JPH1055517A - 磁気ヘッド、磁気ヘッドの製造方法及び磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気ヘッド、磁気ヘッドの製造方法及び磁気記録再生装置

Info

Publication number
JPH1055517A
JPH1055517A JP21486196A JP21486196A JPH1055517A JP H1055517 A JPH1055517 A JP H1055517A JP 21486196 A JP21486196 A JP 21486196A JP 21486196 A JP21486196 A JP 21486196A JP H1055517 A JPH1055517 A JP H1055517A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
core body
half core
film
conductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21486196A
Other languages
English (en)
Inventor
Akio Murata
明夫 村田
Sayuri Muramatsu
小百合 村松
Akio Kuroe
章郎 黒江
Kazuo Yokoyama
和夫 横山
Osamu Kusumoto
修 楠本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP21486196A priority Critical patent/JPH1055517A/ja
Publication of JPH1055517A publication Critical patent/JPH1055517A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Heads (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造でかつ再生感度が優れた磁気ヘッ
ドとその磁気ヘッドの製造方法とその磁気ヘッドを用い
た磁気情報再生装置を提供する。 【解決手段】 磁気ヘッドが第1の半割コア体と第2の
半割コア体が接合されて構成されており、第1の半割コ
アがトラック加工された磁性基板と当該磁性基板のトラ
ック加工面に被着形成された軟磁性薄膜とを有し、かつ
前記軟磁性薄膜と前記第1の半割コア体との間に絶縁膜
で絶縁された導体線が設けられている。また、第2の半
割コア体にはその巻線用溝に導体コイルが巻回されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度に記録され
た情報を再生する磁気ヘッドとその製造方法、及びその
磁気ヘッドを用いた磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、大容量の磁気記録再生装置の需要
が拡大し、そのため、より高密度に情報を磁気記録媒体
に記録し、また情報を再生できる磁気ヘッドが要求され
つつある。このような要求に応じて、広く用いられてい
る誘導型ヘッド、特に誘導型薄膜ヘッドより再生感度の
高い再生専用ヘッドであるMRヘッドを用いた複合型M
Rヘッドが実用化されている。ここで、MRヘッドと
は、磁気抵抗効果(MR:Magneto-Resistance effec
t)素子を用いた磁気抵抗ヘッドである。複合型MRヘ
ッドは、従来のMRヘッドと誘導型薄膜ヘッドとを兼ね
備えたものであり、再生時には、より再生感度の高いM
Rヘッドを用い、記録時には、誘導型薄膜ヘッドを用い
るよう構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、MR素子を
用いた複合型MRヘッドは、ヘッド構造が従来の誘導型
ヘッドと比べかなり複雑である。具体的には、MR素子
の回りにシールド層や再生用の磁気ギャップが必要であ
ったり、MR膜を単磁区化するための構成が必要であ
り、線形な再生を行うためにバイアス磁界を印加する独
自の構成が必要である。そのため、当該複合型MRヘッ
ドの製造には、それだけ高度な製造技術が要求され、高
い歩留まりを確保することが難しいという問題点があっ
た。そこで、本発明は、上記問題点を解決するため、比
較的簡単な構造でかつ再生感度が従来の誘導型ヘッドよ
りも優れた磁気ヘッドとその磁気ヘッドの製造方法とそ
の磁気ヘッドを用いた磁気記録再生装置を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の磁気ヘッドは、2つの半割コア体を有し、
一方の半割コア体がトラック加工された磁性基板と当該
磁性基板のトラック加工面に被着形成された磁性膜とに
より構成され、他方の半割コア体がトラック加工された
磁性基板から構成されている。前記一方の半割コア体と
磁性膜との間に導体線が配設されており、前記導体線の
両端に高周波信号印加用端子が形成されている。前記他
方の半割コア体には巻線用溝が形成されており、当該巻
線用溝に導体コイルが巻回されており、前記導体コイル
の両端には記録信号磁界発生用端子が形成されている。
【0005】また、本発明の磁気ヘッドは、導体層形成
ステップにより帯状のトラック面を持つように磁性材に
よりトラック加工された半割コア体の上に前記トラック
面と交差するように導体層をパターン形成し、磁性層形
成ステップにより前記導体層の上と前記半割コア体の上
に前記トラック面の幅と実質的に同一幅の磁性層を形成
して製造される。
【0006】さらに、本発明の磁気記録再生装置は、磁
気ヘッドが、帯状のトラック面を持つ磁性材により形成
された第1の半割コア体と、前記第1の半割コア体のト
ラック面に対向するトラック面を持つ磁性材により形成
された第2の半割コア体とを有し、前記第1の半割コア
体が、前記トラック面と交差するように形成された導体
線と、前記トラック面の幅と実質的に同一の幅を有し
て、前記トラック面上に形成された第1の磁性膜と、前
記導体線の両端に形成された高周波信号印加用端子と、
を有し、前記第2の半割コア体が、巻線用溝に巻回され
た導体コイルと、前記導体コイルの両端に形成された記
録信号磁界発生用端子と、を有し、前記導体線の両端の
高周波信号印加用端子に定電流の高周波信号を印加する
キャリア信号印加手段を具備している。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明に係る磁気ヘッドは、帯状のトラッ
ク面を持ち磁路の一部を成す磁性材を有して形成された
第1の半割コア体と、前記第1の半割コア体のトラック
面に対向するトラック面を持ち磁路の他の一部を成す磁
性材を有して形成された第2の半割コア体とを具備し、
前記第1の半割コア体と前記第2の半割コア体がそれぞ
れのトラック面を対向することにより前記磁路の一部と
前記磁路の他の一部とが連続する磁路を成すように接合
して形成される磁気ヘッドであって、前記一方の半割コ
