
形状に基づく中心位置および角度位置とを比較する方法
および装置(特開平6−265334号公報)が提案さ
れている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】クランク軸の製造にお
いては、図15のように基準形状111に対して形状測
定装置から得られる測定形状112の一部分が欠けてい
る欠肉と称する形状欠陥が発生することがある。このた
め、検査工程では、欠肉等の形状欠陥が発生していない
かを検査しなければならない。
【0009】上記特開平6−265334号公報に開示
の方法および装置は、クランク軸を高精度かつ短時間の
自動検査を目的として、ピンおよびカウンターウエイト
の中心位置や角度位置を算出し、基準形状に基づく中心
位置および角度位置とを比較することにより製品形状の
検査を行うものであって、製品形状の一部分が欠けてい
る欠肉等の形状欠陥による合否判定を行うことはできな
いといった問題があった。
【0010】この発明の目的は、上記従来技術の欠点を
解消し、クランク軸の欠肉等の形状欠陥を高精度かつ短
時間に定量化して合否判定できるクランク軸形状測定方
法および装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1のク
ランク軸形状検査方法は、基準形状に対してその中の少
なくとも形状欠陥の発生しない部位から3つ以上の点を
選択し、選択された点から構成される多角形と幾何学的
に形状が同一な多角形を構成する同数の点を計測された
測定形状から検出し、多角形が重なり合うように基準形
状と測定形状を重ね合わせ、基準形状と測定形状を比較
して形状欠陥を検査することとしている。このように、
基準形状を表現できる代表形状の多角形により重ね合わ
せ処理を行えば、計算処理速度は大幅に低減し、高速な
検査処理が可能となる。
【0012】また、この発明の請求項2のクランク軸検
査装置は、クランク軸の製品形状を測定する計測機器
と、基準形状データを記憶しているメモリと、基準形状
に対してその中の少なくとも形状欠陥の発生しない部位
から3つ以上の点を選択し、選択された点から構成され
る多角形と幾何学的に形状が同一な多角形を構成する同
数の点を、前記計測機器で計測された測定形状から検出
し、多角形が重なり合うように基準形状と測定形状を重
ね合わせ、基準形状と測定形状を比較して合否判定を行
うデータ処理装置とを備えており、欠肉等のクランク軸
形状検査を自動的に短時間かつ高精度に行うことができ
る。さらに、鍛造プレス等の製造ライン上に本装置を設
置してクランク軸の熱間計測を実施する場合には、操業
状況の変動等による形状品質の変化を連続的に、かつ型
打ち直後に把握できるため、早期に操業上の処置を施す
ことにより不良品発生の抑制を行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】製造品のカウンターウエイト形状
が基準形状に対してどれだけ合致しているかは、非接触
の計測機器等を利用して得られた測定形状を基準形状に
重ね合わせれば、定量的に形状欠陥が判定できる。しか
し、測定形状と基準形状を重ね合わせるためには、回転
と平行移動処理をデータ処理装置で行なわなければなら
ず、すべての測定形状点と基準形状点についてその処理
を行うには、膨大な時間を要するため、オンラインでの
適用は困難となる。そこで、この発明では、基準形状を
表現できる代表形状により重ね合わせ処理を行い、計算
処理速度を大幅に低減して高速な検査処理を可能とした
のである。
【0014】以下にこの発明のクランク軸形状測定方法
の詳細をカウンターウエイトの先端部形状の測定を例
に、図8のフローチャートを参照しながら説明する。図
8のステップS1では、カウンターウエイト形状を測定
する。カウンターウエイト形状の測定は、二次元レーザ
ー距離計等の計測機器を使用して行うが、得られたカウ
ンターウエイトの測定形状は、測定時のクランク軸の設
置方法等によりそのままでは基準形状に重ね合わせるこ
とはできず、データ処理装置により測定点を回転あるい
は平行移動させながら、基準形状と重ね合わせて合致し
