JPH10513045A - ヒトの胎児の脾臓で発現する新規なケモカイン、その産生と使用 - Google Patents

ヒトの胎児の脾臓で発現する新規なケモカイン、その産生と使用

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JPH10513045A JP8522444A JP52244496A JPH10513045A JP H10513045 A JPH10513045 A JP H10513045A JP 8522444 A JP8522444 A JP 8522444A JP 52244496 A JP52244496 A JP 52244496A JP H10513045 A JPH10513045 A JP H10513045A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヒトの胎児の脾臓細胞において初めに発見された新規なケモカイン(FSEC)をコードするヌクレオチド配列を提供する。更に、本発明には、FSECをコードするヌクレオチド配列に対するアンチセンス分子、精製FSEC産生のための発現ベクター、FSECをコードするヌクレオチド配列の検出のためのハイブリダイゼーションプローブ、またはオリゴヌクレオチド、FSECの発現のための生物工学的に処理された宿主細胞、FSECをコードする核酸分子及びFSECに特異的に結合し得る抗体に基づく、ケモカイン活性化のための診断テスト方法も含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】 ヒトの胎児の脾臓で発現する新規なケモカイン、その産生と使用背景技術 ケモカインは、免疫システムが非自己の抗原、例えば微生物や、非和合性の組 織タイプの抗原の侵入に応答して産生され、異常状態、炎症状態、または疾病状 態における白血球輸送に関連している、サイトカインファミリーに属する。ケモ カインは、内皮細胞上の特定の接着分子の発現を媒介し、特定の細胞タイプを誘 因する化学誘因物質因子の濃度勾配を生成する。更にケモカインは、特定の細胞 のタイプの増殖を刺激し、それに特異的なレセプタを備えた細胞の活性化を調節 する。これらの活性は、高度な標的細胞特異性を実証している。 ケモカインは、一般に長さ約70〜100アミノ酸、分子量8〜11kDで、 1〜100ng/mlの範囲で活性な小型のポリペプチドである。初めに、ケモ カインは炎症組織から単離、精製され、その生物活性に対して特徴づけられた。 最近では、ケモカインは、分子クローニング技術を通して発見されてきており、 機能分析と構造分析の両面から特徴づけられている。 各ケモカインは、成熟細胞における4−システインモチーフを通して近縁関係 を有し、この近縁関係は主として初めの2つのシステイン残基の間隔に基づいて いる。現在、各種ケモカインは2つのファミリー、即ちC−X−Cケモカイン( α)及びC−Cケモカイン(β)の何れか一方に割り当てられている。例外は存 在するが、C−X−Cケモカインは、好中球及び繊維芽細胞を活性化し、C−C ケモカインは単球/マクロファージ、好塩基球、好酸球、T細胞他を含むより多 様な標的細胞のグル ープに作用する。これらのケモカインの両ファミリーは多種多様なタイプの細胞 により合成され、その概要は“Thomson A.(1994)The Cy tokine Handbook, 2d Ed. Academic Pre ss, NY.”に記載されている。ケモカインのこの2つのグループについて は後に再び説明する。 C−CケモカインのN末端プロセシングの数は、C−X−Cケモカインうより 少ないようである。既知のヒト及び/またはネズミのC−Cケモカインには、M IP−1α及びβと、I−309と、RANTES、及びMCP−1が含まれる 。マクロファージ炎症性タンパク質α及びβ(MIP−1α及びβ)は、初めに 、刺激されたマウスのマクロファージ株細胞から精製され、通常の組織に注入さ れると炎症反応を誘発した。少なくとも3つの異なる非対立遺伝子が、ヒトMI P−1αをコードし、異なる7つの遺伝子がMIP−1βをコードする。 MIP−1α及びMIP−1βは68〜69アミノ酸からなり、これらのアミ ノ酸の約70%が、その酸性、成熟分泌型について同一である。これらのタンパ ク質は双方共に、刺激されたT細胞、B細胞、及び単球においてミトゲン、抗− CD3、及び内毒素に応じて発現され、また両ポリペプチドはヘバリンを結合す る。両分子は単球を刺激し、MIP−1αはT細胞のCD8サブセット及び好酸 球を化学誘因し、MIP−1βはT細胞のCD4サブセットを化学誘因する。マ ウスにおいては、これらのタンパク質が骨髄造血を刺激することが知られている 。 I−309はヒトγ−δT細胞株からクローニングされ、マウスからクローニ ングされたT細胞活性化遺伝子3(TCA3)と42%のアミノ酸同一性を示し ている。これらの2つのタンパク質の5′フランキング領域の間には、かなりの レベルのヌクレオチド相同性が存在しており、 他のケモカインにおいては見られない特別なシステイン残基の対を共通に持って いる。このような類似性は、I−309とTCA3とが、時間の経過のうちに配 列及び機能が分かれた種のホモログであることを示唆している。 RANTESは、C−Cケモカインの一種であって、発現されるのはT細胞( B細胞では発現されない)、血小板、ある種の腫瘍細胞株、及び刺激されたリウ マチ滑膜線維芽細胞においてである。後者においては、IL(インターロイキン )1及びIL4、形質転換神経因子及びインターフェロンγにより調節される。 T細胞からクローニングされたcDNAは、N結合型グリコシル化を欠いた基本 的な8kDのタンパク質をコードし、白血球、単球、好塩基球、及び好酸球に影 響を与え得る。RANTESのmRNAの発現は、T細胞刺激により実質的に低 減する。 単球走化性タンパク質(MCP−1)は、76アミノ酸のタンパク質であって 、様々な媒介物の刺激に応じてほとんど全ての細胞及び組織において発現される ようである。しかし、MCP−1の標的は、単球及び好塩基球に限定されており 、そこでMCP−1は、MCP−1レセプタ、Gタンパク質結合カルシウム流動 (flux)を誘発する(Charo I, personal communic ation参照)。他の2つの近縁関係にあるタンパク質、MCP−2、MCP −3は、ヒト骨肉腫細胞株から精製された。MCP−2及びMCP−3はMCP −1とそれぞれ62%及び73%のアミノ酸配列の同一性を有し、単球に対する その化学誘因物質特異性を共通のものとしている。 このケモカイン分子について説明している文献には、“Schall TJ (1994) Chemotactic Cytokines: Target s for Therapeutic Development. Inter national Business Co mmunications, Southborough MA pp 180 −270”;及び“Paul WE(1993)Fundamental Im munology, 3rd Ed. Raven Press, NY pp 822−826”がある。 ヒトにおける脾臓の機能は、血液から微生物や粒子抗原を除去したり異物に対 する抗原を生成すること、過剰な、古い及び/または異常な血液細胞を隔離及び 除去すること、門脈の血流を調節すること、発育時または骨髄のみが十分な血球 を生成できるときに造血に関わることである。 他の組織と同様脾臓においても、単球、マクロファージ、好塩基球、及び好酸 球を含む白血球を、T細胞及び/またはB細胞により開始される病理的機構にお いて重要な役目を果たす。特に、マクロファージは、強力な酸化剤及び組織の破 壊に役立つタンパク質分解酵素を作り出し、かつ他の炎症性細胞を増やし活性化 するサイトカイン類を分泌する。 炎症組織または患部組織における異常の診断のための現在の技術は、主に臨床 的な症状の観察、若しくは人体組織または体液の、ホルモン、ポリペプチドまた は様々な代謝物質についての血清学的な分析に大きく依存している。患者は、病 気または腫瘍形成の初期の段階では何の症状も示さないことが多い。更に、血清 学的な分析では、侵入性の疾病の症状と、それと重複または非常に類似した範囲 を有する遺伝子症状との区別が、必ずしもつくわけではない。従って本発明のケ モカインの使用を含む新たな診断技術の開発により、早期の正確な診断が可能に なり、分子病原(melecular pathogenesis)に対する理解が進み、それを用いた より効果的な治療法の開発がもたらされることになろう。発明の開示 本発明は、ヒトの胎児の脾臓において初めに発見された新規なケモカインをコ ードするヌクレオチド配列を提供する。この新たな遺伝子は、 ヒトの胎児の脾臓で発現されることからヒト胎児脾臓発現型ケモカイン、または 符号でfsec(インサイト社クローンNo.29592)と称するものであり 、C−Cケモカインファミリーに属し、符号FSECで表されるポリペプチドを コードする。また本発明は、fsecDNA、またはそのフラグメント、または オリゴマーによる、試料またはその抽出物のテスト過程を有する病気状態の診断 テスト方法を含む。更に、本発明には、fsecアンチセンス分子、fsecを コードする核酸を含むクローニングベクターまたは発現ベクター、fsecをコ ードする核酸を含む発現ベクターで形質転換された宿主細胞または生物、精製F SEC、及び宿主細胞からの精製FSECの産生及び回収方法も含まれる。図面の簡単な説明 第1図は、ヒト胎児脾臓発現型ケモカインのヌクレオチド配列(fsec;配 列番号:1)及び予測アミノ酸配列(FSEC;配列番号:2)を示した図であ る。 第2図は、C−Cファミリーの他のヒトケモカインとFSECとのアミノ酸ア ラインメントを示した図である。ここに示したアラインメントは、DNASTA R software社(Madison WI)の多重配列アラインメントプ ログラム(multisequence alignment program)を用いて作製されたものである 。 第3図は、予測アミノ酸配列及び組成に基づくFSECの疎水性の分析結果を 示した図である。 第4図は、ヒトC−Cケモカインの近縁関係樹形図である。系統樹は、PAM 250残基表とともにClustal法を用いるDNASTAR softwa re系統樹プログラム(DNASTAR, Inc. Madison, WI )により作製された。発明の実施の形態 用語の定義 本明細書において、“ヒト胎児脾臓発現型ケモカイン”またはFSECなる用 語は、配列番号:1の核酸から転写されたmRNAによりコードされる配列番号 :2に示すポリペプチド、若しくはそのフラグメントを意味する。FSECは、 自然発生したものか、化学的に合成されたものであるかの何れかである。本明細 書において、“fsec”は、核酸配列を表し、“FSEC”は、タンパク質、 ペプチドまたはアミノ酸配列を表す。 