JPH1052072A - 振動アクチュエータ - Google Patents

振動アクチュエータ

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JPH1052072A
JPH1052072A JP8202043A JP20204396A JPH1052072A JP H1052072 A JPH1052072 A JP H1052072A JP 8202043 A JP8202043 A JP 8202043A JP 20204396 A JP20204396 A JP 20204396A JP H1052072 A JPH1052072 A JP H1052072A
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JP
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vibration
phases
electrodes
vibrating body
trajectory
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JP8202043A
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English (en)
Inventor
Masami Sugimori
正巳 杉森
Koji Akata
弘司 赤田
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 定在波タイプの振動アクチュエータでは安定
した駆動特性で速度制御することが難しい。 【解決手段】 請求項1の発明は、複数相の交番信号を
供給して作用部を円または楕円状の軌跡となるように振
動させる振動体での伸縮振動及び屈曲振動の状態を検出
し、検出結果に基づいて前記円または楕円状の軌跡とな
る振動の軌跡形状を変化させることにより、前記相対移
動の速度を変化させるようにしたので、安定した駆動特
性での速度制御を可能とする振動アクチュエータを提供
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波振動などを
利用した振動アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、振動アクチュエータとして超音波
モーターとしては、例えば特開昭61−251490号
公報、特開昭61−35176号公報、特開平6−13
3568号公報が提案されている。これらの公報によれ
ば、提案された進行波タイプの超音波モータは、弾性体
の振動振幅をセンサ相等を設けることにより検出し、入
力周波数を変化させたり、入力電圧を制御したりするこ
とで安定な駆動特性を得ようとしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
は進行波タイプの超音波モータの特性から、実際に振動
体が動作している楕円運動の振幅は検出できても楕円の
形状は検出できない。例えば周波数を可変すると、楕円
の振幅が小さくなったのか、楕円の形状が変化したのか
判断することができない。また、超音波モータの速度を
制御するために入力周波数を変化することが行われる
が、周波数によっては突然加速したり停止してしまうな
どの不安定な要素も考えられる。
【0004】また、定在波タイプの超音波モータにおい
ても上下方向に変位する振動子の振動の振幅だけを検出
していたのでは同様に安定した駆動特性で速度制御する
ことが難しい。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、複数
の電極が形成された複数の電気/機械エネルギー変換素
子が積層された振動体を有し、該振動体に位相の異なる
複数相の交番信号を印加して伸縮振動と屈曲振動を生じ
させ、両振動の合成により該振動体の作用部を円または
楕円状の軌跡となるように振動させ、該振動体と接触す
る接触体と、該振動体とを相対移動する振動アクチュエ
ータにおいて、前記複数の電極からの出力により前記伸
縮振動及び屈曲振動の状態を検出し、検出結果に基づい
て前記円または楕円状の軌跡となる振動の軌跡形状を変
化させることにより、前記相対移動の速度を変化させる
振動アクチュエータを特徴とする。
【0006】請求項2の発明は、前記複数の電極から前
記複数相の交番信号に対応する複数相の信号を検出し、
複数相の検出信号の位相を比較することにより、前記伸
縮振動と屈曲振動の状態を検出した振動アクチュエータ
を特徴とする。
【0007】請求項3の発明は、前記複数の電極から前
記複数相の交番信号に対応する複数相の信号を検出し、
