JPH10508383A - コリオリ質量流量計測定における適応ライン・エンハンスメントのための方法及び装置 - Google Patents

コリオリ質量流量計測定における適応ライン・エンハンスメントのための方法及び装置

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Abstract

(57)【要約】 コリオリ質量流量計における振動流管の周波数と位相の関係を決定するための装置及び方法。振動流管の周波数と位相の関係を正確に決定し、これにより質量流量計を流れる物質の質量流量を一層正確に決定するために、適応ライン・エンハンスメント(ALE)技術及び装置がデジタル信号処理(DSP)装置において用いられる。第一の実施の形態においては、振動流管上の各対応の検知器信号からの信号の品質を向上させるのに適応ノッチ・フィルタが用いられる。第二の実施の形態においては、各対応の検知器信号からの信号の品質を向上させるために複数の適応ノッチ・フィルタがカスケード接続される。両方の実施の形態において、各検知器信号に関連するアンチエイリアシング・デシメーション・フィルタは、各検知器信号に関連する一定周波数のA/Dサンプリング装置からのサンプル数を低減することにより、計算上の複雑性を低減せしめる。一定のサンプリング周波数と振動流管の変動性の基本周波数との間のスペクトル漏洩を補償するために、計算上の調節が実行される。この付加された計算上の複雑性にも拘わらず、本発明は従来の設計よりも簡潔であり、適応ノッチ濾波により更に良好なノイズ免疫性を与える。デジタル・フィルタの収束を改善し且つフィルタの不安定性の質量流量測定への干渉の可能性を低減するために、ノッチ・フィルタの重み適応化アルゴリズムに発見的手法が適用される。

Description

【発明の詳細な説明】 コリオリ質量流量計測定における適応ライン・エンハンスメントのための 方法及び装置 発明の分野 本発明は質量流量測定に関し、詳細にはコリオリ質量流量計におけるデジタル 信号処理適応濾波方法及び装置の使用に関する。 課題 導管を流れる物質の質量流量及び他の情報を測定するのにコリオリ質量流量計 を用いることが知られている。斯かる流量計は、全てJ.E.スミス他による1 978年8月29日の米国特許第4、109、524号、1985年1月1日の米 国特許第4、491、025号、及び1982年2月11日の米国特許第Re.3 1,450号に開示されている。これらの流量計は1つ又はそれ以上の直線又は 湾曲構造の流管を有する。コリオリ質量流量計における各流管は、単純曲げ、捩 り或いは結合形であり得る1組の固有振動モードを有する。各流管はこれらの固 有モードの1つで共振振動するよう駆動される。流量計の入り口側において流量 計に連結された導管から流量計への物質流は流管又は諸流管を通して送られ、出 口側を通して流量計から出る。振動する流体充填系の固有振動モードは流管と流 管内の物質との合成質量によって部分的に規定される。 流量計に何も流れていない時、流管に沿った全ての点は、印加されたドライバ 力に因り、同相で旋回点を中心に振動する。物質が流れ始めると、コリオリ加速 により、流管に沿った各点は異なった位相を有する。流管の入り口側の位相はド ライバより遅れ、出口側の位相はドライバより進む。流管の運動を表す正弦波信 号を生成するために流管に検知器が置かれる。2つの検知器信号間の位相差は、 流管を通る物質の質量流量に比例する。 この測定における1つの複雑な要因は、典型的なプロセス物質の密度が変化す ることである。密度の変化は固有モードの周波数を変化させる。流量計の制御系 は共振を維持するため、振動周波数は密度の変化に応答して変化する。この状況 における質量流量は位相差と振動周波数との比に比例する。 上記のスミスによる米国特許第Re.31、450号は位相差と振動周波数の 両方を測定する必要を回避したコリオリ流量計を開示している。位相差は、流量 計の2つの正弦波状の検知器出力信号の水平交差点間の時間遅延を測定すること により決定される。この方法が用いられると、振動周波数の変化が相殺され、質 量流量は測定された時間遅延に比例する。この測定方法は以後、時間遅延又はΔ t測定と呼ばれる。 コリオリ質量流量計における測定は高い精度で為されなければならないが、こ れは導き出された流量情報が測定値の少なくとも0.15%の精度を有していな ければならないという要求がしばしばなされるからである。検知器出力信号を受 信する信号処理回路はこの位相差を高精度で測定し、流れているプロセス物質の 所望の特徴を測定値の少なくとも0.15%の所要の精度で発生する。 これらの精度を達成するためには、信号処理回路は流量計から受信する2つの 信号の位相シフトを測定する際に高精度で作動する必要がある。流量計の2つの 出力信号間の位相シフトは処理回路によって物質特性を導き出すのに用いられる 情報であるため、処理回路は検知器出力信号によって提供される位相シフト情報 を隠し得るいかなる位相シフトをも導入しないことが必要である。実際は、各入 力信号の位相が0.001°だけ小さい値で、ある場合では、数ppmより小さ い値だけシフトするように、この処理回路は極端に低い固有位相シフトを有する 必要がある。プロセス物質に関して導き出された情報が0.15%より小さい精 度を有していなければならない場合、この大きさの位相精度が要求される。 コリオリ流量計出力信号の周波数は多くの工業的に発生されたノイズの周波数 範囲に入る。又、検知器出力信号の振幅はしばしば小さいものであり、多くの場 合、ノイズ信号の振幅を大幅に超えることがない。これにより、流量計の感度が 限定され、有用な情報の抽出が非常に困難になる。 計器出力信号周波数をノイズ帯域から外すために、又は出力信号の振幅を増大 させるために設計者ができることは多くない。実用的なコリオリ検知器や流量計 の設計者には、最適な信号対雑音比やダイナミックレンジを下回る値を有する出 力信号の発生を招来する妥協が必要となる。この制限により、流量計の出力信号 から確実に導き出され得る最大及び最小の流量を含む流量計の特性及び仕様が決 定される。 与えられた駆動周波数において2つのコリオリ流量計出力信号間で測定出来る 最小時間遅延の大きさは、信号対雑音比、関連の回路及びハードウエアの複雑性 、並びに関連の回路及びハードウエアのコストと複雑性を限定する経済的要件を 含む種々の要因によって限定される。又、経済的に魅力のある流量計を達成する ためには、時間遅延測定の下限が出来るだけ低くなければならない。2つの出力 信号を受信する処理回路は、例えば気体のような低密度及び質量を有する物質の 流動特性を測定するのに必要な高感度を有する計器を提供するように、2つの信 号間の時間遅延を確実に測定出来なければならない。 従来のアナログ回路設計が、コリオリ流量計の全ての可能な作動条件の下で正 確な時間遅延測定を単独で行うことができる程度に関しては限度がある。これら の限度は、半導体デバイスの欠陥及び他の回路要素によって発生されるノイズを 含む、いかなる電子装置にも存在する固有のノイズに因る。これらの限度は、又 、同様に測定を限定するが遮蔽、防護、接地等の技術によってある程度低下する ことが出来る周囲のノイズにも因る。もう1つの限度は検知器出力信号自体の信 号対雑音比である。 良好なアナログ回路設計は、電子装置におけるノイズだけでなく、その環境に おける周囲ノイズに関する問題の幾つかを克服することが出来る。しかしながら 、アナログ・フィルタを使用することなく、出力信号の信号対雑音比の改善を達 成することは出来ない。しかし、アナログ・フィルタは処理される信号の振幅及 び位相を変えてしまう。これは望ましいことではない。何となれば、2つの信号 間の時間遅延はプロセス流体の特徴を導き出すのに用いられる基礎情報だからで ある。未知又は種々の振幅及び/又は位相特性を有するフィルタを用いると、2 つの検知器出力信号間の位相差が許容出来ない程変化し、流動物質の正確な情報 の導出が妨げられてしまう。 流量計の駆動信号は通常、調整され、位相シフトされ、計器の駆動コイルのた めの正弦波駆動電圧を生成するのに用いられた後に検知器出力信号の1つから導 き出される。これは、検知器信号に存在する高調波及びノイズ成分が増幅されて 駆動コイルに印加され、流管をそれらの共振周波数で振動させるという欠点を有 する。しかしながら、不用な機械的振動や計器駆動回路に帰還され閉ループにお いて強化される電気的干渉によって、望ましくない駆動信号が発生され、その結 果、時間遅延測定の精度並びに確度を更に下落させる比較的高振幅の自己持続性 の妨害信号が形成され得る。 上記の問題を軽減することを求める幾つかの周知の方法及び回路設計がある。 上記の問題の幾つかを軽減するための1つの斯かる上首尾の技術がエム.ゾロッ クによる米国特許第5、231、884号とブラックによる米国特許第5、228、 327号に記載されている。これらの特許には、高精度積分器を有する3つの同 じチャンネルをフィルタとして用いるコリオリ流量計信号処理回路が記載されて いる。これらのチャンネルのうちの第一チャンネルは、1つの検知器信号に、例 えば、左に永久的に接続される。他の2つのチャンネル(第二及び第三)は右検 知器信号に一度に1つずつ交互に接続される。これらのチャンネルの1つ、例え ば、第二チャンネルが右検知器信号に接続されると、第三チャンネルは、第一チ ャンネルと共に左検知器信号に接続される。第一チャンネルと第三チャンネルと の間の固有位相遅延は、共に左信号に接続されている2つのチャンネルの出力間 の時間差を比較することにより測定される。この特徴的な遅延が一旦決定される と、この第三チャンネルと右検知器信号に接続されている第二チャンネルの役割 が切り替えられる。この新しい構成においては、第二チャンネルはその遅延特性 の校正が行われ、一方、第三の校正されたチャンネルは右検知器信号に接続され る。第二及び第三チャンネルの役割は、制御回路によって毎分略一回、交互に切 り替えられる。この1分間隔(約30乃至60秒)の期間中、老化、温度、及び 他の効果は、フィルタの位相シフトに何も有意な影響を及ぼすことがなく、それ 故、それらの位相関係は既知であり、定義されていると考えられる。 ゾロックに用いられる精密に校正された積分器は、積分器の振幅伝達関数にお ける約6db/オクターブ・ロールオフにのぼる信号対雑音比の改善を行う。不 幸にも、この6db/オクターブ改善は、コリオリ流量計が作動する多くの状況 (軽量物質や過度に雑音のある環境)では十分ではない。その理由は、ゾロック の積分器等の単極フィルタが比較的広い帯域を有しているからである。その結果 、不用の流管振動モード、雑音環境、物質流ノイズ並びに電磁干渉又は高周波干 渉及び乱れによって発生するノイズ信号は、精度に要する一層高い計器感度に必 要な程度には除去されない。それらの周波数に応じて、それらの振幅はある程度 減少するが、気体のような低質量物質を測定するときには、2つの検知器出力信 号間の精密な時間遅延測定に依然として干渉し得る。 ゾロック及びブラックのシステムには、もう1つのエラー発生源がある。積分 器時間遅延測定は正弦波検知器信号の3つの良く規定された点において為される 。2つの検知器信号は、それらの形状が同じであり、それらのピーク値に対して 対称的であるときにのみ理想的である。しかしながら、検知器信号を発生する2 つの磁気回路(検知器)が同じでない時、その結果得られる非理想的な波形は不 確定の位相状態を有し得る異なる量の高調波を含んでいるので、形状が変更され 、対称性が潜在的に変更され得る。斯かる変化の結果、正常作動期間中に、ゾロ ックの積分器が1つの波形によって校正され、次に別の波形を測定するのに用い られると、波形の差により、その高調波の量とその高調波の変化し且つ不確定な 位相に起因して、不確定で未知の量のエラーが生成され得る。 他のアナログ回路設計技術は、複雑性、不十分なノイズ不感受性、或いは不十 分な高調波除去と同様の問題を被る。 上記に論じられた問題を克服すると共に処理されている信号の信号対雑音比を 改善するために、デジタル信号処理(以後、DSPと呼ばれる)及び関連のデジ タル濾波等の技術が現在利用可能である。しかしながら、これらの代替技術は従 来のアナログ回路設計より複雑であり高価であった。加うるに、これらの従来の DSP設計はノイズ不感受性と高調波除去に関して従来のアナログ回路設計に対 する控え目な改善を示すにすぎない。ロマノによって1990年6月19日に発 行された米国特許第4、934、196号は、位相差Δt及び相関する質量流量 を計算するためのDSP設計を教示する。ロマノの設計では、振動流管の各周期 内に整数のサンプリング回数を維持するために、A/D変換器のサンプリング周 波数が変更される。可変周波数のサンプリングの必要性はロマノのDSP設計を 複雑にする。このDSP設計は従来の個別アナログ回路設計から全く構造的に区 別 されるが、基本周波数の整数倍においてのみ濾波の有意の改善が行われるため、 測定精度の点でアナログ設計に対して控え目な改善が提供されるだけである。し かし、共振周波数が基本周波数の整数倍でなく、それ故従来のDSP設計によっ ては殆ど除去されない流管の機械的振動モードから、多くの信号成分が生じる。 従来のどの技術(アナログ或いは従来のDSP)も非高調波或いは広帯域ノイ ズを効果的に拒絶出来ない。上記の論述から、コリオリ質量流量計において質量 流量を測定するための改良された方法及び装置の必要性があることが分かる。 解決方法 本発明は、上記に認識された問題を解決し、コリオリ質量流量計における質量 流量測定の精度を改善するためにデジタル濾波及びデジタル信号処理(DSP) 方法及び装置を適用することにより、当該技術分野に進歩を達成する。本発明は 質量流量の計算に用いられる周波数及び位相測定の精度を改善するために適応( adaptive)ノッチ・フィルタを含むDSP設計を含んでいる。本発明に おける適応ノッチ濾波の使用は、適応ライン・エンハンスメント(Adapti ve Line Enhancement,ALE)と通常呼ばれる技術の1つ の応用である。 本発明では、各振動流管からの信号がサンプリングされ、デジタル化され、次 に基本周波数を中心とした狭い周波数帯域(ノッチ)の外の全てのノイズ信号を 通過するデジタル適応ノッチ・フィルタによって処理される。次に、このデジタ ル化され濾波された信号は元のデジタル化された信号から減分されて、実質的に 全てのノイズ信号が消された状態で基本周波数の検知器出力信号波形を表す品質 の向上した信号が生成される。この方法及び装置によって高調波だけでなく非高 調波のノイズ信号が無くなる。最初は、ノッチ・フィルタの「ノッチ」の幅は広 く、時間が経過するにつれて基本周波数に収束するほど狭くなるように適応され る。適応アルゴリズムにより、適応フィルタのノッチ周波数は振動流管の基本的 周波数の時間経過による変化を追尾するように急速に適応化される。 本発明のDSP設計はロマノの可変周波数設計から区別された一定のサンプリ ング周波数を用いる。この一定のサンプリング周波数という手法により、適応ノ ッ チ・フィルタの振動流管の基本的周波数への急速な収束が可能になり、回路設計 の全体が簡略化される。一定のサンプリング速度により、サンプリング速度を変 化させるために付加的な回路を設けるというロマノに示された必要性が無くなる 。本発明の設計では、一定のサンプリング周波数と振動流管の変動性の基本周波 数との間のスペクトル漏洩を補償するための計算調整が実施される。この付加さ れた計算上の複雑性にも拘わらず、本発明はロマノによって例示される先行技術 より簡略であり、適応ノッチ濾波により更に良好なノイズ不感受性を提供する。 本発明は、全ての公知の設計と比較すると、優良なノイズ不感受性と高調波除 去を提供し、ロマノによって開示されたDSP設計の諸特徴を簡略化する。これ により、特にノイズの多い環境だけでなく低密度の流動物質(気体等)への応用 においてさえも流量測定の改善された精度が可能になる。 流管は同一の基本周波数で振動するため、ノッチ・フィルタの適応は2つのノ ッチ・フィルタの1つのみからのサンプルによって決定される。このように決定 された適応重みはノッチ・フィルタの両方に適用される。本発明によって計算に 適用される発見的手法により、ノッチ・フィルタが計算の不安定性に因って基本 周波数から逸脱することから防止される。他の発見的手法は、ノッチ・フィルタ によって測定される信号対雑音比が小さすぎる時に、適応のための収束計算を再 開させる。小さな信号対雑音比は、適応ノッチ・フィルタが基本周波数に収束し ないことを示している。これは、振動流管の基本周波数におけるシフトが原因と なり得る。 本発明の第一の実施の形態では、各振動流管検知器からの出力信号が対応のA /D変換器によって一定の周波数においてサンプリングされる。各A/D変換器 によって発生されたサンプル値は次に、対応のデシメーション・フィルタに加え られ、後続の計算に用いられるサンプルの数を減らすことにより計算上の複雑性 を低下せしめる。デシメーション・フィルタは又、サンプリングされたアナログ 信号を平滑するためにある程度のアンチエイリアシング濾波を行う。次にデシメ ーション処理された信号はそれぞれ、対応の適応ノッチ・フィルタに加えられ、 各検知器からの信号の品質を更に向上させる。各検知器からの品質の向上した出 力信号は、大部分のノイズ及び高調波を濾波された後、対応の位相計算要素に加 えられ、2つの品質の向上した信号間の位相差が決定される。各位相計算要素の 出力は計算要素に加えられ、品質の向上した検知器信号間の時間差、従って、そ れに比例する質量流量が決定される。 本発明の方法の第二の実施の形態では、4つの適応ノッチ・フィルタ、即ち、 左右のチャンネルの信号の各々に2つのフィルタが直列に利用される。左右の各 チャンネルにおける2つのフィルタは、信号品質の向上には限度があるが、振動 流管の基本周波数の変化に急速に収束する能力を供給するために低Q(広いノッ チ)フィルタを利用するので、「カスケード接続」されている。第一のカスケー ド接続されたノッチ・フィルタからの信号出力は第二のカスケード接続されたノ ッチ・フィルタに加えられる。第二のノッチ・フィルタは高Q(狭いノッチ)フ ィルタを利用して、従来の解決方法に対して、また、上記の第一の実施の形態に 対して優良なノイズ及び高調波除去を行う。第二のノッチ・フィルタは、その狭 いノッチ(高Q)にも拘わらず、第一のノッチ・フィルタによって実施される限 定された信号品質の向上(濾波)に因る振動流管の基本周波数の変化に依然とし て急速に適応することが出来る。第二のノッチ・フィルタは、加えられた信号に おける低下したノイズ及び高調波レベルによって、振動流管の基本周波数の変化 に急速に収束することが出来る。 第一のカスケード接続されたノッチ・フィルタのノッチ形状より更に広いノッ チ形状を有する付加的なノッチ・フィルタ(第五フィルタ)が、振動流管の基本 周波数の推定を提供するために用いられる。この推定は、重み適応計算によって 用いられて、第一のカスケード接続されたノッチ・フィルタの周波数パラメータ を左チャンネルと右チャンネルの両方に設定する。第二のカスケード接続された ノッチ・フィルタからの出力は、重み適応計算によって用いられ、第二のカスケ ード接続されたノッチ・フィルタの周波数パラメータを調節する。 各検知器からの出力信号の品質を向上させるための2つの(或いはそれ以上の )カスケード接続された適応ノッチ・フィルタの斯かる組み合わせによって、濾 波の除去特性と適応フィルタが振動流管の基本周波数の変化に収束する速度の両 方が更に向上される。 本明細書において用いられる「適応ノッチ・フィルタ」の用語は広義では可変 パラメータを有するフィルタを指す。この定義は、フィルタ・パラメータをフィ ルタ自体の入力及び出力に基づいて自動的に調節するための機構と可変のパラメ ータとを組み合わせる一層広く許容された定義と対照される。本明細書に用いら れているように、幾つかのノッチ・フィルタの適応が各フィルタ自体の入力及び 出力ではなく他のフィルタの作動に基づいて計算される。換言すれば、本発明に おける幾つかのノッチ・フィルタは他のノッチ・フィルタ計算の操作に従う。こ の理由により、これらのフィルタと適応機構の詳細な論述が分けられる。1つの 適応計算は、唯1つのフィルタからの入力に基づいて多数のノッチ・フィルタの パラメータを調節し得る。 本発明の上記の及び他の特徴は以下の説明及び添付の図面から明らかとなろう 。 図面の簡単な説明 図1は、本発明の装置及び方法を実施する計器電子回路に取り付けられている 典型的なコリオリ質量流量計を示し、 図2は、本発明に従って流量計を通過する質量流量を決定する計器電子回路内 の計算要素のブロック図を示し、 図3は、唯1つの適応ノッチ・フィルタが各検知器信号と関連して用いられる 、図2に示す本発明の第一の実施の形態の付加的な詳細を示し、 図4乃至12は、図3に示す本発明の第一の実施の形態の計算要素の付加的な 詳細を示し、 図13は、2つのカスケード接続された適応ノッチ・フィルタが各検知器信号 と関連して用いられる、図2に示す本発明の第二の実施の形態の付加的な詳細を 示し、 図14乃至図16は、図13に示す本発明の第二の実施の形態の計算要素の付 加的な詳細を示し、 図17は、本発明の第一の実施の形態のソフトウエア実施のフローチャートで あり、A/D変換器の作動及びサンプルの関連のデシメーションのための割り込 み処理を示し、 図18は、本発明の第一の実施の形態のソフトウエア実施のフローチャートで あり、Δt位相差の濾波及び決定のためにデシメーション処理されたサンプルの 処理を示し、 図19は、各デシメーション処理されたサンプルが処理された後に更新済みの フィルタ・パラメータを決定する、図18の要素の付加的な詳細を示すフローチ ャートであり、 図20は、本発明のソフトウエア方法を実施するのに好適なデジタル信号処理 電子回路のブロック図である。 