JPH105585A - リチウムイオン吸着剤 - Google Patents

リチウムイオン吸着剤

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JPH105585A
JPH105585A JP18667396A JP18667396A JPH105585A JP H105585 A JPH105585 A JP H105585A JP 18667396 A JP18667396 A JP 18667396A JP 18667396 A JP18667396 A JP 18667396A JP H105585 A JPH105585 A JP H105585A
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lithium
ion
lithium ion
phosphate
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JP18667396A
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Osamu Takagi
修 高木
Yasuharu Ono
康晴 大野
Noriyuki Yamamoto
則幸 山本
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】リチウムイオンに対する選択性に優れたリチウ
ムイオン吸着剤を提供する。 【解決手段】下式〔1〕で表される層状リン酸塩の層間
に層間制御物質を担持させた複合体からなるリチウムイ
オン吸着剤。 Hp q M(PO4 2 ・nH2 O 〔1〕 (上式において、MはZr、Ti及びSnより選ばれる
少なくとも1種の4価金属イオンであり、AはMと異な
る金属イオン又はアンモニウムイオンであり、nは0以
上の数であり、p及びqは、いずれも式(p+mq=
2)を満たす数であり、且つpは正数であり、qは0又
は正数である。但し、mはAの価数を表す正の整数であ
る。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ナトリウムイオン
等のリチウムイオンと同族のイオンが共存する系におい
ても、リチウムイオンを選択的に吸着できるリチウムイ
オン吸着剤に関する。
【0002】
【従来技術】近年、リチウム金属及びその化合物は、幅
広い分野、例えばセラミックス、電池、冷媒、吸着剤及
び医薬品等に用いられており、また将来的にも合金材
料、大容量電池及び核融合燃料等としての利用が考えら
れており、リチウムの需要は著しい増加が見込まれてい
る。
【0003】リチウム金属及びその化合物は、現在主と
してスポジューメン、アンブリゴナイト、ペタライト及
びレピドライト等のリチウム含有鉱物(リチウム含有率
は2〜6重量%)及びリチウム濃度の高い塩湖及び地下
水等を原料として製造されているが、わが国では上記の
リチウム資源に乏しいため、需要のほとんどが輸入によ
って賄われているのが現状である。
【0004】予想されるリチウムに対する需要増加に応
えるために、国内の資源を活用したリチウムの入手方法
が望まれている。一方、低濃度ながらリチウムイオンを
含有する地熱水または温泉水等は比較的豊富に国内に存
在するので、これらの資源からリチウムイオンを効率的
に回収する方法が有望視されている。
【0005】水溶液中からリチウムを回収する方法とし
ては、濃縮による析出法、共沈法及びイオン交換法等が
ある。
【0006】析出法として、太陽光の照射により海水又
は塩湖水等を蒸発させ、食塩等を析出除去した後、リチ
ウム塩を採取する方法等があるが、この方法では莫大な
面積とエネルギーを必要とし、気象条件等による制約も
大きいため実用的とは言えない。
【0007】共沈法は、海水、温泉水、地下水等に含有
されるリチウムを水酸化アルミニウムとの共沈により回
収する方法であるが、この方法においてはリチウムに対
する吸着量及び吸着速度が小さいという欠点があり、実
用性が乏しい。
