JPH1060315A - 亜鉛系めっきを施した鋼材もしくは鋼構造物用の表面処理剤 - Google Patents

亜鉛系めっきを施した鋼材もしくは鋼構造物用の表面処理剤

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JPH1060315A
JPH1060315A JP8232618A JP23261896A JPH1060315A JP H1060315 A JPH1060315 A JP H1060315A JP 8232618 A JP8232618 A JP 8232618A JP 23261896 A JP23261896 A JP 23261896A JP H1060315 A JPH1060315 A JP H1060315A
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monomer
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zinc
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parts
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JP8232618A
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Inventor
Mayumi Yamamoto
真由美 山本
Masayuki Aoyama
雅之 青山
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Nihon Parkerizing Co Ltd
Original Assignee
Nihon Parkerizing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クロメートを用いることなく、優れた耐白錆
性を与えることができ、液安定性も良好な鋼材もしくは
鋼構造物用表面処理剤の提供。 【解決手段】 (1)特定の官能基を有するエチレン性
不飽和単量体とかかる官能基を有さないエチレン性不飽
和単量体とを共重合させて得られる水系エマルジョン
に、該特定官能基と反応する官能基を有するシランカッ
プリング剤および特定金属イオンを含有させた鋼材もし
くは鋼構造物用表面処理剤、または(2)カルボキシル
基を有するエチレン性不飽和単量体、この単量体以外の
エチレン性不飽和単量体および特定官能基を有するシラ
ンカップリング剤を共重合させて得られる水系エマルジ
ョンに、特定金属イオンを含有させた鋼材もしくは鋼構
造物用表面処理剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は亜鉛系めっきを施し
た鋼材もしくは鋼構造物の表面に耐白錆性に優れた皮膜
を形成するための表面処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】金属表面の腐食を防止するため、亜鉛の
犠牲防食の原理を利用した、亜鉛系めっきを施した鋼材
もしくは鋼構造物(以下、亜鉛系めっき鋼材・鋼構造物
という)が使用されている。例えば、亜鉛系めっき鋼板
が、自動車、建材および家電関係の広い分野で使用され
ている。しかしながら、亜鉛が大気中で酸化されて生成
する腐食生成物(いわゆる白錆)は、亜鉛系めっき鋼材
・鋼構造物、例えば亜鉛系めっき鋼板の外観を低下さ
せ、さらに塗装密着性にも悪影響を及ぼす。
【0003】そこで耐食性および塗装密着性を改善する
ために、亜鉛系めっき鋼板の表面をクロム酸もしくは重
クロム酸またはその塩を含有する処理液で処理するクロ
メート処理が一般に行われている。しかしながら、クロ
メート処理液中の6価クロムは人体に直接悪い影響を及
ぼすことが知られており、そのためクロメート処理液に
ついては水質汚染防止法に規定されている特別な廃水処
理を行う必要がある。かくのごとくクロメート処理は、
環境保全上好ましくなく、また特別な廃水処理のため全
体的にはコストアップにつながるという欠点を有してい
る。また、使用済みの、クロメート処理を施した亜鉛系
めっき鋼板は、クロムを含有する廃棄物となるため、リ
サイクルが困難である。したがって、クロムを含有しな
いノンクロメート系処理剤の開発が進められている。
【0004】クロメート処理以外の、亜鉛系めっき鋼板
等に適用できる表面処理方法としては、水分散性シリ
カ、水溶性もしくは水分散性のアクリル共重合体、およ
びジもしくはトリアルコキシ(もしくはアルコキシアル
コキシ)シラン化合物からなるシリカ複合体の水溶液を
金属表面に塗布する表面処理方法が特公昭54−344
06号公報に開示されている。しかしながらこの表面処
理方法による場合には、形成される皮膜が、現行のクロ
メート処理と比較して、特に耐食性において劣る等の問
題があり、したがって、この方法を実用化するにはさら
なる改善が必要である。
【0005】また、特公昭60−17590号公報に
は、上記特公昭54−34406号公報に開示された表
面処理方法を発展させたと思われる、鉄を含有する有機
複合シリケート処理液を塗布、乾燥することよりなる亜
鉛系めっき鋼板の表面処理方法が開示されている。この
有機複合シリケート処理液は、該特公昭60−1759
0号公報本文によると、特公昭54−34406号公報
にいう上記シリカ複合体の水溶液を意味していると解さ
れる。したがって、特公昭60−17590号公報記載
の鉄を含有する有機複合シリケート処理液は、特公昭5
4−34406号公報にいう上記シリカ複合体の水溶液
にさらに鉄を含有させたものと解することができる。し
かしながら、特公昭60−17590号公報記載の亜鉛
系めっき鋼板の表面処理方法は、例えば亜鉛系めっきを
施した直後に適用するインライン方式では、処理液の温
度安定性面から適用し難く(処理液の温度が80℃以上
になる場合がある)、生産性が十分でない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
抱える問題点を解決した、すなわち亜鉛系めっき鋼材・
鋼構造物、例えば亜鉛系めっき鋼板の表面に耐白錆性に
優れた皮膜を形成することができ、かつ液安定性も良好
な1液型の表面処理剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は、皮膜形成性
樹脂成分として、(A)後述のシランカップリング剤の
官能基bと反応する官能基を有さないエチレン性不飽和
単量体の1種以上と(B)アミド基、エポキシ基、ヒド
ロキシル基、カルボキシル基(共重合後にカルボキシル
基を生成する場合を含む)およびスルホン基(−SO3
H、塩を形成している場合を含む)から選ばれる官能基
aを有するエチレン性不飽和単量体の1種以上とを、単
量体(A)/単量体(B)(重量比)=2/1〜200
/1で、乳化共重合させて得られる水系樹脂エマルジョ
ンに、該官能基aとの反応性を有する官能基bを有する
シランカップリング剤の1種以上を単量体(B)に対し
て0.1〜10重量%、およびアルミニウム、マグネシ
ウム、カルシウム、亜鉛、ニッケル、コバルト、鉄、ジ
ルコニウム、チタン、タングステンおよびマンガンのイ
オンから選ばれる1種以上の金属イオンを単量体(A)
および単量体(B)の合計量100重量部に対して0.