ない部位を形状欠陥部として判定する。合否を判定する
ためには、カウンターウエイトの測定形状が基準形状に
対して許容範囲であるか判定しなければならず、測定形
状と基準形状を重ね合わせる必要がある。
【0015】ステップS2では、予め記憶された基準形
状の中から欠肉等の形状欠陥の発生しない部位について
少なくても3点以上の点を選択する。一般的に、形状欠
陥の発生しやすい部位は、限定されている場合が多く、
アーム先端付近において形状欠陥が発生しやすい場合に
は、先端部以外の3点を選択すればよい。アーム形状
は、曲率の異なる曲線と曲線あるいは曲線と直線による
連続的な形状をしている。例えば、図9に示すとおり、
基準形状91の中で基準形状91を代表する3点として
a、b、cを選択したとする。測定するカウンターウエ
イトの基準形状91の中で、3点a、b、cから構成さ
れる三角形形状と幾何学的に同一な形状が、基準形状9
1の点dから点eの間で唯一存在すれば、選択された3
点a、b、cは図9のカウンターウエイト形状を代表す
る三角形形状を構成する点として取り扱うことができ
る。
【0016】ステップS3においては、上記3点a、
b、cから構成される三角形abcと幾何学的関係が同
じ三角形を構成する3点を測定形状より検出する。図1
0の測定形状92の3点a’、b’、c’は、測定形状
点の中から以下のいずれかの関係が成立するように検出
したものである。 3辺の長さすべて同じ三角形(ab=a’b’、b
c=b’c’ ca=c’a’)。 2辺の長さが同じでその間の2辺のなす角度が同じ
三角形(例えばab=a’b’、bc=b’c’ ∠a
bc=∠a’b’c’)。 1辺の長さが同じでその両端のなす角度が同じ三角
形(例えばab=a’b’、∠abc=∠a’b’c’
∠cab=∠c’a’b’)。
【0017】測定形状92から検出された3点a’、
b’、c’は、基準形状91から選択された3点a、
b、cと幾何学的に同一な三角形を構成する。ステップ
S4においては、図10に示すとおり、aとa’、bと
b’、cとc’がそれぞれ合致するように回転と平行移
動を行い、基準形状91と測定形状92を重ね合わせ
る。
【0018】ステップS5においては、図10の重ね合
わせた測定形状92の中から基準形状91と合致しない
点を欠陥部分と判断すると共に、欠陥部分と基準形状9
1を比較して予め定めた許容値内であれば、合格と決定
し、予め定めた許容値を超えると不合格と決定する。
【0019】上記説明では、基準形状の中から3点を選
択して三角形を構成して測定形状の中から幾何学的に同
一な三角形を検出したが、三角形を構成する3点を測定
形状の形状欠陥の発生しない中から選択して、その3点
から構成される三角形と幾何学的に同一な三角形を基準
形状から検出して測定形状と基準形状を比較してもよ
い。
【0020】また、カウンターウエイト形状の代表形状
を1つの三角形で表現できない場合、すなわち、基準形
状の中で選択された3点から構成される三角形と幾何学
的に同じ三角形を構成する3点が、上記3点以外にもカ
ウンターウエイトの基準形状の中に存在する場合や、さ
らに測定精度を向上させたい場合には、基準形状の形状
欠陥の発生しない部位から4点以上を選択する。例え
ば、図11に示すとおり、基準形状91の中で形状欠陥
の発生しない部位から4点f、g、h、iを選択し、そ
れらの点f、g、h、iから構成される四角形と幾何学
的に同一な四角形を構成する4点f’、g’、h’、
i’を測定形状92の中から検出する。この場合、選択
された4点f、g、h、iと検出された4点f’、
g’、h’、i’の関係は、4辺の長さが同じ四角形
(fg=f’g’、gh=g’h’、hi=h’i’、
if=i’f’)となる。4点f、g、h、iが平行四
辺形であるときは、上記条件以外に平行な2辺とその2
辺の長さがそれぞれ同じであればよい。さらに、4点が
正方形である場合には、2つの角度が90°でその間の
辺の長さが同じという条件でもよい。このように検出さ
れた4点f’、g’、h’、i’は、基準形状91から
選択された4点f、g、h、iと幾何学的に同一な四角
