JPH1058026A - 高温鋼板の冷却方法およびその装置 - Google Patents

高温鋼板の冷却方法およびその装置

Info

Publication number
JPH1058026A
JPH1058026A JP22216696A JP22216696A JPH1058026A JP H1058026 A JPH1058026 A JP H1058026A JP 22216696 A JP22216696 A JP 22216696A JP 22216696 A JP22216696 A JP 22216696A JP H1058026 A JPH1058026 A JP H1058026A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling
steel plate
water
steel sheet
nozzle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22216696A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoichi Haraguchi
洋一 原口
Michiharu Hannoki
道春 播木
Shigeto Shoji
成人 東海林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP22216696A priority Critical patent/JPH1058026A/ja
Publication of JPH1058026A publication Critical patent/JPH1058026A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B45/00Devices for surface or other treatment of work, specially combined with or arranged in, or specially adapted for use in connection with, metal-rolling mills
    • B21B45/02Devices for surface or other treatment of work, specially combined with or arranged in, or specially adapted for use in connection with, metal-rolling mills for lubricating, cooling, or cleaning
    • B21B45/0203Cooling
    • B21B45/0209Cooling devices, e.g. using gaseous coolants
    • B21B45/0215Cooling devices, e.g. using gaseous coolants using liquid coolants, e.g. for sections, for tubes
    • B21B45/0218Cooling devices, e.g. using gaseous coolants using liquid coolants, e.g. for sections, for tubes for strips, sheets, or plates
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B45/00Devices for surface or other treatment of work, specially combined with or arranged in, or specially adapted for use in connection with, metal-rolling mills
    • B21B45/02Devices for surface or other treatment of work, specially combined with or arranged in, or specially adapted for use in connection with, metal-rolling mills for lubricating, cooling, or cleaning
    • B21B45/0203Cooling
    • B21B45/0209Cooling devices, e.g. using gaseous coolants
    • B21B45/0215Cooling devices, e.g. using gaseous coolants using liquid coolants, e.g. for sections, for tubes