好ましい実施の形態の詳細な説明 典型的なコリオリ質量流量計10が図1に示されており、この流量計10は、 位相がずれた夫々の曲げ軸W−W及びW’−W’を中心とする実質的に同じばね 定数及び慣性モーメントを有するようにマニホルド体30に固着された2つの片 持ちばり取り付けされた流管12、14を有している。 流管12、14の上部130、130’の間の中点領域には駆動コイル及び磁 石20が取り付けられており、これにより流管12、14は軸W−W及びW’− W’を中心に位相がずれて振動する。流管12、14の相対運動を検知するため に、流管12、14の上部のそれぞれの端部の近くに左検知器16及び右検知器 18が取り付けられている。この検知は、流管12、14上端のそれらのゼロ交 差点又は何等かの他の予め規定された点を通る運動を測定することによる方法を 含む多くの方法で為され得る。流管12、14は左側脚部131、131’並び に右側脚部134、134’を有する。これらの側脚部は互いの方に向って下方 に収束しており、マニホルド要素121、121’の表面120、120’に取 り付けられている。ブレースバー140R、140Lは流管12、14の側脚部 に鑞接されており、ドライバ20が経路156を通して付勢されるときに流管が 位相をずらして振動する軸W−W、W’−W’を規定するよう働く。軸W−W、 W’−W’の位置は、ブレースバー140R、140Lの流管側脚部131、1 31’、134、134’への設置によって決定される。 流管の温度とこれらの流管の中を流れる物質のおおよその温度を測定するため に、流管14の側脚部131には温度検知器22が取り付けられている。この温 度情報はこれらの流管のばね定数の変化を決定するのに用いられる。ドライバ2 0、検知器16、18並びに温度検知器22は、それぞれ経路156、157、 158、159によって質量流量計器24に接続される。質量流量計器24は、 検知器16、18、22から受信された信号を処理して流量計10を通る物質の 質量流量だけでなく物質の密度と温度等の他の測定値をも決定する少なくとも1 つのマイクロプロセッサを含む。質量流量計器24は又、流管12、14を軸W −W、W’−W’を中心に位相をずらして振動させるために、駆動信号を経路1 56を通してドライバ20に印加する。 マニホルド体30は鋳物150、150’から形成されている。鋳物要素15 0、150’はフランジ103、103’によって供給導管及び出口導管(図示 せず)に取り付け可能である。マニホルド体30は物質流を供給導管から流管1 2、14に逸らし、出口導管に戻す。マニホルドのフランジ103、103’が 入口端104と出口端104’を通して、被測定プロセス物質を運ぶ導管系に連 結されると、物質はフランジ103の入口オリフィス101を通ってマニホルド 体30とマニホルド要素110に入り、鋳物要素150の漸次に変化する断面を 有するチャンネル(図示せず)によって流管12、14に接続される。物質はマ ニホルド要素121によって分割され、流管14、12の左側脚部131、13 1’にそれぞれ送られる。物質は次に、上部の流管要素130、130’及び右 側脚部134、134’を通り、流管のマニホルド要素121’内で再合流して 単流になる。流体はこの後、出口鋳物要素150’のチャンネル(図示せず)に 送られ、次に出口マニホルド要素110’に送られる。出口端104’はボルト 穴102’を有するフランジ103’によって導管系(図示せず)に連結される 。物質は出口オリフィス101’から出て導管系(図示せず)中の流れに戻る。 質量流量計器24は経路157、158、159を通して受信された信号を分析 して、経路155を通して標準出力信号を発生し、関連の導管系(図示せず)を 通る質量流量の監視及び制御のための制御システム又はオペレータによって利用 される質量流量を指示する。 概説 本発明は、質量流量計器24内での計算機能を実施するようにデジタル信号プ ロセッサ(DSP)チップ内で作動可能なデジタル信号処理法を含む。流管の検 知器の各々から出力として発生されたアナログ信号から、個別のサンプルが取ら れる。左右の検知器からの個別のサンプルは標準のアナログ・デジタル変換(A /D)装置の使用によってデジタル化される。一旦デジタル化されると、これら のサンプルの更なる処理はDSPチップ内でデジタル信号処理法によって実行さ れる。デジタル化された信号サンプルの処理は、本明細書では2つの形式で表さ れる。1つの表現形式では、種々の濾波及び処理機能に用いられるDSPソフト ウエア・フローチャート及び式が与えられる。本発明の方法の説明を助けるため に、種々の式の計算を疑似回路(例えば、加算ジャンクション、乗算ジャンクシ ョン、遅延回路、レジスタ、マルチプレクサ等を表すブロック図)として示す第 二の表現形式が利用される。ある種の一層複雑な数学的演算は疑似回路図に高レ ベルの要素として残され、本明細書では通常は「計算要素」と呼ばれる。本発明 のこれら2つの説明形式は同等の記述として意図されており、これらの記述のど れも本発明の方法及び機能を完全に特定する。 概説−疑似回路: 図2は、本発明の流量計の電子回路の全体的構造及びこの電子回路における関 連の情報の流れを示している。本発明の計器電子回路は2つの本質的に同じ「チ ャンネル」、即ち左流管検知器出力信号を処理するための第一チャンネル及び右 流管検知器出力信号を処理するための第二チャンネルを含む。これら2つの「チ ャンネル」は、以下に述べるようにノッチ・フィルタの重み適応を除いて同じで ある。 以下に与えられる説明は振動流管の基本周波数が約100Hzである典型的な コリオリ流量計について論じられる。本発明の装置及び方法が任意の通常の流量 計の基本振動周波数に適用されることは容易に認識されよう。 以下に論じられる計算要素の多くは流量計検知器出力信号の種々のサンプリン グに関連するクロック信号と同期して作動する。図2のクロック214は以下に 論じられる計算要素の種々のサンプリング速度に関連するクロック信号を供給す る。先ず、クロック214は周期的なパルス信号クロックを経路270を経由し てA/D変換器200に供給して、流管検知器によって発生された生(未処理) の信号のサンプリング速度を決定する。各A/D変換器200はその対応のアナ ログ信号をサンプリングし、そのサンプル値を、クロック214によって経路2 70に印加される信号パルス毎にデジタル形に変換する。経路270を通してA /D変換器200に印加されるこのクロック信号は、本発明の処理に必要な一定 のサンプリング速度での流管検知器出力信号のサンプリングを可能にするために 、非常に精密な周波数を有していなければならない。このクロックパルス精度は 水晶制御クロックの使用によって達成されることが望ましい。この同じクロック 信号は経路270を経由して48:1デシメーション・フィルタ要素202にも 印加される。デシメーション・フィルタ要素202は、サンプリングされた信号 値の有意なアンチエイリアシング濾波を行うとともに、サンプルの数を48分の 1に減らす。当業者は、48:1の特定のデシメーション比が特定の応用環境に 依存して工業設計上の選択の問題であることを認識しよう。 クロック214は又、以下に論じられる他の計算要素に信号CLKを供給する 。CLK信号の周波数はデシメーション・フィルタ要素202によって出力され たサンプル値の周波数に対応する。換言すると、CLKクロック信号の周波数は 、発生されて経路270に印加されるクロック信号の周波数の48分の1である 。本発明の好ましい実施の形態では、CLK信号によって「クロック」される計 算要素は、デジタル信号処理(DSP)チップ上で作動可能なソフトウエア機能 として実施される。したがって、これらの機能は、デシメーション処理済みの個 別のサンプリングされた検知器出力信号値に対して計算を実施する。これらの機 能の「クロック処理(clocking)」は個別のサンプル値の使用可能性に 対応する。これらの値は、これらの機能がA/D変換器200の一定速度の水晶 制御サンプリング周波数に対して実際に非同期で作動し得るように、ソフトウエ アで実現される待ち行列或いはFIFOでバッファされるのが望ましい。以下の 図面の説明では、CLK信号は、デシメーション処理された個別のサンプリング された検知器出力信号値が計算要素による更なる処理に使用可能になる周波数を 表す。DSPチップ内のソフトウエアにおける実際の計算処理は経路270上の ク ロック信号のA/Dサンプリング周波数に対して一般的に非同期で進行する。 図1の右流管検知器18からの出力信号は図1の経路158を通してA/D変 換器200に加えられる。図1の左流管検知器16からの出力信号は図1の経路 157を通して別のA/D変換器200に加えられる。A/D変換器200は右 流管検知器からのアナログ信号をサンプリングしてデジタル値に変換する。別の A/D変換器200は左流管検知器からのアナログ信号をサンプリングしてデジ タル値に変換する。A/D変換器200は、システムワイドのクロック214に よって供給され経路270を通して受信された一定周波数の周期的なクロック信 号に応答して作動する。 変換されたデジタル値は経路202を通して48:1デシメーション・フィル タ要素202に印加される。48:1デシメーション・フィルタ要素202は2 段、即ち、8:1段とそれに続く6:1段である。デシメーション・フィルタ要 素202は両段共、有限インパルス応答(FIR)アンチエイリアシング・フィ ルタとして実現されるのが望ましい。当業者は、これらのデシメーション段には IIRフィルタが用いられることを認識しよう。FIR濾波又はIIR濾波の使 用は、計算上の複雑性と特定の設計で用いられる計算要素の相対電力に基づく設 計選択の問題である。 デシメーション・フィルタ要素202の第一段は38.4kHzから4.8kH zへのサンプリング速度の8:1低減を実施する。フィルタの伝達関数は、 G(z)=(1−z-85/(1−z-15 である。 極ゼロ相殺(pole−zero cancellation)は36個のタ ップのFIRフィルタを生じる。このフィルタはサブサンプリング周波数の各倍 数において5つのゼロを有している。これにより、第二段フィルタの通過帯域へ 入り込む(alias into)これらの周波数の強い除去が行われる。第一 段フィルタは、単一の精密コンピュータ演算で表される小さな整数の係数を有し ており、これにより畳み込みの計算上の複雑性を簡略化し、実施速度を改善する ことができる。 デシメーション・フィルタ要素202の第二段フィルタは4.8kHzから8 00Hzへのサンプリング速度の6:1低減を実施する。第二段フィルタは周知 のレメツ交換アルゴリズムを用いて設計される131タップのFIRフィルタで ある。この通過帯域はDC〜250Hzであり、停止帯域は400Hzで始まる 。この通過帯域は重み10-5を有し、停止帯域は重み1を有している。 これら2つのデシメーション・フィルタによって高度のアンチエイリアシング が与えられる。全てのエイリアシング成分は120dB以上減少し、DC〜23 0Hzのリプルは1.5dBより小さい。 A/D変換器200及び経路250を経由して接続されるデシメーション・フ ィルタ要素202を含む左チャンネルは、上に論じた右チャンネルと同じに作動 する。左チャンネルのためのデシメーション・フィルタ要素202の出力は、そ の出力信号を経路254に加える。 A/D変換器200からのサンプル値及びデシメーション段の計算は32ビッ ト固定小数点演算を利用して所要の計算精度と性能を維持することが好ましい。 ノッチ・フィルタ処理の後の計算、位相計算、Δt計算及び質量流量計算は、よ り複雑な機能に伴う広範囲の計算上のスケーリングに起因して浮動小数点演算を 用いて実施されるのが望ましい。 アンチエイリアシング及びデシメーション処理されたデジタル信号値が経路2 56を通して適応ノッチ・フィルタ204に印加される。以下に詳細に論じられ る適応ノッチ・フィルタ204は、振動流管の基本周波数を中心とする帯域外の 全ての周波数を効果的に濾波することにより信号値の品質を向上させる。適応ノ ッチ・フィルタ204は基本周波数を中心とする1つの帯域の周波数(ノッチ) を除去する。その結果得られる信号は振動流管の基本周波数を中心とするノッチ の外側の全てのノイズである。次に、このノイズ信号は、基本周波数とデシメー ション・フィルタ要素202によって濾波されない全てのノイズとの和であって 経路256を通してノッチ・フィルタ204に入力として印加される信号から減 算される。次に、大部分のノイズ信号が濾波された振動流管の基本周波数を表す 減算の結果は、ノッチ・フィルタ204の出力として経路262に加えられる。 ノッチ・フィルタ204のパラメータ(重み因子又は係数及びバイアス除去( debiasing)パラメータ)はノッチの特性、即ち、ノッチの形状(除去 さ れる周波数の帯域幅)及び基本周波数を決定する。これらのパラメータは重み適 応要素210によって計算され、経路258を経由してノッチ・フィルタ204 に印加される。 左チャンネルの適応ノッチ・フィルタ204は経路254を経由してその入力 を受けて、その出力を経路260に加える。以下に論じられるように、左チャン ネルの適応ノッチ・フィルタ204から出力として発生される信号は、両方のノ ッチ・フィルタ(左右のチャンネルの適応ノッチ・フィルタ)の係数を決定する 際にフィードバックとして重み適応要素210によって用いられる。 両方のノッチ・フィルタ204(左右の信号チャンネル)の重み因子(係数) は、重み適応要素210の作動によって決定される。重み適応要素210は濾波 された信号と、濾波されていない信号のノイズ部分と、左チャンネルの適応ノッ チ・フィルタ204からの濾波された信号の勾配とを受け取る。これらの信号値 は時間依存(反復)計算に用いられ、ノッチ・フィルタの適切な係数を決定する 。このように決定された係数はノッチの特性を制御する。ノッチの形状と基本周 波数は、基本周波数の変化を追尾するように適応化される。ノッチの形状は、適 応ノッチ・フィルタが基本周波数への変化に収束する速度を決定する。ノッチが 広いと、濾波が少ないが、一層迅速に基本周波数の変化に調節される。ノッチが 狭いと、基本周波数の変化に緩慢に収束するが、入力検知器信号の優良な濾波を 行う。 左或いは右のチャンネルの出力信号のいずれをも重み適応要素210へのフィ ードバックとして用い得ることが認識されよう。左チャンネルの出力信号と右チ ャンネルの出力信号の両方を重み適応要素210に利用することが可能であるが 、付加される計算上の複雑性に優る明確な利点はない。重み適応要素210への 入力源に無関係に、その中で計算される重み適応パラメータは、両方の検知器信 号出力チャンネルが同じに処理されるように左右のチャンネルの適応ノッチ・フ ィルタ204に適用される。左右のチャンネルに適用される1つの組のパラメー タを用いることは、2つのチャンネル間のきわどい位相関係、即ち質量流量に比 例するΔt値を計算するのに用いられる基本的な値を維持するのに役立つ。 重み適応要素210によって計算される値は、以下に論じられるように、位相 とΔtの計算にも用いられる。 要素212は重み適応要素210から係数を受け取り、振動流管の基本周波数 を決定する。周波数及びゴエルツェル(Goertzel)重み情報が周波数計 算要素212によって発生され、経路268に加えられる。 適応ノッチ・フィルタ204によって発生された濾波済みの信号は経路262 を経由して位相計算要素206に加えられる。位相計算要素206は周波数計算 要素212から経路268を通してゴエルツェル重み情報及び周波数情報を受け 取る。位相計算要素206は2つのハニング(Hanning)・ウインドウに よるフーリエ解析技術を用いて濾波済みの信号の位相を決定する。ウインドウの 長さは公称又は予測の流管基本周波数の関数である。ウインドウの長さは、サン プルが収集され重み付けされて流管の位相を決定するための複数の流管振動サイ クルを決定する。予測の流管周波数は、製造時に本発明の電子回路にプログラミ ングされ、特定の設置/応用場所においてパラメータとして入力され、又は、流 量計の作動及び適切な測定によって決定され得る。ウインドウの長さは応答時間 と信号ノイズ除去及び漏洩との間のトレードオフを表す。位相を決定するために 累積されるサイクル数が多いと、ノイズの付加的な除去が行われるが、因果関係 を達成するために付加的な遅延が必要となるので、流管振動位相関係の変化に対 する応答が遅くなる。サンプルが少なくなると遅延が減少し、従って、流管振動 位相の変化に対する応答速度が改善されるが、ノイズの除去が悪くなる。8つの 流管サイクルが、サイクルで測定される好ましいウインドウ長さとして選択され る。所与の予測周波数を仮定すると、好ましいウインドウ・サイズ(2N)は、 以下のように決定される。 ウインドウ長さ=2・フロア(3200/予測流管周波数) ここで、フロア(x)はxより小さいかxに等しい最大の整数である。 ハニング・ウインドウは1ハニング・ウインドウ期間に個別のサンプルに適用 される重みのベクトルとして表される。2Nがハニング・ウインドウの1つの期 間内の個別のサンプルの数である時、kが0から2Nの範囲の場合にk番目の個 別のサンプルの重みは以下のように決定される。 半ウインドウ信号パルスが図2のクロック214によって発生され、重なり合 うハニング・ウインドウの並列計算に関して以下に詳細に論じられる目的のため にN個の個別のサンプル毎に(サンプリングされた検知器出力信号の1つの完全 なハニング・ウインドウは1つの期間に2N個の個別のサンプルを有する)図2 の経路274に加えられる。加うるに、図2のクロック214はカウンタ値であ るSAMPNOを経路272に加える。経路272上のSAMPNOは0からN −1まで(CLK信号のモジュロN関数として)計数する。経路272上のSA MPNOカウンタはCLK信号のパルス毎に増分する。SAMPNOがN−1に 達すると、クロック214からのCLK信号の次のパルスはSAMPNOを0に リセットする。半ウインドウ信号はゼロに等しいSAMPNOカウンタに対応す る。本発明の好ましい実施の形態では、SAMPNOカウンタは1つのハニング ・ウインドウの間に処理される個別のデシメーション処理済みのサンプリングさ れた検知器出力信号値の数を計数するソフトウエアで実施される。ソフトウェア 実施のSAMPNOカウンタは図2のクロック214によって経路270上に与 えられる固定周波数水晶制御クロックに対して非同期で増分する。 各ウインドウの縁における信号サンプルには、ウインドウの中央の方の信号サ ンプルより低い重みが与えられる。使用可能なデータをより完全に利用するため に、ウインドウが1ウインドウ長の半分だけ重なり合うように、2つのフーリエ 計算が同時に為される。新しいフーリエ位相測定値がサンプルの半ウインドウ毎 に生成される。 本発明における一定のウインドウ・サイズの使用によって、ハニング・ウイン ドウ重みが流量測定が始まる前に予め計算され得る。本発明のように、離散時間 フーリエ変換(DTFT)と共に用いられると、ウインドウ・サイズはDTFT フィルタ出力に特有な周波数弁別の鮮鋭度を決定する。これは又、ノイズ及び疑 似高調波の除去を増大する。不幸にも、より大きなウインドウ・サイズはフィル タの位相変化に対する応答を遅くする。それ故、上記のように決定されたウイン ドウ・サイズは、これらの競合する目的(改善された周波数弁別及びノイズ除去 に対する位相変化への迅速な応答)のバランスを取るのに適する最も良く知られ た近似を表す。この好ましいウインドウ・サイズは環境条件に対して最適化する よう種々の流量計応用のために変えることが出来る。 位相計算要素206は、濾波された個別のサンプリング値を加算し、サンプリ ングされ濾波された検知器出力信号の位相を示す複素数を発生する。この複素数 は後続のΔt計算に用いられるよう経路266に加えられる。詳細には、ゴエル ツェル・フィルタ・フーリエ変換が、右チャンネルと左チャンネルの両方の濾波 された個別のサンプリングされた検知器出力信号値の各ハニング・ウインドウに 適用される。ゴエルツェル・フィルタの係数は周波数計算要素212によって決 定され、経路268を通して位相計算要素206に供給される。位相計算要素2 06の複素数出力は経路266に加えられ、Δt計算に用いられる。 左チャンネルのための位相計算要素206は上に論じた右チャンネルと同じに 作動する。