【0008】イオン交換法によりリチウムを回収するに
は、リチウムに対する選択的吸着性に優れた吸着剤を用
いることが必要である。即ち、一般に天然資源中のリチ
ウムは、ナトリウム等、化学的性質が類似しているアル
カリ金属やアルカリ土類金属が高濃度で共存する水溶液
中に存在するため、天然資源中からリチウムを効率よく
回収するには、リチウムを選択的に吸着する必要があ
る。イオン交換樹脂は、広範に使用されている吸着剤で
あるが、リチウムに対する選択性が乏しいため、リチウ
ムの回収は困難である。
【0009】一方、無機イオン交換体は一般にイオン交
換樹脂に比較して選択性に優れていることが知られてい
る。しかし、無定形水酸化アルミニウム、金属アルミニ
ウム及び下記一般式〔2〕で表されるリン酸塩等は、何
れもリチウムを吸着する特性を有するものの、リチウム
に対する選択性が低いという問題がある。 HX 1-X 2 (PO4 3 〔2〕 (上式においてXは1未満の正数であり、AはLi、N
a及びKより選ばれる少なくとも1種であり、MはZ
r、Ti及びSnより選ばれる少なくとも1種であ
る。)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、リチウムに
対する選択性に優れたリチウム吸着剤を提供することを
課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討した
結果、層状の結晶構造を有する特定のリン酸塩の層間に
層間制御物質を担持させることにより、上記課題を解決
することができることを見い出し、本発明を完成するに
至った。即ち、本発明は、下記一般式〔1〕で表される
層状リン酸塩の層間に層間制御物質を担持させた複合体
からなることを特徴とするリチウムイオン吸着剤であ
る。 Hp q M(PO4 2 ・nH2 O 〔1〕 (上式において、MはZr、Ti及びSnより選ばれる
少なくとも1種の4価金属イオンであり、AはMと異な
る金属イオン又はアンモニウムイオンであり、nは0以
上の数であり、p及びqは、いずれも式(p+mq=
2)を満たす数であり、且つpは正数であり、qは0又
は正数である。但し、mはAの価数を表す正の整数であ
る。)
【0012】以下、本発明の吸着剤及びその使用方法に
ついて説明する。本発明の吸着剤は特定の層状リン酸塩
に層間制御物質を担持させたものである。 <層状リン酸塩>本発明における層状リン酸塩は下記一
般式〔1〕で表されるもの(以下、単に層状リン酸塩と
略す)である。 Hp q M(PO4 2 ・nH2 O 〔1〕 (上式において、MはZr、Ti及びSnより選ばれる
少なくとも1種の4価金属イオンであり、AはMと異な
る金属イオン又はアンモニウムイオンであり、nは0以
上の数であり、p及びqは、いずれも式(p+mq=
2)を満たす数であり、且つpは正数であり、qは0又
は正数である。但し、mはAの価数を表す正の整数であ
る。)
【0013】本発明における層状リン酸塩は、無水塩又
は含水塩であり、含水量により、α型(1水塩)、β型
(無水塩)及びγ型(2水塩)等がある。層状リン酸塩
は、その結晶構造において(001)面からなる層の規
則的な繰り返し構造を有しており、層間に層間制御物質
を担持させることにより層間距離を変化させることがで
きるものである。本発明における層状リン酸塩の好まし
い層間距離は、9〜40オングストロームであり、9オ
ングストローム未満では、リチウムイオンに対する選択
的吸着能が不充分であり、40オングストロームより大
きいと、複合体が不安定となる恐れがある。
【0014】上記一般式〔1〕におけるAは、Mと異な
る金属イオン又はアンモニウムイオンであり、本発明の
効果を損なわない範囲で、本発明の吸着剤に担持できる
成分である。好ましいAとして、ナトリウム、カリウ
ム、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ金属及びア
ルカリ土類金属がある。本発明の好ましい吸着剤として
