JPH1052908A - 記録媒体及び該記録媒体を用いた記録方法 - Google Patents

記録媒体及び該記録媒体を用いた記録方法

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JPH1052908A
JPH1052908A JP8211178A JP21117896A JPH1052908A JP H1052908 A JPH1052908 A JP H1052908A JP 8211178 A JP8211178 A JP 8211178A JP 21117896 A JP21117896 A JP 21117896A JP H1052908 A JPH1052908 A JP H1052908A
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ink
water
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soluble polymer
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JP8211178A
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English (en)
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Masako Shimomura
まさ子 下村
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Canon Inc
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク特性を変化させずに色材の定着性を向
上させ、記録画像の高品質化とともに記録媒体上からの
液体の記録ヘッド側へのはね返りをも抑えることができ
る記録インクを提供すること。 【解決手段】 記録媒体側にカチオン性物質を保持させ
ておき、カチオン物質と色材と共に凝集物を高速で形成
する反応を起す脂環式含窒素複素環を色材含有の記録イ
ンク側に配合して記録を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体側に保持
させたカチオン性物質に、記録インク側に含有させた特
定の性質を有する水溶性高分子化合物を組み合わせた記
録方法、及び該記録方法に用いる記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクでの記録による画像形成に
は、インク供給手段を記録媒体の所望の部分に接触させ
て画像を形成する接触型インク供給による画像形成と、
インク供給手段と記録媒体とを非接触状態としてインク
を記録媒体の所望位置に付与して画像を形成する非接触
型インク供給による画像形成とが主に知られている。特
に、後者は、インクジェットシステムとして近年多用さ
れるようになってきている。なお、このインクジェット
システムは、熱エネルギーをインク吐出に利用するバブ
ルジェット方式と、機械的変動を利用したピエゾ方式と
に大別される。
【0003】これらに用いられるインクには、紙やOH
P用紙等の記録媒体に対して、画像を鮮明に記録する目
的で、あるいは、インクジェットヘッドからの吐出状態
やヘッド内におけるインクの挙動を安定化させるための
組成的な改良が加えられているのが一般的である。近年
におけるインクジェットシステムの多種多用な分野への
適用の中で、インクの性能に対しても種々の高度な要求
がなされるようになってきており、これらの改良技術も
より高度なものとなりつつある。しかしながら、インク
ジェット用のインクは、種々の物性の微妙なバランスに
よってそのインクジェット特性を維持しているものが多
く、所望の特性の改良を試みた場合に、他の特性が低下
する場合も多い。そのような場合には、低下する特性の
低下の程度が実用上問題とならないように、所望の特性
の改良幅が制限されてしまう。このように、インクジェ
ット用インク自体の改良には、一長一短がある。
【0004】そこで、インクの物性自体のより高度な改
良は行わずに、良好な記録特性を得るための種々の試み
がなされている。例えば、画像の耐水性の向上を図る目
的で、インク中の色材を記録媒体上で不溶化する技術が
提案されいる。
【0005】その具体例として、例えば、特開昭63−
60783公報には塩基性ポリマーを有する液体を記録
媒体に付着させたあとに、アニオン性染料を含有するイ
ンクを付与して記録する方法が、また、特開昭63−2
2681号公報には反応性化学種を含む第1の液体と該
反応性化学種と反応を起す化合物を含む第2の液体を記
録媒体上で混合する記録方法が開示されている。更に、
特開昭63−299971号公報には1分子あたり2個
以上のカチオン性基を有する有機化合物を含有する液体
を付着させた後、アニオン性染料を含有したインクを記
録する方法が開示されている。また、特開昭64−92
79号公報には、コハク酸を含有した酸性液体を付着さ
せた後、アニオン性染料を含有したインクを付与して記
録を行う方法が開示されている。
【0006】更に、特開昭64−63185号公報に
は、染料を不溶化させる液体(不溶化剤)をインクの付
与に先だって記録媒体に付与しておく方法が開示されて
いる。この不溶化剤を用いる方法としては、本願出願人
によるヨーロッパ特許公開663299号に、不溶化剤
としてのカチオン性物質又はノニオン性物質を含有する
液体組成物に記録インクを併用した高品位な画像形成が
可能な画像記録方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らの検討によれば、上記従来技術のように、耐水性向
上のために、記録媒体への不溶化剤の付与後に、この不
溶化剤と接触するようにインクを記録媒体に付与した場
合、最初に記録媒体表面上に付着した不溶化剤の液滴上
に、後発のインク滴が着弾する際に、着弾するインク滴
の速度が高速であればある程、これらの衝突による液滴
のはね返りにより飛沫が発生し、それが記録ヘッドに付
着する現象が観察された。このはね返りの主たる範囲
は、500μm〜1000μmとバラツキがあった。そ
して、このはね返り現象が、インク用のヘッドでのイン
クの吐出不良や吐出不能といった問題の一因となる場合
があることが新たに判明した。すなわち、このはね返り
飛沫に不溶化剤が含まれていると、これがインク用の記
録ヘッドにおけるインク吐出時に発生する極小のインク
ミストと一体化して反応する。そして、最悪の場合、こ
れらの反応によって生成したインク成分(主に色材)の
不溶化物の塊がインク吐出口付近で成長し、インク吐出
口を狭めたり、塞いだりすることによって、インク吐出
方向を所望としない方向に曲げたり、インク吐出を一時
的にも中断してしまう。
【0008】すなわち、従来の不溶化剤とインクとの2
液を用いる記録方法において、記録速度を更に上げるた
めにインク滴をより高速で作用させる場合、上記のよう
な問題が発生し易くなることが判明した。そして、より
高速での良好な記録を達成する上で、上記のはね返りに
よる飛沫の発生を抑えるための技術が必要であるとの結
論を得た。
【0009】このような2液系の記録方法における新た
な課題の達成を目的として、インクやその不溶化剤につ
いて本発明者らは更に検討を行った。その過程におい
て、従来のインクや不溶化剤の組成分として使用されて
いる各種公知成分の範囲内での組成変更では、十分に満
足できる結果が得られなかった。このような状況におい
て、本発明者らの一人が、2つの物質の水中での反応性
について種々検討を行っている際に、ビーカー中に2種
の反応性物質を入れて安定した混濁状態を形成し、これ
にガラス棒を入れてかき回した時に、混濁した溶液が透
明になり、且つ反応物がガラス棒に付着するという現象
を観察した。この現象から、インク中で不活性で、イン
クの物性等への影響がなく、あるいはほとんど無視でき
る程度に少なく、しかも、不溶化剤との接触において急
激な色材の凝集反応を生じさせる物質が、上記の課題を