左チャンネルのための適応ノッチ・フィルタ205の出力はその出力 信号を経路260に加える。位相計算要素206はこれらの信号を受け取り、左 チャンネル信号の位相を示す値を経路264に加える。 左右のチャンネルの位相情報は位相計算要素206の作動によって決定され、 左チャンネルの経路264及び右チャンネルの経路266を通してΔt計算要素 208に受け取られる。周波数計算要素210の作動によって決定される周波数 情報は経路268を通してΔt計算要素208に受け取られる。Δt計算要素2 08は、コリオリ流量計の流管を流れる物質の質量流量に略比例する左検知器出 力信号と右検知器出力信号との間の位相差から生じる時間遅延を決定する。 左チャンネルのフーリエ変換に右チャンネルのフーリエ変換の共役が乗算され る。次に、複素数の結果の角度が計算される。この位相差角度は振動流管の管周 波数(位相測定値と一致するために適宜の単位に変換される)によって除算され てΔt値が生成される。 概説−ソフトウエア 図17−図19のフローチャートは、ソフトウェア実施の本発明の方法の作動 の概説を与えている。図17は、(図2の)A/D変換器からの割り込みに応答 して実時間で作動するソフトウエアの一部分の作動を示している。図18は、図 17に示すソフトウエアの作動によって生成されデシメーション処理されたサン プルに対して更なる濾波及び処理を実行するソフトウエア実施の一部分の作動を 示している。図17に示されるソフトウエアの作動によって生成されたデシメー ション処理されたサンプルは、図18のソフトウエアがA/D変換器200から の正確に調時されたサンプルに対して非同期で作動し得るようにバッファ処理さ れる。図19は、質量流量の結果的な測定値の安定性と精度を保証するのを助け る発見的手法を含む図18の要素の付加的な詳細を与えている。 図17−図19のソフトウエアは図20により詳細に示されている質量流量計 器24上で作動可能である。図20のデジタル信号プロセッサ2000は、任意 の普通のマイクロプロセッサによく似ているが、信号処理タスクへの応用に調整 された特殊目的の機能を有する計算装置である。多くの斯かるDSPプロセッサ 装置は当業者には公知である。斯かる装置の1つの例はテキサスインスツルメン ツ製TMS320C50−57である。この装置は固定小数点演算信号処理装置 である。ソフトウエア・エミュレーション・ライブラリが高精度の浮動小数点計 算に対して与えられている。この例示の装置は、サンプリング及びデシメーショ ンの作動に必要な32ビットの精度を与える。この浮動小数点エミュレーション ・ソフトウエアは大抵の流量計応用に対して適切な機能を与えるが、他のプロセ ッサ装置は特定の流量計応用のために付加的な浮動小数点計算機能が必要となる 場合に用いられる。 プロセッサ2000はバス2052を通してプログラムROM2002からの プログラム命令を読み出し、データを操作し、バス2054を通してRAM20 04においてバッファ処理を行う。当業者は、幾つかのコスト及びパフォーマン スの要因に依存して、プログラム命令をROM2002からRAM2004に複 写してプロセッサ2000の命令フェッチ機能を改善することが、ある状況下で は好ましいことを認識しよう。 A/D変換器200は各々、経路157、158にそれぞれ加えられるそれぞ れの流管検知器出力信号からアナログ信号を受け取る。プロセッサ2000は制 御信号をそれぞれ経路250、252を経由してA/D変換器200に加え、そ れぞれ経路250、252を経由してA/D変換器200からデジタル化された サンプル値を受け取る。プロセッサ2000は制御信号を経路2050を経由し てクロック214に加え、A/D変換器200のサンプリング周波数を決定する 。これに応答して、クロック214はサンプリング周波数のクロック信号を経路 270を経由してA/D変換器200に加える。このようにして、プロセッサ2 000は初期段階でA/D変換器200のサンプリング周波数を所望速度に設定 する。 好ましい実施の形態において、A/D変換器200は複数の変換器及びDSP プロセッサへの単一の通信バス接続体により単一の集積回路内で実施される。こ れにより、2つのサンプリングされた信号間の位相関係が、物理的に分離された A/D変換器回路間の不均衡の影響ではなく振動流管のコリオリ効果に起因する ことを保証する。多くの斯かるステレオA/D変換器チップが当業者に公知であ る。斯かるチップの1つの例が2チャンネル・ステレオA/D変換器デバイスで あるクリスタル・セミコンダクターズ製CS5329である。 プロセッサ2000は流管が振動する適切な基本周波数を決定し、比例信号を 経路2058に加える。ドライバ回路2008は経路2058に加えられた信号 を流管を駆動して振動させるのに適した信号に変換し、この信号を経路156に 加える。流管を駆動して振動させるための多くの方法及び装置は当技術において は周知であり、ここでは更に論じる必要がない。 プロセッサ2000はまた、サンプリングされたチャンネル間の位相差から△ t値を決定し、△t値に比例する信号を経路2056に加える。D/A変換器2 006は、経路2056に加えられた信号値を質量流量に比例する経路155に 加えられるアナログ信号に変換する。経路155上の信号は特定の流量計測定応 用に適切な利用手段(図示せず)に加えられる。 概観−ソフトウエア(実時間割り込み処理): 上に述べたように、A/D変換器200は一定の周波数において作動して、左 右の流管からの検知器出力信号の正確に調時されたサンプル値を与える。図17 に示されるように、これらの生のサンプル値は2段の48:1デシメーション・ フィルタによってデシメーション処理される。このデシメーション濾波により、 サンプリング速度が低減され、斯くしてノッチ・フィルタに印加するため、及び 、 位相差及びその結果としてのΔt測定値を決定するために必要な計算用の電力が 低減されると共に、サンプリングされたデータのある程度の平滑化(アンチエイ リアシング)が行われる。周知のソフトウェア技術を適用して重要度の低い計算 処理の期間に割り込みのネスティングを行い、これにより、A/D変換器200 のサンプル割り込みが処理されている間に複雑な計算に因るデータの消失を避け ることが出来る。例えば、FIFOメモリ技術の使用におけるような回路バッフ ァリングを適用し、前のサンプルが処理されている間に付加的なデータを保持す ることが出来る。これらのバッファリング技術及び他の技術は当技術においては 公知であるため、更に述べる必要がない。 図17の要素1700は、左右の流管検知器信号出力の各々に対するデジタル 化されたサンプルの使用可能性を示すために、A/D変換器200によって生成 された割り込みの発生を表す。次に、要素1702はこの割り込みに応答して作 動して、左右の流管検知器信号(本明細書では左チャンネル及び右チャンネルと も呼ばれる)毎にA/D変換器200からサンプリングされたデジタル値を読み 出す。A/D変換器200から読み出されたサンプリングされたデジタル値は、 左チャンネル及び右チャンネルの各々に関連した第一段円形バッファに記憶され る。各チャンネルの第一段円形バッファはFIRフィルタのサンプル値を記憶す るのに十分なサイズを有する。第一段フィルタは36タップのフィルタであるこ とが好ましく、それ故、各チャンネルの円形バッファには少なくとも36個のエ ントリが必要である。 要素1704は、要素1702の作動によりA/D変換器200から読み出さ れたサンプル値の最後の畳み込み以後に8個の新しいサンプルが第一段円形バッ ファに記憶されているか否かを決定するように作動可能である。8個の新しいサ ンプルが未だ読み出されていない場合、このA/D変換器200割り込みの処理 が完了する。8個の新しいサンプルが最後の畳み込み以後に第一段円形バッファ に記憶されている場合、要素1706は各チャンネルに対する第一段円形バッフ ァに現在記憶されている36個のサンプル値の畳み込みを決定するように作動可 能である。各チャンネルの畳み込み処理された値は各チャンネルに関連する第二 段円形バッファに記憶される。各チャンネルの第二段円形バッファはFIRフィ ル タのサンプル値を記憶するのに充分なサイズを有する。第二段フィルタは131 タップのフィルタであることが好ましく、それ故、各チャンネルの円形バッファ には少なくとも131個のエントリが必要である。 要素1708は、6個の新しい値が要素1706の作動によって第二段円形バ ッファに記憶されているかを決定するように作動可能である。第一段の畳み込み からの6個の新しい値が未だ第二段円形バッファに記憶されていない場合、この A/D変換器200の割り込みの処理が完了する。6個の新しい値が第二段円形 バッファに記憶されている場合、要素1710は各チャンネルの第二段円形バッ ファに記憶されている131個の値の畳み込みを決定するように作動可能である 。次に、各チャンネルの第二段円形バッファ値の第二段フィルタの和(畳み込み )が各チャンネルに関連するデシメーション処理済みサンプルの円形バッファに 記憶される。各チャンネルのデシメーション処理済みサンプルの円形バッファは その関連の左又は右のチャンネルのサンプルに対してデシメーション処理された 値を保持する。これらのバッファは、図18に関して以下に述べる非同期処理が 更なる濾波と処理のための値を検索することが出来るまで、デシメーション処理 された値を保持するのに用いられる。デシメーション計算は、この図17の割り 込み処理ソフトウエア内で処理され得るほど単純である。ノッチ・フィルタを適 用し、位相差及びΔt値を決定し、ノッチ・フィルタのパラメータを適応させる ための更なる処理は複雑であり、それ故、A/D変換器200からサンプル値を 読み出すのに必要な実時間処理に対して非同期で作動する。当業者は、図17の 割り込み処理と図18の非同期処理の間のタスクの分割は、選択されたDSPチ ップの機能特性とA/D変換器サンプリング周波数によって測定された所望機能 目標に応じて設計選択の問題であることを認識しよう。幾つかの等価ソフトウエ ア及び関連するデータ構造は、本発明の精神及び範囲内にある。 図17−図19に関して本明細書に要約されるソフトウエア構造が、本発明の 理解を助けるために、下記の「疑似回路」に述べられている。これらの疑似回路 の説明においては、上記の図17に述べられている作動によって発生されたデシ メーション処理されたサンプル毎に、CLKと呼ばれる信号がパルス発生される 。換言すると、このCLK信号はサンプリング周波数の1/48である。図17 − 図19に示すソフトウエアの記述で分かるように、CLK信号は、デシメーショ ン処理されたサンプル値(より精密には、左チャンネルに1つ、右チャンネルに 1つの一対のデシメーション処理された値)がデシメーション処理済みサンプル の円形バッファにおいて使用可能であることを示すだけである。計算的に一層複 雑なノッチ濾波及びΔtの決定は、精密に調時されたサンプリング周波数でクロ ックされるA/D変換及び関連の2段階デシメーションに関して非同期で実行さ れる。換言すると、以下に論じられるCLK信号はデシメーション処理されたサ ンプルがデシメーション処理済みサンプルの円形バッファにおいて使用可能であ るという指示にすぎないことが好ましい。 概観−ソフトウエア(非同期デジタル信号処理): 図18は、図17に関して上に論じた実時間サンプリング及びデシメーション 操作に応答して作動可能なソフトウエアの非同期部分を示すフローチャートであ る。図18の要素1800は両チャンネルのサンプリングされたデータを予め処 理するのに用いられる円形バッファ(第一段、第二段、及びデシメーション処理 済みサンプル)を初期化するのに必要な全ての処理を表している。加えるに、要 素1800は、変換器の一定のサンプリング周波数(即ち、クロック214)を 設定するために、及び、サンプル値がA/D変換器200から利用可能な時にA /D変換器200がDSP作動に割り込むことを許可するために、図2のA/D 変換器200に関連する任意の必要なハードウエアを初期化する。要素1802 は一対のデシメーション処理されたサンプル値がデシメーション処理済みサンプ ルの円形バッファ(1つは左チャンネルに対して、もう1つは右チャンネルに対 して)の各々で利用可能になるまで待機するように作動可能である。一対のデシ メーション処理されたサンプル値が利用可能になると、要素1804はノッチ・ フィルタ機能をデシメーション処理されたサンプル値に適用し、これにより信号 の質を向上させるように作動可能となる。この信号は不要ノイズ及び信号周波数 の高調波を除去することにより品質が高められる。 次に、要素1806はノッチ・フィルタのパラメータを更新するように作動可 能である。本発明の適応方法は、振動流管の基本周波数の変化を補償するように ノッチ・フィルタパラメータを適応させる。ノッチ・フィルタの適応過程におい て、計器24によって為される流量測定の安全性を保証するのを助けるために、 発見的手法が利用される。これらの発見的手法は以下に一層詳細に論じられる。 更新されたフィルタ・パラメータはノッチ・フィルタに適用される。 次に、図18の要素1812は、サンプルが新しい半ウインドウ期間の始点に おける最初のサンプルであるか否かを決定するように作動可能となる(即ち、前 の半ウインドウでの全部のサンプルの処理が完了していることを示すSAMPN O=0)。サンプルが新しい半ウインドウ期間の始点における最初のサンプルで ない場合、処理は要素1808及び1810に続き、ゴエルツェル・フィルタの パラメータを更新し、信号及びノイズ・エネルギ値を累算する。サンプルが新し い半ウインドウ期間の始点における最初のサンプルである場合、前の半ウインド ウの完了に関する処理が以下に論じられる要素1814の作動によって実行され る。 要素1814は、累算され品質の向上したサンプル・エネルギ及び累算され品 質の向上したノイズ成分エネルギが以下に論じられる要素1810の作動によっ て発生されるならば、信号対雑音比(SNR)を決定するように、半ウインドウ 期間の終点(新しい半ウインドウ期間の始点)において作動可能である。また、 要素1810の作動によって発生された累算されたエネルギの和は、次のハニン グ半ウインドウ期間のサンプルの始点に対して累算を準備するために、要素18 14の作動によってリセットされる。次に、要素1816がSNRが許容しきい 値を上回るか否かを試験する。本発明において、多くの共通の応用のための好ま しいSNRしきい値は5である。当業者は、好ましいSNRしきい値が各特定の 流量測定環境及び応用の要求に応じて変化し得ることを認識しよう。SNRが所 定のしきい値を下回る場合、SNR誤り条件が前の半ウインドウ期間(完了した ばかりの半ウインドウ)に存在すると言われる。要素1816が前の半ウインド ウにSNR誤りが存在したと決定する場合、処理は要素1818に続く。そうで ない場合、処理は要素1820に続く。要素1818はノッチ・フィルタの重み の適応に含まれる計算をリセットするように作動可能である。詳細には、バイア ス除去パラメータ(α)、忘却係数(λ)及び共分散マトリクス(P)は全て、 計算を再開してノッチ・フィルタを振動流管の基本周波数へ収束させる状態へリ セットされる。 次に、要素1820は、直前のサンプル値の期間での各チャンネル上の信号の 位相を示す複素数からΔtを決定するように作動可能である。換言すると、(以 下に論じられるように半ウインドウ毎に生じる)サンプル値の各ハニング・ウイ ンドウの後に、Δt値は各チャンネルの位相を示す複素数へ変形される、直前の ハニング・ウインドウのサンプルから計算される。要素1820は更に、要素1 808によって発生される累算されたパラメータから、次の期間のゴエルツェル ・フィルタ係数を決定するように作動可能である。要素1808のパラメータ累 算は又、新しい期間を開始するようにリセットされる。次に処理は要素1808 及び1810に続き、ゴエルツェル・フィルタのパラメータを更新し、信号及び ノイズ・エネルギを累算する。 要素1808は、半ウインドウ期間にわたって平均のノッチ・フィルタ重みを 累算することにより、ゴエルツェル・フィルタを更新するように作動可能である 。半ウインドウ期間の境界において、次の半ウインドウ期間のサンプルの処理に 備えて、ゴエルツェル・フィルタの重みが更新される。要素1808は又、品質 の向上したサンプル値の発生に応答して、品質の向上したサンプル値を複素ゴエ ルツェル・フィルタに加える。ゴエルツェル・フィルタは、上に論じたように、 波形の位相を表し且つ一連の波形サンプル値について累算された複素数を生成す る。この位相値は左右のチャンネルに対して累算される。 上に論じたように、ゴエルツェル・フィルタは各チャンネルの品質の向上した サンプリングされた信号の位相を示す複素数を累算するのに用いられる。この累 算はハニング・ウインドウの長さ(2Nで示される前記長さ)に等しい複数のサ ンプルの間継続する。ハニング・ウインドウにおけるサンプルのスパンは、関連 の流管検知器信号の8個の全振動サイクルにほぼ及ぶ。サンプリングされたデー タの利用を最大化するために、2つのゴエルツェル・フィルタ計算が1つのチャ ンネルのサンプルに対して並列に実行される(合計4つの計算、即ち、左右のチ ャンネルの各々に対して2つずつ)。1つのチャンネル上の2つの並列計算は当 該チャンネルの品質の向上した同じサンプル値に対して実行されるが、1つの計 算 は他方の計算の半ハニング・ウインドウ後に(即ち、N個のサンプルだけ遅れて )開始する。換言すると、1つのチャンネルのサンプルに適用されるこれら2つ の並列ゴエルツェル・フィルタ計算は、振動検知器信号サンプルの半ハニング・ ウインドウ期間だけ時間的に互いから分離される。 要素1810は、質の向上した信号エネルギを累算し、サンプル値のノイズ・ エネルギを累算するように作動可能である。これらの累算された値は、信号対雑 音比が所望限度内にあるか否かを決定するために半ウインドウ(要素1814に 関して上に論じたように)の終点において検査される。 次に、この方法の処理は、別のデシメーション処理されたサンプル値の受領を 待機するために要素1802へ戻ることによって継続する。 図19は、別のデシメーション処理されたサンプル値の処理に備えてフィルタ ・パラメータを更新する要素1806の作動の更なる詳細を与える。図18に関 して上に論じたSNR試験に加えて、ノッチ・フィルタ計算での不安定性を防ぐ のを助けるために、別の発見的手法試験が本発明の方法に適用される。 図19に示される発見的手法試験は、計算されたノッチ・フィルタ重みが所定 の許容範囲内で安定であるかどうかを調べる。新しく計算されたフィルタ重みは 、これらが許容範囲外にある場合、次のサンプルには用いられない。斯かる場合 、前のサンプル値から計算された重みの以前の値は、後続の計算が許容されるフ ィルタ重みを生じるまで用いられる。 要素1902乃至1908は、現在のサンプル値から、更新された忘却係数、 更新された利得ベクトル、更新されたバイアス除去パラメータ及び更新された共 分散マトリクスを決定するように作動可能である。次に、要素1910は、(前 のサンプル処理から計算された)前の重み、利得ベクトル及びバイアス除去パラ メータ値が要素1902乃至1908の作動によって決定されたと仮定して、更 新されたノッチ・フィルタ重みを決定するように作動可能である。図18に関し て上に論じたように、改善された信号対雑音比を試験することによりエラーが検 知されると、更新された係数に関連する計算は流管のシフトされた基本周波数上 へのノッチの収束を再開するようにリセットされる。 要素1912は、許容値の所定の範囲に対する新しく計算された重みの安定性 を評価するように作動可能である。新しく計算された重みが許容範囲にある場合 、要素1914は次のデシメーション処理されたサンプルの処理に備えて新しい 重みをノッチ・フィルタに適用するように作動する。新しく計算された重みが許 容範囲の外にある場合、新しい重みはフィルタには適用されず、前の重み(前の サンプルの処理から計算された)が次のデシメーション処理されたサンプルに対 して用いられる。 第一の好ましい実施の形態: 本発明の第一の例示の好ましい実施の形態において、左チャンネルからの個別 のデジタル化されたサンプルを濾波するためのフィルタと右チャンネルからの個 別のデジタル化されたサンプルを濾波するためのフィルタとの2つの適応ノッチ ・フィルタが用いられる。重み適応計算は、左チャンネル処理に関連した信号を サンプリングすることにより両適応ノッチ・フィルタのノッチ・パラメータを調 節する。 図3は、図2の計算要素間の情報の流れに関する更なる詳細を示すために図2 の要素を分解している。計算要素204は図2に最初に示される適応ノッチ・フ ィルタである。左チャンネルの適応ノッチ・フィルタ204は(図2の)経路2 54からデシメーション処理された検知器出力信号のサンプル(xL)を受ける 。ノッチ・フィルタ伝達関数の重み係数(W)は経路258を経由して重み適応 要素210から入力される。ノッチの形状を決定するバイアス除去パラメータ( α)が又、経路258を経由して重み適応要素210から入力される。