ア体が、そのトラック面と交差するよう形成された導体
線と、前記トラック面上に形成された磁性膜と、前記導
体線の両端に形成された高周波信号印加用端子と、を有
し、前記いずれかの半割コア体が、その磁路に鎖交して
巻回された導体コイルと、前記導体コイルの両端に形成
された記録信号磁界発生用端子と、を有する。このた
め、本発明によれば、比較的簡単な構造でかつ再生感度
が高い磁気ヘッドを得ることができる。
【0008】また、本発明に係る磁気ヘッドは、非磁性
材により形成された2つの基板により挟まれた第1の磁
性膜を有する第1の半割コア体と、非磁性材により形成
された2つの基板により挟まれた第2の磁性膜を有する
第2の半割コア体と、前記第1の半割コア体の一側面上
に露出している帯状の前記第1の磁性膜上に前記第1の
磁性膜の膜厚以内の幅で被着形成された第3の磁性膜
と、前記第3の磁性膜と前記第1の磁性膜との間に配設
された導体線と、前記導体線の両端に形成された高周波
信号印加用端子と、前記第2の半割コア体の巻線用溝に
巻回された導体コイルと、前記導体コイルの両端に形成
された記録信号磁界発生用端子と、を有する。このた
め、本発明の磁気ヘッドによれば、トラック幅が機械加
工精度に影響されず、軟磁性薄膜の膜厚形成精度により
トラック幅を高精度に形成でき、より感度の高い再生が
可能となる。
【0009】また、本発明に係る磁気ヘッドは、非磁性
材により形成された第1の半割コア体と、非磁性材によ
り形成された2つの基板により挟まれた第1の磁性膜を
有する第2の半割コア体と、前記第1の半割コア体の一
側面上に被着形成された第2の磁性膜と、前記第2の磁
性膜と前記第1の半割コア体との間に配設された導体線
と、前記導体線の両端に形成された高周波信号印加用端
子と、前記第2の半割コア体の巻線用溝に巻回された導
体コイルと、前記導体コイルの両端に形成された記録信
号磁界発生用端子と、を有する。このため、本発明の磁
気ヘッドは、単純な構造であるので、量産性に優れてお
り、また装置の小型化による低速度化にも対応すること
ができる。
【0010】また、本発明に係る磁気ヘッドの製造方法
は、帯状のトラック面を持つように磁性材によりトラッ
ク加工された半割コア体の上に前記トラック面と交差す
るように導体層をパターン形成する導体層形成ステップ
と、前記半割コア体の上に前記トラック面上の前記導体
層の上に、前記トラックの幅と実質的に同一幅の磁性層
を形成する磁性層形成ステップと、を有する。このた
め、本発明の磁気ヘッドの製造方法は、記録用磁路が従
来の磁気ヘッドの製造工程により形成可能であるため、
再生感度の高い磁気ヘッドを容易に形成することができ
る。
【0011】また、本発明に係る磁気ヘッドの製造方法
は、第1の半割コア基体が、磁性基板の一側面に帯状の
トラック面を持つように複数の溝を形成するステップ
と、前記複数の溝に非磁性材を埋設するステップと、前
記トラック面を交差するように導体層をパターン形成す
るステップと、前記トラック面の幅と実質的に同一幅の
第1の磁性層を前記トラック面上に形成するステップ
と、により形成され、第2の半割コア基体が、磁性基板
の一側面に帯状のトラック面を持つように複数の溝を形
成するステップと、前記複数の溝に非磁性材を埋設する
ステップと、前記帯状の溝を有する磁性基板の面に磁気
ギャップ用膜を形成するステップと、前記磁気ギャップ
用膜が形成された面に、前記帯状の溝と直交する巻線用
溝を形成するステップと、により形成され、前記第1の
半割コア基体と前記第2の半割コア基体をそれぞれのト
ラック面が対向するように接合する接合ステップ、前記
接合ステップにより形成された前記第1の半割コア基体
と前記第2の半割コア基体を前記トラック面と平行に非
磁性材が埋設された部分で切断される切断ステップ、を
有する。このため、本発明の磁気ヘッドの製造方法によ
れば、単純な製造工程により再生感度の高い磁気ヘッド
を容易に形成することができる。
【0012】また、本発明に係る磁気記録再生装置は、
帯状のトラック面を持ち磁路の一部を成す磁性材を有し
て形成された第1の半割コア体と、前記第1の半割コア
体のトラック面に対向するトラック面を持ち磁路の他の
一部を成す磁性材を有して形成された第2の半割コア体
とを具備し、前記第1の半割コア体と前記第2の半割コ
ア体がそれぞれのトラック面を対向することにより前記
磁路の一部と前記磁路の他の一部とが連続する磁路を成
すように接合して形成される磁気ヘッドであって、前記
一方の半割コア体が、そのトラック面と交差するよう形
成された導体線と、前記トラック面上に形成された磁性
膜と、前記導体線の両端に形成された高周波信号印加用
端子と、を有し、前記いずれかの半割コア体が、その磁
路に鎖交して巻回された導体コイルと、前記導体コイル
の両端に形成された記録信号磁界発生用端子と、を有す
る磁気ヘッドを具備し、さらに、前記導体線の両端の高
周波信号印加用端子に定電流の高周波信号を印加するキ
ャリア信号印加手段を具備する。このため、本発明の磁
気記録再生装置は、外部磁界とバイアス磁界とが重畳し
た高周波電圧に基づいて、記録された情報を再生するの
で、再生感度が従来の誘導型ヘッドよりも優れている。
【0013】また、本発明に係る磁気記録再生装置は、
非磁性材により形成された2つの基板により挟まれた第
1の磁性膜を有する第1の半割コア体と、非磁性材によ
り形成された2つの基板により挟まれた第2の磁性膜を
有する第2の半割コア体と、前記第1の半割コア体の一
側面上に露出している帯状の前記第1の磁性膜上に前記
第1の磁性膜の膜厚以内の幅で被着形成された第3の磁
性膜と、前記第3の磁性膜と前記第1の磁性膜との間に
配設された導体線と、前記導体線の両端に形成された高
周波信号印加用端子と、前記第2の半割コア体の巻線用
溝に巻回された導体コイルと、前記導体コイルの両端に
形成された記録信号磁界発生用端子と、を有する磁気ヘ
ッドを具備し、さらに、前記導体線の両端の高周波信号
印加用端子に定電流の高周波信号を印加するキャリア信
号印加手段を具備する。このため、本発明の磁気記録再
生装置は、優れた再生感度を有している。
【0014】また、本発明に係る磁気記録再生装置は、
非磁性材により形成された第1の半割コア体と、非磁性
材により形成された2つの基板により挟まれた第1の磁
性膜を有する第2の半割コア体と、前記第1の半割コア
体の一側面上に被着形成された第2の磁性膜と、前記第
2の磁性膜と前記第1の半割コア体との間に配設された
導体線と、前記導体線の両端に形成された高周波信号印
加用端子と、前記第2の半割コア体の巻線用溝に巻回さ
れた導体コイルと、前記導体コイルの両端に形成された
記録信号磁界発生用端子と、を有する磁気ヘッドを具備
し、さらに、前記導体線の両端の高周波信号印加用端子
に定電流の高周波信号を印加するキャリア信号印加手段
を具備している。このため、本発明の磁気記録再生装置
は、優れた再生感度を有している。
【0015】また、本発明に係る磁気記録再生装置は、