達成する上で有効であるとのヒントを得た。そして、か
かるヒントに基づいて、更なる検討を行った結果、例え
ば、脂環式含窒素複素環を有する水溶性高分子化合物に
このような性質があるという新たな知見を得るに至っ
た。
【0010】本発明は、かかる本発明者らによる新たな
知見に基づきなされたものであり、その目的は、インク
特性を変化させずに不溶化剤を併用する記録方法の記録
特性を最大限に発揮させ、記録画像の高品質化とともに
先に述べた液体のはね返りをも抑えることができる記録
インクを提供することを目的とする。
【0011】また、本発明は、高品位な画像を安定して
記録可能な記録媒体及び該記録媒体を用いた記録方法を
提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を解決し得る
本発明の実施態様の1つとしての記録媒体は、色材及び
インク中でノニオン特性を呈し且つ脂環式含窒素複素環
を有する水溶性高分子化合物を含有する記録インクでの
記録に用いる記録媒体であって、記録面にカチオン性物
質を保持させたことを特徴とする。
【0013】本発明の実施態様の1つとしての記録方法
は、記録媒体のカチオン性物質を保持した記録面に、色
材及びインク中でノニオン特性を呈し且つ脂環式含窒素
複素環を有する水溶性高分子化合物を含有する記録イン
クを用いて記録を行うことを特徴とする。
【0014】本発明によれば、記録インクを記録媒体に
付与した際に、記録インク側に含有させた脂環式含窒素
複素環を有し、液体中でノニオン特性を示す水溶性高分
子化合物が、色材の共存下で、記録媒体の表面側に保持
させたカチオン性物質と反応して、色材成分の固定化が
瞬時に始動する。その結果、画質の低下の原因となる、
例えば、記録インクが記録媒体の繊維に沿って記録イン
クがにじむことによるドットの円周部に羽毛状の模様が
発生してドット輪郭がぼやけてしまうフェザリングや、
異色のドットが隣接して打たれた場合にこれらのドット
の境界において混色が起きるブリーディングを防止する
ことができる。
【0015】本発明において、脂環式含窒素複素環を有
し、液体中でノニオン特性を示す水溶性高分子化合物を
用いることによる上記の作用は、例えばアニオン性染
料、脂環式含窒素複素環を有する水溶性高分子化合物及
びカチオン性物質を共存させた場合にこれらの反応が高
速で生じるという現象から、以下のように推定すること
ができる。
【0016】すなわち、脂環式含窒素複素環を有する水
溶性高分子化合物では、脂環式含窒素複素環が結合して
いる分岐鎖中に正極に分極した部位が生じている。しか
し、この分極は弱いため、記録インク中においてこの正
極部分にアニオン性染料が多少局在化したとしても、ア
ニオン性染料と該水溶性高分子化合物とが結合すること
はなく、且つ該水溶性高分子化合物は溶液中でノニオン
特性を呈するため、該水溶性高分子化合物の添加による
記録インクの特性の大きな変化はない。このような状態
の記録インクを、記録媒体側のカチオン性物質と接触さ
せると、カチオン性物質とアニオン性染料とのイオン結
合を生じ、これらの反応液中でのアニオン性染料の動き
が規制されるとともに、カチオン性物質とイオン結合し
た状態のアニオン性染料の反応性にも変化が生じ、水溶
性高分子化合物の分極部分と反応し易くなる。その結
果、カチオン性物質と水溶性高分子物質とがアニオン性
染料を媒介として結合した形の巨大化した水不溶性凝集
物が形成される。
【0017】そして、この凝集物の形成反応は、記録イ
ンクに脂環式含窒素複素環を有する水溶性高分子化合物
を添加しない従来の2液系の記録方法における凝集物の
形成よりも極めて速く、それゆえこの反応を、例えば、
インクジェット記録方法に用いた画像記録方法に適用し
た場合、記録インクが記録媒体の記録面に保持させたカ
チオン性物質に接触した瞬間からこれらの凝集物形成反
応が瞬時に始動し、この凝集物の形成が、色材の固定化
が促進される。
【0018】すなわち、この水不溶性凝集物の瞬時の形
成によって、記録媒体上で、そこに付与された色材と記
録インクの水性媒体成分との急速な分離が生じ、それに
よってブリーディングやフェザリングが効果的に抑えら
れ高品質な画像形成が可能となる。しかも、この凝集物
は水不溶性であることから、得られる画像の耐水性も極
めて優れたものとなる。
【0019】以上の推定は、例えば、カチオン性物質
と、脂環式含窒素複素環を有する水溶性高分子化合物と
を単に反応させても上記のような凝集物の形成は観察さ
れないという事実を見れば、正しいものと考えられる。
【0020】なお、本発明においては、カチオン性物質
として分子量1000以下のものと、分子量1000を
超えるもの2種を併用するとより効果的である。その理
由としては、分子量の小さなカチオン性物質の存在によ
って染料とカチオン物質とのイオン的相互作用による凝
集反応の始動が速められ、更に分子量の大きなカチオン
性物質によってこの凝集物の成長による不溶化が促進さ
れるためと考えられる。
【0021】更に、本発明では、色材の不溶化に必要な
成分、すなわちカチオン性物質を記録媒体側に保持させ
ておくので、従来の2液系の記録方法のように色材の不
溶化剤を液滴として記録媒体に付与する際のはねかえり
による問題を効果的に回避することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の記録方法で用いる記録イ
ンクは、少なくとも脂環式含窒素複素環を有する水溶性
高分子化合物と色材を含有して構成される。また、この
記録インクは、その液性を維持する上で、水、または、
水と水溶性有機溶剤との混合溶媒等からなる水性媒体を
含有することができる。更に、記録媒体への付与方法の
種類に応じて各種の添加剤を含むことができる。例え
ば、インクジェット方式に用いる場合には、インクジェ
ット用インクに通常用いられるいる各種組成分、例え
ば、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、酸
化防止剤等を適宜選択して用いることができる。なお、
本発明で記録インク中に添加する脂環式含窒素複素環を
有する水溶性高分子化合物は、分極部分を有するもの
の、記録インク中での反応性は低く、通常は、他のイン
ク組成分と反応してインク特性を実質的に変化させるこ
とはない。しかしながら、他のインク組成分の種類によ
っては、これらが反応してインクの特性が大きく低下す
る場合は、そのような組合せを避けた別の組合せに変更
すればよい。
【0023】脂環式含窒素複素環を有する水溶性高分子
化合物としては、記録特性を維持しつつ、先に述べたよ
うな凝集物の高速形成を可能とするものであれば特に制
限なく利用できる。そのような化合物の一例として、下
記一般式(1)
【0024】
【化11】 (但し、R1は、水素原子、メチル基、エチル基または
以下に示す脂環式含窒素複素環のいずれか1つを示し、
5は以下に示す脂環式含窒素複素環のいずれか1つを
示し、
【0025】
【化12】 2〜R4は互いに独立に水素原子または炭素数1〜3の
アルキル基を示し、L1〜L4は互いに独立に下記式
【0026】
【化13】 (但し、上記式中R6〜R9は互いに独立に水素原子また
は炭素数1〜3のアルキル基を表す)で示す構造を有す
る2価の基を示し、s、t及びqは共重合比でsとtの
合計は該水溶性高分子化合物全体の90〜99重量%で
あり、qは1〜10重量%であり、nとkは整数であり
その合計は10〜30の範囲にあり、mは15〜30の
整数であり、pは1〜5の整数である)で示される繰返
し単位を有する水溶性高分子化合物を挙げることができ
る。
【0027】この一般式(1)の化合物の中では、
(a)置換モルホリンのエチレンオキシドまたはプロピ
レンオキシド付加物のアクリル酸エステル、(b)アク
リル酸及び(c)下記一般式(2)
【0028】
【化14】 (上記式中、R1、R2、L2〜L4、n、m及びkは前記
一般式(1)と同様に定義される)で表される化合物の
共重合体を、より好ましいものとして挙げることができ
る。
【0029】また、R1及びR5が共にモルホリン環:
【0030】
【化15】 であるのが、カチオン性物質を含有する液体組成物(以
下カチオン含有液体組成物という)に含まれているカチ
オン性物質と、記録インク中の脂環式含窒素複素環を有
する水溶性高分子化合物及び色材との反応性が極めて良
好となり、且つ記録インク自体の安定性がより一層優れ
たものとなるので、より好ましい。
【0031】脂環式含窒素複素環を有する水溶性高分子
化合物は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)(GPC カラムTSG−gel GMHX
Lポリスチレン換算)で測定した分子量(重量平均分子
量)の上限が30万、その下限が5000であるものが
好ましく、分子量の上限は5万であるものがより好まし
い。これは、これらの分子量範囲のものを用いた場合
に、記録インクとカチオン性物質との接触時における凝
集物の形成がより高速で行われ、ブリーディングをほぼ
完全に防止することができ、しかもはね返りを防止する
という技術課題をより十分に達成できるためと考えられ
る。更に、これらの分子量範囲にあるものを含む記録イ
ンクを発熱素子を用いるインクジェット記録方法、すな
わち熱エネルギーを作用させて液体を吐出させるバブル
インクジェット方式による記録方法に適用した場合に
も、発熱素子上に堆積物が付着したり、それによって記
録インクの不吐出が生じるといった問題の発生をより効
果的に防止できる。すなわち、かかる分子量範囲のもの
を用いた記録インクは、発熱素子を用いたインクジェッ
ト記録方法を適用する場合に特に好適である。
【0032】脂環式含窒素複素環を有する水溶性高分子
化合物の記録インクへの配合量は、記録インクの記録媒
体への付与方法の種類等に応じて適宜選択されるが、例
えば色材の濃度とほぼ同程度とすることで、記録インク
と記録媒体側のカチオン性物質との反応による色材の不
溶化をより効果的に達成できるので好ましい。
【0033】記録インクに含有させる色材としては、先
に述べた、カチオン性物質及び脂環式含窒素複素環を有
する水溶性高分子化合物との反応によって凝集物の形成
が可能であるもので、所望とする記録特性を得られるも
のであれば制限なく使用できる。このようなものとして
は、各種の色素を用いることができ、例えば、カラーイ
ンデックス(COLOR INDEX)に記載されてい
る水溶性の酸性染料、直接染料、反応性染料、また、カ
ラーインデックスに載っていないものでも、例えばスル
ホン酸基、カルボキシル基等のアニオン性基を有する水
溶性染料等を挙げることができる。ここでいう水溶性染
料の中には、溶解度にpH依存性のあるものも含まれ
る。色材としては、なかでもアニオン性染料が好まし
い。色材の配合は、所望とするインクの色に応じて選択
すれば良く、例えば、色材を選択することで、イエロ
ー、マゼンタ、シアン、ブラック、レッド、ブルーまた
はグリーンのインクを調製することが、これらの少なく
とも1色の記録インクをカチオン含有液体組成物と組合
せてインクセットとして用いることができる。色材の含
有量としては、通常1〜8重量%が好ましく、布、金属
(アルマイト)等への記録には3〜10重量%が好まし
く、更に、記録画像に濃淡が必要な場合は0.01〜1
0重量%が好ましい。
【0034】一方、本発明で用いられる記録インクを形
成するための水性媒体としては、水、水と水溶性有機溶
媒の混合溶媒等を用いることができる。水としては、イ
オン交換水や脱イオン水が好ましい。
【0035】また、その他、水と混合して使用される水
溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エ
チルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチル
アルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1
〜4のアルキルアルコール類:ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド等のアミド類:アセトン、ジアセ
トンアルコール等のケトン類またはケトアルコール類;
テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポ
リアルキレングリコール類;エチレングリコール、1,
2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキ
シレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレ
ン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール
類:グリセリン、エチレングリコールモノメチル(また
はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(ま
たはエチル)エーテル、トリエチレングルコールモノメ
チル(またはエチル)エーテル等の多価アルコールの低
級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、
2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジ
ノン等があげられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の
中でもジエチレングリコール等の多価アルコールの低級
アルキルエーテルが好ましい。
【0036】さらに、吐出安定性を得るためにはエタノ
ール、あるいはイソプロピルアルコールを1重量%以上
添加することが効果的である。これは、例えば、記録イ
ンクの記録媒体への付与を発熱素子を用いたインクジェ
ット記録方法で行った場合、これら溶剤を添加すること
により記録インクの薄膜抵抗体(発熱素子)上での発泡
をより安定に行うことができるからと考えられる。しか
し、これら溶剤を過剰に加えると、印字物の印字品位が
損なわれるという欠点が生じるため、これら溶剤の、よ
り適切な濃度は3〜10重量%である。さらにこれら溶
剤の効果として、分散液にこれら溶剤を添加することに
より、分散時における泡の発生を抑え、効果的な分散が
行えることがあげられる。
【0037】本発明における記録インク中の上記水溶性
有機溶剤の含有量は、一般には記録インク全量の3〜5
0重量%の範囲であり、好ましくは3〜40重量%の範
囲であり、使用する水は記録インクの全重量の10〜9
0重量%、好ましくは30〜80重量%範囲である。
【0038】上記の構成の記録インクに組み合わせて用
いられる記録媒体は、基材の記録面(記録が行われる
面)にカチオン性物質を保持させることによって形成す
ることができる。
【0039】基材としては、例えばコピー用紙、ボンド
紙、再生紙、上質紙、中質紙、アート紙、バライタ紙、
キャストコート紙、ダンボール紙、光沢紙及びインクジ
ェット用のコート紙などの各種の紙、布、金属からなる
シート、プラスチックからなるシートやフィルムなどを
挙げることができる。
【0040】カチオン性物質を記録面に保持させる方法
としては、カチオン性物質を含む塗布液を調製し、これ
を記録面に塗布し、乾燥させる方法を挙げることができ
る。塗布法としては、バーコート法、プレーコート法、
サイズプレス法、ロールコート法、ブレードコート法、
エアーナイフコート法、ゲートロールコート法、グラビ
アコート法、カーテンコート法等が利用できる。
【0041】カチオン性物質の記録媒体への保持量は、
基材の乾燥重量に対して、好ましくは0.01〜3.0
重量%程度となるように調製することが望ましく、その
上限が2.0重量%で、その下限が0.05重量%がよ
り好ましい。保持量を0.01重量%以上とすることで
本発明の効果をより高めることができ、また、保持量が
3.0重量%を超えると反応時間が長くなり、画像のに
じみ等が発生するおそれがある。
【0042】本発明において記録媒体に保持させるカチ
オン性物質としては、その分子量分布をGPC(ゲルパ
ーミエーションクロマトグライー)で測定した時に分子