本明細書において、“活性”なる用語は、自然発生FSECの生物学的及び/ または免疫学的活性を保持しているFSECの形態を意味する。 本明細書において、“自然発生FSEC”なる用語は、生物工学的処理を受け ていないヒト細胞により生成されたFSECを意味し、より具体的には、アセチ ル化、カルボキシル化、グリコシル化、リン酸化、脂質化(lipidation)及びア シル化を含む翻訳語修飾されたポリペプチドから生成される様々なFSECの形 態を表現する用語である。 本明細書において、“誘導体”なる用語は、ユビキチン化、ラベリング(例え ば放射性核種や、様々な酵素修飾による標識付け)、ペジレーション(ポリエチ レングリコールによる誘導体化)のような化学的修飾、若しくは例えばオルニチ ンのような通常はヒトタンパク質において自然発生しないアミノ酸の化学合成に よる挿入、置換によって得られた自然発生FSECに由来するポリペプチドを意 味する。 本明細書において、“変異体”または“突然変異体”または“組換え変異体” なる用語は、組換えDNA技術を用いて生成されるアミノ酸の挿入、除去、及び /または置換により自然発生FSECとは異なるものとなった任意のポリペプチ ドを意味する。興味の対象となる活性、細胞接着性、走化性を損なわずに置換、 付加、あるいは除去され得るアミノ 酸残基を決定するためには、特定のFSECの配列と相同体のサイトカインの配 列とを比較し、相同性の高い領域でのアミノ酸配列の変化の数を最小にすればよ い。 アミノ酸の置換では、例えばロイシンからイソロイシンまたはバリンへの置換 、アスピレートからグルタメートへの置換、スレオニンからセリンへの置換、即 ち保存的アミノ酸置換のような1個のアミノ酸が構造的及び/または化学的特性 がそれに類似した他の1個のアミノ酸で置換されるのが好ましい。アミノ酸の挿 入または除去は、通常1〜5個のアミノ酸の範囲で行われる。組換えDNA技術 を用いてFSECのアミノ酸の挿入、除去、または置換を体系的に行い、得られ た組換え変異体の活性を検定することにより、許容される変異体が実験的に決定 され得る。 必要ならば、FSECまたはFSEC変異体に生物工学的処理を施して、“シ グナル配列またはリーダー配列”を含むようにすることができる。これにより、 細胞膜を通してポリペプチドを移動させることが可能となる。このような配列は 、本発明のポリペプチド上に自然に存在するか、あるいは組換えDNA技術によ り異種タンパク質源から得られる。 本明細書において、FSEC“フラグメント(断片)”、“部分”、または“ セグメント”なる用語は、生物学的及び/または免疫学的活性を示すに十分な長 さを有するアミノ酸の伸展(ストレッチ)を意味する。好適実施例では、このF SEC断片は少なくとも約5個のアミノ酸、少なくとも約7個のアミノ酸、また は少なくとも約8〜13個のアミノ酸を含み、別の実施例では約17個またはそ れ以上のアミノ酸を含む。 本明細書において、“オリゴヌクレオチド”またはポリヌクレオチド“フラグ メント”、“部分”、または“セグメント”なる用語は、同一の、若しくは近縁 関係にある核酸を同定、若しくは増幅するためのポリメラーゼ連鎖反応(PCR )法や、当業者には周知の様々なハイブリッ ド形成法におけるプライマーとして使用するのに十分な長さを有するFSECを コードする核酸の任意のストレッチを意味する。 本発明には、FSECをコードする組換え核酸分子で形質転換された宿主細胞 、ベクター、及び天然または組換えポリペプチド源から得られた精製FSECポ リペプチドが含まれる。FSECポリペプチドを単離するための様々な方法は、 当業者の周知となっている。例えばこのようなポリペプチドの精製のために、本 発明の提供する抗体を用いたイムノアフィニティクロマトグラフィーを利用する ことができる。タンパク質精製のための他の周知の方法は、例えば、“’Deu tscher M (1990) Methods in Enzymolog y Vol 182, Academic Press, San Diego ”及び“Scopes R (1982) Protein Purifica tion: Principles and Practice. Sprin ger−Verlag, NYC”に記載されており、これらの文献を本明細書 と共に参照されたい。 本明細書において、“組換え”なる用語は、組換えDNA技術を用いて調製さ れるFSECをコードするポリヌクレオチドを意味する。FSECをコードする DNAも対立形質の変異体または組換え変異体、及びその突然変異体を含み得る 。 本明細書において、“プローブ”または“核酸プローブ”または“オリゴヌク レオチドプローブ”なる用語は、所望の標的配列とハイブリッド形成し得るFS ECの部分、フラグメント、またはセグメントを意味する。分子生物学における 従来の技術を用いることにより、FSECをコードするcDNAまたは内生核酸 を検出し、増幅し、または定量するのにこのプローブが使用され得る。プローブ の長さは様々であり、好ましくは、約10から最大約数100ヌクレオチドの長 さを有するもので ある。当業者には理解されようが、ハイブリッド形成条件及びプローブの設計は 、使用目的に応じて変化する。例えば、PCRでの使用を目的としたプローブは 、長さが15〜30ヌクレオチドであり、変性プローブのプールの一部分であり 得る。即ちPCR用プローブは、ヌクレオチドのミスマッチに対する許容性を有 するが、未知の配列に対する結合に適用するオリゴヌクレオチドである得るのに 対して、サザンハイブリダイゼーションまたはノーザンハイブリダイゼーション 用のプローブは、長さが数100ヌクレオチドの、1つの特定のヌクレオチド配 列である得る。従って、FSECに対する特異的検出用のプローブで好適なもの は、配列番号:1の配列の非保存ヌクレオチド領域から得られるポリヌクレオチ ドまたはオリゴヌクレオチドフラグメントであり得る。本明細書において、“非 保存的ヌクレオチド領域”なる用語は、配列番号:1に独特に存在し、かつC− Cケモカインのファミリーにおける保存される領域を含まないヌクレオチド領域 を意味する。プローブは一本鎖または二本鎖で、in situハイブリッド形 成及びELISA(固相酵素免疫検定法)のような技術を含む膜ベースのハイブ リダイゼーション、溶液、細胞、組織またはにおいて特異性を有し得る。本発明 の範囲には、ここに開示するポリペプチドのオリゴヌクレオチド、フラグメント 、または部分、若しくはその相補的な鎖であって、プローブとして用いられるも のが含まれる。 “オリゴヌクレオチド”または“オリゴヌクレオチドプローブ”は、FSEC をコードするここに開示するヌクレオチド配列に基づいて調製される。オリゴヌ クレオチドは、ここに開示するヌクレオチド配列の部分を含み、少なくとも約1 5個のヌクレオチドからなるが、通常は約20ヌクレオチド、最大約60個のヌ クレオチドからなる。核酸プローブは、約6kbより少ない塩基対数の、通常は 約1kb未満の配列の部分 からなり得る。本発明のオリゴヌクレオチド及び核酸プローブは、細胞または組 織内にFSECをコードする核酸が存在するか否かを判定するため、または“W alsh PS et al(1992)PCR Methods Appl. 1:241−250”に記載のように染色体DNAから類似した核酸配列を分 離するのに使用され得る。 本発明の核酸プローブは、自然発生核酸、組換え一本鎖または二本鎖核酸から 誘導されるか、若しくは化学的に合成され得る。プローブの標識化は、ニックト ランスレーション法、クレノウフィルイン反応法、PCR法、または当分野にお いて周知の他の方法を用いて行われ得る。本発明のプローブを調製し、標識する 方法は、“Sambrook J et al (1989) Molecul ar Cloning:A Laboratory Manual, 2d E d, Cold Spring Harbor, NY”または“Ausube l FM et al (1989) Current Protocls i n Molecular Biology, Vol 2, John Wil ey & Sons”に詳しく述べられており、これらの文献を本明細書と共に 参照されたい。 別の形態として、本発明のポリペプチド、またはそれと近縁関係にあるポリペ プチドをコードする組換え変異体は、当業者に周知の技術を用いて、遺伝暗号の “冗長性”を利用することにより合成、または同定され得る。様々な切断部位を 作り出すサイレント変化のような、様々なコドン置換を導入することで、プラス ミドやウィルスベクターへのクローニング、または特定の原核細胞形または真核 細胞形における発現を最適化することができる。また、突然変異を導入すること によって、ポリペプチドの特性を変更し、リガンド結合親和力、鎖間親和力、ま たはポリペプチド変性またはターンオーバー速度を変えることもできる。発明の詳細な説明 本発明は、新規なC−CケモカインファミリーFSECを同定する独特なヌク レオチド配列を提供する。FSECをコードするヌクレオチド配列は、ヒト胎児 脾臓組織から作られたcDNAライブラリ、胎児の脾臓組織から作られたcDN Aライブラリ、及び股関節のリウマチ様滑膜から作られたcDNAライブラリに おいて同定された。FSECをコードするヌクレオチド配列は、3時間培養され た接着性単球培地、及びT細胞培地においても同定された。FSECをコードす るヌクレオチド配列は、72時間培養された接着性単球培地または酢酸ミリスチ ル酸ホルボール(PMA)で処理されたT細胞においても見いだされた。 FSECが同定された組織において、その発現の検出のための診断テストを行 うことは有用である。タンパク質分解酵素及び組織の損傷または破壊をもたらし 得る他の分子の産生に応じて好中球及び繊維芽細胞は活性化する。従って、FS ECの過剰な発現に対する診断テストを行うことにより、診断が速やかになり、 過剰な組織の損傷や破壊が起こる前に炎症の適切な治療を行うことができる。 最近の研究成果は、走化性サイトカインのC−Cケモカインファミリーは炎症 性の活性を有していると共に、血管新生の媒介における不同性の効果を、その機 能として示すか、またはELRドメインの存在または不存在(上述のStrie ter A論文及びB論文参照)を示すことを示唆している。非ELR C−C ケモカインは血管新生の抑制効果を示してきた。従って、FSECまたはそのフ ラグメントを用いて、血管新生依存性疾患、例えば腫瘍形成、慢性関節リウマチ 、強皮症、及び乾癬を予防しまたは治療することが可能である。 FSECまたはその相補配列をコードするヌクレオチド配列は、分子生物学の 分野における当業者には周知の技術において数多くの用途を有 する。これらの技術には、ハイブリダイゼーションプローブとしての使用、PC R用オリゴマーとしての使用、染色体及び遺伝子マッピングにおける使用、FS ECの組換え体産生における使用、及びアンチセンスDNAまたはRNAの、ま たはこれらの化学的類似体等の産生における使用が含まれる。ここに開示するF SECをコードするヌクレオチドの使用方法は、周知の技術の一例であり、当業 者に周知の何らかの技術にその使用を限定しようとするものではない。