以下のものがある。即ち、 H2Zr(PO4)2・H2O H1.995Na0.005Zr(PO4)2 ・H2O H1.500Na0.500Zr(PO4)2 ・H2O H1.980Cu0.010Zr(PO4)2 ・H2O H1.560Na0.040Cu0.200Zr(PO4)2 ・2H2O H1.700Cr0.100Zr(PO4)2・H2O H1.700Bi0.100Zr(PO4)2・H2O H1.100Na0.300Cr0.200Zr(PO4)2・3H2O H1.100Na0.300Bi0.200Zr(PO4)2・3H2O 及び上記の化合物におけるZrをTi又はSnと置換した化合
物、並びに上記の化合物におけるCu2+を、Zn2+、Mn2+
Ni2+、Pb2+、Hg2+、Sn2+又はCd2+と置換した化合物等が
ある。
【0015】<層間制御物質>本発明における層間制御
物質は、一般にピラーと呼ばれ、層状化合物の層間距離
を所望の大きさに制御できる物質であり、層状リン酸塩
に担持可能であれば良く、両末端に陽イオン化し易い官
能基を有する化合物が望ましい。なかでもブタンジアミ
ンやヘキサンジアミン等のアミン基を有する化合物が好
ましく、特に炭素数が2〜12であるアミン化合物が好
ましい。炭素数が2より小さいアミン化合物を担持させ
ても、吸着剤のリチウム選択性が乏しく、アミン化合物
の炭素数が12より大きいと層状リン酸塩に担持させる
ことが困難になる恐れがある。好ましい層間制御物質の
具体例として、エチレンジアミン、プロパンジアミン、
ブタンジアミン、ヘキサンジアミン及びドデカンジアミ
ン等の脂肪族アミン化合物がある。
【0016】<層状リン酸塩の合成方法>本発明におけ
る層状リン酸塩は、公知の方法により容易に得ることが
でき、例えばリン酸ジルコニウムの場合、以下のように
して容易に得ることができる。即ち、濃厚なリン酸水溶
液中にオキシ塩化ジルコニウムを添加し、24時間加熱還
流後、沈澱物を濾過、水洗、乾燥、粉砕し、リン酸ジル
コニウム〔Zr(HPO4)2・H2O〕を得る。又、本発明の層状
リン酸塩に、Aイオンとしてアルカリ金属、アルカリ土
類金属、Cu2+、Zn2+、Sn2+、Mn2+、Ni2+、Pb2+、Hg2+
Bi2+、Cd2+及びCr2+等のイオンを担持させたものは、こ
れらの金属イオンを含有する水溶液中に、上記のように
して得た層状リン酸塩を浸漬して、イオン交換性のプロ
トンの一部をAイオンとイオン交換させることにより、
容易に得ることができる。
【0017】<複合体の合成方法>層間への層間制御物
質の担持方法は、(1) 結晶合成時に層間制御物質を共存
させる方法、(2) 層状リン酸塩を合成後にイオン交換法
などを用いて層間制御物質を層間に担持させる方法及び
(3) 層間制御物質とリン酸との反応生成物(例えば、フ
ォスフォン酸塩)を原料として、結晶を合成する方法等
がある。工業的には(2) の方法が最も安価であり、有利
である。
【0018】上記の様にして得られる複合体は一般に粉
末状であり、その好ましい平均粒径は0.01〜100μmであ
り、より好ましい平均粒径は0.1〜10μmである。平均粒
径が0.01μm より小さいと、粉末同志が凝集現象を起こ
したり、結合剤を用いて成形する場合には、粉末状の粒
子が結合剤で被われてしまい、イオン交換特性を十分に
発揮することができなくなる恐れがあり、逆に平均粒径
が100μmより大きいと、結合剤を用いて成形する場合に
粒子と結合剤との接触部少なくなり機械的強度の大きい
成形体が得られない恐れがある。本発明の吸着剤は、粉
末状のままでもよいが、カラム充填方式等で使用する場
合には、通液抵抗を減少させるために粒状、棒状、円筒
状等の適当な大きさ及び形状に成形して使用することが
望ましく、逆洗、再生等の操作に十分耐えるだけの機械
的強度を有することが好ましい。
【0019】<成形方法>成形方法は、従来より知られ
ている方法で良く、大別して結合剤を用いる方法及び結
合剤を用いない方法がある。
【0020】1)結合剤を用いる方法 結合剤としては有機質のものと無機質のものがあり、好
ましい無機質の結合剤として、粘土鉱物及び金属アルコ
キシド又はその加水分解物等がある。 ○粘土鉱物 粘土鉱物としては、例えばベントナイト、カオリン、硅
