JPH1055117A - 半導電性材料組成物 - Google Patents

半導電性材料組成物

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JPH1055117A
JPH1055117A JP21257596A JP21257596A JPH1055117A JP H1055117 A JPH1055117 A JP H1055117A JP 21257596 A JP21257596 A JP 21257596A JP 21257596 A JP21257596 A JP 21257596A JP H1055117 A JPH1055117 A JP H1055117A
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JP
Japan
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voltage
current
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semiconductive
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JP21257596A
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English (en)
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Masatoshi Naoi
正俊 直井
Seisuke Sakyo
靖介 佐京
Satoshi Mieno
聡 三重野
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高電圧を印加した際の電圧(V)⇔電流
(I)の線形性を改善し、電荷量のコントロールを容易
にする半導電性材料組成物およびそれを成形・硬化して
なる半導電性部材。 【解決手段】 絶縁性物質中に仕事関数が 4.9eV以上
である導電性物質が含有される半導電性材料組成物及び
これを成形、硬化してなる半導電性部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導電領域(抵抗値
103〜1010Ω・cm)で安定した導電性を示し、特に高電
圧下(100 V〜 4,000V)で電圧依存性の少ない半導電
性材料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式は汎用されている画像形成
方式の一つであり、コピー、プリンター、ファクシミリ
などで主流となっている。この方式では、画像形成の中
心となるOPCドラム廻りに種々の半導電性部材が使用
されている。これらの部材には導電性物質を充填したゴ
ム部材である帯電あるいは現像、転写などを目的とする
ゴムロールやブレードなどがあるが、何れも主に1×10
3 〜1×1010Ω・cmの中抵抗領域で使用されている。
【0003】近年これらのOA機器の高性能化に伴い、
これらのゴム部材をコントロールする電流値のより厳密
な制御が要求されている。これらのローラー類の中でも
転写ローラーは特にOPCドラムより記録紙へのトナー
の転写の際に、紙を間に挟んで紙の裏面から電圧を印加
し電場を形成するために、記録紙の厚さや含有水分量な
どが電荷のコントロールに影響を及ぼす。転写させるた
めにはOPCドラム上のトナーに働く静電気Feが機械
的な付着力Faを超える必要があるが、静電気Feはト
ナーのもつ電荷量qに比例することから、確実に転写さ
せるためには与える電荷量を増加させる必要がある。ま
た記録紙は表面抵抗が低下すると転写効率が急激に低下
する。これは記録紙の抵抗値が低い場合には与えた電荷
量を転写領域を通過するまで保持できずに、トナー⇔記
録紙間の電界が急激に低下するためである。したがって
ローラーによる転写などでは記録紙は 109Ωcm以上の高
抵抗値を要求される。
【0004】したがって上記の理由から、転写ローラー
の役割は高抵抗値の記録紙を通してトナーに対して電界
を形成させる(トナーと逆の電荷を与える)ことであ
