JPH10509384A - クリーニング機構を備えたインク印刷装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 すくい取り要素すなわちドクターブレードがインクローラと協働するように配置されており、また上記のドクターブレードまたはインクローラの下方に液捕集要素が配置され、上記のドクターブレードから流れる液を捕集するクリーニング機構を備えたインク印刷装置である。本発明によれば、上記のドクターブレードの上方でインクローラの回転方向に対して上流側の位置に、このドクターブレードの上流側の位置において略均一に分配してクリーニング液を塗布する液分配要素が配置され、この液分配要素はクリーニング液供給源に接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】 クリーニング機構を備えたインク印刷装置 本発明は、請求の範囲第１項の前段部に記載されているような、クリーニング 機構を備えたインク印刷装置に関する。 インク印刷装置においては、たとえば異なる色のインクに転換するために、イ ンクローラ機構の滑らかな最下部のインクローラにクリーニング用のドクターブ レードが配置されており、このドクターブレードの上方に液捕集器が設けられて いる。そして、このインクローラが回転している際に、スプレー容器から手作業 によってクリーニング液がこのインクローラ機構の最上部のインクローラに塗布 される。このグリーニング液は、各種のインクローラ上を経由し、最終的には最 下部のインクローラで上記のドクターブレードにより残余のインクとともにすく い取られ、液捕集器により捕集される。 しかし、上記のような従来のクリーニング方法には各種の欠点があった。すな わち、上記のように、クリーニング液を手作業で塗布しているため、長い時間を 要するとともに、多大の労力と注意を必要とする。また、作業者はしばしば上記 のクリーニング液を均一に塗布するため作業に熟練していない場合がある。また 一方において、このインクローラが乾燥した状態で回転され、ドクターブレード が過度に摩耗し、使用不能となることもある。また他方において、互いに接触し ているインクローラの間に過度に厚い液の膜が形成され、この結果これらのイン クローラが自由に回転自在となり、起動時にスリップしたり、また停止してしま うことがある。さらに、液がこぼれ落ちる危険が大である。その結果、乾燥状態 での回転により、ドクターブレードが傷付きやすくなり、このドクターブレード の形状や材質の選択の幅が狭くなる。実際には、時間の制約等のために、このイ ンクローラのクリーニングが不適当になされることになる。印刷作業の再起動の 際には、しばしばインクローラの再度のクリーニングが必要となる。一方におい て、これらにより作業の遅れが生じる。また他方において、これにより印刷ミス （クランプずれ）のために材料の無駄が生じる。いずれの場合にも、経済的な不 具合が生じる問題がある。 以上のような事情から、より迅速かつ作業者の熟練を要することなくクリーニ ングを行い、またクリーニング液の流れ落ちや部品の摩耗を生じる危険性がなく 、このインク印刷装置のクリーニングをより簡単に、かつ確実に行うことが要望 されていた。 上記のような要望は、請求の範囲の第１項の特徴部分に開示されている構成の インク印刷装置のクリーニング機構により達成できる。 インクローラが乾燥状態で回転することにより、このローラに押圧されている ドクターブレードが損傷することは、全ての場合において防止することができる 。さらに、全ての場合において、このインクローラに対してクリーニング液が正 確かつ正規に（薄い液膜となって）確実に供給される。また、クリーニング液の 流れ落ちの危険も防止される。このような正確かつ均一なクリーニング液の塗布 により、このインクローラの起動時におけるスリップや停止等が防止され、全て のインクローラのクリーニングが確実になされる。また、作業員の注意も最小限 でよい。このように、ドクターブレードの損傷の危険がないので、クリーニング をより迅速に行うことができ、起動時におけるインクローラのスリップや停止を 確実に防止することができる。本発明のさらなる効果は、インクローラの残余の インクは除去されてこのクリーニング液により希釈され、このクリーニング液と インクの混合液は捕集器により捕集され、たとえばインクが濾過して除去され、 このクリーニング液は再使用される。従来のクリーニング方法では、その生成過 程は定かではないが、この捕集器に厚くかつ粘着性のインクの固まりが形成され る。このため、この捕集器の洗浄に多大の時間を必要としていた。 本発明の特徴としては、ドクターブレードの近傍の上方にクリーニング液が供 給されると、このインクローラの乾燥状態での回転によりこのドクターブレード が損傷することが確実に防止でき、また、このドクターブレードはクリーニング 液の供給位置の直下に配置されていることになるので、このインクローラ上にク リーニング液が均一かつ十分に制御された状態供給されるのが保証され、このク リーニング液の制御に特別の機構を必要とせず、この装置を極めて簡単でかつ効 率的な構造とすることができる。本願において、「上流」および「下流」とは、 ドクターブレードと協働するインクローラの回転方向に対してとする。したがっ て、最初にこのローラに供給されたクリーニング液は、このローラの回転に伴っ て、ドクターブレードにより均一に配分されかつ余剰のクリーニング液はすくい 取られ、このクリーニング液の膜は、均一となりかつ正確な厚さでこのインクロ ーラ機構のインクローラに次々に接触してゆく。 