形を構成するから、図11に示すとおり、それら4点が
それぞれ合致するように基準形状91と測定形状92を
重ね合わせると、測定形状92の中で基準形状91と合
致しない部分が形状欠陥部であると判明する。
【0021】さらに、高精度に測定する場合には、形状
欠陥の発生しない部位より5点以上から構成される多角
形を基準形状から選択し、その多角形と幾何学的に同一
な多角形を構成する点を測定形状点の中から検出する。
それら多角形が合致するように基準形状点と測定形状点
を重ね合わせることによって、測定形状の中で基準形状
と合致しない部分が形状欠陥部であると判明するので、
カウンターウエイトの形状欠陥を検査することができ
る。
【0022】上記測定方法は、基準形状において形状欠
陥の発生しない部位の中から多角形を構成する点を選択
し、その多角形と幾何学的に同一な多角形を構成する点
を測定形状から検出したのち、それら多角形が合致する
ように基準形状と測定形状を重ね合わせる方法を説明し
たが、測定点において形状欠陥の発生しない部位の中か
ら多角形を構成する点を測定形状から選択し、その多角
形と幾何学的に同一な多角形を構成する点を基準形状か
ら検出して、それら多角形が合致するように基準形状と
測定形状を重ね合わせて、測定形状の中で基準形状と合
致しない部分を形状欠陥部として測定することもでき
る。
【0023】さらに、測定精度を上げるためには、基準
形状の中で形状欠陥の発生しない部位から上記のような
多角形を2個以上選択する。選択された2個以上の多角
形と幾何学的に同一な多角形を構成する点を測定形状の
中から検出して、それら多角形を構成するそれぞれの点
を合致させることにより、基準形状と測定形状を重ね合
わせることができ、形状欠陥の定量的な評価が可能とな
る。例えば、3点から構成される3角形を基準形状から
2個選択する場合は、図12のように3点j、k、lと
m、n、oを選択すればよい。そして、2つの三角形j
klと三角形mnoと幾何学的に同一な三角形を構成す
る点を測定形状の中から抽出すればよい。
【0024】上記説明では、カウンターウエイトの断面
形状の判定について説明したが、垂直方向の厚さ方向に
も同様の測定が可能であり、厚さ方向の欠肉等の形状欠
陥の検査も可能である。さらに、この発明方法は、カウ
ンターウエイト以外の基準形状の中で製品形状と基準形
状をマッチングさせる多角形が測定範囲内に唯一存在す
る部位の検査を行う時に適用可能であることは言うまで
もない。
【0025】一般にクランク軸の表面粗度は、大きく、
特にクランク軸にショットブラスト処理や酸洗処理を施
す前に、形状計測を行う場合には酸化スケールの影響に
より基準形状と測定形状を重ね合わせる時には誤差が発
生しやすい。クランク軸の表面凹凸による影響を排除す
るためには、測定形状データにスムージング処理を行う
ことにより高精度に形状検査ができる。
【0026】
【実施例】
実施例1 この発明のクランク軸形状測定装置の詳細を実施の一例
を示す図1、図2に基づいて説明する。図1はこの発明
のクランク軸形状測定装置の概略斜視図、図2は基準形
状と測定形状を重ね合わせた説明図である。
【0027】図1において、1はクランク軸形状測定装
置で、クランク軸2を載置する一対のVブロック3、3
と、クランク軸2のカウンターウエイトのアームを挟み
クランク軸長手方向(X方向)にベッド4に沿って移動
自在に設置したカウンターウエイトのアーム形状を測定
する2台の2次元レーザー距離計からなる形状測定装置
5と、予めクランク軸2の基準形状が入力記憶されてい
る記憶部6と、2台の形状測定装置5から入力されるカ
ウンターウエイトのアーム先端部の各断面の測定形状
と、記憶部6に入力記憶されているクランク軸の基準形
状を重ね合わせて形状検査を行い、クランク軸の合否を
判定するデータ処理装置7とからなる。なお、8は遮熱
箱である。
【0028】外径100mmの丸鋼片を加熱炉で120
0℃まで昇温させた後、ロール加工、曲げ加工、鍛造プ
レスによる荒型、仕上型の型打ちを行い、バリ抜き工程
の後、整形型の型内により得られたクランク軸2を、V
ブロック3、3上へ搬入載置した。そしてカウンターウ
