JPH10513122A - 細長物品およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ゴルフクラブシャフトのような細長物品の製造方法。本発明の方法は、ガス射出成形法により細長い中空ポリマーコア１０を形成することからなる。硬化性材料からなる複数の層（１２、１４、１６、１８、２０、２２）がコアの回りに巻きつけられる。層は、互いに傾斜したそれぞれの補強体を備えた単軸補強体を有する。巻きつけられたコアはその後に硬化される。

Description

【発明の詳細な説明】 細長物品およびその製造方法 本発明は、細長物品の製造方法および該方法により製造される細長物品に関し 、より詳しくは（但しこれに限定されるものではないが）、ゴルフクラブシャフ トの製造方法および該方法により製造されるゴルフクラブシャフトに関する。 ゴルフクラブシャフトに関しては多くの重要な特性があり、これらの特性とし て、撓み性、トルク、強度および重量がある。元来は木製のゴルフクラブシャフ トが使用されていたが、その後はスチール製シャフトが一般的になっている。最 近では、シャフトが複合材料でも作られている。このような複合シャフトは、複 数層（通常、１０〜１５層）の樹脂補強材を、スチールマンドレルの周囲に巻き つけることにより慣用的に作られている。このように形成された構造体は、次に 硬化され、かつ硬化後にマンドレルが取り外される。マンドレルの取外しにはか なり大きな力が必要とされる。この方法によるシャフトの製造には多数の製造工 程が含まれ、かつかなり高価で比較的重いシャフトになってしまう。 本発明によれば、射出成形により細長い中空ポリマーコアを形成し、コアの回 りに硬化性補強材からなる複数の層を巻きつけ、かつ、引き続き形成される、巻 きつけられたコアを硬化させることからなる細長物品の製造方法が提供される。 コアは、ガス射出成形法により形成するのが好ましい。コアは密閉金型内で形 成するのが好ましく、一定量のガスおよびポリマーを金型内に導入するのが好ま しい。ガスは、ポリマーの第１部分が既に金型内に導入された後に、ポリマーと 同時に金型内に導入するのが好ましい。 ポリマーは補強繊維（カーボン繊維またはカーボン）を有するのが好ましく、 ポリマーはナイロンベースポリマーが好ましい。 硬化性材料はエポキシベースポリマーが好ましく、カーボン繊維補強体を有す るのが好ましい。 硬化性材料の補強体は実質的に単軸形であるのが好ましい。硬化性材料内の補 強体が物品の長手方向に対してほぼ平行になるように、１つ以上の硬化性材料の 層が配置されるのが好ましい。補強体が物品の長手方向に対して傾斜するように 、 他の層が配置されることが好ましい。前記傾斜は２５〜４０°が好ましく、ほぼ ３０°にすることができる。別の層は、同様な角度であるが逆方向に傾斜してい るのが好ましい。 硬化性材料の層は、物品の長手方向に対して平行に整合した材料のストリップ からなるのが好ましい。前記材料のストリップは、コアを、オーバーラップする ことなく実質的に完全に包囲するサイズを有するのが好ましい。 別の構成として、硬化性材料は、コアの長さに沿って、コアの回りに複数回巻 きつけることができる。 硬化性材料がコアの回りに巻きつけられた後でかつ硬化される前に、収縮性巻 きつけテープが硬化性材料の回りに巻きつけられて、硬化中に硬化性材料の圧密 を生じさせることが好ましい。 硬化後に、物品を研削して収縮性巻きつけテープを除去するのが好ましい。 巻きつけられたコアの硬化温度は、硬化中に、コアが粘着性を帯びかつ巻きつ けられた材料を溶融させる温度であるのが好ましい。 また、本発明によれば、上記１０のパラグラフのいずれか１つに記載の方法で 製造される細長物品が提供される。 また、本発明は、上記１０のパラグラフのいずれか１つに記載の方法で製造さ れるゴルフクラブシャフトを提供する。 硬化性材料の特別層を、ゴルフクラブシャフトの長さに沿う特定箇所に設ける ことができる。例えば、単一または複数の特別層を、ゴルフクラブシャフトのヘ ッド側端部に設けることができる。 ゴルフクラブシャフトは、ヘッド側端部から離れる方向に向かって外方にテー パしていることが好ましい。シャフトには、ヘッド側端部に隣接した領域に平行 側面を設けることができる。 別の構成として、本発明は、上記１０のパラグラフのいずれか１つに記載の方 法で製造される空中線アンテナ（aerial rod）または釣竿の形態をなす細長物品 を提供する。 細長物品は複数の連結可能セクションから構成でき、それぞれのセクションの 縁部には連結手段が設けられている。連結手段は、成形中にコアに形成すること ができる。 本発明によるゴルフクラブシャフトの一部を破断した概略斜視図である単一の 添付図面を参照して、本発明の一実施例を以下に説明する。 このシャフトは、以下に述べる方法により製造される。中空コア１０がガス射 出成形により形成される。