更に、未 だ開発されていない分子生物学的技術であっても、それが例えばトリプレット遺 伝暗号及び特異的な塩基対相互作用のような既知のポリヌクレオチド配列の特性 に基づく技術である限り、ここに開示するヌクレオチド配列を使用することがで きる。 遺伝暗号の同義性(degeneracy)の結果、そのヌクレオチド配列がFSECを コードするもので限り、既知のヌクレオチド配列及び自然発生遺伝子のヌクレオ チド配列に対する相同性を有する最小限のヌクレオチド配列を有するヌクレオチ ド配列を含む、様々なFSECをコードするヌクレオチド配列が産生され得る、 ということは当業者には理解されよう。本発明は、より具体的には可能なコドン 選択に基づいて組合せを選択することにより作られ得る全ての可能なヌクレオチ ド配列をその範囲に含んでいる。これらの組合せは、自然発生FSECのヌクレ オチド配列に対して適用されるような標準的なトリプレット遺伝暗号に基づいて 作られる。また、このような全ての変異体は、具体的にここで開示されたものと 考えられたい。 FSEC及び/またはFSEC変異体をコードするヌクレオチド配列は、厳格 な条件の下で自然発生FSEC遺伝子のヌクレオチド配列とハイブリッド形成可 能なものであるのが好ましいが、実質的に異なるコドン使用頻度をプロセシング するFSECまたはFSEC誘導体をコード するヌクレオチド配列を作り出すことは有益であり得る。コドンの選択は、特定 の原核細胞または真核細胞の発現宿主におけるペプチドの発現速度を高めるよう に選択することができ、このときこの発現速度は、その宿主における特定のコド ンの使用頻度に基づいて決まる。本発明のFSEC及び/またはFSEC誘導体 をコードするヌクレオチド配列を、このコードされたアミノ酸配列を変えること なく実質的に変化させる他の理由は、より望ましい特性、例えば自然発生ヌクレ オチド配列から産生されたものより長い半減期を有するRNA転写物を産生する ためである。 FSECをコードするヌクレオチド配列は、完全に確立された組換えDNA技 術(“Sambrook J et al. (1989) Molecula r Cloning: A Laboratory Manual, 2d E d, Cold Spring Harbor, NY”参照)により様々な他 のヌクレオチド配列と結合してもよい。 fsecに結合するのに有用なヌクレオチド配列には、例えば従来より周知の プラスミド、コスミド、λファージ誘導体、ファージミド等のクローニングベク ターの組合せが含まれる。興味の対象であるベクターには、発現ベクター、複製 ベクター、プローブ産生ベクターシークエンシングベクター等が含まれる。一般 に、興味の対象となるベクターは、少なくとも1つの生物において複製起点機能 を発揮する便利な制限エンドヌクレアーゼ検知サイト、及び宿主細胞用として選 択可能なマーカーを含み得る。 本発明の別の実施例では、FSECをコードする自然発生ヌクレオチド配列と ハイブリッド形成可能なfsec特異的核酸ハイブリダイゼーションプローブが 提供される。FSECをコードする配列の検知のため のこのようなプローブは、配列番号:1の非保存領域から得られるヌクレオチド フラグメントを含むのが好ましい。近縁関係にあるケモカインをコードする配列 の検出のためのこのようなプローブは、C−CまたはC−Cをコードする配列の ヌクレオチドの少なくとも50%を含むのが好ましい。本発明のハイブリダイゼ ーションプローブは、配列番号:1のヌクレオチド配列、または自然発生fse cのプロモータ、エンハンサー要素、及びイントロンを含むゲノムの配列に由来 するものであり得る。ハイブリダイゼーションプローブは、様々なリポーターグ ループにより標識され得るが、このリポーターグループには、32Pまたは35Sの ような放射性核種、若しくはアルカリホスファターゼのような酵素標識が含まれ 、これらはアビジン/ビオチン結合系を介してプローブに結合する。この他当業 者に周知の技術を用いてプローブを標識することができる。 米国特許第4,965,188号、第4,683,195号、及び第4,80 0,195号明細書に記載されているようなPCR法の実施において、FSEC をコードするヌクレオチド配列に基づくオリゴヌクレオチドの別の使用方法があ る。このようなPCRにおいて使用されるプローブは、組換えにより得られたも のであるか、化学的に合成されたものであるか、若しくは両者の混合であり得、 また、診断的な使用に供される分散したヌクレオチドまたは近縁関係にあるゲノ ム配列の同定に用いられる可能な変性配列のプールを含み得る。 fsec特異的ハイブリダイゼーションプローブを産生するための他の方法に は、mRNAプローブの産生のためのベクターへの、FSEC及びFSEC誘導 体をコードする核酸配列のクローニングが含まれる。このようなベクターは従来 より周知であり、または市販されており、例えばT7またはSP6 RNAポリ メラーゼのような適当なRNAポリ メラーゼ及び適当な放射性の標識をなされたヌクレオチドを添加することにより in vitroでRNAプローブを合成するのに使用することができる。 現在完全に化学合成によりFSEC及びFSEC誘導体をコードするDNA配 列、またはその部分を産生することが可能であり、その後、従来より周知の試薬 、ベクター、及び細胞を用いて様々な市販のDNAベクターに挿入することがで きる。化学合成を用いて、fsecポリヌクレオチド配列若しくはその部分に突 然変異を起こさせることも可能である。 DNA配列決定の方法は、従来より周知である。従来の酵素を用いる方法では 、DNAポリメラーゼクレノウフラグメント、SEQUENASE(登録商標) (US Biochemical Corp. Cleveland, OH )またはTaqポリメラーゼを用いて、興味の対象のDNA鋳型にアニーリング されたオリゴヌクレオチドプライマーからDNA鎖を延長する。この方法は、一 本鎖及び二本鎖の双方の鋳型を用いるのに開発されたものである。チェーンター ミネーション反応の生成物は、通常ユリアアクリルアミドゲル上で電気泳動処理 され、オートラジオグラフィ(放射性核種で標識された前駆体の検出)、または 蛍光体(蛍光体で標識化された前駆体の検出)の何れかにより検出される。機械 を用いた反応調製、蛍光体検出を利用した分析及び配列決定の技術の近年の進歩 により、1日当たりに決定され得る配列数は増加した(ここでは、例えばCat alyst 800及びApplied Biosystem 373DNAシ ーケンサのような機械を用いる)。 このヌクレオチド配列を用いて、FSECの発現レベルの異常に関連する炎症 及び疾病の検出のためのアッセイを構築することができる。このヌクレオチド配 列は、従来より周知の方法で標識した上で、ハイブリ ッド形成条件の下で患者の体液または組織の試料に添加することができる。イン キュベーション時間の経過後、ヌクレオチドが酵素で標識されていた場合には、 所望に応じて染料(または他の展開剤を必要とする標識)を含有する適合性の液 体で試料が洗浄される。この適合性の液体を洗い流した後、染料を定量し、標準 値と比較する。染料の量が著しく多い場合には、このヌクレオチド配列は試料と ハイブリッド形成したことになる。fsecが異常なレベルで存在している場合 には、このアッセイにより炎症及び/または疾病の存在が確認されたことになる 。 fsecのヌクレオチド配列を用いて、その遺伝子のマッピングのためのハイ ブリダイゼーションプローブを構築することができる。ここに開示するヌクレオ チド配列の染色体及び染色体の特定の領域へのマッピングを、周知の遺伝子及び /または染色体マッピング技術を用いて行うこともできる。このような技術には 、in situハイブリダイゼーション、既知の染色体マーカーに対するリン ケージ分析、既知の染色体に対して特異的なライブラリまたはフローソートされ た染色体調合物を用いたハイブリダイゼーションスクリーニング等が含まれる。 染色体延展(chromosome spread)の蛍光in situハイブリダイゼーショ ン技術については、他の文献、即ち“Verma et al (1988) Human Chromosomes: A Manual of Basic Techniques, Pergamon Press, NYC”に記載 されている。 染色体調合物の蛍光in situハイブリダイゼーション及び他の物理的染 色体マッピング技術は、追加的な遺伝子地図データと関連付けられ得る。遺伝子 地図データの例としては、“O’Brien (1990) Genetic Maps: Locus Maps of Complex Genomes, Book 5; Human M aps, Cold Spring Harbor Laboratory, NY”がある。物理的染色体地図上でのfsecをコードする遺伝子の位置と特 定の疾病(若しくは特定の疾病に対する素因)との間の相関関係は、この遺伝病 に関連するDNAの領域の範囲を特定するための助けとなる。本発明のヌクレオ チド配列を用いて、健常者の遺伝子配列と、キャリアまたは遺伝病の保因者の遺 伝子配列との相違を検出することができる。 FSECをコードするヌクレオチド配列を用いて、周知の組換えDNA技術を 利用して精製FSECを作り出すことができる。遺伝子を単離した後、その遺伝 子を発現させる方法を記載した文献は数多くあるが、その例としては、“Goe ddel (1990) Gene Expression Technolo gy, Methods and Enzymology. Vol 185, Academic Press, San Diego”がある。FSECは 、原核細胞または真核細胞の何れかの様々な宿主細胞内において発現され得る。 宿主細胞は、fsecヌクレオチド配列が内生である種と同一の種、あるいは異 なる種の何れからでも得ることができる。組換えDNA技術によってFSECを 産生することの利点には、精製用として高濃度に濃縮されたタンパク質源が得ら れること、及び精製のための簡単な手順が利用できるようになることがある。 FSECは、タンパク質精製を容易にするべく添加された1または2以上の追 加のポリペプチドを有するキメラタンパク質として発現され得る。このような精 製促進ドメイン(分子内領域)には、固定化金属上での精製を可能にするヒスチ ジン−トリプトファンモジュールのような金属キレート化ペプチド固定化免疫グ ロブリン上での精製を可能にするタンパク質Aドメイン、及びFLAGS伸展/ アフィニティ精製システム (Immunex Corp, Seattle, WA)において利用される ドメイン等があるが、これらに限定されるものではない。切断可能なリンカー配 列(例えばXA因子またはエンテロキナーゼ)が精製ドメインと、FSECをコ ードする配列との間に含まれていると、FSECの精製を促進するのに役立つこ とがある。 FSECをコードするDNAによって形質転換された細胞は、FSECの発現 及び細胞培地からのタンパク質の回収に適切な条件の下で培養され得る。