01〜1.50重量部含有させてなる、亜鉛系めっきを
施した鋼材もしくは鋼構造物用の表面処理剤(第一発
明)によって解決された。
【0008】上記課題は、また、皮膜形成性樹脂成分と
して、(1)カルボキシル基(共重合後にカルボキシル
基を生成する場合を含む)を有するエチレン性不飽和単
量体の1種以上、(2)(メタ)アクリロイルオキシ基
もしくはビニル基含有シランカップリング剤の1種以上
および(3)上記成分(1)および(2)以外のエチレ
ン性不飽和単量体の1種以上を、単量体(3)/単量体
(1)(重量比)=2/1〜200/1で、かつシラン
カップリング剤(2)を単量体(1)、シランカップリ
ング剤(2)および単量体(3)の合計使用量に対して
0.1〜15重量%使用して、乳化共重合させて得られ
る水系樹脂エマルジョンに、アルミニウム、マグネシウ
ム、カルシウム、亜鉛、ニッケル、コバルト、鉄、ジル
コニウム、チタン、タングステンおよびマンガンのイオ
ンから選ばれる1種以上の金属イオンを単量体(1)、
シランカップリング剤(2)および単量体(3)の合計
使用量100重量部に対して0.01〜1.50重量部
含有させてなる、亜鉛系めっきを施した鋼材もしくは鋼
構造物用の表面処理剤(第二発明)によって解決され
た。第一発明および第二発明において、金属イオンとし
ては亜鉛イオンが好ましく、この亜鉛イオンが系に存在
させたりん酸亜鉛に由来するものであることがさらに好
ましい。
【0009】
【発明の実施の態様】本発明の第一発明において用い
る、シランカップリング剤の官能基bと反応する官能基
を有さないエチレン性不飽和単量体(A)としては、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イ
ソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸と
炭素数1〜12のアルカノールとのエステル、(メタ)
アクリロニトリル、スチレン、メチルスチレン等が挙げ
られる。これらをエチレン性不飽和単量体(A1)とい
う。エチレン性不飽和単量体(A)は通常エチレン性不
飽和単量体(A1)であるが、この(A1)の一部はクロ
トン酸メチル、クロトン酸エチル、フマル酸ジエチル、
マレイン酸ジブチル等の(メタ)アクリル酸エステル以
外のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル、酢
酸ビニル、2−プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニ
ル、ステアリン酸ビニル等のビニルエステル、エチレン
等(以下、これらをエチレン性不飽和単量体(A2)と
いう)によって代替されていても良い。
【0010】第一発明において用いる、アミド基、エポ
キシ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基(共重合後に
カルボキシル基を生成する場合を含む)およびスルホン
基(塩を形成する場合を含む)から選ばれる官能基aを
有するエチレン性不飽和単量体(B)としては、(メ
タ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、
イタコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノエステ
ル、フマル酸モノエステル等のエチレン性不飽和カルボ
ン酸もしくはそれらの誘導体;(メタ)アクリルアミド
等のエチレン性不飽和カルボン酸アミド;N−メチロー
ルメタクリルアミド等のN−メチロール−エチレン性不
飽和カルボン酸アミド;グリシジル(メタ)アクリレー
ト等のグリシジル基含有α,β−エチレン性不飽和化合
物;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートもしくはヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレートまたはこれらの
エチレンオキシド付加物(例えば被付加体1モルに対し
エチレンオキシド1〜4モル付加物)等のヒドロキシル
基含有エチレン性不飽和化合物;ビニルスルホン酸、ビ
ニルスルホン酸塩、スチレンスルホン酸、スチレンスル
ホン酸塩等のエチレン性不飽和スルホン酸もしくはその
塩が挙げられる。
【0011】第一発明においては、上記単量体(A)お
よび(B)を乳化共重合させて水系樹脂エマルジョンを
製造するが、単量体(A)および(B)間の使用比率は
重量比でA/B=2/1〜200/1であることが必要
であり、4/1〜100/1であることが好ましい。単
量体(A)として単量体(A1)のみならず単量体
(A2)も用いる場合には、単量体(A2)の使用量は単
量体(A1)に対し、40重量%以下であることが好ま
しい。A/B=2/1より単量体(A)の使用量が少な
いと形成された皮膜は親水性が強まるため耐食性が低下
してしまい、A/B=200/1より単量体(A)の使
用量が多くても耐食性は低下する。また、単量体
(A1)に対する単量体(A2)の使用量が40重量%を
超えると耐食性は低下する。
【0012】乳化共重合は、一般的な方法によればよ
く、限定されるものではないが、例えば、単量体(A)
および(B)を水系溶媒中、乳化剤の存在下、重合開始
剤により20〜90℃で1〜10時間ラジカル共重合さ
せることにより行うことができる。重合開始剤として
は、エチレン性不飽和単量体の乳化重合反応に通常使用
されるものを用いることができ、例えば、過硫酸アンモ
ニウム、過硫酸カリウム、t−ブチルハイドロパーオキ
シド、ベンゾイルパーオキシド等を用いることができ
る。重合開始剤の使用量は、制限されるものではない
が、使用全単量体に対して0.1〜5重量%であること
が好ましい。
【0013】また、乳化剤としてはエチレン性不飽和単
量体の乳化重合反応に通常使用されるアニオン性界面活
性剤、ノニオン性界面活性剤等を用いることができる。
アニオン性界面活性剤としては、例えばドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等、
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエ
チレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリル
エーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポ
リエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレング
リコールジステアレート等を用いることができる。乳化
剤は共重合系を安定に保持するのみならず、これにシラ
ンカップリング剤および金属イオンを含有せしめた第一
発明の亜鉛系めっき鋼材・鋼構造物用表面処理剤を均一
安定に保持する役目を担うものでしたがって、かかる目
的が達せられる限り、乳化剤の使用量は制限されるもの
ではないが、使用全単量体に対して1〜10重量%であ
ることが好ましい。水系溶媒としては、水単独で用いる
のが通常であるが、共重合前〜共重合後のエマルジョン
の安定性向上のため、水に対して10容量%程度までの
水混和性の有機溶媒、例えばメタノール、イソプロパノ
ール、アセトン等を併用しても良い。
【0014】上記のごとき乳化共重合反応によって得ら
れる水系樹脂エマルジョン中の共重合体樹脂の分子量に
ついては、特に制限されないが、通常の乳化重合条件で