    • B21B45/0233Spray nozzles, Nozzle headers; Spray systems

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】厚鋼板などの制御冷却に好適な、構造が簡単
で、早い冷却速度で、精度良く冷却できる方法およびそ
の装置を提供する。 【解決手段】冷却水を、鋼板の搬送方向に対して所定の
角度をなし、鋼板の幅方向に対しては所定の間隔をもっ
た平行な複数個の高速の水膜として鋼板表面に衝突さ
せ、衝突後の冷却水は衝突域を境にして均等に左右に分
かれて鋼板表面に沿った流水域を形成し、かつ、衝突域
の端部は、鋼板の搬送方向から見て互いに重ならずに連
続するように配置して冷却する、高温鋼板の冷却方法。
複数個のスリットノズル(10)が、鋼板の搬送方向に対し
ては所定の角度(θ)をなし、鋼板の幅方向に対しては所
定の間隔(L2 )をもって平行に配置され、かつ、隣接す
るスリットノズル同士は、その端部(10a 、10b) が鋼板
の搬送方向に対して重ならずに連続するように配置され
ている冷却装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温の鋼板を高い
冷却速度で、かつ、鋼板の面内および表裏面を均一に冷
却するための冷却方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年厚鋼板製造プロセスにおいて、低温
域での大圧下圧延を特徴とする制御圧延と、500 ℃前後
まで急冷した後に空冷することを特徴とする制御冷却と
を組み合わせて、高強度、高靭性鋼板を得る技術が広く
実生産に適用されている。この方法により、低合金で溶
接性にも優れた高強度高靭性鋼板が低コストで製造でき
る。
【0003】制御冷却を効果的に行なうには、細粒組織
を得るために目標温度まで急速に冷却できる技術と、急
速冷却を行なっても材質の均一性や鋼板の形状などを悪
化させないための鋼板面内あるいは表裏面を均一に冷却
する技術とが必要である。これらの技術に対する要求
は、鋼板の性能に対する要求が高度化するにつれて厳し
くなっており、これに対応してさまざまな冷却方法が考
案されてきた。
【0004】高温の鋼板を冷却する場合の冷却速度を高
めるには、冷却水量の増加や冷却水の高速化などが効果
的である。冷却方法には、浸漬法、スプレー法、ラミナ
ー法あるいは高圧水をスリットノズルから噴出する方法
などがある。スプレー法は、水を加圧してノズルから噴
出し液滴群にして冷却する方法で、冷却水はノズルから
噴射されて放射状に拡がるのである程度の広さの面を冷
却できる。しかし、供給水が分散するために鋼板表面へ
の衝突力が弱く、一般的には冷却速度は遅くなる。ラミ
ナー冷却は、ノズルからの流出速度が遅いときに生じる
層流を利用して冷却するもので、水柱あるいは水膜によ
る冷却方法である。噴射距離が取れるので鋼板の上方に
ノズルを待避させた状態で冷却できる。このため、熱延
鋼板の冷却などに広く用いられているが、冷却能力の向
上には限界がある。
【0005】高速冷却に適したスリットノズルを用いて
冷却する装置の例として、特開昭62−161415号
公報に開示されている装置を図11に示す。この冷却方法
は、スリットノズル10J から鋼板表面に噴射角αの傾き
をつけてジェット水流を噴射し、下流側に水切りロール
a を設置して下流への水流を遮断して鋼板2a を冷却
するものである(以下、この方法を傾斜スリットジェッ
ト法と記す)。
【0006】この傾斜スリットジェット冷却法は、他の
冷却方法(例えば、上述のラミナ冷却法など)に比べ
て、高速の冷却水を大量に用いることができるので冷却
能力が高く、熱容量が大きい厚鋼板などの冷却に採用で
きる。しかしながら、このようなスリットノズルを用い
る冷却法の場合でも、鋼板表面に高速の冷却水が衝突す
る部分(以下、衝突域と記す)では極めて高い冷却能が
得られるが、衝突後の水が鋼板上を流れる部分(以下、
流水域と記す)では、衝突域から離れるにつれて、流水
の水温上昇、鋼板との摩擦、滞留水の巻き込みによる流
速の減少などのために冷却能が減衰し、全体的には効率
面でまだ改善の余地が残されている。
【0007】特公昭63−8168号公報では、ノズル
から噴出した冷却水が鋼板表面に偏平な衝突域を形成す
る液滴流を噴出するフラットスプレーノズルを複数個設
けたスプレーヘッダーを用いて鋼板を冷却する方法(以
下、フラトスプレー法と記す)を開示している。この方
法では、隣り合うスプレーヘッダーの間でフラットスプ
レーノズルの向きが互いに対称となるように配置するこ
とで、冷却を阻害するよどみ流れ状の冷却水(以下、滞