組換え 細胞により産生されたFSECは、使用される特定の遺伝子構造に応じて、分泌 されるか、あるいは細胞内に保持され得る。一般に、組換えタンパク質は、分泌 される形態で準備しておくのがより便利である。精製のステップは、使用される 産生プロセスの性質及び産生される特定のFSECの性質に基づいて決まる。 本発明のFSEC cDNAのタンパク質への翻訳は、cDNAを適当な発現 ベクターにサブクローニングし、このベクターを適切な発現宿主に感染させるこ とによりなされ得る。実施例7に記載されているように、FSECの発現及び精 製のための好適な発現ベクターは、FSECを含む融合タンパク質の発現用とし て使用でき、かつ6個のヒスチジン残基、次いでチオレドキシン及びエンテロキ ナーゼ切断サイトをコードする核酸を含むものである。ヒスチジン残基は、IM IAC(固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー“Porath e t al. (1992) Protein Expression and Purification 3:263:281”に記載)上での精製を促進し 、一方エンテロキナーゼ切断サイトは、融合タンパク質からのケモカインの精製 のための手段となる。 ここに開示するcDNAライブラリの産生に用いられる発現ベクターは、クロ ーニングサイトの上流にあるβ−ガラクシトシダーゼに対する プロモータ、それに続くアミノ末端Metで、それに続くβ−ガラクシトシダー ゼの7つの残基、それに続く人工的プライミング及び転写のために有用なバクテ リオファージプロモータ及び多数の独特の制限サイト(Eco RIを含む)を 含むヌクレオチド配列を有し、またこの発現ベクターは本発明のケモカインの発 現のためにも用いることができる。IPTGを有する単離された菌株を、標準的 な方法で導入することにより、β−ガラクシトシダーゼの7つの残基に始まり、 リンカーの約15個の残基、及びcDNA内部でコードされたFSECに対応す る融合タンパク質が産生される。cDNAクローン挿入断片は、必ずランダムプ ロセスにより産生されることから、含まれたcDNAが適切な翻訳のための正し い読み枠に存在する可能性は3つに1つである。cDNAが適切な読み枠に存在 しない場合には、in vitro突然変異を含む周知の方法による適切な数の 塩基の除去または挿入や、エキソヌクレアーゼIIIまたは大豆ヌクレアーゼを 用いた消化、若しくはオリゴヌクレオチドリンカーの混入により、正しい読み枠 に存在するものを得ることができる。上述のように、FSECは細菌系において 発現される。 FSECをコードする本発明のヌクレオチド配列は、特定の宿主におけるタン パク質源の発現のために有用であることが知られているベクターに移入され得る 。クローニングサイトと共に、目標cDNA(25塩基)の両端における伸展部 分とハイブリッドを形成するのに十分なDNAのセグメントを含むオリゴヌクレ オチドアンブリマーは、標準的な方法で化学的に合成され得る。次いで、これら のプライマーを用いて、PCR法により所望の遺伝子セグメントを増幅すること ができる。得られた新たな遺伝子セグンメントは、標準的な条件の下で適当な制 限酵素で切断し、ゲル電気泳動法により単離することができる。別の形態として 、適当な制限酵素を用いてヌクレオチド配列を切断し、欠失した遺伝子セ グメントに化学的に合成されたオリゴヌクレオチドを埋め込むことにより、類似 の遺伝子セグメントを産生することができる。更に、複数の遺伝子から得られた 配列をコードするセグメントを相互に結合し、適当なベクターにクローニングし て、組換え配列の発現を最適化することができる。 このようなキメラ分子用の適切な発現宿主には、チャイニーズハムスターの卵 巣及びヒト293細胞のような哺乳類の細胞、Sf9細胞のような昆虫の細胞、 サッカロミセスセルビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のような酵母菌細胞、 及びE.coliのような細菌が含まれるが、これらに限定されるものではない 。このような細胞系のそれぞれに対して有用な各発現ベクターも、細菌内での増 殖を可能にする複製起点、及びβ−ラクタマーゼ抗抗生物質遺伝子のような細菌 内での選択を可能にする選択可能なマーカーを含み得る。更に、このベクターは 、感染された真核宿主細胞群における選択を可能にする、ネオマイシンホスホト ランスフェラーゼ遺伝子のような第2の選択可能なマーカーを有し得る。真核細 胞の発現宿主において使用するためのベクターは、3′ポリアデニル化配列のよ うなRNAプロセシング要素を、それが興味の対象であるcDNAに含まれてい ない場合には必要とすることがある。 更に、このベクタ ーは遺伝子発現を増加させるプロモータまたはエンハンサ ーを含み得る。このようなプロモータは宿主特異的であって、MMTV、SV4 0、またはCHO細胞用のメタロチオネインプロモータや、細菌宿主用のtrp 、lac、tac、またはT7プロモータや、酵母菌用のα因子、アルコール酸 化酵素、またはPGHプロモータが含まれる。RSVエンハンサーのような転写 エンハンサーは、哺乳類の宿主細胞において使用され得る。ひとたび標準的な培 養法により均一な組換え細胞の培養物が得られると、組換えにより産生されたF SECが大 量に条件培地から得られ、当技術分野において周知のクロマトグラフィー法によ り分析できることになる。 組換え体の産生に加えて、固相技術を用いた直接のペプチド合成によりFSE Cフラグメントを産生することもできる。(“Stewart et al ( 1969) Solid−Phase Peptide Synthesis, WH Freeman Co. San Francisco; Merri field R (1963) J Am Chem Soc 85:2149 −2154”参照)。in vitroタンパク質合成は、手作業、あるいは機 械により自動的に行うことができる。自動的な合成は、例えばApplied Biosystems 431A Peptide Synthesizer( Foster City, California)を製造業者の指示に従って 用いることにより行うことができる。FSECの様々なフラグメントを個別に化 学合成し、化学的な方法により結合することによってFSECの全体を産生する こともできる。 抗体の誘発において使用するためのFSECは、免疫活性を有していなければ ならない。FSEC特異的抗体の誘発において使用するためのペプチドは、その ペプチドが、自然発生FSECの一部分の三次元的構造を保持しているような少 なくとも5個、好ましくは少なくとも10個のアミノ酸からなるアミノ酸配列を 含み、自然発生FSECの全アミノ酸配列を含んでいてもよい。FSECのアミ ノ酸配列の短いストレッチは、ヒザラガイヘモシアニン(KLH)や抗体産生に 使用されるキメラ分子のような他のタンパク質のストレッチと融合され得る。 本発明のFSECに対するモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体を調製 するための方法は、様々なものが当業者の知るところであろう。その方法の1つ は、逆相HPLC分離から変性FSECを得て、これを 用いて当業者に周知の技術でマウスまたはウサギを免疫化する方法である。マウ スの免疫化には変性FSEC約100μgで十分であり、ウサギの免疫化には最 大1mgを用いることができる。マウスハイブリドーマを同定するために、変性 タンパク質を放射性要素で標識し、これを用いて潜在性ネズミB細胞ハイブリド ーマをスクリーニングして、抗体を産生するものを分離することができる。この 方法では、必要なタンパク質の量はわずかであり、数1000のクローンを標識 しスクリーニングするためには20mgで十分である。 別の方法では、FSECのアミノ酸配列はcDNA配列から推論されるように 、その分析により免疫抗原性の高い領域が決定される。これらの領域を含むポリ ペプチドを合成し、適切な免疫化プロトコルで使用して抗体を産生する。適切な エピトープを選択するための分析方法は、“Ausubel FM et al (1989, Current Protocols in Molecul ar Biology, Vol 2. John Wiley & Sons )”に記載されている。免疫化のための最適なアミノ酸配列は、通常、そのタン パク質が自然のコンフォーメーションをなしているときに外部環境にさらされや すいポリペプチドのC末端、N末端、及びその間に介在する親水性領域に存在す る。 典型的には、約15残基の長さを有する選択されたポリペプチドは、fmoc 化学を用いるApplied Biosystems Peptide syn thesizer model 431Aを用いて合成され、M−マレイミドベ ンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS;上述のAusub el FM et al参照)と反応させることによりヒザラガイヘモシアニン またはキーホールリンペットヘモシアニン(KLH;Sigma)と結合される 。必要ならば、K LHに結合できるようにペプチドのN末端にシステインを挿入してもよく、動物 は、フロイント完全アジュバントによりペプチド−KLH複合体で免疫化される 。得られた抗血清は、ペプチドをプラスチックに結合し、1%のBSAでブロッ クし、抗血清と反応させ、その後洗浄し、(放射性または蛍光性の)標識をなさ れたアフィニティ精製された特異的ヒツジ抗ウサギIgGと反応させることによ り、抗ペプチド活性をテストすることができる。 ハイブリドーマも標準的な技術を用いて調製される。興味の対象となるハイブ リドーマは、標識化FSECでスクリーニングし、所望の特異性を有するモノク ローナル抗体を産生するそれらの融合体を同定することにより検出される。例え ば、典型的なプロトコルでは、プレート(FAST, Becton−Dick inson, Palo Alto, CA)の穴が、アフィニティ精製された 特異的ウサギ抗マウス(または適当な抗種Ig)抗体約10mg/mlでコーテ ィングされる。コーティングされた穴は1%のBSAでブロックされ、洗浄され て、ハイブリドーマの上清液にさらされる。インキュベーションの後、この穴は 約1mg/mlの濃度の標識化FSECにさらされる。抗体を産生するクローン は、上述のような条件の下で検出可能な量の標識化FSECと結合する。このよ うなクローンは、増殖された上で、限界希釈(1細胞/3穴)で2サイクルのク ローニングをなされる。クローニングされたハイブリドーマは、プリスタン処置 を受けたマウスに注射され、マウスの復水が作り出される。モノクローナル抗体 は、タンパク質Aを用いるアフィニティクロマトグラフィーにより、マウスの復 水から精製される。