複数相の検出信号の振幅を比較することにより、前記伸
縮振動と屈曲振動の状態を検出した振動アクチュエータ
を特徴とする。
【0008】請求項4の発明は、前記複数の電極からの
出力により前記伸縮振動及び屈曲振動の状態を検出し、
検出結果に基づいて前記複数相の交番信号の位相差を変
化させることにより、前記円または楕円状の軌跡となる
振動の軌跡形状を変化させた振動アクチュエータを特徴
とする。
【0009】請求項5の発明は、前記複数の電極からの
出力により前記伸縮振動及び屈曲振動の状態を検出し、
検出結果に基づいて前記交番信号の振幅を変化させるこ
とにより、前記円または楕円状の軌跡となる振動の軌跡
形状を変化させた振動アクチュエータを特徴とする。
【0010】請求項6の発明は、前記複数の電極は前記
複数相の交番信号の供給用電極を兼用している振動アク
チュエータを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】まず、本実施の形態の振動アクチ
ュエータの構成を説明する。
【0012】図1において1は振動体で、リン青銅、黄
銅等で板状に形成された弾性体1cの両外面に、一対の
板状の電気/機械エネルギー変換素子としての圧電素子
1a,1bが加圧接着されている。また、図2において
振動体1の両外面(図において上下面)にはニッケル、
銅等の導電材料が蒸着され、電極層が形成されている。
電極層は振動体1の長手方向を2分する位置に絶縁領域
を境界として分割されており、4つの電極部1e〜1h
を有している。
【0013】弾性体1cには張り出し部1c−1,1c
−2があり、各々係合穴1c−3,1c−4が設けられ
ている。張り出し部の位置は、振動体1の振動モードで
の節部近傍となっており、振動モードへの悪影響を回避
している。さらに電極部1e〜1hおよび弾性体1cに
は合計5本の端子部1d−1〜5が半だ付け等により取
り付けられている。それらの位置も振動モードでの節部
近傍となっている。
【0014】2a,2bはフェノール樹脂、エポキシ樹
脂等の樹脂で形成された1対の駆動子であり、より高い
駆動力を得るために振動体の振動モードの腹部の位置に
接着等により取り付けられる。
【0015】3はリン青銅等で形成された加圧バネで、
張り出し部3a,3bがあり、それぞれ係合穴3a−
1,3b−1が設けられている。また加圧バネ3の長手
方向両端部には折り曲げ部3c−1,3c−2が設けら
れている。さらに加圧バネ3の中央部には、幅方向に凸
部3dが形成されている。
【0016】4はステンレス綱等で形成された接触部材
としてのガイドレールである。
【0017】5はローラで、ローラを支持する支持棒5
aが圧入等の周知の方法で取り付けられている。
【0018】6はプラスチックモールド加工されたケー
スで、係合軸部6a,6bが設けられて、それらの根元
にはストッパ6c,6dが設けられている。またケース
6の長手方向両端上部には、ガイドレール4よりもやや
大きい幅を持つ溝部6g,6hが設けられている。また
ケース6の一部に溝部6iが設けられている。さらにケ
ース6の幅方向両端部には溝部6e,6fが設けられて
いる。
【0019】7はプラスチックモールド加工されたキャ
ップで、支持棒5aを軸支する軸受溝(不図示)と上記
係合軸部6a,6bと係合位置ぎめされる穴部(不図
示)が設けられている。さらにキャップ7の幅方向両端
部には係止爪を有した突出片7a,7bが設けられてい
る。
【0020】つぎに各部品の相互関係について説明す
る。
【0021】ケース6に設けられた係合軸部6a,6b
にそれぞれ加圧バネ3に設けられた係合穴3a−1,3
b−1が挿通する。そのとき加圧バネ3の張り出し部3
a,3bがやや係合軸部方向に折り曲げられており、係
合軸部6a,6bと係合穴3a−1,3b−1の嵌合ガ
タをなくしている。そして折れ曲がり部3c−1,3c
−2がケースの底面に接触するまで加圧バネ6は押し込
まれて止まる。加圧バネ3の最大たわみ量は張り出し部
3a,3bがケース6のストッパ6c,6dに突き当た
るまでたわむようになっている。
【0022】つぎに振動体1の弾性体1cに設けられた
係合穴1c−3,1c−4がそれぞれケース6の係合軸
部6a,6bに挿通する。そのとき張り出し部1c−1
が係合軸方向に若干折り曲げられており、係合軸部6
a,6bと係合穴1c−3,1c−4の嵌合ガタをなく
している。そして振動体1の圧電素子1bが加圧バネ3
の凸部3dに接触するまで、振動体1が押し込まれる。
【0023】ローラ5に圧入等の方法で取り付けられた
支持棒5aの両端部がキャップ7に設けられた軸受部
(不図示)に支持する。
【0024】加圧バネ3と振動体1が取り付けられたケ