上記のような本発明の効果により、ドクターブレードの材質をより硬質の材料 とすることができ、より尖鋭な縁を備えることができ、このクリーニング液の配 分とすくい取り効果をさらに向上させることができる。また、ローラのスリップ 等も確実に防止することができる。 好ましくは、上記のドクターブレードは弾性的に据付られ、インクローラの形 状の誤差に自動的に追従することができる。また、このドクターブレードは、イ ンクローラと協働してこのクリーニング液の膜を均一でかつ正確な膜厚とする手 段として機能する。 また、好ましくは、このドクターブレードは、好ましくは鋼製の、駆動される 平滑なインクローラと相互に作用する。このドクターブレードとインクローラの 動的な相互作用は、全ての場合に維持され、１個またはその他のインクローラに おいて、局部的、一時的、および不均一なクリーニング液の液膜が形成された場 合、たとえば残余のインクが一時的に集積したような場合でも、維持される。な お「平滑」とは、通常の表面荒さの程度を意味するもので、印刷物の表面の光沢 のことではない。 このクリーニング機構は、このインク印刷装置に一体的に組み込まれている。 しかし、必要に応じて、このクリーニング機構はこのインク印刷装置とは別体の 要素として構成することもできる。 ワイパーブレードすなわちドクターブレードは、印刷工程においては、フレキ ソ印刷技術および凹版印刷技術におけるそれ自体公知の作用をなす。このドクタ ーブレード機構は、スクリーンから供給された印刷ローラの表面の液体印刷イン クをすくい落とし、この印刷ローラは部分的に不規則な表面を有している。この 場合に、印刷インクはスクリーンの孔の背後に残され、印刷されるシートに転写 される。このような公知の作用は、インクローラの確実かつ効果的なクリーニン グを目的としているものではない。このような確実かつ効果的なクリーニングは 、インクローラのスリップおよびドクターブレードの摩耗を防止することができ る。 本発明は、添付した図面を参照した限定されない図示の実施形態により詳細に 説明される。これら図において、 図１は、本発明のクリーニング機構を備えた凸版印刷装置の一部の概略的な側 面図である。 図２は、図１の実施形態のインクローラに対応したクリーニング機構の据付状 態の斜視図である。 図３は、図２の側面図である。 図１には、この印刷装置１の一部を示し、この図中では、明瞭にするため、主 要な要素のみを図示している。印刷すべきフイルムまたは紙葉２は、スプール３ から２個のみ図示する各種の印刷ステーション４，５を介して供給される。この 印刷装置１は、通常４段の印刷ステーション４，５から構成され、たとえば紙葉 ２に対して異なる色の印刷ができるように構成されている。各印刷ステーション ４，５には、複数のインク分配ローラ６が設けられ、インクを転送し、インクの 供給源７から印刷ローラ８までの間で、このインクを均一に配分しかつその供給 量を一定に制御し、この印刷ローラ８で紙葉２に印刷を行うように構成されてい る。 本発明の実施形態では、図２に示すように、駆動される印刷ローラ８の部分に ドクターブレード９が設けられ、このドクターブレード９の下方には捕集器１０ が設けられ、またその上方には液塗布アーム１１が設けられている。この液塗布 アーム１１は、詳細には図示していないが、スタブパイプ１２を介して、クリー ニング液を所定の圧力で送るポンプに接続されている。このシリーニング液は、 開口１３を介して、上記の印刷ローラ８の円筒状周面に向けて、上記のドクター ブレード９の直上の位置に散布される。この場合において、このクリーニング液 の供給量は計量および制御され、一定量の液がこの印刷ローラ８上に散布される 。この印刷ローラ８は矢印Ａ方向に回転されているので、この散布されたクリー ニング液は直ちにドクターブレード９によってすくい取られ、このドクターブレ ード９の上面を流れ、この下方に配置されている捕集器１０により捕集される。 しかし、この印刷ローラの周面上にはクリーニング液の薄い膜がこのドクターブ レード９を通過して回転し、他のローラに分配され、これらの上のインクを運ん でこのドクターブレード９の部分まで戻ってくる。上記の捕集器１０には、排出 管１４を介して図示しない捕集容器に接続されている。この捕集容器は、たとえ ばこの混入しているインクを除去してクリーニング液を精製するために定期的に 空にされ、再度使用される。また、上記のドクターブレード９は、この印刷ロー ラ８上からクリーニング液とともにインク成分を除去する。この印刷ローラ８の 周面は上記のドクターブレード９を通過して回転するので、その上に薄く均一な クリーニング液の膜が付着される。このようなクリーニング液の膜は、この印刷 ステーション４，５内を、供給源７から送られるインクの転送方向とは逆の方向 に複数のインクローラ６のアセンブリの間を転送されて循環する。これによって 、このクリーニング液は上記の各ローラおよび供給源のローラ上に残留している インク運んでローラ８に戻り、ドクターブレード９により除去される。 特にこの実施形態では、このドクターブレード９はポリエステル樹脂の厚さ約 １ｍｍのストリップで構成され、このストリップ９ａは尖鋭な切断刃を備え、上 記の印刷ローラ８の円筒周面と相互に作用する。このストリップ９ａを弾性的に 支持するために、ゴム製の支持ストリップ９ｂが設けられ、その厚さは約５ｍｍ であり、上記のストリップ９ａの背後に配置されている。