り、このためには高電圧の印加が必須となる。さらに種
々の厚さの記録紙に対応し、かつ様々な環境の変化(湿
度環境の変化)による記録紙の抵抗値の変化や紙厚の変
化による押圧の変化で生じるロール自体の変形によって
も、ロールの抵抗値は変化する。これら抵抗値の変化に
対応するために、トナーに付与する電荷量を電流量でコ
ントロールしなければならず、転写ローラーは高電圧下
で電流量のコントロールを容易に行えなければらならな
い。
【0005】またプリンター類の高速化は時代の要求で
ありそのテンポは速まってきている。転写速度は充電時
間とトナーの移動時間の和により律速され、紙送り速度
はこの転写速度を基に設定される。転写電界を形成する
のに必要な時間は単位面積当たりの被帯電層の静電容量
Cとローラーの抵抗値Rの積に比例することから抵抗値
を下げずに充電時間を短縮しようとすればCを小さくし
なければならない。帯電時間t=0でローラーに電圧V
trが印加された場合、電荷量Q(t)は下記式(数1)
となる。(「電子写真技術の基礎と応用」電子写真学会
偏;コロナ社、3章5、中島淳三著) 静電容量C上の電荷量QはCとV(印加電圧)の積に比
例するのでCを小さくするとVを上げなければQを大き
くできない。このことからも印加電圧Vの高電圧化は必
要になってくる。
【0006】
【数1】 Q(t)=CVtr[1−exp(−t/CR)]
【0007】しかし、このような高電圧を印加した場合
には、従来の絶縁性高分子エラストマーによるマトリッ
クス中に金属や導電性カーボン、あるいは金属酸化物な
どの導電性の高い物質を添加して導電性を付与する方式
では電圧の変動に対して電流量が比例して変化せずに電
荷量のコントロールが難しくなる。特に数百V以上では
電圧の増加に伴う抵抗値の低下が著しく、過大な電流が
流れるため、電圧(V)⇔電流(I)の線形性が崩れて
しまい、オームの法則は成立せず、電荷量のコントロー
ルは大変難しいものとなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の問題点を解決するものであり、高電圧を印加した際の
電圧(V)⇔電流(I)の線形性を改善し、電荷量のコ
ントロールを容易にする半導電性材料組成物およびそれ
を成形・硬化してなる半導電性部材を提供するものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記従来
技術の問題点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、
絶縁性物質中に導電性あるいは半導電性物質を充填、分
散させて半導電性を得ようとするような系に、仕事関数
の高い導電性あるいは半導電性物質を用いることにより
電圧(V)⇔電流(I)の線形性が改善されることを見
出し本発明を完成した。従来、絶縁性マトリックスに導
電性の物質を充填して導電性を付与しようとする場合
は、単に一般に導電性の高い物質を使用し、その充填量
で抵抗値の調整をしていた。このような系においては、
導電性物質間の導電は、直接接触による導電の可能性は
低く、絶縁性物質によって隔てられるため、導電性物質
間の連鎖形成による接触導電は期待できない。そこで導
電の主流は誘電体薄膜によるエネルギー障壁を、ショッ
トキー効果導電で超えるか、あるいはトンネル効果によ
り、エネルギー障壁中を通り抜けることにより電子を移
動させることになる。しかしこの2つの導電形式の特徴
は各々異なっており、また主に作用する領域も異なって
いる。ショットキー効果導電の場合、電場の強さがEの
ときの飽和電流密度Iは、電場が0の時の飽和電流密度
s 、ボルツマン定数KB 、絶対温度をT、電子の電荷
をeとすると下記式(数2)で表せる。
【0010】
【数2】I=Is exp(e3/21/2 /KB T)
【0011】上記式(数2)からショットキー効果導電
は電場Eの強さに依存して指数関数的に増加する。これ
は実効的な意味合いで導電性物質間のフェルミ準位の差
を拡大するとともに、ポテンシャル障壁間の距離dを挟
めるような効果がある。したがってショットキー効果導
電が主流の場合、電圧の増加に対して電流の増加量は線
形的にならず指数関数的に増加する。一方、トンネル効