藻土、木節粘土、蛙目粘土等があり、含水ケイ酸塩系の
膨潤性層状化合物であればよい。これらの中では、工業
的に入手が容易であることから特にベントナイトが好ま
しい。 ○金属アルコキシド又はその加水分解物 金属アルコキシドは、アルコール類の水酸基の水素を金
属で置換した化合物であり、具体例としてSi(OR)4 、Ti
(OR)4 、Al2(OR)3及びZr(OR)4 (Rはメチル、エチル、
プロピル及びブチル等のアルキル基)等があり、これら
の中でもシリコンのアルコキシドは他の金属のアルコキ
シドに比較して加水分解速度が小さく、容易に安定なゾ
ル状とすることができるので好ましい。金属アルコキシ
ド加水分解物は、通常の方法により調製することができ
るものであり、溶媒中における金属アルコキシドの加水
分解と重合反応の進行度に応じてゾル状又はゲル状にな
るが、後述する造粒工程での混練を容易にするため、ゾ
ル状のものを使用することが好ましい。 ○成形工程 各種成形体は、混合・混練、造粒及び焼成からなる一般
的な成形工程を経て成形すればよい。
【0021】2)結合剤を用いない方法 加圧成形法、可塑成形法或いは鋳込み成形法等により、
粉末状の吸着剤を、粒状、棒状及びペレット状等の適当
な形状に成形した後、焼成することにより、機械的強度
に優れた成形体を容易に得ることができる。
【0022】<使用方法>リチウム含有液体と接触させ
た後、吸着剤を分離し、これを溶離液と接触させること
により、吸着剤に吸着させたリチウムを回収することが
できる。
【0023】<リチウムを含有する液体>本発明の吸着
剤と接触させることによりリチウムを回収することがで
きる対象液としては、リチウムを含む液体であれば何等
制限されることなく、例えば海水、天然ガスかん水、地
熱水及び温泉水等の天然水又は製塩かん水、工場廃水及
び有機溶剤を含む廃液等がある。これらのリチウム含有
液体の温度は、イオン交換する対象が液状であればよい
が、一般にリチウム含有液体の温度が高い程、リチウム
の吸着速度が高い傾向があるので、操作上の制限がなけ
れば、リチウム含有液体の温度は高いことが好ましい。
又、リチウム含有液体のPH値は12以下であることが好
ましいが、PHが4 以下ではリチウム吸着量が低下する
傾向があるので、より好ましいPH値の範囲としては、
5 〜11である。本発明の吸着剤とリチウム含有液体との
接触は回分式及び連続式のいずれによっても行うことが
でき、接触後の吸着剤をリチウム含有液から分離する操
作は、一般的な固液分離手段によればよい。
【0024】<溶離液>以上のようにしてリチウムを吸
着した吸着剤からリチウムを溶離させる溶離液として
は、塩酸、硫酸、硝酸又はリン酸等の無機酸があり、こ
れらを2種以上混合して使用しても良い。又、これらの
無機酸とアンモニウム塩水溶液と併用しても良い。溶離
の条件としては、溶離液の濃度、温度が高い程及び処理
時間が長い程、リチウムの脱離速度が大きい傾向があ
る。しかし、操作上の制限が有れば、室温付近の温度で
十分である。以下に具体的な実施例を示す。
【0025】合成例1 濃厚なリン酸水溶液中に、オキシ塩化ジルコニウムを添
加し、24時間加熱還流後、沈澱物を濾過、水洗、乾燥、
粉砕し、リン酸ジルコニウム〔Zr(HPO4)2 ・ H2O 〕を得
た。
【0026】合成例2 オキシ塩化ジルコニウムの代わりに、四塩化チタンを用
い、合成例1と同様にしてリン酸チタン〔Ti(HPO4)2・H2
O〕を得た。
【0027】合成例3 オキシ塩化ジルコニウムの代わりに、塩化スズを用い、
合成例1と同様にしてリン酸スズ〔Sn(HPO4)2・H2O〕を
得た。
【0028】
【実施例1〜8】上記合成例にて得た層状リン酸ジルコ
ニウム〔α−リン酸ジルコニウム:H2Zr(PO4)2・ H2O 〕
又は層状リン酸チタン〔α−リン酸チタン:H2Ti(PO4)2
・ H2O 〕10gをイオン交換水100mlに分散させ、
下記表1に示した所定の層間制御物質を10mmol添加
し、均一に攪拌した後、恒温振とう槽で40℃24時間