ェイトのアーム先端部について形状の測定を実施した。
クランク軸2のカウンターウェイトのアーム形状の測定
には、前記2台の形状測定装置5を使用し、カウンター
ウエイトのアームを形状測定装置5が挟むように設置し
てレーザーのヘッドの向きはクランク軸長手方向(X方
向)とは垂直方向(Y方向)にした。レーザー投光によ
ってカウンターウエイトのアーム先端部の断面形状を測
定した。レーザー投光は、X方向に1mmピッチで連続
的に行い、1つのカウンターウエイトで30スライスの
断面形状を得た。30スライスの断面形状を繋ぎ合わせ
た形状を測定断面形状とした。これらのデータは、デー
タ処理装置7に転送され、さらに、データの凹凸による
測定精度の悪化を防止するために、スムージング処理を
行った。
【0029】次に、2台の形状測定装置5からデータ処
理装置7に入力された測定データは、それぞれ1台ごと
のデータについて基準形状と重ね合わせて形状検査を行
った。データ処理装置7は、予め記憶部6に格納されて
いる基準形状9の中から図2に示すように欠肉等の形状
欠陥の発生しないアーム先端から15mmの位置の2点
p、qとさらにそこから5mm離れた1点rの合計3点
を選択した。また、データ処理装置7は、その3点から
構成される三角形の3辺の長さが同じになるような三角
形を構成する3点p’、q’、r’を測定形状10より
検出した。すなわち、データ処理装置7は、基準形状9
から選択した3点p、q、rから構成される三角形pq
rの3辺と、測定形状10より抽出した3点p’、
q’、r’から構成される三角形p’q’r’の3辺が
同じ長さになるように3点p’、q’、r’を検出す
る。
【0030】検出方法は、それぞれ対応する各辺の長さ
の差に対する基準形状9から選択した3点p、q、rか
ら構成される三角形pqrの各辺の長さの差の絶対値が
予め定めた基準値ε(=0.1mm)以下であれば、三
辺の長さが同一と判定し、その3点p’、q’、r’と
した。 | {(p−q)−(p’−q’)} | ≦0.1 | {(q−r)−(q’−r’)} | ≦0.1 | {(r−p)−(r’−p’)} | ≦0.1
【0031】さらに、データ処理装置7は、基準形状9
の3点p、q、rと測定形状10の3点p’、q’、
r’のそれぞれが合致するように基準形状9と測定形状
10を重ね合わせた。その結果を、図2に示す。データ
処理装置7は、基準形状点と測定形状点の距離が0.2
mm以上離れている点の部位(点s〜t)を形状欠陥の
発生部位と判定すると共に、形状欠陥の発生している部
位(点s〜t)について、基準形状9と測定形状10に
囲まれる面積を形状欠陥面積として算出し、予め定めた
許容形状欠陥面積と比較して合否を判定した。データ処
理装置7は、上記方法により操業中のクランク軸の各カ
ウンターウエイト部について形状測定し、基準形状9と
測定形状10を重ね合わせて基準形状9と測定形状10
に囲まれる面積を形状欠陥面積として算出し、予め定め
た許容形状欠陥面積と比較して合否を判定した。
【0032】実施例2 実施例1と同様のクランク軸測定装置1を使用して図3
に示す突起11の形状について測定形状を求めた。デー
タ処理装置7は、予め記憶部6に格納されている基準形
状の中から図4に示すように欠肉の発生しない位置の4
点u、v、w、xを選択する。そしてデータ処理装置7
は、それらの4点から構成される4角形uvwxの4辺
の長さが同じになるような四角形を構成する4点u’、
v’、w’、x’を測定形状12の中から検出する。す
なわち、それぞれ対応する各辺の長さの差の絶対値が予
め定めた基準値ε(=0.1mm)以下であれば幾何学
的に同一な四角形と判定した。 | {(u−v)−(u’−v’)} | ≦0.1 | {(v−w)−(v’−w’)} | ≦0.1 | {(w−x)−(w’−x’)} | ≦0.1 | {(x−u)−(x’−u’)} | ≦0.1
【0033】さらに、データ処理装置7は、基準形状1
3の4点u、v、w、xと測定形状12の4点u’、
v’、w’、x’のそれぞれが合致するように基準形状
13と測定形状12とを重ね合わせ、基準形状13と測