留水と記す)を排除して冷却を促進する方法が提示され
ている。
【0008】しかし、フラットスプレー法のスプレー水
衝突域での冷却能は、スリットジェット法に較べて劣る
うえ、フラットスプレー法の場合は、ノズルから噴出さ
れた液滴流が広がるため、同じ衝突域内でも中央部から
端部になるにつれて衝突圧が弱くなって冷却能が減少す
る。また、流水域での冷却能の減衰割合も傾斜スリット
ジェット法に較べても大きく、均一性・冷却能の両面で
傾斜スリットジェット法に比べると劣っていた。
【0009】特公平5−86298号公報には鋼板の下
面の冷却を強化するために、下面の冷却面積を拡大する
方法が提示されている。これは、鋼板を搬送するロール
とロールの間に柱状の冷却水を噴出するノズルを複数列
設けたヘッダーを用い、かつ、鋼板の長手方向にはこの
冷却水が扇状に噴出されるように冷却水の噴出方向を変
えたノズルを用いることによって下面の冷却面積を拡大
する方法である。この方法においても、柱状の冷却水で
あるがためにその衝突域が狭く、熱容量が大きい高温の
厚鋼板を冷却する手段としては冷却能の面で十分ではな
いうえ、冷却むらも生じ易い。さらに、この装置を鋼板
の上面に使用した場合、滞留水を速やかに排出できず、
冷却能が低下すると共に、滞留水の滞留高さが板幅方向
の中央部と端部で異なるために、板幅方向での冷却不均
一が生じる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、構造が簡単で、従来よりも高い冷却速度
で、平坦不良を発生することなく均一に、精度良く高温
鋼板を冷却できる方法とその装置を提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、スリット
ノズルが持つ高冷却能の特性の活用と、これを用いて均
一冷却を実現する方法を研究して本発明を完成した。本
発明の要旨は下記の高温鋼板の冷却方法と冷却装置にあ
る。(図1、4、6および7参照) (1)冷却水を、鋼板の搬送方向に対して所定の角度θ
をなし、鋼板の幅方向に対しては所定の間隔L2 をもっ
た平行な複数個の高速の水膜(以下、スリット噴流水と
記す)として高温の鋼板2の表面に衝突させ、衝突後の
冷却水は、各々のスリット噴流毎に衝突域11を境にして
ほぼ均等な量で左右に分かれて鋼板表面に沿って流れる
流水域13を形成し、主としてこの衝突域11と流水域13と
で鋼板2を冷却する方法であって、衝突域11の端部11a
を、隣の衝突域の端部11b に対して、鋼板の搬送方向か
ら見て互いに重ならずに連続するように配置して冷却す
ることを特徴とする、高温鋼板の冷却方法。
【0012】(2)搬送ロール4と、搬送ロール4の上
部に設置された水切りロール3とに挟まれながら搬送さ
れる高温の鋼板2の上下両面を冷却するために、搬送ロ
ール4間および水切りロール3間に設置されたノズルヘ
ッダー8を有する鋼板冷却装置5において、このノズル
ヘッダー8には、鋼板2の搬送方向に対して所定の角度
θをなし、鋼板2の幅方向に対しては所定の間隔L2
もって平行に配置されたスリット噴流水を噴出する複数
個のスリットノズル10が設けられ、かつ、隣りあうスリ
ットノズル10の端部10a を隣のスリットノズルの端部10
b に対して、鋼板2の搬送方向から見て互いに重ならず
に連続するように配置されていることを特徴とする高温
鋼板2の冷却装置5。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる高温鋼板の
冷却方法およびその装置の詳細と作用を図1〜図11と共
に説明する。
【0014】(1)冷却方法 図7は本発明に関する、スリットノズル10から高圧のス
リット噴流水が鋼板2の表面に衝突する時の冷却水の流
れを概念的に示した図である。スリットノズル10から高
圧で噴射されたスリット噴流水は、殆ど広がらないで鋼
板2の表面に衝突して衝突域11を形成し、さらに、衝突
域11の両側に分かれて鋼板2の表面に沿って流れる流水
域13を形成する。流水域13は鋼板2の表面にある厚みの
層となって形成される一次元的な流れである。流水域13
は、隣りのスリットノズルからの流水と衝突して流水域
13の上部に滞溜水域14を形成する。滞留水域での水流
は、流れの方向が一定せず無秩序に変動しており、流速
は遅く、冷却能も弱い。また、流水域の上に形成される
滞留水域の厚みが増すにつれて、流水域の冷却能が阻害
される。このため、滞留水は速やかに系外に排出される
ことが望ましい。
【0015】図8は、鋼板表面上の冷却水の衝突点から
の距離と冷却能との関係を示す図である。流水域での冷
却能は衝突域から離れるにつれて低下するが、衝突域か
ら100mm までの間は衝突域に近い高冷却能を維持してお
り、150mm 離れた位置でも良好な冷却能を持っている。