得られる数十万の分子量の樹脂が通常用いられる。
【0015】本発明の第一発明においては、ついで該水
系樹脂エマルジョンと、単量体(B)の官能基aと反応
性を有する官能基bを有するシランカップリング剤の1
種以上とを混合して反応させる。この混合は、通常後者
をそのままもしくは水懸濁液にして前者に添加すること
によって行われるが、それに限定されるものではない。
この反応は、通常、5〜50℃で0.5〜3時間行えば
良いが、それに限定されるものではない。この混合によ
って官能基aと官能基bとが反応し、共有結合が形成さ
れ、また、シランカップリング剤のアルコキシ基部分は
該水系溶媒中で加水分解を受けてシラノール基(SiO
H)が生成する。
【0016】第一発明で使用するシランカップリング剤
としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N
−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤、γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−3,
4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン
等のエポキシ基を有するシランカップリング剤、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基
を有するシランカップリング剤等が挙げられる。
【0017】これらのシランカップリング剤をエチレン
性不飽和単量体(B)の官能基aとの関係で見ると、カ
ルボキシル基(共重合後にカルボキシル基を生成する場
合を含む)を有する単量体(B)に対しては、アミノ基
を有するシランカップリング剤またはエポキシ基を有す
るシランカップリング剤を用いるのが適当であり、エポ
キシ基を有する単量体(B)に対しては、アミノ基を有
するシランカップリング剤を用いるのが適当であり、ア
ミド基を有する単量体(B)に対しては、エポキシ基を
有するシランカップリング剤を用いるのが適当であり、
ヒドロキシル基を有する単量体(B)に対しては、メル
カプト基を有するシランカップリング剤を用いるのが適
当であり、スルホ基を有する単量体(B)に対しては、
アミノ基を有するシランカップリング剤を用いるのが適
当である。
【0018】使用するシランカップリング剤の量は単量
体(B)の使用量に対して、0.1〜10重量%である
ことが必要であり、0.5〜10重量%であることが好
ましい。0.1重量%未満であると、耐食性が十分に発
揮されず、10重量%を超えると耐食性は飽和に達し経
済的に不利である。
【0019】第一発明においては、ついで上記で得られ
るシラノール基を有する樹脂を含有する水系エマルジョ
ンに、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、亜
鉛、ニッケル、コバルト、鉄、ジルコニウム、チタン、
タングステンおよびマンガンのイオンから選ばれる1種
以上の金属イオンを含有させる。金属イオンを具体的に
例示すると、Al3+、Mg2+、Ca2+、Zn2+、N
2+、Ni3+、Co2+、Co3+、Fe2+、Fe3+、Zr
4+、Ti4+、W6+、Mn2+、Mn4+等が挙げられる。
【0020】これらの金属イオンは、該水系エマルジョ
ンに添加する、系中でこれらの金属イオンを生じる金属
塩によってもたらされる。かかる金属塩としては、硝酸
塩、硫酸塩、塩化物、りん酸塩、酸性りん酸塩、酢酸
塩、ギ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩等が挙げられる。具
体的には、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、りん
酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化マグネシウ
ム、硫酸マグネシウム、りん酸マグネシウム、塩化カル
シウム、硝酸カルシウム、りん酸水素カルシウム、塩化
亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、りん酸亜鉛、り
ん酸水素亜鉛、クエン酸亜鉛、硫酸ニッケル(II)、
硝酸ニッケル(II)、りん酸ニッケル(II)、塩化
コバルト(II)、硝酸コバルト(II)、りん酸コバ
ルト(II)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、硫
酸鉄(II)、りん酸鉄(II)、りん酸鉄(II
I)、塩化ジルコニウム(IV)、硝酸ジルコニウム
(IV)、塩化チタン(IV)、硫酸チタン(IV)、
塩化マンガン(II)、硫酸マンガン(II)、硫酸マ
ンガン(II)アンモニウム、りん酸マンガン(II)
等が挙げられる。また、場合により金属酸化物、金属水
酸化物、炭酸塩、重炭酸塩も用いることができ、例えば
酸化亜鉛、酸化コバルト(II)、炭酸カルシウム、水
酸化カルシウム、炭酸コバルト等が挙げられる。
【0021】第一発明の表面処理剤中の、金属イオンの
含有量は、樹脂固形分(=単量体(A)および単量体
(B)の合計量)100重量部に対し、0.01〜1.
50重量部であることが必要であり、0.08〜1.0
重量部であることが好ましい。0.01重量部未満であ
ると耐食性にほとんど効果がなく、1.50重量部を超
えると処理液の安定性が悪くなり、またそれ以上の性能
向上は望めず、また経済的に不利である。第一発明の表
面処理剤においては、金属イオンとして亜鉛イオンを用
いるのが好ましく、亜鉛イオンはりん酸亜鉛に由来する
ものであることが好ましい。金属イオンはカルボキシル
基等と結合するものと考えられる。
【0022】本発明で使用する金属イオンは、一般に、
酸性領域から中性領域で水に可溶性であり、中性領域か
らアルカリ性領域では水に難溶性となりやすく、第一発
明の表面処理剤には適さなくなってくるが、EDTA、
グルコン酸、アンモニア等の錯形成剤等を使用すること
により、中性領域からアルカリ性領域でも水溶性を維持
できるようになり使用可能となる。
【0023】第一発明の表面処理剤中の樹脂固形分(=
単量体(A)+単量体(B))の濃度については、特に
制限ないが、1〜30重量%、さらには3〜20重量
%、特に4〜10重量%であることが好ましい。
【0024】第一発明の表面処理剤のpH範囲について
特に制限はない。しかしながら、pH範囲は2.0〜
5.0であることが好ましく、2.5〜3.5であるこ
とがより好ましい。pHが2.0未満では、表面処理剤
と亜鉛系めっき鋼板表面との反応性が過多になるため、
亜鉛が溶出し、ついで析出して皮膜の造膜不良を起こ
し、その耐食性が低下する。また、5.0を超えると、
金属塩が析出しやすくなるため、表面処理剤の寿命が短
くなる。また、このpH範囲に保つために、必要に応じ
酸を添加することができる。かかる酸の種類については
特に制限はなく、りん酸、硝酸、硫酸、塩酸等の無機
酸、酢酸、ギ酸、クエン酸、酒石酸等の有機酸を使用す
ることがてきるが、燐酸の使用が特に好ましい。
【0025】第一発明の表面処理剤には、樹脂の造膜性
を向上させるために、一般的な造膜助剤を含有させるこ
とができる。かかる造膜助剤としては、ブチルセロソル
ブ、アルキルカルビトール、トリアルキルペンタンジオ
ールイソブチレート等が挙げられる。第一発明の表面処
理剤を用いて、亜鉛系めっき鋼材・鋼構造物を表面処理