定形状12との距離が0.2mm以上離れている点の部
位を形状欠陥の発生している部位と判定すると共に、形
状欠陥の発生している部位について、基準形状13と測
定形状12に囲まれる面積を形状欠陥面積として算出
し、予め定めた許容形状欠陥面積と比較して合否を判定
した。
【0034】実施例3 図5は捩り工程(ツイスター)により製造されたクラン
ク軸21である。図6は図5のC−C断面を示す。ジャ
ーナル22に対して120°づつ離れてカウンターウエ
イト23〜25が配置されている。実施例1のクランク
軸2では、図1のクランク軸形状測定装置1を用いれば
X方向に1回のスキャンで測定が可能である。しかし、
図1のクランク軸形状測定装置1は、X方向へ直線的に
動くため、図5のクランク軸21のカウンターウエイト
23〜25の形状を測定する際には、1度X方向にスキ
ャンしてカウンターウエイト23の形状を測定する。そ
の後、Vブロック上のクランク軸21を120°回転し
てからスキャンを行い、カウンターウエイト24の形状
を測定する。残りのカウンターウエイト25を測定する
ために同じ操作をさらに繰り返さねばならない。つま
り、3回スキャンを行う必要があり、測定に時間がかか
ることになる。
【0035】そこで、1回のスキャンでカウンターウエ
イト23〜25の形状測定が可能となるようなクランク
軸形状測定装置を使用した。すなわち、前記図1の形状
測定装置5と遮熱箱8の形状を図7のように配列した。
図7はクランク軸21の長手方向に対して垂直な面につ
いて示したものである。以下、図5のカウンタウエイト
23〜25形状の測定実施例について説明する。カウン
ターウエイト23〜25は、クランク軸21の長手方向
の垂直方向について120°離れた配置になっているた
め、それらすべてのカウンターウェイト23〜25形状
が1スキャンで測定可能なように形状測定装置が配置さ
れなければならない。本実施例では、クランク軸21の
長手方向と垂直断面の同一円周上に形状測定装置26を
6個26−1〜26−6配列し、その形状測定装置26
は、レール27上を移動可能な構造とした。
【0036】捩り工程により製造されたクランク軸21
をVブロック上に搬入載置した。そして、カウンタウエ
イト23−1、23−2に対して2次元レーザー距離計
からなる形状測定装置26−1、26−2が測定可能な
ようにレール27上を移動させてセットする。形状測定
装置26がレール27のどの位置に移動するかは製造品
種によって固定される値であるから、予め記憶部6に格
納されている品種情報から自動的にセットした。残り4
個の形状測定装置24−3〜24−6についても同様に
対応するクランク軸21のカウンタウエイト24−1、
24−2、25−1、25−2が測定できるようにセッ
トした。
【0037】各カウンタウエイト23〜25に対応する
各形状測定装置24−1〜24−6から得られた測定デ
ータは、前記したとおり、データ処理装置で基準形状と
重ね合わせて形状検査を実施した。すなわち、前記図1
2に示したとおり、基準形状91の形状不良の発生しな
い部位の中から2つの三角形が構成されるように点j、
k、lとm、n、oを選択した。そして2つの三角形j
klと三角形mnoと三辺同一な三角形j’k’l’と
三角形m’n’o’を構成する点j’、k’、l’、
m’、n’、o’を前記各カウンタウエイト23−1〜
25−2の測定形状から検出した。検出条件は、実施例
1のように対応する各辺の長さの差の絶対値が予め定め
た基準値ε(=0.lmm)以下であれば幾何学的に同
一な三角形とし、j’、k’、l’、m’、n’、o’
の点を検出した。以降のデータ処理方法は、実施例1と
同様にして欠陥部位の面積を算出し、予め定めた許容値
と比較して製品の合否判定を実施した。
【0038】
【発明の効果】この発明の請求項1のクランク軸形状測
定方法は、基準形状から選択された3点以上から構成さ
れる多角形と幾何学的に形状が同一な多角形を構成する
同数の点を計測された測定形状から検出し、多角形が重
なり合うように基準形状と測定形状を重ね合わせ、基準
形状と測定形状を比較して形状欠陥を検査することによ