【0016】スプレー法や柱状の冷却水を用いる冷却方
法では、鋼板表面に衝突した冷却水は、鋼板表面上を二
次元的に広がるため、流速が急速に減少して冷却能が急
減する。スリット噴流水の場合にはこれらと異なり、特
に衝突域近くの流水域では、一次元的な流れであるため
に流速がほとんど減速しないので高い冷却能が得られ
る。本発明では、流水域の冷却能が高い領域(例えば、
衝突域から150 mm以内)のみが鋼板表面上に形成される
ように、スリット噴流水の間隔と鋼板の搬送方向に対す
る角度θとを選定する。
【0017】さらに、本発明では、鋼板2が本冷却装置
5を通過する間に衝突域11と流水域13を通過する時間を
幅方向のいずれの位置においても等しくすることで、鋼
板2の幅方向での均一な冷却を実現する。このために、
隣り合うスリット噴流水の衝突域は、鋼板2の搬送方向
に対して重ならずに連続するように配置される(図6参
照)。例えば、図6のaの位置とbの位置とで衝突域11
と流水域13を合わせた長さが等しい。
【0018】鋼板表面に対してスリット噴流水を傾けて
噴射すると、衝突域11の左右の流水域の長さが等しくな
らず、隣のスリット噴流水の流れを乱して冷却能を損な
う。このため、鋼板表面に対するスリット噴流水の噴射
角度α(図11参照)は90±15°の範囲であることが好ま
しい。図7に示すように、鋼板2の表面に垂直(噴射角
度90°)に噴射させるのがより好ましい。
【0019】(2)冷却装置 図1は本発明による冷却装置を厚鋼板の冷却設備に適用
した場合の配置例を示す図である。仕上圧延機1で所定
の厚さに圧延された鋼板2は、圧延機を出た直後に、あ
るいは、ローラテーブル上を搬送されながら、鋼板の上
下面に設けられた本発明による複数基の冷却装置5によ
って所定の温度まで冷却される。
【0020】各冷却装置5の間と本冷却設備の前後端に
は、搬送用ロール4と水切り用のロール3が上下対称な
位置に配置されている。水切りロール3は昇降可能であ
り、鋼板2の板厚に応じてその高さを変えることがで
る。この水切りロール3は、冷却中は鋼板2の上面に接
触しながら回転し、鋼板2の上面に溜まる冷却水を隣り
合う冷却装置間で遮断する役目を果たしている。
【0021】図2〜図4に、本発明の冷却装置の1例を
示す。図2は本発明の実施例の冷却装置5の正面図、図
3はその側面図、図4は冷却装置5に設けられているノ
ズルプレート9におけるスリットノズル10の配置を示す
図である。図2に示すように、冷却装置5は給水管7、
ノズルヘッダー8およびノズルプレート9などから構成
される。給水管7は冷却水の流入量を制御するための制
御弁を介して送水管6に接続されている。ノズルプレー
ト9の幅は冷却すべき鋼板2を十分に覆えるだけの幅が
有ればよい。また、その材質は強度と耐食性を兼ね備え
たものを用いることが好ましい。ノズルヘッダーとノズ
ルプレートとの取り付け方法は、高圧と高温に耐えて、
保守を行うときには簡単に取り外しができる方法で有れ
ば如何なる方法でもよい。
【0022】図4に示すように、ノズルプレート9には
スリット噴流水を噴出するための複数個のスリットノズ
ル10が幅方向に所定の間隔L2 をもって互いに平行に設
けられている。これらのスリットノズル10は搬送方向に
対して一定の角度θをもっており、かつ、隣りあうスリ
ットノズルの端部10a と端部10b は鋼板の搬送方向から
見て互いに重ならず、かつ、連続するように配置されて
いる。
【0023】図5は本発明の冷却装置5を用いた場合の
鋼板2の表面での衝突域11の位置を示す図である。図6
に、図5に記載のA部の冷却水の流れを拡大して示す。
【0024】滞溜水は流水域13の上部を経て前後の水切
りロール3の方向に向かって流出し、さらに水切りロー
ル3に沿って鋼板の端部に向けて速やかに排出される。
これにより、滞留水による噴流の冷却能の低下がなく、
鋼板端部と中央部の間での冷却むらを生じることもな
く、鋼板幅方向で均一な冷却が実現できる。
【0025】スリットノズル10の開口部の形状は、スリ
ットの長手方向での冷却能が均一になるような形状であ
ればよく、矩形でも良いし、長辺、短辺ともに直線でな
くてもよい。その寸法(L1 、t)、幅方向に隣り合う
スリットノズルの間隔L2 およびこれらから一義的に決
まるスリットノズル10と鋼板の搬送方向との間の角度θ
は、各ロールの間隔、ノズルプレートの幅、ノズルの個
数などを考慮して決定すれば良い。保守や安定性などの
観点から、好ましくはノズルの開口部の寸法tは5〜10
mm、ノズル個数は1ノズルヘッダー当たり50個以下であ
る。
【0026】スリットノズル10が鋼板2の搬送方向に対
してなす角度θは滞留水を円滑に排出する角度に設定す
ればよく、15゜〜60゜の範囲が好ましい。θが15゜に満
たない場合は、衝突域の間からの滞留水の排出力が弱い