果導電の場合、ポテンシャル障壁を質量mの粒子が透過
する確率p は下記式(数3)で与えられる。この場合E
は全エネルギー、x0 、x1は古典的折り返し点の座標
を示す。
【0012】
【数3】
【0013】このトンネル効果導電に際しポテンシャル
障壁の両側に電位差Vが印加されると、両側のフェルミ
準位にはeVのエネルギー差が生じる。この時の両方向
への遷移の確率の差はトンネル効果電流の大きさと等し
い。したがって電位差Vを与えた場合の両方向からの遷
移の確率差を求めると下記式(数4)のようになる。
【0014】
【数4】
【0015】上記式(数4)より、トンネル効果電流の
大きさIは、両方向へ遷移する確率の増減には指数関数
的に変化するが印加電圧の増加によるポテンシャル障壁
間の電位差Vの変動によるフェルミ準位の差eVの増減
に対しては指数関数的には変動しないことがわかる。し
たがってこの二つの導電形式を比較した場合、ショット
キー導電よりもトンネル導電の方が支配的な環境下で
は、電圧(V)⇔電流(I)の関係はより線形性を有す
ることになる。このことから、電圧(V)⇔電流(I)
の線形化には極力ショットキー効果導電を避けてトンネ
ル効果導電が支配的な環境を作れば良いことがわかる。
そのためにはポテンシャル障壁を出来るだけ高く取る必
要がある。このためには導電層間のフェルミ準位の差を
大きくしなければならない。これを具体的に実施するた
めの目安としては、外部ポテンシャルとフェルミ準位と
のエネルギーの差があり、これは仕事関数として定義さ
れている。仕事関数とは金属や半導体の固体表面から1
個の電子を表面のすぐ外側に取り出すのに必要な最小エ
ネルギーと定義されている。また仕事関数は外側に取り
出した外部ポテンシャルと物質中の電子の化学ポテンシ
ャルとの差とも定義される。そして物質中の電子の化学
ポテンシャルはフェルミ準位に等しいので前者のように
定義される。
【0016】そこで導電層のフェルミ準位をできるだけ
高くとるためには、導電性物質の仕事関数が高いものを
選択してやれば良いことがわかる。本発明においては絶
縁性物質中に仕事関数が 4.9eV以上である導電性物質
が含有されることが必須要件であるが、この理由は、導
電性物質を絶縁性マトリックス中に分散させた場合、そ
の硬化後の部材の電荷のコントロールを容易に行えるレ
ベルまで電圧(V)⇔電流(I)曲線の線形性を改善さ
せた時、導電性物質の仕事関数値が 4.9eVであった。
従って 4.9eV以上の仕事関数値を有する導電性物質を
使用することにより課題を解決することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明における仕事関数の高い導
電性物質を例示するとプラチナ、ニッケル、パラジウ
ム、金などがあげられるが、単独の元素である必要は無
く、合金でよいし、金属塩でも良い。あるいは仕事関数
の低い金属の粒子表面に官能基を付けたり、また仕事関
数の高い物質の薄膜で粒子表面をコーティングやマイク
ロカプセル化などの処方で覆ったりして、仕事関数を高
めても良い。上記導電性物質としては金属に限らず、酸
化亜鉛や硫酸バリウム、ほう酸アルミニウム、酸化チタ
ンなどの無機酸化物やオイルファーネスブラックやアセ
チレンブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラ
ック系、あるいは黒鉛、カーボン繊維など導電性を有す
る物であれば良いが、何れの場合でも仕事関数の高いグ
レードを選ぶ必要性がある。
【0018】本発明における絶縁性物質に特に制限はな
い。一般的な絶縁性物質であればよいが、これに限ら
ず、導電性物質との間にポテンシャル障壁が出来るもの
の中で導電性物質とのフェルミ準位の差が大きい物質で
あれば使用可能である。また絶縁性物質として、高分子
化合物エラストマーを用いた場合はそのゴム弾性により
OPCドラムとの接触精度が高まり印字品位が良くなる
効果が認められる。特にOA機器のロール類などに使用
する場合、ポリオルガノシロキサンはその物性の温度依
存性が低い点や圧縮永久歪特性が良い点、さらに耐オゾ
ン性や耐薬品性に優れている点などにおいて、他の高分
子化合物エラストマーに比較して格段に優れている。本