磁気記憶媒体から印加される外部磁界とバイアス磁界と
が重畳された前記定電流の高周波信号に基づいて変化す
る前記導体線の両端の高周波信号印加用端子の高周波電
圧を検出する高周波電圧検出部と、前記高周波電圧検出
部により検出した高周波電圧をAM復調するAM復調部
と、をさらに具備している。このため、本発明の磁気記
録再生装置は、検出した高周波電圧をAM復調するの
で、容易に記録された情報を再生することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の磁気ヘッドに関する第1、第
2、第3の実施例と、本発明の磁気ヘッドの製造方法に
関する第4の実施例と、本発明の磁気記録再生装置に関
する第5の実施例について説明する。 《第1の実施例》先ず、本発明の磁気ヘッドに関する第
1の実施例について説明する。図1は、本発明の磁気ヘ
ッドの第1の実施例を示す概略図であり、磁気ヘッドを
分解して図示している。図2は、本実施例の磁気ヘッド
が磁気記録媒体に記録再生している状態を示す側面図で
ある。図1に示すように、本実施例の磁気ヘッドは、第
1の半割コア1と第2の半割コア2とを有している。第
1の半割コア1は、帯状のトラック面1aを持ち、磁路
の一部を成す磁性材を有して形成されている。第2の半
割コア2は、前記第1の半割コア1のトラック面1aに
対向するトラック面2a持ち、磁路の一部を成す磁性材
を有している。図2に示すように、第1の半割コア1と
第2の半割コア2は、それぞれのトラック面1a、2a
を対向するように接合して形成されている。第1の半割
コア1と第2の半割コア2と間には磁気ギャップ10が
形成されている。また、第2の半割コア2には導体コイ
ル7が巻回されており、この導体コイル7の両端には記
録信号磁界発生用端子8、9が形成されている。
【0017】第1の実施例の第1の半割コア1は、フェ
ライト、例えばNiZrフェライト、よりなる酸化物磁
性体101とガラス材よりなる絶縁部11とを有してい
る。酸化物磁性体101の一面(図1における上面)に
は、帯状のトラック面1aが形成されており、その両側
に絶縁部11が形成されている。また、コの字状の導体
線4が前記トラック面1aと交差するように配設されて
いる。さらに、前記トラック面1a上にはコバルト系ア
モルファスであるCoZrNbで形成された軟磁性薄膜
3が形成されており、この軟磁性薄膜3は前記導体線4
を跨ぐように形成されている。導体線4の両端には高周
波信号印加用の電極端子5、6が形成されている。導体
線4はCu薄膜等の導電体により形成されている。但
し、導体線4を酸化物磁性体101のトラック面1a以
外の部分から電気的に絶縁するために、充填ガラスによ
る絶縁部11が形成されている。また、導体線4と軟磁
性薄膜3との間には、絶縁膜111(図2)が形成され
て、導体線4と軟磁性薄膜3との間を絶縁している。電
極端子5、6は、前記導体線4の両端に設けられた電極
である。電極端子5、6は、導体線4に後述する交流の
定電流を流すための端子である。
【0018】図1に示すように、第2の半割コア2は、
その側面がコの字状となるように巻線用溝が形成されて
いる。第2の半割コア2の巻線用溝を形成する両端部分
の突出している面(図1における上面)には、分割され
たトラック面2a、2aが形成されている。この帯状の
トラック面2a、2aの両側には、ガラス材よりなる絶
縁部11が形成されている。第2の半割コア2は、フェ
ライトよりなる酸化物磁性体102と前記絶縁部11を
有している。第2の半割コア2は、導体コイル7により
巻線用溝の位置で巻回されている。導体コイル7はCu
よりなる導電体である。
【0019】次に、本発明の磁気ヘッドの記録再生動作
について説明する。本発明の磁気ヘッドの記録動作は、
従来の誘導型ヘッドと同様であって、本発明の磁気ヘッ
ドに特有のものではない。簡単に説明すると、導体コイ
ル7に記録信号電流を流し、それにより生じた磁束が第
2の半割コア2内を通過して磁気ギャップ10において
漏れる。このために生じたギャップ磁界により、記録情
報が記録媒体である磁気テープ81に磁化されて、記録
される。図3は、本発明の磁気ヘッドを含む再生等価回
路図である。図3に示す回路には、インピーダンス素子
41と、キャリア信号発生器42と、再生電圧出力回路
45とを具備する。インピーダンス素子41は、前述の
図1で示した磁気ヘッドの導体線4を等価的にインピー
ダンス素子として示したものである。端子43と端子4
4は、それぞれ図1に示した電極端子5と電極端子6に
相当する。キャリア信号発生器42は、インピーダンス
素子41に交流の定電流であるキャリア信号を出力する
ものである。再生電圧出力回路45は、端子43と端子
44間に生じる電圧を測定して端子46から出力する。
【0020】次に、図2及び図3を用いて第1の実施例
における磁気情報の再生動作について説明する。図2に
示すように、磁気ギャップ10が磁気記録媒体である磁
気テープ81の磁気情報の磁化108上にある時、第2
の半割コア2の内部には磁束109が通る。ここで、磁
化108は、磁気テープ81に記録された磁気情報の磁
化をベクトル表示したものである。磁束109は、前記
磁化108からの漏洩磁束の一部が第2の半割コア2の
内部を通っていることを示している。このとき、第1の
半割コア1にはその磁束109の殆どが流れ、磁束11
0が通っている。ただし、磁束110は第1の半割コア
1を構成している酸化物磁性体101の中を通るものと
軟磁性薄膜3の中を通るものとに分かれている。ここ
で、軟磁性薄膜3は、磁束110のうち軟磁性薄膜3を
通る磁束によって磁化され、磁化の飽和現象により軟磁
性薄膜3の所定周波数における透磁率は低下する。
【0021】したがって、図3におけるインピーダンス
素子41の所定周波数のインピーダンスが低下している
のと等価な状態になる。このとき導体線4には所定周波
数の交流信号の定電流を流しているので、端子43と4
4の間にはそのインピーダンスに比例した所定周波数の
信号の逆起電圧が発生する。結局、再生電圧出力回路4
5から出力される所定周波数の信号電圧値は、インピー
ダンス値すなわち軟磁性薄膜3の透磁率に比例してい
る。言い換えると、第2の半割コア2に流入した磁束1
09の量、すなわち磁化108の強さに逆比例した信号
電圧値が、再生電圧出力回路45から出力されることと
なる。このため、本実施例の磁気ヘッドにより、いわゆ
る磁束応答型の再生が行われる。出力される信号電圧値
を大きくするには、端子43と44の間のインピーダン
スが大きいことが好ましく、またその磁束応答性が高い
ことが望まれる。従って、軟磁性薄膜3の透磁率が高い
範囲内で、できるだけ前記所定周波数を高くするほうが
好ましい。上記のように構成された第1の実施例の磁気
ヘッドは、従来の複合型MRヘッドと比較して、より単
純な構造であるので、その製造工程もより単純であり、
比較的高い歩留まりを確保しやすく、量産性に優れてい
る。
【0022】《第2の実施例》次に、本発明の磁気ヘッ