少なくとも108-1、好ましくは109〜1010以上の親和 力を有するモノクローナル抗体は、典型的には、“Harlow and La ne (1988) Antibodies: A Laborator y Manual, Cold Spring Harbor Laborat ory, NY”または“Goding (1986) Monoclonal Antibodies: Principles and Practice , 2d Ed. Academic Press New York Cit y”に記載の標準的な手順により作られる。これらの文献を本明細書と共に参照 されたい。 特定のFSEC配列に対して特異的な抗体は、適当な動物にFSEC配列を接 種することにより産生され得る。抗体が、配列番号:2に開示されたFSECポ リペプチドの全体または一部分に対して産生され、そのタンパク質の全体または 一部分に結合するならば、その抗体はFSECに対して特異的であると言える。 抗体の誘発は、動物への注射により生ずる免疫反応の刺激作用によるもののみな らず、合成抗体、または組換え免疫グロブリンライブラリ(“Orlandi et al (1989) PNAS 86:3833−3837またはHus e et al (1989) Science 256:1275−1281 ”参照)またはリンパ球集団のin vitro刺激作用によっても起こる。現 在の技術(“Winter and Milstein (1991) Nat ure 349:293−299”)では、抗体形成の原理に基づき、高度に特 異的に結合する多数の試薬を提供することができる。このような技術は、FSE Cに特異的に結合し得る分子の産生に容易く適用することができる。 FSECをコードするポリペプチドは、例えば腫瘍形成、慢性関節リウマチ、 強皮症、及び乾癬のような血管新生に関連する様々な異常な状態を治療するのに 有用なものとなり得る。FSEC遺伝子配列を細胞に導入することにより遺伝子 治療を用いて、血管新生関連の病気の状態に関連するFSECの過剰発現または 発現不足によって特徴付けられる状 態を治療することができる。例えば、FSECをコードするポリヌクレオチドは 、機能不全内生遺伝子を置換したり、またはそれに代わって効果を発揮すること ができる。これとは別に、FSEC若しくはそのフラグメントを用いて、血管新 生関連の病気または状態の治療を行うことができる。 レトロウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、 またはウシ乳頭腫ウイルスのようなウイルス由来の発現ベクターを用いて、FS ECをコードするヌクレオチド配列を、標的細胞集団に分配することができる。 当業者には周知の方法を用いて、FSECポリヌクレオチド配列を含む組換えウ イルスベクターを構成することができる。このような技術の例は“Maniat is et al., 1989, Molecular Cloning A Laboratory Manual, Cold Spring Harb or Laboratory, N.Y.”及び“Ausubel et al ., 1989 Current Protocols in Molecul ar Biology, Greene Publishing Associ ates and Wiley Interscience, N.Y.”に記 載されており、これらを参照されたい。別の形態として、組換えFSEC分子を 、リボソーム内に再構成して、標的細胞に分配することができる。従って、本発 明は、効果的な量のFSECをコードするポリヌクレオチド配列及び薬化学的に 適格の担体を含む血管新生関連の病気状態を治療する薬化学的組成物を提供する 。本発明は更に、効果的な量のFSECをコードするポリヌクレオチドの患者へ の投与を含む、血管新生関連の疾病を患っている患者の治療方法を提供する。こ れとは別に、炎症に関連する状態のような、FSECの過剰発現によって特徴付 けられる異常状態の治療を、FSECmRNAの翻訳を抑制 するアンチセンス核酸を遺伝子治療技術を用いて導入することにより、行うこと ができる。 FSECの抗体、阻害剤、アンチセンス分子、レセプタ、若しくは類似体(過 剰なFSEC産生に対する処理剤、以下略して“TEC”と称する)は、治療的 に投与されたときそれぞれ異なる効果を与え得る。このTECは、無毒性で、不 活性で薬化学的に適格な水性担体媒質でありそのpHは約5〜8、より好適には 6〜8のである。但し、このpH値は、照合される抗体、阻害剤、レセプタ、ま たは類似体の特性や治療される病状に応じて変わってくる。TECの特性には、 分子の可溶性、半減期、及び抗原性/免疫抗原性が含まれ、効果的な担体を決定 するのに役立ち得る。自然発生ヒトタンパク質はTECとして好適であるが、薬 物スクリーニングによって得られた有機分子も特定の状態の下では同様に効果的 であり得る。 TECは、局所塗布用クリームまたはゲル、粘膜透過性スプレーまたはエーロ ゾル、皮膚透過性パッチまたは包帯、注射可能な静脈内または洗浄調合物及び経 口投与液若しくは錠剤を含む周知の投与経路によって与えられ得るが、投与の仕 方は以上挙げたものに限定されない。特定の配合、正確な投与量、及び投与経路 は、病院所属医師により決定され、それぞれの状況に応じて変わってくる。 このような決定は、治療を受ける条件、投与されるTEC、及び特定のTEC の薬動力学的プロフィールのような様々な変量を考慮してなされる。考慮され得 る他の因子には、病状、患者の年齢、体重、性別、食事、投与の回数、薬物の組 合せ、反応感受性及び治療に対する耐性/反応が含まれる。長時間作用するTE C調剤の投与の頻度は、特定のTECの半減期及び消失速度に応じて、3日から 4日に1回、1週間に1回、または2週間に1回であり得る。 通常の投与量は、投与経路に応じて0.1〜100,000μg、最大1gの 間で変化し得る。TECの特定の投与量に関しての説明は以下の文献、即ち米国 特許第4,657,760号、第5,206,344号、または第5,225, 212号明細書に記載されている。TECの種類に応じて効果的な配合も変わり 、また肝臓を標的にする投与と、下垂体を標的にする場合では、投与方法も異な ってくることが予測される。 ヒトの脾臓に関連する状態、または白血球、特定の単球及びマクロファージを 活性化する疾病及び永久損傷は、TECで治療され得ると考えられる。これらの 状態若しくは病気は、後に説明する診断テストにより詳しく診断され得る。この ような診断テストは、例えばエプスタイン・バーウイルス、ホジキン病、様々な 新生物または非特異的咽頭炎にかかっている疑いのある患者に対して行われるべ きである。 以下の実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するもの ではない。 実施例 1.mRNAの単離及びcDNAライブラリの構築 fsecのcDNA配列は、初めにヒト胎児脾臓ライブラリを含むポリヌクレ オチド配列の中から同定された。このライブラリは、ヒトの胎児の脾臓から外科 的に取り出された組織から構築された。ヒト胎児脾臓組織は、カリフォルニア大 学ロスアンジェルス校から冷凍状態のものが得られた。冷凍組織は、乳鉢と乳棒 ですりつぶされ、すぐにグアニジウムイソチオシアナーテ(“Chirgwin JM et al (1979) Biochemistry 18:529 4”参照)を含有する緩衝液に溶解された。溶解に続けて、セノール−クロロホ ルム抽出 及びエタノール沈殿が数回行われた。ポリ(A+)mRNAは、常磁性粒子に結 合されたストレプトアビジンとビオチン化オリゴd(T)を用いて単離された( “Poly(A) Tract Isolation System; Pro mega, Madison, WI”)。 ヒト胎児脾臓組織から得られたポリ(A)mRNA(Stratagene Inc. ;11011 N. Torrey Pines Rd., La Jolla, CA 92037)を用いて、cDNAライブラリを構築した。 cDNAの合成は、オリゴd(T)及び/またはランダム六量体をプライマーと して用いて行われた。合成アダプタオリゴヌクレオチドはUNI−ZAP(商標 ) vector system (Stratagene Inc.)に挿入 することができるようにcDNAの末端に結合された。これにより高い効率で一 方向性(センス方向)のλライブラリ構築が可能となり、cDNA挿入体を有す るクローンを検出するための青−白の色による選択ができるプラスミド系の利点 を利用できるようになる。 各cDNAライブラリの品質は、DNAプローブと抗体プローブの何れかを用 いてスクリーニングされ、次いでpBluescript(商標登録)ファージ ミド(Stratagene Inc.)が生細胞の中で手早く切り取られた。 このファージミドにより、簡単に挿入断片の特徴付け、配列決定、部位指定突然 変異誘発、一方向性の形質の形成及び融合タンパク質発現のために、プラスミド 系を使用することが可能となる。各ライブラリからのファージ粒子は、E.co li宿主細胞株XL1−BLUE(商標登録)(Stratagene Inc .)に感染させられた。XL1−BLUEの形質転換効率が高いために、少ない 比率で表現されたクローンをcDNAライブラリから得られる可能性が高められ る。 2.cDNAクローンの単離 ファージミド形態の個々のcDNAクローンは、in vivo切除プロセス により得られた。このプロセスでは、XLI−BLUEが、f1ヘルパーファー ジと同時に感染された。λファージ及びf1ヘルパーファージの双方に由来する タンパク質は、λ標的DNA上の定められた配列から新たなDNA合成を開始し 、pBluescriptプラスミド及びcDNA挿入断片の全てのDNA配列 を含む小さな一本鎖環状ファージミドDNA分子を形成した。このファージミド DNAは、細胞から放出され、精製されて、更に新鮮な細菌性宿主細胞(SOL R, Stratagene Inc.)に再感染するのに使用されて、ここで 二本鎖のファージミドDNAが産生された。ファージミドがβ−ラクタマーゼに 対する遺伝子を保有していることから、新たに形質転換された細菌が、アンピシ リンを含有する培地上で選択された。 ファージミドDNAは、QIAGEN(商標登録) DNA Purific ation System (QIAGEN Inc., 9259 Eton Ave., Chatsworth, CA 91311)のQIAWELL −8 Plasmid Purification Systemを用いて精製 された。この技術は、細菌細胞を溶解し、高度に精製されたファージミドDNA を単離するための、高速で信頼性が高く高スループットの方法である。精製樹脂 から溶離されたこのDNAは、DNA配列決定及び他の分析的操作に適したもの であった。 3.cDNAクローンの配列決定 ヒト胎児脾臓ライブラリのランダム分離により得られたcDNA挿入断片は、 部分的に配列決定された。