ース6と、ローラ5が取り付けられたキャップ7が、ロ
ーラ5の面と駆動子2a,2bの面でガイドレール4を
挟みこむようにして取り付けられる。その際に、キャッ
プ7に設けられた係止爪を有する突出片7a,7bがケ
ース6の溝6e,6fにガイドされて、スナップフィッ
トにより取り付けられる。またそのときに、ケース6の
係合軸部6a,6bとキャップ7に設けられた穴部(不
図示)と係合しキャップ7がケース6と位置決めされ
る。なおガイドレール4はケース6の溝6g,6hによ
り幅方向への移動が規制される。
【0025】電極部1e〜1hおよび弾性体1cに設け
られた端子部1d−1〜5はリード線もしくはフレキシ
ブルプリント基板に半田付けされ、リード線もしくはフ
レキシブルプリント基板がケース6に設けられた溝6i
よりケース6の外部へ引き出され、リード線もしくはフ
レキシブルプリント基板を外部の駆動回路に結線するこ
とによって、給電とセンシングが可能となる。
【0026】本実施の形態の振動アクチュエータの駆動
原理について説明する。
【0027】図3は、圧電素子の圧電効果を示した図で
ある。同図において10は圧電素子で、図の上方から下
方へ分極処理がなされている(図中矢印の方向)。ま
た、圧電素子の両面には電極部10a,10bが蒸着処
理により形成されている。
【0028】図3(a)は電極部10aに+電位、電極
部10bに−電位を印加したときの様子を示した図であ
る。この場合圧電素子には、電極部10aから電極部1
0bの方向つまり分極方向と順方向に電界が印加される
ので、圧電素子は分極方向に対して垂直の方向に電界の
大きさに応じた伸びが発生する。
【0029】図3(b)は電極部10aに−電位、電極
部10bに+電位を印加したときの様子を示した図であ
る。この場合圧電素子には、電極部10bから電極部1
0aの方向つまり分極方向と逆方向に電界が印加される
ので圧電素子は分極方向に対して垂直の方向に電界の大
きさに応じた縮みが発生する。
【0030】図3(c)は圧電素子を分極方向に対して
垂直方向に、外力により伸ばしたときの様子を示した図
である。この場合は電極部10aに+電位、電極部10
bに−電位が生じ、伸び量に応じた電位差が発生する。
【0031】図3(d)は圧電素子を分極方向に対して
垂直方向に、外力により縮めたときの様子を示した図で
ある。この場合は電極部10aに−電位、電極部10b
に+電位が生じ、縮み量に応じた電位差が発生する。
【0032】本実施の形態の振動アクチュエータの圧電
振動子はこれらの圧電現象を利用して駆動子に円又は楕
円運動が発生するように定在波を励起しようとしたもの
である。
【0033】図4は本実施の形態の振動アクチュエータ
の振動体の側面図である。圧電素子1aは図の下方から
上方へ分極処理が施され、圧電素子1bは図の上方から
下方へ分極処理が施されている。また、弾性体1cはグ
ラウンドに接続されている。このように構成された振動
体1に、図5に示すように電極部1eと1hに同位相、
同振幅の周波電圧VA を印加し、電極部1fと1gに同
位相、同振幅の周波電圧VB を印加(ただし、電極部1
eと1hへの周波電圧とは位相が異なる)すると、圧電
効果によって振動体が種々の挙動を繰り広げる。たとえ
ば図5の時間t1 における振動体の挙動は、電極部1e
〜1hには同値で+の電圧が印加されるので、図6
(c)が示すような縮みが生じる。図5の時間t2 にお
ける振動体の挙動は、電極部1e,1hには+の電圧が
印加され、電極部1f,1gには−の電圧であり且つ電
極部1e,1hへの印加電圧と絶対値が同値の電圧が印
加されるので、図6(d)に示すように屈曲する。
【0034】図5の時間t3 における振動体の挙動は、
電極部1e〜1hには同値で−の電圧が印加されるの
で、図6(a)が示すように伸びが生じる。図5の時間
4 における振動体の挙動は、電極部1e,1hには−
の電圧が印加され、電極部1f,1gには+の電圧であ
って且つ電極部1e,1hへの印加電圧と絶対値が同値
の電圧が印加されるので、図6(b)が示すように屈曲
する。
【0035】以上のことから連続的な時間で挙動を見る
と、振動体は伸縮運動(縦振動)と屈曲運動(横振動)
が合成された挙動を示し、駆動子2a,2bは円又は楕
円軌道を描くことになる。そして駆動子2a,2bの円
又は楕円軌道の回転方向は一致している。また、周波電
圧VA とVB の位相を逆転させると円又は楕円軌道の回
転方向は上記方向と逆方向になる。
【0036】以上のようにして円又は楕円運動を行う駆
動子2a,2bにガイドレール等の摺動部材を押圧する
と、駆動力が発生し、ガイドレール等の摺動部材と駆動
子とが相対的に移動可能となる。すなわち、一方を固定