右チャン ネルの適応ノッチ・フィルタ204は(図2の)経路256からデシメーション 処理された検知器出力信号のサンプル(xR)を受け取るが、そうでない場合は 、左チャンネルの適応ノッチ・フィルタ204と同じに作動する。左右のチャン ネルの適応ノッチ・フィルタは両方とも重み適応要素210から経路258を経 由して同じ適応パラメータ(W及びα)を受け取る。 左右のチャンネルの適応ノッチ・フィルタは、それぞれの出力経路260、2 62にそれぞれ加えられた個別のサンプル値によって表される品質の向上した信 号を発生する。左右のチャンネルに対するそれぞれeL及びeRとして表された品 質の向上した信号は、振動流管の基本周波数の近くの狭い周波数帯域を除いて全 てのノイズ信号が濾波されている関連の入力信号サンプルを表している。 左チャンネルの適応ノッチ・フィルタ204は入力信号サンプルのノイズ部分 (nL)と入力信号サンプル値の勾配ベクトルを示す値(ψ)をその出力経路2 60に加える。これらの信号値(eL、nL及びψ)は、重み適応要素210がノ ッチ・フィルタの次の調節のための重み適応パラメータを決定するのに用いられ る。左右のチャンネルの適応ノッチ・フィルタ204は両方とも同じ関数を計算 するが、右チャンネルの適応ノッチ・フィルタからのノイズ及び勾配値は本発明 の方法及び装置には用いられない。実際、右チャンネルの適応ノッチ・フィルタ 204の未使用の信号は、好ましい実施の形態のDSPソフトウエアによって計 算されない。適応ノッチ・フィルタ204によって計算される関数は以下に詳細 に論じられる。 左右のチャンネルの適応ノッチ・フィルタ204からの品質の向上した信号の 値は、それぞれ経路260及び262を経由して、位相計算要素206によって 受け取られる。位相計算要素206は、経路260及び262上のそれぞれの入 力に加えられた品質の向上した個別のサンプル信号によって表される正弦波信号 の位相を決定する。 フーリエ変換位相計算要素206はハニング・ウインドウの重み付け法を利用 し、対応の正弦波入力信号の8個のサイクルを表わす各チャンネル上の2N個の 個別の重み付けされたサンプルを合算する。以下に論じるように、本発明におけ る種々の計算要素はそれぞれの計算をハニング・ウインドウ期間の半分(サンプ ル0...N−1)の期間に受け取られたデータに適用する。この半分のウイン ドウ・サイクルの特定のサンプル(サンプル0...N−1)を示す値SAMP NOは、経路272を経由して位相計算要素206に入力として受け取られる。 SAMPNO値は、ハニング・ウインドウの第一及び第二の半分に対する品質の 向上したサンプル信号値に適用される重みのベクトルに対する指標として用いら れる。これらの重み付け法は以下に論じる位相計算要素206に用いられる。 位相計算要素206は、濾波された個別のサンプリング信号値にゴエルツェル ・フィルタ・フーリエ変換を適用し、システムの各チャンネル上の正弦波信号の 位 相を決定する。ゴエルツェル・フィルタの係数(複素数のB)が周波数計算要素 212によって経路268を経由して位相計算要素206に供給される。ゴエル ツェル・フィルタは、これらのサンプルを各ハニング・ウインドウにおいて処理 し、サンプリングされた正弦波検知器出力信号の位相を表す複素数を発生する。 位相計算要素206によって発生された複素数値は、それぞれ左右のチャンネ ルに対する経路264及び266に加えられる。Δt計算要素208は、サンプ リングされた信号の位相を示す複素数をそれぞれ左右のチャンネルの信号に対応 する経路264、266上で受け取る。Δt計算要素208は、経路268を経 由して周波数計算要素212から振動流管の基本周波数を示す数(Ω)を受け取 る。 各チャンネルから得られるデータをより完全に利用するために、位相、周波数 及びΔtの計算が半ウインドウ(上記で決定されたようにハニング・ウインドウ 長さの半分)毎に実行される。2つの位相計算が各チャンネル上の濾波された個 別のサンプリングされた入力値に対して実行される。これらの2つの並列計算の 各々は、濾波された個別のサンプル値の全ウインドウ毎に1回完了する。これら の計算は、ハニング・ウインドウの長さの半分に等しい幾つかのサンプルに対応 する期間だけ時間的に互いにずれている。これら2つの計算要素がハニング・ウ インドウの長さの半分だけ互いにずれているので、これら2つの並列計算の一方 は各チャンネル上の半ウインドウ期間毎にその計算を完了する。それ故、半ウイ ンドウ期間毎に、新しい位相、周波数及びΔtの計算が完了し、質量流量測定に 利用される。 図2の重み適応要素210は、4つの副要素、即ちSNR誤り検出要素300 、ノッチ・フィルタ重み計算要素302、利得ベクトル計算要素304及びバイ アス除去パラメータ計算要素306に分解された状態で図示されている。 SNR誤り検出要素300は、左チャンネルのノッチ・フィルタ204によっ て発生されて経路260に加えられる品質の向上した信号値(eL)と、濾波さ れていないサンプル値のノイズ成分(nL)とを受け取る。SNR誤り検出要素 300は濾波されていないサンプル値のノイズ成分(nL)に対する品質の向上 した信号値(eL)のエネルギの比がしきい値を下回るか否かを決定する。信号 対雑音比が所定の下限を下回ると、これは通常、ノッチ・フィルタ204が振動 流管の基本周波数に収束されないことを示す。信号対雑音比が不適切であると分 かると、SNR誤り信号が発生して図3の経路350を通してSNR誤り検出要 素300の出力に加えられる。以下に論じるように、経路350に加えられるS NR誤り信号は、ノッチ・フィルタを適応させるのに用いられる計算を再開し且 つ振動流管の基本周波数上にノッチを収束させるために、重み適応要素210内 の他の計算要素によって用いられる。SNR誤り検出要素300の正確な計算及 び詳細が図7に関して以下に提示される。 ノッチ・フィルタ重み計算要素302は左チャンネルのノッチ・フィルタ20 4によって発生し経路260に加えられる濾波されていないサンプル値のノイズ 成分(nL)を受け取る。要素302は又、利得ベクトル計算要素304によっ て発生され経路352に加えられる利得ベクトル値(2成分ベクトルK)を受け 取る。加うるに、要素302はバイアス除去パラメータ計算要素306によって 発生され経路354に加えられる更新されたバイアス除去パラメータ(α’)を 受け取る。次に、ノイズフィルタ重み計算要素はノッチ・フィルタ重み(W)の 更新された値を計算し、これらをノッチ・フィルタ204及び周波数計算要素2 12によって用いられるように経路258に加える。ノッチ・フィルタ要素30 2の正確な計算及び詳細が図6に関して以下に提示される。 利得ベクトル計算要素304は左チャンネルのノッチ・フィルタ204によっ て発生され経路260に加えられる勾配(ψ)を受け取る。要素304は又、S NR誤り検出要素300によって発生し経路350に加えられるSNR誤り信号 を受け取る。加うるに、要素304はバイアス除去計算要素306によって発生 し経路356に加えられる忘却係数(λ)を受け取る。次に、利得ベクトル計算 要素304は利得ベクトル(K)の更新された値を計算し、これらをノッチ・フ ィルタ重み計算要素302によって用いられるように経路352に加える。利得 ベクトル計算要素304の正確な計算及び詳細が図5に関して以下に提示される 。 バイアス除去パラメータ計算要素306はSNR誤り検出要素300によって 発生され経路350に加えられるSNR誤り信号を受け取る。次に、バイアス除 去パラメータ計算要素306はバイアス除去パラメータ(α)の更新された値を 計算し、これをノッチ・フィルタ204によって用いられるように経路258に 加える。バイアス除去パラメータ計算要素306は又、更新されたバイアス除去 パラメータ(α’)を計算し、これをノッチ・フィルタ重み計算要素302によ って用いられるように経路354に加える。加うるに、バイアス除去計算要素3 06は更新された忘却係数(λ)を計算し、それを利得ベクトル計算要素304 によって用いられるように経路356に加える。バイアス除去パラメータ計算要 素306の正確な計算及び詳細が図8に関して以下に提示される。 図2の周波数計算要素212が、2つの副要素、即ち、ゴエルツェル・フィル タ重み計算要素308と半ウインドウ係数パイプライン310に分解された状態 で図示されている。 ゴエルツェル・フィルタ重み計算要素308は重み適応要素210の作動によ って決定され経路258に加えられるノッチ・フィルタ重みを受け取る。次にゴ エルツェル・フィルタ重み計算要素308はゴエルツェル・フィルタ重み(B’ )を複素数として決定し、又、個別のサンプリングされた信号によって表される 正弦波の流管検知器出力信号の周波数(Ω’)をノッチ・フィルタの重みに含ま れるものとして決定する。このように決定された両方の値は、図2のクロック2 14によって経路274に加えられる半ウインドウ信号によって示される各半ウ インドウ期間の終点において計算される。このように決定されたゴエルツェル重 み及び周波数は半ウインドウ係数パイプライン310によって用いられるように 経路358に加えられる。ゴエルツェル・フィルタ重み計算要素308の正確な 計算及び詳細が図9に関して以下に提示される。 半ウインドウ係数パイプライン310はゴエルツェル・フィルタ重み計算要素 308によって上記のように計算されたゴエルツェル・フィルタ重み(B’)及 び周波数(Ω’)を受け取る。次に半ウインドウ係数パイプライン310は計算 された値(B’及びΩ’)のタイミングを調節し、それらを重なり合う半ウイン ドウの間の2つの並列計算の1つと関連せしめる。半ウインドウ係数パイプライ ン310の正確な計算及び詳細が図10に関して以下に提示される。 前記のように、図3(及び以下に論じられる詳細な図)に示される要素によっ て実行される計算は、広いスケールの数値精度にわたって精度を維持するように 浮動小数点演算を用いて実行されるのが好ましい。浮動小数点計算機能は図20 の信号プロセッサ2000内のハードウエアによって実行されるか、ソフトウエ ア・ライブラリ機能を用いてプロセッサ2000によってエミュレーションされ 得る。性能及びコストの要因は浮動小数点のハードウエアとソフトウエアとの間 の選択を本発明の各応用に対して適切なものとして決定する。 第一の例示的な実施の形態−ノッチ・フィルタ: 図4は、図3の適応ノッチ・フィルタ204内で実行される機能及び計算に関 する更なる詳細を示している。一方が左チャンネルに関連し、他方が右チャンネ ルに関連する適応ノッチ・フィルタ204は構成と実行される計算に関して同じ である。左チャンネルの適応ノッチ・フィルタ204は経路254からデシメー ション処理された離散時間のサンプルの検知器値を入力として受け、その濾波さ れた出力を経路260に加える。右チャンネルの適応ノッチ・フィルタ204は 経路256からデシメーション処理された離散時間のサンプルの検知器値を入力 として受け、その濾波された出力を経路262に加える。 適応ノッチ・フィルタ204は又、経路258を経由して図3の重み適応要素 210から現在の重み(W1及びW2として表される2成分ベクトルW)及びバイ アス除去パラメータ(α)を受け取る。適応ノッチ・フィルタ204は、経路2 58からのバイアス除去パラメータを、その出力が経路488に加えられる乗算 ジャンクション446の両方の入力に加えることにより、バイアス除去パラメー タの二乗(α2)を発生する。 適応ノッチ・フィルタ204内の箱型の破線によって示される図4の適応ノッ チ・フィルタ204内の要素の一部分は、入力信号サンプルの勾配(ψ1、ψ2と して表される2成分ベクトルψ)を計算するのに用いられる。このように計算さ れた勾配値は、左チャンネルの適応ノッチ・フィルタ204における経路260 に加えられる。この勾配は図3の重み適応要素210によって用いられ、経路2 54上で受け取られる次のサンプルの更新されたノッチ・フィルタ重みが計算さ れる。勾配を計算するのに用いられる図4の箱型の破線内の要素は、右チャンネ ルの適応ノッチ・フィルタ204においては用いられない。 図4の適応ノッチ・フィルタ204は、個別のサンプルの入力値内に存在する ノイズを決定する。この入力サンプ値からノイズ信号値を減算することにより、 品質の向上した濾波値が生成され、経路260上に出力される。適応ノッチ・フ ィルタ204は、二次フィルタ多項式及びマトリクス演算により、品質の向上し た信号値eを以下のように決定する(ここで、以下の式で用いられる変数(t) はサンプリング周期“t”に対応する変数の値を示す): x(t) 経路254(右チャンネルに対しては256) 上に受け取られる入力信号値 A(t)=diag(α(t),α(t)2) バイアス除去対角行列 W(t)=[W1(t),W2(t)] 重みベクトル Y(t)=[y(t-1),y(t-2)]T 再帰フィルタ状態ベクトル y(t)=x(t)+W(t)A(t)Y(t) 中間計算 n(t)=y(t)-W(t)Y(t) 入力信号xから分離されたノイズ信号 e(t)=x(t)-n(t) 品質の向上した信号で、入力信号x−ノイズ信 号n 図4の疑似回路は、これらの式を回路及び計算要素の形で説明している。加算 ジャンクション400は経路254(右チャンネルの場合は256)上の入力信 号値と経路452(上記のようにWAYを表す)上の中間計算値とを加算して、 経路450に加えられるy=x+WAYを上記のように発生する。経路450上 のyの値は入力として遅延回路408に加えられ、それを1サンプル・クロック 期間(CLK)だけ遅延せしめ、次にそれを出力経路460に加える。経路46 0上の1回遅延されたyの値は遅延回路436に入力され、それを別のサンプル ・クロック周期(CLK)だけ遅延せしめ、次にそれを出力経路468に加える 。経路460上の1回遅延されたyの値及び経路468上の2回遅延されたyの 値は上記のベクトルYを表す。 バイアス除去対角行列Aは、それぞれ経路258、488上のバイアス除去パ ラメータとその二乗(α及びα2)とから構成される。経路460、468上の ベクトルYには、それぞれ乗算ジャンクション406、434を通して経路25 8、488に加えられるバイアス除去対角行列Aが乗算され、これによりそれぞ れ経路458、470上にAYが生成される。この積に、それぞれ乗算ジャンク ション404、432を通して経路258に加えられる重みベクトルWが乗算さ れ、これによりそれぞれ経路456、454上に中間計算値が生成される。それ ぞれ経路456、454上の2つの中間値は加算ジャンクション402に加えら れ、これにより上記のように経路452上にスカラー値WAYが生成される。 経路460、468上のベクトルYには又、それぞれ乗算ジャンクション41 4、438を通して経路258上の重みベクトルWが乗算され、これにより、経 路464、466上に中間値が生成される。経路464、466上の2つの中間 値は加算ジャンクション416を通して加算され、経路462上に値WYが生成 される。 加算ジャンクション412は経路450上の値yから経路462上の値WYを 減算し、これにより、経路470上にノイズ値n=y−WYが生成される。左チ ャンネルの適応ノッチ・フィルタ204において、入力サンプル値xのノイズ部 分nを表す値は、図3の重み適応要素210において用いられるように経路26 0に印加される。 加算ジャンクション410は、経路254(右チャンネルでは256)上の入 力サンプル値xから経路470上のノイズ値nを減算し、これにより、経路26 0(右チャンネルでは262)上に品質の向上した信号値e=x−nを生成する 。品質の向上した信号値は後続の位相計算要素206において且つ以下に論じら れる重み適応要素210において用いられる。 ノイズ値n及び品質の向上した信号値eに加えて、適応ノッチ・フィルタ20 4は勾配ベクトルψを経路260上のψ1、ψ2として計算する。適応ノッチ・フ ィルタ204は二次フィルタ多項式及びマトリクス演算によって勾配ベクトルを 以下のように決定する。 F(t)=[f(t-1),f(t-2)]T 再帰フィルタ状態ベクトル f(t)=n(t)+W(t)A(t)F(t) 中間計算 ψ(t)=Y(t)-A(t)F(t) 勾配ベクトル 加算ジャンクション418はその入力経路474上の中間計算値WAFに入力 経路470上のノイズ値nを加算して、経路472上にf=n+WAFを生成す る。経路472上の値fは入力として遅延回路420に加えられ、それを1サン プル・クロック周期(CLK)だけ遅延せしめ、次にそれを出力経路476に加 える。経路476上の1回遅延された値nは遅延回路430に入力され、それを 別のサンプル・クロック周期(CLK)だけ遅延せしめ、次にそれを出力経路4 84に加える。経路476上の1回遅延された値f及び経路484上の2回遅延 された値fは上記のベクトルFを表す。 経路476、484上のベクトルFに、それぞれ乗算ジャンクション426、 442を通して経路258、488に加えられるバイアス除去対角行列Aが乗算 され、これにより、それぞれ経路478、486上にAFが生成される。この積 に、それぞれ乗算ジャンクション424、440を通して経路258に加えられ る重みベクトルWが乗算され、これにより、それぞれ経路480、482上に中 間計算値が生成される。それぞれ経路480、482上の2つの中間値は加算ジ ャンクション422に加えられ、これにより、上記のようにスカラー値WAFが 経路474上に生成される。 経路478、486上の中間積AFは加算ジャンクション428、444によ り経路460、468上のYベクトルから減算され、これにより、勾配ベクトル ψ(ψ1、ψ2)=Y−AFが生成され、経路260に加えられる。経路260上 の勾配ベクトルは、更新されたノッチ・フィルタ重みを計算するために図3の重 み適応要素210によって用いられる。 左右のチャンネルの適応ノッチ・フィルタ204は上記のように作動する。経 路260上の勾配ベクトルψ及びノイズ値nの計算は右チャンネルには不要であ り、従って右チャンネルにおいては計算段階として飛び越してよい。重み適応要 素210は経路260に加えられた左チャンネルからの値のみを利用して、両方 のノッチ・フィルタ204の重みを調節する。品質の向上した信号値eのみが右 チャンネルから用いられ、位相計算要素206によって用いられるように経路2 62に加えられる。 第一の例示的な実施の形態−重み適応: 図3の重み適応要素210は、全て左チャンネルの適応ノッチ・フィルタ20 4によって発生され経路260に加えられる品質の向上した信号値eL,濾波さ れていない入力信号のノイズ部分nL及び勾配ψを受け取る。次に、重み適応要 素210は重みベクトルW及びバイアス除去パラメータαを決定し、それらを経 路258に印加して、両チャンネルのノッチ・フィルタを適応ノッチ・フィルタ 204において処理されるべき次の個別のサンプル値に対して調節する。重み適 応機能のこの説明を簡略化するために、重み適応要素210は、各々が全計算の 諸部分を実行する4つの副要素、即ち、SNR誤り検出要素300、ノッチ・フ ィルタ重み計算要素302、利得ベクトル計算要素304及びバイアス除去パラ メータ計算要素306に分解される。 図7において更に詳細に示されているSNR誤り検出要素300は、左チャン ネルのノッチ・フィルタ204によって発生され経路260に加えられた品質の 向上した信号値(eL)及び濾波されていないサンプル値のノイズ成分(nL)を 受け取る。SNR誤り検出要素300は、濾波されていないサンプル値のノイズ 成分(nL)に対する品質の向上した信号値(eL)のエネルギの比がしきい値を 下回るか否かを決定する。SNR誤り検出要素300は図7に更に詳細に示され ている。 図7のSNR誤り検出要素300は、ノイズ・エネルギを加算し、ノイズの除 去されたエネルギを加算し、これら2つの値の比を所定のしきい値と比較するこ とにより、信号対雑音比を決定する。SNR誤り検出要素は、経路260を通し て左チャンネルから、品質の向上した信号値eL及びノイズ信号nLを受け取る。 ノイズ信号値は乗算ジャンクション700の両入力に加えられ、これにより、 ノイズ信号の二乗n2が生成され、経路750に加えられる。経路750上のn2 は、2:1マルチプレクサ704の一方の入力と加算ジャンクション706の一 方の入力とに加えられる。マルチプレクサ704の出力は経路758を経由して レジスタ712の入力に加えられる。レジスタ712は、サンプル・クロックに よりクロックされると、その入力値を記憶する。レジスタ712の現在の値はそ の出力に与えられ、加算ジャンクション706の他方の入力へ経路764を通し て印加される。加算ジャンクション706の和出力は経路754を通してマルチ プレクサ704の他方の入力に加えられる。経路274上に信号を受け取る各半 ウインドウ期間の始点において、マルチプレクサ704は経路750上のn2値 に接続された入力を選択して、新しい半ウインドウ期間のノイズ・エネルギの加 算を再開する。半ウインドウ期間における他の全てのサンプルに対して、マルチ プレクサ704は経路754に接続された入力を選択してノイズ・エネルギを累 算する。