発明における高分子化合物エラストマーとして使用可能
なものを挙げると、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ブタ
ジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、イソプ
レンゴム、アクリルゴム、SBR、NBR などがある。また本
発明におけるシリコーンゴム(コンパウンド)は、一般
式R2SiO 単位からなる線状ポリマーと補強剤としての微
粉末シリカ及び分散助剤を基本成分とするものである。
ここでR はメチル基、エチル基などのアルキル基;ビニ
ル基などのアルケニル基;フェニル基などのアリール基
及びこれらの基の炭素原子に結合する水素原子がハロゲ
ン原子などで置換された基であり、R は同一でも互いに
異なっていてもよい。
【0019】本発明における導電性物質と絶縁性物質の
配合比率はその目的に合った抵抗値が発現される比率で
よく、特に限定するものではないが、導電性物質の配合
比率が高すぎると導電性物質の粒子が相互に接触する機
会が増え、その結果直接接触により導電のために絶縁層
によって引き起こされる電圧(V)⇔電流(I)の非線
形化は防げるが、電荷をコントロールして画像を形成す
る電子写真の分野では望ましい中抵抗領域を得ることが
できない。逆に導電性物質の比率が低すぎる場合は導電
性物質粒子間の距離が大きすぎて導電が確保されず、好
ましい配合比率とは言えない。これらのことから導電性
物質の添加量は、DBP吸油量が50〜 100ml/100g程度
の通常の構造で、20〜80mμ程度の中級の粒子径のカー
ボンブラックの場合で3〜30重量%が望ましい。しかし
構造の発達程度と粒径の大小にリンクしてこの添加量は
増減する。
【0020】本発明における導電性物質の絶縁性物質へ
の配合方法については特に限定されない。ロールミル、
加圧ニーダー、ヘンシェルミキサーなど混合、分散を行
う機器が使用可能である。また配合順序なども任意であ
るが、導電性物質が絶縁性物質中で均一に分散していな
いと、硬化後の部材の電気的な測定に際して部分的な測
定値のムラが生じるので均一に配合することが望まし
い。
【0021】本発明における組成物の成形方法について
は特に制限はなく、プレス成形、射出成形、押出成形な
ど汎用の成形方法が使用できる。また本発明において熱
硬化性の絶縁性物質を使用する場合、架橋方法は有機過
酸化物や塩化白金酸触媒による架橋、硫黄による架橋ま
たは放射線架橋や電子線架橋などのいずれの架橋方法も
使用可能であるが、有機過酸化物が最もよく使用され
る。これを例示すると、ベンゾイルパーオキサイド、ビ
ス2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス
(t −ブチルパーオキシ)ヘキサンなどである。
【0022】本発明における導電性物質の仕事関数の測
定方法は以下の様なものがあるが、いずれも最終的に半
導電性部材とした場合の表面性状を測定する方法であ
る。これらの方法は絶対的測定法と相対的測定法とに分
けられる。絶対的測定法とは直接仕事関数を検出するも
ので、これには熱電子放出測定法、電界電子放出測
定法、光電子放出測定法などがある。また相対的測定
法としては、接触電位差法、減速電位差法があり、
これらは仕事関数が既知の試料を用いてそれに対する相
対的な値を算出するものである。いずれの方法を用いて
もよいが、測定精度が高く最も良く用いられている方法
は接触電位差法である。接触電位差の測定には(A)ケ
ルビン法(振動容量法)、(B)熱電子線法、(C)電
界電子線法などの方法がある。ケルビン法は高速測定が
可能であり、測定に際して高真空を必要としないため
に、よく用いられている。ケルビン法では接触電位差に
よって発生する電荷量Qを測定し、電荷量Qと接触電位
差VBAとの関係式Q=C(φB −φA +VE )及びVBA
=φB −φAから接触電位差VBAを求めるものである。
(ここでCは接触部分の静電容量、VE は印加電圧、Φ
A ,ΦB は例えば図1の振動板4と試料5の各々の仕事
関数を示す)
【0023】接触電位差法の具体的手法としてはW.A.Zi
smanらによる測定法が挙げられる。[W.A.Zisman, Rev.