とすれば、他方は移動し、逆に他方を固定とすれば一方
が移動することになる。
【0037】本実施の形態の振動アクチュエータの横振
動と縦振動の検出方法について説明する。
【0038】圧電効果により圧電素子が変形するとその
変形量に応じた電圧が発生することは前記した。
【0039】横振動(屈曲振動)の任意の時間での大き
さは、任意の時間での電極部1eと1hへの印加電圧に
よる圧電素子1a,1bの伸び量(もしくは縮み量)
と、電極部1fと1gへの印加電圧による圧電素子の縮
み量(もしくは伸び量)で決まる。つまり駆動用電極部
1hからの出力電圧SA と駆動用電極部1gからの出力
電圧SB の差で表現することができる。
【0040】また縦振動の任意の時間での大きさは、任
意の時間での電極部1eと1hへの印加電圧による圧電
素子の伸び量(もしくは縮み量)と、電極部1fと1g
への印加電圧による圧電素子の伸び量(もしくは縮み
量)で決まる。つまり駆動用電極部1hからの出力電圧
A と駆動用電極部1gからの出力電圧SB の和で表現
することができる。
【0041】図7は、振動体1の電極部1e,1hに図
5に示す周波電圧VA を印加し、電極部1f,1gに図
5に示す周波電圧VB を印加したときの、駆動用電極部
1gからの出力電圧SB と駆動用電極部1hからの出力
電圧SA および横振動を表すSA −SB と縦振動を表す
A +SB の電圧波形を示している。
【0042】SA +SB を横軸、SA −SB を縦軸にと
り、時間に沿って曲線を描かせると図8のようになる。
この曲線は正しく、駆動子の円又は楕円軌道を表現した
ものである。
【0043】以上のように、駆動用電極部1hからの出
力電圧SA と駆動用電極部1gからの出力電圧SB を検
出することで、横振動と縦振動の挙動がわかり、駆動子
又は楕円軌道が表現できることがわかる。
【0044】ところで、円又は楕円運動の波頭の接線速
度は、円又は楕円軌道の形状によって異なる。たとえ
ば、図9(a)の円軌道のP1 点での接線速度に対し
て、図9(b)の楕円軌道のP2 点での接線速度は遅く
なり、図9(c)の楕円軌道のP3 点での接線速度は速
くなる。したがって、図9の円又は楕円軌道が駆動子の
動きだとするならば、楕円軌道の形状を変化させること
によって、ガイドレール等の摺動部材との相対速度を変
化させることができるということである。
【0045】そこで、電極部1e,1hへの印加周波電
圧VA と、電極部1f,1gへの印加周波電圧VB の位
相差または/および振幅比を変えることで、駆動子の楕
円軌道の形状を変化させ、摺動部材との相対速度を変化
させることを考えた。
【0046】まず、印加周波電圧VA とVB の振幅を一
定(出力電圧SA とSB の振幅も原理的に一定)にし
て、位相差を変化させたときの円又は楕円軌道を描かせ
ると、図10〜12のようになる。
【0047】図10における印加周波電圧VA とVB
位相差をα(出力電圧SA とSB の位相差も原理的に0
°<α〈180°)、図11における印加周波電圧VA
とVB の位相差をβ((出力電圧SA とSB の位相差も
原理的に0°<β<180°)、図12における印加周
波電圧VA とVB の位相差をγ(出力電圧SA とSB
位相差も原理的に0°<γ<180°)とすると、β>
αとすることによって、楕円軌道の形状は位相差αのと
きとくらべて縦長になる。また、γ<αとすることによ
って、楕円軌道の形状は位相差αのときとくらべて横長
となる。
【0048】以上のことから、印加周波電圧VA とVB
の振幅を一定にして、位相差を変化させると、楕円軌道
の形状が変わり、楕円軌道の波頭の接線速度が変化す
る。つまり、駆動子の楕円軌道の接線速度を変化させ、
ガイドレール等の摺動部材との相対速度を任意に変化さ
せることができる。
【0049】つぎに、印加周波電圧VA とVB の位相差
を90°に設定し、印加周波電圧VA とVB の振幅比を
変化させると、図13、図14、図15のようになる。
【0050】印加周波電圧の振幅に応じたセンサ電極部
の出力電圧SA とSB の振幅を、図13においてそれぞ
れa1 ,b1 、図14においてそれぞれa2 ,b2 、図
15においてa3 ,b3 とする。
【0051】|a1 |=|a2 |=|a3 |=|b1
>|b2 |>|b3 |となるように印加周波電圧の振幅
を調整して、各々の楕円軌道を比較すると、b1 のとき
とくらべて、b2 のときの楕円軌道の形状はやや細長く
なる。また、b3 の場合はさらに細長い形状になる。
【0052】以上のことから、印加周波電圧VA とVB
の位相差を90°に設定し、印加周波電圧VA とVB
振幅比を変化させると、楕円軌道の形状が変わり、楕円