累算されるノイズ・エネルギは半ウインドウ期間にわたってサンプル毎 にレジスタ712に累算され、現在の累算された和が経路764を経由してレジ スタ712の出力に加えられる。累算される和は新しい半ウインドウ期間毎に再 開される。 ノイズが除去された信号エネルギは、経路260上で受け取られた品質の向上 した信号値を二乗して累算することにより、同様の様式で累算される。ノイズが 除去されたエネルギは、ノイズ・エネルギの累算について上に述べたと同じ様式 で経路752、756、760、762を経由して乗算ジャンクション702、 加算ジャンクション710、マルチプレクサ708及びレジスタ714の作動に よって累算される。サンプル値の各半ウインドウ期間を通して累算された、ノイ ズの除去されたエネルギは、経路762を経由してレジスタ714の出力に加え られる。 計算要素716は、累算されたノイズ・エネルギを経路764を経由して、累 算されたノイズの除去されたエネルギを経路762を経由してそれぞれ受け取り 、これらの値を所定のしきい値と比較する。ノイズが除去された累算値とノイズ の累算値との比が信号対雑音比である。この比が所定のしきい値を下回ると、信 号対雑音比誤り状態が検出されて、これを指示する信号が計算要素716の出力 に加えられる。 誤りタイミング要素718は計算要素716によって発生した誤り状態信号を 経路766を通して受け取り、半ウインドウ信号を経路274上に受け取る。誤 り状態が入力経路766上で検知されると、誤りタイミング要素718はパルス 信号を経路350上のSNR誤りに加える。経路350上のSNR誤り信号は重 み適応要素210内の他の副要素によって検知され、これにより、種々のノッチ ・パラメータの計算を強制リセットする。SNR誤りへの信号の印加に続いて、 誤りタイミング要素718は更なる信号が経路350上のSNR誤り信号に加え ら れない猶予期間を実施する。猶予期間は、ノッチ・フィルタ・パラメータに振動 流管の基本周波数に再収束する期間を許容するためのものである。誤りタイミン グ要素718は又、パワーオン初期化の期間中に猶予期間を実施して、ノッチ・ フィルタを基本周波数に収束せしめる。パワーオン初期化の間の猶予期間は約1 00個の半ウインドウ期間であることが好ましい。SNR誤りの検出に続く猶予 期間は約66個の半ウインドウ期間であることが好ましい。 図6に更に詳細に示されているノッチ・フィルタ重み計算要素302は、左チ ャンネルのノッチ・フィルタ204によって発生され経路260に加えられる濾 波されていないサンプル値(nL)のノイズ成分を受け取る。要素302は又、 利得ベクトル計算要素304によって発生され経路352に加えられる利得ベク トル値(K)を受け取る。加うるに、要素302は、バイアス除去パラメータ計 算要素306によって発生され経路354に加えられる更新されたバイアス除去 パラメータ(α’)を受け取る。次に、ノッチ・フィルタ重み計算要素302は ノッチ・フィルタ重み(W)の更新された値を計算し、それらをノッチ・フィル タ204及び周波数計算要素212で用いるように経路258に加える。 ノッチ・フィルタ重み計算要素302はマトリクス演算によって適応ノッチ・ フィルタ204の重みWを以下のように決定する。 W'(t)=W(t)+n(t)K(t) 安定であれば、更新された重みベクトル そうでなければ W'(t)=W(t) 不安定であれば、更新されない重み 乗算ジャンクション602、604は経路352上の利得ベクトルK(K1, K2)に経路260上で受け取られた信号サンプルのノイズ成分(n)を乗算し て、経路650、656上に積nKを生成する。経路650上の積は加算ジャン クション606に加えられる。加算ジャンクション606の他方の入力は経路6 52上の、以前に計算されたW1重みである。加算ジャンクション606の出力 はW1+W2であり、経路654を通してマルチプレクサ616の通常選択される 入力に加えられる。マルチプレクサ616の出力は経路670を経由してマルチ プレクサ624の通常選択される入力に加えられる。この入力値は通常、マルチ プレクサ624を通して出力経路674を経由して遅延回路620の入力に送ら れると共に、要素308におけるゴエルツェル重みの計算に用いられるように、 次の更新された値W1’(ここで、Wx’は次に受け取るサンプル値に対して用い られる値Wxを示す)としてバス258に送られる。遅延回路620からの1回 遅延された係数(W1)はノッチ・フィルタ204によって用いられるようにW1 としてバス258に加えられる。経路676上のマルチプレクサ624の通常選 択されない入力はシステム・リセット信号によって選択され、ゼロ値(0)をW1 重みの初期値として加える。 経路656上の他方の積は加算ジャンクション608に加えられる。加算ジャ ンクション608の他方の入力は経路666上の、以前に計算されたW2重みで ある。加算ジャンクション608の出力はW2+nK2であり、経路660を経由 してマルチプレクサ618の通常選択される入力に加えられる。マルチプレクサ 618の出力は経路672を経由してマルチプレクサ626の通常選択される入 力に加えられる。この入力値は通常、マルチプレクサ626を通して出力経路6 76を経由して遅延回路622の入力に送られると共に、要素308においてゴ エルツェル重みの計算に用いられるように次の更新された値W2’として経路2 58に送られる。遅延回路622からの1回遅延された係数(W2)はノッチ・ フィルタ204によって用いられるようにW2としてバス258に加えられる。 経路678上のマルチプレクサ626の通常選択されない入力はシステム・リセ ット信号によって選択され、負の1の値(−1)をW2重みの初期値として適用 する。 乗算ジャンクション600は経路354上の更新されたバイアス除去パラメー タα’(ここで、α’は次に受け取るサンプル値に対して用いられるαの値を示 す)を両入力として受け取り、二乗値α’2をその出力経路658に生成する。 乗算ジャンクション610は経路354上のバイアス除去パラメータα’を一方 の入力として、経路654上の更新された重みW1を他方の入力として受け取り 、積α’W1をその出力662に生成する。乗算ジャンクション612は経路6 58上の二乗のバイアス除去パラメータα’2を一方の入力として、経路660 上の更新された重みW2を他方の入力として受け取り、積α’22をその出力6 64に生成する。安定性試験要素614は第一のパラメータX=α’W1を経路 6 62に、第二のパラメータY=α’22を経路664に受け取る。安定性試験要 素614はパラメータX、Yを評価し、試験の条件が満足された場合に1の出力 信号を発生する。安定性試験は、 |Y|<1、及び、|X|<(1−Y) の場合おいてのみ、1の信号を出力する。この試験では、ノッチ・フィルタ20 4の安定性を、従って結果として得られる質量流量測定値の有効性を保証するた めに、ノッチ・フィルタの極を単位円内に入るように規制する。安定性試験要素 614の出力は経路668を経由してマルチプレクサ616、618の選択入力 に加えられる。マルチプレクサ616、618の通常選択されない入力は、それ ぞれ以前に計算されたW1及びW2の値を受け取る。更新されたノッチ・フィルタ 重みが要素614によって実行される安定性試験に不合格であった場合、ゼロ出 力信号が試験要素614によってその出力経路668に発生される。経路668 上のゼロ出力信号に応答して、マルチプレクサ616、618は経路652、6 66上のそれぞれの通常選択されない入力を出力経路670、672に加える。 これにより、対応の係数の以前に計算された値が、処理されるべき次のサンプル 値に対して再使用される。換言すると、重みベクトルは、安定性試験要素614 が計算の不安定性を示す限り、最後の安定な計算値から変化することはない。こ の試験により、不安定なノッチ・フィルタ重み計算に関連する数値問題が解消さ れ、また、ノッチ・フィルタは振動流管の基本周波数の変化に収束するので、ノ ッチ・フィルタの短時間の不安定期間における大きく誤った流量計算が防止され る。 図5に更に詳細に図示されている利得ベクトル計算要素304は、左チャンネ ルのノッチ・フィルタ204によって発生され経路260に加えられる勾配(ψ )を受け取る。要素304は又、SNR誤り検出要素300によって発生され経 路350に加えられるSNR誤り信号を受け取る。加うるに、要素304はバイ アス除去パラメータ計算要素306によって発生され経路356に加えられる忘 却係数(λ)を受け取る。次に、利得ベクトル計算要素304は利得ベクトル( K)の更新された値を計算し、それらをノッチ・フィルタ重み計算要素302に よって用いられるように経路352に加える。 図5に更に詳細に図示されている利得ベクトル計算要素304は、経路260 上の勾配ベクトル(ψ)、経路356上の忘却係数(λ)及び経路350上のS NR誤り信号を受け取り、利得ベクトル(K1、K2)を計算し、計算された利得 ベクトルをその後の処理のために経路352に加える。図5に示される計算要素 は全体的にそれらの種々の入力に対してマトリクス操作を実行し、出力計算スカ ラー値又はベクトルを生成する。利得ベクトル計算要素304はマトリクス演算 を用いて利得ベクトルKを以下のように決定する。 K(t)=QT(t)/(λ(t)+ψ(t)TQ(t)) 更新された利得ベクトル Q(t)=P(t)ψ(t) 中間計算ベクトル P'(t)=(P(t)-Q(t)K(t)/λ(t) 次の共分散マトリクス 計算要素500は経路260を通して勾配ベクトルψを受け取り、遅延回路5 14から経路552を通して現在の共分散マトリクス(P)を受け取る。図5か ら分かるように、共分散マトリクス(P)を表す信号を運ぶ経路が3つの信号に より示されている。これは、2x2共分散マトリクスの対称特性を示す。2x2 共分散マトリクス(P)の2つの対角線外の(off−diagonal)要素 は常に等しい。それ故、(図5の疑似回路やDSPソフトウエアの好ましい実施 形態のどちらであろうと)本発明の実施においては、3つの値を表すだけでよい 。次に計算要素500は中間積Q=Pψを計算し、Qベクトルを経路550に加 える。計算要素502は経路550上のQベクトル、経路260上の勾配ベクト ルψ、経路356上の忘却係数λを受け取り、利得ベクトルK(K1、K2)を計 算し、更に処理するために利得ベクトルを経路352に加える。 要素504は経路552上の現在の共分散マトリクスPの現在の値を受け取り 、経路352上の現在の利得ベクトルKを受け取り、経路550上の現在のQベ クトルを受け取って、新しい共分散マトリクスP’=(P−QK)/λを計算し 、次の受領されたサンプルを処理する際にPとして用いるように新しい共分散マ トリクスP’を経路554に加える。マルチプレクサ508、512は、システ ム・リセットが存在する時に或いはSNR誤り状態が検出された時に、要素50 4によって実行される計算をリセットするのに用いられる。マルチプレクサ50 8は通常、その入力経路554上の新しい共分散マトリクスをその出力経路55 8に加える。SNR誤り信号が経路350に加えられると、マルチプレクサ50 8は その他方の入力経路556を選択して初期マトリクス値(PSNR)をその出力経 路558に加える。マルチプレクサ512は通常、その入力経路558上の値を その出力経路562に遅延レジスタ514への入力として加える。システム・リ セットが印加されると、マルチプレクサ512はその他方の入力経路560を選 択して初期マトリクス値(PINIT)をその出力経路562に加える。換言すると 、システム・リセットあるいはSNR誤り状態が検知されると、共分散マトリク ス計算がリセットされる。そうでない場合、次の共分散マトリクス(次に受け取 るサンプルに用いられるP’)の計算は、経路554からマルチプレクサ508 、512を経由して経路562に加えられる、以前の共分散マトリクス(P)の 関数となる。遅延回路514は、次のサンプル値がCLKパルスによって信号さ れて処理のために受け取られるまで、経路562上のその入力の印加を遅延させ 、その記憶された値を出力経路552に共分散計算要素504への入力として加 える。 図8に更に詳細に図示されているバイアス除去パラメータ計算要素306は、 SNR誤り検出要素300によって発生し経路350に加えられるSNR誤り信 号を受け取る。次に、バイアス除去パラメータ計算要素306はバイアス除去パ ラメータ(α)の更新された値を計算し、それをノッチ・フィルタ204によっ て用いられるように経路258に加える。バイアス除去パラメータ計算要素30 6は又、次のサンプルのための更新されたバイアス除去パラメータ(α’)を計 算し、それをノッチ・フィルタ重み計算要素302によって用いられるように経 路354に加える。加うるに、バイアス除去パラメータ計算要素306は更新さ れた忘却係数(λ)を計算し、それを利得ベクトル計算要素304によって用い られるように経路356に加える。 バイアス除去パラメータ計算要素306はバイアス除去パラメータ及び忘却係 数を α'(t)=α(t)αDECAYADDER 更新されたバイアス除去パラメータの計算 λ(t)=λ'(t-1)λDECAYADDER 更新された忘却係数の計算 のように決定する。 レジスタ800、802、804、806は忘却係数λの計算に用いられる値 を含んでいる。2:1マルチプレクサ818は、以前の忘却係数λの値が加えら れる経路356から一方の入力を受け取る。マルチプレクサ818は通常、この 値を出力経路872に、及び2:1マルチプレクサ820の一方の入力に送るよ うに選択される。マルチプレクサ820は通常、この値を出力経路874に、及 びレジスタ826の入力に送るように選択される。レジスタ826は、そのクロ ック線にCLK信号のパルスが送られるまで、以前の忘却係数λの値を含んでい る。レジスタ826の値は経路858上のその出力を介して乗算ジャンクション 828の一方の入力に加えられる。乗算ジャンクション828の他方の入力はレ ジスタ802に記憶されているλDECAYを受け取る経路852である。乗算ジャ ンクション828の積λ・λDECAYはその出力経路860に、及び加算ジャンク ション830の一方の入力に加えられる。加算ジャンクション830の他方の入 力はレジスタ800に記憶されているλADDER値を受け取る経路850である。 加算ジャンクション830の加算結果は更新された忘却係数λ=λ・λDECAY+ λADDERとして経路356に加えられる。 SNR誤り信号が経路350に加えられると、マルチプレクサ818はレジス タ804に記憶されているλSNRを受け取る経路854からその入力を選択する 。次に、この値は経路872へのマルチプレクサ818の出力に加えられ、次の 値の通常の計算に通常用いられる、以前の忘却係数に置換する。この所定の値は 、SNR誤り状態が上で論じたように認識されるときは必ず、経路356上の忘 却係数λの計算をリセットする。この所定の忘却係数は振動流管の基本周波数へ の収束を強制する目的で適応ノッチ・フィルタの計算を再開する。 システムワイドのリセットがマルチプレクサ820に加えられると、このマル チプレクサはレジスタ806に記憶されているαINITを受け取る経路856から その入力を選択する。次に、この値は経路874へのマルチプレクサ820の出 力に加えられ、次の値の通常の計算に用いららる、以前の忘却係数に置換する。 この所定の忘却係数は、振動流管の基本周波数への収束を強制する目的で適応ノ ッチ・フィルタの計算を開始する。 レジスタ808、810、812、832はバイアス除去パラメータαの計算 に用いられる値を含んでいる。2:1マルチプレクサ834は、以前のバイアス 除去パラメータαの値が加えられる経路354から一方の入力を受け取る。マル チプレクサ834は通常、この値を出力経路878に、及びマルチプレクサ81 4の入力に送るように選択される。マルチプレクサ814は通常、この値を出力 経路868とレジスタ816の入力とに加えるように選択される。レジスタ81 6は、そのクロック線にCLK信号のパルスが送られるまで、以前のバイアス除 去パラメータαの値を含んでいる。レジスタ816の値は経路258上のその出 力を介して乗算ジャンクション822の一方の入力及び図3の適応ノッチ・フィ ルタ204に加えられる。乗算ジャンクション822の他方の入力はレジスタ8 10に記憶されているλDECAYを受け取る経路864である。乗算ジャンクショ ン822の積α・αDECAYはその出力経路866に、及び加算ジャンクション8 24の一方の入力に加えられる。加算ジャンクション824の他方の入力はレジ スタ808に記憶されているαADDER値を受け取る経路862である。加算ジャ ンクション824の加算結果は更新されたバイアス除去パラメータα’=α・αDECAY +αADDERとして経路354に加えられる。 SNR誤り信号が経路350に加えられると、マルチプレクサ834はレジス タ832に記憶されているαSNRを受け取る経路876からその入力を選択する 。次に、この値は経路878へのマルチプレクサ834の出力に加えられ、次の 値の通常の計算に通常用いられる、以前のバイアス除去パラメータに置換する。 この所定の値は、SNR誤り状態が上で論じたように認識されるときは必ず、経 路354上のバイアス除去パラメータαの計算をリセットする。この所定のバイ アス除去パラメータは、振動流管の基本周波数への収束を強制する目的で適応ノ ッチ・フィルタの計算を再開する。 システムワイドのリセットがマルチプレクサ814に加えられると、このマル チプレクサはレジスタ812に記憶されているαINITを受け取る経路870から その入力を選択する。次に、この値は経路868へのマルチプレクサ814の出 力に加えられ、次の値の通常の計算に用いられる、以前のバイアス除去パラメー タに置換する。この所定のバイアス除去パラメータは、振動流管の基本周波数へ の収束を強制する目的で適応ノッチ・フィルタの計算を開始する。 第一の例示的な実施の形態−周波数計算: 図3の周波数計算要素212は、2つのサブ要素、即ち、フィルタ重み計算要 素308及び半ウインドウ係数パイプライン310に分解された状態で図示され ている。 図9に更に詳細に示されているゴエルツェル・フィルタ重み計算要素308は 、重み適応要素210の作動によって決定され経路258に加えられるノッチ・ フィルタ重みを受け取る。次にゴエルツェル・フィルタ重み計算要素308はゴ エルツェル・フィルタ重み(B’)を複素数として決定し、また個別のサンプル 信号値によって表されノッチ・フィルタの重みに含まれる正弦波流管検知器信号 の周波数(Ω’)を決定する。このように決定された両方の値は、図2のクロッ ク214によって経路274に加えられる半ウインドウ信号によって示される各 半ウインドウ期間の終点において計算される。このように決定されたゴエルツェ ル重み及び周波数は、半ウインドウ係数パイプライン310による使用のために 経路358に加えられる。 加算ジャンクション900は次のノッチ・フィルタ重みW1’を一方の入力と して経路258を経由して受け取り、その他方の入力を経路966からレジスタ 916の出力として受け取る。生成された和は経路950に2:1マルチプレク サ904への入力として加えられる。経路上のマルチプレクサ904の他方の入 力はバス258上の次の重み(W1’)である。マルチプレクサ904は通常、 入力からの経路950上の和を通過させ、この値を経路954上の出力に加える ように選択される。2:1マルチプレクサ912は通常、入力経路954上の値 を経路962上の出力へ送るように選択される。経路962上の値は、サンプル ・クロックCLKの各パルス時にロードされる入力値としてレジスタ916に加 えられる。レジスタ916に記憶される現在の値は、上述の重み(W1’)の累 算された和である。新しい半ウインドウ期間の始点において、信号が図2のクロ ック214によって経路274上の半ウインドウに加えられる。半ウインドウ期 間の始点において、マルチプレクサ904は、受け取った重みの新しい累算を再 開するように、経路258からの他方の入力を選択するべく1周期にわたって切 り替えられる。パワーオン初期化の期間中、システムワイドのリセット信号がマ ル チプレクサ912に加えられ、これによりマルチプレクサ912はゼロ(0)の 初期重み値を受け取る経路958から入力を選択する。これにより経路258上 に受け取る重みの新しい累算が開始される。 加算ジャンクション902はノッチ・フィルタ重みW2’を経路258を通し て一方の入力として受け取り、その他方の入力を経路968からレジスタ918 の出力として受け取る。生成された和は経路952に2:1マルチプレクサ90 6への一方の入力として加えられる。マルチプレクサ906の他方の入力はバス 258上の次の重み(W2’)である。マルチプレクサ906は通常、経路95 2上の和を入力から通過させ、この値を入力経路956に加えるように選択され る。2:1マルチプレクサ914は通常、入力経路956上の値を経路964上 の出力へ送るように選択される。経路964上の値はサンプル・クロックCLK の各パルス時ににロードされる入力値としてレジスタ918に加えられる。