量1000以下の領域及び分子量1000を超える領域
の両方にフラクションを与える混合物が好ましい。係る
カチオン性物質の混合物としては、例えばその分子量を
GPCで測定した時に複数のフラクションを与えるもの
が好ましく、図10及び図11に示したように分子量の
異なる領域、具体的には例えば分子量で1000以下及
び1000を超える領域の両方にフラクションを与え、
これらの両方の領域のそれぞれに分子量のピークを有す
るものや、図12や図13に示した様に分子量1000
以下及び1000を超える領域の両方にフラクションを
与え、これらの領域の一方に分子量のピークを有するも
のが挙げられる。
【0043】また、本発明を実施するにあたっては、場
合によっては、従来技術で用いられているような分子量
の大きいカチオン性高分子物質の使用を避けることもで
き、その場合、カチオン性物質の塗布液の粘度が増大す
ることがないので、塗布し易い塗布液を調製することが
可能となる。
【0044】ここで図10に示した様な分子量分布を有
する混合物において、複数のフラクションのうち低分子
側のフラクションに含まれるカチオン性物質として、例
えば該混合物の分子量分布において分子量1000以
下、特には200以上800以下、更には300以上8
00以下のフラクションに含まれる様な物質とした場
合、高品位のインク画像を得る上で好ましい。
【0045】これは、記録インクに含まれる色材、例え
ばアニオン性基を有する水溶性染料及び脂環式含窒素複
素環を有する水溶性高分子化合物とカチオン性物質の混
合物が接触した場合に速やかに結合体を形成し、該イン
クの移動度を急速に制限し、記録インクの水性媒体成分
の記録媒体への浸透に追随して記録インクが記録媒体中
に拡散、浸透して行くのを抑えることができるためであ
ると考えられる。
【0046】また、該低分子成分としてその分子量分布
が単分散に近いものが好適に使用でき、例えば、分子量
1000以下の領域にピークを有するものが好適に用い
られる。なお、カチオン性物質の低分子成分として分子
量分布を持たない物質を用いる場合には化学式から求め
られる分子量を分子量分布のピークの位置とみなす。
【0047】次に、カチオン性物質の低分子量成分の具
体例としては、例えば、1級〜3級アミン塩型の化合
物、具体的にはラウリルアミン、ヤシアミン、ステアリ
ルアミン、ロジンアミン等の塩酸塩、酢酸塩等の他、第
4級アンモニウム塩型の化合物、具体的にはラウリルト
リメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベ
ンジルアンモニムクロライド、ベンジルトリブチルアン
モニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、セチルト
リメチルアンモニウムクロライド等があり、更に、ピリ
ジニウム塩型化合物、具体的にはセチルピリジニウムク
ロライド、セチルピリジニウムブロマイド等、更には、
イミダゾリン型カチオン性化合物、具体的には2−ヘプ
タデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン等があり、
更に、第2級アルキルアミンのエチレンオキシド付加
物、具体的にはジヒドロキシエチルステアリルアミン等
が好ましい例として挙げられる。
【0048】さらに本発明では、あるpH領域において
カチオン性を示す両性界面活性剤も使用でき、具体的に
は、アミノ酸型両性界面活性剤、RNHCH2−CH2
OOH型の化合物があり、ベタイン型の化合物、例えば
ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエ
チルベタイン等が挙げられる。もちろんこれらの両性界
面活性剤を使用する場合にはそれらの等電点以下のpH
になるように塗布液を調整するか、記録媒体上で記録イ
ンクと混合した場合に該等電点以下のpHになるように
調整するかのいずれかの方法をとることが好ましい。
【0049】以上、カチオン性物質の低分子成分の例を
挙げたが、本発明に使用することのできるカチオン性物
質は必ずしもこれらに限定されないことは言うまでもな
い。
【0050】他のカチオン性物質の低分子成分の例とし
ては、例えば、後述するカチオン性高分子成分のモノマ
ーやオリゴマーを挙げることができる。
【0051】次ぎに、カチオン性物質の高分子成分とし
ては、その分子量分布をGPCを用いて測定したときに
分子量が1000を超えた領域、特に1500以上、更
には1500以上10000以下の領域のフラクション
を与える様なカチオン性物質またはその混合物であるこ
とが、記録インクの高速での定着及び高品位のインク画
像を得る上で好ましい。
【0052】ここでカチオン性物質の高分子成分として
は、例えば分子量1500以上の領域に分子量のピーク
を有する様な単分散に近いものが好適に使用できる。
【0053】カチオン性物質の高分子成分の具体例とし
ては、ポリアリルアミン、ポリアミンスルホン、ポリビ
ニルアミン、キトサン及びこれらの塩酸、酢酸等の酸に
よる中和物又は部分中和物を挙げることができるが、こ
れらに限定されないとは言うまでもない。例えば、これ
らの高分子物質の分子量分布のピークの位置が1000
を超える領域、例えば1500以上10000以下の領
域に少なくとも1つ存在すれば、本発明を実施する際に
その効果は十分である。
【0054】なお、本発明における高分子物質の分子量
とは、特に断わらない限り、GPCを使用して求めた平
均分子量のことを指し、ポリエチレンオキサイド換算の
重量平均分子量のことをいう。
【0055】また、カチオン性高分子物質の別の具体例
として、ノニオン性高分子物質の一部をカチオン化した
化合物を用いてもよい。具体的には、ビニルピロリドン
とアミノアルキルアルキレート4級塩との共重合体、ア
クリルアマイドとアミノメチルアクリルアマイド4級塩
との共重合体等を挙げることができるが、もちろんこれ
らの化合物に限定されないことは言うまでもない。更
に、このカチオン性の高分子物質は水溶性であれば申し
分ないが、ラテックスやエマルジョンの様な分散体であ
ってもかまわない。
【0056】次に、図12及び図13に示した様な分子
量分布のカチオン性物質の混合物について説明する。
【0057】図12に示した分子量分布を有する混合物
は、分子量1000以下に分子量分布のピークを有し且
つ分子量1000を超える領域にもフラクションを与え
るものである。そしてこのようなカチオン性物質の混合
物としては、分子量が低分子領域から高分子領域まで広
く分布している混合物が好適に用いられる。具体的には
該混合物の分子量分布を測定したときに、低分子領域の
側では分子量1000以下、特に分子量800程度、更
には分子量300程度のフラクションを与え、また高分
子領域の側では分子量1000を超える領域、特に15
00以上、更には1500以上10000以下の領域の
フラクションを与えるものが好ましい。そして係るカチ
オン性物質の混合物は、単一の繰り返し単位を有する1
種類のカチオン性の多分散ポリマーで達成してもよく、
または2種若しくはそれ以上の異なる構造のカチオン性
ポリマーの混合物で達成しても良い。そしてこのような
カチオン性物質としては、例えば上記のカチオン性物質
の高分子成分として用いられるポリマーであって分子量
分布が広くなる様に合成したポリマー、あるいはポリマ
ーとオリゴマーの混合物などが挙げられる。
【0058】カチオン性物質の混合物において、カチオ
ン性物質の低分子成分と高分子成分との混合割合は、材
料に応じて適宜選択すれば良いが、例えば重量基準で1
0:1〜1:10、特には5:1〜1:5、更には1:
1〜1:5の範囲とするのが望ましい。
【0059】次に、カチオン性物質の塗布液は、適当な
溶媒や分散剤にカチオン性物質を溶解または分散させる
ことで調製することができる。溶媒としては、例えば、
水、水と水溶性有機溶剤の混合物、有機溶剤等を挙げる
ことができる。水溶性有機溶剤としては、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセト
ン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の
エーテル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサント
リオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、
ジエチレングリコール等のアルキレングリコール類、エ
チレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメ
チルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテ
ル類、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチ
ルアルコール、イソブチルアルコール等の1価アルコー
ル類の他、グリセリン、N−メチル−2−ピロリドン、
1,3−ジメチルイミダゾリジノン、トリエタノールア
ミン、スルホラン、ジメチルサルホキサイド等を挙げる
ことができる。
【0060】塗布液の組成、例えばカチオン性物質の量
等は所望とする塗布量に応じて適宜選択すればよい。
【0061】塗布液には、この他、必要に応じて、粘度
調整剤、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、酸化防止剤
等の添加剤を配合してもかまわない。
【0062】本発明において記録インクを記録媒体に付
与する方式は、目的とする画像形成に応じて適宜選択す
ることができる。記録インクの記録媒体への付与にイン
クジェット方式を採用する場合、例えば種々のインクジ
ェット方式を用いることができ、具体的には、熱エネル
ギーによって発生した気泡を用いて液滴を吐出する、い
わゆるオンデマンド型のバブルインクジェット方式、あ
るいはピエゾ素子を用いたインクジェット方式が挙げら
れる。そして、本発明においてはバブルインクジェット
方式は特に好適に用いられる。
【0063】次いで、本発明に用いる記録装置について
説明する。本発明には記録ヘッドの記録インクに記録信
号を与え、発生した熱エネルギーにより液滴を吐出す
る、いわゆるオンデマンド型のバブルインクジェット方
式が好ましい。その装置の主要部である記録ヘッドの構
成を図1、図2及び図3に示す。ヘッド13は、記録イ
ンクの流路を形成したガラス、セラミック又はプラスチ
ック等と感熱記録に用いられる発熱抵抗体を有する発熱
ヘッド15(図ではヘッドが示されているが、これに限
定されるものではない)とを接着して得られる。発熱ヘ
ッド15は、酸化シリコン等で形成される保護膜16、
アルミニウム電極17−1、17−2、ニクロム等で形
成される発熱低抗体層18、蓄熱層19、アルミナ等の
放熱性のよい基板20よりなっている。
【0064】記録インク21は吐出オリフィス22まで
来ており、圧力Pによりメニスカス23を形成してい
る。ここで、電極17−1、17−2に電気信号が加わ
ると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に発熱
し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、その
圧力でメニスカスが吐出し、オリフィス22より記録イ
ンクの液滴24となり、記録媒体25に向って飛翔す
る。図3には図1に示したノズルを多数並べた記録ヘッ
ドの概略図を示す。該記録ヘッドは多数の流路を有する
ガラス板等27と図1において説明したものと同様の発
熱ヘッド28を密着して作られる。なお、図1はインク
流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図2は図1の
A−B線での断面図である。
【0065】図4に該ヘッドを組み込んだインクジェッ
ト記録装置の1例を示す。図4において、61はワイピ
ング部材としてのブレードで、その一端はブレード保持
部材によって保持されて固定端となり、カレンチレバー
の形態をなす。ブレード61は記録ヘッドによる記録領
域に隣接した位置に配置され、記録ヘッドの移動方向と
垂直な方向に移動して吐出口面と当接し、キャッピング
を行う構成を備える。さらに、63はブレード61に隣
接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と
同様、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持さ
れる。前記ブレード61、キャップ62、吸収体63に
よって吐出回復部64が構成され、ブレード61及び吸
収体63によってインク吐出口面での水分、塵等の除去
が行われる。
【0066】65は、吐出エネルギー発生手段を有し、
吐出口を配した吐出口面に対向する記録媒体に記録イン
クを吐出する記録ヘッド、66は記録ヘッド65を搭載
して記録ヘッド65の移動を行うためのキャリッジであ
る。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合
し、キャリッジ66の一部はモータ68によって駆動さ
れるベルト69と接続(図示せず)している。これによ
りキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能と
なり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した
領域の移動が可能となる。51は、記録媒体を挿入する
ための給紙部、52はモータ(図示せず)により駆動さ
れる送りローラーである。これらの構成によって記録ヘ
ッドの吐出口面と対向する位置へ記録媒体が給送され、
記録が進行するにつれて、排紙ローラー53を配した排
出部へ排出される。
【0067】上記構成において、記録ヘッド65が記録
終了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64
のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避し
ているが、ブレード61は移動経路中に突出している。
この結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされ
る。なお、キャップ62が記録ヘッド65の吐出口面に
当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録
ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。記録ヘ
ッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動す
る場合、キャップ62及びブレード61は前記したワイ
ピング時の位置と同一の位置にある。この結果、この移
動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングさ
れる。前記の記録ヘッドのホームポジションへの移動
は、記録終了時や吐出回復時ばかりではなく、記録ヘッ
ドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で
記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移
動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0068】図5は、ヘッドにインク供給部材、例えば
チューブを介して供給される記録インクを収容したイン
クカートリッジの一例を示す図である。ここで40は供
給用の記録インクを収納したインク収納部、例えばイン
ク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられて
いる。この栓42に針(図示せず)を挿入することによ
り、インク袋40中の記録インクをヘッドに供給するこ
とが可能となる。44は廃インクを受容する吸収体であ
る。インク収納部としては、記録インクとの接液面がポ
リオレフィン、特にポリエチレンで形成されているもの