懸濁させる。その後、スラリーを固−液分離し、固形分
を洗浄する。洗浄は、洗浄液の電気電導度が100μS
/以下になる迄行う。洗浄を終えた固形分を80℃で乾
燥し、層間に層状制御物質を担持させた複合体を得た。
【0029】
【表1】
【0030】
【比較例】層状α−リン酸ジルコニウム又は層状α−リ
ン酸チタンの10gをイオン交換水に分散させ、層間制
御物質を添加しないこと以外は実施例と同様にして、層
間制御物質を担持させていない層状リン酸塩を得た(表
1)。
【0031】[評価] <生成物の底面間隔>上記実施例1〜6及び比較例1、
2で合成したサンプルについて、粉末X線回折法を用い
て結晶の底面間隔〔(001)面の面間距離と同義〕を
測定した。粉末X線回折の測定条件は下記表2の通りで
あり、底面間隔は下記表3に示した。
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】注)表3における底面間隔はブラッグの式
によるd値であり、単位はオングストロームである。
【0035】<イオン交換試験>実施例1〜6及び比較
例1,2で合成したサンプルについて、表4の試験条件
で、ナトリウムイオンとリチウムイオン混合液を用いて
イオン交換試験を実施し、サンプルの単位グラム当たり
のイオン交換容量を下記表5に示した。
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】注)イオン交換容量単位:meq/g IEC(Li) :リチウムイオン交換容量 IEC(Na) :ナトリウムイオン交換容量
【0039】<リチウムイオン選択性>リチウムイオン
交換容量/ナトリウムイオン交換容量〔IE(Li)/IE(N
a)〕を上記表5に示した。この結果から判るように、層
間に何も担持させていない従来のリン酸ジルコニウムや
リン酸チタンは、リチウムイオンに比較してナトリウム
イオンをより優先的に交換している(比較例1,2)。
一方、層状制御物質により層間隔を広げた本発明の複合
体はナトリウムイオンよりもリチウムイオンをより選択
的にイオン交換する特性を有する(実施例1〜8)。特
に、リン酸チタンの層間に層状制御物質を担持させた複
合体(実施例5〜8)は、比較例2に比較して、リチウ
ムイオンの交換容量が増加したのに対して、ナトリウム
イオンの交換容量は激減しており、その結果IE(Li)/IE
(Na)の値が著しく大きくなり、リチウムに対する選択性
が格段に大きいことがわかる。
【0040】
【発明の効果】本発明の吸着剤は、リチウムを選択的に
吸着する特性を有するので、地熱水、温泉水、天然ガス
かん水、製塩かん水及び海水等の天然水又は各種工場廃
液からリチウムを極めて効率よく吸着し、その後無機酸
を用いて溶離することにより容易にリチウムを回収する
ことができる。従って、本発明は海水、地下水等の天然
水又はリチウムを含有する各種廃液等の液体処理工業に
おいて極めて有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式〔1〕で表される層状リン酸塩
    の層間に層間制御物質を担持させた複合体からなること
    を特徴とするリチウムイオン吸着剤。 Hp q M(PO4 2 ・nH2 O 〔1〕 (上式において、MはZr、Ti及びSnより選ばれる
    少なくとも1種の4価金属イオンであり、AはMと異な
    る金属イオン又はアンモニウムイオンであり、nは0以
    上の数であり、p及びqは、いずれも式(p+mq=
    2)を満たす数であり、且つpは正数であり、qは0又
    は正数である。但し、mはAの価数を表す正の整数であ
    る。)
  2. 【請求項2】層間制御物質を担持させた層状リン酸塩の
    (001)面の面間距離が9〜40オングストロームで
    あることを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン吸
    着剤。
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