Sci.instr. 3,367(1932)] 図1は接触電位差法に使用する測定装置の一例である。
これを使用した測定法を以下に述べる。図1の試料5と
振動板4の間の電荷量QはQ=C(φB −φA)で与え
られ、試料5と振動板4の間に外部からVE の電位差を
与えた場合、前記のようにQ=C(φB −φA +VE
となる。ここで振動板4を振動させて△Cの静電容量変
化を与える。すると試料5と振動板4の二つの電極間に
△Q=△C(φB −φA +VE )の電荷を生じる。この
交流の微小電流を増幅器2で増幅して取り出し、電流計
で検出する。この際VE を変化させて△Q=0の位置を
検出するが、普通VB =V12の時増幅器2に入る電位差
inが0になる。つまり△Q=0になるので、その時の
E の値とVE =φA −φB の関係から接触電位差V12
の値を決めることができ、最終的に仕事関数φA を求め
ることができる。
【0024】上記測定法により仕事関数を求めた導電性
物質は絶縁性物質中に分散配合され、各マトリックス構
成材料の通常の硬化法により硬化し、目的とする半導電
性材料組成物の硬化物を得ることができる。本発明の半
導電性材料組成物の成形、硬化物は半導電性の領域(抵
抗値で 103〜1010Ω・cm)において電圧の変化に比例し
て電流量が変化する。つまり電圧⇔電流の線形性を示
し、電子写真方式のプリンターや複写機において高品位
な印字を与えるための電荷のコントロールを容易にす
る。
【0025】
【実施例】以下に実施例により本発明を説明するが本発
明はこれらに限定されるものではない。
【0026】(実施例1)絶縁性物質としてシリコーン
ゴムコンパウンド(硬化物としたときの体積抵抗値1×
1016Ω・cm)を用い、導電性物質としてカーボンブラッ
クを用いて半導電性シリコーンゴムローラーを作製し
た。まずカーボンブラックとしてRegal・400R(Cabot Co
rp製商品名)を用い、前記の測定装置によりケルビン法
で金(仕事関数4.90)を標準試料として接触電位差を測
定した。この結果接触電位差△ψ=φ(Carbon)−φ
(Gold)=0.46となり、これからRegal・400Rの仕事関数
φ(Carbon)は5.36eVであり、本発明に用いる導電性
物質として適当であることが確認された。絶縁性物質と
してはシリコーンゴムコンパウンド・KE-151U[信越
化学工業(株)製商品名]を用いた。KE-151Uの 100
重量部にRegal・400Rの20重量部を加え、加圧ニーダーで
30分間混練した。これに架橋剤として有機過酸化物2,
5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)
ヘキサンを1重量部を加え、ミキシングロールで充分に
分散、混合した後、ステンレス製シャフトの上に巻き付
けて金型に投入し、プレス成型機で 150℃、10分間の成
形、硬化を行った。成形後2次硬化を行い終了後冷却し
た。これを常温に冷却した後研削機で仕上げ研磨した。
成形終了後に印加電圧を0〜3,000 Vまで変化させた場
合の電流の測定を行ったところ、(図2)に示す様に電
圧⇔電流の関係は線形性を示した。
【0027】(実施例2)導電性物質をZnOの粉末パ
ストランTYPE−II[三井金属鉱業(株)製商品名]
に替えた以外は実施例1と同様にして実施した。まずパ
ストランTYPE−IIの金に対する接触電位差を測定し
仕事関数を算出したところ5.21であった。実施例1で用
いたシリコーンゴムコンパウンドKE-151U 100重量部
に対してパストランTYPE−II 250重量部を充填し、
実施例1と同様の方法で混練、分散、成形を行い、作製
した半導電性ローラーの電気特性を図4に従って測定し
た結果、電圧⇔電流の関係は線形性を示した。
【0028】(実施例3)架橋剤を有機物過酸化系に替
えて付加反応系のハイドロジェンポリシロキサン3重量
部、白金触媒 0.1重量部、反応制御剤を適量加えた以外
は実施例1と同様にして実施した。同様にして 150℃、
10分のプレス成形、硬化を行い半導電性ローラーを得
た。この電気特性を図4に従って測定し確認したとこ
ろ、電圧⇔電流の関係は線形性を示した。
【0029】(実施例4)実施例3の配合内容に加えて
有機発泡剤としてアゾジカルボンアミド(ADCA)を
5重量部加えた。これをステンレス製シャフトと同時に
押出機でローラー状に一体成形し、 250℃、30分間熱風
加硫炉で加熱、硬化、発泡を行った後、これを乾燥炉で
200℃、4時間の後処理を行った。さらに円筒研削機で
研磨し、ローラーを完成させた。この電気特性を図4に
従って測定し確認したところ、電圧⇔電流の関係は線形
性を示した。
【0030】(実施例5)実施例1と同じ原料組成で摩