が好ましい。
【0069】本発明で使用されるインクジェット記録装
置としては、前記のような記録ヘッドとインクカートリ
ッジが別体となったものに限らず、図6に示すようにそ
れらが一体となったものも好適に用いられる。図6にお
いて、70は記録ユニットであって、この中に記録イン
クを収容したインク収納部、例えばインク吸収体が収納
されており、かかるインク吸収体中の記録インクが複数
のオリフィスを有するヘッド部71から記録インクとし
て吐出される構成になっている。インク吸収体の材料と
しては、例えばポリウレタンを用いることができる。7
2は記録ユニット内部を大気に連通させるために大気連
通口である。この記録ユニット70は、図4で示す記録
ヘッドに代えて用いられるものであって、キャリッジ6
6に対し着脱自在になっている。なお、本発明に使用す
る記録装置において、上記では記録インクに熱エネルギ
ーを作用させて記録インクの液滴を吐出するインクジェ
ット記録装置を例に挙げたが、そのはかに圧電素子を使
用するピエゾ方式のインクジェット記録装置でも同様に
利用できる。
【0070】本発明における画像記録方法は、例えば、
前記図3に示した記録ヘッドを5つキャリッジ上に並べ
た記録装置を使用することができる。図7は、その一例
である。81、82、83、84はそれぞれイエロー、
マゼンタ、シアン、ブラックの各色の記録インクを吐出
するための記録ヘッドである。
【0071】このヘッドは前記した記録装置に配置さ
れ、記録信号に応じて、各色の記録インクを吐出する。
また、図7では、記録ヘッドを4つ使用した例を示した
が、これに限定されるものではなく、図8に示した様に
1つの記録ヘッドでイエローインク、マゼンタインク、
シアンインク、ブラックインクを液流路を分けて吐出さ
せる場合も好ましい。
【0072】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を更
に具体的に説明する。 実施例1 (1)記録インクの調製 表1〜6に示す各インクセット用の記録インク組成分を
それぞれ個々に混合し、ポアサイズ0.22μmのメン
ブランフィルター(商品名:フロロポアフィルター、住
友電工製)によって加圧濾過し、各インクセットにおけ
る記録インク(イエローインク(Y)、マゼンタインク
(M)、シアンインク(C)、ブラックインク(B
K))をそれぞれ得た。なお、表1における染料1、2
は、以下の構造の染料を含むものであり、
【0073】
【化16】 染料1は特開昭59−78273号公報に記載の方法に
従って、また染料2は特開平3−91577号公報に記
載の方法に従って得ることができる。
【0074】また、高分子A〜Fは以下のとおりであ
る。なお、各高分子の分子量は、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(GPC カラムTSG−gel
GMHXLポリスチレン換算)により測定したものであ
る。 高分子A: 分子量(Mw)=27,000 下記単量体A−1〜A−3の共重合体(配合重量比、A
−1:A−2:A−3=90:8:2) 単量体A−1: 2−モルホリノエチルメタアクリレート 単量体A−2:
【0075】
【化17】 単量体A−3: メタアクリル酸 高分子B 分子量(Mw)=50,000 下記単量体B−1〜B−3の共重合体(配合重量比、B
−1:B−2:B−3=50:48:2) 単量体B−1: 2−モルホリノエチルメタアクリレート 単量体B−2:
【0076】
【化18】 単量体B−3: メタアクリル酸 高分子C 分子量(Mw)=15,000 下記単量体C−1〜C−3の共重合体(配合重量比、C
−1:C−2:C−3=90:8:2) 単量体C−1: 2−モルホリノエチルメタアクリレート 単量体C−2:
【0077】
【化19】 単量体C−3: メタアクリル酸 高分子D 分子量(Mw)=5,000 下記単量体D−1〜D−3の共重合体(配合重量比、D
−1:D−2:D−3=80:15:5) 単量体D−1: 2−モルホリノブチルメタアクリレート 単量体D−2:
【0078】
【化20】 単量体D−3: メタアクリル酸 高分子E 分子量(Mw)=10,000 下記単量体E−1〜E−3の共重合体(配合重量比、E
−1:E−2:E−3=80:15:5) 単量体E−1: 2−モルホリノブチルメタアクリレート 単量体E−2:
【0079】
【化21】 単量体E−3: メタアクリル酸 高分子F 分子量(Mw)=300,000 下記単量体F−1〜F−3の共重合体(配合重量比、F
−1:F−2:F−3=80:15:5) 単量体F−1: 2−モルホリノブチルメタアクリレート 単量体F−2:
【0080】
【化22】 単量体F−3: メタアクリル酸 なお、上記の高分子は次の方法によって得た。すなわ
ち、各高分子調製用の〜の3種の単量体を所定の重
量比で混合し、さらに重合触媒として2,2’−アゾビ
ス(2,4−ジメチル)バレロニトリルを0.1重量部
混合したものをアンプルに入れて凍結脱気後密栓し、6
0℃で8時間重合させて目的とする高分子を得た。
【0081】また、の単量体(A−2、B−2、D−
2、E−2、F−2)の合成は次の方法に従って行っ
た。すなわち、まず、窒素含有脂環式化合物にアルカリ
金属触媒の存在下、50〜200℃、1〜10気圧でア
ルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキ
シド等)を順次付加し、更にエチレンオキシドを付加し
てポリエーテルモノオールを合成し、このポリエーテル
モノオールとメタアクリル酸またはアクリル酸を酸性触
媒(硫酸、パラトルエンスルホン酸等)の存在下、50
〜200℃、1〜10気圧でエステル化するか、または
エステル化試薬(ジシクロヘキシルカルボジイミド)と
共に−10〜50℃、常圧でエステル化させて目的とす
る単量体を得た。なお、単量体C−2は、窒素含有脂環
式化合物の代りにメタノールを用いる以外は、A−2と
同様にして合成した。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
【表3】
【0085】
【表4】
【0086】
【表5】
【0087】
【表6】 なお、上記の表1〜6における染料は以下のものを示
す。 DY142:C.I.ダイレクトイエロー142 DB199:C.I.ダイレクトブルー199 FB2:C.I.フードブラック2 AY23:C.I.アシッドイエロー23 AR289:C.I.アシッドレッド289 AB9:C.I.アシッドブルー9 DY86:C.I.ダイレクトイエロー86 AR52:C.I.アシッドレッド52 DB86:C.I.ダイレクトブルー86 DB154:C.I.ダイレクトブラック154 (2)記録媒体の調製 以下に示す成分を混合し、溶解させた後、バーコート法
によりNP−SK紙(キヤノン(株)社製)に1.0重
量%の塗工量で塗布し、60℃の恒温槽で5分間乾燥さ