ドに関する第2の実施例について説明する。第2の実施
例の磁気ヘッドの基本構成はいわゆるラミネート型磁気
ヘッドである。図4は、本発明の磁気ヘッドの第2の実
施例を示す概略図であり、本実施例の磁気ヘッドを分解
して図示している。図5は、本実施例の磁気ヘッドを示
す側面図である。図4に示すように、本実施例の磁気ヘ
ッドは、第1の半割コア200と第2の半割コア201
とを有している。第2の半割コア201には導体コイル
27が巻回されており、この導体コイル27の両端には
記録信号磁界発生用端子28、29が形成されている。
【0023】図4に示すように、第1の半割コア200
は、非磁性セラミックス基板21と22の間にコバルト
系アモルファス膜の積層膜である第1の軟磁性膜25
(例えば、5μmの膜厚)が形成されている。第1の軟
磁性膜25は、一方の非磁性セラミックス基板21の一
面にスパッタにより形成される。その後、他方の非磁性
セラッミス基板22が前記第1の軟磁性膜25にガラス
接着される。このため、第1の半割コア200の一面
(図4における上面)には、帯状のトラック面200a
が形成される。このトラック面200aの両側にガラス
材よりなる絶縁部11が形成されている。また、コの字
状の導体線204が前記トラック面200aと交差する
ように配置されている。さらに、前記トラック面上には
軟磁性薄膜202(例えば、CoZrNbとSiO2
積層薄膜であり、全膜厚が1.5μmの膜厚)が形成さ
れており、この軟磁性薄膜202は前記導体線204を
跨ぐように形成されている。導体線204の両端には高
周波信号印加用の電極端子205、206が形成されて
いる。導体線204の材質にはCu薄膜等が用いられて
いる。図5に示すように、第2の実施例において、導体
線204は軟磁性薄膜202に対して電気的には絶縁さ
れておらず、互いに電気的に接続された状態である。電
極端子205、206は、前記導体線204の両端に設
けられた電極であり、導体線204に後述する交流の定
電流を流すための端子である。
【0024】図4に示すように、第2の半割コア201
は、その側面がコの字状となるように巻線用溝が形成さ
れている。第2の半割コア201の巻線用溝を形成する
両端部分の突出している面(図4における上面)には、
分割されたトラック面201a、201aが形成されて
いる。この帯状のトラック面201a、201aの両側
には、充填ガラスである絶縁部11がそれぞれ形成され
ている。第2の半割コア201は、非磁性セラミックス
基板23と24の間にコバルト系アモルファス膜の積層
膜である第2の軟磁性膜26(例えば、5μmの膜厚)
が形成されている。第2の軟磁性膜26は、スパッタ法
により非磁性セラミックス基板23、24に挟着されて
形成されている。第2の半割コア201は、導体コイル
27により巻線用溝の位置で巻回されている。導体コイ
ル27はCuよりなる導電体である。本実施例の磁気ヘ
ッドには、図5に示すように、第1の半割コア200と
第2の半割コア201と間には磁気ギャップが形成され
ていない。第2の実施例の磁気情報の記録動作及び再生
動作は、前述の第1の実施例における記録動作及び再生
動作と実質的に同一であるので、その説明は省略する。
上記のように構成された第2の実施例の磁気ヘッドは、
半割コアが非磁性基板と軟磁性薄膜とのラミネート構造
により構成されているので、高い膜厚精度を有する軟磁
性薄膜により磁気ヘッドのトラック幅を高精度に形成す
ることができる。
【0025】《第3の実施例》次に、本発明の磁気ヘッ
ドに関する第3の実施例について説明する。図6は、第
3の実施例の磁気ヘッドを示す斜視図であり、一部拡大
して示している。図6において、本実施例の磁気ヘッド
は、第1の半割コア300と第2の半割コア301とを
有している。図6に示すように、第1の半割コア300
と第2の半割コア301と間には磁気ギャップ10が形
成されている。また、第2の半割コア301には導体コ
イル307が巻回されており、この導体コイル307の
両端には記録信号磁界発生用電極308、309が形成
されている。
【0026】第3の実施例の第1の半割コア300は、
非磁性セラミックス基板により構成されている。第1の
半割コア300の一面(図6における右側面)には、コ
の字状の導体線304が配置されている。また、導体線
304が形成されている面上にはコバルト系アモルファ
ス膜の積層膜からなる軟磁性薄膜35が形成されてい
る。この軟磁性薄膜35は、前述の第1の実施例におけ
る軟磁性薄膜3と同じように、前記導体線304を跨ぐ
ように配置されている。コの字状の導体線304の両端
には高周波信号印加用の電極端子305、306が形成
されている。導体線304の材質にはCu薄膜等が用い
られている。導体線304の両端の電極端子305、3
06は、導体線304に後述する交流の定電流を流すた
めの端子である。
【0027】図6に示すように、第2の半割コア301
は、その側面がコの字状となるように巻線用溝が形成さ
れている。また、前述の各実施例と同様に第2の半割コ
ア301の巻線用溝の両側には、分割されたトラック面
が形成されている。このトラック面の両側には、ガラス
材よりなる絶縁部11が形成されている。第2の半割コ
ア301は、フェライトよりなる酸化物セラミックス基
板と絶縁部11によりで構成されている。第2の半割コ
ア301は、導体コイル307により巻線用溝の位置で
巻回されている。導体コイル307はCuよりなる導電
体である。以上の各実施例において説明したように、本
発明の磁気ヘッドは、従来の複合型MRヘッドのよう
に、記録と再生で別個の磁気回路を構成する必要がな
く、同一磁路で記録と再生が行えるので、比較的簡単な
構造にもかかわらず、再生感度が従来の誘導型ヘッドよ
りも優れた磁束応答型の磁気ヘッドが得られた。
【0028】図7は本発明の磁気ヘッドの各種の構成を
示した側面図である。図7において、(a)、(b)に
示した各磁気ヘッドの第1の半割コア及び第2の半割コ
アは、磁気基板により形成されており、その間に配設さ
れる軟磁性体の構造を変更したものである。図7の
(c)に示した各磁気ヘッドは、前述の第1の実施例に
おいて示した第1の半割コア1と第2の半割コア2が磁
性基板により構成されたものである。また、図7の
(d)に示した磁気ヘッドは、第2の実施例に示したよ
うな第1の半割コアと第2の半割コアが非磁性基板と磁
性基板によるラミネート構造のものである。図7の
(e)、(f)に示した磁気ヘッドは、第1の半割コア
が非磁性基板単体か若しくは前述のラミネート構造であ
り、第2の半割コアが磁性基板で構成されている。図7
に示した構成を有する各磁気ヘッドにおいても優れた効
果を奏した。
【0029】《第4の実施例》次に、本発明の第4の実
施例である本発明の磁気ヘッドの製造方法について説明
する。図8は、第4の実施例における磁気ヘッドの製造
方法を示しており、製造される磁気ヘッドは前述の第1
の実施例で示した磁気ヘッドである。本発明の磁気ヘッ
ドは、基本的に2つの半割コアである第1の半割コア