擦帯電ブレードを作製した。まづ前記原料に架橋剤を加
え、混練した後、金型に充填しプレス成形を行い、摩擦
帯電部材(L10mm×D200mm ×H10mm)を得た。これに
ステンレス製支持体(L20mm×D200mm ×H 0.1mm)を
接着固定して摩擦帯電ブレードを完成させた。この電気
特性を確認したところ、電圧⇔電流の関係は線形性を示
した。
【0031】(実施例6)実施例1の絶縁性物質をエチ
レンプロピレンジエンゴム(EPDM)のシリコーン変
性ゴムのSEPラバー・SEP1711−U[信越化学工業
(株)製商品名]に替えた以外は実施例1と同様にし
た。この結果、電圧⇔電流の関係は比較的良好な線形性
を示した。
【0032】(比較例1)導電性物質を樹枝状銅粉[福
田金属箔粉工業(株)製]に変更した以外は実施例1同
様の方法で半導電性ローラーを作製した。なおこの樹枝
状銅粉の仕事関数値は4.63と算出された。得られた半導
電性ローラーの電気特性を確認したところ、(図3)の
ように電圧⇔電流の関係は線形性を示さず、電圧の増加
に伴って電流値の増加が顕著であった。
【0033】(比較例2)導電性物質を針状のチタン酸
カリウム・デントールWK-200[大塚化学(株)製商品
名]に替えた以外は実施例1と同様な方法で半導電性ロ
ーラーを作製した。WK-200の仕事関数値は4.50であっ
た。得られた半導電性ローラーの電気特性を確認したと
ころ、電圧⇔電流の関係は線形性を示さなかった。
【0034】
【発明の効果】本発明の半導電性材料組成物を使用した
半導電性ローラーなどの部材における電圧⇔電流の関係
は良好な線形性を示し、これによって高速印字に対応す
るプリンター、複写機などのOPCドラム廻りに用いら
れる各種部材への使用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】接触電位差測定装置の説明図である。
【図2】実施例1の半導電性ローラーについての電圧〜
電流の関係を示すグラフである。
【図3】比較例1の半導電性ローラーについての電圧〜
電流の関係を示すグラフである。
【図4】ローラー電流値の測定法を示す略図である。
【符号の説明】
1 信号、 2 増幅器、 3 振動体、 4 振動板、 5 試料、 6 真空、 7 大気、 Vin 増幅器に入る電位差、 R 抵抗、 ω 振動数、 V12 接触電位差、 d 試料と振動板間の距離、 i 試料と振動板間の振動によって流れる電流、 VB 電源電圧、 8 ローラー、 9 電流計、 10 電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 3/22 KCV C08K 3/22 KCV C08L 21/00 C08L 21/00 83/10 83/10 101/00 101/00 G03G 15/08 504 G03G 15/08 504A // H01B 1/20 H01B 1/20 E

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性物質中に仕事関数が 4.9eV以上
    である導電性物質が含有されることを特徴とする半導電
    性材料組成物。
  2. 【請求項2】 絶縁性物質が高分子化合物エラストマー
    であることを特徴とする請求項1記載の半導電性材料組
    成物。
  3. 【請求項3】 絶縁性物質がシリコーンゴムであること
    を特徴とする請求項2記載の半導電性材料組成物。
  4. 【請求項4】 請求項2の組成物を成形、硬化してなる
    半導電性部材。
  5. 【請求項5】 請求項3の組成物を成形、硬化してなる
    半導電性部材。
JP21257596A 1996-08-12 1996-08-12 半導電性材料組成物 Pending JPH1055117A (ja)

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JP21257596A JPH1055117A (ja) 1996-08-12 1996-08-12 半導電性材料組成物

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JP21257596A JPH1055117A (ja) 1996-08-12 1996-08-12 半導電性材料組成物

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JP2014224193A (ja) * 2013-05-16 2014-12-04 信越化学工業株式会社 シリコーンゴム組成物の接着方法及び複合成型品

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