このcDNAは、Hamilton Micro L ab 2200 (Hamilton, Reno NV)と、4台のPelt ier Thermal Cyclers (PTC200 from MJ Research, Watertown MA)及びApplied Biosystems 377 or 373 D NA Sequencing Systems (Perkin Elmer) を組み合わせて用いて、Sanger F. And AR Coulson (1975; J. Mol. Biol, 94:441f)記載の方法によ り配列決定され、DNAの読み枠が決定された。 4.cDNAクローン及び演繹されたタンパク質の相同性検索 各cDNAの配列は、Applied Biosystems社製の検索アル ゴリズムを、INHERIT(商標) 670 Sequence Analy sis Systemに組み込んで用いて、GenBankの配列と比較された 。このアルゴリズムでは、Pattern Specification La nguage (TRW Inc., Los Angeles CA)を用い て、相同性領域を決定した。配列比較をどのように行うかを定める3つのパラメ ータは、ウィンドウサイズ、ウィンドウオフセット、及び誤差許容度であった。 これら3つのパラメータの組合せを用いて、興味の対象である配列に対して相同 性を有する領域を含む配列を、DNAデータベースから検索し、適当な配列に対 して初期値と共にスコアが付けられた。続いて、これらの相同領域を、ドットマ トリクス相同性プロット法を用いて検定し、偶然の一致と真の相同領域とを区別 した。相同性検索の結果を表示するためにSmith−Watermanアライ ンメント用いた。 ペプチド及びタンパク質配列の相同性は、INHERIT(商標)670 S equence Analysis Systemを用いて、DNA配列の相同 性の検査に類似した方法で確認された。Pattern Specificat ion Language及びパラメータウ ィンドウを用いて、相同性領域を含むタンパク質配列のデータベースを検索し、 相同性領域は初期値と共にスコアを付けられて表示された。ドットマトリクス相 同性プロット法により検定を行い、有意な相同性領域を偶然の一致と区別した。 BLAST(ベーシック局部的一致検索ツール)(“Basic Local Alignment Search Tool (Altschul SF( 1993) J Mol Evol 36:290−300, Altschu l, SF et al (1990) J Mol Biol 215:40 3−10)”参照)を用いて、局部的な配列の一致を検索した。BLASTは、 ヌクレオチド及びアミノ酸配列双方のアライメントを検出して、これにより配列 の類似性が決定される。アライメントが局部的であるために、BLASTは、ギ ャップを含まないアライメントを求めるのに有用なものである。BLASTアル ゴリズム出力の基本単位は、High−scoring Segment Pa ir(HSP)である。 HSPは、アライメントが局部的に最大となる部分の長さが等しく、アライメ ントスコアがユーザがセットしたカットオフスコアまたは閾値スコア以上である ような2つの配列フラグメントからなる。BLASTを用いる方法により、興味 の対象となる配列と、データベース配列とのHSPを捜し、発見された一致の統 計的優位性を評価し、ユーザが選択した優位性の閾値を超える一致のみを知るこ とができる。パラメータEは、データベース配列との一致で報告されるものを選 択するための、統計的優位性の閾値を設定する。Eは、データベース検索全体の 文脈の中で、HSP(若しくはHSPの組)の偶然の一致の予定頻度の上限と解 釈される。Eを満たすデータベース配列は、プログラムの出力において報告され る。 ヒト胎児脾臓発現型ケモカイン(FSEC)に対するヌクレオチド配列及びア ミノ酸配列は、それぞれ配列番号:1及び配列番号:2に示されている。 5.遺伝子の同定及び全長さにわたる配列決定 ヒト胎児脾臓ライブラリのクローンの中からランダムにピックアップし配列決 定すると、既知のC−Cケモカイン分子との相同性を有するが、明らかに異なっ ているfsec配列が見つけられた。このfsecに対するヌクレオチド配列は サイトカイン社クローンNO.29592内において発見された。予測される全 ての可能な3つのこの配列の翻訳物について、SwissProt及びPIRの ようなタンパク質データベースを検索したが、fsecの可能な翻訳物と完全に 一致するものは見つけられなかった。第2図に示すのは、FSECと他のケモカ イン分子との比較であって、C−Cモチーフを含む実質的な相同領域が共有され ているところが示されている。しかし、系統分析により、FSECは、他のよく 特徴付けられたヒトC−Cケモカインとは近縁関係にないことが分かった(第4 図参照)もこれらの分子の最も近縁なものは、図面の右側に集まっている。この 結果が表しているのは、FSECが、C−Cケモカインの新たなサブファミリー または変異体であることだと考えられる。 6.アンチセンス分析 FSECの正しい完全なcDNA配列を知ることにより、遺伝子機能の調査で のアンチセンス技術に、これを適用することが可能になる。FSECをコードす るポリヌクレオチド配列のアンチセンス鎖を含むゲノムのまたはcDNAのフラ グメントをin vitroまたはin vivoで用いて、特定のタンパク質 の発現を阻害することができる。このような技術は周知であり、ヌクレオチド配 列の様々な部位に付くプロ ーブをデザインすることができる。細胞または実験動物の全体をこのようなアン チセンス配列で処理することより、興味の対象である遺伝子の機能を効果的に遮 断することができる。多くの場合、細胞レベル、組織レベル、若しくは生物体全 体のレベルでの挙動(例えば死亡率、分化した機能の消失、形態の変化等)を観 察することにより、その遺伝子の機能を確認することができる。 開放された読み枠の転写を妨害するように構築された配列を用いることに加え て、イントロン領域、プロモータ/エンハンサー要素、またはトランス作用調節 遺伝子に対するアンチセンス配列をデザインすることにより、遺伝子発現を修飾 することかできる。同様に、“三重らせん体(トリプルヘリックス)”塩基対と して知られるHogeboom塩基対を用いて阻害を達成することができる。 7.FSECの発現 FSECをコードするヌクレオチド配列を発現ベクターにクローニングした。 この発現ベクターは、T7プロモータに始まり、それに続く開始メチオニンコド ン(ATG)、それに続くE.coliのTrxA遺伝子(チオレドキシンをコ ードするもの)、それに続くエンテロキナーゼ切断可能部位をコードする配列、 及びFSECをコードするヌクレオチド配列を含むものである。FSECに対し ては、発現されたタンパク質のN末端残基は配列番号:2の配列の第24残基の Leu(ロイシン)である。 6個のヒスチジンコドンを含む上述の発現ベクターを用いて宿主細胞を形質転 換させ、宿主細胞培地をIPTGで誘発して発現されたタンパク質に、変性SD Sポリアクリルアミドゲル電気泳動法を施した。発現ベクターから得られた核酸 は、上述のSambrookのミニプレッププロシージャを用いて部分的に精製 され、これによりスーパーコイルし たDNAが産生された。約100ngのDNAを用いて、宿主細菌細胞W311 0/DE3を形質転換させた。W3110/DE3は、ATCCのW3110及 びNovagen社製のlambda DE3 lysogenization kit(DE3溶原化キット)を用いて構築された。DE3溶源は、その親W 3110より形質転換受容性が低いことが多く、効率的な形質転換のためのスー パーコイルしたDNAの使用に適用される。 各ケモカイン形質転換から1つの形質転換体が選択され、それを用いてアンピ シリン含有L−ブロスの5mlの培地に接種した。各5mlの培地は、振とうし た上で37℃で一晩(12〜15時間)増殖させた。一晩おいた後、その培地の 1mlを、500mlのフラスコ内で、アンピシリン含有L−ブロスの100m lの培地に接種し、振とうした上で37℃で増殖させ、培地のOD600が0. 4〜0.6に達するで放置した。接種された細胞がOD600の値で0.6を越 えるまで増殖した場合には定常期に入り、誘発レベルは低減する。 接種の時に、5mlの試料を取り出し、氷上に設置して、前誘発(preinducti on)試料(または0時間試料)として用いた。この細胞培地がOD600の値で 0.6に達したとき、100mM IPTG原液の400μlを添加して、最終 的な濃度は0.4mMになるようにした。この培地は、振とうした上、37℃で 3時間増殖させた。1時間から最大6時間の間隔で、培地の5mlの分割量を取 り、変性SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法で発現誘発の分析を行った。 融合タンパク質は、細胞の不溶性分画に蓄積していることが観察された。 FSECの誘発が最大となるのは2時間経過したときであった。4時間以上増 殖させると、培地で溶解が生じ、このタンパク質分解により所望のタンパク質の 全体としての収量は低減した。0時間、1時間、及び 2時間経過したときに細胞培地の5mlの分割量を取り4℃で5分間3000R PMで遠心分離した。その上清を吸引し、細胞の溶解を促進すべくピペットに凍 結融解処理を施した。このピペットは4℃でTE[10mM Tris−HCL pH 8.0, 1mM EDTA pH 8.0]に再懸濁した。その量は TE(μl)=(OD600)(250)で計算される量であった。各試料には 同量の2×SDS Sample Loading Buffer(Novex )が添加された。この試料を5分間煮沸し、各レーンにつき10μlの各試料を 負荷したゲル電気泳動法の結果、FSEC融合タンパク質は、変性SDSゲル上 で24KD分子量(予定分子量24093ダルトン)の位置に移動した。 8.組換えFSECの単離 FSECはキメラタンパク質として発現された。このキメラタンパク質は、6 個のヒスチジン、それに続くE.coliのチオレドキシン(TrxA)遺伝子 を有し、TrxAタンパク質とFSECとの間にエンテロキナーゼ切断部位を有 していた。ヒスチジンは、タンパク質の精製を促進するために添加されたもので ある。ヒスチジンが存在することにより、IMIACクロマトグラフィー(Po rath:上述)上での精製が可能となる。 9.FSEC特異的抗体の産生 PGECに対するポリクローナル抗体を、上述のセクション7に記載したよう に、電気泳動で精製されたPGEC融合タンパク質を約100μgウサギに注射 することにより調製した。一次抗体の注射から約8週間の後、ポリ クローナル 血清を回収した。配列番号:2のFSECのうちの残基25〜42からなるFS ECのペプチドに対するポリクローナル抗体が、通常の方法により調製された。 10.FSEC特異的抗体を用いた診断テスト 特定のFSEC抗体を、前病状態の診断、及びFSECの量または分布の差に よって特徴付けられる慢性または急性の疾病に対する診断に用いることができる 。