コア１０は、最初に少量のポリマーを密閉金型内に導 入し、次に多量のポリマーと窒素ガスとを同時に導入し、かつポリマーが硬化す るまでガスを加圧状態に維持することにより、密閉金型内で形成される。ポリマ ーは、３０％強化耐衝撃改良形カーボン繊維ナイロン（ナイロン６６）からなる 。コア１０は、ヘッド側端部から最初の２２５mmの範囲は平行側面を有し、次に 外方にテーパしている。平行側面をもつ端部は、特定プレーヤに適合するように シャフトを短縮させた場合でも、シャフトのヘッド側端部をクラブヘッド内に嵌 合できる正しいサイズを保つことを保証する。成形（モールディング）の後、コ ア１０は心なし研削され、ばりおよび取扱い汚れを除去する。 コア１０には、高モジュラスのエポキシベースカーボン繊維プリプレグ(ＨＭ ５５−Torayca)が巻きつけられる。層１２のプリプレグ中の繊維は、一方向であ りかつコア１０の長手方向に対して平行に整合している。層１２は、コア１０を 完全に包囲するけれどもオーバーラップはしないサイズをもつ細長いストリップ で形成される。層１２の回りには他の層１４が巻きつけられ、該層１４は層１２ と同様なプリプレグからなるが、繊維はコア１０の軸線方向に対して３０°の角 度で傾斜している。 層１４の回りには他の同様な層１６が巻きつけられ、該層１６の繊維は、層１ ４の繊維とは逆方向に、軸線方向に対して３０°の角度で傾斜している。層１６ の回りには、標準モジュラスのプリプレグ(Ｔ３００ Torayca)からなる層１８ が巻きつけられ、該層１８の繊維は、コア１０の軸線方向に対して平行に整合し ている。コア１０の真直面部分は、コア１０の軸線方向に対して平行に整合した 繊維が含浸されたホウ素フィラメントプリプレグ（図示せず）により強化されて いる。 別の高モジュラスプリプレグ層２０が設けられており、該層２０の繊維もコア １２に対して平行に整合している。標準モジュラスまたは軽量モジュラスプリプ レグからなる更に別の層２２を設けることもできる。プリプレグ層１２〜２２を 巻きつけた後、巻きつけられたコアの回りに収縮性巻きつけテープ（図示せず） が巻きつけられる。巻きつけられたコアは、次に、１２０°で、１時間５０分か けて硬化される。この間、プリプレグ層１２〜２２が硬化し、かつテープが、形 成される構造体を圧密する。ナイロンコア１０も粘着性を帯び、最内方層１２に 接合する。硬化後、収縮性巻きつけテープ（および、多分幾分かの最外方層２２ ）を除去するため、シャフトが心なし研削される。これで、シャフトの塗装の準 備が整ったことになる。 これにより、多数の長所を備えたゴルフクラブシャフトが提供される。本発明 のシャフトは、２°トルク（２°torque）をもつ特別な剛性を有し、従ってプロ ゴルファーが使用するのに適している。このような特性を有するにも係わらず、 シャフトは６〜７層のプリプレグ層を有するに過ぎず、従って非常に軽量である 。本発明の製造方法の使用により、従来の方法に比べ、労力をかなり節減できる 。また、射出成形コアの使用により、使用される材料コストをかなり低減できる 。 使用する層の数および特性は、所望に応じて変えられることは理解されよう。 また、他の射出成形技術を使用することもできる。或る場合には、上記巻きつけ 法ではなく、フィラメント巻きつけ法を使用できる。硬化条件は、特定材料に適 合させるため選択できることは明らかであるが、最内方層とコアとを接合させる のが有効である。 また、本発明はゴルフクラブシャフトに限定されないことも理解すべきである 。本発明の製造方法は、空中線アンテナまたは釣竿等の他の細長物品の製造にも 適している。このような物品は多数のセクションからなり、従って、成形中に、 ねじまたはバヨネットフィッティング等の適当な連結手段をコアに取り付けるこ とができる。また、ここに説明したもの以外の種々の材料を使用できることも明 白である。 上記説明では、本発明の特に重要であると考えられるこれらの特徴に対する注 意を引き出す努力をしたが、本願で説明しおよび／または図面に示した特許性の あるあらゆる特徴またはこれらの特徴の組合せは、請求の範囲の記載による保護 を受けるものと理解すべきである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ)，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，Ｃ Ｎ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ， ＬＲ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，Ｎ Ｌ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．射出成形により細長い中空ポリマーコア（１０）を形成することからなる細 長物品の製造方法において、コア（１０）の回りに硬化性補強材からなる複数の 層（１２、１４、１６、１８、２０、２２）を巻きつけ、かつ、引き続き形成さ れる、巻きつけられたコアを硬化させることを特徴とする細長物品の製造方法。 ２．前記コア（１０）がガス射出成形法により形成されることを特徴とする請求 の範囲第１項に記載の方法。 ３．前記コア（１０）が密閉金型内で形成されることを特徴とする請求の範囲第 ２項に記載の方法。 ４．前記金型内に一定量のガスおよびポリマーを導入することを特徴とする請求 の範囲第２項または第３項に記載の方法。 ５．ポリマーの第１部分が既に金型内に導入された後、ガスが、ポリマーと同時 に金型内に導入されることを特徴とする請求の範囲第４項に記載の方法。 ６．前記ポリマーは補強繊維を有していることを特徴とする請求の範囲第１項〜 第５項のいずれか１項に記載の方法。 ７．前記補強繊維はカーボン繊維であることを特徴とする請求の範囲第６項に記 載の方法。 ８．前記補強繊維はホウ素繊維であることを特徴とする請求の範囲第６項に記載 の方法。 ９．前記ポリマーはナイロンベースポリマーであることを特徴とする請求の範囲 第１項〜第８項のいずれか１項に記載の方法。 10．前記硬化性材料がエポキシベースポリマーであることを特徴とする請求の範 囲第１項〜第９項のいずれか１項に記載の方法。 11．前記硬化性材料がカーボン繊維補強体を有することを特徴とする請求の範囲 第１項〜第１０項のいずれか１項に記載の方法。 12．前記硬化性材料の補強体が実質的に単軸形であることを特徴とする請求の範 囲第１１項に記載の方法。 13．前記硬化性材料内の補強体が物品の長手方向に対してほぼ平行になるように 、１つ以上の硬化性材料の層（１２、１８、２０、２２）が配置されることを特 徴とする請求の範囲第１２項に記載の方法。 14．前記補強体が物品の長手方向に対して傾斜するように、１つ以上の層（１４ 、１６）が配置されることを特徴とする請求の範囲第１２項または第１３項に記 載の方法。 15．前記傾斜は２５〜４０°であることを特徴とする請求の範囲第１４項に記載 の方法。 16．前記傾斜はほぼ３０°であることを特徴とする請求の範囲第１５項に記載の 方法。 17．別の層（１６）は、同様な角度であるが逆方向に傾斜していることを特徴と する請求の範囲第１４項〜第１６項のいずれか１項に記載の方法。 18．前記硬化性材料の層（１２、１４、１６、１８、２０、２２）が、物品の長 手方向に対して平行に整合した材料のストリップからなることを特徴とする請求 の範囲第１項〜第１７項のいずれか１項に記載の方法。 19．前記材料のストリップが、コア（１０）を、オーバーラップすることなく実 質的に完全に包囲するサイズを有することを特徴とする請求の範囲第１８項に記 載の方法。 20．前記硬化性材料は、コア（１０）の長さに沿って、コア（１０）の回りに複 数回巻きつけられることを特徴とする請求の範囲第１項〜第１７項のいずれか１ 項に記載の方法。 21．前記硬化性材料がコア（１０）の回りに巻きつけられた後でかつ硬化される 前に、収縮性巻きつけテープが硬化性材料の回りに巻きつけられて、硬化中に硬 化性材料の圧密を生じさせることを特徴とする請求の範囲第１項〜第２０項のい ずれか１項に記載の方法。 22．硬化後に、物品を研削して収縮性巻きつけテープを除去することを特徴とす る請求の範囲第２１項に記載の方法。 23．前記巻きつけられたコア（１０）の硬化温度は、硬化中に、コア（１０）が 粘着性を帯びかつ巻きつけられた材料を溶融させる温度であることを特徴とす る請求の範囲第１項〜第２２項のいずれか１項に記載の方法。 24．請求の範囲第１項〜第２３項のいずれか１項に記載の方法で製造されたこと を特徴とする細長物品。 25．請求の範囲第１項〜第２３項のいずれか１項に記載の方法で製造されたこと を特徴とするゴルフクラブシャフト。 26．前記硬化性材料の特別層が、ゴルフクラブシャフトの長さに沿う特定箇所に 設けられていることを特徴とする請求の範囲第２５項に記載のゴルフクラブシャ フト。 27．単一または複数の前記特別層が、ゴルフクラブシャフトのヘッド側端部に設 けられていることを特徴とする請求の範囲第２６項に記載のゴルフクラブシャフ ト。 28．前記ヘッド側端部から離れる方向に向かって外方にテーパしていることを特 徴とする請求の範囲第２５項〜第２７項のいずれか１項に記載のゴルフクラブシ ャフト。 29．前記ヘッド側端部に隣接した領域に平行側面を有することを特徴とする請求 の範囲第２５項〜第２８項のいずれか１項に記載のゴルフクラブシャフト。 30．請求の範囲第１項〜第２３項のいずれか１項に記載の方法で製造されたこと を特徴とする空中線アンテナまたは釣竿の形態をなす細長物品。 31．前記細長物品が複数の連結可能セクションからなり、それぞれのセクション の縁部には連結手段が設けられていることを特徴とする請求の範囲第３０項に記 載の細長物品。 32．前記連結手段は、成形中にコアに形成されることを特徴とする請求の範囲第 ３１項に記載の細長物品。