と、第2の半割コアから成り立っている。図8におい
て、51、52は、2つの半割コアのもとになる酸化物
磁性体のフェライト基板であり、表面(図8における、
上面)は鏡面に磨かれている。
【0030】次に、それぞれの半割コアについて、その
製造方法を説明する。まず、第1の半割コアの製造方法
について説明する。表面を鏡面に磨かれた第1のフェラ
イト基板51は、ダイシングソーによって溝加工を受
け、その残った帯幅が所定のトラック幅になる。次に、
そのトラック幅の両側の溝の中には、ガラス材53が溶
融充填される。そのあと、さらにトラック51aを有す
る面は鏡面に磨かれる。この鏡面には銅膜が被着され
て、ホトリソグラフィー技術によって導体パターン54
が形成される。例えば銅膜はいわゆるスパッタ法によっ
て被着形成され、次に過硫酸アンモン溶液を用いたウェ
ットエンチング法によって導体パターン54が形成され
る。ここで重要なのは、その導体パターンが所定の幅以
内の領域で収まっていることである。第1の軟磁性薄膜
パターン55は、前記導体パターン54が形成された基
板上にCoZrNb系の軟磁性薄膜が全体的にスパッタ
形成されたあと、イオンビームエッチング法によりパタ
ーン化されて形成されている。
【0031】一方、第2のフェライト基板52は前記第
1のフェライト基板51と同様にダイシングソーによっ
てトラック加工がなされ、ガラス材53が溶融充填され
る。次に、磁気ギャップとなる膜厚(本実施例では約
0.1μm)の非磁性酸化物膜70(SiO2膜)をス
パッタ法により被着形成する。その後、トラック51a
と直交するように所望の形状を有する溝56が形成され
る。この溝56の両側にある非磁性酸化物膜70のう
ち、磁気記録媒体と対向する側と反対側にある非磁性酸
化物膜70を取り除き、第2のフェライト基板52の図
8における上面は鏡面加工される。以上のように形成さ
れた第1のフェライト基板57と第2のフェライト基板
58は、それぞれの鏡面加工された面どうしを突き合わ
せて、ガラスボンディングして接合され、バー60が形
成される。前述のようにして製造されたバー60は、ス
ライス加工されて、複数の磁気ヘッド61が切り出され
る。なお、本発明の磁気ヘッドにおける軟磁性薄膜の材
質は、各実施例に記載したコバルト系アモルファスのも
のに限られるものではなく、例えば、Fe系の膜でも良
い。また、磁気ヘッドの製造方法も、蒸着やスパッタ
ー、メッキ等様々な薄膜製法を用いることも可能であ
る。また、高周波での透磁率を高めるための、軟磁性薄
膜の多層化や異方性磁界の調整なども、必要に応じて行
えばよい。
【0032】《第5の実施例》最後に、前述の磁気ヘッ
ドを用いた磁気記録再生装置に関する第5の実施例につ
いて、図9から図13を用いて説明する。図9は、本発
明の磁気記録再生装置の主要部を示す斜視図であり、図
10は本発明の磁気記録再生装置に特に必要な記録再生
回路について示したブロック図である。図9は、本発明
の磁気ヘッド800を搭載した磁気記録再生機構部の斜
視図である。回転シリンダー80は回転軸84を中心に
回転し、磁気ヘッド800は前記回転シリンダー80に
ネジ止め固定されて回転シリンダー80と共に矢印A方
向へ回転する。この時、磁気記録媒体である磁気テープ
81は矢印B方向に移動しているので、磁気ヘッド80
0は磁気テープ81のテープ走行方向に対して斜めに走
行しながら、磁気テープ81の記録再生を行えるように
構成されている。なお、固定シリンダー82は装置本体
に固定されている。
【0033】図9において、磁気ヘッド800は前述の
第1の実施例及び第4の実施例で述べた本発明の磁気ヘ
ッドと同じものである。この磁気ヘッド800は、図示
していない真ちゅう製のヘッドベース上に設置されてお
り、ヘッドベースごと回転シリンダー80に固定されて
いる。前述の各実施例で述べたように導体コイル77
は、磁気ヘッド800の第2の半割コアに巻回されてお
り、記録時に外部から入力された記録情報に応じて記録
電流が流れるものである。磁気ギャップ86は、記録時
と再生時に共用される。テープ状磁気記録媒体である磁
気テープ81は、その面内に磁化容易軸を有するいわゆ
る面内記録用の記録媒体である。当該磁気テープ81
は、非常に平滑な表面を持つPET上に記録層として膜
厚0.16μmのCoNiCr膜が被着形成されてお
り、その全厚みは10μmである。本実施例の磁気記録
再生装置は、回転シリンダ80が矢印A方向(図9)に
回転し、磁気ヘッド800が前記磁気テープ81の上を
接触しながら記録再生を行う。図9において、矢印85
は、磁気テープ81に記録された記録磁化であり、磁気
情報の磁化ベクトルを示している。
【0034】図10は、第5の実施例の磁気記録再生装
置における記録再生回路の構成を示すブロック図であ
る。第5の実施例の記録再生回路は、磁気ヘッド80
0、キャリア信号発生器801、再生信号検出回路80
2、再生アンプ803、再生信号処理回路804を具備
しており、再生信号は信号出力端子807から出力され
る。また、記録信号入力端子808から入力された記録
信号は、記録信号処理回路805において所定の信号処
理され、記録アンプ806において増幅されて磁気ヘッ
ド800へ入力されるよう構成されている。図10にお
ける磁気ヘッド800は、図9に示した磁気ヘッド80
0を等価回路的に示したものである。当該磁気ヘッド8
00は、インピーダンス素子510と2つの半割コアで
構成された磁気コア540aと導体コイル540bとを
有している。図10において、磁気コア540a及び導
体コイル540bは、2つの半割コアと導体コイルとを
等価的に示したものである。インピーダンス素子510
は、再生時において、磁気コア540aに設けられた導
体線をインピーダンス素子として等価的に示したもので
ある。
【0035】キャリア信号発生器801は、再生時に電
極端子520と530を介してインピーダンス素子51
0にキャリア信号である交流の定電流を流す。当該キャ
リア信号発生器801は、キャリア信号の発振回路と定
電流ドライブ回路とからなる。キャリア信号の周波数は
例えば200MHzである。再生信号検出回路802
は、AM検波回路(図示なし)及びAM復調回路(図示
なし)とから構成される。AM検波回路は、電極端子5
2と電極端子53との間の信号を検出する。AM復調回
路は、前記AM検波回路で検出されたAM波を復調し
て、本来再生すべき信号を出力する。
【0036】再生アンプ803は、再生信号検出回路8
02で復調された再生信号を増幅する。再生信号処理回
路804は、再生アンプ803で増幅された再生信号
を、出力するに適した信号に変換する。例えば符号復調
などを行う。変換された信号は、再生信号出力端子80
7から出力される。記録信号処理回路805は、記録信
号入力端子808から入力された記録すべき信号を、図
9に示した磁気テープ81への記録に適した信号に変換
する、例えば符号変調などを行う。当該記録信号処理回
路805は、記録イコライズ等々の一般に良く知られた