軌道の波頭の接線速度が変化する。つまり、駆動子の楕
円軌道の接線速度を変化させ、ガイドレール等の摺動部
材との相対速度を任意に変化させることができることに
なる。
【0053】次に制御について説明する。
【0054】図16は、本発明の実施の形態を示すブロ
ック図である。
【0055】発振器21から出力された駆動周波数より
高い高周波信号を分周器22,23により所定の周波数
に分周することによって、駆動周波数に変換してドライ
バ24,ドライバ25に出力する。ドライバ24,25
は、分周器から得た信号を増幅して振動体1に印加す
る。また、振動体1に信号が印加されると、コイル24
aとコイル25bと圧電素子1a,1bの間で共振し、
ドライバ24,25の入力電圧より高い電圧が圧電素子
1a,1bに印加されることになる。この時の圧電素子
1a,1bに印加される電圧を検出し、加算回路27に
よってA+Bを行い縦振動を検出し、減算回路28によ
ってA−Bを行い屈曲振動を検出する。検出された縦振
動と屈曲振動は、位相比較器29と振幅比較器30に送
られ、それぞれ比較した結果をマイクロコンピュータ2
6に出力する。マイクロコンピュータ26は、入力した
位相差と振幅差から円又は楕円振動の挙動を判断し、移
相器31,ドライバ25にそれぞれ楕円振動の挙動を調
整するように信号を出力する。
【0056】例えば、振幅比較器30は図17(a)の
様にサイン波関数で示されるA+B、A−Bの信号をぞ
れぞれ半波整流し、直流成分に変換して振幅値に変換し
マイコン26でA/D変換を行い比較する。
【0057】そこで、得られた振幅比より位相器31に
よって入力信号AとBの位相差を変える。例えば、図1
8の様に発振器21からのクロックをカウンタ22a,
23aに入力する前にカウンタBの方の初期値を設定し
カウンタAとの位相差を設定する。この後、クロックを
カウンタ22a,23aに入力し所定の比較値と比較し
一致したらカウンタをクリアする。これによって初期値
分、常に位相がずれることになる。比較器22b,23
bから得られた信号を分周器22c,23cで分周しデ
ューティー比50%の矩形波に変換してドライバ24,
25に出力する。これによって駆動信号の位相差を任意
に変更することができる。
【0058】また、位相比較器29は図17(b)の様
にA+B、A−Bをヒステリシスコンパレータ29a,
29bで基準値と比較し矩形波に変換する。変換された
矩形波をEXOR29cを通し位相差分の時間だけON
する信号を作り、その時間内のマイコン内の基準クロッ
クの数によって位相差を判断することができる。
【0059】また、得られた位相差より、マイコン26
はドライバ25に印加される電圧を変更、すなわち一方
の振幅を変化させて振幅比を変えることにより、楕円振
動の挙動を調整する。例えば、図19のようにドライバ
25の電源はDC/DCコンバータ25aによって決定
する。この場合、DC/DCコンバータ25aの出力す
る電圧を制御するためにコンパレータ26bによって出
力する電圧をマイコンの出力する電圧で制御することが
できる。
【0060】なお、上述した実施の形態では位相差を変
えることと、振幅比を変えることの両方を実現できるよ
うにしたが、当然ながらどちらか一方だけでも楕円振動
の挙動(軌跡)を調整することができるものである。
【0061】上記の説明により、実際の楕円振動の挙動
(軌跡)を調整することが可能となり、振動アクチュエ
ータの速度制御が安定して行えることができる。
【0062】
【発明の効果】請求項1の発明は、複数相の交番信号を
供給して作用部を円または楕円状の軌跡となるように振
動させる振動体での伸縮振動及び屈曲振動の状態を検出
し、検出結果に基づいて前記円または楕円状の軌跡とな
る振動の軌跡形状を変化させることにより、前記相対移
動の速度を変化させるようにしたので、安定した駆動特
性での速度制御を可能とする振動アクチュエータを提供
できる。
【0063】請求項2の発明は、前記複数相の交番信号
に対応する複数相の信号を検出し、複数相の検出信号の
位相を比較することにより、前記伸縮振動と屈曲振動の
状態を検出したので、正確に円または楕円軌跡の形状を
判断することができる振動アクチュエータを提供でき
る。
【0064】請求項3の発明は、前記複数相の交番信号
に対応する複数相の信号を検出し、複数相の検出信号の
振幅を比較することにより、前記伸縮振動と屈曲振動の
状態を検出したので、正確に円または楕円軌跡の形状を
判断することができる振動アクチュエータを提供でき
る。
【0065】請求項4の発明は、伸縮振動及び屈曲振動
の状態を検出し、検出結果に基づいて前記複数相の交番
信号の位相差を変化させることにより、前記円または楕