する方法は、第二発明の表面処理剤を用いる場合と同様
であるので、後で一緒に記述する。
【0026】つぎに本発明の第二発明の表面処理剤につ
いて説明する。第二発明において用いる、カルボキシル
基(共重合後にカルボキシル基を生成する場合を含む)
を有するエチレン性不飽和単量体(1)としては、(メ
タ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、
イタコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノエステ
ル、フマル酸モノエステル等のエチレン性不飽和カルボ
ン酸もしくはそれらのカルボキシル基含有誘導体等が挙
げられる。
【0027】第二発明において用いる、(メタ)アクリ
ロイルオキシ基もしくはビニル基含有シランカップリン
グ剤(2)としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエ
トキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルトリス(2−メトキシエトキシ)シラ
ン等が挙げられる。
【0028】第二発明において用いる、上記成分(1)
および(2)以外のエチレン性不飽和単量体(3)とし
ては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル
酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル
酸と炭素数1〜12のアルカノールとのエステル、(メ
タ)アクリロニトリル、スチレン、メチルスチレン等が
挙げられる。これらをエチレン性不飽和単量体(3A)
という。上記単量体(3)としてはまた第一発明におい
て単量体(B)として挙げたもののうち、カルボキシル
基(共重合後にカルボキシル基を生成する場合を含む)
を有するエチレン性不飽和単量体を除く単量体、すなわ
ちアミド基、エポキシ基、ヒドロキシル基およびスルホ
基(塩を形成する場合を含む)から選ばれる官能基を有
するエチレン性不飽和単量体(以下、これらをエチレン
性不飽和単量体(3B)という)も用いることができ
る。これらの官能基を有するエチレン性不飽和単量体の
具体的例示はすでに行った。エチレン性不飽和単量体
(3)は通常エチレン性不飽和単量体(3A)および/
またはエチレン性不飽和単量体(3B)であるが、これ
らの一部はクロトン酸メチル、クロトン酸エチル、フマ
ル酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等の(メタ)アクリ
ル酸エステル以外のエチレン性不飽和カルボン酸エステ
ル、酢酸ビニル、2−プロピオン酸ビニル、ラウリン酸
ビニル、ステアリン酸ビニル等のビニルエステル、エチ
レン等(以下、これらをエチレン性不飽和単量体(3
C)という)によって代替されていても良い。
【0029】単量体(1)および(3)間の使用比率は
重量比で(3)/(1)=2/1〜200/1であるこ
とが必要であり、4/1〜100/1であることが好ま
しい。(3)/(1)=200/1より単量体(1)の
使用量が少ないと耐食性が低下し、(3)/(1)=2
/1より単量体(1)の使用量が多いと耐水性が低下
し、それにより耐食性が低下する。また、単量体(3)
の使用にあたって、単量体(3A)および/または単量
体(3B)の一部に代えて単量体(3C)を用いる場合
には、単量体(3C)の使用量は単量体(3A)および
単量体(3B)の合計使用量に対して40重量%以下と
することが好ましい。単量体(3C)の使用量が40重
量%を超えると耐食性が低下する。使用するシランカッ
プリング剤(2)の量は全単量体(すなわち単量体
(1)+シランカップリング剤(2)+単量体(3))
の使用量に対して、通常、0.1〜15重量%、好まし
くは0.5〜5重量%である。0.1重量%未満である
と耐食性が不十分であり、15重量%を超えると耐食性
が飽和に達し経済的に不利である。
【0030】第二発明における乳化共重合は、第一発明
におけると同様に行うことができ、限定されるものでは
ないが、例えば、単量体(1)および(3)、およびシ
ランカップリング剤(2)を水系溶媒中、乳化剤の存在
下、重合開始剤により20〜90℃で1〜10時間ラジ
カル共重合させることにより行うことができる。乳化剤
および重合開始剤の種類および使用量は第一発明におけ
ると同様で良い。また、水系溶媒の定義および例示も第
一発明におけると同様である。乳化共重合反応によって
得られる水系樹脂エマルジョン中の共重合体樹脂の分子
量および測定方法も第一発明におけると同様で良い。上
記乳化共重合に際して、シランカップリング剤のアルコ
キシ基部分の該水系溶媒中での加水分解も進行してシラ
ノール基(SiOH)が生成する。
【0031】第二発明においては、ついで上記で得られ
るシラノール基を有する樹脂を含有する水系エマルジョ
ンに、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、亜
鉛、ニッケル、コバルト、鉄、ジルコニウム、チタン、
タングステンおよびマンガンのイオンから選ばれる1種
以上の金属イオンを含有させる。これらの金属イオン
は、該水系エマルジョンに添加する、系中でこれらの金
属イオンを生じる金属塩(および場合によって金属酸化
物、金属水酸化物)によってもたらされる。かかる金属
塩としては、硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩、りん酸塩、酸性
りん酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩等が
挙げられる。金属イオンおよび金属塩(さらには、金属
酸化物、金属水酸化物)の具体的例示は第一発明の場合
と同様である。
【0032】第二発明の表面処理剤中の、金属イオンの
含有量は、樹脂固形分(=単量体(1)、単量体(2)
および単量体(3)の合計量)100重量部に対し、
0.01〜1.50重量部であることが必要であり、
0.08〜1.0重量部であることが好ましい。0.0
1重量部未満であると耐食性にほとんど効果がなく、
1.50重量部を超えると造膜不良となり、それ以上の
性能向上は望めず、また経済的に不利である。第二発明
の表面処理剤においては、金属イオンとして亜鉛イオン
を用いるのが好ましく、亜鉛イオンはりん酸亜鉛に由来
するものであることが好ましい。
【0033】第二発明の表面処理剤中の樹脂固形分(=
単量体(1)+単量体(2)+単量体(3))の濃度に
ついては、特に制限ないが、1〜30重量%、さらには
3〜20重量%、特に4〜10重量%であるのが好まし
い。
【0034】必要に応じての錯形成剤の使用およびその
例示、表面処理剤のpH範囲および該pH範囲に保つた
めに使用する酸の例示、および必要に応じての造膜助剤
の使用およびその例示も第一発明の場合と同様である。
【0035】次に、以上のようにして得られる第一発明
または第二発明の表面処理剤を用いて、亜鉛系めっき鋼
材・鋼構造物を処理する方法について説明する。亜鉛系
めっき鋼材・鋼構造物にいう、亜鉛系めっきとは亜鉛め
っきおよび亜鉛合金(例えばアルミニウム・亜鉛合金
等)めっきを包含し、鋼材は鋼板、鋼管等を包含し、鋼
構造物は例えば鋼製のガードレール、屋外照明灯設備等
の種々の鋼構造物を包含する。本発明(第一発明および
第二発明)の表面処理剤は上記したごとき亜鉛系めっき
鋼材・鋼構造物、特に亜鉛系めっき鋼板を処理するのに