レジ スタ918に記憶されている現在の値は、前に述べた重み(W2’)の累算され た和である。新しい半ウインドウ期間の始点において、信号が図2のクロック2 14によって経路274上の半ウインドウに加えられる。半ウインドウ期間の始 点において、マルチプレクサ906は、受け取る重みの新しい累算を再開するよ うに、経路258からの他方の入力を選択するべく1周期にわたって切り替えら れる。パワーオン初期化の期間中、システムワイドのリセット信号がマルチプレ クサ914に加えられ、これによりマルチプレクサ914は初期の重み値の負の 1(−1)を受ける経路960からその入力を選択する。これにより、経路25 8上に受け取られる重みの新しい累算が開始される。 経路258上に受け取られる重み(W1’)の和は経路966を経由して計算 要素920のX入力に加えられる。経路258上に受け取られる重み(W2’) の和は経路968を経由して計算要素920のY入力に加えられる。計算要素9 20はゴエルツェル・フィルタ重み(B’0)の実数部を B’0=X/(2sqrt(−YN)) により計算する。ここでX及びYは上記の要素920の入力であり、Nは半ウイ ンドウ期間におけるサンプルの数である。より詳細には、フィルタ重みの実数部 は、以下に等しい。 B’0=avg(W1’)/(2sqrt(−avg(W2’))) ここで、avg(x)はサンプルの以前の半ウインドウ期間にわたるxの平均値 である。計算要素920によって計算されるゴエルツェル・フィルタ重み(B’0 )の実数部は、以下に論じられる半ウインドウ係数パイプライン310による 使用のために経路358に加えられる。ゴエルツェル・フィルタ重みの実数部は 又、計算要素922のX入力に加えられ、計算要素922はゴエルツェル・フィ ルタ重みの虚数部(B’1)を以下のように計算する。 B’1=sqrt(1−X2) ここで、Xは上記で計算されるフィルタ重みの実数部である。計算要素922に よって計算されるゴエルツェル・フィルタ重みの虚数部(B’1)は、以下に論 じられる半ウインドウ係数パイプライン310による使用のために経路358に 加えられる。加うるに、ゴエルツェル・フィルタ重みの実数部は計算要素924 のX入力に加えられ、計算要素924は振動流管の基本周波数(Ω’)を以下の ように計算する。 Ω’=cos-1X ここで、Xは上記のように計算されるフィルタ重みの実数部である。計算要素9 24によって計算される基本周波数(Ω’)は以下に論じる半ウインドウ係数パ イプライン310による使用のために経路358に加えられる。 計算要素920、922、924によって実行される計算はそれらのそれぞれ の入力が特定の適切な範囲外にある時は不確定である。これらの計算の出力値は 、これらの入力がそれぞれの計算に適切となるように保証される時点のハニング ・ウインドウの境界上でのみ利用される。この理由により、図9の図によって示 唆される不確定な計算は、ほとんど実用的な関連性がない。これらの計算は、ノ ッチ・フィルタの特定のエラー条件の下では半ウインドウの境界では無効である 。しかしながら、斯かるフィルタ・エラーは、上で論じたように、幾つかの半ウ インドウ期間内で検出され補正される。実際の問題として、ゴエルツェル・フィ ルタ重み計算におけるこれらのエラーの影響は無視され得る。本発明の生産的利 用において、斯かる条件は検出され、流量測定値が一時的に使用不可能であるこ とを示すようにフラグが立てられる。上で論じたように、図9の疑似回路は本発 明 の方法及び関連の計算を理解する上での補助としての意図を持つにすぎない。 図10に更に詳細に示される半ウインドウ係数パイプライン310は、上記の ようにゴエルツェル・フィルタ計算要素308によって計算されるゴエルツェル ・フィルタ重み(B’=B’0B’1)及び周波数(Ω’)を受け取る。要素30 8の作動によって計算された値は、重みと周波数を計算するのに用いられた半ウ インドウ期間のサンプルに対応する。次に半ウインドウ係数パイプライン310 は計算された値(B’及びΩ’)のタイミングを調節し、それらを重なり合う半 ウインドウの2つの並列位相計算の1つと関連せしめる。ゴエルツェル・フィル タはウインドウ化されたDTFTをサンプルの半ウインドウ期間毎に計算するの に用いられる。しかしながら、ウインドウ化されたDTFTを計算するには、サ ンプル値の加算がウインドウ全体にわたって行われることが必要である。したが って、本明細書の他の個所で論じるように、2つのゴエルツェル・フィルタは並 列に計算される。第1のフィルタはウインドウの第一の半分に対して所要の計算 を実行する。ウインドウの第一の半分が完了し、新たなフィルタ計算が開始され なければならないとき、第一の半分の状態が第二のフィルタへ転送される。第二 のフィルタはウインドウの第二の半分にわたって濾波することにより計算を完了 する責を有する。このようにして、完全なウインドウ計算が各半ウインドウの境 界において完了し得る。半ウインドウ係数パイプライン310は完全なウインド ウのフィルタ重みの計算を該計算に関連する半ウインドウのパイプライン化され た部分と整列させ、これにより、同じ完全なウインドウのフィルタ重みを用いて 第一の半ウインドウと第二の半ウインドウとが累算されるようにする。 遅延回路1000、1002、1004、1010、1012、1014はそ れぞれの入力上の値をそれぞれの出力に加えてそれぞれのクロック入力線の1パ ルスだけ遅延されることにより作動する。遅延回路1000、1002、100 4、1010、1012、1014及びマルチプレクサ1006、1008、1 016、1018の各々はそれぞれの入力クロック・パルスを受け取る。即ち、 経路1062(“X”と示される)を通してANDゲート1020の出力から信 号を選択する。ANDゲート1020はサンプル・クロックCLKを一方の入力 として、且つ経路274上の半ウインドウ信号をその他方の入力として受け取る 。 各半ウインドウ期間の始点において、それぞれのレジスタにおける値は、それぞ れの入力バスに接続される入力値でロードされる。このローディングは半ウイン ドウの始点におけるCLKパルスと同期する。ゴエルツェル・フィルタ重みB’0 は経路358を通して遅延回路1000の入力に、且つマルチプレクサ100 6の一方の入力(通常選択されない入力)に加えられる。1回遅延されたゴエル ツェル・フィルタ重みB’0は経路1050を通してマルチプレクサ1006の 他方の入力(通常選択される入力)に、遅延回路1010の入力に、及びマルチ プレクサ1016の一方の入力(通常選択されない入力)に加えられる。1回遅 延されたゴエルツェル・フィルタ重みB’0は、以下の図11について更に詳細 に論じる2つの並列の半ウインドウ位相計算の第一の計算に対応する位相計算要 素206による更なる使用のために、マルチプレクサ1006を通して経路26 8にゴエルツェル・フィルタ重みB01として加えられる。2回遅延されたゴエル ツェル・フィルタ重みB’0は経路1056を経由してマルチプレクサ1016 の他方の入力(通常選択される入力)に加えられる。2回遅延されたゴエルツェ ル・フィルタ重みB’0は、以下の図11について更に詳細に論じる2つの並列 の半ウインドウ位相計算の第二の計算に対応する位相計算要素206による更な る処理のために、マルチプレクサ1016を通してゴエルツェル・フィルタ重み B02として経路268に加えられる。半ウインドウ信号が経路274(図10に おいて“A”として示されている)に加えられると、マルチプレクサ1006は 、入力経路358からの入力値B’0の遅延されない値であるゴエルツェル・フ ィルタ重みB01として更に処理するために、入力経路358上の信号を経路26 8に加えるように選択される。同様に、半ウインドウ信号が経路274(図10 において”A”として示されている)に加えられると、マルチプレクサ1016 は、入力経路358からの入力値B’0の1回遅延された値であるゴエルツェル ・フィルタ重みB02として更に処理するために、入力経路1050上の信号を経 路268に加えるように選択される。 ゴエルツェル・フィルタ重みB’1は経路358を経由して遅延回路1002 の入力及びマルチプレクサ1008の一方の入力(通常選択されない入力)に加 えられる。1回遅延されたゴエルツェル・フィルタ重みB’1は経路1052を 経由してマルチプレクサ1008の他方の入力(通常選択される入力)、遅延回 路1012の入力、及びマルチプレクサ1018の一方の入力(通常選択されな い入力)に加えられる。1回遅延されたゴエルツェル・フィルタ重みB’1は、 以下に図11について更に詳細に論じる2つの並列の半ウインドウ位相計算の第 一の半分に対応する位相計算要素206による更なる処理のために、マルチプレ クサ1008を通してゴエルツェル・フィルタ重みB11として経路268に加え られる。2回遅延されたゴエルツェル・フィルタ重みB’1は経路1058を通 してマルチプレクサ1018の他方の入力(通常選択される入力)に加えられる 。2回遅延されたゴエルツェル・フィルタ重みB’1は、以下に図11について 更に詳細に論じる2つの並列の半ウインドウ位相計算の第二の半分に対応する位 相計算要素206による更なる処理のために、マルチプレクサ1018を通して ゴエルツェル・フィルタ重みB12として経路268に加えられる。半ウインドウ 信号が経路274(図10において“A”として示されている)に加えられると 、マルチプレクサ1008は、入力経路358からの入力値B’1の遅延されな い値であるゴエルツェル・フィルタ重みB11として更に処理するために、入力経 路358上の信号を経路268に加えるように選択される。同様に、半ウインド ウ信号が経路274(図10において“A”として示されている)に加えられる と、マルチプレクサ1018は、入力経路358からの入力値B’1の1回遅延 された値であるゴエルツェル・フィルタ重みB12として更に処理するために、入 力経路1052上の信号を経路268に加えるように選択される。 基本周波数Ω’は、経路358を通して遅延回路1004の入力に加えられる 。1回遅延された周波数Ω’は経路1054を通して遅延回路1014の入力に 加えられる。2回遅延された周波数Ω’は遅延回路1014によって、Δt計算 要素208による更なる処理のために周波数Ωとして経路268に加えられる。 第一の例示的な実施の形態一位相計算: 図11で更に詳細に示される位相計算要素206は、濾波された個別のサンプ ル値を処理して、サンプリングされ濾波された検知器出力信号の位相を表す複素 数を発生する。この複素数は、経路266に(及び左チャンネルの位相計算要素 206によって経路264に)加えられ、後続のΔt計算に用いられる。詳細に は、ゴエルツェル・フィルタ・フーリエ変換が左右のチャンネルの濾波された個 別のサンプリングされた検知器出力信号値の各ハニング・ウインドウに適用され る。ゴエルツェル・フィルタの係数は周波数計算要素212によって決定され、 経路268を通して位相計算要素206に供給される。位相計算要素206の複 素数出力は経路266に(及び左チャンネルの位相計算要素206によって経路 264に)加えられ、Δt計算に用いられる。 使用可能なサンプル・データを一層効果的に利用するために、2つの計算が並 列に、即ち、第一の計算はサンプル・データの各ウインドウに対して、第二の計 算は、第一の並列計算よりも半ウインドウ長さだけ遅いサンプルから開始するサ ンプル・データの各ウインドウに対して実行される。各半ウインドウ期間の境界 において、ウインドウの第一の半分の部分フーリエ和が第一の並列計算要素から 転送されて第二の部分計算を初期化する。同時に、サンプルの先行する全ウイン ドウ期間の複素位相値を表す第二の並列計算要素からの完了した計算が後続のΔ t計算に転送される。 要素1100、1102は、経路272上の現在の半ウインドウ内の現在のサ ンプル数(SAMPNO)を受け取り、それらの出力経路(それぞれ1150、 1152)に対応の予め計算された重み値を印加する。重み値がSAMPNO指 標値によって指標付けされるベクトル(WINDOW)から取り出される。要素 1102は値N(ハニング・ウインドウの長さの半分)をWINDOWベクトル において指標付けする際に経路272上に受け取られるSAMPNO値に加算し 、重み値をハニング・ウインドウのサイズの半分に対応する幾つかのサンプルだ けオフセットされる。経路1150、1152上の重み値は、それぞれ乗算ジャ ンクション1104、1106の入力に加えられる。乗算ジャンクション110 4、1106の他方の入力は経路260(又は右チャンネルの経路262)上の 品質の向上した次のサンプル値(e)である。乗算ジャンクション1104、1 106はそれらの積(ハニング・ウインドウ重み付けされ品質の向上したサンプ ル値)を、それぞれ出力経路1154、1156に、それぞれ、計算要素110 8、1110への入力として加える。 計算要素1108、1110は各々、ゴエルツェル・フィルタを重み付けされ たサンプルに適用し、サンプリングされた信号値の位相を表す複素数を形成する 。重み付けされたサンプルは、サンプルの半ウインドウ長さの期間にわたってC LK経路に加えられるパルス状の各サンプル・クロック信号時に処理される。計 算要素1108は、重み付けされたサンプル値(wsamp)を経路268に受 け取り、第一の半ウインドウに対するゴエルツェル・フィルタ係数(B01、B11 )を経路268に受け取り、前のフィルタ状態を経路1158に受け取って、新 しいフィルタ状態を複素和Y’=wsamp+BYとして計算する。この新しい 状態は、CLK経路に加えられる次のクロック・パルス時に出力経路1162に 加えられる。計算要素1110は、重み付けされたサンプル値(wsamp)を 経路1156に受け取り、第二の半ウインドウに対するゴエルツェル・フィルタ 係数(B02、B12)を経路268に受け取り、前のフィルタ状態を経路1160 に受け取って、新しいフィルタ状態を複素和Y’=wsamp+BYとして計算 する。新しいフィルタ状態は、RL、QL(左チャンネルに対して)として出力経 路264に加えられる(右チャンネルに対してはRR,QRとして経路266に加 えられる)。処理されるべき新しいサンプルを示すCLK信号のパルス毎に、計 算要素1108、1110はそれぞれの計算を実行する。要素1108、111 0の新しく計算された出力値(Y’)は、次のサンプリング周期のクロック・パ ルス(CLK)時に、それぞれ出力経路1162、264(右チャンネルに対し ては266)に加えられる。クロックされた出力値は、経路1162、264を 通して、それぞれマルチプレクサ1112、1114の通常選択されるゼロ入力 に加えられる。マルチプレクサ1112、1114はそれぞれの通常選択される 入力値をそれぞれの出力1158、1160に加え、従って、次のゴエルツェル ・フィルタ計算で用いるために要素1108、1110のY入力に加える。 経路274上のパルス状の半ウインドウ信号の受領の際に、計算要素1108 、1110は、次の半ウインドウ期間にわたってゴエルツェル・フィルタ処理の ために再開される。通常、マルチプレクサ1112は、現在の半ウインドウ期間 における計算要素1108の現在の状態として入力経路1162上の複素値を出 力経路1158に加えるように選択される。半ウインドウ期間の始点において( 以 前の半ウインドウ期間の終点において)、経路274に加えられる半ウインドウ 信号はマルチプレクサ1112を選択し、入力経路1164上のゼロ値を出力経 路1158に加える。これにより、第一の計算要素1108におけるフィルタが 新しい半ウインドウ期間を開始するようにリセットされる。通常、マルチプレク サ1114は、入力経路264(右チャンネルに対しては266)上の複素値を 出力経路1160に現在の半ウインドウ期間における計算要素1110の状態と して加えるように選択される。半ウインドウ期間の始点において、経路274に 加えられた半ウインドウ信号は、要素1108の現在の出力として計算された入 力経路1162上の以前のウインドウ期間からのフィルタ状態を出力経路116 0に加えるように、マルチプレクサ1114を選択する。これにより、計算要素 1110は、要素1108の作動によって直前の半ウインドウに対して計算され た部分ゴエルツェル・フィルタ処理の結果により、新しい半ウインドウ期間を開 始する。換言すると、計算要素1108は、サンプルの各ウインドウの第一の半 分を処理し、要素1110はウインドウの第二の半分を処理して、これを第一の 半分と合成し、前のウインドウ長さの各半ウインドウ期間における位相を表す複 素数を生成する。各半ウインドウの境界において、完了した位相計算は前のウイ ンドウ期間の位相を表す要素1110の出力として経路264(右チャンネルに 対しては266)に発生される。上に論じたように、各半ウインドウの境界にお いて、半ウインドウ係数パイプライン310は第一の半ウインドウ並列計算要素 1108のゴエルツェル・フィルタ係数(B01、B11)を第二の半ウインドウ並 列計算要素1110に用いられる係数(B02、B12)にシフトさせる。これによ って、対応する第二の半ウインドウ並列部分計算に適用されたと同じゴエルツェ ル・フィルタ重みが確実に第一の半ウインドウ並列部分計算に適用される。 第一の例示的な実施の形態−Δt計算: 図12に更に詳細に図示されるΔt計算要素208は、位相計算要素206の 作動によって決定され且つ左チャンネルに対しては経路264に、右チャンネル に対しては経路266に加えられる左右のチャンネルの位相情報を受け取る。周 波数計算要素212の作動によって決定された周波数情報は、経路268を経由 してΔt計算要素208によって受け取られる。Δt計算要素208は、左右の 流管検知器出力信号間の位相差から生じる2つのサンプリングされた正弦波信号 間の時間差を決定する。Δt値はコリオリ流量計の流管を流れる物質の質量流量 にほぼ比例する。他の因子は当該技術分野において周知であり、計算された質量 流量を補正して温度変化及び他の因子に対して調節するのに用いられる。 左チャンネルのフーリエ変換に、右チャンネルのフーリエ変換の共役が乗算さ れる。次にこの複素結果の角度が計算される。この位相差は振動流管の管周波数 によって除算され、Δt値が与えられる。 左チャンネルの位相値の実数部と虚数部(RL、QL)は、経路264を経由し て左チャンネルの計算要素206から受け取られる。右チャンネルの位相値の実 数部と虚数部(RR、QR)は、経路266を経由して左チャンネルの計算要素2 06から受け取られる。乗算器ジャンクション1200はRLを経路264を通 して、RRを経路266を通して入力として受け取って積RLRを生成し、この 積を経路1250に加える。乗算器ジャンクション1202はQLを経路264 を通して、QRを経路266を通して入力として受け取って積QLRを生成し、 この積を経路1252に加える。乗算器ジャンクション1204はQLを経路2 64を通して、RRを経路266を通して入力として受け取って積QLRを生成 し、この積を経路1254に加える。乗算器ジャンクション1206はRLを経 路264を通して、QRを経路266を通して入力として受け取って積RLRを 生成し、この積を経路1256に加える。 加算ジャンクション1208は積RLRを経路1250を通して、積QRRを 経路1252を通して受け取って和RLR+QLRを生成し、この和を経路12 68を経由して計算要素1212のX入力に加える。加算ジャンクション121 0は積QLRを経路1254を通して、積RLRを経路1256を通して受け取 って和QLR−RLRを生成し、この和を経路1270を経由して計算要素12 12のY入力に加える。 計算要素1212はそのX入力を経路1268から、そのY入力を経路127 0からそれぞれ受け取り、X入力及びY入力によって(X+iY)として表され る複素数の引き数(位相)(即ち、ARG(X+iY))から、左チャンネルの 流管検知器上の正弦波信号と右チャンネルの流管検知器上の正弦波信号との間の 位相差角を決定する。計算要素1212の作動によってこのように計算された位 相差角は、経路1258を経由して計算要素1214のX入力に加えられる。図 3の周波数計算要素212の作動によって計算された周波数(Ω)は、経路26 8を経由して計算要素1214のY入力に加えられる。次に、計算要素1214 は比X/Y(位相差/周波数)を計算し、計算された比の値を経路1260を通 してその出力に加える。乗算ジャンクション1218は、計算された比の値を経 路1260を経由して一方の入力に受け取り、一定のサンプリング周期(サンプ リング周波数の逆数)を表すレジスタ1216に記憶された値Nを経路1262 に受け取る。乗算ジャンクション1218への2つの入力の積はΔtであり、経 路1264を通してレジスタ1222の入力に加えられる。レジスタ1222は 、経路1266上のパルスによってクロックされると、現在の値をその入力にロ ードする。アンド・ゲート1220はサンプリング周波数のクロックCLKを一 方の入力に、新しい半ウインドウ・サンプリング周期の開始を示す半ウインドウ 信号をその他方の入力に受け取る。