これらのストリップ９ ａおよび９ｂは、その基部が２枚の鋼製のストリップ（図示せず）の間に挟圧さ れており、それらの両端部はドクターブレードスペーサ１５に接続され、これら スペーサはドクターブレード９の両側部分において上記の捕集器１０に取り付け られている。 また、良好な作動を確実にするために、上記のドクターブレード９の塗布アー ム１１側の面は、このドクターブレード９と印刷ローラ８との仮想的な接触点の 印刷ローラ８の径に対して鋭角、好ましくは３０ないし６０°の範囲の角度に設 定されている。さらに、このドクターブレード９は、このドクターブレード９と 印刷ローラ８との仮想的な接触点の印刷ローラ８の径に対して水平方向に最大で ２０°、特に最大で１０°ずれて配置されている。このクリーニング液の制御さ れた分配、さらに残余のインクの除去は、上記のような印刷ローラ８に対するド クターブレード９の配置関係によって最も効率的に達成される。 上記のように、本発明について凸版印刷技術を参照して説明したが、本発明は 他の印刷技術についても適用可能である。たとえば、オフセット印刷においても 、上記と同様にインクは複数のローラのアセンブリによって均一にかつ制御され て印刷ローラに供給されるので、本発明が同様に適用可能である。さらに、いわ ゆるフレクソ印刷技術、凹版印刷技術においても、インクは下方から上方の印刷 ローラに同様に供給されるので、これら印刷技術についても本発明が適用可能で ある。しかし本発明は、インクが多数のローラを介して様々な経路を通って印刷 ローラに供給され、インクが５個以上のインクローラを介して印刷ローラまで転 送されるような印刷技術について、最も顕著にその効果が現れる。 上記の図示の実施形態では、１枚のドクターブレードによって新たなクリーニ ング液を均一に分配し、また残余のインクやその他の物を含んだクリーニング液 を除去している。しかし、これらの作用を別々におこなう別のドクターブレード を設けても良く、またインクローラから使用後のクリーニング液を除去する別の 液除去要素を設けても良い。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ)， ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，Ｃ Ｈ，ＣＮ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ ，ＧＥ，ＨＵ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ， ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，Ｍ Ｋ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＳ，ＴＪ，ＴＭ， ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． すくい取り要素すなわちドクターブレードがインクローラと協働するよ うに配置されており、また上記のドクターブレードまたはインクローラの下方に 液捕集要素が配置され、上記のドクターブレードから流れる液を捕集するクリー ニング機構を備えたインク印刷装置において、 液塗布要素によってローラに塗布された液が最初に上記のドクターブレードに 達するような位置に、この液塗布要素が配置され、このドクターブレードを通過 する際に上記の液が上記のローラ上に均一に分配されるとともに余剰の液がすく い取られ、このローラ上に厚さが均一でかつ正確な液膜が形成され、この印刷装 置の複数のローラが回転することによって転接しているローラ間で上記の液膜が 順次転送されてゆき、この液がこれらのローラに均一に分配され、この液分配要 素はクリーニング液供給源に接続されていることを特徴とするクリーニング機構 を備えたインク印刷装置。 ２． 前記のインクローラは駆動されるものであることを特徴とする請求の範 囲第１項のクリーニング機構を備えたインク印刷装置。 ３． 前記のドクターブレードは、ＰＶＣまたはポリエステル等の硬質の樹脂 材料で形成されており、また前記のインクローラに対抗する縁部は尖鋭な刃部に 形成されていることを特徴とする請求の範囲第１項または第２項のクリーニング 機構を備えたインク印刷装置。 ４． 前記のドクターブレードは弾性的に据付られていることを特徴とする請 求の範囲第１項ないし第３項のいずれか１のクリーニング機構を備えたインク印 刷装置。 ５． 前記の液塗布要素は、前記のドクターブレードと略平行な通路であり、 前記のインクローラに対抗した側の側部には、このインクローラを指向し、加速 的な間隔で配列された複数のスプレイノズルが設けられていることを特徴とする 請求の範囲第１項ないし第４項のいずれか１のクリーニング機構を備えたインク 印刷装置。 ６． 前記のドクターブレードは、印刷すべき物に接触するインクローラであ る印刷ローラと相互に作用するものであることを特徴とする請求の範囲第１項な いし第５項のいずれか１のクリーニング機構を備えたインク印刷装置。 ７． 前記の印刷装置は、凸版またはオフセット印刷の原理により作動するも のであることを特徴とする請求の範囲第１項ないし第６項のいずれか１のクリー ニング機構を備えたインク印刷装置。 ８． ドクターブレードと、その下方に設けられた液捕集要素と、その上方に 設けられた液配分要素とを備えた前記の請求の範囲第１項ないし第７項のいずれ か１のクリーニング機構を備えたインク印刷装置に好適するクリーニング機構。