適している。かかる亜鉛系めっき鋼板は、亜鉛めっき鋼
板および亜鉛合金めっき鋼板を包含し、電気亜鉛めっき
鋼板、電気亜鉛合金めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、
合金化溶融亜鉛めっき鋼板等が例示される。本発明の表
面処理剤を亜鉛系めっき鋼材・鋼構造物に適用するに先
立って、通常、亜鉛系めっき鋼材・鋼構造物の表面洗浄
および水洗、および必要に応じさらに乾燥を、常法にし
たがって行う。
【0036】本発明の表面処理剤を亜鉛系めっき鋼材・
鋼構造物に適用する方法は、特に限定されないが、例え
ば、浸漬方法、スプレー方法、ロール塗布法等を用いる
ことができる。本発明の表面処理剤の亜鉛系めっき鋼材
・鋼構造物への適用条件については、特に限定されない
が、一般に、15〜80℃、特に40〜60℃で0.1
〜60秒、特に20〜30秒であることが好ましい。ま
た、乾燥条件も特に限定されず、自然乾燥も行える。し
かしながら、常温から60℃程度で強制乾燥を行うのが
好ましい。本発明の表面処理剤を亜鉛系めっき鋼材・鋼
構造物に適用した場合の皮膜の付着量については、特に
限定されないが、乾燥時基準で0.3〜6.0g/
2、特に0.5〜4.0g/m2であることが好まし
い。
【0037】本発明(第一発明および第二発明)の表面
処理剤を用いると、耐白錆性に優れた皮膜が得られる理
由は明確でない。しかしながら、合成樹脂中に導入され
たシラノール基が亜鉛系めっき鋼材・鋼構造物と強固に
結合し、かつ、合成樹脂中の官能基と金属イオンとの間
で架橋反応が生じるため、亜鉛系めっき鋼材・鋼構造物
の表面に合成樹脂および金属イオンからなる強固な皮膜
が形成されるためと考えられる。つまり、樹脂を化学的
に強固にする機能により、水等の腐食性物質の浸入を防
ぎ、腐食生成物の生成を抑制するためと思われる。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により限定されるもので
はない。 1.水系樹脂エマルジョンの合成例 <エマルジョン例A>攪拌装置、還流冷却器、温度計お
よび2個の滴下ロートを備えた2L容フラスコに脱イオ
ン水372重量部およびポリオキシエチレンオクチルフ
ェニルエーテル20重量部を入れ、撹拌下80〜85℃
に昇温した。ついでブチルアクリレート376重量部お
よびアクリル酸4重量部からなる単量体混合物を片方の
滴下ロートから、また過硫酸アンモニウム8重量部およ
び脱イオン水220重量部からなる重合触媒溶液を他方
の滴下ロートから、同時に、共に2時間かけて滴下し
た。滴下終了後さらに80〜85℃で2時間保持して反
応を完結した。得られた水系樹脂エマルジョン例Aは樹
脂濃度38.0重量%でpH1.5の均一安定な水系樹
脂エマルジョンであった。
【0039】<エマルジョン例B>単量体混合物を、メ
チルメタクリレート120重量部、2−エチルヘキシル
アクリレート172重量部、アクリロニトリル32重量
部、メタクリル酸20重量部およびブチルアクリレート
40重量部とし、重合触媒溶液中の脱イオン水量を21
6重量部とする以外、エマルジョン例Aの調製と同様に
して、水系樹脂エマルション例Bを得た。得られた水系
樹脂エマルジョン例Bは樹脂濃度38.4重量%でpH
2.0の均一安定な水系樹脂エマルジョンであった。
【0040】<エマルジョン例C>単量体混合物を、ス
チレン130重量部、メチルメタクリレート40重量
部、ブチルアクリレート194重量部、イタコン酸30
重量部およびヒドロキシプロピルメタクリレート4重量
部とし、重合触媒溶液中の脱イオン水量を202重量部
とする以外、エマルジョン例Aの調製と同様にして、水
系樹脂エマルジョン例Cを得た。得られた水系樹脂エマ
ルジョン例Cは樹脂濃度39.8重量%でpH2.2の
均一安定な水系樹脂エマルジョンであった。 <エマルジョン例D>単量体混合物を、スチレン183
重量部、ブチルアクリレート165重量部、アクリル酸
10重量部およびアクリルアミド10重量部とし、重合
触媒溶液中の脱イオン水量を232重量部とする以外、
エマルジョン例Aの調製と同様にして、水系樹脂エマル
ジョン例Dを得た。得られた水系樹脂エマルジョン例D
は樹脂濃度36.8重量%でpH2.5の均一安定な水
系樹脂エマルジョンであった。
【0041】<エマルジョン例E>単量体混合物を、メ
チルメタクリレート165重量部、2−エチルヘキシル
アクリレート195重量部、マレイン酸20重量部およ
びN−メチロールアクリルアミド4重量部とし、重合触
媒溶液中の脱イオン水量を216重量部とする以外、エ
マルジョン例Aの調製と同様にして、水系樹脂エマルジ
ョン例Eを得た。得られた水系樹脂エマルジョン例Eは
樹脂濃度38.4重量%でpH2.5の均一安定な水系
樹脂エマルジョンであった。 <エマルジョン例F>単量体混合物を、スチレン140
重量部、2−エチルヘキシルアクリレート200重量
部、グリシジルメタクリレート16重量部およびアクリ
ル酸40重量部とし、重合触媒溶液中の脱イオン水量を
204重量部とする以外、エマルジョン例Aの調製と同
様にして、水系樹脂エマルジョン例Fを得た。得られた
水系樹脂エマルジョン例Fは樹脂濃度39.6重量%で
pH1.5の均一安定な水系樹脂エマルジョンであっ
た。
【0042】<エマルジョン例G>攪拌装置、還流冷却
器、温度計および2個の滴下ロートを備えた2L容フラ
スコに脱イオン水372重量部およびポリオキシエチレ
ンオクチルフェニルエーテル20重量部を入れ、撹拌下
80〜85℃に昇温した。ついでブチルアクリレート3
76重量部、アクリル酸4重量部およびγ−メタクリロ
キシプロピルメチルジメトキシシラン20重量部からな
る単量体混合物を片方の滴下ロートから、また過硫酸ア
ンモニウム8重量部および脱イオン水200重量部から
なる重合触媒溶液を他方の滴下ロートから、同時に、共
に2時間かけて滴下した。滴下終了後さらに80〜85
℃で2時間保持して反応を完結した。得られた水系樹脂
エマルジョン例Aは樹脂濃度40重量%でpH1.5の
均一安定な水系樹脂エマルジョンであった。
【0043】<エマルジョン例H>単量体混合物を、メ
チルメタクリレート120重量部、2−エチルヘキシル
アクリレート172重量部、アクリロニトリル32重量
部、メタクリル酸20重量部、ブチルアクリレート40
重量部およびγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン16重量部とする以外、エマルジョン例Gの調製
と同様にして、水系樹脂エマルジョン例Hを得た。得ら
れた水系樹脂エマルジョン例Hは樹脂濃度40重量%で
pH2.0の均一安定な水系樹脂エマルジョンであっ
た。
【0044】<エマルジョン例I>単量体混合物を、ス
チレン140重量部、2−エチルヘキシルアクリレート
200重量部、グリシジルメタクリレート16重量部、
アクリル酸40重量部およびγ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン4重量部とする以外、エマルジョ
ン例Gの調製と同様にして、水系樹脂エマルジョン例I
を得た。得られた水系樹脂エマルジョン例Iは樹脂濃度
40重量%でpH1.5の均一安定な水系樹脂エマルジ
ョンであった。 <エマルジョン例J>単量体混合物を、スチレン130
重量部、メチルメタクリレート40重量部、ブチルアク
リレート194重量部、イタコン酸30重量部、ヒドロ
キシプロピルメタクリレート4重量部およびビニルトリ