って、クランク軸の欠肉等の形状欠陥の検査を自動的に
短時間かつ高精度に行うことができる。
【0039】また、この発明の請求項2のクランク軸形
状測定装置は、クランク軸の製品形状を測定する計測機
器と、基準形状データを記憶しているメモリと、基準形
状に対してその中の少なくとも形状欠陥の発生しない部
位から3つ以上の点を選択し、選択された点から構成さ
れる多角形と幾何学的に形状が同一な多角形を構成する
同数の点を、前記計測機器で計測された測定形状から検
出し、多角形が重なり合うように基準形状と測定形状を
重ね合わせ、基準形状と測定形状を比較して合否判定を
行うデータ処理装置とを備えており、欠肉等のクランク
軸形状検査を自動的に短時間かつ高精度に行うことがで
きる。さらに、鍛造プレス等の製造ライン上に本装置を
設置してクランク軸の熱間計測を実施する場合には、操
業状況の変動等による形状品質の変化を連続的に、かつ
型打ち直後に把握できるため、早期に操業上の処置を施
すことにより不良品発生の抑制を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、2で用いたクランク軸形状測定装置
の概略斜視図である。
【図2】実施例1の基準形状と測定形状を重ね合わせた
結果の模式図である。
【図3】実施例2における突起を有するクランク軸形状
の説明図である。
【図4】実施例2における突起部に四角形を構成する4
点の説明図である。
【図5】実施例3の捩り工程により製造された6気筒ク
ランク軸の全体正面図である。
【図6】図5のC−C断面図である。
【図7】実施例3で用いた形状測定装置の概略配置の説
明図である。
【図8】この発明のクランク軸形状測定方法のフローチ
ャート図である。
【図9】基準形状からの三角形を構成する3点の選択の
説明図である。
【図10】基準形状と測定形状との三角形の各点の重ね
合わせの説明図である。
【図11】基準形状と測定形状との四角形の各点の重ね
合わせの説明図である。
【図12】基準形状からの2個の三角形を構成する点の
選択の説明図である。
【図13】4気筒クランク軸の正面図である。
【図14】図13のB−B断面図である。
【図15】クランク軸のカウンタウエイトのアームを示
すもので、(a)図は側面図、(b)図は(a)図のA
部の欠肉説明のための拡大図である。
【符号の説明】
1 クランク軸形状測定装置 2、21、101 クランク軸 3 Vブロック 4 ベッド 5 形状測定装置 6 記憶部 7 データ処理装置 8 遮熱箱 9、13、91、111 基準形状 10、12、92、112 測定形状 11 突起 22、104 ジャーナル 23、24、25、103 カウンタウエイト 26 形状測定装置 27 レール 102 ピン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク軸製品の形状を検査する方法に
    おいて、基準形状に対してその中の少なくとも形状欠陥
    の発生しない部位から3つ以上の点を選択し、選択され
    た点から構成される多角形と幾何学的に形状が同一な多
    角形を構成する同数の点を計測された測定形状から検出
    し、多角形が重なり合うように基準形状と測定形状を重
    ね合わせ、基準形状と測定形状を比較して形状欠陥を検
    査することを特徴とするクランク軸形状測定方法。
  2. 【請求項2】 クランク軸の製品形状を測定する形状測
    定装置と、基準形状データを記憶している記憶部と、基
    準形状に対してその中の少なくとも形状欠陥の発生しな
    い部位から3つ以上の点を選択し、選択された点から構
    成される多角形と幾何学的に形状が同一な多角形を構成
    する同数の点を、前記形状測定装置で測定された測定形
    状から検出し、多角形が重なり合うように基準形状と測
    定形状を重ね合わせ、基準形状と測定形状を比較して合
    否判定を行うデータ処理装置とを備えたことを特徴とす
    るクランク軸形状測定装置。
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