せ、記録媒体a〜fを得た。 記録媒体a用塗布液: ・ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド(商品名:エレクトロストリ ッパーQE、花王(株)製/Mw=340) 2重量部 ・ポリアミンスルホン塩酸塩(商品名:PAS−A−1/日東紡績(株)製/ 分子量分布のピーク位置 2000) 10重量部 ・チオジグリコール 10重量部 ・イオン交換水 85重量部 記録媒体b用塗布液: ・ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド(商品名:エレクトロストリ ッパーQE、花王(株)製/Mw=340) 2重量部 ・ポリアミンスルホン塩酸塩(商品名:PAS−A−5/日東紡績(株)製/ 分子量分布のピーク位置 3500) 6重量部 ・チオジグリコール 10重量部 ・イオン交換水 82重量部 記録媒体c用塗布液: ・ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド(商品名:エレクトロストリ ッパーQE、花王(株)製/Mw=340) 2重量部 ・ポリアミンスルホン塩酸塩(商品名:PAS−92/日東紡績(株)製/分 子量分布のピーク位置 5000 ) 4重量部 ・チオジグリコール 10重量部 ・イオン交換水 84重量部 記録媒体d用塗布液: ・ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド(商品名:エレクトロストリ ッパーQE、花王(株)製/Mw=340) 2重量部 ・ポリアリルアミン塩酸塩1)(分子量分布のピーク位置 8500) 4重量部 ・チオジグリコール 10重量部 ・イオン交換水 84重量部 記録媒体e用塗布液: ・ポリアリルアミン塩酸塩2)(分子量分布のピーク位置 800) 3重量部 ・ポリアミンスルホン塩酸塩(商品名:PAS−A−1/日東紡績(株)製/ 分子量分布のピーク位置 2000) 10重量部 ・チオジグリコール 10重量部 ・イオン交換水 77重量部 記録媒体f用塗布液: ・ポリアリルアミン塩酸塩3)(分子量分布のピーク位置 650) 5重量部 ・ポリアミンスルホン塩酸塩4)(分子量分布のピーク位置 8500) 3重量部 ・チオジグリコール 10重量部 ・イオン交換水 82重量部 なお、1)〜4)の化合物は、「機能材料」、第5巻、
第29頁、1986年に記載の方法によって合成した。 実施例2 実施例1で調製した記録インクセットと記録媒体とを以
下の表7に示す組合せで、バブルインクジェット方式に
よる記録装置に使用して記録を行った。
【0088】
【表7】 上記の各サンプルでの記録で得られた画像の評価を以下
の方法で行い、得られた結果を表8に示す。 (1)画像濃度 A4サイズの用紙に1辺が5mmの正方形のブラック
(BK)の記録インクによる黒色のベタ部が5箇所ある
パターンをプリントし、30分以上経過後、各ベタ部の
光学濃度をマクベス反射濃度計RD914で測定し、そ
の平均値をOD値とし、得られたOD値に基づいて以下
の評価を行った。なお、ベタ部の記録インク打ち込み量
は12nl/mm2である。 ○:ODが1.30以上 △:ODが1.25以上1.30未満 ×:ODが1.25未満 (2)定着性 イエロー、マゼンタの記録インクを用いてレッドのベタ
画像を形成した後、別の白紙をその自重で記録画像の上
に重ね、重ねた白紙の裏側に記録した画像の転写がなく
なり、地汚れが発生しなくなるまでの時間を記録終了時
間を時間ゼロとして、定着性の尺度とした。評価基準は
下記のとおりである。 ○:10秒未満 △:10〜30秒 ×:30秒以上 (3)フェザリング A4サイズの用紙に記録ヘッドのノズル1本おきに間引
いたドットを記録し、30分以上経過したプリントサン
プルのドットを拡大鏡で観察し、以下の5段階の評価を
行った。 5:真円 4:円周の1/4に「にじみ」が見られるか、変形して
いるが良好 3:円周の1/2に「にじみ」が見られるか、変形して
いるがほぼ良好 2:円周の3/4に「にじみ」が見られるか、変形して
おりやや不良 1:円弧が観察されず不良 (4)ブリーディング キヤノン(株)製バプルジェットプリンタBJC−82
0(商品名)の印字モードE(1PASS、片方向印
字)と同じ印字モードで、イエロー、マゼンタ、シア
ン、ブラックの各色を用いて図9のパターンを印字し、
各色の境界部でのブリーディング(混色)の程度を目視
により観察して以下の基準により評価した。 ◎:ブリーディングがほとんど発生しないもの ○:やや発生するが実用上問題ないレベルである ×:それ以外 (5)耐水性 イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のベタ画
像及び英数文字を印字したプリントサンプルを、印字後
1時間放置した後、水温20℃の水道水中へ10秒浸漬
した。その後、水中から取り出し、そのまま風乾し、目
視で耐水性を以下の基準によって評価した。 ◎:余白部分へのインク(染料)の流れ出しがなく、地
汚れがほとんどみられない。英数文字のにじみもほとん
ど発生していない。 ○:余白部分への染料の流れ出しがやや発生し、英数文
字がややにじんでいるが実用上問題のないレベルであ
る。 ×:余白部分への染料の流れ出しがひどく、地汚れが著
しい。また、英数文字のにじみもひどい。 なお、表8には各色のうちで一番低い結果を載せた。
【0089】比較例1 サンプルNo.1において、高分子Aを添加しなかった
以外は同じ組成の記録インクを用いて、記録媒体aに同
じ印字試験を行ったものを比較サンプルNo.7とし
た。また、サンプルNo.2において、高分子Aを添加
しなかった以外は同じ組成の記録インクを用いて、記録
媒体bに同じ印字試験を行ったものを比較サンプルN
o.8とした。
【0090】さらに、サンプルNo.3における塗工液
のステアリルトリメチルアンモニウムクロライド及びポ
リアミンスルホン塩酸塩の代りにポリビニルアルコール
(商品名:PVA 117、クラレ製)を用いる以外は
同じ組成の塗工液を調製し、インクセットCで同じ印字
試験を行ったものを比較サンプルNo.9とした。得ら
れた結果を表8示す。
【0091】
【表8】
【0092】
【発明の効果】本発明によれば、脂環式含窒素複素環を
有する水溶性高分子化合物を含有させた記録インクと組
み合わせて用いる記録媒体の記録面にカチオン性物質を
保持させたことによって高速定着が可能となり、高速印
字品位、ブリードレス(ブリーディングがないこと)
で、より高度な耐水性の画像を得ることができる。
【0093】しかも、記録媒体側にカチオン性物質を保
持させておくことによる1液系での記録としたことで、
2液系を用いる場合に見られる記録媒体に先に打ち込ん
だ液体に次の液体を重ね打ちする際の液体のはね返りに
よる記録ヘッド面の汚れ、特に凝集物の固着によるイン
クの吐出不良や不吐出という問題を回避することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面図
である。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面図
である。
【図3】インクジェット記録装置のヘッド部の外観斜視
図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図で
ある。
【図5】インクカートリッジの縦断面図である。
【図6】記録ユニットの斜視図である。
【図7】複数の記録ヘッドが並列された記録部を示した
斜視図である。
【図8】記録ヘッドの他の構成を示す斜視図である。
【図9】ブリーディング評価パターンを示す図である。
【図10】カチオン性物質の混合物の分子量分布の一例
を示す図である。
【図11】カチオン性物質の混合物の分子量分布の一例
を示す図である。
【図12】カチオン性物質の混合物の分子量分布の一例
を示す図である。
【図13】カチオン性物質の混合物の分子量分布の一例
を示す図である。
【符号の説明】
13 ヘッド 15、28 発熱ヘッド 21 インク 25 記録媒体 40 インク袋 44 インク吸収体 45 インクカートリッジ 61 ワイピング部材 65 記録ヘッド 66 キャリッジ 70 記録ユニット 71 ヘッド部 72 大気連通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 290/06 MRS C08F 290/06 MRS B41J 3/04 101Z

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色材及びインク中でノニオン特性を呈し
    且つ脂環式含窒素複素環を有する水溶性高分子化合物を
    含有する記録インクでの記録に用いる記録媒体であっ
    て、記録面にカチオン性物質を保持させたことを特徴と
    する記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記水溶性高分子化合物は、前記色材の
    共存下で前記カチオン性物質と凝集物を形成し得るもの
    である請求項1に記載の記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記色材がアニオン性染料である請求項