メトキシシラン2重量部とする以外、エマルジョン例G
の調製と同様にして、水系樹脂エマルジョン例Jを得
た。得られた水系樹脂エマルジョン例Jは樹脂濃度40
重量%でpH2.2の均一安定な水系樹脂エマルジョン
であった。
【0045】<エマルジョン例K>単量体混合物を、ス
チレン183重量部、ブチルアクリレート165重量
部、アクリル酸10重量部、アクリルアミド10重量部
およびビニルトリエトキシシラン32重量部とする以
外、エマルジョン例Gの調製と同様にして、水系樹脂エ
マルジョン例Kを得た。得られた水系樹脂エマルジョン
例Kは樹脂濃度40重量%でpH2.5の均一安定な水
系樹脂エマルジョンであった。 <エマルジョン例L>単量体混合物を、メチルメタクリ
レート165重量部、2−エチルヘキシルアクリレート
195重量部、マレイン酸20重量部、メチロールアク
リルアミド4重量部およびγ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン16重量部とする以外、エマルジョ
ン例Gの調製と同様にして、水系樹脂エマルジョン例L
を得た。得られた水系樹脂エマルジョン例Lは樹脂濃度
40重量%でpH2.5の均一安定な水系樹脂エマルジ
ョンであった。
【0046】2.実施例および比較例 <実施例1>エマルジョン例Aで調製した水系樹脂エマ
ルジョン157.9gにγ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン3.0gおよび脱イオン水600.0gを加え
て攪拌し、これに脱イオン水100.0gに硝酸亜鉛
1.70gを溶解した水溶液を加えた。さらに脱イオン
水を加えて1Lとし、樹脂固形分60g/L、亜鉛イオ
ン0.6g/Lの表面処理剤を調製した。この表面処理
剤を用いて試料鋼板を処理し、60℃雰囲気により皮膜
を形成した。 <実施例2>エマルジョン例Bで調製した水系樹脂エマ
ルジョン208.3gにγ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン3.17gおよび脱イオン水600.0
gを加えて攪拌し、これに脱イオン水50.0gにりん
酸1.6gを加え、さらに酸化亜鉛0.50gを溶解し
た水溶液を加えた。さらに脱イオン水を加えて1Lと
し、樹脂固形分80g/L、亜鉛イオン0.4g/Lの
表面処理剤を調製した。この表面処理剤を用いて試料鋼
板を処理し、60℃雰囲気により皮膜を形成した。
【0047】<実施例3>エマルジョン例Cで調製した
水系樹脂エマルジョン150.8gにγ−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシラン0.29gおよび脱イオン水
600.0gを加えて攪拌し、これに脱イオン水50.
0gにりん酸0.44gを加え、さらに酸化亜鉛0.1
4gを溶解した水溶液を加えた。さらに脱イオン水を加
えて1Lとし、樹脂固形分60g/L、亜鉛イオン0.
11g/Lの表面処理剤を調製した。この表面処理剤を
用いて試料鋼板を処理し、60℃雰囲気により皮膜を形
成した。 <実施例4>エマルジョン例Dで調製した水系樹脂エマ
ルジョン108.7gにγ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン3.00gおよび脱イオン水600.0
gを加えて攪拌し、これに脱イオン水50.0gにりん
酸0.32gを加え、さらに酸化亜鉛0.1gを溶解し
た水溶液を加えた。さらに脱イオン水を加えて1Lと
し、樹脂固形分40g/L、亜鉛イオン0.08g/L
の表面処理剤を調製した。この表面処理剤を用いて試料
鋼板を処理し、60℃雰囲気により皮膜を形成した。
【0048】<実施例5>エマルジョン例Dで調製した
水系樹脂エマルジョン163.0gにγ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン4.95gおよび脱イオン
水600.0gを加えて攪拌し、これに脱イオン水10
0.0gに硫酸コバルト2.86gを溶解した水溶液を
加えた。さらに脱イオン水を加えて1Lとし、樹脂固形
分60g/L、コバルトイオン0.6g/Lの表面処理
剤を調製した。この表面処理剤を用いて試料鋼板を処理
し、60℃雰囲気により皮膜を形成した。 <実施例6>エマルジョン例Eで調製した水系樹脂エマ
ルジョン208.3gにN−(β−アミノエチル)−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン3.17gおよび
脱イオン水600.0gを加えて攪拌し、これに脱イオ
ン水100.0gに硝酸アルミニウム(9水和物)をア
ルミニウムとして11.11gとなる量溶解した水溶液
を加えた。さらに脱イオン水を加えて1Lとし、樹脂固
形分80g/L、アルミニウムイオン0.8g/Lの表
面処理剤を調製した。この表面処理剤を用いて試料鋼板
を処理し、40℃雰囲気により皮膜を形成した。
【0049】<実施例7>エマルジョン例Fで調製した
水系樹脂エマルジョン156.3gに脱イオン水60
0.0gを加えて攪拌し、これに脱イオン水50.0g
にりん酸0.3gを加え、さらに炭酸カルシウム1.5
gを溶解した水溶液を加えた。さらに脱イオン水を加え
て1Lとし、樹脂固形分60g/L、カルシウムイオン
0.6g/Lの表面処理剤を調製した。この表面処理剤
を用いて試料鋼板を処理し、40℃雰囲気により皮膜を
形成した。 <実施例8>エマルジョン例Fで調製した水系樹脂エマ
ルジョン202.0gにN−(β−アミノエチル)−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン0.77gおよび
脱イオン水600.0gを加えて攪拌し、これに脱イオ
ン水100.0gに硫酸ニッケル3.59gを溶解した
水溶液を加えた。さらに脱イオン水を加えて1Lとし、
樹脂固形分80g/L、ニッケルイオン0.8g/Lの
表面処理剤を調製した。この表面処理剤を用いて試料鋼
板を処理し、60℃雰囲気により皮膜を形成した。
【0050】<実施例9>エマルジョン例Fで調製した
水系樹脂エマルジョン151.5gにγ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン0.58gおよび脱イオン水60
0.0gを加えて攪拌し、これに脱イオン水100.0
gに硝酸アルミニウム8.33gを溶解した水溶液を加
えた。さらに脱イオン水を加えて1Lとし、樹脂固形分
60g/L、アルミニウムイオン0.6g/Lの表面処
理剤を調製した。この表面処理剤を用いて試料鋼板を処
理し、60℃雰囲気により皮膜を形成した。 <実施例10>実施例2の表面処理剤を用いて試料鋼板
を処理し、常温乾燥(自然乾燥)により皮膜を形成し
た。 <実施例11>実施例3の表面処理剤を用いて試料鋼板
を処理し、常温乾燥(自然乾燥)により皮膜を形成し
た。
【0051】<実施例12>エマルジョン例Gで調製し
た水系樹脂エマルジョン150.0gに脱イオン水60
0.0gを加えて攪拌し、これに脱イオン水100.0
gに硝酸亜鉛1.70gを溶解した水溶液を加えた。さ
らに脱イオン水を加えて1Lとし、樹脂固形分60g/
L、亜鉛イオン0.6g/Lの表面処理剤を調製した。
この表面処理剤を用いて試料鋼板を処理し、60℃雰囲
気により皮膜を形成した。 <実施例13>エマルジョン例Hで調製した水系樹脂エ
マルジョン200.0gに脱イオン水600.0gを加
えて攪拌し、これに脱イオン水50.0gにりん酸1.