ので好ましくない。また、60゜を超える場合には水切り
ロールに衝突して跳ね返る流水が滞留水の板幅方向への
排出を妨げると共に、ノズルの間隔L2 が大きくなって
流水域が長くなり、流水域での冷却能が低下するので好
ましくない。
【0027】本発明の冷却装置5を鋼板2の下面の冷却
に使用した場合でも、上面側の冷却と同様に衝突域11と
流水域13が形成される。滞溜水は下方に落下するので滞
留水域14は形成されない。したがって上面側の場合と同
様に下面でも高速で均一な冷却を行うことができる。ま
た本発明の冷却方法を鋼板2の上下面両方の冷却に用い
た場合、双方の冷却能がほぼ等しくなるために上下面間
での温度差が発生せず、平坦不良が発生することがなく
安定して鋼板を製造することができる。
【0028】ノズルプレート9を板厚が厚い一枚板で作
れば、操業中に鋼板が衝突しても破損しにくく、耐久性
にも優れる。
【0029】
【実施例】
〔実施例1〕以下に、この発明の好適な一実施例を図面
に基づいて説明する。図1に示すように、ローラテーブ
ル上を搬送される鋼板2の上面と下面に本発明の冷却装
置5をそれぞれ12基設置した。隣り合う冷却装置5の間
隔は750 mmであり、各冷却装置の中間および冷却設備の
前後端には水切り用の直径300 mmのロール3を配置し
た。このロール3は、やはり750 mm間隔で設置されてい
る搬送用ロール4の上部に位置している。
【0030】冷却装置5に固定されたノズルプレート9
の寸法は、幅5000mm、長さが400 mmで20mmの厚さのステ
ンレス鋼板製であり、ノズルヘッダー8にボルトにより
取り外しが可能なように取り付けた。
【0031】ノズルプレートに設けたスリットノズル10
の開口部の寸法tは5mm、搬送方向での長さL1 は350
mm、かつ、隣りのスリットノズルとの間隔L2 は200 mm
とした。この場合のスリットノズルの方向と搬送方向と
の間の角度θは、29.7度になる。それぞれのスリットノ
ズルは同じ寸法形状をしており、幅方向に互いに平行に
配置した。
【0032】図11は、前記特開昭62−161415号
公報に開示されている傾斜スリットジェット法による冷
却方法を示す図である。比較例として、この装置を用い
た実験も行った。ここでは、板幅方向に直線状に開口し
た矩形の形状のスリットを1本有するノズルヘッダー8
を用い、スリットノズル10a の開口部の幅は5mm、鋼板
表面に対する冷却水の噴射角度αは20゜とした。ノズル
ヘッダー数、水切りロールの間隔、直径、本数は本発明
法も比較例も同じであり、水量もともに1ノズルヘッダ
ーあたり8m3/分とした。ノズルヘッダーでの噴出圧力
は15kgf /cm2とした。
【0033】各種の板厚の鋼板を800 ℃から450 ℃迄冷
却し、鋼板の板厚方向の平均の温度として、30秒間復熱
させた後の板幅中央部の鋼板上表面の温度を計測した。
図9にこの結果を示した。これからわかるように、本発
明の方法および装置によれば、比較例に比べて同じ冷却
水量でも大幅に冷却速度が向上しており、高い冷却能力
が得られている。
【0034】図10は、冷却終了後の板幅方向の温度分布
を比較した結果を示す図である。ここでは板厚25mm、板
幅4200mmの厚板を、800 ℃から450 ℃まで水冷し、上記
と同様に復熱した後に鋼板表面の温度を測定した。図10
からわかるように傾斜スリットジェット法では鋼板中央
部での冷却能が低下しているが、本発明の方法および装
置によれば均一に冷却されている。比較例では板幅中央
部に滞溜水が大量に残り、この影響によって冷却速度が
低下したものと推定される。
【0035】
【発明の効果】本発明の方法によれば、従来に比べてよ
り高い冷却速度を得ることができるうえ、鋼板全体にわ
たって温度分布を正確に制御することもできるので平坦
不良や機械的性質の変動を生じることもなく、精度良く
高速の冷却が実現できる。このため、高性能で均質な鋼
板が安定して製造できる。
【0036】また、本発明の冷却装置は、構造が簡単で
経済性に優れる上、保守も容易であり、高温の鋼板を高
速で精度良く冷却するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷却装置の使用例を示す図である。
【図2】本発明の冷却装置の正面図である。
【図3】本発明の冷却装置の側面図である。
【図4】本発明のノズルプレートにおけるスリットノズ
ルの配置例を示す図である。
【図5】スリットノズルからの噴流水が鋼板表面に衝突
する衝突域の分布を概念的に示す図である。
【図6】鋼板表面での冷却水の流れ方を、図5のA部を
拡大して概念的に示した図である。板上水の流れの方向
を太線の矢印で、滞留水の流れの方向を細線の矢印で示
す。
【図7】図5のB−B断面での鋼板表面での冷却水の流