アンド・ゲート1220の出力は、図2のク ロック214によって発生されたサンプリング周波数のクロック・パルスCLK に同期した半ウインドウ信号パルスである。レジスタ1222に記憶されたΔt 値は流量計を通る物質の質量流量を表し、質量流量計算要素290による使用の ために経路294に加えられる。当該技術分野において周知であるように、Δt 値は流管の質量流量にほぼ比例する。質量流量計算要素290はΔt値を補正し て質量流量を生成し、これを経路155を経由して図2の利用手段292に加え る。要素290は適切な補正及びスケーリングを実行して温度及び他の環境因子 の影響を補償する。 上記の実施の形態は幾つかの定数値を利用してノッチ・フィルタに関連する計 算をリセットする。バイアス除去パラメータ(α)、忘却係数(λ)及び共分散 マトリクス(P)は全て、ノッチ・フィルタのパラメータを基本周波数の変化に 適応させるための計算処理を再開するように、エラー条件の下ではリセットされ る。バイアス除去パラメータ(α)及び忘却係数(λ)は上記のように調節され 初期化される。当業者であれば認識するように、これらの値は如何なる特定の流 管の分野及び環境パラメータにも適応され得る。これらの定数の有用な値は、振 動流管の予測公称基本周波数(freq)の関数として以下のように計算され得 る。αINIT=0.90freq/100,αLIMIT=0.98freq/100,αDECAY=0.999freq/100,αSNR =0.95freq/100, λINT=0.97freq/100,λLIMIT=0.995freq/100,λDECAY=0.99freq/100,λSNR=0 .97freq/100, αADDERLIMIT(1−αDECAY) λADDERLIMIT(1-λDECAY) 共分散マトリクス(P)は上記の種々の条件の下で以下のように初期化される。 PINIT=10-2I PSNR=10-4I ここで“I”は単位行列である。 第二の例示的な実施の形態(知り得る最善のモード): 本発明を実施するための現在知り得る最善のモードが、本発明の方法の第二の 実施の形態として図13−図16に示されている。上記の第一実施の形態のよう に、左右のチャンネルのデシメーション処理されサンプリングされた値によって 表され且つ経路254、256にそれぞれ加えられる信号の品質を向上させるの に、適応ノッチ・フィルタが用いられる。この第二の実施の形態では、4つの適 応ノッチ・フィルタが、即ち、左右のチャンネルの信号の各々に対して2つのフ ィルタが直列に利用される。左右の各チャンネルの2つのフィルタは、第一のフ ィルタが低Q(広いノッチ)のフィルタを利用して、信号品質の向上には限度が あるが振動流管の基本周波数の変化に急速に収束する能力を供給するので、「カ スケード接続」されている。次に、カスケード接続された第一のフィルタからの 信号出力はカスケード接続された第二のノッチ・フィルタに加えられる。第二の ノッチ・フィルタは、以前の解決法より或いは上記の第一の実施の形態より優良 なノイズ及び高調波除去を行うように、高Q(狭いノッチ)のフィルタを利用す る。第二のノッチ・フィルタは、その狭いノッチ(高Q)にも拘わらず、第一の ノッチ・フィルタによって実行される限定された信号品質の向上(濾波)に因り 、振 動流管の基本周波数の変化に依然として急速に適応する。第二のノッチ・フィル タに加えられる信号における低下したノイズと高調波レベルによって、第二のノ ッチ・フィルタは振動流管の基本周波数の変化に急速に収束することが出来る。 振動流管の基本周波数の推定値を提供するために、カスケード接続された第一 のノッチ・フィルタより更に広いノッチを有する第二のノッチ・フィルタが用い られる。この推定値は重み適応計算によって用いられ、左右のチャンネルのカス ケード接続された第一のノッチ・フィルタの周波数パラメータを設定する。カス ケード接続された第二のノッチ・フィルタからの出力は重み適応計算によって用 いられ、カスケード接続された第二のノッチ・フィルタの周波数パラメータを調 節する。 上で論じた第一の実施の形態は、広いノッチ(低Q)の使用を通して振動流管 の基本周波数の変化への急速な収束を可能にすると同時に、ノッチの幅を均衡さ せて一層良好な信号品質の向上のための狭いノッチ(高Q)を提供することを試 みている。ノッチ・フィルタのこの特質を均衡させることを試みるとき、バイア ス除去パラメータ(α)は、次のサンプリングされた信号値のノッチ幅を調節す るために各サンプリング期間において修正される。この第二の実施の形態は一定 のノッチ形状(一定のQ値)内の複数のノッチ・フィルタを用いて周波数変化の 急速な追尾と優良なノイズ除去の要件に対する最適な解を与える。この第二の実 施の形態は3つの理由により第一の実施の形態よりも優良な精度及び反復性を与 える。第一に、カスケード接続された第二のノッチ・フィルタは一定の狭いノッ チ形状(高Q)を保持して優良なノイズ及び高調波除去を行う。この改善された ノイズ除去だけが、他の解決法と比較すると改善された精度を与える。第二に、 振動流管の基本周波数の変化に対するカスケード接続されたフィルタの改善され た追尾によって、サンプリングされた信号値の品質向上の反復性が改善される。 そして第三に、カスケード接続されたノッチ・フィルタは要素208における後 続のΔt計算に対して流管周波数の一層精密な推定値を提供する。 これらの改善は計算の複雑性を犠牲にして導き出される。この第二の実施の形 態の個々の計算要素は、第一の実施の形態よりもいくらか単純である(スカラー 演算対マトリクス)。しかしながら、この第二の実施の形態は、5つのノッチフ ィ ルタと各サンプルでの2つの重み適応計算とを適用することにより、計算の全体 的な複雑性を増大させる。計算的に若干複雑であるが、この第二の実施の形態は 市販のデジタル信号プロセッサの計算能力内では良好である。 第二の例示的な実施の形態−概観 図13は、図2の計算要素間の情報の流れに関する更なる詳細を図示するため に図2の要素を分解したものである。計算要素1300は第一のカスケード接続 された適応ノッチ・フィルタである。左チャンネルの第一のカスケード接続され た適応ノッチ・フィルタ1300は、(図2の)経路254からデシメーション 処理された入力検知器出力信号サンプルを受け取る。ノッチ・フィルタ伝達関数 の重み係数(θ(t))は経路1360を通して重み適応要素1302から入力 される。ノッチの形状を決定するバイアス除去パラメータ(α1)は経路136 4(“E”として示される)を通してレジスタ・ファイル1306から入力され る。右チャンネルの第一のカスケード接続された適応ノッチ・フィルタ1300 は、(図2の)経路256からデシメーション処理された入力検知器出力信号サ ンプルを受け取るが、そうでない場合は左チャンネルの第一のカスケード接続さ れた適応ノッチ・フィルタ1300と同じに作動する。左右のチャンネルの第一 のカスケード接続された適応ノッチ・フィルタは経路1360を通して重み適応 要素1302から同じ適応パラメータ(θ(t))を受け取り、レジスタ・ファ イル1306から経路1364を通して同じバイアス除去パラメータ(α1)を 受け取る。 付加的な適応ノッチ・フィルタ1308は経路254を通して左チャンネルか らデシメーション処理された信号サンプル値を受け取る。このノッチ・フィルタ は経路1364を通してレジスタ・ファイル1306からバイアス除去パラメー タ(α0)を受け取る。このバイアス除去パラメータ(α0)は、振動流管の基本 周波数の変化を迅速に追尾することが出来るように広いノッチ(低Q)を規定す る。このノッチ・フィルタの品質の向上した出力信号は利用されない(フィルタ はその広いノッチ形状の故に有効な品質向上をほとんど行わない)。その代わり 、エラー因子(n)及び勾配(ψ)が出力として発生され、重みパラメータ(θ ( t−1)及びθ(t))の計算のために経路1358を通して重み適応要素13 02に加えられる。この新しく計算された重みパラメータ(θ(t−1)及びθ (t))は、次のデシメーション処理済みのサンプリングされた信号の受領に備 えて、重み適応要素1302によってノッチ・フィルタ1300、1308に加 えられる。 左右のチャンネルのノッチ・フィルタ1300によって処理される各々のデシ メーション処理されたサンプル入力の品質の向上した信号値は、それぞれ左右の チャンネルのyL及びyRとして、経路1350を通して対応の第二のカスケード 接続されたノッチ・フィルタ1310に加えられる。第二のカスケード接続され たノッチ・フィルタ1310は経路1362を通して重み適応要素1312から 同じ重みパラメータ(θ(t−1)及びθ(t))を受け取る。ノッチの形状を 決定するバイアス除去パラメータ(α2)は、経路1364(“E”として示さ れる)を通してレジスタ・ファイル1306から入力される。左チャンネルの第 二のカスケード接続されたノッチ・フィルタ1310の出力が重みパラメータ( θ(t−1)及びθ(t))の計算のために経路260を通して重み適応要素1 312に加えられると、エラー因子(n)及び勾配(ψ)が発生する。この新し く計算された重みパラメータ(θ(t−1)及びθ(t))は、第一のカスケー ド接続されたノッチ・フィルタ1300によって信号品質が向上された次のデシ メーション処理済みのサンプリングされた信号値の受領に備えて、重み適応要素 1312によって経路1362を通してノッチ・フィルタ1310に加えられる 。 左右のチャンネルの第二のカスケード接続された適応ノッチ・フィルタ131 0は、それぞれの出力経路260、262に加えられた個別のサンプル値によっ て表される品質の向上した信号を発生する。それぞれ左右のチャンネルに対して eL及びeRとして示される品質の向上した信号は、振動流管の基本周波数近くの 狭いノッチの周波数を除く全てのノイズ信号が濾波された関連の入力信号サンプ ルを表す。 図13について上で論じた全てのノッチフィルタ(1300、1308、13 10)は同じ関数を計算して、同じ出力値、即ち、品質の向上した信号値(y又 はe)、エラー因子(n)及び勾配(ψ)を発生する。しかしながら、右チャン ネルの第二のカスケード接続された適応ノッチ・フィルタ1310及び第一のカ スケード接続された適応ノッチ・フィルタからのノイズ(エラー因子)及び勾配 値は、本発明の方法及び装置には用いられない。同様に、周波数追尾の適応ノッ チ・フィルタ1308の品質の向上した信号値出力は本発明の方法には用いられ ない。全てのノッチ・フィルタ1300、1308、1310によって計算され た関数は以下に詳細に論じられる。エラー因子は本質的にはサンプル値のノイズ 成分である。本明細書と同様に再帰的最小二乗アルゴリズムを適用すると、後天 的(a posteriori)予測エラーによってフィルタの収束速度が改善 されることは、当業者には公知である(アライ・ネホーラルの「規制された極及 びゼロを有する最小パラメータ適応ノッチ・フィルタ」、IEEET ransactions on Acoustic,Speech and Signal processing、第ASSP−33巻、4号、1985 年8月、987頁を参照せよ)。 左右のチャンネルの第二のカスケード接続された適応ノッチ・フィルタ131 0からの品質の向上した信号値(eL及びeR)は、位相計算要素206にそれぞ れ経路260、262を通して入力される。位相計算要素206及びΔt計算要 素208は第一の実施の形態と図3−図12について上に論じた要素と同じであ る。 周波数計算要素1304は経路1362を通して重み適応要素1312からフ ィルタ重み(θ(t))を受け取り、位相計算要素206のゴエルツェル・フィ ルタ計算のために重み(B’)を計算し、振動流管の周波数(Ω’)を計算する 。これらの出力値は経路358を通して半ウインドウ・マルチプレクサの半ウイ ンドウ係数パイプライン310に加えられる。半ウインドウ係数パイプライン3 10は第一の実施の形態及び図3−図12に関して上で論じている。 第二の例示的な実施の形態−ノッチ・フィルタ: 図14は、第二の実施の形態の適応ノッチ・フィルタ1300、1308、1 310の更なる詳細を示している。上で論じたように、特定の出力値及び関連の 入力値の中には、本発明のこの第二の実施の形態の他の点では同じ適応ノッチ・ フィルタのうちのいずれかで用いられないものがある。図14の説明は、全ての 入力と出力が(左チャンネルの第二のカスケード接続された適応ノッチ・フィル タ1310において)利用されるように、図示のノッチ・フィルタの作動を論じ ている。簡略のために、以下に詳細に論じるノッチ・フィルタは、この第二の実 施の形態の全ての5つの適応ノッチ・フィルタ(1300、1308、1310 )を表すために参照数字1310(左チャンネル)によって言及される。左チャ ンネルのフィルタ1310はその入力を経路1350を通して受け取り、その出 力を経路260に加える。他のノッチ・フィルタはそれぞれの入力を経路254 (左チャンネルは1300、1308)、256(右チャンネルは1300)及 び1352(右チャンネルは1310)から受け取る。他のノッチ・フィルタは それぞれの出力信号を経路1350(左チャンネルは1300)、1352(右 チャンネルは1300)、1358(1308)、262(右チャンネルは13 10)に加える。当業者が認識するように、全ての5つのノッチ・フィルタの計 算要素の作動は同じである。 図14の適応ノッチ・フィルタ1310(左チャンネル)はその入力経路13 50に入力される個別のサンプル入力値u(t)に存在するノイズを決定する( ここで以下の式に用いられる(t)はサンプル周期“t”に対応する値を示す) 。バイアス除去パラメータ(以下の式にはαとして示される)は経路1364に (α2として)受け取られる。現在のサンプル周期(θ(t))と前のサンプル 周期(θ(t−1))とのノッチフィルタの係数は、経路1362を通して受け 濾波値eが生成されて経路260上に出力される。適応ノッチ・フィルタ131 0は二次フィルタ多項式によって品質の向上した信号値e(t)を以下のように 決定する。 加うるに、適応ノッチ・フィルタ1310は勾配(ψ(t))を以下のように決 定する。 ψ(t)=φ(t)-α2ψ(t-2)-αψ(t-1)θ(t-1) 最後に、適応ノッチ・フィルタ1310はまた、エラー推定値(n(t))を以 下のように決定する。 適応ノッチ・フィルタ1310は経路1350を通して受け取った入力値(u( t)又はy(t)−ノッチ・フィルタに加えられるべきサンプル値)を遅延回路 1408に加える。遅延回路1408の出力として発生した1回遅延された入力 サンプル値u(t−1)は経路1454を通して遅延回路1410に加え、2回 遅延された入力サンプル値u(t−2)は経路1456に加えられる。遅延回路 1408、1410は、それぞれの入力に加えられた値を上に論じたCLK経路 に加えられたサンプル・クロック信号の1パルスだけ遅延させる。遅延回路14 26、1428、1440、1442は同様に作動し、それぞれの入力値をCL K信号経路によって示される1サンプル・クロック期間だけ遅延させる。経路1 364に受け取られたバイアス除去パラメータαは乗算ジャンクション1412 の両入力に加えられ、その出力される積α2は経路1468に加えられる。 経路1364上のバイアス除去パラメータα及び経路1462(後述)上の1 8上の二乗されたバイアス除去パラメータα2及び経路1464(後述))上の 1回遅延された入力サンプル値u(t−1)は加算ジャンクション1414に 418によって経路1456上の2回遅延された入力サンプル値u(t−2)か 86に加えられる。経路1458上の中間値φ(t)及び経路1362上のフィ ルタ係数θ(t)は乗算ジャンクション1422に加えられて中間値φ(t)θ (t)を生成し、この積は経路1472に加えられる。経路1458上の中間値 φ(t)及び経路1362上のフィルタ係数θ(t−1)は乗算ジャンクション 1424に加えられて中間値φ(t)θ(t−1)を生成し、この積は経路14 70に加えられる。ノッチ・フィルタ1310は、先ず、経路1350上の入 2)を加算ジャンクション1400の入力に加えて和u(t)+u(t−2)− φ(t)θ(t)は、加算ジャンクション1404によって経路1450上の中 1406によって経路1350上の入力サンプル値u(t)から減算され、その 結果生じる品質の向上した出力信号値e(t)はノッチ・フィルタの出力経路2 成する。経路1462、1464上のこれらの遅延されたノイズ推定値は上に論 じたように中間の計算に利用される。 ノッチ・フィルタ1310によって発生した品質の向上した信号e(t)に加 えて、先天的(a priori)ノイズ推定値n(t)が後述の重み適応計算 での使用のために決定される。経路1470上の中間値φ(t)θ(t−1)は 加算ジャンクション1402によって経路1450上の中間値u(t)+u(t n(t)を決定し、この推定エラーを経路260に加え、重み適応計算要素13 12により使用する(後述)。 最後に、ノッチ・フィルタ1310は勾配ψ(t)を後述の重み適応計算にお ける使用のために再帰的に計算する。経路260上の現在の勾配値ψ(t)は遅 延回路1440に加えられ、経路1474に1回遅延された勾配値ψ(t−1) を生成する。経路1474上の1回遅延された勾配値ψ(t−1)は遅延回路1 442に加えられ、経路1480に2回遅延された勾配値ψ(t−2)を生成す る。経路1474上の1回遅延された勾配値ψ(t−1)及び経路1362上の 重み係数θ(t−1)が乗算ジャンクション1434によって乗算され、乗算ジ ャンクション1434はこの中間積を経路1476に加える。経路1476上の この中間積及び経路1364上のバイアス除去パラメータαは乗算ジャンクショ ン1432に加えられ、経路1478に中間積αθ(t−1)ψ(t−1)を生 成する。経路1480上の2回遅延された勾配ψ(t−2)及び経路1468上 のバイアス除去パラメータの二乗α2は乗算ジャンクション1438に加えられ る。乗算ジャンクション1438の積は経路1482に加えられ、加算ジャンク ション1436によって経路1458上の中間値φ(t)から減算され、経路1 484に中間値φ(t)−α2ψ(t−2)を生成する。経路1478上の中間 値は加算ジャンクション1430によって経路1484上の中間値から減算され 、次の新しい勾配 ψ(t)=φ(t)-α2ψ(t-2)-αθ(t-1)ψ(t-1) を生成し、これを経路260に加える。 第二の例示的な実施の形態−重み適応: 図15は、図13の重み適応計算要素1302及び1312の構造及び作動に 関する更なる詳細を与える。重み適応計算要素1302、1312は同じ計算を 実行するが、図13のレジスタ・ファイル1306から及びそれらの関連の適応 ノッチ・フィルタ1308、1310から、それぞれ独自の入力値を受け取る。 重み適応計算要素1302は経路1358を通してノッチ・フィルタ1308か らエラー因子n及び勾配ψを受け取り、経路1364を通してレジスタ・ファイ ル1306から忘却係数λ1を受け取る。重み適応計算要素1302は経路13 60を経由して現在の重みθ(t)をノッチ・フィルタ1300、1308に加 える。1回遅延された重みθ(t−1)は経路1360を介してノッチ・フィル タ1308に加えられる。重み適応計算要素1312は経路260を介してノイ ズ推定値n及び勾配ψを左チャンネルのノッチ・フィルタ1310から受け取り 、経路1364を介して忘却係数λ2をレジスタ・ファイル1306から受け取 る。重み適応計算要素1312は現在の重みθ(t)及び1回遅延された重みθ (t−1)をノッチ・フィルタ1310に加え、経路1362を介して現在の重 みθ(t)を周波数計算要素1304に加える。重み適応計算要素1302、1 312は同じに作動するため、以下の説明は要素1302の作動のみに言及する 。 重み適応計算要素1302は以下のようにスカラー演算を用いてその関連のノ ッチ・フィルタに対する次の重み係数を決定する(ここで、以下の式に用いられ る(t)はサンプリング周期“t”に対応する値を示す)。 θ(t)=θ(t-1)+P(t)ψ(t)n(t) 更新された重み係数 P(t)=(P(t-1)-((P(t-1)ψ(t)2P(t-1))/(λ+ψ(t)2P(t-1))))/λ 共分散変数 重み適応計算要素1302は経路1360上の更新された重み係数θ(t)を決 定し、これを遅延回路1500の入力に加えて経路1360に1回遅延された重 み係数θ(t−1)を生成する。 重み適応計算要素1302は、経路1556上の以前に計算された共分散変数 、経路1358上で供給された勾配ψ及び経路1364を通してのレジスタ・フ ァイル1306からの忘却係数λ1の関数として、各々の新しいサンプル値によ り更新された共分散変数P(t)を決定する。経路1554上の現在の共分散変 数P(t)は遅延回路1508に加えられ、経路1556に加えられる1回遅延 された共分散変数P(t−1)が生成される。