磁気テープ記録装置の記録系回路とほぼ同様な構成から
なっている。記録アンプ806は、記録信号処理回路8
05から受けた信号の電流レベルを増幅する。
【0037】次に、本実施例の磁気記録再生装置の記録
動作を図9及び図10を用いて説明する。先ず、記録す
べき情報は、図10に示した記録信号入力端子808か
ら記録信号処理回路805へ入力される。記録信号処理
回路805は、前記記録すべき情報を磁気テープ81へ
記録するのに適した信号形式の記録信号に変換して、記
録アンプ806へ出力する。記録信号は記録電流として
記録アンプ806で増幅されて、磁気ヘッド800の導
体コイル540bへ出力される。この記録電流は図9に
おける導体コイル77を流れて磁気ヘッド800を励磁
し、磁気ギャップ86からの漏れ磁界で磁気テープ81
を磁化する。磁気テープ81が磁化されることにより、
記録磁化85が磁気テープ81上に形成される。
【0038】次に、本実施例の磁気記録再生装置におけ
る再生動作を説明する。先ず、図9に示す磁気ヘッド8
00が磁気テープ81上の記録磁化85上を走査する。
磁気ヘッド800の磁気ギャップ86が、記録磁化85
の上を走査すると、軟磁性薄膜には記録磁化85からの
漏洩磁束が通る。軟磁性薄膜は、前記漏洩磁束によって
磁化され、透磁率が低下する。一方、電極端子520、
530間には、図10に示すキャリア信号発生器801
により200MHzのキャリア信号電流が流されてい
る。そのキャリア信号電流により変化する電極端子52
0、530間の信号電圧Vは、V=ZI(但しIは、一
定)の関係式より電極端子520、530間のインピー
ダンスZにより決定される。このインピーダンスZは、
軟磁性膜の透磁率が低下すると、インピーダンスZも低
下する関係にある。即ち、磁気テープ81からの漏れ磁
界が大きいとインピーダンスZが小さくなり、漏れ磁界
が小さいとインピーダンスZが大きくなる関係にある。
【0039】図11は磁気記録媒体からの外部磁界Hex
tである漏れ磁界の経時変化の一例を示す図である。図
11において、−+の極性は、磁界の向きを示す。図1
1に示すように、磁気ヘッド800が読み取った磁気記
録媒体の漏れ磁界が、−a〜+aの範囲で変動している
とする。図12はバイアス磁界がかけられていない場合
の、外部磁界Hextとインピーダンス|Z|との関係を示
す図である。図12に示すように、インピーダンス|Z
|の値は、磁気記憶媒体からの漏れ磁界である外部磁界
Hextが0のときは、インピーダンス値は、最大値b2を
とり、漏れ磁界が、−a又は+aのときは、小さい値b
1をとる。ただし、このインピーダンス値の高低は、記
録磁化85からの漏れ磁界の強さに反比例するものの、
記録磁化85の極性には無関係である。具体的には、第
1の半割コアから第2の半割コアへの磁束が形成される
記録磁化85の極性であろうが、反対に第2の半割コア
から第1の半割コアへの磁束が形成される記録磁化85
の極性であろうが、コアを通過する磁束量が同じであれ
ば、電極端子間の信号電圧は同じになる。そこで、この
ままではいかなる信号処理を行っても記録磁化85を再
現することが出来ないので、本発明の磁気記録再生装置
においては、記録磁化85の極性によってインピーダン
ス値が変化するようにするため軟磁性膜を一方向に直流
バイアス磁化している。具体的には、例えば、前述の図
1に示した導体線4に流す交流電流に若干の直流電流を
加えてることにより軟磁性薄膜を一方向に直流バイアス
磁化する。その結果、記録磁化85の極性に応じて信号
電圧が変化するようになる。
【0040】図13はバイアス磁界がかけられている場
合の、外部磁界Hextとインピーダンス|Z|との関係を
示す図である。図13において、極性が−のバイアス磁
界dをかけたとき、インピーダンス値が最大値をとる。
図13の曲線と前述の図12の曲線を対比すると、バイ
アス磁界dの分だけ、曲線が右に移動していることが分
かる。インピーダンス|Z|の値は、磁気記憶媒体から
の漏れ磁界が−aのときは、インピーダンス値は最小値
c3をとり、漏れ磁界が0のときは、インピーダンス|Z
|の値は中間値c2をとり、漏れ磁界が+aのときは、
最大値c1をとる。このように、バイアス磁界をかける
ことにより、外部磁界の極性を反映したインピーダンス
値となる。この結果、本発明の磁気記録再生装置におい
ては、外部磁界及びキャリア信号電流に基づいて変化す
るインピーダンス値に基づいて変化する電圧が、電極端
子520、530に現れる。図9に示す磁気ギャップ8
6は、次々に極性やその長さの異なる記録磁化上を走査
するので、電極端子520、530間の電圧の変化は、
200MHzのキャリア信号電流をキャリアとするAM
波となる。このAM波は、再生信号検出回路802にお
いて再生信号として復調され、再生アンプ803に出力
される。再生アンプ803は、復調された再生信号を増
幅し、再生信号処理回路804に出力する。再生信号処
理回路804は、再生信号を出力するに適した信号に変
換し、再生信号出力端子807から出力する。
【0041】
【発明の効果】本発明の磁気ヘッドは、半割コアとコイ
ルとからなる従来の誘導型ヘッドの構成に半割コアに軟
磁性薄膜を設け、その半割コアと軟磁性薄膜との間を導
体線が貫通する構成であり、従来の複合型MRヘッドと
比較して、より単純な構造であるので、その製造工程も
より単純であり、比較的高い歩留まりを確保しやすく、
量産性に優れている。また、本発明の磁気ヘッドは、半
割コアに導体を絶縁配置することにより、導体線を磁気
インピーダンス素子として用いて、従来の磁気ヘッドよ
りも感度の高い磁気インピーダンス効果による再生が可
能になる。さらに、本発明の磁気ヘッドは、磁気記録再
生装置の小型化による低速度化にも容易に対応すること
ができる。また、本発明の磁気ヘッドは、半割コアが非
磁性基板と軟磁性薄膜とのラミネート構造により構成す
ることができるので、高い膜厚精度を有する軟磁性薄膜
により磁気ヘッドのトラック幅を高精度に形成できる。
【0042】また、本発明の磁気ヘッドの製造方法によ
れば、記録用磁路が従来の磁気ヘッドの製造工程で形成
でき、さらに再生用磁路としても共用できるので、再生
感度の高い磁気ヘッドを容易に形成することができる。
また、本発明の磁気ヘッドの製造方法は、単純な製造工
程であるため、量産性に優れ、安価な製品を形成するこ
とが可能である。また、本発明の磁気記録再生装置は、
外部磁界とバイアス磁界が重畳した高周波電圧に基づい
て、記録された情報を再生するので、再生感度の高い優
れた装置となる。さらに、本発明の磁気記録再生装置
は、検出した高周波電圧をAM復調するので、記録され
た情報を簡単な回路構成で再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の磁気ヘッドを分解して
示す斜視図である。
【図2】図1の磁気ヘッドを示す側面図である。
【図3】本発明の第1の実施例の磁気ヘッドの等価回路