れ方を概念的に示す立面図である。板上水の流れの方向
を太線の矢印で、滞留水の流れの方向を細線の矢印で示
す。
【図8】スリット噴流水の衝突域からの距離と流水域の
冷却能との関係を示す図である。
【図9】板厚と冷却速度の関係を示す図である。実線は
本発明の冷却方法を用いた場合、点線は比較例としての
傾斜スリットジェット法を用いた場合を示す。
【図10】冷却終了時の板幅方向の温度分布を示した図で
ある。実線は本発明の冷却方法を用いた場合、点線は比
較例としての傾斜スリットジェット法を用いた場合であ
る。
【図11】比較例としての傾斜スリットジェット法による
冷却方法を示す概念図である。
【符号の説明】
1 仕上圧延機 2 鋼板 3 水切りロール 4 搬送ロール 5 冷却装置 6 送水管 7 給水管 8 ノズルヘッダー 9 ノズルプレート 10 スリットノズル 11 衝突域 12 流水域 13 滞留水域

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼板の搬送方向に対して所定の角度を有
    し、鋼板の幅方向に対して所定の間隔をもった平行な複
    数個の水膜状の冷却水を高温の鋼板表面に衝突させ、衝
    突後の冷却水は各々の水膜毎に、衝突域を境にしてほぼ
    均等な量で左右に分かれて鋼板表面に沿って流れる流水
    域を形成し、主としてこの衝突域と流水域とで鋼板を冷
    却する方法であって、衝突域の端部が、隣の衝突域の端
    部に対して鋼板の搬送方向から見て互いに重ならずに連
    続するように冷却水を供給することを特徴とする高温鋼
    板の冷却方法。
  2. 【請求項2】搬送ロールと、その搬送ロールの上部に設
    置された水切りロールとに挟まれながら搬送される高温
    鋼板の上下両面を冷却するために、搬送ロール間および
    水切りロール間に設置されたノズルヘッダーを有する鋼
    板冷却装置において、このノズルヘッダーには、鋼板の
    搬送方向に対して所定の角度をなし、鋼板の幅方向に対
    しては所定の間隔をもって平行に配置された複数個のス
    リットノズルが設けられ、かつ、隣りあうスリットノズ
    ルの端部同士は、鋼板の搬送方向から見て互いに重なら
    ずに連続するように配置されていることを特徴とする高
    温鋼板の冷却装置。
JP22216696A 1996-08-23 1996-08-23 高温鋼板の冷却方法およびその装置 Pending JPH1058026A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22216696A JPH1058026A (ja) 1996-08-23 1996-08-23 高温鋼板の冷却方法およびその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22216696A JPH1058026A (ja) 1996-08-23 1996-08-23 高温鋼板の冷却方法およびその装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1058026A true JPH1058026A (ja) 1998-03-03

Family

ID=16778218

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22216696A Pending JPH1058026A (ja) 1996-08-23 1996-08-23 高温鋼板の冷却方法およびその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1058026A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001064362A1 (fr) * 2000-03-01 2001-09-07 Nkk Corporation Dispositif et procede de refroidissement d'une bande d'acier laminee a chaud et procede de fabrication de cette bande d'acier laminee a chaud
JP2009279651A (ja) * 2008-04-24 2009-12-03 Jfe Steel Corp 熱延鋼帯の下面冷却方法および下面冷却装置