    1または2に記載の記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記水溶性高分子化合物はカルボキシル
    基を有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の
    記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記水溶性高分子化合物が下記一般式
    (1) 【化1】 (但し、R1は、水素原子、メチル基、エチル基または
    以下に示す脂環式含窒素複素環のいずれか1つを示し、
    5は以下に示す脂環式含窒素複素環のいずれか1つを
    示し、 【化2】 2〜R4は互いに独立に水素原子または炭素数1〜3の
    アルキル基を示し、L1〜L4は互いに独立に下記式 【化3】 (但し、上記式中R6〜R9は互いに独立に水素原子また
    は炭素数1〜3のアルキル基を表す)で示す構造を有す
    る2価の基を示し、s、t及びqは共重合比でsとtの
    合計は該水溶性高分子化合物全体の90〜99重量%で
    あり、qは1〜10重量%であり、nとkは整数であり
    その合計は10〜30の範囲にあり、mは15〜30の
    整数であり、pは1〜5の整数である)で示される繰返
    し単位を有する水溶性高分子化合物である請求項1〜4
    のいずれかに記載の記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記水溶性高分子化合物が、(a)置換
    モルホリンのエチレンオキシドまたはプロピレンオキシ
    ド付加物のアクリル酸エステル、(b)アクリル酸及び
    (c)下記一般式(2) 【化4】 (上記式中、R1、R2、L2〜L4、n、m及びkは前記
    一般式(1)と同様に定義される)で表される化合物の
    共重合体である請求項5に記載の記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記水溶性高分子化合物が下記一般式
    (3) 【化5】 (上記式中、R2〜R4、L1〜L4、k、n、m、p、
    q、s及びtは前記一般式(1)と同様に定義される)
    で表される繰返し単位を有する水溶性高分子化合物であ
    る請求項6に記載の記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記水溶性高分子化合物が、ゲルパーミ
    エーションクロマトグラフィーで測定した分子量が50
    00〜30万である請求項5〜7のいずれかに記載の記
    録媒体。
  9. 【請求項9】 前記水溶性高分子化合物が、ゲルパーミ
    エーションクロマトグラフィーで測定した分子量が50
    00〜5万である請求項8に記載の記録媒体。
  10. 【請求項10】 インクジェット用である請求項1〜9
    のいずれかに記載の記録媒体。
  11. 【請求項11】 前記カチオン性物質が、ゲルパーミエ
    ーションクロマトグラフィー(GPC)で分子量分布を
    測定したときに分子量1000以下および分子量100
    0を超えるフラクションを与えるものである請求項1〜
    10のいずれかに記載の記録媒体。
  12. 【請求項12】 前記カチオン性物質を基材の記録面全
    面に塗布してなるものである請求項1〜11のいずれか
    に記載の記録媒体。
  13. 【請求項13】 記録媒体のカチオン性物質を保持した
    記録面に、色材及びインク中でノニオン特性を呈し且つ
    脂環式含窒素複素環を有する水溶性高分子化合物を含有
    する記録インクを用いて記録を行うことを特徴とする記
    録方法。
  14. 【請求項14】 前記水溶性高分子化合物は、前記色材
    の共存下で前記カチオン性物質と凝集物を形成し得るも
    のである請求項13に記載の記録方法。
  15. 【請求項15】 前記色材がアニオン性染料である請求
    項13または14に記載の記録方法。
  16. 【請求項16】 前記水溶性高分子化合物はカルボキシ
    ル基を有するものである請求項13〜15のいずれかに
    記載の記録方法。
  17. 【請求項17】 前記水溶性高分子化合物が下記一般式
    (1) 【化6】 (但し、R1は、水素原子、メチル基、エチル基または
    以下に示す脂環式含窒素複素環のいずれか1つを示し、
    5は以下に示す脂環式含窒素複素環のいずれか1つを
    示し、 【化7】 2〜R4は互いに独立に水素原子または炭素数1〜3の
    アルキル基を示し、L1〜L4は互いに独立に下記式 【化8】 (但し、上記式中R6〜R9は互いに独立に水素原子また
    は炭素数1〜3のアルキル基を表す)で示す構造を有す
    る2価の基を示し、s、t及びqは共重合比でsとtの
    合計は該水溶性高分子化合物全体の90〜99重量%で
    あり、qは1〜10重量%であり、nとkは整数であり
    その合計は10〜30の範囲にあり、mは15〜30の
    整数であり、pは1〜5の整数である)で示される繰返
    し単位を有する水溶性高分子化合物である請求項13〜
    16のいずれかに記載の記録方法。
  18. 【請求項18】 前記水溶性高分子化合物が、(a)置
    換モルホリンのエチレンオキシドまたはプロピレンオキ
    シド付加物のアクリル酸エステル、(b)アクリル酸及
    び(c)下記一般式(2) 【化9】 (上記式中、R1、R2、L2〜L4、n、m及びkは前記
    一般式(1)と同様に定義される)で表される化合物の
    共重合体である請求項17に記載の記録方法。
  19. 【請求項19】 前記水溶性高分子化合物が下記一般式
    (3) 【化10】 (上記式中、R2〜R4、L1〜L4、k、n、m、p、
    q、s及びtは前記一般式(1)と同様に定義される)
    で表される繰返し単位を有する水溶性高分子化合物であ
    る請求項18に記載の記録方法。
  20. 【請求項20】 前記水溶性高分子化合物が、ゲルパー
    ミエーションクロマトグラフィーで測定した分子量が5
    000〜30万である請求項19または20に記載の記
    録方法。
  21. 【請求項21】 前記水溶性高分子化合物が、ゲルパー
    ミエーションクロマトグラフィーで測定した分子量が5
    000〜5万である請求項20に記載の記録。方法
  22. 【請求項22】 前記カチオン性物質が、ゲルパーミエ
    ーションクロマトグラフィー(GPC)で分子量分布を
    測定したときに分子量1000以下および分子量100
    0を超えるフラクションを与えるものである請求項13
    〜21のいずれかに記載の記録方法。
  23. 【請求項23】 前記カチオン性物質を基材の記録面全
    面に塗布してなるものである請求項13〜22のいずれ
    かに記載の記録方法。
  24. 【請求項24】 記録インクでの記録がインクジェット
    記録方法により行われる請求項13〜22のいずれかに
    記載の記録方法。
  25. 【請求項25】 前記インクジェット記録方法が、オン
    デマンド型インクジェット記録方法である請求項24に
    記載の記録方法。
  26. 【請求項26】 前記インクジェット記録方法が、前記
    記録インクに熱エネルギーを作用させて前記記録媒体に
    付与するものである請求項24または25に記載の記録
    方法。
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JP2000344990A (ja) * 1999-06-08 2000-12-12 Mitsubishi Chemicals Corp ポリビニルアミン塩とその用途
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