円状の軌跡となる振動の軌跡形状を変化させたので、確
実であり且つ安定した速度制御が可能となる振動アクチ
ュエータを提供できる。
【0066】請求項5の発明は、伸縮振動及び屈曲振動
の状態を検出し、検出結果に基づいて前記交番信号の振
幅を変化させることにより、前記円または楕円状の軌跡
となる振動の軌跡形状を変化させたので、確実であり且
つ安定した速度制御が可能な振動アクチュエータを提供
できる。
【0067】請求項6の発明は、前記複数相の交番信号
の供給用電極と検出よう電極を兼用したので、小型化さ
れ且つ低コストの振動アクチュエータを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態を示す振動アクチュエータの分解
斜視図。
【図2】図1の振動体の構造を示す図。
【図3】振動の原理を示す図。
【図4】図1の振動体の分極状態を示す図。
【図5】振動体に供給する交番信号の一例を示す図。
【図6】図5の各時間tでの振動体の振動状態を示す
図。
【図7】振動体に供給する交番信号の一例を示す図。
【図8】位相差と振幅比の関係を示す図。
【図9】円又は楕円軌跡を示す図。
【図10】位相差と振幅比の設定による振動軌跡を示す
図。
【図11】位相差と振幅比の設定による振動軌跡を示す
図。
【図12】位相差と振幅比の設定による振動軌跡を示す
図。
【図13】位相差と振幅比の設定による振動軌跡を示す
図。
【図14】位相差と振幅比の設定による振動軌跡を示す
図。
【図15】位相差と振幅比の設定による振動軌跡を示す
図。
【図16】本実施の形態の制御回路を示すブロック図。
【図17】図16の制御回路の一部を示す回路図。
【図18】図16の制御回路の一部を示す回路図とタイ
ムチャート。
【図19】図16の制御回路の一部を示す回路図。
【符号の説明】
1 振動体 1e,1f,1g,1h 電極部 4 接触体としてのガイドレール

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の電極が形成された複数の電気/機
    械エネルギー変換素子が積層された振動体を有し、該振
    動体に位相の異なる複数相の交番信号を印加して伸縮振
    動と屈曲振動を生じさせ、両振動の合成により該振動体
    の作用部を円または楕円状の軌跡となるように振動さ
    せ、該振動体と接触する接触体と、該振動体とを相対移
    動する振動アクチュエータにおいて、 前記複数の電極からの出力により前記伸縮振動及び屈曲
    振動の状態を検出し、検出結果に基づいて前記円または
    楕円状の軌跡となる振動の軌跡形状を変化させることに
    より、前記相対移動の速度を変化させることを特徴とす
    る振動アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 前記複数の電極から前記複数相の交番信
    号に対応する複数相の信号を検出し、複数相の検出信号
    の位相を比較することにより、前記伸縮振動と屈曲振動
    の状態を検出したことを特徴とする請求項1記載の振動
    アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 前記複数の電極から前記複数相の交番信
    号に対応する複数相の信号を検出し、複数相の検出信号
    の振幅を比較することにより、前記伸縮振動と屈曲振動
    の状態を検出したことを特徴とする請求項1記載の振動
    アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 前記複数の電極からの出力により前記伸
    縮振動及び屈曲振動の状態を検出し、検出結果に基づい
    て前記複数相の交番信号の位相差を変化させることによ
    り、前記円または楕円状の軌跡となる振動の軌跡形状を
    変化させたことを特徴とする請求項1または3記載の振
    動アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 前記複数の電極からの出力により前記伸
    縮振動及び屈曲振動の状態を検出し、検出結果に基づい
    て前記交番信号の振幅を変化させることにより、前記円
    または楕円状の軌跡となる振動の軌跡形状を変化させた
    ことを特徴とする請求項1または2記載の振動アクチュ
    エータ。
  6. 【請求項6】 前記複数の電極は前記複数相の交番信号
    の供給用電極を兼用していることを特徴とする請求項1
    ないし5のいずれかに記載の振動アクチュエータ。
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