6gを加え、さらに酸化亜鉛0.5gを溶解した水溶液
を加えた。さらに脱イオン水を加えて1Lとし、樹脂固
形分80g/L、亜鉛イオン0.4g/Lの表面処理剤
を調製した。この表面処理剤を用いて試料鋼板を処理
し、60℃雰囲気により皮膜を形成した。
【0052】<実施例14>エマルジョン例Iで調製し
た水系樹脂エマルジョン150.0gに脱イオン水60
0.0gを加えて攪拌し、これに脱イオン水50.0g
にりん酸0.45gを加え、さらに酸化亜鉛0.14g
を溶解した水溶液を加えた。さらに脱イオン水を加えて
1Lとし、樹脂固形分60g/L、亜鉛イオン0.11
g/Lの表面処理剤を調製した。この表面処理剤を用い
て試料鋼板を処理し、60℃雰囲気により皮膜を形成し
た。 <実施例15>エマルジョン例Jで調製した水系樹脂エ
マルジョン100.0gに脱イオン水600.0gを加
えて攪拌し、これに脱イオン水50.0gにりん酸0.
32gを加え、さらに酸化亜鉛0.1gを溶解した水溶
液を加えた。さらに脱イオン水を加えて1Lとし、樹脂
固形分40g/L、亜鉛イオン0.08g/Lの表面処
理剤を調製した。この表面処理剤を用いて試料鋼板を処
理し、60℃雰囲気により皮膜を形成した。
【0053】<実施例16>エマルジョン例Kで調製し
た水系樹脂エマルジョン200.0gに脱イオン水60
0.0gを加えて攪拌し、これに脱イオン水100.0
gにりん酸マンガン(II)一塩基性4水和物をマンガ
ンとして3.51g溶解した水溶液を加えた。さらに脱
イオン水を加えて1Lとし、樹脂固形分80g/L、マ
ンガンイオン0.8g/Lの表面処理剤を調製した。こ
の表面処理剤を用いて試料鋼板を処理し、40℃雰囲気
により皮膜を形成した。 <実施例17>エマルジョン例Lで調製した水系樹脂エ
マルジョン150.0gに脱イオン水600.0gを加
えて攪拌し、これに脱イオン水100.0gに硫酸第一
鉄2.99gを溶解した水溶液を加えた。さらに脱イオ
ン水を加えて1Lとし、樹脂固形分60g/L、鉄イオ
ン0.6g/Lの表面処理剤を調製した。この表面処理
剤を用いて試料鋼板を処理し、40℃雰囲気により皮膜
を形成した。
【0054】<実施例18>エマルジョン例Lで調製し
た水系樹脂エマルジョン200.0gに脱イオン水60
0.0gを加えて攪拌し、これに脱イオン水100.0
gに硝酸コバルト3.96gを溶解した水溶液を加え
た。さらに脱イオン水を加えて1Lとし、樹脂固形分8
0g/L、コバルトイオン0.8g/Lの表面処理剤を
調製した。この表面処理剤を用いて試料鋼板を処理し、
60℃雰囲気により皮膜を形成した。 <実施例19>実施例12の表面処理剤を用いて試料鋼
板を処理し、常温乾燥(自然乾燥)により皮膜を形成し
た。 <実施例20>実施例13の表面処理剤を用いて試料鋼
板を処理し、常温乾燥(自然乾燥)により皮膜を形成し
た。
【0055】<比較例1>エマルジョン例Aで調製した
水系樹脂エマルジョン210.5gに脱イオン水を加え
て1Lとし、樹脂固形分80g/Lの表面処理剤を調製
した。この比較表面処理剤を用いて試料鋼板を処理し、
60℃雰囲気により皮膜を形成した。 <比較例2>エマルジョン例Bで調製した水系樹脂エマ
ルジョン103.1gに脱イオン水600.0gを加え
て攪拌し、これに脱イオン水100.0gにりん酸0.
53gを溶解させた水溶液を加えた。さらに脱イオン水
を加えて1Lとし、樹脂固形分40g/L、りん酸0.