FSECは、それが同定される特定の組織の異常または病状に対して特異的で あることが多い。 FSECに対する診断テストには、ヒトの体液、組織またはこのような組織の 抽出物においてFSECを検出するために抗体及び標識を用いる方法が含まれる 。本発明のポリペプチド及び抗体は、修飾した上で使用されることもあれば、修 飾せずに使用されることもある。多くの場合ポリペプチド及び抗体は、検出可能 なシグナルを提供する物質と共有結合または非共有結合で結合させることにより 標識される。標識及び接着技術には様々なものが知られており、化学的な文献あ るいは特許明細書の双方において広く記載されている。適当な標識としては、放 射線核種、酵素、気質、補因子、阻害剤、蛍光剤、化学ルミネセンス剤、磁性粒 子等が有る。このような標識の使用について記載されている特許明細書には、例 えば米国特許第3,817,837号、第3,850,752号、第3,939 ,350号、第3,996,345号、第4,277,437号、第4,275 ,149号、第4,366,241号の明細書がある。また組換え免疫グロブリ ンの産生方法は、米国特許第4,816,576号明細書に記載されている方法 を用いることができ、本明細書と共に参照されたい。 可溶性または膜結合型FSECを測定するための、FSECに対して特異的な ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体の何れかを用いる様々なプロトコ ルが周知となっている。その例を挙げると、固相酵素免疫検定法(ELISA) 、放射線免疫検定法(RIA)、及び蛍光活性化細胞分析分類法(FACS)等 が有る。好適なのは、FSEC上の2つの非干渉エピトープに反応するモノクロ ーナル抗体を利用した2つ の部位のモノクローナルベースの免疫検定法であるが、競合的結合検定法を用い てもよい。これらの検定法は、“Maddox, DE et al (198 3, J Exp Med 158:1211)”他の文献に記載されている。 11.特異的抗体を用いる未変性FSECの精製 未変性または組換えFSECは、FSEC特異的抗体を用いたイムノアフィニ ティクロマトグラフィーにより精製された。一般に、イムノアフィニティカラム は、抗FSEC抗体と活性化クロマトグラフィー樹脂が共有結合で結びつくこと によって構成される。 ポリクローナル免疫グロブリンは、実施例4に記載したように調製され、モノ クローナル抗体は硫安沈殿または固定化タンパク質A上でのクロマトグラフィー によりマウスの復水から調製される。部分的に精製された免疫グロブリンは、C nBr活性化Sepharose(Pharmacia LKB Biotec hnology)のようなクロマトグラフィー樹脂に共有結合によって付着する 。抗体は樹脂に結合し、製造者の指示に従いこの樹脂をブロックした後、誘導体 樹脂を洗浄する。 このようなイムノアフィニティカラムは、可溶型のFSECを含む細胞から分 核を調製することによってFSECの精製において用いられる。可溶化FSEC は、界面活性剤の添加または従来より周知の他の方法により遠心分離法を用いて 得られた細胞成分分画、若しくは細胞全体を可溶化することによって誘導される 。別の形態として、シグナル配列を含む可溶化FSECは、細胞が増殖する培地 に有用な量だけ分泌され得る。 可溶化FSEC含有調合物は、イムノアフィニティカラムを通されて、このカ ラムはFSECの好適な吸収が可能となる条件の下で(即ち、界面活性剤の存在 の下、高イオン強度の緩衝液の中で)FSECはカラムから溶離され、次いでF SECが回収された。 12.EC誘発走化性または細胞活性化の判定 FSECの走化性の活性は、48穴マイクロケモタキシスチャンバ(“Fal k WR et al (1980) J Immunol Methods 33:239”参照)で測定される。各穴はフィルタによって2つの区画に分割 されており、細胞が化学的勾配に応じてこのフィルタを通過できるようになって いる。FSECを含むRMPI1640のような細胞培養地は、通常はポリカー ボネート製のフィルタの一方の側に配置され、同じ媒地内で懸濁された細胞がフ ィルタの他方の区画に配置される。十分なインキュベーション時間が経過すると 、フィルタ前後の濃度勾配に応じて細胞がフィルタを通過する。その後、フィル タは各穴から取り出され、フィルタのFSEC側に付着した細胞が分類され定量 される。 特異的な細胞集団に対してケモタキシスアッセイを実施することにより、化学 誘因物質の特異性が判定される。初めに、静脈穿刺で得られた血液細胞が密度勾 配遠心分離法により分画され、好中球、末梢血単球細胞、単球及びリンパ球の濃 縮された集団に対して、特定のFSECの走化性(ケモタキシス)の活性がテス トされる。所望に応じて、このような濃縮細胞集団は、CD4+及びCD8+濃 縮T細胞集団のネガティブ選択のために、CD8+及びCD4+特異的抗体を用 いてそれぞれ更に分画される。 別の実験(アッセイ)により、活性化T細胞に対するFSECの走化性効果が 解明される。この実験では、未分画のT細胞または分画されたT細胞サブセット が、CD−3抗体でコーティングされた組織培養容器内で6〜8時間培養される 。このCD3活性化の後、FSECの走化性の活性が上述のようにテストされる 。また、濃縮細胞集団を得るための方法は、他にも様々なものが従来より周知で ある。 ケモカインの中には、好中球及び単球の非走化性細胞活性化作用を示すものも ある。これは、アクチン重合、呼吸バースト作用の増加、アズール親和性顆粒の 脱顆粒、及びシグナル伝達経路の一部としてのCa2+動員のような好中球活性化 作用の標準的な測定基準を媒介にして検定される。Ca2+の動員の検定法には、 Ca2+の結合によって放射特性が変化する蛍光プローブを好中球に前負荷する処 理過程が含まれる。細胞が活性化刺激にさらされたとき、蛍光光度計により細胞 を観測することにより、Ca2+の流れを知ることができる。Ca2+動員の測定に ついては、“Grynkievicz G et al. (1985) J Biol Chem 260:3440, and McColl S et al. (1993) J Immunol 150:4550−4555”に 記載されており、これを本明細書と共に参照されたい。 脱顆粒及び呼吸バースト反応は、単球においても測定される(“Zachar iae COC et al. (1990) J Exp Med 171: 2177−82”参照)。更に、単球活性化作用の測定基準には、接着分子発現 及びサイトカインの産生の調節を利用することができる(“Jiang Y e t al. (1992) J Immunol 148:2423−8”参照 )。接着分子の発現は、リンパ球の活性にも応じて変化する(“Taub D et al. (1993) Science 260: 355−358”参 照)。 13.薬物スクリーニング FSEC若しくはそのフラグメントは、様々な薬物スクリーニング技術で化合 物をスクリーニングする際に有用である。このようなテストにおいて用いられる FSECポリペプチドまたはフラグメントは、溶液の中に遊離している形態のも のか、固体の支持体に付着している形態のものか、細胞の表面に支持されている 形態のものか、あるいは細胞内に存 在する形態のものの何れかである。薬物スクリーニングの一方法では、宿主細胞 として、FSECポリペプチドまたはそのフラグメントを発現する組換え核酸で 安定的に形質転換される真核細胞または原核細胞を利用する。薬物は、競合的結 合実験において形質転換された細胞からスクリーニングされる。このような細胞 は、生存型であれ固定型であれ標準的な結合実験に使用することができる。これ を用いて、例えばFSECまたはそのフラグメントと試験される薬剤との複合体 形成を測定したり、あるいは試験される薬剤によって生じた、FSECまたはそ のフラグメントと好中球または繊維芽細胞との複合体の減少を検査することがで きる。 従って、本発明は、炎症及び疾病に作用する薬剤または薬物のスクリーニング 方法を提供するものである。これらの方法は、本発明のFSECポリペプチド、 若しくはそのフラグメントをこのような薬剤に接触させる過程と、(i)FSE Cポリペプチド若しくはそのフラグメントとその薬剤との複合体の存在、若しく は(ii)FSECポリペプチドまたはそのフラグメントと細胞との複合体の存 在を、周知の方法により検定(アッセイ)する過程とを含む。このような競合的 結合検定法においては、FSECポリペプチドまたはそのフラグメントは通常標 識される。適当なインキュベーションの後、遊離したFSECポリペプチドまた はそのフラグメントが、結合した形態で存在するそれから分離され、遊離した、 複合体を形成していない標識の量が、特定の薬剤がFSECに結合する能力、ま たはFSEC/細胞複合体に干渉する能力の尺度となる。 薬物スクリーニングのための他の技術では、本発明のFSECポリペプチドに 対する適切な結合親和性を有する複合体を高スループットでスクリーニングする ことができ、その技術の詳細は1984年9月13日公開の欧州特許出願第84 /03564号明細書に記載されており、本 明細書と共にこれを参照されたい。この方法を簡単に述べると、たくさんの異な る小さなペプチドのテスト化合物が、例えばプラスチックピンまたは他の物質で できた固体基板の表面上で合成される。ペプチドテスト化合物は、FSECポリ ペプチドと反応させられたた上で、洗浄される。次いで、結合FSECポリペプ チドが、周知の方法により検出される。上述の薬物スクリーニング技術において 使用するために、精製FSECをプレート上に直接コーティングすることもでき る。更に、非中和性抗体を用いて、固体支持体上にペプチドを捕捉若しくは固定 化することができる。 FSECポリペプチド若しくはそのフラグメントに結合するテスト化合物と、 FSECに結合できる中和性抗体とが特異的に競合する競合的薬物スクリーニン グアッセイの利用も本発明の企図するところである。このようにして、この抗体 を用いて、1または2以上の抗原決定基がFSECと共通な任意のペプチドの存 在を検出することができる。 14.合理的薬物デザイン 合理的薬物デザインの目標は、興味の対象の生物学的に活性のポリペプチド、 若しくは、例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、または阻害剤のような、その ポリペプチドが相互作用する小分子の構造的な類似体を作り出すことである。こ こに例として挙げたものは何れも、より活性の高いまたは安定な形態のポリペプ チドである薬剤、またはin vivoでポリペプチドの機能を強化、または阻 害する薬剤を作り出すのに用いることができる(“Hodgson J (1 991) Bio/Technology 9:19−21”を本明細書ととも に参照されたい)。 1つの方法では、FSECまたはFSEC−阻害剤複合体の三次元構造の決定 を、X線結晶解析、コンピュータによるモデル化、若しくは最 も典型的にはこの2つの手段を組合せて行う。