JP4788851B2 (ja) * 2009-06-30 2011-10-05 住友金属工業株式会社 鋼板の冷却装置、熱延鋼板の製造装置及び製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001064362A1 (fr) * 2000-03-01 2001-09-07 Nkk Corporation Dispositif et procede de refroidissement d'une bande d'acier laminee a chaud et procede de fabrication de cette bande d'acier laminee a chaud
US6733720B2 (en) 2000-03-01 2004-05-11 Nkk Corporation Method and apparatus for cooling hot rolled steel strip, and method for manufacturing hot rolled steel strip
US7052647B2 (en) 2000-03-01 2006-05-30 Jfe Steel Corporation Method and apparatus for cooling hot rolled steel strip, and method for manufacturing hot rolled steel strip
US7357894B2 (en) 2000-03-01 2008-04-15 Jfe Steel Corporation Method and apparatus for cooling hot rolled steel strip, and method for manufacturing hot rolled steel strip
US7556701B2 (en) 2000-03-01 2009-07-07 Jfe Steel Corporation Method for cooling hot roller steel strip, and method for manufacturing hot rolled steel strip
JP2009279651A (ja) * 2008-04-24 2009-12-03 Jfe Steel Corp 熱延鋼帯の下面冷却方法および下面冷却装置
JP4788851B2 (ja) * 2009-06-30 2011-10-05 住友金属工業株式会社 鋼板の冷却装置、熱延鋼板の製造装置及び製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4586791B2 (ja) 熱延鋼帯の冷却方法
US8506879B2 (en) Method for cooling hot strip
EP1935522B1 (en) Reversing rolling mill with cooling facility and corresponding method of cooling a steel plate or sheet
JP4449991B2 (ja) 熱延鋼帯の冷却装置及び方法
JP4586682B2 (ja) 鋼板の熱間圧延設備および熱間圧延方法
EP1992426B1 (en) Cooling apparatus for hot rolled steel band and method of cooling the steel band
US8353191B2 (en) Cooling device and cooling method for hot strip
TWI553124B (zh) Hot - rolled steel strip cooling method and cooling device
KR101158327B1 (ko) 금속 스트립 냉각용 냉각 장치
WO2010131467A1 (ja) 熱延鋼板の冷却方法及び冷却装置
JP4905051B2 (ja) 鋼板の冷却設備および冷却方法
JP3770216B2 (ja) 熱延鋼帯の冷却装置および熱延鋼帯の製造方法ならびに熱延鋼帯製造ライン
JP2001286925A (ja) 鋼板の水冷装置とその水冷方法
JP5685861B2 (ja) 熱鋼板の水切り装置、水切り方法および冷却設備
JPH1058026A (ja) 高温鋼板の冷却方法およびその装置
JP2898873B2 (ja) 高温金属板の下面冷却装置
JP2002121616A (ja) 高温被冷却板の水切り方法及び装置
JP2001353515A (ja) 高温鋼板の水切り方法及びその装置
JP5428452B2 (ja) 熱延鋼帯の下面冷却方法および下面冷却装置
JPH08206724A (ja) スケール剥離装置
JPH10272509A (ja) H形鋼の冷却方法および冷却装置
JPH10277626A (ja) 鋼帯冷却装置
JPH0824934A (ja) 熱間圧延における鋼板の均一冷却方法
JP2009202184A (ja) 熱延鋼帯の下面冷却方法および下面冷却装置