乗算ジャンクション1512は経 路1556上の1回遅延された共分散変数P(t−1)及び経路1358上の勾 配ψを受け取り、積P(t−1)ψ(t)を経路1558に加える。乗算ジャン クション1514は経路1558上の積及び経路1358上の勾配ψを受け取り 、積P(t−1)ψ(t)2を経路1560に加える。乗算ジャンクション15 16は経路1560上の積と1回遅延された共分散変数P(t−1)とを受け取 って積P(t−1)ψ(t)2P(t−1)(上記の共分散変数の計算での分子 )を経路1562に加える。加算ジャンクション1510は経路1560上の積 P(t−1)ψ(t)2と経路1364上の忘却係数λ1とを受け取り、その和λ1 +P(t−1)ψ(t)2(上記の共分散の計算での分母)を経路1568に加 える。計算要素1518は入力経路1562に加えられた分子をその入力経路1 568に加えられた分母で除算して経路1564に出力商を生成する。加算ジャ ンクション1520は経路1556上の1回遅延された共分散変数から経路15 64上の商を減算し、その結果を経路1566に加える。計算要素1522はそ の入力経路1566上の分子をその入力経路1364上の分母の忘却係数λ1で 除算して、更新された共分散変数P(t)を生成し、これを出力経路1554に 加える。 乗算ジャンクション1502は経路1358上のエラー因子nと経路1358 上の勾配ψとを受け取って積ψnを経路1550に加える。乗算ジャンクション 1504は経路1550上の積ψ(t)n(t)と経路1554上の更新された 共分散変数P(t)を経路1554に受け取って積P(t)ψ(t)n(t)を 経路1552に加える。加算ジャンクション1506は、経路1552上のこの 積と経路1360上の1回遅延された重み係数θ(t−1)を受け取って、更新 された重み係数θ(t)を経路1360に加える。 第二の例示的な実施の形態−周波数計算: 適応ノッチ・フィルタ1310に加えて、周波数計算要素1304は更新され た重み係数θ(t)を経路1362を通して重み適応計算要素1312から受け 取る。図16に更に詳細に図示される周波数計算要素1304は、経路1362 を通して受け取られた重み係数θ(t)値を累算して、ゴエルツェル・フィルタ 重みB’(B’0及びB’1)及び周波数Ω’を計算し、これらを経路358に加 える。図16の周波数計算要素1304は上で詳細に論じた第一の実施の形態に おける図9の要素308に類似の様式で作動する。加算ジャンクション1600 は、経路1652上の以前の累算された和、及び、経路1362上の更新された 重みθ(t)を受け取り、これらの和を経路1654を通してマルチプレクサ1 602の入力に加える。マルチプレクサ1602は通常、その入力経路1654 上の累算された和をその出力経路1650に加えるように選択される。経路16 50上の累算された和はレジスタ1604の入力に加えられ、サンプル・クロッ ク信号CLKが経路1362に加えられた新しい重み値毎にパルス入力された時 に、累算された和が記憶される。(第一の実施の形態及び図3乃至図12に関し て説明した)半ウインドウ信号が経路274を通してマルチプレクサ1602に 加えられると、入力経路1362上の新しく受け取られた重み値をマルチプレク サ1602を通して出力経路1650に加えることにより、累算がリセットされ る。これにより、レジスタ1604に累算された和がリセットされ、サンプル値 の別の半ウインドウ期間に対する新しい累算が開始される。 経路1362上に受け取られた重みの和は、経路1652を通して計算要素1 606のX入力に加えられる。計算要素1606はゴエルツェル・フィルタ重み の実数部(B’0)を以下のように計算する。 B’0=−X/2N ここでXは上記のように要素1606への入力であり、Nは半ウインドウ期間に おけるサンプルの数である。計算要素1606によって計算されたゴエルツェル ・フィルタ重みの実数部(B’0)は、上で論じた半ウインドウ係数パイプライ ン310による使用のために経路358に加えられる。ゴエルツェル・フィルタ 重みの実数部はまた、計算要素1608のX入力に加えられ、計算要素1608 はゴエルツェル・フィルタ重みの虚数部(B’1)を以下のように計算する。 B’1=sqrt(1−X2) ここで、Xは上記の要素1608への入力である。計算要素1608によって計 算されたゴエルツェル・フィルタ重みの虚数部(B’1)は、上に論じた半ウイ ンドウ係数パイプライン310による使用のために経路358に加えられる。加 うるに、ゴエルツェル・フィルタ重みの実数部は計算要素1610のX入力に加 えられ、計算要素1610は振動流管の基本周波数(Ω’)を以下のように計算 する。 Ω’=cos-1X ここでXは上記のように要素1610への入力である。計算要素1610によっ て計算された基本周波数(Ω’)は上に論じた半ウインドウ係数パイプライン3 10による使用のために経路358に加えられる。 計算要素1606、1608、1610によって実行される計算は、それぞれ の入力が適宜の範囲の外にある時は不確定である。これらの計算の出力値は、こ れらの入力がそれぞれの計算に適切であることが保証される時点であるハニング ・ウインドウの境界上でのみ利用される。この理由により、図16の図面によっ て示唆される不確定の計算は、何ら実用的な関連性がない。上で論じたように、 図16の疑似回路は本発明の方法及び関連の計算を理解する上での助けとしての み意図される。 第一の実施の形態について上で説明した発見的手法の試験に類似した試験を第 二の実施の形態にも用い得ることは、当業者には容易に明白となろう。これらの 発見的手法によって、ノッチ・フィルタ適応方法の周波数収束の喪失によって引 き起こされる誤った計算によって発生する誤った流量測定が防止される。斯かる 発見的手法は、新しい値が流量計の特定の応用での妥当な範囲内にある場合のみ サンプル毎に(あるいは半ウインドウの境界において)一般に計算を更新する。 計算が予期せぬ値を生じた場合、更新された値は用いられず、前の値が再使用さ れる。請求された発明は好ましい実施の形態に限定されず、本発明の概念の範囲 及び精神内で他の修正及び変更を含むことは明白に理解される。例えば、本発明 は図1の流量計に関連して説明されてきた。理解すべきは、本発明は図1に示さ れた型式の流量計にその応用を限定されないことである。本発明の単一管、二重 管、直管、不規則な形状の管等を有する流量計を含む、コリオリの原理に基づい て作動する任意の型式の流量計に用いられ得る。また、本発明が利用される流量 計は、図1に示す形状の特定のフランジ及び穴を有する必要はなく、その代わり 、流量計が連結される導管に任意の好適な手段で取り付けられる。或いは、例え ば、本発明に示されている適応ノッチ・フィルタは、他の形のデシメーションを 有するサンプル入力値、或いは特定のサンプリング速度及び特定の応用に対して 適切な、デシメーションなしのサンプリングされた入力信号値を受け取り得る。 加うるに、重み適応計算は左チャンネルのサンプリングされた信号値とは別の信 号値に基づいて行われ得る。当業者であれば、特許請求された発明の範囲及び精 神内で本明細書に説明された実施の形態の広い範囲の修正を認識し得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ラジャン,サーラマン カナダ国ニュー・ブランズウィック イー 3ビー・5エイ3,フレデリクトン,アル バート・ストリート 666 【要約の続き】 来の設計よりも簡潔であり、適応ノッチ濾波により更に 良好なノイズ免疫性を与える。デジタル・フィルタの収 束を改善し且つフィルタの不安定性の質量流量測定への 干渉の可能性を低減するために、ノッチ・フィルタの重 み適応化アルゴリズムに発見的手法が適用される。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.流管手段と、前記流管手段に関連する検知器とを有するコリオリ質量流量 計であって、前記流管手段の振動を表す出力信号を発生するためにコリオリ質量 流量計における物質の質量流量を測定するための装置において、 前記検知器出力信号を周期的にサンプリングし、サンプリングされた検知器出 力信号をデジタル形式に変換する手段であって、任意の不要成分を含む、前記の 第一及び第二の検知器の前記出力信号を表す一連の個別のサンプル値を発生する ための手段、 前記一連の個別のサンプル値の発生に応答して、前記不要成分が除去された前 記一連の個別のサンプル値のサンプルに対応する一連の個別の品質の向上した値 を発生するためのデジタル・ノッチ濾波手段、 前記一連の個別の品質の向上した値の発生に応答して、前記第一の検知器と前 記第二の検知器の出力信号間の位相差を決定するための位相決定手段、及び 位相差の決定に応答して、前記流管手段を流れる物質の質量流量値を決定する ための質量流量測定手段 を含む装置。 2.前記デジタル・ノッチ濾波手段と共働して、前記デジタル・ノッチ濾波手 段のフィルタ・パラメータを変更し、前記の第一及び第二の検知器の出力信号の 不要成分を除去するノッチの能力に影響を及ぼすためのノッチ適応手段を含む請 求項1の装置。 3.前記フィルタ・パラメータが、前記個別のサンプル値の信号品質を向上さ せるために前記個別のサンプル値に適用される可変の多項式係数を含んでおり、 前記可変多項式係数は前記デジタル・ノッチ濾波手段のノッチの中心周波数を決 定する請求項2の装置。 4.前記ノッチ適応手段が、前記個別のサンプル値の信号品質を向上させて前 記デジタル・ノッチ濾波手段の中心周波数を変更する際に、前記個別のサンプル 値に適用される前記可変多項式係数を調節するための重み適応手段を含む請求項 3の装置。 5.対応するノイズ信号に対する個別の品質の向上した値の比が所定のしきい 値を下回ったことを検出し、前記の検出に応答して誤り信号を発生するための手 段、及び 前記誤り信号の発生に応答して、前記可変の多項式係数を調節するための手段 を更に含む請求項4の装置。 6.前記可変の多項式係数の調節における不安定性を検出し、不安定性の検出 を示す不安定性信号を発生するための安定性試験手段、及び 前記不安定性信号の発生に応答して、前記不安定性を低減させるよう前記可変 多項式係数を調節するための手段 を更に含む請求項4の装置。 7.前記フィルタ・パラメータが、前記個別のサンプル値の信号品質を向上さ せる際に前記個別のサンプル値に適用される可変のバイアス除去パラメータを含 み、該可変のバイアス除去パラメータが前記デジタル・ノッチ濾波手段のノッチ の周波数スペクトル幅を決定する請求項2の装置。 8.前記ノッチ適応手段が、前記個別のサンプル値の信号品質を向上させる際 に前記個別のサンプル値に適用される前記可変のバイアス除去パラメータを調節 するための重み適応手段を更に含む請求項7の装置。 9.対応するノイズ信号に対する個別の向上した値の比が所定のしきい値を下 回ったことを検出し、この検出に応答して誤り信号を発生するための手段、及び 前記誤り信号に応答して、前記可変のバイアス除去パラメータを調節するため の手段 を更に含む請求項8の装置。 10.前記位相差手段が、 複数の連続した前記個別の品質の向上した値を含むウインドウを規定するため のウインドウ手段、及び 前記ウインドウにおける個別の品質の向上した値をデシメーション処理して前 記ウインドウに対する位相値を決定するためのゴエルツェル濾波手段 を更に含む請求項1の装置。 11.前記ウインドウにおける前記複数の個別の品質の向上した値の各々を重 み付けするためのハニング・ウインドウ手段を更に含み、前記重みが、 (ここでNはウインドウ中の個別の品質の向上した値の数の半分であり、kは重 みh(k)が適用される値の指標である)として決定される請求項10の装置。 12.前記位相差手段が、 各々が複数の連続した前記個別の品質の向上した値を含む複数のウインドウを 規定するためのウインドウ手段、及び 前記複数のウインドウの各々における前記複数の個別の品質の向上した値をデ シメーション処理して前記ウインドウに対する位相値を決定するためのゴエルツ ェル濾波手段を含み、 各々の前記ウインドウが等しい数の前記個別の品質の向上した値を含み、 各々の前記ウインドウが、等しい数の前記個別の品質の向上した値だけ、先の ウインドウからオフセットされる 請求項1の装置。 13.前記ウインドウの各々における前記複数の個別の品質の向上した値の各 々を重み付けするためのハニング・ウインドウ手段を更に含み、前記重みが、 (ここでNはウインドウ中の個別の品質の向上した値の数の半分であり、kは重 みh(k)が適用される値の指標である)として決定される請求項12の装置。 14.前記デジタル・ノッチ濾波手段が、 前記一連の個別のサンプル値の発生に応答して、前記不要成分を表す信号が部 分的に除去された前記一連の個別のサンプル値のサンプルに対応する中間の一連 の個別の値を発生するための第一のデジタル・ノッチ濾波手段、及び 前記中間の一連の個別の値の発生に応答して、前記不要成分を表す信号が除去 された前記中間の一連の個別の値の中間の個別の値に対応する前記一連の個別の 品質の向上した値を発生するための第二のデジタル・ノッチ濾波手段 を更に含む請求項1の装置。 15.前記第一のデジタル・ノッチ濾波手段と共働して、信号の特徴をノイズ を表すものとして確定される、前記第一のデジタル・ノッチ濾波手段のフィルタ ・ パラメータを変更するための第一のノッチ適応化手段、及び 前記第第二のデジタル・ノッチ濾波手段と共働して、信号の特徴をノイズを表 すものとして確定される、前記第二のデジタル・ノッチ濾波手段のフィルタパラ メータを変更するための第二のノッチ適応化手段 を更に含む請求項14の装置。 16.前記フィルタ・パラメータが、前記個別のサンプル値の信号品質を向上 させるために前記個別のサンプル値に適用される可変の多項式係数を含む請求項 15の装置。 17.前記第一のノッチ適応手段が、前記個別のサンプル値に適用される前記 可変の多項式係数を調節して前記中間の一連の個別の値を発生するための重み適 応手段を更に含み、 前記第二のノッチ適応手段が、前記中間の一連の個別の値に適用される可変の 多項式係数を調節して前記一連の個別の品質の向上した値を発生するための重み 適応手段を更に含む請求項16の装置。 18.流管手段と前記流管手段に関連する第一及び第二の検知器とを有するコ リオリ質量流量計であって前記流管手段の振動を表す出力信号を発生するための コリオリ質量流量計において、前記流量計の前記流管手段を流れる物質の質量流 量を測定するための方法であって、 前記第一及び第二の検知器によって発生されるアナログ出力信号を周期的にデ ジタル形式に変換し、任意の不要の成分を含む、前記第一及び第二の検知器の前 記出力信号を表す一連の個別のサンプル値を発生する段階、 ノイズを表す信号が除去された前記一連の個別のサンプル値のサンプルに対応 する一連の個別の品質の向上した値を発生するために、前記一連の個別のサンプ ル値をデジタル・ノッチ濾波手段に印加する段階、 前記一連の個別の品質の向上した値によって示される前記流管の振動に関する 位相情報を決定するために、前記一連の個別の品質の向上した値を位相値決定手 段に加える段階、 前記第一の検知器と前記第二の検知器との出力信号間の位相差を決定するため に前記位相情報を位相差計算手段に加える段階、及び 位相差の決定に応答して前記流量計を流れる物質の流量を決定する段階 を含む方法。 19.前記デジタル・ノッチ濾波手段を調節して、前記流管の振動周波数の変 化を補償するために、前記デジタル・ノッチ濾波手段のフィルタ・パラメータを 変更する段階を更に含む請求項18の方法。 20.前記フィルタ・パラメータは、前記個別のサンプル値の信号品質を向上 させるために前記個別のサンプル値に適用される可変の多項式係数を含み、前記 可変の多項式係数が前記デジタル・ノッチ濾波手段のノッチの中心周波数を決定 する請求項19の方法。 21.前記変更する段階が、前記デジタル・ノッチ濾波手段の中心周波数を変 更するために、前記個別のサンプル値の信号品質を向上させる際に前記個別のサ ンプル値に適用される前記可変の多項式係数を調節する段階を更に含む請求項2 0の方法。 22.対応のノイズ信号に対する個別の品質の向上した値の比を決定する段階 、 前記比が所定のしきい値を下回ったか否かを決定する段階、 前記比が前記所定のしきい値を下回ったことの決定に応答して誤り信号を発生 する段階、及び 前記誤り信号の発生に応答して前記可変の多項式係数を調節する段階 を更に含む請求項21の方法。 23.前記可変の多項式係数が安定値の許容範囲の外にあるか否かを決定する 段階、 前記可変の多項式係数が不安定であることの決定に応答して不安定性信号を発 生する段階、及び 前記不安定性信号の発生に応答して、前記不安定性を低減するよう前記可変の 多項式係数を調節する段階 を更に含む請求項21の方法。 24.前記フィルタ・パラメータが、前記個別のサンプル値の信号品質を向上 させる際に前記個別のサンプル値に適用される可変のバイアス除去パラメータを 含み、前記可変のバイアス除去パラメータが前記デジタル・ノッチ濾波手段のノ ッ チの周波数スペクトル幅を決定する請求項19の方法。 25.前記パラメータを変更する段階が、前記個別のサンプル値の信号品質を 向上させるために前記個別のサンプル値に適用される前記可変のバイアス除去パ ラメータを調節する段階を更に含む請求項24の方法。 26.対応のノイズ信号に対する個別の品質の向上した値の比を決定する段階 、 前記比が所定のしきい値を下回ったか否かを決定する段階、 前記比が前記所定しきい値を下回ったことの決定に応答して誤り信号を発生す る段階、及び 前記誤り信号の発生に応答して前記可変のバイアス除去パラメータを調節する 段階 を更に含む請求項25の方法。 27.前記位相値の前記位相差計算手段への印加が、 複数の一連の前記個別の品質の向上した値を含むウインドウを規定する段階、 及び 前記ウインドウの位相値を決定するためにゴエルツェル濾波により前記ウイン ドウにおける個別の品質の向上した値をデシメーション処理する段階 を更に含む請求項18の方法。 28.前記ウインドウにおける前記複数の個別の品質の向上した値の各々を重 み付けするためにハニング・ウインドウ重みを決定する段階を更に含み、前記重 (ここでNはウインドウ中の個別の品質の向上した値の数の半分であり、kは重 みh(k)が適用される値の指標である)として決定される請求項27の方法。 29.前記位相値の前記位相差計算手段への印加が、 各々が複数の一連の前記個別の品質の向上した値を含む複数のウインドウを規 定する段階、及び 前記複数のウインドウの位相値を決定するためにゴエルツェル・フィルタによ り前記複数のウインドウの各々における前記個別の品質の向上した値をデシメー ション処理する段階、 を含み、 各々の前記ウインドウが、等しい数の前記個別の品質の向上した値を含み、 各々の前記ウインドウが、等しい数の前記個別の品質の向上した値だけ、先の ウインドウからオフセットされる段階 を更に含む請求項18の方法。 30.前記複数のウインドウにおける前記複数の個別の品質の向上した値の各 々を重み付けするためにハニング・ウインドウ重みを決定する段階を更に含み、 前記重みが、 (ここでNはウインドウ中の個別の品質の向上した値の数の半分であり、kは重 みh(k)が適用される値の指標である)として決定される請求項29の方法。 31.前記個別のサンプル値を前記デジタル・ノッチ濾波手段へ印加する段階 が、 ノイズを表す信号が部分的に除去された前記一連の個別のサンプル値のサンプ ルに対応する中間の一連の個別の値を発生するよう第一のデジタル・ノッチ濾波 手段を作動させる段階、及び 前記中間の一連の個別の値の発生に応答して、ノイズを表す信号が除去された 前記中間の一連の個別の値の中間の個別の値に対応する一連の個別の品質の向上 した値を発生するよう第二のデジタル・ノッチ濾波手段を作動させる段階 を更に含む請求項18の方法。 32.前記第一のデジタル・ノッチ濾波手段を調節するよう前記第一のデジタ ル・ノッチ濾波手段のフィルタ・パラメータを変更し、前記流管の振動の周波数 の変化を補償するために第一のノッチ適応手段を作動させる段階、及び 前記第二のデジタル・ノッチ濾波手段を調節するよう前記第二のデジタル・ノ ッチ濾波手段のフィルタ・パラメータを変更し、前記流管の振動周波数の変化を 補償するために第二のノッチ適応手段を作動させる段階 を更に含む請求項31の方法。 33.前記フィルタ・パラメータが、前記個別のサンプル値の信号品質を向上 させるために前記個別のサンプル値に適用される可変の多項式係数を含む請求項 32の方法。 34.前記第一のノッチ適応手段を変更する段階が、前記個別のサンプル値に 適用される可変の多項式係数を調節して前記中間の一連の個別の値を発生する重 み適応手段を作動させる段階を更に含み、前記第二のノッチ適応手段を作動させ る前記段階が、前記中間の一連の個別の値に適用される可変の多項式係数を調節 して前記の一連の個別の品質の向上した値を発生するために重み適応手段を作動 させる段階を更に含む請求項33の方法。
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