構造を解明し、分子の活性部位を 決定するために、ポリペプチドの形状及び電荷を確認しなければならない。ポリ ペプチドの構造に関する有用な情報が、相同タンパク質の構造に基づいたモデリ ングにより得られることもある。何れの場合においても、対象物の構造の情報を 用いて、類似体ケモカイン状分子をデザインしたり、あるいは効果的な阻害剤を 同定している。合理的薬物デザインの有用なものの例としては、Braxton S and Wells JA(1992 Biochemistry 31 :7796−7801)により提示されたような、活性または安定性が改善され た分子、若しくは、Athauda SB等(1993 J Biochem 113:742−746)によって提示された自然発生FSECの阻害剤、アゴ ニストまたはアンタゴニストとして作用する分子があり、ここでは上述の両文献 を参照されたい。 上述のように、機能検定により選択された標的特異的抗体を単離し、次いでそ の結晶構造を解明することも可能である。通常この方法により、続けて行われる 薬物デザインにおける基礎となり得るファーマコア(pharmacore)が得られる。 機能的な、薬理学的に活性の抗体に対する抗イデオタイプの抗体(抗id)を産 生することにより、タンパク質の結晶解析をバイパスすることが可能である。鏡 像の鏡像と同様の意味で、抗idの結合部位は、もとのレセプタの類似体である ことが期待される。次いで、抗idを用いて、化学的または生物学的に作られた ペプチドのバンク(bank)から、ペプチドを同定し単離することができる。単離 されたペプチドは、ファーマコアとして役立つ。 本発明により、X線結晶解析のような分析的研究を行うのに使用できる十分な 量のポリペプチドを作ることができる。更に、ここに開示したFSECアミノ酸 配列の知識を、X線結晶解析の代わり、またはそれと 共に用いられるコンピュータによるモデル化技術に応用することができる。 15.FSECレセプタの同定 精製FSECを、特異的細胞表面レセプタ及び他の結合分子を特徴付け、精製 に利用することができる。走化性若しくは他の特異的反応によりFSECに反応 する細胞は、FSECに対するレセプタを発現しやすい。FSECに放射性標識 を組み込むためには、様々な周知の方法を用いることができる。好適実施例では 、FSECの主たるアミノ基を、125Iボルトンハンター試薬(“Bolton , AE and Hunter, WM (1973) Biochem J 133:529”参照)で標識する。この試薬は、他のケモカインについても 、その生物学的活性を損なうことなく標識するために用いられてきた(“Heb ert CA et al (1991) J Biol Chem 266: 18989; McColl S et al (1993) J Immu nol 150:4550−4555”参照)。レセプタ保有細胞は、標識化F SECと共にインキュベートされる。次いで、この細胞は洗浄されて非結合FS ECが除去され、次いでレセプタ結合FSECが定量される。異なる濃度のFS ECを用いて得られたデータから、レセプタの数及び親和性を表す数値を計算す ることができる。 標識化FSECは、その特異的レセプタの精製のための試薬として有用である 。FSECはクロマトグラフィカラムに共有結合で結合される。レセプタ保有細 胞が抽出され、その抽出物がカラムに通される。レセプタは、そのリガンドとの 生物学的親和性のためにカラムに結合する。レセプタはカラムから回収され、N 末端タンパク質シークエンシングを受ける。得られたアミノ酸配列は、そのレセ プタ遺伝子のクローニングのための変性オリゴヌクレオチドプローブのデザイン に使用される。 別の実施例においては、発現クローニングmRNAがレセプタ保有細胞から得 られ、それからcDNA発現ライブラリが形成される。このライブラリは、細胞 集団へのトランスフェクションがなされ、レセプタを発現する細胞集団は蛍光標 識化FSECを用いて選択される。このレセプタは、高度に標識された細胞から 組換えDNAを回収し配列決定することにより同定される。 別の方法では、レセプタ保有細胞の表面に対する抗体、好ましくはモノクロー ナル抗体が産生され、更にスクリーニングによりこのうち標識化FSECの結合 を阻害するものが同定される。このモノクローナル抗体は、アフィニティ精製ま たはレセプタの発現クローニングのために用いられる。 可溶性レセプタ、若しくは他の可溶性結合分子の同定も類似した方法で行われ る。標識化FSECを、抽出物、またはヒト胎児脾臓由来の他の適切な材料と共 にインキュベートする。インキュベーションの後、精製FSECより大きいサイ ズのFSEC複合体を、例えば、サイズ排除クロマトグラフィまたは密度勾配遠 心分離法のような分子の大きさによって分離するサイジング技術を用いて同定し 、従来より周知の方法で精製する。可溶性レセプタまたは結合タンパク質はN末 端シークエンシングを受けて、その可溶性タンパク質が既知である場合にはデー タベースによる同定のため、その可溶性タンパク質が未知である場合にはクロー ニングのための十分な情報が獲得される。 上述の明細書の記載の中で引用された全ての文献及び特許明細書は、本明細書 と一体に組み込まれる。上述の本明細書の内容は、当業者が本発明を実行するの に十分なものであると考えられる。実際、当業者は、以下の請求の範囲に記載の 本発明の範囲内で、上述の実施例に様々に変更を加えて実施することができるで あろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 33/50 G01N 33/50 P //(C12N 1/21 C12R 1:19) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U G),UA(AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM ),AL,AM,AT,AU,AZ,BB,BG,BR ,BY,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,EE, ES,FI,GB,GE,HU,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO, NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,S I,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US ,UZ,VN (72)発明者 シールヘイマー、ジェフリー・ジェイ アメリカ合衆国カリフォルニア州94022・ ロスアルトスヒルズ・ラクレスタドライブ 12555

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.配列番号:2の配列のポリペプチド、またはその相補的ポリペプチドをコー ドする核酸配列を含むことを特徴とする精製ポリヌクレオチド。 2.前記核酸配列が、配列番号:1の配列からなることを特徴とする請求項1に 記載のポリヌクレオチド。 3.請求項2に記載の前記ポリヌクレオチドを含む発現ベクター。 4.請求項3に記載の前記発現ベクターを含むことを特徴とする宿主細胞。 5.請求項2に記載の前記ポリヌクレオチドの非保存フラグメントを含むことを 特徴とする核酸プローブ。 6.請求項2に記載の前記ポリヌクレオチドの少なくとも一部分に対して相補的 なポリヌクレオチド配列を含むことを特徴とするアンチセンス分子。 7.配列番号:2の配列を含むポリペプチドを産生する方法であって、 a)前記ポリペプチドの発現に適切な条件の下で、請求項4に記載の前記宿主 細胞を培養する過程と、 b)前記細胞培養物から前記ポリペプチドを回収する過程とを有することを特 徴とするポリペプチドの産生方法。 8.配列番号:2のアミノ酸配列を含むことを特徴とする精製胎児脾臓発現型ケ モカイン。 9.配列番号:2の第16番残基のプロリンをN末端アミノ酸残基として有する ことを特徴とする精製胎児脾臓発現型ケモカイン。 10.請求項9の精製ポリペプチドに対して特異的なことを特徴とする抗体。 11.請求項5の前記核酸プローブを含む胎児脾臓発現型ケモカイン(FSEC )をコードする核酸配列を検出するための診断用組成物。 12.生物学的試料において胎児脾臓発現型ケモカイン(FSEC)をコードす るヌクレオチド配列を検出するための診断テスト方法であって、 a)前記生物学的試料と、配列番号:1のヌクレオチド配列含む第1ヌクレオ チド配列、若しくはそのフラグメントとを、核酸ハイブリダイゼーション複合体 の形成に適切な条件の下で結合する過程と、 b)前記ハイブリダイゼーション複合体を検出する過程であって、前記複合体 の存在が、前記生物学的試料におけるFSECをコードする第2ヌクレオチド配 列の存在と相関している、該過程と、 c)前記試料における前記第2ヌクレオチド配列の量と標準値とを比較し、前 記第2ヌクレオチド配列の量が前記標準値と異なっているか否かを判定する過程 であって、前記第2ヌクレオチド配列の異常レベルの存在が、FSECの異常発 現に関連する状態と正の相関を有する、該過程とを有することを特徴とする診断 テスト方法。 13.前記第1ヌクレオチド配列がリポーター分子で標識され、前記ハイブリダ イゼーション複合体が前記リポーター分子を測定することにより検出されること を特徴とする請求項12に記載の診断テスト方法。 14.生物学的試料において胎児脾臓発現型ケモカイン(FSEC)をコードす るヌクレオチド配列を検出するための診断テスト方法であって、 a)核酸増幅に適した条件の下で、前記生物学的試料とPCRプライマーとを 結合する過程であって、前記プライマーが配列番号:1のヌクレオチド配列の非 保存領域に由来するフラグメントを含む、該過程と、 b)増幅されたヌクレオチド配列を検出する過程と、 c)前記生物学的試料における前記増幅されたヌクレオチド配列の量を、標準 値と比較し、前記ヌクレオチド配列の量が前記標準値と異なっているか否かを判 定する過程であって、前記ヌクレオチド配列の異常レベルの存在が、FSECの 異常発現に関連する状態と正の相関を有する、 該過程とを有することを特徴とする診断テスト方法。 15.請求項8のポリペプチド、またはその一部分を用いた特異的結合実験のた めの複数の組成物をスクリーニングする方法であって、 a)複数の組成物を用意する過程と、 b)適当な条件のもとで結合できる十分な時間をかけて、前記複数の組成物の それぞれと胎児脾臓発現型ケモカイン(FSEC)とを結合する過程と、 c)前記複数の組成物のそれぞれとFSECとの結合とを検定して、FSEC に特異的に結合する組成物を同定する過程とを有することを特徴とする特異的結 合実験のための複数の組成物のスクリーニング方法。
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