を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施例の磁気ヘッドを示す斜視
図である。
【図5】図4の磁気ヘッドの側面図である。
【図6】本発明の第3の実施例の磁気ヘッドの外観を示
す斜視図及び一部を拡大した拡大図である。
【図7】本発明の別の実施例の各種磁気ヘッドを示す側
面図である。
【図8】本発明の磁気ヘッドの製造方法を説明するため
の概略図である。
【図9】本発明の磁気記録再生装置を示す斜視図であ
る。
【図10】本発明の磁気記録再生装置における記録再生
回路の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明における、磁気記録媒体からの漏れ磁
界の経時変化を示す図である。
【図12】バイアス磁界がかけられていない場合の、外
部磁界とインピーダンスとの関係を示す図である。
【図13】本発明における、バイアス磁界がかけられて
いる場合の、外部磁界とインピーダンスとの関係を示す
図である。
【符号の説明】
1 第1の半割コア 2 第2の半割コア 3 軟磁性薄膜 4 導体線 5 電極端子 6 電極端子 7 導体コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 和夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 楠本 修 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状のトラック面を持ち磁路の一部を成
    す磁性材を有して形成された第1の半割コア体と、 前記第1の半割コア体のトラック面に対向するトラック
    面を持ち磁路の他の一部を成す磁性材を有して形成され
    た第2の半割コア体とを具備し、前記第1の半割コア体
    と前記第2の半割コア体がそれぞれのトラック面を対向
    することにより前記磁路の一部と前記磁路の他の一部と
    が連続する磁路を成すように接合して形成される磁気ヘ
    ッドであって、 前記一方の半割コア体が、そのトラック面と交差するよ
    う形成された導体線と、前記トラック面上に形成された
    磁性膜と、前記導体線の両端に形成された高周波信号印
    加用端子と、を有し、 前記いずれかの半割コア体が、その磁路に鎖交して巻回
    された導体コイルと、前記導体コイルの両端に形成され
    た記録信号磁界発生用端子と、を有することを特徴とす
    る磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 非磁性材により形成された2つの基板に
    より挟まれた第1の磁性膜を有する第1の半割コア体
    と、 非磁性材により形成された2つの基板により挟まれた第
    2の磁性膜を有する第2の半割コア体と、 前記第1の半割コア体の一側面上に露出している帯状の
    前記第1の磁性膜上に前記第1の磁性膜の膜厚以内の幅
    で被着形成された第3の磁性膜と、 前記第3の磁性膜と前記第1の磁性膜との間に配設され
    た導体線と、 前記導体線の両端に形成された高周波信号印加用端子
    と、 前記第2の半割コア体の巻線用溝に巻回された導体コイ
    ルと、 前記導体コイルの両端に形成された記録信号磁界発生用
    端子と、を備えたことを特徴とする磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 非磁性材により形成された第1の半割コ
    ア体と、 非磁性材により形成された2つの基板により挟まれた第
    1の磁性膜を有する第2の半割コア体と、 前記第1の半割コア体の一側面上に被着形成された第2
    の磁性膜と、 前記第2の磁性膜と前記第1の半割コア体との間に配設
    された導体線と、 前記導体線の両端に形成された高周波信号印加用端子
    と、 前記第2の半割コア体の巻線用溝に巻回された導体コイ
    ルと、 前記導体コイルの両端に形成された記録信号磁界発生用
    端子と、を備えたことを特徴とする磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 帯状のトラック面を持つように磁性材に
    よりトラック加工された半割コア体の上に前記トラック
    面と交差するように導体層をパターン形成する導体層形
    成ステップと、 前記半割コア体の上に前記トラック面上の前記導体層の
    上に、前記トラックの幅と実質的に同一幅の磁性層を形
    成する磁性層形成ステップと、を有することを特徴とす
    る磁気ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 第1の半割コア基体が、磁性基板の一側
    面に帯状のトラック面を持つように複数の溝を形成する
    ステップと、 前記複数の溝に非磁性材を埋設するステップと、 前記トラック面を交差するように導体層をパターン形成
    するステップと、 前記トラック面の幅と実質的に同一幅の第1の磁性層を
    前記トラック面上に形成するステップと、により形成さ
    れ、 第2の半割コア基体が、磁性基板の一側面に帯状のトラ
    ック面を持つように複数の溝を形成するステップと、 前記複数の溝に非磁性材を埋設するステップと、 前記帯状の溝を有する磁性基板の面に磁気ギャップ用膜
    を形成するステップと、 前記磁気ギャップ用膜が形成された面に、前記帯状の溝
    と直交する巻線用溝を形成するステップと、により形成
    され、 前記第1の半割コア基体と前記第2の半割コア基体をそ
    れぞれのトラック面が対向するように接合する接合ステ
    ップ、 前記接合ステップにより形成された前記第1の半割コア
    基体と前記第2の半割コア基体を前記トラック面と平行
    に非磁性材が埋設された部分で切断される切断ステッ
    プ、 を有することを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 帯状のトラック面を持ち磁路の一部を成
    す磁性材を有して形成された第1の半割コア体と、 前記第1の半割コア体のトラック面に対向するトラック
    面を持ち磁路の他の一部を成す磁性材を有して形成され
    た第2の半割コア体とを具備し、前記第1の半割コア体
    と前記第2の半割コア体がそれぞれのトラック面を対向
    することにより前記磁路の一部と前記磁路の他の一部と
    が連続する磁路を成すように接合して形成される磁気ヘ
    ッドであって、 前記一方の半割コア体が、そのトラック面と交差するよ
    う形成された導体線と、前記トラック面上に形成された
    磁性膜と、前記導体線の両端に形成された高周波信号印
    加用端子と、を有し、 前記いずれかの半割コア体が、その磁路に鎖交して巻回
    された導体コイルと、前記導体コイルの両端に形成され
    た記録信号磁界発生用端子と、を有する磁気ヘッドを具