4g/Lの表面処理剤を調製した。この表面処理剤を用
いて試料鋼板を処理し、60℃雰囲気により皮膜を形成
した。
【0056】<比較例3>エマルジョン例Dで調製した
水系樹脂エマルジョン160.3gに脱イオン水60
0.0gを加えて攪拌し、これに脱イオン水100.0
gにりん酸亜鉛1.05gを懸濁した懸濁液を加えた。
さらに脱イオン水を加えて1Lとし、樹脂固形分60g
/L、亜鉛イオン0.11g/Lの表面処理剤を調製し
た。この表面処理剤を用いて試料鋼板を処理し、60℃
雰囲気により皮膜を形成した。 <比較例4>エマルジョン例Eで調製した水系樹脂エマ
ルジョン156.3gに脱イオン水600.0gを加え
て攪拌し、これに脱イオン水100.0gにモリブデン
酸ナトリウム・2水和物1.50gを溶解した水溶液を
加えた。さらに脱イオン水を加えて1Lとし、樹脂固形
分60g/L、モリブデンイオン0.6g/Lの表面処
理剤を調製した。この表面処理剤を用いて試料鋼板を処
理し、60℃雰囲気により皮膜を形成した。
【0057】<比較例5>エマルジョン例Gで調製した
水系樹脂エマルジョン150.0gに脱イオン水を加え
て1Lとし、樹脂固形分60g/Lの表面処理剤を調製
した。この表面処理剤を用いて試料鋼板を処理し、60
℃雰囲気により皮膜を形成した。
【0058】3.試料鋼板の作製および前処理、および
表面処理剤による処理 <試料鋼板の作製>2種の亜鉛系めっき鋼板、すなわち
市販の厚さ0.8mmの両面溶融亜鉛めっき鋼板(GI
材:目付量120g/m2)および市販の厚さ0.6m
mの両面電気亜鉛めっき鋼板(EG材:目付量40g/
2)を共に70×150mmにカットして試料鋼板と
した。 <試料鋼板の洗浄>上記亜鉛系めっき鋼板の表面を中ア
ルカリ系脱脂剤(登録商標:ファインクリーナー433
6(日本パーカライジング(株)製、薬剤濃度:20g
/L)を用いて、処理濃度:43℃、処理時間:20秒
の条件でスプレー処理し、表面に付着しているゴミや油
を除去した。ついで表面に残存しているアルカリ分を水
道水により洗浄し、乾燥して試料鋼板とした。 <表面処理剤による処理>上記2つの試料鋼板のいずれ
かを、上記実施例または比較例に示される表面処理剤に
それぞれ10〜60秒間浸漬し、引き上げ、自然乾燥
(=常温乾燥)または60℃もしくは40℃の熱風雰囲
気で乾燥した。
【0059】4.評価試験 以下に示す評価試験方法により、実施例または比較例の
表面処理剤で処理した試料鋼板の耐白錆性、および該表
面処理剤の液安定性を評価した。 4.1.耐白錆性 4.1.1.水滴スタック試験 2枚の同一種類の試料鋼板を用い、一方を試験面(処理
面)を上にして水平に置き、試験面に脱イオン水を一滴
滴下し、ついで他方の試料鋼板を試験面が向き合うよう
に重ね、全体を梱包紙で包んだ状態で、上下方向から、
上下ジグ付き(ネジで止めるタイプ)板で挟み、トルク
レンチで70kgf・cmの荷重をかけ、湿潤試験機
(50℃、湿度98%)中に放置し、240時間後の水
滴部分の白錆発生を観察した。評価基準は次の通りであ
る。 ◎:全く変化なし、○:白錆5%未満、△:白錆5%以
上、20%未満、×:白錆20%以上、50%未満、×
×:白錆50%以上
【0060】4.1.2.湿潤試験 試料鋼板を湿潤試験機(50℃、湿度98%)中に放置
し、240時間後の白錆発生を観察した。 ◎:全く変化なし、○:白錆10%未満、△:白錆10
%以上、20%未満、×:白錆20%以上、50%未
満、××:白錆50%以上 4.2.液安定性 表面処理剤を恒温槽(60℃)中に90日間保管し、液
安定性(外観、沈降物、pH、粘度係数)を評価した。 ○:全く変化なし、△:多少変化あり、×:ゲル化また
は沈降有り
【0061】5.評価試験結果 評価試験結果を表1に示す。表1の結果から明らかなよ
うに、本発明の表面処理剤を用いて処理した実施例1〜
10の亜鉛系めっき鋼板は、良好な耐白錆性(水滴スタ
ック試験、湿潤試験)を示し、かつ表面処理剤の液安定
性も優れていた。これに対し、本発明の範囲外の表面処
理剤を用いた比較例1〜5(比較例1および2:シラン
カップリング剤および金属イオン不含有、比較例3:シ
ランカップリング剤不含有、比較例4:本発明の範囲外
の金属イオンを使用、比較例5:金属イオン不含有)の
亜鉛系めっき鋼板は、耐白錆性がかなり劣っていた。
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】本発明の表面処理剤を用いて、亜鉛系め
っき鋼材・鋼構造物を処理すると、クロメートを使用せ
ずに、優れた耐白錆性を与えることが可能である。ま
た、該表面処理剤自体も良好な液安定性を有し、作業性
に困難なところがなく、経済的にも低コストである。し
たがって、亜鉛系めっき鋼材・鋼構造物を使用する種々
の分野に適用することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 皮膜形成性樹脂成分として、(A)後
    述のシランカップリング剤の官能基bと反応する官能基
    を有さないエチレン性不飽和単量体の1種以上と(B)
    アミド基、エポキシ基、ヒドロキシル基、カルボキシル
    基(共重合後にカルボキシル基を生成する場合を含む)
    およびスルホン基(塩を形成している場合を含む)から
    選ばれる官能基aを有するエチレン性不飽和単量体の1
    種以上とを、単量体(A)/単量体(B)(重量比)=
    2/1〜200/1で、乳化共重合させて得られる水系
    樹脂エマルジョンに、該官能基aとの反応性を有する官
    能基bを有するシランカップリング剤の1種以上を単量
    体(B)に対して0.1〜10重量%、およびアルミニ
    ウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ニッケル、コ
    バルト、鉄、ジルコニウム、チタン、タングステンおよ
    びマンガンのイオンから選ばれる1種以上の金属イオン
    を単量体(A)および単量体(B)の合計量100重量
    部に対して0.01〜1.50重量部含有させてなる、
    亜鉛系めっきを施した鋼材もしくは鋼構造物用の表面処
    理剤。
  2. 【請求項2】 皮膜形成性樹脂成分として、(1)カ
    ルボキシル基(共重合後にカルボキシル基を生成する場
    合を含む)を有するエチレン性不飽和単量体の1種以
    上、(2)(メタ)アクリロイルオキシ基もしくはビニ
    ル基含有シランカップリング剤の1種以上および(3)
    上記成分(1)および(2)以外のエチレン性不飽和単
    量体の1種以上を、単量体(3)/単量体(1)(重量
    比)=2/1〜200/1で、かつシランカップリング
    剤(2)を単量体(1)、シランカップリング剤(2)
    および単量体(3)の合計使用量に対して0.1〜15
    重量%使用して、乳化共重合させて得られる水系樹脂エ
    マルジョンに、アルミニウム、マグネシウム、カルシウ
    ム、亜鉛、ニッケル、コバルト、鉄、ジルコニウム、チ
    タン、タングステンおよびマンガンのイオンから選ばれ
    る1種以上の金属イオンを単量体(1)、シランカップ
    リング剤(2)および単量体(3)の合計使用量100
    重量部に対して0.01〜1.50重量部含有させてな
    る、亜鉛系めっきを施した鋼材もしくは鋼構造物用の表
    面処理剤。
  3. 【請求項3】 金属イオンが亜鉛イオンである請求項
    1または2記載の表面処理剤。
  4. 【請求項4】 亜鉛イオンが系に存在させたりん酸亜
    鉛に由来するものである請求項3記載の表面処理剤。
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