    備し、 さらに、前記導体線の両端の高周波信号印加用端子に定
    電流の高周波信号を印加するキャリア信号印加手段を備
    えたことを特徴とする磁気記録再生装置。
  7. 【請求項7】 非磁性材により形成された2つの基板に
    より挟まれた第1の磁性膜を有する第1の半割コア体
    と、 非磁性材により形成された2つの基板により挟まれた第
    2の磁性膜を有する第2の半割コア体と、 前記第1の半割コア体の一側面上に露出している帯状の
    前記第1の磁性膜上に前記第1の磁性膜の膜厚以内の幅
    で被着形成された第3の磁性膜と、 前記第3の磁性膜と前記第1の磁性膜との間に配設され
    た導体線と、 前記導体線の両端に形成された高周波信号印加用端子
    と、 前記第2の半割コア体の巻線用溝に巻回された導体コイ
    ルと、 前記導体コイルの両端に形成された記録信号磁界発生用
    端子と、を有する磁気ヘッドを具備し、 さらに、前記導体線の両端の高周波信号印加用端子に定
    電流の高周波信号を印加するキャリア信号印加手段を備
    えたことを特徴とする磁気記録再生装置。
  8. 【請求項8】 非磁性材により形成された第1の半割コ
    ア体と、 非磁性材により形成された2つの基板により挟まれた第
    1の磁性膜を有する第2の半割コア体と、 前記第1の半割コア体の一側面上に被着形成された第2
    の磁性膜と、 前記第2の磁性膜と前記第1の半割コア体との間に配設
    された導体線と、 前記導体線の両端に形成された高周波信号印加用端子
    と、 前記第2の半割コア体の巻線用溝に巻回された導体コイ
    ルと、 前記導体コイルの両端に形成された記録信号磁界発生用
    端子と、を有する磁気ヘッドを具備し、 さらに、前記導体線の両端の高周波信号印加用端子に定
    電流の高周波信号を印加するキャリア信号印加手段を備
    えたことを特徴とする磁気記録再生装置。
  9. 【請求項9】 磁気記憶媒体から印加される外部磁界と
    バイアス磁界とが重畳された前記定電流の高周波信号に
    基づいて変化する前記導体線の両端の高周波信号印加用
    端子の高周波電圧を検出する高周波電圧検出部と、 前記高周波電圧検出部により検出した高周波電圧をAM
    復調するAM復調部と、をさらに備えたことを特徴とす
    る請求項6、7又は8に記載の磁気記録再生装置。
JP21486196A 1996-08-14 1996-08-14 磁気ヘッド、磁気ヘッドの製造方法及び磁気記録再生装置 Pending JPH1055517A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21486196A JPH1055517A (ja) 1996-08-14 1996-08-14 磁気ヘッド、磁気ヘッドの製造方法及び磁気記録再生装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21486196A JPH1055517A (ja) 1996-08-14 1996-08-14 磁気ヘッド、磁気ヘッドの製造方法及び磁気記録再生装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1055517A true JPH1055517A (ja) 1998-02-24

Family

ID=16662779

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21486196A Pending JPH1055517A (ja) 1996-08-14 1996-08-14 磁気ヘッド、磁気ヘッドの製造方法及び磁気記録再生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1055517A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002289940A (ja) * 2001-03-28 2002-10-04 Uchihashi Estec Co Ltd 磁気インピーダンス効果センサー

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002289940A (ja) * 2001-03-28 2002-10-04 Uchihashi Estec Co Ltd 磁気インピーダンス効果センサー

Similar Documents

Publication Publication Date Title
USRE38594E1 (en) Magnetic sensing apparatus having a central core with wire therethrough
JPS6087417A (ja) 薄膜磁気ヘツド
US6795263B2 (en) Magnetic head
JPH1055517A (ja) 磁気ヘッド、磁気ヘッドの製造方法及び磁気記録再生装置
JPS6275924A (ja) 一体化薄膜磁気ヘツド
JPH05234170A (ja) 磁気ヘッド
JP3772458B2 (ja) 磁気ヘッド及びその製造方法
JPH06251339A (ja) 磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド及びバイアス特性測定方法
JP3570677B2 (ja) 磁気ヘッド
JPH08263811A (ja) 磁気ヘッド及びその製造方法
JP2878738B2 (ja) 記録再生兼用薄膜磁気ヘッド
JP2003218421A (ja) 磁気検出素子及びその製造方法並びに磁気ヘッド及び磁気再生装置
JP2002175610A (ja) 薄膜磁気ヘッド
JPS63138515A (ja) 薄膜磁気ヘッド
JPH08316547A (ja) 磁気検出素子及びその製造方法
JP2001331910A (ja) 磁気ヘッド及びその製造方法及び磁気再生装置
JPH05159242A (ja) 磁気抵抗効果型ヘッドおよびその製造方法
JPH09320020A (ja) 磁気ヘッド及び磁気ヘッドの製造方法及び再生方法及び磁気再生装置
JPS58179927A (ja) 薄膜磁気ヘツド
JPS6258410A (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘツド
JP2000200403A (ja) 多層膜磁性体、それを用いた磁気ヘッドと磁気ヘッドの製造方法、及びこの磁気ヘッドを用いた磁気再生装置
JPH0991617A (ja) 磁気ヘッドと磁気ヘッドの製造方法と磁気情報再生装置
JPH0214418A (ja) 磁気ヘッドおよびその製造方法並びにこれを用いた磁気記録装置
JPH09305935A (ja) 磁気ヘッド及びその製造方法、及び磁気記録再生装置
JPH08321013A (ja) 磁気ヘッド及びその製造方法